刑事訴訟法 / テーマ別まとめ

裁判の執行/裁判の執行の手続

裁判の執行の手続の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

刑事訴訟法471条から486条は、確定した裁判をどのように執行するかを定めています。誰が執行を指揮するか、死刑・拘禁刑・拘留などの執行の進め方や停止できる場合、出頭しない者や逃亡者・所在不明者への対応が定められています。実務担当者は、執行の指揮権者と、停止・収容が認められる要件を区別して押さえる必要があります。

裁判の執行の手続
場面主体内容期限
裁判の執行―確定後に執行―
執行の指揮(原則)裁判をした裁判所の検察官指揮―
執行の指揮(上訴後)上訴裁判所の検察官指揮―
指揮の方式―書面+裁判書謄本等―
刑の執行順序検察官重い刑を先に執行―
死刑の執行命令法務大臣執行を命令確定から6箇月以内
死刑の執行実施検察官等命令後に執行命令から5日以内
死刑執行の立会い検察官・検察事務官・刑事施設の長等立会い―
死刑執行の停止法務大臣心神喪失・懐胎で停止―
拘禁刑等の執行停止検察官心神喪失で回復まで停止―
裁量的執行停止検察官高齢・重病等で停止可70歳以上等
訴訟費用の執行停止―申立中は執行停止裁判確定まで
呼出し・不出頭検察官呼出し、不出頭で収容状―
逃亡・所在不明検察官収容状発付・収容請求―
  • 執行の指揮は原則検察官だが、70条1項但書・108条1項但書等その性質上裁判所・裁判官が指揮すべき場合は除く
  • 上訴後の執行指揮は上訴裁判所側の検察官だが、訴訟記録が下級裁判所側にあるときはその検察庁の検察官が指揮する
  • 検察官は重い刑の執行を停止して、他の刑を先に執行させることができる
  • 死刑執行命令の6箇月には、上訴権回復・再審の請求、非常上告、恩赦の出願・申出の手続期間や共同被告人の判決確定待ちの期間は算入しない
  • 心神喪失回復後・出産後の死刑執行にも改めて法務大臣の命令が必要で、6箇月の規定が準用される(起算日は回復日・出産日)
  • 執行停止中の者は処分があるまで刑事施設に留置され、その期間は刑期に算入される
1

