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文書偽造の罪

文書偽造の罪の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

文書偽造の罪は、公文書・私文書の偽造や変造、虚偽の記載・作成、そしてそれらの行使を処罰する刑法154条から161条までの規定です。誰が作った文書か(公務員か私人か)、紙の文書か電磁的記録かによって、法定刑や成立要件が細かく分かれています。実務担当者は、対象文書の種類と行為の態様(偽造・変造・虚偽作成・不実記載・行使など)を条文に沿って区別することが必要です。

文書偽造の罪
条文対象行為法定刑
154条詔書等偽造・変造無期又は3年以上拘禁刑
155条1・2項公務所等の文書等偽造・変造1年以上10年以下拘禁刑
155条3項公務所等の文書等印章等を使わない偽造・変造3年以下拘禁刑又は20万円以下罰金
156条公務員自身が作成虚偽作成・変造155条等の例による
157条1項登記簿・戸籍簿等の原本不実記載・記録させる5年以下拘禁刑又は50万円以下罰金
157条2項免状・鑑札・旅券不実記載・記録させる1年以下拘禁刑又は20万円以下罰金
158条154~157条の文書等行使等原行為と同一の刑
159条1・2項権利義務・事実証明文書偽造・変造3月以上5年以下拘禁刑
159条3項権利義務・事実証明文書印章等を使わない偽造・変造1年以下拘禁刑又は10万円以下罰金
160条診断書・検案書・死亡証書虚偽記載3年以下拘禁刑又は30万円以下罰金
161条159・160条の文書等行使同一の刑
  • 157条・158条・161条の罪は未遂も処罰される(157条3項、158条2項、161条2項)。
  • 156条は、印章等の有無により154条・155条の例による(表の法定刑区分と同じ扱い)。
  • 158条は、154条から157条までの文書等を偽造・変造・虚偽作成・不実記載等した者と同一の刑に処せられる。
  • 161条は、159条・160条の文書等を行使した場合を対象とする。
  • 160条は医師が主体で、公務所に提出すべき診断書等に限られる。
  • 154条・155条・157条・159条は、電磁的記録(電磁的記録印章等・電磁的記録文書等)についても同様に規定されている。
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文書偽造の罪

文書偽造の罪について、条文は何を定めているか。

第154条詔書偽造等天皇の印章等を使った文書偽造を重く罰する2項判例なし
  • 御璽・国璽・御名を使って詔書等を偽造すると無期又は3年以上の拘禁刑
  • 御璽・国璽を押した詔書等を書き換えても同様に処罰される
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第155条公文書偽造等公務所・公務員の文書を偽造・変造すると処罰3項・2号判例 28件
  • 公務員の印章等を使った偽造・変造は1年以上10年以下の拘禁刑
  • 印章等を使わない偽造・変造は3年以下の拘禁刑又は20万円以下の罰金
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第156条虚偽公文書作成等公務員が職務上虚偽の文書を作るのも同様に処罰1項判例 8件
  • 公務員が職務に関し虚偽の公文書等を作成・変造すると155条〈公文書偽造等〉等の例による
  • 印章等の有無で154条〈詔書偽造等〉・155条〈公文書偽造等〉どちらの刑が適用されるか区別する
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第157条公正証書原本不実記載等虚偽の申立てで公正証書に嘘を記載させる罪3項判例 24件
  • 登記簿・戸籍簿等に不実記載させると5年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金
  • 免状・鑑札・旅券への不実記載は1年以下の拘禁刑又は20万円以下の罰金
  • この罪は未遂でも処罰される
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第158条偽造公文書行使等偽造・虚偽の公文書等を使うと同じ刑で処罰2項判例 15件
  • 154条〈詔書偽造等〉から157条〈公正証書原本不実記載等〉までの文書等を行使すると原本行為と同一の刑
  • この罪は未遂でも処罰される
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第159条私文書偽造等私文書を偽造・変造すると処罰される3項・2号判例 23件
  • 他人の印章等を使った偽造・変造は3月以上5年以下の拘禁刑
  • 印章等を使わない偽造・変造は1年以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金
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第160条虚偽診断書等作成医師が診断書等に嘘を書くと処罰される1項判例 1件
  • 公務所に出す診断書・検案書・死亡証書に虚偽記載すると3年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金
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第161条偽造私文書等行使偽造・虚偽の私文書等を使うと同じ刑2項判例 7件
  • 159条〈私文書偽造等〉・160条〈虚偽診断書等作成〉の文書等を行使すると同一の刑に処せられる
  • この罪は未遂でも処罰される
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第155条刑法

公文書の内容に改ざんを加えたうえそのコピーを作成した場合の擬律

裁判要旨行使の目的をもつて、ほしいままに、営林署長の記名押印がある売買契約書の売買代金欄等の記載に改ざんを施すなどしたうえ、これを複写機械で複写する方法により、あたかも真正な右売買契約書を原形どおり正確に複写したかのような形式、外観を備えるコピーを作成した所為は、その改ざんが原本自体にされたのであれば未だ文書の変造の範ちゆうに属するとみられる程度にとどまつているとしても、刑法一五五条一項〈公文書偽造等〉の有印公文書偽造罪に当たる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和61年6月27日 昭和59(あ)555
登載
刑集 第40巻4号340頁
参照法条
刑法155条1項,刑法155条2項
論点2第155条刑法

公文書を電子複写機で複写したものに改ざんを施しこれを更に複写したものが有印公文書偽造罪の客体にあたるとされた事例

裁判要旨裁判所書記官の認証がある裁判所の固定資産処分許可書謄本を電子複写機で複写したものにつき、許可事項欄の土地名、売却不動産表示欄の不動産、売却代金欄の金額等の各記載に改ざんを施し、これを更に電子複写機で複写することにより作成され、あたかも真正な右許可書謄本を原形どおり正確に複写したかのような形式、外観を有する本件コピーは、刑法一五五条一項〈公文書偽造等〉の有印公文書偽造罪の客体にあたる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和58年2月25日 昭和57(あ)459
登載
刑集 第37巻1号1頁
参照法条
刑法155条1項
論点3第155条刑法

公文書の電子コピーの作成が有印公文書偽造罪にあたるとされた事例

裁判要旨行使の目的をもつて、ほしいままに、京都府A工営所長の記名押印のある同所長作成名義の土石採取許可証原本の出願日、許可年月日、採取場所、採取期間等の各欄の記載に改ざんを施したうえ、これを電子複写機で複写する方法により、あたかも真正な右許可証原本を原形どおり正確に複写したかのような形式、外観を備える電子コピーを作成した所為は、刑法一五五条一項〈公文書偽造等〉の有印公文書偽造罪にあたる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和54年5月30日 昭和53(あ)719
登載
刑集 第33巻4号324頁
参照法条
刑法155条1項
論点4第155条刑法

補助公務員による手続違反の公文書作成につき公文書偽造罪の成立が否定された事例

裁判要旨市長の代決者である課長を補助し、一定の手続に従つて印鑑証明書の作成にあたつていた補助公務員が、右手続の要求する申請書の提出と手数料の納付をせずに、自己の用に供するため印鑑証明書を作成した行為は、判示の事情のもとにおいては、作成権限に基づくものとして、公文書偽造罪を構成しない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和51年5月6日 昭和50(あ)1621
登載
刑集 第30巻4号591頁
参照法条
刑法155条1項
論点5第155条刑法

公文書の写真コピーの作成が公文書偽造罪にあたるとされた事例

裁判要旨行使の目的を以って、虚偽の供託事実を記入した供託書用紙の下方に真正な供託金受領証から切り取った供託官の記名印及び公印押捺部分を接続させ、これを電子複写機で複写する方法により、あたかも、公務員である供託官が職務上作成した真正な供託金受領証を原本として、これを原形どおり正確に複写したかのような形式、外観を有する写真コピーを作成した所為は、刑法一五五条一項〈公文書偽造等〉の公文書偽造罪にあたる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和51年4月30日 昭和50(あ)1924
登載
刑集 第30巻3号453頁
参照法条
刑法155条1項
論点6第155条刑法

