国税通則法 / テーマ別まとめ

不服審査/総則

総則の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

国税に関する処分に不服がある場合、誰に対してどの手続で不服を申し立てられるかを整理したものです。あわせて、不服申立てができる期間や、審理を行う国税不服審判所の組織、行政不服審査法との適用関係も定めています。実務担当者が、処分を受けた際にどの窓口へ・いつまでに申し立てればよいかを判断する土台になります。

総則
処分をした者不服申立ての申立先
税務署長・国税局長・税関長再調査の請求か審査請求を選択
国税庁長官国税庁長官への審査請求
左記以外の行政機関の長等国税不服審判所長への審査請求
  • 調査した職員の所属により、国税局長・国税庁長官がした処分とみなす場合がある(2項・5項)。
  • 再調査の請求の決定後になお不服があれば審査請求ができる(3項)。
  • 再調査の請求から一定期間決定がない等の場合は、決定を待たず審査請求ができる(4項)。
  • 酒税法第二章の処分に対する不服申立てはこの節を適用せず、行政不服審査法による(80条3項)。
  • 不服申立て・審査請求の期間には、正当な理由があるときの例外が設けられている(77条)。
1

総則

総則について、条文は何を定めているか。

第75条国税に関する処分についての不服申立て処分ごとに不服申立ての選択肢が決まる5項・7号判例 5件
  • 税務署長・国税局長・税関長の処分は再調査の請求か審査請求を選べる
  • 国税庁長官の処分は国税庁長官への審査請求のみできる
  • それ以外の行政機関の処分は国税不服審判所長への審査請求による
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第76条適用除外一部の処分には75条〈国税に関する処分についての不服申立て〉の規定を使わない2項・2号判例 2件
  • 不服申立てについてした処分自体には75条〈国税に関する処分についての不服申立て〉を適用しない
  • 行政不服審査法7条1項7号の処分にも適用しない
  • この節に関する処分の不作為には不作為審査請求の規定を適用しない
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第77条不服申立期間不服申立てができる期間を定める4項判例 1件
  • 原則、処分を知った日の翌日から3月以内(正当な理由あれば例外)
  • 再調査後の審査請求は再調査決定書謄本送達の翌日から1月以内
  • 処分があった日の翌日から1年を経過すると原則できない
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第77_2条標準審理期間審理にかかる標準的な期間を公表する努力義務1項判例なし
  • 到達から決定・裁決までの標準的な期間を定めるよう努める
  • 定めた場合は事務所への備付け等で公にしておく
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第78条国税不服審判所審査請求の裁決を行う国税不服審判所を設置5項判例なし
  • 一部の審査請求を除き、審査請求への裁決を行う機関である
  • 所長は国税庁長官が財務大臣の承認を受けて任命する
  • 支部を置き、首席国税審判官が支部の事務を総括する
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第79条国税審判官等国税審判官・国税副審判官の役割を定める4項判例 1件
  • 国税審判官が審査請求事件の調査・審理を行う
  • 国税副審判官は審判官の命を受けて事務を整理する
  • 所長の指名があれば副審判官も審判官の職務を行える場合がある
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第80条行政不服審査法との関係行政不服審査法との適用関係を整理3項判例 2件
  • 原則、行政不服審査法(第2章・第3章を除く)による
  • 75条1項2号〈国税に関する処分についての不服申立て 国税庁長官がした処分国税庁長官に対する審査請求〉等の審査請求は一部の款も除いて同法による
  • 酒税法第二章の処分はこの節を適用せず行政不服審査法による
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第75条国税通則法

課税処分に対する審査請求につき裁決があつた場合と右課税処分に対する異議申立につき税務署長がした決定の取消を求める訴の出訴期間

裁判要旨課税処分に対する異議申立につき税務署長がした決定の取消を求める訴の出訴期間は、右課税処分に対する審査請求につき裁決があつた場合においても、異議申立についての決定があつたことを知つた日又は決定の日から起算すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和51年5月6日 昭和50(行ツ)93
登載
民集 第30巻4号頁
参照法条
行政事件訴訟法14条,国税通則法75条1項,国税通則法75条3項,国税通則法76条1号
論点2第75条国税通則法