裁判の執行の手続

裁判の執行の手続について、条文は何を定めているか。

第471条裁判は確定後に執行するのが原則1項判例 2件
  • 裁判が確定するまでは執行できないのが原則
  • 法律に特別の定めがある場合は例外として扱われる
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第472条執行を指揮するのは検察官2項判例 2件
  • 原則は裁判をした裁判所に対応する検察庁の検察官が指揮
  • 70条1項〈勾引状又は勾留状は、検察官の指揮によつて、検察事務官又は司法警察職員がこれを執行する。但し、急速を要する場合には、裁判長…〉但書・108条1項〈差押状又は捜索状は、検察官の指揮によつて、検察事務官又は司法警察職員がこれを執行する。ただし、裁判所が被告人の保護のため…〉但書等は裁判所・裁判官が指揮
  • 上訴後は上訴裁判所側の検察官、記録が下級側にあれば下級側の検察官
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第473条執行の指揮は書面で行う1項判例なし
  • 指揮は書面で行い裁判書等の謄本・抄本を添付する
  • 刑の執行以外は原本等への認印でも指揮できる
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第474条複数の主刑は重い刑を先に執行1項判例なし
  • 罰金・科料を除き重い刑を先に執行する
  • 検察官は重い刑の執行を停止し他の刑を先に執行させられる
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第475条死刑の執行は法務大臣の命令による2項判例 1件
  • 死刑の執行は法務大臣の命令で行う
  • 命令は判決確定の日から6箇月以内にする
  • 上訴権回復等の手続期間・共同被告人の確定待ち期間は算入しない
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第476条死刑命令後は5日以内に執行1項判例なし
  • 法務大臣が執行を命じたら5日以内に執行する
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第477条死刑執行には立会人が必要2項判例なし
  • 検察官・検察事務官・刑事施設の長等の立会いで執行する
  • 許可を受けた者でなければ刑場に入れない
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第478条執行後は始末書を作成し署名押印1項判例なし
  • 立ち会った検察事務官が執行始末書を作る
  • 検察官・刑事施設の長等と共に署名押印する
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第479条心神喪失・懐胎中は死刑執行を停止4項判例 1件
  • 心神喪失の状態にあるときは法務大臣の命令で執行停止
  • 懐胎している女子も法務大臣の命令で執行停止
  • 回復後・出産後の執行にも改めて法務大臣の命令が必要
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第479_2条刑の執行開始後は出国許可規定を適用外に1項判例なし
  • 拘置・拘禁刑の執行が始まった者には342条の2〈拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受けた者は、裁判所の許可を受けなければ本邦から出国してはならない。〉を適用しない
  • 刑の執行を受けなくなった者にも同様に適用しない
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第480条拘禁刑・拘留も心神喪失なら執行停止1項判例なし
  • 心神喪失の状態にあるときは検察官の指揮で執行停止
  • 停止はその状態が回復するまで続く
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第481条執行停止中は病院等に収容2項判例なし
  • 検察官は監護義務者や地方公共団体の長に引き渡す
  • 病院その他適当な場所に入れさせる
  • 処分があるまでは刑事施設に留置し期間を刑期に算入
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第482条高齢・病気等で執行停止できる場合1項・8号判例 2件
  • 健康を著しく害する・生命の危険があるときに停止可
  • 年齢70年以上、受胎150日以上、出産後60日未満も対象
  • 祖父母等の看護や重大な事由がある場合も停止可
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第483条訴訟費用の裁判は申立中執行停止1項判例なし
  • 500条〈訴訟費用の負担を命ぜられた者は、貧困のためこれを完納することができないときは、裁判所の規則の定めるところにより、訴訟費用…〉の申立期間中と申立て後は裁判確定まで執行停止
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第483_2条拘禁刑確定後の規定の読替え1項判例なし
  • 342条の2〈拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受けた者は、裁判所の許可を受けなければ本邦から出国してはならない。〉から342条の7〈裁判所は、第三百四十二条の二の許可を受けた者が、入管法第四十条に規定する収容令書若しくは入管法第五十一条に規定する退去強…〉までの字句を表のとおり読み替える
  • 342条の5第1項〈裁判所は、第三百四十二条の二の許可をする場合には、帰国等保証金額を定めなければならない。ただし、保釈を許す決定を受けた被…〉但書は適用しない
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第484条拘禁されていない者は呼び出して執行1項判例なし
  • 日時・場所を指定して出頭を呼び出す
  • 呼出しに応じないときは収容状を発する
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第484_2条呼出しに応じないと処罰される1項判例なし
  • 正当な理由なく指定日時・場所に出頭しないと2年以下の拘禁刑
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第485条逃亡時は直ちに収容状を発付1項判例 6件
  • 逃亡した、または逃亡のおそれがあるとき検察官が直ちに収容状を発する
  • 司法警察員に発付させることもできる
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第485_2条出国許可違反時も収容状を発付1項・3号判例なし
  • 無許可出国・許可取消し・帰国期限違反があれば確定後直ちに収容状
  • 司法警察員に発付させることもできる
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第486条所在不明のときは検事長に収容請求2項判例なし
  • 現在地が分からないとき検察官は検事長に収容を請求
  • 請求を受けた検事長は管内検察官に収容状を発せしめる
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第471条刑事訴訟法

刑の執行猶予言渡の取消決定に対する即時抗告棄却決定に対して特別抗告の申立があつた後に刑の執行猶予期間が経過した場合と刑の執行

裁判要旨刑の執行猶予言渡の取消決定に対する即時抗告棄却決定が当該刑の言渡を受けた者に告知された後に刑の執行猶予期間が経過した場合には、この棄却決定に対して適法な特別抗告の申立があつても、同決定の執行が停止されないかぎり、同決定の告知により執行猶予言渡の取消の効果が発生し、刑の執行をなしうるものであることは、最高裁判所昭和四〇年九月八日大法廷決定(刑集一九巻六号六三六頁)の判示するところであつて、この判例は、正当として支持すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和44年11月11日 昭和44(し)50
登載
集刑 第174号27頁
参照法条
刑法27条,刑訴法424条,刑訴法434条,刑訴法471条
論点2第471条刑事訴訟法