一 牽連犯を構成する二罪の中間に別罪の確定裁判が介在する場合と刑法五四条の適用
二 偽造運転免許証の携帯運転と偽造公文書行使罪の成否

裁判要旨一 牽連犯を構成する手段となる犯罪と結果となる犯罪との中間に別罪の確定裁判が介在する場合においても、なお刑法五四条の適用がある。
二 自動車を運転する際に偽造にかかる運転免許証を携帯しているに止まる場合には、偽造公文書行使罪を構成しない。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和44年6月18日 昭和43(あ)1651
登載
刑集 第23巻7号950頁
参照法条
刑法45条,刑法54条1項,刑法158条,刑法155条,道路交通法95条
論点7第155条刑法

有印公文書偽造罪の成否。

裁判要旨一 第一審判決判示第一前段の被告人の所為が有印公文書偽造罪にあたるとした原判決の判断は正当である。
二 (第一審判決判示第一前段の要旨)被告人は昭和三四年一二月八日付神奈川県公安委員会がAに発行した小型自動四倫運輪免許一通をほしいままに、同免許証の氏名欄の「A」、生年月日欄の「大正15・11・19」、本籍欄の「栃木県真岡市ab」、住居欄の「c町de」の各記載部分をインク消しで抹消し、その該当欄に氏名「B」生年月日「昭和11・5・14」、本籍「神奈川県中郡c町f」、住居「c町gh」と、それぞれ万年筆で記入し、さらに写真欄のAの写真を剥ぎ、自己の写真に鉄筆を用いて「神奈川県」の打ち出し印が押された如く型をつけたうえ、これに同欄に貼りつけ、神奈川県公安委員会の記名押印ある自己宛の小型自動四輪運転免許証一通を作成したものである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和39年6月11日 昭和39(あ)273
登載
集刑 第151号391頁
参照法条
刑法155条1項
論点8第155条刑法

刑法第一五五条第二項〈公文書偽造等〉所定の有印公文書にあたるとされた事例。

裁判要旨本件文書を有印公文書にあたるとした原判断は正当と認める。

(本件文書)A株式会社が神戸税関において、船用品積込の承認を受けた際、同税関から下付を受けて所持していた、昭和三五年一月六日リベリア国籍貨物船C号にドライドホースマツカレル(Dried Horse―Mackerel)五〇ポンド七、五〇〇円相当を積み込むことの承認申請を同日同税関が受け付け、かつこれを承認したことを証明する、同税関作成名義の許可・神戸税関という文字及び日付等を刻した丸型スタンプ印並びに係官個人印の各押捺及び右丸型スタンプ印による契印の行われている船用品(機用品)積込承認申請書と題する文書一通(同会社取締役社長B作成名義の右内容の船用品積込承認申請書に同税関の右許可印が押捺されているもの、昭和三六年押第六二八号の一の二のうち昭和三五年一月六日付、申請番号兵四三のものは、これに追加(変造部分)記入をしたもの。)

なお、右文書は神戸税関において乗船官吏がその権限に基づき慣行上の職務として、船積確認の上、乗員官吏に収納される承認書に代えて、前記会社に下付されたもの(第一審判決理由参照)。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和38年12月12日 昭和38(あ)1112
登載
集刑 第149号275頁
参照法条
刑法155条1項,刑法155条2項,関税法23条,関税法26条,関税法基本通達(昭和29年税蔵2116号)3―23―1
論点9第155条刑法

同一の公文書に関する有形偽造と無形偽造との認識の齟齬。

裁判要旨同一の公文書に関する有形偽造と無形偽造とは、罪質を同じくし、その間の認識の齟齬は、実行せられた偽造の結果に対する故意の責任を阻却するものでなく、かつ両者その法定刑を同じくするから、刑法三八条二項〈故意〉の制約を受けるものではない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和37年7月17日 昭和34(あ)1320
登載
集刑 第143号415頁
参照法条
刑法38条1項,刑法38条2項,刑法155条,刑法156条
論点10第155条刑法

偽造運転免許証行使罪の成立する事例。

裁判要旨一 偽造にかかる公安委員会作成名義の運転免許証を携帯して自動車を運転した場合は、偽造公文書行使罪が成立する。

二 垂水裁判官の少数意見

三 たとえ法令上自動車を運転する場合に運転免許証を携帯すべき義務ある場合であつても、運転者が運転の際、偽造の運転免許証を単にポケツトまたは自動社内に携帯所蔵しているだけでは、未だもつて他人が随時これを真正な文書として閲覧できる状態においたものというに足りない。他人に対する外部的行為がないのであるから、これを原判示のように偽造免許証(有印公文書)の行使罪に当るものということはできない。被告人の判示所為は罪とならない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和36年5月23日 昭和32(あ)2956
登載
刑集 第15巻5号712頁
参照法条
刑法158条,刑法155条,道路交通取締法9条3号,道路交通法95条
論点11第155条刑法

一 刑法第一九条第一項〈没収〉の規定と憲法第二九条
二 公文書偽造、同行使罪にあたる事例

裁判要旨一 刑法第一九条第一項〈没収〉の規定は憲法第二九条に違反しない
二 実在しない東京都千代田区a町b番地司法局別館人権擁護委員会会計課作成名義の証明書を作成、行使した場合においても、その文書の形式外観において、一般人をして、右の如く公務所が実在し、右委員会がその職務権限内において作成した公文書であると誤信せしめるに足りるものと認められるときは、その所為は公文書偽造、同行使罪にあたる
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和36年3月30日 昭和35(あ)1358
登載
刑集 第15巻3号667頁
参照法条
刑法19条1項,刑法155条1項,刑法158条1項,憲法29条
論点12第155条刑法

訴因変更を許した事例。―「被告人は偽造公文書を行使した」との訴因と「被告人は他人と共謀の上右と同一の公文書を偽造した」との訴因。

裁判要旨本件は、被告人が偽造公文書を行使したとの訴因を、被告人が他人と共謀の上右と同一の公文書を偽造したとの訴因に変更した場合であり被告人自ら同一の公文書に対する公信力を害したとの点において、両者その基本的事実を同一にし、しかも刑法一五八条も、偽造公文書行使の罪を犯した者は、公文書偽造の罪を犯した者と同一の刑に処する旨規定して居るのであつて、起訴状において訴因とされた偽造公文書行使の事実と変更の許可を得て新らしい訴因となつた同一公文書偽造の事実とは、刑事訴訟法上、同一事実関係と解すべきである。されば第一審が所論の如く訴因変更を許可し、原審がこれを適法と判断したことに所論の違法がない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和35年7月19日 昭和31(あ)4296
登載
集刑 第134号633頁
参照法条
刑訴法312条,刑法155条,刑法158条,刑法60条
論点13第155条刑法

物品税表示証紙は公文書か

裁判要旨物品税表示証紙は刑法第一五五条第三項の公文書にあたるものと解するのが相当である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和35年3月10日 昭和34(あ)1811
登載
刑集 第14巻3号333頁
参照法条
刑法155条3項,物品税法16条の2第4項,物品税法16条の2第5項,昭和26年5月25日大蔵省告示678号
論点14第155条刑法

写真の貼り代え等による公文書(自動車運転免許証)偽造罪の成立

裁判要旨特定人に交付された自動車運転免許証に貼付してある写真をほしいままに剥ぎとり、その特定人と異る他人の写真を貼り代え、生年月日欄の数字を改ざんし全く別個の新たな免許証としたときは、公文書偽造罪が成立する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和35年1月12日 昭和34(あ)1848
登載
刑集 第14巻1号9頁
参照法条
刑法155条
論点15第155条刑法

刑法第一五五条第一項〈公文書偽造等〉の公文書偽造罪が成立する事例。

裁判要旨A鉄道管理局B電力区助役として区長を補佐する傍ら同管理局から出納員もしくは事務助役出納員として指命され、部内職員の給料、族費等の交付、保管等対内的な出納事務には従事するが、同電力区助役もしくは右出納員名義をもつて対外部関係に関する公文書を作成すべき一般的職務権限を有しない被告人が、行使の目的をもつて内容虚偽の電柱代金代理受領承諾書と題する文書の末尾に、右を承認する旨記載しA鉄道管理局B電力区出納責任者某なる奥書をし、名下に自己の私印を押捺し、庁印として備付の同電力区の公印を押捺して右文書を作成したときは、刑法第一五五条第一項〈公文書偽造等〉の公文書偽造罪を構成する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和34年8月28日 昭和33(あ)1735
登載
刑集 第13巻10号2932頁
参照法条
刑法155条1項
論点16第155条刑法

