論点1第388条地方税法
固定資産評価基準(昭和三八年一二月二五日自治省告示第一五八号)と前年中に取得された償却資産の評価方法
裁判要旨固定資産評価基準(昭和三八年一二月二五日自治省告示第一五八号)は、前年中に取得された償却資産の評価についてはいわゆる半年分償却法のみを認め、いわゆる月割償却法はこれを認めない趣旨と解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和61年12月11日 昭和58(行ツ)55
- 登載
- 集民 第149号283頁
- 参照法条
- 地方税法349条の2,地方税法388条1項,地方税法403条1項,地方税法414条,固定資産評価基準(昭和38年12月25日自治省告示第158号)3章1節2
論点2第388条地方税法
固定資産課税台帳に登録された土地の価格について,当該土地が調整池の用に供されその機能を保持することが商業施設に係る開発行為の許可条件になっていることを理由に地目を宅地と認定するなどして算出された上記価格が固定資産評価基準によって決定される価格を上回るものではないとした原審の判断に違法があるとされた事例
裁判要旨固定資産課税台帳に登録された基準年度に係る賦課期日における土地の価格について,当該土地が商業施設に係る開発行為に伴い調整池の用に供され,その調整機能を保持することが上記開発行為の許可条件になっていることを理由に,面積の80%以上に常時水がたまっているなどの当該土地の現況等について十分に考慮することなく,当該土地は宅地である上記商業施設の敷地を維持するために必要な土地であるとして,地目を宅地と認定するなどして算出された上記価格が固定資産評価基準によって決定される価格を上回るものではないとした原審の判断には,固定資産の評価に関する法令の解釈適用を誤った違法がある。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成31年4月9日 平成30(行ヒ)262
- 登載
- 集民 第261号215頁
- 参照法条
- 地方税法349条1項,地方税法388条1項,地方税法403条1項,固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号)第1章第1節一
論点3第388条地方税法
固定資産課税台帳に登録された土地の価格について,当該土地に接する街路が建築基準法42条1項3号所定の道路に該当する旨の市長の判定がされていること等を理由に上記街路が同号所定の道路に該当することを前提とする上記価格の決定は適法であるとした原審の判断に違法があるとされた事例
裁判要旨固定資産課税台帳に登録された基準年度に係る賦課期日における土地の価格について,当該土地に接する街路が建築基準法42条1項3号所定の道路に該当するための要件を満たすか否かは明らかでないとしながら,上記街路が同号所定の道路に該当する旨の市長の判定がされていること等を理由に,建築確認を受けることができないために当該土地上に建築物を建築することができない事態となる可能性はないとして,上記街路が同号所定の道路に該当することを前提とする上記価格の決定は適法であるとした原審の判断には,固定資産の評価等に関する法令の解釈適用を誤った違法がある。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成30年7月17日 平成28(行ヒ)406
- 登載
- 集民 第259号1頁
- 参照法条
- 地方税法349条1項,地方税法388条1項,地方税法403条1項,固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号)第1章第3節,建築基準法42条1項3号,建築基準法43条1項
論点4第388条地方税法
1 固定資産課税台帳に登録された基準年度に係る賦課期日における土地の価格が固定資産評価基準によって決定される価格を上回る場合におけるその登録された価格の決定の適否
2 固定資産評価基準によって決定される基準年度に係る賦課期日における土地の価格とその適正な時価との関係
裁判要旨1 固定資産課税台帳に登録された基準年度に係る賦課期日における土地の価格が固定資産評価基準によって決定される価格を上回る場合には,同期日における当該土地の客観的な交換価値としての適正な時価を上回るか否かにかかわらず,その登録された価格の決定は違法となる。
2 評価対象の土地に適用される固定資産評価基準の定める評価方法が適正な時価を算定する方法として一般的な合理性を有するものであり,かつ,固定資産課税台帳に登録された基準年度に係る賦課期日における当該土地の価格がその評価方法に従って決定された価格を上回るものでない場合には,その登録された価格は,その評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情の存しない限り,同期日における当該土地の客観的な交換価値としての適正な時価を上回るものではないと推認される。
(2につき補足意見がある。)
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成25年7月12日 平成24(行ヒ)79
- 登載
- 民集 第67巻6号1255頁
- 参照法条
- (1,2につき)地方税法341条5号,地方税法349条1項,地方税法388条1項,地方税法403条1項
論点5第388条地方税法
