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非常上告

非常上告の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

非常上告は、判決が確定した後にその事件の審判が法令に違反していたことが分かった場合に、検事総長が最高裁判所に申し立てる制度です。申立ては理由を記載した申立書によって行い、裁判所の調査も原則としてその申立書に記載された事項に限られます。非常上告の判決は、原則として被告人には効力を及ぼしません。

非常上告
場面内容
申立権者検事総長のみ
申立先最高裁判所
申立ての方法理由を記載した申立書を提出
審理の対象申立書記載事項に限り調査
理由がない場合判決で棄却
原判決が法令違反違反部分を破棄
訴訟手続が法令違反違反手続を破棄
判決の効力被告人には及ばない
  • 原判決が被告人のため不利益なときは、破棄した上でさらに判決をし、その判決は被告人に効力が及ぶ。
  • それ以外の非常上告の判決は、被告人に効力を及ぼさない。
  • 公判期日には検察官が申立書に基づいて陳述する。
  • 裁判所の管轄・公訴の受理・訴訟手続については、事実の取調べもできる(準用規定あり)。
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非常上告

非常上告について、条文は何を定めているか。

第454条検事総長だけが最高裁に申し立てできる1項判例 24件
  • 判決確定後にその事件の審判が法令違反だったと分かったときに使う
  • 申立てができるのは検事総長に限られる
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第455条申立ては理由を書いた申立書で行う1項判例 1件
  • 非常上告の理由を記載した申立書を最高裁判所に提出する
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第456条公判期日には検察官が申立書に基づき陳述する1項判例なし
  • 公判期日では検察官が申立書の内容に沿って陳述する
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第457条理由がなければ判決で棄却される1項判例 2件
  • 非常上告に理由がないと判断されれば判決で棄却される
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第458条理由があるときの判決の内容を分ける1項・2号判例 56件
  • 原判決が法令違反なら、その違反部分を破棄する
  • 被告人に不利益な違反なら、破棄した上でさらに判決する
  • 訴訟手続が法令違反なら、その違反手続を破棄する
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第459条判決の効力は原則被告人に及ばない1項判例 2件
  • 非常上告の判決は原則として被告人に効力を及ぼさない
  • 原判決を破棄して更に判決した場合は被告人に効力が及ぶ
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第460条調査は申立書に書かれた事項に限られる2項判例 6件
  • 裁判所は申立書に記載された事項だけを調査する
  • 管轄・公訴受理・訴訟手続については事実の取調べもできる
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第454条刑事訴訟法

反則行為に当たる速度違反を犯した被告人に道路交通法一二五条二項二号の行政処分が存在するものと誤認して罰金刑を科した略式命令に対する非常上告が認容された事例

裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和63年4月1日 昭和62(さ)3
登載
集刑 第249号1頁
参照法条
刑訴法454条,刑訴法458条,刑訴法460条
論点2第454条刑事訴訟法

反則行為に当たる速度違反を犯した被告人に道路交通法一二五条二項二号の行政処分が存在するものと誤認して罰金刑を科した略式命令に対する非常上告が認容された事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和61年5月27日 昭和60(さ)4
登載
集刑 第243号1頁
参照法条
刑訴法454条,刑訴法458条,刑訴法460条
論点3第454条刑事訴訟法

反則行為にあたる速度違反を犯した被告人に過去一年以内の行政処分が存在するものと誤認して罰金刑を科した略式命令に対する非常上告が認容された事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和58年11月1日 昭和58(さ)2
登載
集刑 第232号637頁
参照法条
刑訴法454条,刑訴法458条,刑訴法460条
論点4第454条刑事訴訟法

反則行為にあたる速度違反を犯した被告人に過去一年以内の行政処分が存在するものに誤認して罰金刑を科した略式命令に対する非常上告が認容された事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和57年9月28日 昭和56(さ)4
登載
集刑 第228号639頁
参照法条
刑訴法454条,刑訴法458条,刑訴法460条
論点5第454条刑事訴訟法

被告人からした非常上告申立の適否(否)

裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和50年11月7日 昭和50(す)219
登載
集刑 第198号437頁
参照法条
刑訴法454条
論点6第454条刑事訴訟法

交通反則金既納付を看過してなされた略式命令に対する非常上告が認容された事例

裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和46年12月23日 昭和46(さ)5
登載
集刑 第182号531頁
参照法条
刑訴法454条
論点7第454条刑事訴訟法

簡易裁判所が裁判所法第三三条第三項の制限を超えて懲役刑を言渡した判決の違法と非常上告

裁判要旨裁判所法三三条一項によれば簡易裁判所は窃盗及び傷害の罪について裁判権を有するが、同条二項によつて但書の場合を除いて禁錮以上の刑を科することができないことになつており、傷害罪につき懲役刑を選択し窃盗罪と併合加重をして懲役刑を言渡すことはできないことが明らかである。簡易裁判所がそのような処断を相当であると認めれば同条三項、刑訴法三三二条〈簡易裁判所は、地方裁判所において審判するのを相当と認めるときは、決定で管轄地方裁判所にこれを移送しなければならない。〉の規定により事件を地裁に移送しなければならない。これをしないで傷害罪に懲役刑を選択の上併合加重をした原判決は、裁判所法三三条二項に違反したもので本件非常上告は理由がある。そして原判決は被告人のため不利益であると認められるから刑訴法四五八条一号〈非常上告が理由のあるときは、左の区別に従い、判決をしなければならない。 原判決が法令に違反したときは、その違反した部分を破棄する。但し、原判決が被告人のため不利益であるときは、これを破棄して、被告事件について更に判決をする。〉により原判決を破棄し、右被告事件について更に判決することとする。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和32年3月26日 昭和32(さ)1
登載
集刑 第118号419頁
参照法条
裁判所法33条,刑訴法332条,刑訴法454条,刑訴法458条1号
論点8第454条刑事訴訟法