検察官の過誤による違法な刑の執行指揮と上告理由の適否

裁判要旨もし未確定の右第一審判決の刑の執行として被告人が所論のように昭和二五年四月二八日から昭和二六年五月二六日までの間刑務所に収監され服役させられたとすれば右判の執行指揮が違法不当のものであることは論をまたない。しかし所論によれば右は検察官の過誤に基くものであつて、原判決は何等の法令違反もなく又原判決は、この点に関し憲法適法の判断はしないのである。所論は原判決言渡後に生じた右検察官の過誤による執行指揮を理由として種々憲法違反であると主張するけれども、これがため原判決の違法を来たす理由もなく右執行指揮は本件上告の対象とはない得ないものであるから、当裁判所はこれに関し憲法適否の判断を示すに由ないものである。したがつて所論は結局刑訴四〇五条〈高等裁判所がした第一審又は第二審の判決に対しては、左の事由があることを理由として上告の申立をすることができる。〉に規定する理由にあたらないこと明白である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和30年10月31日 昭和26(あ)117
登載
集刑 第55号981頁
参照法条
刑訴法471条,刑訴法405条
論点3第472条刑事訴訟法

刑訴法第九六条第三項〈裁判所は、次の各号のいずれかに該当する場合には、検察官の請求により、又は職権で、決定で、保釈又は勾留の執行停止を取り消す…〉による保釈保証金没取請求をなすべき裁判所

裁判要旨刑訴第九六条第三項〈裁判所は、次の各号のいずれかに該当する場合には、検察官の請求により、又は職権で、決定で、保釈又は勾留の執行停止を取り消す…〉による保釈保証金没取の請求は、現に当該本案記録の存する検察庁に対応する裁判所になすべきものと解するのが相当である。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和32年10月23日 昭和30(す)369
登載
刑集 第11巻10号2694頁
参照法条
刑訴法96条3項,刑訴法472条
論点4第472条刑事訴訟法

検察官の執行指揮に基づく納付告知及び督促があったときの訴訟費用負担の裁判の執行に関する異議申立ての許否

裁判要旨訴訟費用負担の裁判の執行について,刑訴法490条1項〈罰金、科料、没収、追徴、過料、没取、訴訟費用、費用賠償又は仮納付の裁判は、検察官の命令によつてこれを執行する。この命令は…〉による徴収命令の出される前であっても,同法472条による検察官の執行指揮に基づく納付告知及び督促があったときは,同法502条の異議申立てをすることができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成27年2月23日 平成26(す)765
登載
刑集 第69巻1号209頁
参照法条
刑訴法472条,刑訴法490条1項,刑訴法502条
論点5第475条刑事訴訟法

一 死刑の確定裁判を受けた者が刑法一一条二項に基づき拘置されている場合における死刑の時効の進行の有無
二 死刑の確定裁判を受けた者につき長期間にわたる拘置を継続したのちに死刑を執行することと憲法三六条にいう「残虐な刑罰」

裁判要旨一 死刑の確定裁判を受けた者が刑法一一条二項に基づき拘置されている場合には、死刑の時効は進行しない。
二 死刑の確定裁判を受けた者につき長期間にわたる拘置を継続したのちに死刑を執行することは、憲法三六条にいう「残虐な刑罰」に当たらない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和60年7月19日 昭和60(ク)256
登載
集民 第145号271頁
参照法条
刑法11条,刑法32条1号,刑法33条,刑法34条1項,刑訴法475条,刑訴法479条,憲法36条
論点6第482条刑事訴訟法

一 心神耗弱者に実刑を科する場合には必ず刑の執行を猶予しなければならないか
二 刑訴法第四〇二条〈被告人が控訴をし、又は被告人のため控訴をした事件については、原判決の刑より重い刑を言い渡すことはできない。〉に違反しない事例