固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号。平成12年自治省告示第217号による改正前のもの)及び市の評価要領に基づき宅地の価格に比準する方法によって決定された市街化区域内の農地等の価格につき,当該区域が市街化区域としての実態を有していないことのみを理由として上記価格が適正な時価を上回るとした原審の判断に違法があるとされた事例
裁判要旨固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号。平成12年自治省告示第217号による改正前のもの。)及び市の土地評価要領に基づき宅地の価格に比準する方法により市街化区域内の農地,原野及び雑種地の価格が決定された場合において,固定資産評価基準所定の市街化区域内の農地の評価方法等に一般的な合理性があるなど判示の事情の下では,当該区域が市街化区域としての実態を有していないことのみを理由として,他に前記方法によっては適切に算定することのできない特別の事情があることについて首肯するに足りる認定説示をすることなく,前記方法によって決定された価格が適正な時価を上回るとした原審の判断には,違法がある。
(補足意見がある。)
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成21年6月5日 平成18(行ヒ)179
- 登載
- 集民 第231号57頁
- 参照法条
- 地方税法(平成11年法律第160号による改正前のもの)388条1項,地方税法(平成11年法律第160号による改正前のもの)403条1項,地方税法(平成16年法律第124号による改正前のもの)341条5号,地方税法349条1項,地方税法附則19条の2第1項,固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号。平成12年自治省告示第217号による改正前のもの)第1章第2節の2,固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号。平成12年自治省告示第217号による改正前のもの)第1章第3節,固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号。平成12年自治省告示第217号による改正前のもの)第1章第9節,固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号。平成12年自治省告示第217号による改正前のもの)第1章第10節一
論点6第388条地方税法
1 地方税法73条の21第2項〈不動産の価格の決定等〉に規定する不動産について決定された不動産取得税の課税標準となるべき価格がその適正な時価を上回る場合における不動産取得税の賦課決定の適否
2 地方税法73条の21第2項により決定されるべき「不動産取得税の課税標準となるべき価格」の意義
裁判要旨1 地方税法
73条の21第2項〈不動産の価格の決定等〉に規定する不動産についてされた不動産取得税の賦課決定は,同項に基づき固定資産評価基準によって決定されたその課税標準となるべき価格が同法73条5号にいう適正な時価を上回る場合には,違法となる。
2 地方税法
73条の21第2項に規定する不動産について同項により決定されるべき「不動産取得税の課税標準となるべき価格」すなわち,当該不動産を取得した時における適正な時価とは,その時における客観的な交換価値をいう。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成16年10月29日 平成13(行ヒ)224
- 登載
- 集民 第215号485頁
- 参照法条
- 地方税法73条5号,地方税法73条の13第1項,地方税法73条の21第1項,地方税法73条の21第2項,地方税法(平成11年法律第87号による改正前のもの)388条1項
論点7第388条地方税法
固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号。平成10年自治省告示第87号による改正前のもの)に従って決定された平成9年度に係る賦課期日における家屋の価格が同期日における適正な時価を超えるとした原審の判断に違法があるとされた事例
裁判要旨固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号。平成10年自治省告示第87号による改正前のもの)が定める標準家屋の再建築費評点数に比準して家屋の再建築費評点数を付設する方法及び同評点数に乗ずべき経過年数に応ずる減点補正率並びに同基準に基づいて自治大臣が指示した評点1点当たりの価額に一般的な合理性があるという事情の下においては,同基準が定める評価の方法によっては再建築費を適切に算定することができない特別の事情又は同基準が定める減点補正を超える減価を要する特別の事情について首肯するに足りる認定説示をすることなく,同基準に従って決定された平成9年度に係る賦課期日における家屋の価格が同期日における適正な時価を超えるとした原審の判断には,違法がある。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成15年7月18日 平成11(行ヒ)182
- 登載
- 集民 第210号283頁
- 参照法条