科し得べき罰金刑の多額を超えて罰金刑を言渡した判決の違法と非常上告

裁判要旨函館地方裁判所は、昭和二九年一二月六日被告人に対する建造物侵入被告事件につき、被告人が昭和二九年五月二四日函館市所在函館公共職業安定所内事務室に侵入した犯罪事実を認定し、これに対し刑法一三〇条、罰金等臨時措置法二条、三条を適用し、所定刑中罰金刑を選択し、被告人を罰金五千円に処する旨の判決を言い渡し、右判決は所論のとおりの経緯により昭和三一年三月七日確定したものであることが認められる。されば右判決が、右犯罪事実につき刑法一三〇条、罰金等臨時措置法二条、三条を適用し、所定刑中罰金刑を選択しながら、罰金五千円の言渡をしたことは、同罪につき科し得べき罰金刑の多額を超えて罰金刑を言渡した違法があるものであり、本件非常上告は理由がある。しかも右判決は被告人のため不利益であること勿論であるから、刑訴四五八条一号〈非常上告が理由のあるときは、左の区別に従い、判決をしなければならない。 原判決が法令に違反したときは、その違反した部分を破棄する。但し、原判決が被告人のため不利益であるときは、これを破棄して、被告事件について更に判決をする。〉但書により、右判決を破棄し、被告事件につき更に判決すべきものである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和31年7月17日 昭和31(さ)2
登載
集刑 第114号267頁
参照法条
刑法130条,刑訴法454条,刑訴法458条1号,罰金等臨時措置法2条,罰金等臨時措置法3条
論点9第454条刑事訴訟法

簡易裁判所が裁判所法第三三条第三項の制限を超えて懲役刑を言渡した判決の違法と非常上告

裁判要旨原審釧路簡易裁判所は昭和二八年五月六日、被告人Aに対する窃盗傷害被告事件につき二個の窃盗の事実並びに二個の傷害の事実を認定して、これに対しそれぞれ相当法条適用の上傷害罪について刑法二〇四条所定刑中懲役刑を選択し、以上の各罪を併合罪として法定の加重をした刑期範囲内において同被告人を懲役一年六月に処し、五年間右刑の執行を猶予する旨の判決を言い渡し、この判決は上訴申立期間の経過により確定したものであることが認められる。されば原審簡易裁判所は右各傷害罪についてその法定刑中懲役刑をもつて処断するを相当と認めながら、裁判所法三三条三項、刑訴三三二条〈簡易裁判所は、地方裁判所において審判するのを相当と認めるときは、決定で管轄地方裁判所にこれを移送しなければならない。〉により事件を地方裁判所に移すことなく、自ら同罪につき懲役刑をもつて処断したものであつて、裁判所法三三条二項に違反するものであること明らかである。よつて右の点に関する非常上告は理由があり、しかも原判決は被告人のため不利益であると認められるから、刑訴四五八条一号〈非常上告が理由のあるときは、左の区別に従い、判決をしなければならない。 原判決が法令に違反したときは、その違反した部分を破棄する。但し、原判決が被告人のため不利益であるときは、これを破棄して、被告事件について更に判決をする。〉により原判決を破棄し、右事件につき更に判決すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和31年7月13日 昭和31(さ)1
登載
集刑 第114号189頁
参照法条
裁判所法33条,刑訴法332条,刑訴法454条,刑訴法458条1号
論点10第454条刑事訴訟法

包括一罪と認められる一事例

裁判要旨被告人が法令に定められた運転の資格を持たないで、昭和三〇年五月一九日午後一時頃玉名市aよりA号自動三輪車を運転して、玉名市b町内を乗り廻して無謀操縦をしたという公訴事実と、同一被告人が法令に定められた運転の資格を持たないで、昭和三〇年五月一九日午後一時四〇分頃玉名市c町道路においてB家所有の自動三輪車を運転して無謀操縦をしたという公訴事実とは、その各運転行為が同一自動三輪車の一連の無謀操縦行為と認められる以上は、両公訴事実は包括一罪の関係にあるものというべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和31年11月29日 昭和31(さ)4
登載
刑集 第10巻11号1570頁
参照法条
刑訴法337条,刑訴法338条,刑訴法454条
論点11第454条刑事訴訟法

刑法第二五条第二項を適用できない場合にこれを適用した判決の違法と非常上告

裁判要旨刑法第二五条第二項によれば、前に禁錮以上の刑に処せられたことがあつても、その執行を猶予された者が、一年以下の懲役又は禁錮の言渡を受け情状特に憫諒すべきものであるときは再び執行を猶予することができるのであるが、一年を超える懲役又は禁錮の言渡を受けたときは、その執行を猶予することはできないのである。しかるに原判決は前示の如き執行猶予中の前科があることを認め且つ被告人を懲役一年六月に処しながら刑法二五条二項を適用し右懲役刑の執行を猶予する旨の判決を言渡したことは、明らかに右刑法の条項に違反したものであつて、本件非常上告はその理由がある。そして原判決は被告人のため不利益でないから刑訴四五八条一号〈非常上告が理由のあるときは、左の区別に従い、判決をしなければならない。 原判決が法令に違反したときは、その違反した部分を破棄する。但し、原判決が被告人のため不利益であるときは、これを破棄して、被告事件について更に判決をする。〉本文の規定に従い、その違反した部分のみを破棄すべきものとする。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和29年9月17日 昭和29(さ)3
登載
集刑 第98号667頁
参照法条
刑法25条,刑法25条ノ2,刑訴法454条,刑訴法458条1号
論点12第454条刑事訴訟法

刑法第二五条の二を適用できない場合これを適用した判決の違法と非常上告

裁判要旨昭和二九年法律五九号の附則二項は、同法施行前の犯罪については、同法施行後の犯罪と併合罪に当らない限り、右刑法二五条ノ二、一項前段の改正規定の適用がない旨を規定しているから、右法律五七号施行前のみの犯罪にかかる本件被告事件につき刑の執行猶予を言い渡す場合において、被告人を保護観察に対することを得ないものであることもまた明らかである。従つて、原判決が本件について右刑法二五条ノ二、一項の前段の規定を適用したことは右附則の規定に違反したものであり、本件非常上告は理由があるものといわなければならない。そして、保護観察に付された者は、法定の事項を遵守しなければならないものであつて、遵守すべき事項を遵守せず、その情状重きときは、刑の執行猶予の言渡を取消されうるものであるから、原判決は被告人のため不利益であることは明らかであり、従つて、刑訴四五八条一項〈非常上告が理由のあるときは、左の区別に従い、判決をしなければならない。〉但書により原判決を破棄して被告事件につき更に判決をするものとする。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和29年11月25日 昭和29(さ)4
登載
刑集 第8巻11号1905頁
参照法条
刑法25条,刑法25条の2,刑法の一部改正法律(昭和29年法律57号)附則2項,右法律の施行期日を定める政令(昭和29年政令167号),刑訴法454条,刑訴法458条
論点13第454条刑事訴訟法