公文書偽造罪(刑法第一五五条第三項〈公文書偽造等〉)の成立する事例。

裁判要旨村の助役および書記が、国民健康保険事業を実施する村の運営資金として県の国民健康保険団体連合会から融資を受けるにあたり、県の国民健康保険融資金規程に基き村長名義の借入金申込書に添付すべき必要書類として右連合会に提出するため、右借入金に関する村議会の議決なく、従つて、これが議決書も存在しないのにかからず、ほしいままに、行使の目的をもつて、村長から借入金に関する議案を村議会に提出し村議会においてこれを議決した旨を記録して「村議会議決書(写)なる文書を作成したときは、刑法第一五五条第三項〈公文書偽造等〉の公文書偽造罪が成立する。註。「村議会議決書(写)」の写真版が参考として判例集に登載されている。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和34年8月17日 昭和31(あ)3802
登載
刑集 第13巻10号2757頁
参照法条
刑法155条3項
論点17第155条刑法

公文書偽造罪の成立する事例。

裁判要旨上田市公安委員会の補助機関として、法定の要件を備えた者に対する運転免許証の作成交付の事務を担当していた上田市警察署長の事務補助者として運転免許証の作成交付の事務を担当していた警察官(巡査)が、法定の要件を備えていない無資格者に対する自動車運転免許証を擅に作成するときは、公文書偽造罪を構成する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和34年6月30日 昭和31(あ)2106
登載
集刑 第130号351頁
参照法条
刑法155条1項
論点18第155条刑法

村長が専ら第三者の利をはかる目的で内容虚偽の村長名義の公文書を作成した場合は有形偽造か無形偽造か

裁判要旨村長がその名義の内容虚偽の公文書を作成した場合は、それが専ら第三者の利をはかる等不法な意思に出でその職務権限の乱用と認められる場合であつても、刑法第一五六条〈虚偽公文書作成等〉の罪が成立し、同法第一五五条の罪が成立するものではない
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和33年4月11日 昭和30(あ)3708
登載
刑集 第12巻5号886頁
参照法条
刑法155条,刑法156条
論点19第155条刑法

一 製造たばこ「光」の外箱の偽造と刑法第一五五条第一項の適用
二 たばこ専売法第六五条の二、第七一条第一号と刑法第一五五条第一項〈公文書偽造等〉との適用関係

裁判要旨一 日本専売公社の製造にかかる製造たばこ「光」の外箱は、刑法第一五五条第一項〈公文書偽造等〉にいう「公務所ノ作ル可キ図画」にあたる
二 たばこ専売法第六五条の二、第七一条第一号と刑法第一五五条第一項とは、両者の併存適用を妨げない
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和33年4月10日 昭和30(あ)971
登載
刑集 第12巻5号743頁
参照法条
刑法7条,刑法155条1項,たばこ専売法65条の2,たばこ専売法71条1号,日本専売公社法2条,日本専売公社法7条,日本専売公社法18条1項
論点20第155条刑法

日本電信電話公社の職員の作成すべき文書は公文書か

裁判要旨日本電信電話公社職員たる信越電気通信局支出役名義の文書は、公文書である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和32年6月27日 昭和31(あ)1800
登載
刑集 第11巻6号1741頁
参照法条
刑法155条,刑法7条,日本電信電話公社法18条,日本電信電話公社法35条
論点21第155条刑法

公文書偽造罪の成立を認められる一事例

裁判要旨所論指示書と題する文書の内容文言が、たとえ被告人以外の者の手で既に記載されてあつた場合であつても、それが無権限者によつてなされたものであり、且つa地方事務所長たる記名職印が施されてはじめて効用ある文書として完成するものであると認められる以上、行使の目的をもつて右文言の書面に無権限に右事務所長名の記名ゴム印及びその職印を押印するときは、右文言と右押印とが相結合してここに該文書全体につき刑法一五五条の公文書偽造罪を構成するものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和32年11月29日 昭和29(あ)3426
登載
集刑 第122号429頁
参照法条
刑法155条1項
論点22第155条刑法

補助者たる公務員が情を知らない上司を利用して虚偽の公文書を作成した場合の罪責

裁判要旨作成権限者たる公務員を補佐して公文書の起案を担当する公務員が、行使の目的で内容虚偽の公文書を起案し、情を知らない右上司を利用してこれを完成した場合は、虚偽公文書作成罪の間接正犯が成立する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和32年10月4日 昭和29(あ)3851
登載
刑集 第11巻10号2464頁
参照法条
刑法156条,刑法155条,刑法157条
論点23第155条刑法

一 公文書偽造罪の判示として正当と認められる一事例

二 偽造外食券の形式外観
三 心神耗弱の主張に対する判断の遺脱は絶対的控訴理由となるか
四 右判断遺脱は訴訟手続の法令違反として常に判決に影響するか

裁判要旨一 原判決が「第一院判決挙示の証拠によると、同判示の偽造公文書は、いずれも、当該公文書の信用を害する危険がある程度の形式外観を具えていることが認められる」旨の判示並びに『第一審判決の判示各偽造外食券に「当該地方食糧配給公団名及び交付配給所名のなつ印」の要求されるのは、整理上交付配給所を明らかにするためで、これを欠くからといつて外食券でないという趣旨ではないと解すべき』旨の判示は、いずれも正当であると認められる。
二 原判決が、所論のごとく第一審判決が心神耗弱の主張に対し、判断をしなかつた違法を認めながら、所論のごとき理由をもつて判決に影響を及ぼさないとして弁護人の主張を排斥したこと、並びに、所論各高裁の判決がかかる違法は判決に影響を及ぼすこと明らかである旨判示したことは、所論のとおりである。従つて、原判決は、右各高等裁判所の判例に違反したものといわなければならない。しかし当裁判所第三小法廷は、原判決後昭和二八年五月一二日原判決と同趣旨に出た昭和二六年九月一三日の東京高等裁判所の判決を是認して、判断遺脱があつても常に必ずしも判決に影響を及ぼさない旨判示しているのである(判例集七巻五号一〇一一頁以下参照)。そして、当法廷においても右の判断を正当と考える。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和31年12月27日 昭和28(あ)2055
登載
集刑 第116号555頁
参照法条
刑法155条,刑法39条2項,刑訴法44条,刑訴法335条1項,刑訴法335条2項,刑訴法378条4号,刑訴法379条
論点24第155条刑法

一 文書偽造罪における行使の目的の意義
二 公文書の意義

裁判要旨一 文書偽造罪における行使の目的は、必ずしも本来の用法に従つて、これを真正なものとして使用することに限るものではなく、真正な文書としてその効用に役立たせる目的があれば足りる。
二 公文書とは、公務所又は公務員がその名義をもつてその権限内において所定の形式に従い作成すべき文書を指し、実生活に交渉を有する事項の証明又は権利、義務に関する内容を有することを要するものではない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和29年4月15日 昭和28(あ)2010
登載
刑集 第8巻4号508頁
参照法条
刑法155条1項,刑法156条,刑法158条1項
論点25第155条刑法

一 米弗表示軍票は刑法第一四九条第一項の「内国ニ流通スル外国ノ貨幣」に該当するか
二 刑訴第四一一条一号にあたらない事例 ―物品税証紙の偽造に対する適用法令の誤り―

裁判要旨一 本件のような米弗表示軍票は、本件当時占領軍の軍人、軍属及びその家族が、占領軍施設内においてこれを使用することができるほか、わが国の通信官署の職員が、電信電話の料金として受領することができる等制限的ではあるが、日本国内に流通するものであるから、刑法一四九条一項〈外国通貨偽造及び行使等〉の「内国ニ流通スル外国ノ紙幣」に当るものと解するを相当とする。されば、所論引用の当裁判第二小法廷の決定(判例集七巻五号一一二八頁以下)を変更すべきものとは認められない。
二 物品税証紙の偽造に対し、刑法第一五五条第三項〈公文書偽造等〉を適用しないで、同法第一六六条第一項を適用した違法があつても、右の違法は原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものとは認められない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和29年11月11日 昭和28(あ)4583
登載
刑集 第8巻11号1821頁
参照法条
刑法149条,刑法155条3項,刑法166条1項,刑訴法411条1号
論点26第155条刑法

