後見の事務の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。
後見の事務とは、後見人が就職後に行う財産調査・目録作成から、日常の財産管理・身上への配慮、居住用不動産の処分、郵便物等の管理、費用や報酬の扱い、後見監督人や家庭裁判所による監督までの一連の職務です。数人の後見人がいる場合の権限行使の定め方や、後見監督人の同意を要する行為・取消しの扱いなど、実務上迷いやすい点もあわせて整理しています。
| 事務の種類 | 内容 | 期限・要件 | 効果・注意点 |
|---|---|---|---|
| 財産調査・目録作成 | 財産を調査し目録を作成 | 1か月以内(伸長可) | 監督人の立会いが必要 |
| 目録作成前の権限 | 急迫の必要行為のみ可 | 目録完成まで | 善意の第三者に対抗不可 |
| 債権債務の申出 | 本人への債権債務を申出 | 調査着手前 | 申出ないと債権を失う |
| 身上への配慮 | 生活・療養看護に配慮 | 常時 | 本人の意思を尊重 |
| 財産管理・代表 | 財産管理と法律行為代表 | 常時 | 利益相反は代理権制限 |
| 居住用不動産の処分 | 売却・賃貸・抵当権設定等 | 都度 | 家裁の許可が必要 |
| 郵便物等の管理 | 本人宛郵便物を後見人へ配達 | 6か月以内 | 家裁の嘱託が必要 |
| 支出予定・費用 | 毎年の支出額を予定 | 就職の初め | 費用は本人財産から支弁 |
| 後見人の報酬 | 相当な報酬を付与 | ― | 家裁が本人財産から付与 |
| 事務の監督 | 報告・目録提出要求、調査 | いつでも | 監督人・家裁が行う |
| 重要な財産行為の同意 | 営業や重要な財産行為 | 都度 | 同意なければ取消可 |
| 複数後見人の権限行使 | 共同・分掌など定め可能 | ― | 家裁が職権で定め取消も可 |
| 未成年者の親権代行 | 後見人が親権を行う | 常時 | 財産管理等の規定を準用 |
後見の事務について、条文は何を定めているか。
論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。
未成年者の無権代理人が後見人となつた場合においてさきになされた無権代理行為の効果が未成年者に及ぶとされた事例
禁治産者の後見人がその就職前にした無権代理による訴えの提起及び弁護士に対する訴訟委任の行為の効力を再審の訴えにおいて否定することが信義則に反して許されないとはいえないとされた事例
禁治産者の後見人がその就職前に無権代理人によって締結された契約の追認を拒絶することが信義則に反するか否かを判断するにつき考慮すべき要素
共同相続人の一人である後見人が他の共同相続人である被後見人を代理してする相続の放棄が利益相反行為にあたらない場合
旧民法九一五条四号にいう「後見人と被後見人トノ利益相反スル行為」にあたるとされた事例
後見監督人が被後見人を代理した場合と民法第八六六条による取消権の成否。
一 旧民法第八六六条第一号の「虐待」にあたる一事例
二 旧民法第八六六条と訴提起後に生じた事実を原因として離縁判決をすることの可否
e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。
条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。