刑訴第四五四条〈検事総長は、判決が確定した後その事件の審判が法令に違反したことを発見したときは、最高裁判所に非常上告をすることができる。〉にいわゆる「事件の審判が法令に違反したこと」の意義と違反したことにならない一事例

裁判要旨非常上告は、法令の適用の誤りを正し、もつて、法令の解釈適用の統一を目的とするものであつて、個々の事件における事実認定の誤りを是正して被告人を救済することを目的とするものではない。されば、実体法たると手続法たるとを問わず、その法令の解釈に誤りがあるというのでなく、単にその法令適用の前提事実の誤りのため当然法令違反の結果を来す場合のごときは、法令の解釈適用を統一する目的に少しも役立たないから、刑訴四五四条〈検事総長は、判決が確定した後その事件の審判が法令に違反したことを発見したときは、最高裁判所に非常上告をすることができる。〉にいわゆる「事件の審判が法令に違反したこと」に当らないと解するのを相当とする。そして、本件では、本案事件の公訴提起当時においては勿論その第一審判決当時においても、被告人の年齢が二〇歳以上であると認定されていたことは記録上明白なのであるから、たとえ、その判決後になつて被告人が実際は少年であつたことが判明したとしても検察官が公訴提起前あらかじめ事件を家庭裁判所に送致する手続を執らなかつたのを目して、公訴提起の手続規定の解釈を誤りその結果その手続規定に違反したとはいえないし、また、第一審裁判所が公訴提起手続違反を理由として公訴棄却の判決をしないで被告人を懲役一年但し三年間その刑の執行を猶予する旨の判決を言渡したのを、まさしくその審判法令に違反した場合に当るものということはできない。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和27年4月23日 昭和25(さ)40
登載
刑集 第6巻4号685頁
参照法条
刑訴法454条,刑訴法460条
論点14第454条刑事訴訟法

一 在監者の控訴取下の効力発生時期
二 控訴取下後の控訴審判決の効力
三 控訴取下後の控訴審判決と非常上告

裁判要旨一 監獄にいる被告人が監獄の長に対し控訴取下申立書を差し出したときは、控訴裁判所がその申立のあつたことを知ると否とにかかわらず、ただちに控訴取下の効力を生じる。
二 控訴取下後の控訴審判決は当然無効であつてその内容に副う効力を生じない。
三 控訴取下後の控訴審判決に対する非常上告は許されない。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和27年11月19日 昭和26(さ)1
登載
刑集 第6巻10号1217頁
参照法条
刑訴法367条,刑訴法366条1項,刑訴法454条,刑訴規則229条,刑訴規則227条,刑訴規則228条
論点15第454条刑事訴訟法

少年でない者を少年と認定して言渡した確定判決と非常上告の適否

裁判要旨所論窃盗被告事件の確定判決は裁判時において既に成年に達していた被告人に対し少年法を適用したことにはなるがそれは同裁判所が前記のように被告人が生年月日を偽つていたために被告人が成年であつたにかかわらずこれを少年と誤認したことに基因するのである。而して非常上告は抽象的に法規適用の誤を正すことを目的とするものであつて個々の裁判の事実認定等の誤を是正することを目的とするものではないから(昭和二五年(さ)第三六号同年一一月八日大法廷判決参照)本件のように確定判決の事実認定を争いその事実認定非難を前提としてその審判が法令に違反したものとして非常上告をすることは許されないものと云わなければならない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和26年7月6日 昭和25(さ)30
登載
刑集 第5巻8号1408頁
参照法条
旧刑訴法454条,少年法2条,少年法460条2項,少年法52条,少年法68条
論点16第454条刑事訴訟法

少年を少年でないものと認定して言渡した確定判決非常上告の適否−刑訴法第四六〇条第二項〈裁判所は、申立書に包含された事項に限り、調査をしなければならない。〉にいう「事実の取調」の意義

裁判要旨非常上告は抽象的に法規適用の誤を正すことを目的とするものであつて、個々の裁判の事実認定等の誤を是正することを目的とするものではない。本件非常上告の理由とする処は要するに掛川簡易裁判所がた判決において被告人は当時満十八才未満の少年であつたに拘わら言渡しず、満十八才以上の基の誤認したという、事実認定非難を前提として手続違反を主張するものであつて、かくの如きは非常上告の理由とならないものである。(刑事訴訟法第四六〇条第二項〈裁判所は、申立書に包含された事項に限り、調査をしなければならない。〉という事実の取調とは例えば公判請求書が適式なりや否や、真正に権限ある者によつて作成されたりや否や、公判を公開したりや否や等手続きそのものについての事実をいうのであつて被告人が幾才であつたかという様な前提事実を指すものではない)
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和26年1月23日 昭和25(さ)39
登載
刑集 第5巻1号86頁
参照法条
刑訴法454条,刑訴法460条2項
論点17第454条刑事訴訟法

検察官事務取扱の職務命令の発令を受けていなかった検察事務官がした公訴に基づき発付された略式命令に対する非常上告が認められた事例

裁判
最高裁判所第二小法廷 平成24年9月28日 平成24(さ)21
登載
集刑 第308号251頁
参照法条
刑訴法454条,刑訴法458条1号
論点18第454条刑事訴訟法

検察官事務取扱の職務命令の発令を受けていなかった検察事務官がした公訴に基づき発付された略式命令に対する非常上告が認められた事例

裁判
最高裁判所第一小法廷 平成24年9月27日 平成24(さ)11
登載
集刑 第308号247頁
参照法条
刑訴法454条,刑訴法458条1号
論点19第454条刑事訴訟法