公務員に対して虚偽の申立をなし情を知らない公務員をして虚偽の証明書を作成させこれを行使した所為と犯罪の成否

裁判要旨被告人が情を知らないA食糧事務所B出張所長Cに対し虚偽の申立を為し交付を受けた出荷証明書を行使したときは、かゝる証明書を以て偽造の公文書といえないのは勿論虚偽の公文書ともいえないこと当法廷の判例であるから(昭和二四年(れ)一四九六号同二七年一二月二五日当法廷判決参照)、これを行使した所為も罪とならないものといわなければならない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和28年3月12日 昭和26(あ)5184
登載
集刑 第76号103頁
参照法条
刑法155条,刑法158条1項
論点27第155条刑法

一 その裁判所の事件を審判する権限のない裁判官を構成してした公判手続及び公判調書の効力と旧刑訴法第一二条の決意
二 公務員の身分を有しない者が虚偽の申立をなし情を知らない公務員をして虚偽の証明書を作成させた行為と刑法第一五六条の間接正犯
三 公務員の身分を有しない者が虚偽の申立をなし情を知らない公務員をして作成させた虚偽の証明書を行使した行為と虚偽公文書行使罪の成否
四 係員を欺罔して旅券の下附を受ける行為と詐欺罪の成否
五 アメリカ領事館員と刑法にいわゆる「公務員」

裁判要旨一 その裁判所の事件を審判する権限のない裁判官がその裁判所を構成してした公判手段は、無効であつてその公判調書を事実認定の資料とすることは違法である。旧刑訴法第一二条には「訴訟手続は管轄違ひの理由に因り其の効力を後はず」と規定されているのであるがこの規定は本来裁判権を有する裁判所に事件を分配することを目的とする事物及び土地の管轄に関する規定の違背があつても、唯それだけの事由では訴訟手続を無効たらしめるものでないこと明らかにしたに過ぎないものであつて管轄権ある裁判所を構成する裁判官その人がその裁判所に繋属ずる事件を審判する権限のなかつたような場合にまで拡張解釈して準用すべきものではないのである。
二 公務員の身分を有しない者が、虚偽の内容を記載した証明願を村役場の係員に提出し、情を知らない同係員をして村長名義の虚偽の証明書を作成させた行為は、刑法第一五六条〈虚偽公文書作成等〉の間接正犯として処罰すべきではない。
三 公務員の自分を有しない者が虚偽の内容を記載した証明願を村役場の係員に提出し、情を知らない同係員をして作成させた村長名義の虚偽の証明書を行使しても、虚偽公文書行使罪にあたらない。
四 係員を欺罔して旅券の下附を受ける行為は詐欺罪にあたらない。
五 アメリカ領事館員は刑法にいわゆる「公務員」にあたらない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和27年12月25日 昭和24(れ)1496
登載
刑集 第6巻12号1387頁
参照法条
旧刑断法12条,旧刑断法60条1項2項,旧刑断法410条1号,裁判所法47条,刑法155条,刑法156条,刑法157条,刑法158条,刑法246条,刑法7条
論点28第155条刑法

主任を補助して事務を執つているに過ぎない区役所の事務員が擅に内容虚偽の転出証明書を作成した行為の擬律

裁判要旨中京区役所第四駐在員事務所主任ではなく単なる同事務所の事務員であつて主任を補助して事務を執つている者にすぎない者は転出証明書を作成交付する権限のない者であるから同人が擅に行使の目的を以つて内容虚偽の転出証明書を作成したことは刑法一五五条の公文書偽造であつて、同法一五六条の犯罪にはならない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和27年12月25日 昭和24(れ)822
登載
集刑 第71号463頁
参照法条
刑法7条,刑法155条,刑法156条
論点29第156条刑法

一 農地法第五条第一項違反を処罰する同法第九二条の法意
二 農地の意義―土地区画整理、仮換地の指定処分との関係
三 刑法第一五六条〈虚偽公文書作成等〉にいわゆる公文書の意義

裁判要旨一 農地法第九二条が同法第五条第一項を処罰するのは、同条項所定の権利の設定移転のためになされる法律行為を対象とするのであつて、その効力が生ずるか否かはこれを問わない。
二 農地とは、耕作の目的に供される土地をいい、その土地が現に耕作の目的に供されている以上、都市計画法第一二条第一項による土地区画整理施行地区内にあるからといつて、また仮換地の指定処分があつたからといつて、そのことから直ちに当該農地が、農地法所定の農地たる性質を失うものではない。
三 刑法第一五六条〈虚偽公文書作成等〉にいわゆる公文書とは、公務所又は公務員がその名義を以てその権限において所定の形式に従い作成すべき文書であつてその権限が法令に因ると内規又は慣例に因るとを問わずあまねく職務執行の権限内において作成せられたものをいう。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和38年12月27日 昭和36(あ)939
登載
刑集 第17巻12号2595頁
参照法条
農地法5条1項,農地法92条,農地法2条1項,都市計画法(昭和29年5月20日法律120号による改正前のもの)12条1項,刑法156条
論点30第156条刑法

刑法第一五六条〈虚偽公文書作成等〉の法意

裁判要旨刑法第一五六条〈虚偽公文書作成等〉は信用度の高い公文書の無形偽造を私文書と異つて特に処罰することにしたものであつて、その保護法益は公文書の信用性に存し、行為者が公務員であるか否かによつてその保護に軽重を設けた規定ではない
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和33年5月30日 昭和31(あ)236
登載
刑集 第12巻8号1914頁
参照法条
刑法156条,憲法14条
論点31第157条刑法

一 道路運送車両法に規定する電子情報処理組織による自動車登録フアイルと刑法一五七条一項にいう「権利、義務ニ関スル公正証書ノ原本」
二 道路運送車両法に規定する電子情報処理組織による自動車登録フアイルの「使用の本拠の位置」等についての虚偽の記載と刑法一五七条一項にいう「不実ノ記載」

裁判要旨一 道路運送車両法に規定する電子情報処理組織による自動車登録フアイルは、刑法一五七条一項〈公正証書原本不実記載等〉にいう「権利、義務ニ関スル公正証書ノ原本」にあたる。
二 道路運送車両法に規定する電子情報処理組織による自動車登録フアイルの「使用の本拠の位置」又は「使用者の住所」についての虚偽の記載は、刑法一五七条一項にいう「不実ノ記載」にあたる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和58年11月24日 昭和57(あ)709
登載
刑集 第37巻9号1538頁
参照法条
刑法157条1項,道路運送車両法6条,道路運送車両法7条,道路運送車両法9条,道路運送車両法58条,道路運送車両法72条1項,道路運送車両法施行規則35条の3第4号,自動車登録令7条」
論点32第157条刑法

仮装による所有権移転登記を刑法一五七条一項によつて処罰するのは憲法二九条に違反するとの主張が欠前提とされた事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和52年9月30日 昭和52(あ)935
登載
集刑 第205号545頁
参照法条
憲法29条,刑法157条
論点33第157条刑法

住民基本台帳法に基づく住民票の原本と刑法一五七条一項の「権利、義務ニ関スル公正証書ノ原本」

裁判要旨住民基本台帳法に基づく住民票の原本は、刑法一五七条一項〈公正証書原本不実記載等〉にいう「権利、義務ニ関スル公正証書ノ原本」にあたる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和48年3月15日 昭和46(あ)2696
登載
刑集 第27巻2号115頁
参照法条
住民基本台帳法6条,住民基本台帳法7条,刑法157条1項
論点34第157条刑法

株金の払込がいわゆる見せ金による仮装のものであるにかかわらず増資の登記をした場合と公正証書原本不実記載罪の成否

裁判要旨増資に際し、株金の払込がいわゆる見せ金によってされた仮装のものであるにかかわらず、その株式引受人による払込が完了して、増資をした旨の登記申請をし、商業登記簿の原本にその記載をさせたときは、昭和四一年法律第八三号による改正前の商法一八八条二項五号の「発行済株式ノ総数」に関し、公正証書原本不実記載罪が成立する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和47年1月18日 昭和45(あ)2042
登載
刑集 第26巻1号1頁
参照法条
刑法157条1項,商法188条(昭和41年法律83号による改正前のもの),商法67条
論点35第157条刑法