- 地方税法(平成10年法律第27号による改正前のもの)381条3項,地方税法(平成11年法律第15号による改正前のもの)341条5号,地方税法(平成11年法律第15号による改正前のもの)411条1項,地方税法(平成11年法律第87号による改正前のもの)388条1項,地方税法(平成11年法律第160号による改正前のもの)403条1項,地方税法(平成14年法律第17号による改正前のもの)410条,地方税法349条1項,地方税法359条,固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号。平成10年自治省告示第87号による改正前のもの)2章1節一,固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号。平成10年自治省告示第87号による改正前のもの)2章1節二,固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号。平成10年自治省告示第87号による改正前のもの)3節,固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号。平成10年自治省告示第87号による改正前のもの)4節,固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号。平成10年自治省告示第87号による改正前のもの)別表第13
論点8第388条地方税法
1 固定資産課税台帳に登録された基準年度に係る賦課期日における土地の価格が同期日における当該土地の客観的な交換価値を上回る場合における上記価格の決定の適否
2 固定資産課税台帳に登録された平成6年度に係る賦課期日における宅地の価格の決定に同期日における適正な時価を超える違法があるとされた事例
裁判要旨1 固定資産課税台帳に登録された基準年度に係る賦課期日における土地の価格が同期日における当該土地の客観的な交換価値を上回る場合には,上記価格の決定は違法となる。
2 固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号。平成8年自治省告示第192号による改正前のもの)に定める市街地宅地評価法にのっとり,いわゆる7割評価通達に基づいて平成6年度に係る賦課期日における宅地の価格が決定された場合に,その算定の基礎として評定された標準宅地の価格が同期日におけるその客観的な交換価値を上回り,上記決定に係る宅地の価格を同期日におけるその客観的な交換価値を超えるものではないと推認することができないなど判示の事情の下においては,上記決定のうち同期日における標準宅地の客観的な交換価値に基づき上記市街地宅地評価法にのっとって算定した価格を上回る部分には,同期日における適正な時価を超える違法がある。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成15年6月26日 平成10(行ヒ)41
- 登載
- 民集 第57巻6号723頁
- 参照法条
- 地方税法(平成11年法律第15号による改正前のもの)341条5号,地方税法349条1項,地方税法359条,地方税法(平成10年法律第27号による改正前のもの)381条1項,地方税法(平成11年法律第87号による改正前のもの)388条1項,地方税法(平成11年法律第160号による改正前のもの)403条1項,地方税法(平成14年法律第17号による改正前のもの)410条,地方税法(平成11年法律第15号による改正前のもの)411条1項,固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号。平成8年自治省告示第192号による改正前のもの)第1章第3節一,二(一)
論点9第388条地方税法
複数の構造により建築されている非木造家屋について家屋課税台帳に登録すべき価格を決定するに当たり、固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号。平成30年総務省告示第229号による改正前のもの)別表第13の定める経年減点補正率のうち構造別区分を鉄骨鉄筋コンクリート造及び鉄筋コンクリート造とするものを適用したことが、同基準に反しないとされた事例
裁判要旨複数の構造により建築されている2棟の非木造家屋について家屋課税台帳に登録すべき価格がそれぞれ決定された場合において、上記各非木造家屋のうち、25階建てのものは、増築された部分を除く部分が、1階から5階までは鉄骨鉄筋コンクリート造及び鉄骨造、6階から25階までは鉄骨造で構成され、当該部分の合計床面積のうち少なくとも58%程度を鉄骨造の部分が占めており、地下1階付き9階建てのものは、地下1階から地上3階までは鉄骨鉄筋コンクリート造及び鉄骨造、地上4階から9階までは鉄骨造で構成され、合計床面積のうち80%程度を鉄骨造の部分が占めているなど判示の事情の下では、上記の各決定に当たり、固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号。平成30年総務省告示第229号による改正前のもの)別表第13の定める経年減点補正率のうち構造別区分を鉄骨鉄筋コンクリート造及び鉄筋コンクリート造とするものを適用したことが、同基準に反するものということはできない。
(反対意見がある。)
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 令和7年2月17日 令和5(行ヒ)142
- 登載
- ―
- 参照法条