検察官事務取扱の職務命令の発令を受けていなかった検察事務官がした公訴に基づき発付された略式命令に対する非常上告が認められた事例

裁判要旨検察官事務取扱の職務命令の発令を受けていなかった検察事務官がした公訴に対して略式命令を発付したことは,手続の前提事実の誤認に基づくものではなく,手続そのものについての誤りであり,刑訴法454条〈検事総長は、判決が確定した後その事件の審判が法令に違反したことを発見したときは、最高裁判所に非常上告をすることができる。〉の「事件の審判が法令に違反したこと」に当たる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成24年9月18日 平成24(さ)1
登載
刑集 第66巻9号958頁
参照法条
刑訴法454条
論点20第454条刑事訴訟法

当審において法律上犯罪行為に該当しないことを理由に無罪となった共犯者の事件と法の適用に関し別個に評価され得るような事情がないとして,略式命令に対する非常上告が認められた事例

裁判要旨被告人が共犯者と共謀の上行政書士法1条の2第1項にいう「事実証明に関する書類」である家系図を作成したとする同法違反の原略式命令について,その確定後,共犯者に対する同法違反の上告事件につきその家系図が法律上「事実証明に関する書類」に該当しないとして当審で無罪の言渡しがあり,原略式命令に係る事件は,共犯者に対する事件と証拠関係が共通で,認定できる事実も全く同一であり,法の適用に関し共犯者の行為と別個に評価され得るような事情がないという本件事実関係の下では,原略式命令に対する非常上告は理由がある。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成23年12月9日 平成23(さ)1
登載
刑集 第65巻9号1371頁
参照法条
刑訴法454条
論点21第454条刑事訴訟法

被告人が原略式命令確定後に本邦を出国し非常上告申立て時において再入国していない場合における非常上告の可否

裁判要旨被告人が原略式命令確定後に本邦を出国し非常上告申立て時において再入国していない場合においても,検事総長は最高裁判所に非常上告をすることができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成22年7月22日 平成22(さ)243
登載
刑集 第64巻5号819頁
参照法条
刑訴法454条
論点22第454条刑事訴訟法

被告人が原略式命令確定後に死亡している場合における非常上告の可否

裁判要旨被告人が原略式命令確定後に死亡している場合においても,検事総長は最高裁判所に非常上告をすることができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成22年7月22日 平成22(さ)249
登載
刑集 第64巻5号824頁
参照法条
刑訴法454条
論点23第454条刑事訴訟法

検察官事務取扱の職務命令の発令を受けていなかった検察事務官がした公訴に基づき発付された略式命令に対する非常上告が認められた事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 令和5年9月29日 令和5(さ)11
登載
集刑 第332号235頁
参照法条
刑訴法454条、刑訴法458条1号
論点24第454条刑事訴訟法

検察官事務取扱の職務命令の発令を受けていなかった検察事務官がした公訴に基づき発付された略式命令に対する非常上告が認められた事例

裁判
最高裁判所第二小法廷 令和5年9月22日 令和5(さ)1
登載
集刑 第332号213頁
参照法条
刑訴法454条、刑訴法458条1号
論点25第455条刑事訴訟法

一 いわゆる準新事件の公訴時効とその中断
二 同事件につき上告趣意書提出最終日の指定がなされその通知書が上告人に送達されたときは公訴時効中断の効力を生ずるか。
三 同事件につき上告審で公訴時効が完成した場合の措置。

裁判要旨一 本件のように昭和二三年二月一九日公訴が提起され同二六年六月一九日原判決の言渡があつた事件においては、刑訴施行法第二条、第三条の二より、公訴の時効、その中断等については、旧刑訴第二八一条〈証人については、裁判所は、第百五十八条に掲げる事項を考慮した上、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き必要と認めるときに…〉、第二八五条〈拘留に当たる事件の被告人は、判決の宣告をする場合には、公判期日に出頭しなければならない。その他の場合には、裁判所は、被告…〉等旧刑訴の適用を受けるものであつて、刑訴第二五四条〈時効は、当該事件についてした公訴の提起によつてその進行を停止し、管轄違又は公訴棄却の裁判が確定した時からその進行を始める…〉等の適用を受けるものではない。
二 右事件につき上告趣意書提出最終日の指定がなされその通知書が上告人に送達されたときは、旧刑訴第二八五条の公判の処分があつたものとして、公訴時効中断の効力を生ずる。
三 同事件につき上告審において公訴の時効が完成したときは、刑訴施行法第二条、第三条の二、刑訴第四一一条第五号〈上告裁判所は、第四百五条各号に規定する事由がない場合であつても、左の事由があつて原判決を破棄しなければ著しく正義に反する… 判決があつた後に刑の廃止若しくは変更又は大赦があつたこと。〉を準用し、原判決を破棄の上、旧刑訴第四四八条〈再審の請求が理由のあるときは、再審開始の決定をしなければならない。〉、第四五五条〈非常上告をするには、その理由を記載した申立書を最高裁判所に差し出さなければならない。〉、第三六三条第四号〈上訴権回復の請求は、事由が止んだ日から上訴の提起期間に相当する期間内にこれをしなければならない。〉により被告人を免訴すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和35年6月9日 昭和29(れ)10
登載
刑集 第14巻7号953頁
参照法条
刑法130条,刑訴施行法2条,刑訴施行法3条の2,刑訴法411条5号,旧刑訴法281条,旧刑訴法285条,旧刑訴法363条4号,旧刑訴法448条,旧刑訴法455条
論点26第457条刑事訴訟法

決定刑を超えた刑を科した第一審判決の違法を看過した控訴または上告審判決と非常上告理由

裁判要旨第一審が法定刑を超えた刑を科した違法がある場合において控訴または上告審が職権調査をなさず、右違法を看過しても、法令に違反したものということはできない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和30年9月29日 昭和30(さ)2
登載
刑集 第9巻10号2102頁
参照法条
刑訴法457条,刑訴法458条,刑訴法392条,刑訴法411条
論点27第457条刑事訴訟法