公正証書原本不実記載罪とその行使罪と詐欺罪との関係

裁判要旨甲から金員を騙取するため、乙名義の偽造の委任状等を登録官吏に提出し、乙の不動産の登記簿の原本に抵当権が設定された旨の不実の記載をさせて、これを行使するとともに、甲にその登録済権利証を示して、抵当権設定登録を経由した旨誤信させ、同人から借用金名下に金員を騙取したときは、公正証書原本不実記載罪とその行使罪と詐欺罪との牽連犯となる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和42年8月28日 昭和41(あ)2732
登載
刑集 第21巻7号863頁
参照法条
刑法45条,刑法54条1項,刑法157条1項,刑法158条1項,刑法246条1項
論点36第157条刑法

土地所有者の氏名を冒用して起訴前の和解の申立をし内容虚偽の和解調書を作成させこれを用いて登記簿に不実の記載をさせた場合と詐欺罪の成否

裁判要旨土地所有者の氏名を冒用して、簡易裁判所に起訴前の和解の申立をし、被告人に右土地の所有権移転登記手続をする旨の内容虚偽の和解調書を作成させたうえ、その正本を登記官吏に登記原因を証する書面として提出し、登記簿にその旨不実の記載をさせても、右土地に関する詐欺罪は成立しないものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和42年12月21日 昭和42(あ)786
登載
刑集 第21巻10号1453頁
参照法条
刑法246条1項,刑法157条1項
論点37第157条刑法

株金の払込が仮装のものであるにかかわらずこれを秘し設立又は増資の登記をした場合と公正証書原本不実記載罪。

裁判要旨会社の設立又は増資に際し、株金の払込が仮装のものであるにかかわらずこれを秘し、その株式引受人による払込が完了し、設立又は増資をした旨の登記申請をなし、商業登記簿の原本にその記載をなさしめたときは、商法第一八八条第二項第五号「発行済株式ノ総数」に関し、公正証書原本不実記載罪が成立する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和41年10月11日 昭和39(あ)472
登載
刑集 第20巻8号817頁
参照法条
刑法157条1,商法188条,商法67条,商法57条
論点38第157条刑法

会社が不存在であるにかかわらずその設立の登記をした場合と公正証書原本不実記載罪。

裁判要旨いわゆる見せ金により、株式の払込を仮装したのみで、なんら設立手続が行なわれていないため、会社が不存在であるにかかわらずその設立の登記を申請し、登記官をして商業登記簿の原本にその旨記載させたときは、登記事項のすべてに関し公正証書原本不実記載罪合が成立する。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和40年6月24日 昭和39(あ)1854
登載
刑集 第19巻4号469頁
参照法条
刑法157条1項,商法188条,商法57条
論点39第157条刑法

不動産の真実の所有者であつても、登記簿上の所有名義人との間に現実に売買の事実がないのに拘らず、売買契約が成立した旨虚偽の証書を作成し、売買を登記原因として所有権移転登記を申請し、その旨登記簿原本に記載させる行為と刑法第一五七条第一項の罪の成否。

裁判要旨被告人は登記簿上の建物所有名義人甲との間に現実の売買の事実がないのに拘らず、売買契約が成立した旨虚偽の証書を作成し、売買を登記原因として所有権移転登記を申請し、その旨登記簿原本に記載させるなど原判示所為に出たものであるときは、たとえ、右建物の真実の所有者が被告人であり、甲が将来その登記名義を被告人に変更することを予め諒解していたとしても、刑法第一五七条第一項〈公正証書原本不実記載等〉の罪の成立を免れない(昭和三一年(あ)第二四一六号同三五年一月一一日第二小法廷決定刑集一四巻一号一頁・大正五年(れ)第一七五三号同六年一〇月一日大審院判決、刑録二三輯一〇三四頁参照)。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和39年6月2日 昭和38(あ)2436
登載
集刑 第151号337頁
参照法条
刑法157条1項
論点40第157条刑法

一 道路運送車輛法による自動車登録の有無と関税法上の「引き取り」の存否
二 公正証書の作成手続中の瑕疵と公正証書原本不実記載罪の成否

裁判要旨一 公証人に対し虚偽の申立をなし、公証人をして公正証書の原本に不実の記載をさせた場合において、嘱託人の一方が日本語を解しないのにかかわらず、公証人が公正証書を作成するに当り通事を立ち会わせず、通事をして証書の趣旨を右嘱託人に通訳させなかつた等その作成手続上の瑕疵があつたとしても、当該公正証書が一般人をしてその内容を真正なものと誤信させるに足ると認められるときは、公正証書原本不実記載罪が成立する。
二 税関の輸入許可を得て自動車を保税倉庫から引き取り現実に入手した以上は、未だ道路運送車輛法による登録を受けず、自らこれを運行の用に供することが禁止されているとしても、関税法第二条第一号の「引き取り」があつたものと解して妨げない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和37年3月1日 昭和36(あ)2104
登載
刑集 第16巻3号247頁
参照法条
刑法157条1項,公証人法29条,公証人法30条,公証人法39条1項ないし3項,関税法2条1号,道路運送車輛法4条,道路運送車輛法5条
論点41第157条刑法

住民票と刑法第一五七条第一項にいわゆる「権利義務ニ関スル公正証書」。

裁判要旨住民登録法による住民票は、刑法第一五七条第一項〈公正証書原本不実記載等〉にいわゆる「権利義務ニ関スル公正証書」にあたる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和36年6月20日 昭和34(あ)608
登載
刑集 第15巻6号984頁
参照法条
刑法157条1項,住民登録法1条,住民登録法4条
論点42第157条刑法

登記簿上他人名義で登記されている不動産の所有者が、その他人の承諾なくして、これを自己に売渡を受けた旨虚偽の登記申請をなし、その旨登記簿原本に記載させる行為と刑法第一五七条第一項の罪。

裁判要旨たとい不動産の真実の所有者であつても、登記簿上他人名義で登記されている不動産につき、その印鑑を保管しているのを奇貨としてこれを使用し、その承諾がないのに、該不動産を同人から自己に売却した旨の売渡証書を作成し、これを原因としかつ自ら作成した同人名義の委任状を利用し、自己に所有権の移転を受けた旨虚偽の登録申請をなし、登録原本にその旨の記載をさせたときは、刑法第一五七条第一項〈公正証書原本不実記載等〉の罪が成立する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和35年1月11日 昭和31(あ)2416
登載
刑集 第14巻1号1頁
参照法条
刑法157条1項
論点43第157条刑法

商法(昭和一三年法律第七二号による改正後のもの)第四八九条(会社財産を危くする罪)第一号の罪と刑法第一五七条の罪(公正証書原本不実記載罪)とは刑法第五四条第一項前段の関係に立ちうるか

裁判要旨商法(昭和一三年法律第七二号による改正後のもの)第四八九条(会社財産を危くする罪)第一号の罪と刑法第一五七条の罪(公正証書原本不実記載罪)とは、共に成立し、両者は刑法第五四条第一項前段の関係に立ちうる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和33年3月27日 昭和28(あ)1870
登載
集刑 第123号805頁
参照法条
刑法157条,刑法54条1項,商法489条1号
論点44第157条刑法

法人のために犯罪行為をした法人の代表者の刑事責任

裁判要旨法人の代表者がその機関たる地位において法人のために犯罪行為をした場合に、法人自体が処罰の対象となり刑事責任を負うかどうかは格別、行為者たる法人の代表者個人がその刑事責任を負担することは、わが刑法上当然である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和29年1月21日 昭和28(あ)2937
登載
集刑 第91号715頁
参照法条
旧商法357条,刑法157条,刑法158条
論点45第157条刑法

公正証書原本不実記載同行使罪の犯意を欠く一事例(非刑罰法規の錯誤は犯意を阻却するか)

裁判要旨連合国最高司令部の昭和二〇年一〇月四日附覚書「政治的社会的及び宗教的自由に対する制限除去の件」により宗教団体法及び同法に基くA寺寺院規則が失効したものと信じ右規則に定むる手続によらずして同寺の新総代を選任し、これら新総代によつて従来の同寺寺院規則の廃止、新寺院規則の制定を決議させこれに基いて区裁判所備付の寺院登記簿に同等の所属宗派並に教義の大要について変更登記をさせた場合に、右従来の寺院規則が失効したものではなく、従つて右変更登記事項が虚偽の不実のものであるとしても犯人が右寺院規則が失効したものと信じて為したものである以上変更登記事項の虚偽であることについては認識を欠き刑法第一五七条第一項の罪は成立しない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和26年7月10日 昭和26(れ)168
登載
刑集 第5巻8号1411頁
参照法条
刑法38条1項,刑法157条1項,刑法158条1項,宗教法人令6条,宗教法人令2項
論点46第157条刑法