裁判要旨一 所論第一点は憲法三六条、一一条、一三条を引用して原判決の憲法違反をいうけれども結局量刑の非難であつて上告適法の理由にならない。若し刑の執行により著るしく健康を害する事情にあれば刑訴四八二条一号〈拘禁刑又は拘留の言渡しを受けた者について次に掲げる事由があるときは、刑の言渡しをした裁判所に対応する検察庁の検察官又は刑… 刑の執行によつて、著しく健康を害するとき、又は生命を保つことのできないおそれがあるとき。〉により刑の執行を停止することができるのであつて、犯行時心神耗弱の状態にあつたからといつて必ず刑の執行を猶予しなければならないものではない。
二 心神障碍あるにより、軽減されたしとの控訴趣意を理由ありとして一審判決を破棄し乍ら同一の刑に処したのは理由不備、刑訴四〇二条〈被告人が控訴をし、又は被告人のため控訴をした事件については、原判決の刑より重い刑を言い渡すことはできない。〉違反というのであるが、原判決は心神耗弱の点は理由があるが、未だ執行猶予を与うべきものでないと判断したこと明らかでそこに何ら理由のくいちがいもなく、また第一審判決より重い刑を言い渡したのでないから、刑訴四〇二条に違反するものでもない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和29年12月24日 昭和29(あ)2962
登載
集刑 第101号951頁
参照法条
刑法39条2項,刑法25条,刑訴法482条1号,刑訴法402条
論点7第482条刑事訴訟法

重症の結核患者に実刑を科することと憲法第三六条

裁判要旨仮りに被告人に所論のような病状(重症の肺結核)があつても、それは刑の執行の面において考慮せらるべき事項であるから、原判決が被告人に実刑を科したからといつて、憲法三六条に違反するとはいえない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和28年9月22日 昭和28(あ)1703
登載
集刑 第86号913頁
参照法条
憲法36条,刑訴法482条
論点8第485条刑事訴訟法

海軍軍法会議が言い渡した有罪の確定判決に対する再審請求の許否

裁判要旨海軍軍法会議が言い渡した有罪の確定判決に対しては、旧刑訴法四八五条による再審の請求が許される。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和63年4月12日 昭和61(す)44
登載
刑集 第42巻4号745頁
参照法条
旧刑訴法485条,陸軍軍法会議法、海軍軍法会議法及第1復員裁判所及第2復員裁判所令ヲ廃止スル勅令(昭和21年5月17日勅令278号・昭和22年5月17日政令52号による改正前のもの),ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律(昭和27年4月法律81号)2項,ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律(昭和27年4月法律81号)3項
論点9第485条刑事訴訟法

一 日本の統治下における朝鮮の通常裁判所が言い渡した有罪の確定判決は旧刑訴法第四八五条にいう「有罪ノ言渡ヲ為シタル確定判決」にあたるか
二 右確定判決に対する再審請求の管轄裁判所の指定

裁判要旨一 朝鮮総督府大邱覆審法院が、昭和一七年八月二一日、日本人某に対して言い渡した放火被告事件の有罪の確定判決は、旧刑訴法第四八五条にいう「有罪ノ言渡ヲ為シタル確定判決」にあたる。
二 右確定判決に対する再審請求の管轄裁判所は、旧刑訴法第一五条および裁判所法施行令第一九条第二号に則り、最高裁判所が指定すべきものである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和42年2月28日 昭和41(す)389
登載
刑集 第21巻1号356頁
参照法条
刑訴施行法2条,旧刑訴法485条,旧刑訴法490条,旧刑訴法15条,共通法13条,共通法18条,共通法19条,裁判所法施行令19条2号,裁判所法施行令2条1項,裁判所法施行令2条2項
論点10第485条刑事訴訟法

旧刑訴第四八五条第六号〈死刑、拘禁刑又は拘留の言渡しを受けた者が逃亡したとき、又は逃亡するおそれがあるときは、検察官は、直ちに収容状を発し、又は…〉にあたらない再審請求の一事例