- 地方税法349条1項、地方税法388条1項、地方税法403条1項、固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号。平成30年総務省告示第229号による改正前のもの)第2章第3節五、固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号。平成30年総務省告示第229号による改正前のもの)別表第13
論点10第388条地方税法
固定資産課税台帳に登録されたゴルフ場用地の価格が固定資産評価基準の定める評価方法に従って算定されたものということができないとした原審の判断に違法があるとされた事例
裁判要旨固定資産課税台帳に登録された基準年度に係る賦課期日におけるゴルフ場用地(ゴルフ場の用に供する一団の土地)の価格について,同期日において当該ゴルフ場用地の周辺の土地は工場等の敷地となっていたという事実関係の下では,当該ゴルフ場用地の取得価額を附近の土地の価額から評定するに当たり,当該ゴルフ場用地の造成前の状態である塩田跡地としての取得価額を評定していないことを理由として固定資産評価基準の定める評価方法に従って算定されたものということができないとした原審の判断には,固定資産の評価に関する法令の解釈適用を誤った違法がある。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 令和4年3月3日 令和2(行ヒ)323
- 登載
- 集民 第267号1頁
- 参照法条
- 地方税法349条1項,地方税法388条1項,地方税法403条1項,固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号)第1章第10節二
論点11第388条地方税法
固定資産評価基準により隣接する2筆以上の宅地を一画地として認定して画地計算法を適用する場合における各筆の宅地の評点数の算出方法
裁判要旨固定資産評価基準により隣接する2筆以上の宅地を一画地として認定して画地計算法を適用する場合において,各筆の宅地の評点数は,画地計算法の適用により算出された当該画地の単位地積当たりの評点数に,各筆の宅地の地積を乗ずることによって算出される。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 令和2年3月19日 平成31(行ヒ)99
- 登載
- 民集 第74巻3号227頁
- 参照法条
- 地方税法73条の13第1項,地方税法73条の21第2項,地方税法388条1項,固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号)第1章第3節一,固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号)第1章第3節二(一)1,固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号)第1章第3節別表第3の1,2
論点12第403条地方税法
固定資産の価格を過大に決定されたことによって損害を被った納税者が地方税法432条1項本文に基づく審査の申出及び同法434条1項に基づく取消訴訟等の手続を経ていない場合における国家賠償請求の許否
裁判要旨公務員が納税者に対する職務上の法的義務に違背して固定資産の価格を過大に決定したときは,これによって損害を被った当該納税者は,地方税法
432条1項〈固定資産課税台帳に登録された価格に関する審査の申出〉本文に基づく審査の申出及び同法434条1項に基づく取消訴訟等の手続を経るまでもなく,国家賠償請求を行い得る。
(補足意見がある。)
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成22年6月3日 平成21(受)1338
- 登載
- 民集 第64巻4号1010頁
- 参照法条
- 国家賠償法1条1項,地方税法(平成11年法律第15号による改正前のもの)432条1項,地方税法(平成11年法律第160号による改正前のもの)403条1項,地方税法(平成11年法律第160号による改正前のもの)432条1項,地方税法(平成14年法律第17号による改正前のもの)432条1項,地方税法403条1項,地方税法432条1項,地方税法434条
論点13第403条地方税法
固定資産課税台帳に登録された土地の価格についての固定資産評価審査委員会の決定の取消訴訟において同委員会の認定した価格が裁判所の認定した適正な時価等を上回っていることを理由として同決定を取り消す場合における取消しの範囲
裁判要旨固定資産課税台帳に登録された基準年度に係る賦課期日における土地の価格についての固定資産評価審査委員会の決定の取消訴訟において,裁判所が,同期日における当該土地の適正な時価又は固定資産評価基準によって決定される価格を認定し,同委員会の認定した価格が上記の適正な時価等を上回っていることを理由として同決定を取り消す場合には,同決定のうち上記の適正な時価等を超える部分を取り消せば足りる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成17年7月11日 平成14(行ヒ)181
- 登載
- 民集 第59巻6号1197頁
- 参照法条
- 地方税法(平成11年法律第15号による改正前のもの)341条5号,地方税法(平成11年法律第15号による改正前のもの)411条1項,地方税法(平成11年法律第15号による改正前のもの)432条1項,地方税法(平成11年法律第15号による改正前のもの)433条1項,地方税法(平成11年法律第160号による改正前のもの)403条1項,地方税法349条1項,地方税法359条,地方税法434条1項