官公署の不動産登記の嘱託と刑法一五七条一項にいう「申立」

裁判要旨不動産登記法三〇条、三一条に基づく官公署の登記の嘱託も、刑法一五七条一項〈公正証書原本不実記載等〉にいう「申立」に当たる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成元年2月17日 昭和63(あ)756
登載
刑集 第43巻2号81頁
参照法条
刑法157条1項,不動産登記法30条,不動産登記法31条
論点47第157条刑法

新株の払込みを仮装のものとして公正証書原本不実記載罪の成立が認められた事例

裁判要旨増資の際、株式の払込みは、当初から真実の払込みとして会社資金を確保させる意図はなく、会社と名目的な引受人との合意に基づき、引受人が会社自身又は他から一時借り入れた金員をもって単に払込みの外形を整えた後、会社において直ちに右払込金を払い戻して、借入金の返済等に充て、あるいは払込金を会社名義の定期預金とした上これに質権を設定したものであり、会社が取得した引受人に対する債権及び右定期預金債権が会社の実質的な資産とは認められない本件事案(判文参照)の下においては、右払込みは、仮装のものであって、商業登記簿の原本に増資の記載をさせた行為は、公正証書原本不実記載罪に当たる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成3年2月28日 昭和62(あ)1283
登載
刑集 第45巻2号77頁
参照法条
刑法157条1項
論点48第157条刑法

土地につき所有権移転登記等の申請をして当該登記等をさせた行為が電磁的公正証書原本不実記録罪に該当しないとされた事例

裁判要旨被告人が暴力団員との間で当該暴力団員に土地の所有権を取得させる旨の合意をし,被告人が代表者を務める会社名義で当該土地を売主から買い受けた場合において,当該土地につき売買契約を登記原因とする所有権移転登記等を当該会社名義で申請して当該登記等をさせた行為について,売買契約の締結に際し当該暴力団員のためにする旨の顕名が一切なく,当該売主が買主は当該会社であると認識していたなどの本件事実関係(判文参照)の下では,当該登記等は当該土地に係る民事実体法上の物権変動の過程を忠実に反映したものであり,これに係る申請が電磁的公正証書原本不実記録罪にいう「虚偽の申立て」であるとはいえず,また,当該登記等が同罪にいう「不実の記録」であるともいえない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成28年12月5日 平成26(あ)1197
登載
刑集 第70巻8号749頁
参照法条
刑法157条1項,刑法158条1項
論点49第157条刑法

他人所有の建物を同人のために預かり保管していた者が,金銭的利益を得ようとして,同建物の電磁的記録である登記記録に不実の抵当権設定仮登記を了したことにつき,電磁的公正証書原本不実記録罪及び同供用罪とともに,横領罪が成立するとされた事例

裁判要旨甲会社から乙及び丙に順次譲渡されたものの,所有権移転登記が未了のため甲会社が登記簿上の所有名義人であった建物を,甲会社の実質的代表者として丙のために預かり保管していた被告人が,甲会社が名義人であることを奇貨とし,乙及び丙から原状回復にしゃ口して解決金を得ようと企て,上記建物に係る電磁的記録である登記記録に不実の抵当権設定仮登記を了した場合には,電磁的公正証書原本不実記録罪及び同供用罪とともに,横領罪が成立する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成21年3月26日 平成20(あ)2253
登載
刑集 第63巻3号291頁
参照法条
刑法252条1項,刑法157条1項,刑法158条1項,不動産登記法106条
論点50第157条刑法

新株の引受人が会社から第三者を通じて間接的に融資を受けた資金によってした新株の払込みが無効であるとして商業登記簿の原本である電磁的記録に増資の記録をさせた行為につき電磁的公正証書原本不実記録罪の成立が認められた事例

裁判要旨甲社の増資の際,新株の引受人である乙社が,甲社から丙社,丙社から乙社へと順次融資により移動した甲社の資金により新株の払込みをし,上記融資により甲社が取得した丙社に対する債権が丙社との合意などから甲社の実質的な資産と評価することができないなど判示の事情の下においては,上記払込みは無効であり,甲社の商業登記簿の原本である電磁的記録に上記増資の記録をさせた行為は,電磁的公正証書原本不実記録罪に当たる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成17年12月13日 平成17(あ)204
登載
刑集 第59巻10号1938頁
参照法条
商法280条の7,刑法157条1項
論点51第157条刑法

定款に株式譲渡制限の定めのある非上場会社の一人株主がその全株式を同社の債務の担保のため譲渡担保に供するなどした後に同社の役員の解任及び選任等の株式会社変更登記申請を行い同社の商業登記簿の原本にその旨記載させた行為につき公正証書原本不実記載罪が成立するとされた事例

裁判要旨定款に株式譲渡制限の定めのある非上場会社の一人株主が,その全株式を同社の債務の担保のため譲渡担保に供した後に,同社の役員の解任及び選任等の株式会社変更登記申請を債権者の関与なく行い,同社の商業登記簿の原本にその旨記載させた行為は,上記譲渡担保の契約当事者の合理的な意思解釈として,株主共益権を債権者に帰属させる旨の合意があったものと認められる判示の事情の下では,公正証書原本不実記載罪に当たる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成17年11月15日 平成14(あ)1396
登載
刑集 第59巻9号1476頁
参照法条
民法369条(譲渡担保),商法204条1項,商法241条1項,刑法157条1項
論点52第157条刑法

1 小型船舶の船籍及び総トン数の測度に関する政令(平成13年政令第383号による改正前のもの)8条の2の船籍簿と刑法157条1項にいう「権利若しくは義務に関する公正証書の原本」
2 小型船舶の船籍及び総トン数の測度に関する政令(平成13年政令第383号による改正前のもの)4条1項に基づく船籍票の内容虚偽の書換申請と刑法157条1項にいう「虚偽の申立て」

裁判要旨1 小型船舶の船籍及び総トン数の測度に関する政令(平成13年政令第383号による改正前のもの)8条の2の船籍簿は,刑法157条1項〈公正証書原本不実記載等〉にいう「権利若しくは義務に関する公正証書の原本」に当たる。
2 小型船舶の船籍及び総トン数の測度に関する政令(平成13年政令第383号による改正前のもの)4条1項に基づく船籍票の内容虚偽の書換申請は,同令8条の2の船籍簿に関し,刑法157条1項にいう「虚偽の申立て」に当たる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成16年7月13日 平成15(あ)1429
登載
刑集 第58巻5号476頁
参照法条
刑法157条1項,小型船舶の船籍及び総トン数の測度に関する政令(平成13年政令第383号による改正前のもの)1条,小型船舶の船籍及び総トン数の測度に関する政令(平成13年政令第383号による改正前のもの)2条,小型船舶の船籍及び総トン数の測度に関する政令(平成13年政令第383号による改正前のもの)4条,小型船舶の船籍及び総トン数の測度に関する政令(平成13年政令第383号による改正前のもの)8条の2
論点53第158条刑法

偽造公文書行使罪が成立するとされた事例

裁判要旨偽造にかかる自動車運転免許証表示の有効期間が三ケ月余経過した時点であつても、警察官をして、真正に作成され、かつ、被告人が自動車運転免許を受けたものであると誤信させるに足りる外観を具備していると認められる本件免許証の提示行為は、偽造公文書の行使にあたる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和52年4月25日 昭和51(あ)1689
登載
刑集 第31巻3号169頁
参照法条
刑法158条1項
論点54第158条刑法

偽造公文書行使罪にあたるとされた事例

裁判要旨公立高等学校の教諭である被告人が甲と共謀のうえ、偽造にかかる同高等学校長乙名義の甲の卒業証書を、真正に成立したものとして、甲の父丙に提示する行為は、単に丙を満足させる目的のみをもつてなされたとしても、偽造公文書行使罪にあたる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和42年3月30日 昭和41(あ)2151
登載
刑集 第21巻2号447頁
参照法条
刑法158条1項
論点55第158条刑法