裁判要旨しかし本件被告事件の記録に徴すれば、請求人申出の証人の中A並びに当時捜査を担当していた府中町警察署勤務警部補Bは、控訴審たる東京高等裁判所において証人として尋問されているのであり、不在証明を立証しようとするCについては、同人と被告人Dとの交渉関係につき司法警察官作成の聴取書が存し公判廷においてその証明調がなされているものであるから、右各証人はいずれも新に発見した証拠ということはできないのみならず、請求人申出の証人等はいずれも所論の犯罪事実につき無罪を言い渡すべき明確なる証拠と認めるに足りない。されば本件再審請求は旧刑訴四八五条六号〈死刑、拘禁刑又は拘留の言渡しを受けた者が逃亡したとき、又は逃亡するおそれがあるときは、検察官は、直ちに収容状を発し、又は…〉の事由として、その理由なきものである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和28年12月3日 昭和25(き)2
登載
集刑 第89号95頁
参照法条
旧刑訴法485条6号
論点11第485条刑事訴訟法

一 刑訴第四一一条第四号〈上告裁判所は、第四百五条各号に規定する事由がない場合であつても、左の事由があつて原判決を破棄しなければ著しく正義に反する… 再審の請求をすることができる場合にあたる事由があること。〉(再審請求)にあたる一事例
二 いわゆる準新事件について上告審においても事実の取調として証拠調ができるか
三 いわゆる準新事件について刑訴第四一一条第四号に該当するとして原判決を破棄する場合に上告審は自ら判決することができるか

裁判要旨一 原判決後真犯人が検挙され、有罪の判決を受け確定した場合には、旧刑訴第四八五条第六号〈死刑、拘禁刑又は拘留の言渡しを受けた者が逃亡したとき、又は逃亡するおそれがあるときは、検察官は、直ちに収容状を発し、又は…〉にいわゆる「有罪ノ言渡ヲ受ケタル者ニ対シテ無罪ヲ言渡スヘキ明確ナル証拠ヲ新ニ発見シタルトキ」に該当し、刑訴第四一一条第四号〈上告裁判所は、第四百五条各号に規定する事由がない場合であつても、左の事由があつて原判決を破棄しなければ著しく正義に反する… 再審の請求をすることができる場合にあたる事由があること。〉にあたる。
二 いわゆる準新事件について上告審において事実の取調として証拠調をすることができる。
三 いわゆる準新事件について刑訴第四一一条第四号に該当するとして原判決を破棄するに当つて、上告審は、事実につき心証を得た場合には自ら判決をすることができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和27年4月24日 昭和26(れ)2509
登載
刑集 第6巻4号708頁
参照法条
刑訴法411条,刑訴法414条,刑訴法393条,旧刑訴法485条,旧刑訴法448条,旧刑訴法448条の2,刑訴応急措置法16条
論点12第485条刑事訴訟法

横浜事件再審請求特別抗告審決定

裁判
最高裁判所第二小法廷 平成3年3月14日 昭和63(し)124
登載
集刑 第257号225頁
参照法条
刑訴法施行法2条,刑訴応急措置法18条,旧刑訴法485条
論点13第485条刑事訴訟法

1 旧刑訴法適用事件につき再審が開始された場合,その対象となった判決の確定後に刑の廃止又は大赦があったときは,再審開始後の審判手続において免訴に関する規定の適用を排除して実体判決をすることができるか
2 旧刑訴法適用事件についての再審開始後の審判手続において,被告人は免訴判決に対し無罪を主張して上訴することができるか
3 旧刑訴法適用事件について再審が開始され,第1審判決及び控訴審判決が言い渡されて更に上告に及んだ後に,当該再審の請求人が死亡しても,再審の手続が終了しない場合