一、税務署長がした処分につき適法な理由附記のある審査請求棄却の裁決があつた場合と右処分に対する異議申立棄却決定につき理由附記の不備を主張してその取消を求める訴の利益

二、税務署長がした処分に対する異議申立棄却決定が判決によつて取り消された場合と昭和四五年法律第八号による改正前の国税通則法八〇条一項一号の適用

裁判要旨一、税務署長がした処分につき適法な理由附記のある審査請求棄却の裁決があつても、右処分に対する異議申立棄却決定につき理由附記の不備を主張してその取消を求める訴の利益は失われない。

二、税務署長がした処分に対する異議申立を棄却する決定が判決によつて取り消された場合において、右判決確定の時当初の異議申立から既に三月を経過していても、右異議申立は、昭和四五年法律第八号による改正前の国税通則法八〇条一項一号の規定により当然に審査請求に移行するものではない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和49年9月26日 昭和43(行ツ)39
登載
集民 第112号723頁
参照法条
行政事件訴訟法9条,行政事件訴訟法33条2項,国税通則法84条4項,国税通則法(昭和45年法律第8号による改正前のもの)75条,国税通則法(昭和45年法律第8号による改正前のもの)80条1項1号,行政不服審査法41条1項,行政不服審査法48条
論点3第75条国税通則法

一、税務署長がした処分に対する異議申立棄却決定が判決によつて取り消された場合と昭和四五年法律第八号による改正前の国税通則法八〇条一項一号の適用
二、税務署長がした処分につき適法な理由附記のある審査請求棄却の裁決があつた場合と右処分に対する異議申立棄却決定につき理由附記の不備を主張してその取消を求める訴の利益

裁判要旨一、税務署長がした処分に対する異議申立を棄却する決定が判決によつて取り消された場合において、右判決確定の時当初の異議申立から既に三月を経過していても、右異議申立は、昭和四五年法律第八号による改正前の国税通則法八〇条一項一号の規定により当然に審査請求に移行するものではない。
二、税務署長がした処分につき適法な理由附記のある審査請求棄却の裁決があつても、右処分に対する異議申立棄却決定につき理由附記の不備を主張してその取消を求める訴の利益は失われない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和49年7月19日 昭和42(行ツ)7
登載
民集 第28巻5号759頁
参照法条
国税通則法84条4項,国税通則法(昭和45年法律第8号による改正前のもの)75条,国税通則法(昭和45年法律第8号による改正前のもの)80条1項1号,行政事件訴訟法9条,行政事件訴訟法33条2項,行政不服審査法41条1項,行政不服審査法48条
論点4第75条国税通則法

一 国税通則法五七条〈充当〉による充当と同法七五条一項にいう「国税に関する法律に基づく処分」
二 国税通則法三七条〈督促〉による督促と同法七五条一項にいう「国税に関する法律に基づく処分」

裁判要旨一 国税通則法五七条〈充当〉による充当は、同法七五条一項〈国税に関する処分についての不服申立て〉にいう「国税に関する法律に基づぐ処分」に当たる。
二 国税通則法三七条〈督促〉による督促は、同法七五条一項にいう「国税に関する法律に基づく処分」に当たる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成5年10月8日 平成4(行ツ)183
登載
集民 第170号1頁
参照法条
国税通則法37条,国税通則法57条,国税通則法75条1項
論点5第75条国税通則法

1 国税徴収法39条所定の第二次納税義務者が本来の納税義務者に対する課税処分につき国税通則法75条に基づく不服申立てをすることの可否
2 国税徴収法39条所定の第二次納税義務者が本来の納税義務者に対する課税処分につき国税通則法75条に基づく不服申立てをする場合の不服申立期間の起算日