刑法第一五八第一項の法定刑が同法第一六一条第一項のそれより重いのは身分による差別か。

裁判要旨刑法第一五八条第一項〈偽造公文書行使等〉の偽造公文書行使罪の法定刑が同法第一六一条第一項の偽造私文書行使罪のそれより重いのは、その保護法益である公文書の信頼度が私文書のそれより高いことに基くものであつて、その文書作成名義者の身分による差別ではない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和34年9月22日 昭和31(あ)1113
登載
刑集 第13巻11号2985頁
参照法条
刑法158条1項,刑法161条1項,憲法14条
論点56第159条刑法

被告人を指称するものとして相当広範囲に定着していた名称を用いて再入国許可申請書を作成行使した所為が私文書偽造同行使罪にあたるとされた事例

裁判要旨本邦に密入国し外国人の新規登録申請をしていないにもかかわらず、甲名義で発行された外国人登録証明書を他から取得し、その名義で登録事項確認申請を繰り返すことにより、自らが外国人登録証明書の甲その人であるかのように装つて本邦に在留を続けていた被告人が、甲名義を用いて再入国許可申請書を作成、行使した所為は、被告人において甲という名称を永年自己の氏名として公然使用した結果、それが相当広範囲に被告人を指称するものとして定着していた場合であつても、私文書偽造、同行使罪にあたる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和59年2月17日 昭和58(あ)257
登載
刑集 第38巻3号336頁
参照法条
刑法159条1項,刑法161条1項
論点57第159条刑法

交通反則切符中の供述書をあらかじめ承諾を得て他人名義で作成した場合と私文書偽造罪の成否

裁判要旨交通反則切符中の供述書を他人の名義で作成した場合は、あらかじめその他人の承諾を得ていたとしても、私文書偽造罪が成立する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和56年4月8日 昭和54(あ)1613
登載
刑集 第35巻3号57頁
参照法条
刑法159条1項
論点58第159条刑法

作成名義人の事前の承諾があつても有印私文書偽造罪が成立するとされた事例

裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和56年4月22日 昭和55(あ)1844
登載
集刑 第221号487頁
参照法条
刑法159条1項
論点59第159条刑法

作成名義人の事前の承諾があつても有印私文書偽造罪が成立するとされた事例

裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和56年4月22日 昭和55(あ)1858
登載
集刑 第221号491頁
参照法条
刑法159条1項
論点60第159条刑法

交通切符又は交通反則切符中の供述書を事前の承諾を得て他人名義で作成した場合と私文書偽造罪の成否

裁判要旨交通切符又は交通反則切符中の供述書を他人の名義で作成した場合は、名義人の事前の承諾があつても、私文書偽造罪が成立する。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和56年4月16日 昭和55(あ)1351
登載
刑集 第35巻3号107頁
参照法条
刑法159条1項
論点61第159条刑法

他人の氏名が限られた範囲で被告人を指称するものとして通用していた場合において右氏名を用いて交通切符中の供述書を作成した所為と私文書偽造罪の成否

裁判要旨遁刑中であることが発覚するのを恐れて義弟と同一の氏名を使用して生活していた被告人が、右氏名を使用して交通切符中の供述書を作成した場合は、その氏名がたまたまある限られた範囲において被告人を指称するものとして通用していたとしても、私文書偽造罪が成立する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和56年12月22日 昭和56(あ)1302
登載
刑集 第35巻9号953頁
参照法条
刑法159条1項
論点62第159条刑法

虚無人名義の文書偽造に関する旧判例が変更されていることが明示された事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和51年5月21日 昭和51(あ)122
登載
集刑 第200号639頁
参照法条
刑法159条
論点63第159条刑法

死亡者の名義を冒用した交通事件原票中の供述者の作成と私文書偽造罪の成否

裁判要旨既に死亡している友人の氏名を冒用し交通事件原票中の供述書を作成した場合でも、一般人をして名義人が実在していると誤信させるような私文書を偽造したものと認めるのが相当であり、私文書偽造罪が成立する(最高裁判所昭和二五年(れ)第一三三五号同二六年五月一一日第二小法廷判決・刑集五巻六号一一〇二頁、同二七年(あ)第一三四二号同二八年一一月一三日第二小法廷判決・刑集七巻一一号二〇九六頁参照)。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和49年2月9日 昭和48(あ)2192
登載
集刑 第191号131頁
参照法条
刑法159条1項
論点64第159条刑法

虚無人名義の文書偽造に関する旧判例が変更されていることが明示された事例

裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和46年10月14日 昭和45(あ)193
登載
集刑 第181号713頁
参照法条
刑法159条
論点65第159条刑法

いわゆる代表名義の文書の名義人

裁判要旨他人の代表者または代理人として文書を作成する権限のない者が、他人を代表もしくは代理すべき資格、または、普通人をして他人を代表もしくは代理するものと誤信させるに足りるような資格を表示して作成した文書の名義人は、代表もしくは代理された本人であると解するのが相当である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和45年9月4日 昭和44(あ)1421
登載
刑集 第24巻10号1319頁
参照法条
刑法159条
論点66第159条刑法

刑訴法第四一一条第二号に該当するとして原判決破棄刑の執行猶予が言い渡された事例

裁判要旨被告人は炭坑事故のため負傷し生活保護を受けている者であり、三三才の病妻と二児を扶養し、三九才の今日まで一切犯歴がなく、被告人が副会長をしていた生活保護者の互助会の会員の中で生活苦のため米代の支払えない者が数名おり、被告人が金融業者Kから高利で一五万円を借りうけて右の支払にあててやつたが、その金利に追われ生活苦に陥つたのが本件犯行の動機であり、本件の被害総額は約一六万円であるが、実質的な被害者はKただひとりであつて、犯行の発覚前すでに同人との間に示談が成立しており、弁償の担保として被告人所有の家屋一棟を提供している等の諸事情(判文参照)を考慮すると、原判決が被告人を懲役六月の実刑に処したのは、量刑が甚しく不当であつて、これを破棄しなければ著しく正義に反する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和43年7月19日 昭和42(あ)2877
登載
集刑 第168号609頁
参照法条
刑訴法411条2号,刑訴法381条,刑法159条1項,刑法161条1項,刑法246条1項,刑法252条1項
論点67第159条刑法

共同代表取締役の一人が他の共同代表取締役の署名印章を冒用して共同代表の形でした会社名義の文書の作成と文書偽造罪の成立

裁判要旨数人の代表取締役が共同して会社を代表する定めがある場合に、その一人が、他の代表取締役の署名もしくは印章を冒用して、共同代表の形で会社名義の文書を作成する行為は、文書偽造罪を構成する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和42年11月28日 昭和41(あ)1835
登載
刑集 第21巻9号1277頁
参照法条
刑法159条1項,商法261条2項
論点68第159条刑法

一 会社と同時に破産宣告を受けた合名会社の社員の破産と商法第八五条第四号。
二 醸造元および銘柄を明記した酒瓶用胴張紙は刑法第一五九条第一項にいわゆる事実証明に関する文書にあたるか。

裁判要旨一 合名会社の社員が会社と同時に破産宣告を受けたときは、右社員の破産は、商法第八五条第四号所定の退社原因にあたらない。
二 醸造元および銘柄を明記した酒瓶用胴張紙は刑法第一五九条第一項にいわゆる「事実証明に関する文書」にあたる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和40年3月12日 昭和38(あ)1580
登載
集刑 第155号17頁
参照法条
商法85条4号,刑訴法27条,刑法159条1項
論点69第159条刑法

株式申込証拠金領収書が刑法第一六二条の有価証券にあたるとされた事例。

裁判要旨本件A不動産株式会社増資新株式申込証拠金領収書は刑法一六二条所定の有価証券に当たる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和34年7月14日 昭和27(あ)4689
登載
集刑 第130号551頁
参照法条
刑法162条,刑法159条
論点70第159条刑法

いわゆる無記名定期預金証書偽造の罪の適条。

裁判要旨いわゆる無記名定期預金証書を偽造する所為は、私文書偽造の罪にあたる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和31年12月27日 昭和31(あ)2114
登載
刑集 第10巻12号1798頁
参照法条
刑法159条,刑法162条
論点71第159条刑法