裁判要旨1 旧刑訴法適用事件について再審が開始された場合,その対象となった判決の確定後に刑の廃止又は大赦があったときは,再審開始後の審判手続においても,同法363条2号,3号の適用を排除して実体判決をすることはできず,免訴判決が言い渡されるべきである。
2 旧刑訴法適用事件についての再審開始後の審判手続においても,被告人は免訴判決に対し無罪を主張して上訴することはできない。
3 旧刑訴法適用事件について再審が開始されて第1審判決及び控訴審判決が言い渡され,更に上告に及んだ後に,当該再審の請求人が死亡しても,同請求人が既に上告審の弁護人を選任しており,かつ,同弁護人が引き続き弁護活動を継続する意思を有する限り,再審の手続は終了しない。
(1,2につき補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成20年3月14日 平成19(れ)1
登載
刑集 第62巻3号185頁
参照法条
(1,2につき)旧刑訴法363条2号,旧刑訴法363条3号 (1,3につき)旧刑訴法511条 (1につき)旧刑訴法485条6号 (2につき)旧刑訴法400条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

刑事訴訟法 第471条 詳細ページ
第四百七十一条裁判は、この法律に特別の定のある場合を除いては、確定した後これを執行する。
刑事訴訟法 第472条 詳細ページ
第四百七十二条裁判の執行は、その裁判をした裁判所に対応する検察庁の検察官がこれを指揮する。但し、第七十条第一項但書の場合、第百八条第一項但書の場合その他その性質上裁判所又は裁判官が指揮すべき場合は、この限りでない。
2上訴の裁判又は上訴の取下により下級の裁判所の裁判を執行する場合には、上訴裁判所に対応する検察庁の検察官がこれを指揮する。但し、訴訟記録が下級の裁判所又はその裁判所に対応する検察庁に在るときは、その裁判所に対応する検察庁の検察官が、これを指揮する。
刑事訴訟法 第473条 詳細ページ
第四百七十三条裁判の執行の指揮は、書面でこれをし、これに裁判書又は裁判を記載した調書の謄本又は抄本を添えなければならない。但し、刑の執行を指揮する場合を除いては、裁判書の原本、謄本若しくは抄本又は裁判を記載した調書の謄本若しくは抄本に認印して、これをすることができる。
刑事訴訟法 第474条 詳細ページ
第四百七十四条二以上の主刑の執行は、罰金及び科料を除いては、その重いものを先にする。但し、検察官は、重い刑の執行を停止して、他の刑の執行をさせることができる。
刑事訴訟法 第475条 詳細ページ
第四百七十五条死刑の執行は、法務大臣の命令による。
2前項の命令は、判決確定の日から六箇月以内にこれをしなければならない。但し、上訴権回復若しくは再審の請求、非常上告又は恩赦の出願若しくは申出がされその手続が終了するまでの期間及び共同被告人であつた者に対する判決が確定するまでの期間は、これをその期間に算入しない。
刑事訴訟法 第476条 詳細ページ
第四百七十六条法務大臣が死刑の執行を命じたときは、五日以内にその執行をしなければならない。
刑事訴訟法 第477条 詳細ページ
第四百七十七条死刑は、検察官、検察事務官及び刑事施設の長又はその代理者の立会いの上、これを執行しなければならない。
2検察官又は刑事施設の長の許可を受けた者でなければ、刑場に入ることはできない。
刑事訴訟法 第478条 詳細ページ
第四百七十八条死刑の執行に立ち会つた検察事務官は、執行始末書を作り、検察官及び刑事施設の長又はその代理者とともに、これに署名押印しなければならない。
刑事訴訟法 第479条 詳細ページ
第四百七十九条死刑の言渡を受けた者が心神喪失の状態に在るときは、法務大臣の命令によつて執行を停止する。
2死刑の言渡を受けた女子が懐胎しているときは、法務大臣の命令によつて執行を停止する。
3前二項の規定により死刑の執行を停止した場合には、心神喪失の状態が回復した後又は出産の後に法務大臣の命令がなければ、執行することはできない。
4第四百七十五条第二項の規定は、前項の命令についてこれを準用する。この場合において、判決確定の日とあるのは、心神喪失の状態が回復した日又は出産の日と読み替えるものとする。
刑事訴訟法 第479_2条 詳細ページ