旧刑訴第三四四条第二項〈拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告があつた後は、第六十条第二項ただし書及び第八十九条の規定は、これを適用しない。〉に基く証人尋問の決定と刑訴応急措置法第一八条第一項にいわゆる「不服を申し立てることができない決定」

裁判要旨旧刑訴第三四四条第二項〈拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告があつた後は、第六十条第二項ただし書及び第八十九条の規定は、これを適用しない。〉に基く証人尋問の決定は、刑訴応急措置法第一八条第一項にいわゆる「不服を申し立てることができない決定」にあたらない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和27年12月27日 昭和26(し)103
登載
刑集 第6巻12号1477頁
参照法条
旧刑訴法344条,旧刑訴法457条,刑訴応急措置法18条
論点28第458条刑事訴訟法

非常上告事件において原略式命令破棄・無罪が言い渡された事例

裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和62年2月19日 昭和61(さ)1
登載
集刑 第245号669頁
参照法条
刑訴法458条1項,刑訴法336条
論点29第458条刑事訴訟法

非常上告事件において、原略式命令破棄・無罪が言い渡された事例

裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和59年12月20日 昭和59(さ)3
登載
集刑 第238号385頁
参照法条
刑訴法458条1号,刑訴法336条前
論点30第458条刑事訴訟法

法定刑超過による非常上告

裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和56年4月30日 昭和56(さ)2
登載
集刑 第221号645頁
参照法条
刑法204条、刑訴法458条1号但
論点31第458条刑事訴訟法

略式手続による科刑限度をこえて罰金を科した略式命令に対する非常上告とその裁判

裁判要旨略式手続による科刑限度をこえて罰金を科した略式命令に対して非常上告があつたときは、刑訴法四五八条二号〈非常上告が理由のあるときは、左の区別に従い、判決をしなければならない。 訴訟手続が法令に違反したときは、その違反した手続を破棄する。〉により、原裁判所が略式命令により科刑限度をこえる罰金を科した手続を破棄すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和53年2月23日 昭和52(さ)1
登載
刑集 第32巻1号77頁
参照法条
刑訴法458条,刑訴法459条,刑訴法461条,刑訴法463条1項,罰金等臨時措置法7条3項
論点32第458条刑事訴訟法

法定刑超過の原判決を破棄した事例(非常上告事件)

裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和46年12月21日 昭和46(さ)4
登載
集刑 第182号509頁
参照法条
刑訴法458条,刑法256条
論点33第458条刑事訴訟法

昭和四三年法律第六一号による改正刑法施行前の業務上過失傷害の所為につき懲役刑を言渡した判決と破棄

裁判要旨昭和四三年法律第六一号による改正刑法施行前の業務上過失傷害の所為につき懲役刑を言渡した判決は、刑法六条に違反したものであり、被告人に不利益であるから、破棄すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和45年4月16日 昭和45(さ)1
登載
集刑 第176号203頁
参照法条
刑法の一部を改正する法律(昭和43年法律61号),刑法6条,刑法10条,刑法211条,刑訴法458条
論点34第458条刑事訴訟法

併合罪の一部についての非常上告と破棄の範囲

裁判要旨各一個の窃盗および道路交通法違反(無免許運転)の併合罪につき、原判決が懲役刑および罰金刑を併科している場合において、道路交通法違反の罪についての非常上告に理由があるときは、原判決中罰金刑の部分のみを破棄すれば足りる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和43年10月15日 昭和43(さ)2
登載
刑集 第22巻10号940頁
参照法条
刑法45条前段,刑法48条1項本文,刑訴法458条
論点35第458条刑事訴訟法

罰金のみにあたる罪を犯した少年の事件について家庭裁判所を経由することなく公訴が提起され略式命令が確定したときと非常上告

裁判要旨罰金のみにあたる罪を犯した少年の事件について、家庭裁判所を経由することなく公訴が提起され、これを有罪とした略式命令が確定した場合において、これに対する非常上告の申立があつたときは、右略式命令を破棄して公訴棄却の言渡をすべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和42年6月20日 昭和42(さ)4
登載
刑集 第21巻6号741頁
参照法条
刑訴法458条,刑訴法338条4号,少年法3条1項1号,少年法20条,少年法41条,少年法42条
論点36第458条刑事訴訟法

刑訴法第四五八条第一号〈非常上告が理由のあるときは、左の区別に従い、判決をしなければならない。 原判決が法令に違反したときは、その違反した部分を破棄する。但し、原判決が被告人のため不利益であるときは、これを破棄して、被告事件について更に判決をする。〉により原略式命令破棄、被告人無罪の言渡がなされた事例。

裁判要旨道路交通法第七条第一項の規定に基づく考案委員会告示により特定交差点における車両の右折が原則として禁止され、特定方向からの特定種類の車両による右折のみは除外されていた場合において、除外された右折にあたる事実を有罪と認めた略式命令が確定したときは、刑訴法第四五八条第一号〈非常上告が理由のあるときは、左の区別に従い、判決をしなければならない。 原判決が法令に違反したときは、その違反した部分を破棄する。但し、原判決が被告人のため不利益であるときは、これを破棄して、被告事件について更に判決をする。〉により原略式命令破棄、被告人無罪の言渡をすべきである。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和40年7月14日 昭和39(さ)7
登載
刑集 第19巻5号585頁
参照法条
刑訴法458条1号,刑訴法336条,昭和37年3月13日京都府公安委員会告示別表1号
論点37第458条刑事訴訟法

一 原動機付自転車には後写鏡の装置が必要か
二 起訴状に記載された事実が真実であつても、何らの罪となるべき事実を包含していない場合に、その事実につき略式命令が確定したときと非常上告