裁判要旨1 国税徴収法39条所定の第二次納税義務者は,本来の納税義務者に対する課税処分につき国税通則法75条に基づく不服申立てをすることができる。
2 国税徴収法39条所定の第二次納税義務者が本来の納税義務者に対する課税処分につき国税通則法75条に基づく不服申立てをする場合における同法77条1項所定の不服申立期間の起算日は,当該第二次納税義務者に対する納付告知がされた日の翌日である。
(1,2につき,意見がある。)
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成18年1月19日 平成16(行ヒ)275
登載
民集 第60巻1号65頁
参照法条
(1,2につき)国税徴収法39条,国税通則法75条 (2につき)国税通則法77条1項,国税徴収法32条1項
論点6第76条国税通則法

国税通則法七六条三項〈適用除外〉にいう「やむを得ない理由」にあたらないとされた事例

裁判要旨外国会社に対する法人税の更正処分がなされた場合において、その通知書が年末休暇に入つた一二月二七日に到達したため、会社責任者が翌年一月六日までこれを知らず、また、和文と欧文との間の二重の翻訳のため時間を要した等、原判示のような事情(原判決引用の第一審判決理由参照)があつたため、右処分に対する審査請求の期間を数日徒過したものであるとしても、右の事情は、国税通則法七九条五項〈国税審判官等〉により準用される七六条三項〈適用除外〉所定の「やむを得ない理由」にあたるとはいえない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和44年5月2日 昭和44(行ツ)12
登載
集民 第95号305頁
参照法条
国税通則法79条5項,国税通則法76条3項
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