第四百七十九条の二拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受けた者について、刑法第十一条第二項の規定による拘置若しくは拘禁刑の執行が開始されたとき、又は当該判決に係る刑の執行を受けることがなくなつたときは、当該者に対しては、第三百四十二条の二(第四百四条(第四百十四条において準用する場合を含む。以下この章において同じ。)において準用する場合を含む。第四百八十五条の二において同じ。)の規定は、適用しない。
刑事訴訟法 第480条 詳細ページ
第四百八十条拘禁刑又は拘留の言渡しを受けた者が心神喪失の状態にあるときは、刑の言渡しをした裁判所に対応する検察庁の検察官又は刑の言渡しを受けた者の現在地を管轄する地方検察庁の検察官の指揮によつて、その状態が回復するまで執行を停止する。
刑事訴訟法 第481条 詳細ページ
第四百八十一条前条の規定により刑の執行を停止した場合には、検察官は、刑の言渡を受けた者を監護義務者又は地方公共団体の長に引き渡し、病院その他の適当な場所に入れさせなければならない。
2刑の執行を停止された者は、前項の処分があるまでこれを刑事施設に留置し、その期間を刑期に算入する。
刑事訴訟法 第482条 詳細ページ
第四百八十二条拘禁刑又は拘留の言渡しを受けた者について次に掲げる事由があるときは、刑の言渡しをした裁判所に対応する検察庁の検察官又は刑の言渡しを受けた者の現在地を管轄する地方検察庁の検察官の指揮によつて執行を停止することができる。
一刑の執行によつて、著しく健康を害するとき、又は生命を保つことのできないおそれがあるとき。
二年齢七十年以上であるとき。
三受胎後百五十日以上であるとき。
四出産後六十日を経過しないとき。
五刑の執行によつて回復することのできない不利益を生ずるおそれがあるとき。
六祖父母又は父母が年齢七十年以上又は重病若しくは不具で、他にこれを保護する親族がないとき。
七子又は孫が幼年で、他にこれを保護する親族がないとき。
八その他重大な事由があるとき。
刑事訴訟法 第483条 詳細ページ
第四百八十三条第五百条に規定する申立の期間内及びその申立があつたときは、訴訟費用の負担を命ずる裁判の執行は、その申立についての裁判が確定するまで停止される。
刑事訴訟法 第483_2条 詳細ページ
第四百八十三条の二拘禁刑以上の刑に処する判決が確定した後における第三百四十二条の二から第三百四十二条の七まで(これらの規定を第四百四条において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定の適用については、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とし、第三百四十二条の五第一項ただし書の規定は、適用しない。
刑事訴訟法 第484条 詳細ページ
第四百八十四条死刑、拘禁刑又は拘留の言渡しを受けた者が拘禁されていないときは、検察官は、執行のため、出頭すべき日時及び場所を指定してこれを呼び出さなければならない。呼出しに応じないときは、収容状を発しなければならない。
刑事訴訟法 第484_2条 詳細ページ
第四百八十四条の二前条前段の規定による呼出しを受けた者が、正当な理由がなく、指定された日時及び場所に出頭しないときは、二年以下の拘禁刑に処する。
刑事訴訟法 第485条 詳細ページ
第四百八十五条死刑、拘禁刑又は拘留の言渡しを受けた者が逃亡したとき、又は逃亡するおそれがあるときは、検察官は、直ちに収容状を発し、又は司法警察員にこれを発せしめることができる。
刑事訴訟法 第485_2条 詳細ページ
第四百八十五条の二拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受けた者が次の各号のいずれかに該当するときは、検察官は、当該判決が確定した後、直ちに収容状を発付し、又は司法警察員にこれを発付させることができる。
一第三百四十二条の二の許可を受けないで本邦から出国し又は出国しようとしたとき。
二第三百四十二条の二の許可が取り消されたとき。
三第三百四十二条の二の許可を受け、正当な理由がなく、指定期間内に本邦に帰国せず又は上陸しなかつたとき。
刑事訴訟法 第486条 詳細ページ
第四百八十六条死刑、拘禁刑又は拘留の言渡しを受けた者の現在地が分からないときは、検察官は、検事長にその者の刑事施設への収容を請求することができる。
2請求を受けた検事長は、その管内の検察官に収容状を発せしめなければならない。
出

一次情報

原文ママ

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