裁判要旨一 原動機付自転車の保安基準について規定した道路運送車両法四四条〈裁判には、理由を附しなければならない。〉には、後写鏡については何ら定めがない。従つて原動機付自転車については、後写鏡の装置は必要がないものと解しなければならない。
二 起訴状に記載された事実が真実であつても、何らの罪となるべき事実を包含していない場合に、その事実につき略式命令が確定したときは、非常上告により原略式命令を破棄し、公訴を棄却すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和37年6月14日 昭和37(さ)2
登載
刑集 第16巻7号1245頁
参照法条
道路運送車両法44条,道路交通法62条,道路交通法119条1項5号,刑訴法339条1項2号,刑訴法458条1号
論点38第458条刑事訴訟法

酒税法違反の罪につき懲役刑を言い渡した簡易裁判所の確定判決と非常上告。

裁判要旨酒税法違反の罪につき懲役刑を言い渡した簡易裁判所の確定判決は、裁判所法第三三条第二項に違反するもので、これに対する非常上告は理由がある。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和35年2月4日 昭和32(さ)9
登載
刑集 第14巻1号54頁
参照法条
酒税法45条,酒税法56条1項4号,裁判所法33条,刑訴法458条1号
論点39第458条刑事訴訟法

簡易裁判所が裁判所法第三三条第三項の制限を超えて懲役刑を言渡した判決の違法と非常上告

裁判要旨原審(簡易裁判所)が、本件の窃盗と鉄砲刀剣類等所持取締令違反とを刑法四五条の併合罪と認めた以上、前者につき懲役三年以下を言い渡し、後者につき罰金刑を選択して言い渡すべきものとするならば格別、しからずして、後者につき懲役刑を選択し、重い前者の法定懲役刑に併合罪の加重をした刑期範囲内において被告人に対し一個の懲役刑を言い渡すのを相当と認めたのであるから、原審としてはすべからく裁判所法三三条三項、刑訴法三三二条〈簡易裁判所は、地方裁判所において審判するのを相当と認めるときは、決定で管轄地方裁判所にこれを移送しなければならない。〉により事件を管轄地裁に移送する決定をなすべきものであつた。しかるに原審はこれをしないで自から一個の懲役刑を言渡したのであるから、原審の審判は裁判所法三三条二項に違反するものというのほかない。本件上告は理由がある。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和32年1月29日 昭和31(さ)3
登載
集刑 第117号501頁
参照法条
裁判所法33条,刑訴法332条,刑訴法458条1号
論点40第458条刑事訴訟法

刑訴法第五条〈数個の関連事件が各別に上級の裁判所及び下級の裁判所に係属するときは、事物管轄にかかわらず、上級の裁判所は、決定で下級の裁…〉但書に基く刑の執行の軽減又は免除の手続

裁判要旨刑法第五条但書に基く刑の執行の軽減又は免除は、裁判所が、刑の言渡と同時に判決主文においてなすべきものと解するのが相当である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和30年2月24日 昭和29(さ)7
登載
刑集 第9巻2号374頁
参照法条
刑法5条,刑訴法458条1項
論点41第458条刑事訴訟法

一 控訴の申立が取下げられた事實を知らないでした判決の違法
二 小年法第五一条〈検察官、被告人又は弁護人は、公判調書の記載の正確性につき異議を申し立てることができる。異議の申立があつたときは、その旨を…〉の法意。
三 小年法第五一条の解釈をあやまり不定期刑を科した判決と刑訴第四五八条第一号〈非常上告が理由のあるときは、左の区別に従い、判決をしなければならない。 原判決が法令に違反したときは、その違反した部分を破棄する。但し、原判決が被告人のため不利益であるときは、これを破棄して、被告事件について更に判決をする。〉但書にいわゆる「被告人のため不利益」な判決。

裁判要旨一 第一審の有罪判決に對し被告人から適法な控訴の申立をなし、ついでこれに對し檢事から附帶控訴の申立がなされた控訴審に繋屬中被告人から昭和二三年一一月一〇日附を以て「訴訟取消書」と題する控訴申立の取下書と認むべきものを同裁判所に提出し、該書面は翌一一日同裁判所に到達した。從つて、本件控訴事件は、主たる控訴申立の取下によつて同裁判所は最早審判することができなくなつたにかかわらず、同裁判所書記課においては、誤つて該書面を被告人に送達したため、同裁判所は前記控訴取下の事實を知るに由なく、同月一二日所論の有罪判決を言渡し、該判決は同月一八日確定するに至つた事情を認めることができる。かように控訴審が主たる控訴取下が効力を發生し最早審判すべからざるに至つたにかかわらず、その翌日有罪の判決を言渡したことは、明らかに違法である。論旨は、だから理由があり原判決は破棄さるべきである。
二 小年法第五一条〈検察官、被告人又は弁護人は、公判調書の記載の正確性につき異議を申し立てることができる。異議の申立があつたときは、その旨を…〉にいわゆる「一〇年以上一五年以下において懲役又は禁錮を科する」とは、一〇年から一五年までの間の定期の懲役または禁錮を科するという趣旨である。
三 無期刑をもつて処断すべき少年に対し、少年法第五一条を適用しながら、その解釈をあやまり懲役一〇年以上一五年以下の不定期刑を科した判決は刑訴第四五八条第一号〈非常上告が理由のあるときは、左の区別に従い、判決をしなければならない。 原判決が法令に違反したときは、その違反した部分を破棄する。但し、原判決が被告人のため不利益であるときは、これを破棄して、被告事件について更に判決をする。〉但書にいわゆる「被告人のため不利益」なものと断定することはできない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和24年5月19日 昭和24(そ)1
登載
刑集 第3巻6号855頁
参照法条
舊刑訴法516条,舊刑訴法520条,小年法51条,刑訴法458条1号
論点42第458条刑事訴訟法

非常上告事件において原略式命令破棄・無罪が言い渡された事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 平成8年9月3日 平成8(さ)1
登載
集刑 第268号135頁
参照法条
刑訴法458条1号,刑訴法336条
論点43第458条刑事訴訟法

非常上告事件において原略式命令破棄・無罪が言い渡された事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 平成8年9月3日 平成8(さ)2
登載
集刑 第268号137頁
参照法条
刑訴法458条1号,刑訴法336条
論点44第458条刑事訴訟法

非常上告事件において原略式命令破棄・無罪が言い渡された事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 平成8年9月3日 平成8(さ)3
登載
集刑 第268号139頁
参照法条
刑訴法458条1号,刑訴法336条
論点45第458条刑事訴訟法