国税通則法 第75条(国税に関する処分についての不服申立て) 詳細ページ
(国税に関する処分についての不服申立て)
第七十五条国税に関する法律に基づく処分で次の各号に掲げるものに不服がある者は、当該各号に定める不服申立てをすることができる。
一税務署長、国税局長又は税関長がした処分(次項に規定する処分を除く。)次に掲げる不服申立てのうちその処分に不服がある者の選択するいずれかの不服申立て
イその処分をした税務署長、国税局長又は税関長に対する再調査の請求
ロ国税不服審判所長に対する審査請求
二国税庁長官がした処分国税庁長官に対する審査請求
三国税庁、国税局、税務署及び税関以外の行政機関の長又はその職員がした処分国税不服審判所長に対する審査請求
2国税に関する法律に基づき税務署長がした処分で、その処分に係る事項に関する調査が次の各号に掲げる職員によつてされた旨の記載がある書面により通知されたものに不服がある者は、当該各号に定める国税局長又は国税庁長官がその処分をしたものとそれぞれみなして、国税局長がしたものとみなされた処分については当該国税局長に対する再調査の請求又は国税不服審判所長に対する審査請求のうちその処分に不服がある者の選択するいずれかの不服申立てをし、国税庁長官がしたものとみなされた処分については国税庁長官に対する審査請求をすることができる。
一国税局の当該職員その処分をした税務署長の管轄区域を所轄する国税局長
二国税庁の当該職員国税庁長官
3第一項第一号イ又は前項(第一号に係る部分に限る。)の規定による再調査の請求(法定の再調査の請求期間経過後にされたものその他その請求が適法にされていないものを除く。次項において同じ。)についての決定があつた場合において、当該再調査の請求をした者が当該決定を経た後の処分になお不服があるときは、その者は、国税不服審判所長に対して審査請求をすることができる。
4第一項第一号イ又は第二項(第一号に係る部分に限る。)の規定による再調査の請求をしている者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、当該再調査の請求に係る処分について、決定を経ないで、国税不服審判所長に対して審査請求をすることができる。
一再調査の請求をした日(第八十一条第三項(再調査の請求書の記載事項等)の規定により不備を補正すべきことを求められた場合にあつては、当該不備を補正した日)の翌日から起算して三月を経過しても当該再調査の請求についての決定がない場合
二その他再調査の請求についての決定を経ないことにつき正当な理由がある場合
5国税に関する法律に基づく処分で国税庁、国税局、税務署又は税関の職員がしたものに不服がある場合には、それぞれその職員の所属する国税庁、国税局、税務署又は税関の長がその処分をしたものとみなして、第一項の規定を適用する。
国税通則法 第76条(適用除外) 詳細ページ
(適用除外)
第七十六条次に掲げる処分については、前条の規定は、適用しない。
一この節又は行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)の規定による処分その他前条の規定による不服申立て(第八十条第三項(行政不服審査法との関係)を除き、以下「不服申立て」という。)についてした処分
二行政不服審査法第七条第一項第七号(適用除外)に掲げる処分
2この節の規定による処分その他不服申立てについてする処分に係る不作為については、行政不服審査法第三条(不作為についての審査請求)の規定は、適用しない。
国税通則法 第77条(不服申立期間) 詳細ページ
(不服申立期間)
第七十七条不服申立て(第七十五条第三項及び第四項(再調査の請求後にする審査請求)の規定による審査請求を除く。第三項において同じ。)は、処分があつたことを知つた日(処分に係る通知を受けた場合には、その受けた日)の翌日から起算して三月を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
2第七十五条第三項の規定による審査請求は、第八十四条第十項(決定の手続等)の規定による再調査決定書の謄本の送達があつた日の翌日から起算して一月を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
3不服申立ては、処分があつた日の翌日から起算して一年を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
4第二十二条(郵送等に係る納税申告書等の提出時期)の規定は、不服申立てに係る再調査の請求書又は審査請求書について準用する。
国税通則法 第77_2条(標準審理期間) 詳細ページ
(標準審理期間)
第七十七条の二国税庁長官、国税不服審判所長、国税局長、税務署長又は税関長は、不服申立てがその事務所に到達してから当該不服申立てについての決定又は裁決をするまでに通常要すべき標準的な期間を定めるよう努めるとともに、これを定めたときは、その事務所における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならない。
国税通則法 第78条(国税不服審判所) 詳細ページ
(国税不服審判所)
第七十八条国税不服審判所は、国税に関する法律に基づく処分についての審査請求(第七十五条第一項第二号及び第二項(第二号に係る部分に限る。)(国税に関する処分についての不服申立て)の規定による審査請求を除く。第三款(審査請求)において同じ。)に対する裁決を行う機関とする。
2国税不服審判所の長は、国税不服審判所長とし、国税庁長官が財務大臣の承認を受けて、任命する。
3国税不服審判所の事務の一部を取り扱わせるため、所要の地に支部を置く。
4前項の各支部に勤務する国税審判官のうち一人を首席国税審判官とする。首席国税審判官は、当該支部の事務を総括する。
5国税不服審判所の組織及び運営に関し必要な事項は政令で、支部の名称及び位置は財務省令で定める。
国税通則法 第79条(国税審判官等) 詳細ページ
(国税審判官等)
第七十九条国税不服審判所に国税審判官及び国税副審判官を置く。
2国税審判官は、国税不服審判所長に対してされた審査請求に係る事件の調査及び審理を行ない、国税副審判官は、国税審判官の命を受け、その事務を整理する。
3国税副審判官のうち国税不服審判所長の指名する者は、国税審判官の職務を行なうことができる。ただし、この法律において担当審判官の職務とされているものについては、この限りでない。
4国税審判官の資格は、政令で定める。
国税通則法 第80条(行政不服審査法との関係) 詳細ページ
(行政不服審査法との関係)
第八十条国税に関する法律に基づく処分に対する不服申立て(次項に規定する審査請求を除く。)については、この節その他国税に関する法律に別段の定めがあるものを除き、行政不服審査法(第二章及び第三章(不服申立てに係る手続)を除く。)の定めるところによる。
2第七十五条第一項第二号又は第二項(第二号に係る部分に限る。)(国税に関する処分についての不服申立て)の規定による審査請求については、この節(次款及び第三款(審査請求)を除く。)その他国税に関する法律に別段の定めがあるものを除き、行政不服審査法の定めるところによる。
3酒税法第二章(酒類の製造免許及び酒類の販売業免許等)の規定による処分に対する不服申立てについては、行政不服審査法の定めるところによるものとし、この節の規定は、適用しない。
出

一次情報

原文ママ

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