非常上告事件において原略式命令破棄・無罪が言い渡された事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 平成8年9月3日 平成8(さ)4
登載
集刑 第268号143頁
参照法条
刑訴法458条1号,刑訴法336条
論点46第458条刑事訴訟法

非常上告事件において原略式命令破棄・無罪が言い渡された事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 平成8年9月3日 平成8(さ)5
登載
集刑 第268号145頁
参照法条
刑訴法458条1号,刑訴法336条
論点47第458条刑事訴訟法

非常上告事件において原略式命令破棄・無罪が言い渡された事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 平成8年9月3日 平成8(さ)6
登載
集刑 第268号147頁
参照法条
刑訴法458条1号,刑訴法336条
論点48第458条刑事訴訟法

罰金以下の刑に当たる罪を犯した少年に対する略式命令と非常上告

裁判
最高裁判所第三小法廷 平成4年9月8日 平成4(さ)1
登載
集刑 第261号1頁
参照法条
刑訴法458条1項,刑訴法338条
論点49第458条刑事訴訟法

酒気帯び運転の所為とその際の免許証不携帯の所為の罪数(観念的競合)

処断刑超過による非常上告

裁判
最高裁判所第一小法廷 平成4年10月15日 平成4(さ)2
登載
集刑 第261号161頁
参照法条
刑法54条1項,道交法65条1項,道交法119条1項7号の2,道交法95条1項,道交法121条1項10号,刑訴法458条1号
論点50第458条刑事訴訟法

反則行為に当たる通行禁止場所通行を犯した被告人に対し運転免許が失効しているものと誤認してされた略式命令に対する非常上告

裁判
最高裁判所第二小法廷 平成29年4月7日 平成28(さ)2
登載
集刑 第321号73頁
参照法条
刑訴法338条4号,刑訴法458条1号
論点51第458条刑事訴訟法

処断刑超過による非常上告(心神耗弱者の行為についての必要的減軽を看過)

裁判
最高裁判所第二小法廷 平成28年7月4日 平成28(さ)1
登載
集刑 第320号387頁
参照法条
刑訴法458条1号
論点52第458条刑事訴訟法

「車両通行帯の設けられた道路」と誤認して法定の車両通行帯以外を通行したとしてされた略式命令に対する非常上告

裁判
最高裁判所第二小法廷 平成27年6月8日 平成27(さ)1
登載
集刑 第317号335頁
参照法条
刑訴法458条1号,刑訴法336条
論点53第458条刑事訴訟法

反則行為について通告を欠いたまま反則金不納付事件として発付された略式命令に対する非常上告

裁判
最高裁判所第二小法廷 平成27年6月8日 平成27(さ)2
登載
集刑 第317号339頁
参照法条
刑訴法458条1号,刑訴法338条4号
論点54第458条刑事訴訟法

自転車専用通行帯を自転車道と誤認して通行区分違反に当たるとしてされた略式命令に対する非常上告

裁判
最高裁判所第二小法廷 平成27年4月20日 平成26(さ)1
登載
集刑 第316号155頁
参照法条
刑訴法458条1号,刑訴法336条
論点55第458条刑事訴訟法

反則行為に当たる速度違反を非反則行為と誤認してされた略式命令に対する非常上告

裁判
最高裁判所第三小法廷 平成26年4月15日 平成25(さ)5
登載
集刑 第313号363頁
参照法条
刑訴法458条1号
論点56第458条刑事訴訟法

最高速度を誤認して速度違反に当たるとしてされた略式命令に対する非常上告

裁判
最高裁判所第三小法廷 平成26年4月15日 平成25(さ)10
登載
集刑 第313号369頁
参照法条
刑訴法458条1号,刑訴法336条
論点57第458条刑事訴訟法

少年につき禁錮以上の刑に当たる罪として家庭裁判所から少年法20条1項〈裁判官は、次に掲げる場合には、職務の執行から除斥される。〉の送致を受けた事件をそれと事実の同一性が認められる罰金以下の刑に当たる罪の事件として公訴を提起することの許否

裁判要旨少年につき禁錮以上の刑に当たる罪として家庭裁判所から少年法20条1項〈裁判官は、次に掲げる場合には、職務の執行から除斥される。〉の送致を受けた事件について,それと事実の同一性が認められるとしても,罰金以下の刑に当たる罪の事件として公訴を提起することは許されない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成26年1月20日 平成25(さ)4
登載
刑集 第68巻1号79頁
参照法条
刑訴法458条1号,刑訴法338条4号,少年法20条1項
論点58第458条刑事訴訟法

反則行為に当たる速度違反を非反則行為と誤認してされた略式命令に対する非常上告

裁判
最高裁判所第三小法廷 平成25年9月17日 平成25(さ)1
登載
集刑 第311号187頁
参照法条
刑訴法458条1号
論点59第458条刑事訴訟法

反則行為に当たる速度違反を非反則行為と誤認してされた略式命令に対する非常上告

裁判
最高裁判所第一小法廷 平成22年7月22日 平成22(さ)250
登載
集刑 第301号29頁
参照法条
刑訴法458条1号
論点60第458条刑事訴訟法

反則行為に当たる速度違反を非反則行為と誤認してされた略式命令に対する非常上告

裁判
最高裁判所第二小法廷 平成22年3月29日 平成22(さ)1
登載
集刑 第300号163頁
参照法条
刑訴法458条1号
論点61第458条刑事訴訟法

反則行為に当たる速度違反を非反則行為と誤認してされた略式命令に対する非常上告

裁判
最高裁判所第二小法廷 平成22年3月29日 平成22(さ)7
登載
集刑 第300号165頁
参照法条
刑訴法458条1号
論点62第458条刑事訴訟法

1 法定刑超過による非常上告
2 観念的競合の適用条文について補足意見が付された事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 平成21年7月14日 平成21(さ)1
登載
集刑 第297号137頁
参照法条
刑訴法458条1号,刑法54条1項
論点63第458条刑事訴訟法

昭和40年法律第96号附則2条1項〈裁判所の土地管轄は、犯罪地又は被告人の住所、居所若しくは現在地による。〉等により運転できる普通自動車が制限された運転免許を受けている者が上記制限外の普通自動車を運転した行為は平成16年法律第90号により道路交通法91条違反となったのにこれを看過してなされた略式命令に対する非常上告

裁判
最高裁判所第二小法廷 平成21年3月16日 平成20(さ)3
登載
集刑 第296号189頁
参照法条
刑訴法338条4号,刑訴法458条1号,道路交通法91条,道路交通法119条1項15号,道路交通法125条1項,昭和40年法律第96号附則2条1項,昭和40年法律第96号附則2条3項,昭和40年法律第96号附則2条4項,昭和40年法律第96号附則5条5項,平成7年法律第74号附則11条,平成16年法律第90号附則6条10号,平成16年法律第90号附則15条
論点64第458条刑事訴訟法

起訴状に検察官の署名(記名)押印が欠けていることを看過して発せられた略式命令に対する非常上告

裁判
最高裁判所第一小法廷 平成19年7月5日 平成19(さ)1
登載
集刑 第292号47頁
参照法条
刑訴法338条4号,刑訴法458条1号,刑訴法463条1項,刑訴規則58条1項,刑訴規則60条の2第2項
論点65第458条刑事訴訟法

家庭裁判所から検察官への送致決定を経ることなくされた起訴に基づき発付された略式命令に対する非常上告

裁判
最高裁判所第一小法廷 平成19年12月13日 平成19(さ)3
登載
集刑 第292号703頁
参照法条
刑訴法338条4号,刑訴法458条1号,刑訴法463条1項,少年法20条1項
論点66第458条刑事訴訟法

「普通車は軽車(360)に限る」という条件が付された普通自動車免許で上記条件を超える普通貨物自動車(軽四)を運転した免許条件違反行為を昭和40年法律第96号附則2条4項〈裁判所の土地管轄は、犯罪地又は被告人の住所、居所若しくは現在地による。〉及び5条4項〈数個の関連事件が各別に上級の裁判所及び下級の裁判所に係属するときは、事物管轄にかかわらず、上級の裁判所は、決定で下級の裁…〉の規定する無免許運転行為と誤認してされた略式命令に対する非常上告

裁判
最高裁判所第一小法廷 平成17年12月12日 平成17(さ)2
登載
集刑 第288号747頁
参照法条
刑訴法338条4号,刑訴法458条1号,道路交通法91条,道路交通法119条1項15号,道路交通法125条1項,昭和40年法律第96号附則2条4項,昭和40年法律第96号附則5条4項
論点67第458条刑事訴訟法

小型特殊自動車による牽引について,小型特殊自動車を「牽引自動車」と誤認して無免許運転(牽引免許を受けないで運転)に当たるとしてされた略式命令に対する非常上告

裁判
最高裁判所第二小法廷 令和元年8月9日 令和1(さ)1
登載
集刑 第326号213頁
参照法条
刑訴法458条1号,刑訴法336条
論点68第458条刑事訴訟法

反則行為に当たる速度違反を非反則行為と誤認してされた略式命令に対する非常上告

裁判
最高裁判所第一小法廷 令和6年3月7日 令和5(さ)24
登載
集刑 第333号273頁
参照法条
刑訴法458条1号
論点69第458条刑事訴訟法

反則行為に当たる過失による通行禁止違反について,反則行為に関する処理手続を経由しないまま仮免許運転条件違反との併合罪として発付された略式命令に対する非常上告

裁判
最高裁判所第一小法廷 令和2年3月12日 令和2(さ)1
登載
集刑 第328号1頁
参照法条
刑訴法458条1号,刑訴法338条4号
論点70第459条刑事訴訟法

裁判権ないし管轄権なくしてなされた刑法第五二条による刑を定める決定に対し法定の期間経過後になされた即時抗告

裁判要旨刑法第五二条による刑を定める決定が裁判権ないし管轄権をなくしてなされたものであつても、右決定に対する即時抗告が法定の期間経過後になされたものである以上、不適法のものとして棄却を免れない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和33年2月11日 昭和31(し)37
登載
刑集 第12巻3号355頁
参照法条
刑法52条,旧刑訴法375条,旧刑訴法459条,旧刑法469条4号,旧刑法466条1項,昭和21年勅令第278号(陸軍運法会議法海軍軍法会議法及第1復員裁判所及第2復員裁判所廃止ニ関スル件)附則5項,昭和27年法律81号(右勅令廃止法律)
原

条文原文

原文ママ

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刑事訴訟法 第454条 詳細ページ
第四百五十四条検事総長は、判決が確定した後その事件の審判が法令に違反したことを発見したときは、最高裁判所に非常上告をすることができる。
刑事訴訟法 第455条 詳細ページ
第四百五十五条非常上告をするには、その理由を記載した申立書を最高裁判所に差し出さなければならない。
刑事訴訟法 第456条 詳細ページ
第四百五十六条公判期日には、検察官は、申立書に基いて陳述をしなければならない。
刑事訴訟法 第457条 詳細ページ
第四百五十七条非常上告が理由のないときは、判決でこれを棄却しなければならない。
刑事訴訟法 第458条 詳細ページ
第四百五十八条非常上告が理由のあるときは、左の区別に従い、判決をしなければならない。
一原判決が法令に違反したときは、その違反した部分を破棄する。但し、原判決が被告人のため不利益であるときは、これを破棄して、被告事件について更に判決をする。
二訴訟手続が法令に違反したときは、その違反した手続を破棄する。
刑事訴訟法 第459条 詳細ページ
第四百五十九条非常上告の判決は、前条第一号但書の規定によりされたものを除いては、その効力を被告人に及ぼさない。
刑事訴訟法 第460条 詳細ページ
第四百六十条裁判所は、申立書に包含された事項に限り、調査をしなければならない。
2裁判所は、裁判所の管轄、公訴の受理及び訴訟手続に関しては、事実の取調をすることができる。この場合には、第三百九十三条第三項の規定を準用する。
出

一次情報

原文ママ

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