一 農業団体法(昭和一八年法律第四六号)に定める縣農業会の職員は公務員ではない−同会名義の木炭出荷指図書は私文書である
二 経済関係罰則の整備に関する法律第二条〈すべての者の国外犯〉の趣旨

裁判要旨一 経済関係罰則の整備に関する法律第一条〈国内犯〉の規定と対比して見ると、同条は別表甲号に掲げる経済団体の「役員其ノ他ノ職員ハ罰則ノ適用ニ付テハ之ヲ法令ニ依リ公務ニ従事スル職員ト看做ス」旨を規定しているが同第二条〈すべての者の国外犯〉には、かかる規定は存在しない。すなわち、以上各規定の趣旨からみれば、右別表甲号、乙号掲記の経済団体の職員はいずれも本来の意義における公務員ではないのであるが、ただ甲号団体の職員に限つて罪則の適用については公務員とみなされるに過ぎないことがわかる。従つて、本件農業会のごとき乙号掲記の団体の職員は、もとより公務員でなく、又公務員とみなされるものでもなく、ただ同法第二条の涜職罪の規定の適用を受けるに止まるものというべきである。その他に右縣農業会の職員を以て「法令ニ依リ公務ニ従事スル職員」と解すべき何らの法規上の根拠はないのであるから、従つて縣農業会は、これを公務所と解すべきでなく、その作成すべき出荷指図書のごときは公文書たる性質を有しないものと解すべきである。
二 今経済関係罰則の整備に関する法律をみると、第二条は同法所定の「会社若シクハ組合又ハ此等ニ準ズルモノニシテ別表乙号ニ掲グルモノノ役員其ノ他ノ職員」について、涜職罪に関する罰則を規定し、右別表乙号には「二二」として縣農業会が掲げられているのであるが、若し縣農業会の職員が公務員ならば、刑法の涜職罪の規定が当然に適用せられるのであつてかかる同罪に関する特則を設ける必要はない。もとより、これらの職員に対して、特に法定刑を軽減するの趣旨を以て刑法涜職罪の規定に対する右のごとき特則が定められたものとは、右「経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律」制定の趣旨からして、到底考えられない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和26年4月27日 昭和25(れ)1375
登載
刑集 第5巻5号947頁
参照法条
農業団体法1条,農業団体法10条,經済関係罰則の整備に関する法律2条,經済関係罰則の整備に関する法律1条(別表甲号を省く),別表乙号「22」,刑法7条,刑法159条1項,刑法197条,経済関係罰則の整備に関する法律2条,経済関係罰則の整備に関する法律1条(別表甲号を省く)
論点72第159条刑法

民法改正前における分家同意書の偽造、行使罪の処罰可能と憲法第一一条

裁判要旨一 原判決の確定したところによれば、被告人は昭和一九年六月末頃私文書である戸主Aの分家同意書を偽造、行使したというのである。そして、既に成立したかかる私文書偽造、行使罪を免訴とすべき憲法規定は存しないのであるから、所論は採用し難い。(弁護人沖田誠の上告趣意書)
二 本件は封建的旧民法の戸主権を極端に認容した非民主的思想に重点を置いた判決であつて、現在家族制度は廃止され、戸主権はないのであるから、仮りに戸主の同意書を無断で作つて分家したとしても何人の権益をも侵さないのは勿論の事で、かくの如き事実を以て被告人を有罪と断定するは、憲法に保証された被告人の基本的人権を侵害する不当の判決と云わなければならない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和26年10月4日 昭和26(れ)1044
登載
集刑 第54号135頁
参照法条
刑法159条,旧刑訴法363条2号,旧刑訴法161条,憲法11条
論点73第159条刑法

入学選抜試験の答案と刑法一五九条一項にいう事実証明に関する文書

裁判要旨入学選抜試験の答案は、刑法一五九条一項〈私文書偽造等〉にいう事実証明に関する文書に当たる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成6年11月29日 平成5(あ)498
登載
刑集 第48巻7号453頁
参照法条
刑法159条1項
論点74第159条刑法

自己の氏名が弁護士甲と同姓同名であることを利用して「弁護士甲」の名義で文書を作成した所為が私文書偽造罪に当たるとされた事例

裁判要旨自己の氏名が弁護士甲と同姓同名であることを利用して、「弁護士甲」の名義で弁護士の業務に関連した形式、内容の文書を作成した所為は、たとえ名義人として表示された者の氏名が自己の氏名と同一であったとしても、私文書偽造罪に当たる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成5年10月5日 平成5(あ)135
登載
刑集 第47巻8号7頁
参照法条
刑法159条1項
論点75第159条刑法

1 郵便送達報告書の受領者の押印又は署名欄に他人の氏名を冒書する行為と有印私文書偽造罪の成否
2 他人あての送達書類を廃棄するだけの意図で他人を装って受領する行為について詐欺罪における不法領得の意思が認められないとされた事例

裁判要旨1 郵便送達報告書の受領者の押印又は署名欄に他人である受送達者本人の氏名を冒書する行為は,同人名義の受領書を偽造したものとして,有印私文書偽造罪を構成する。
2 支払督促の債務者を装い郵便配達員を欺いて支払督促正本を受領することにより,送達が適式にされたものとして支払督促の効力を生じさせ,債務者から督促異議申立ての機会を奪ったまま確定させて,その財産を差し押さえようとしたが,支払督促正本はそのまま廃棄するだけで外に何らかの用途に利用,処分する意思がなかったという判示の事実関係の下では,支払督促正本に対する詐欺罪における不法領得の意思を認めることはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成16年11月30日 平成16(あ)761
登載
刑集 第58巻8号1005頁
参照法条
刑法159条1項,刑法161条1項,刑法246条1項,民訴法99条,民訴法109条,民訴法第7編督促手続,郵便法(平成14年法律第98号による改正前のもの)66条
論点76第159条刑法

無権限者が自己を議長取締役等と表示して株式会社の株主総会議事録等を作成した場合の当該文書の作成名義人

裁判
最高裁判所第二小法廷 平成16年10月18日 平成16(あ)955
登載
集刑 第286号393頁
参照法条
刑法159条1項
論点77第159条刑法

正規の国際運転免許証に酷似する文書をその発給権限のない団体の名義で作成した行為が私文書偽造罪に当たるとされた事例

裁判要旨正規の国際運転免許証に酷似する文書をその発給権限のない団体Aの名義で作成した行為は,上記文書が,一般人をして,その発給権限を有する団体であるAにより作成された正規の国際運転免許証であると信用させるに足りるものであるなど判示の事実関係の下では,団体Aから上記文書の作成を委託されていたとしても,私文書偽造罪に当たる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成15年10月6日 平成14(あ)1164
登載
刑集 第57巻9号987頁
参照法条
刑法159条1項
論点78第159条刑法

虚偽の氏名等を記載した履歴書等を作成行使した行為が有印私文書偽造、同行使罪に当たるとされた事例

裁判要旨虚偽の氏名等を記載した履歴書及び雇用契約書等を作成行使した行為は、たとえ自己の顔写真がはり付けられ、あるいは各文書から生ずる責任を免れようとする意思を有していなかったとしても、有印私文書偽造、同行使罪に当たる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成11年12月20日 平成9(あ)1227
登載
刑集 第53巻9号1495頁
参照法条
刑法159条1項,刑法161条1項
論点79第160条刑法

公職選挙法第四九条第三号、同法施行令第五二条第一項第三号に基いて作成される医師の証明書(不在投票者のための証明書)は医師法第二〇条にいわゆる「診断書」にあたるか

裁判要旨公職選挙法第四九第三号、同法施行令第五二条第一項第三号に基いて作成される選挙人に対する医師の証明書は、その内容が人の健康上の状態に関する判断を包含する限り医師法第二〇条にいわゆる「診断書」と解すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和30年12月2日 昭和28(あ)3203
登載
刑集 第9巻13号2582頁
参照法条
公職選挙法49条,同法施行令52条,医師法20条,刑法160条
論点80第161条刑法

不正アクセス行為の禁止等に関する法律8条1号〈他の法令の罪に対する適用〉の罪と私電磁的記録不正作出罪との罪数関係

裁判要旨不正アクセス行為の禁止等に関する法律3条〈国民の国外犯〉所定の不正アクセス行為を手段として私電磁的記録不正作出の行為が行われた場合であっても,同法8条1号の罪と私電磁的記録不正作出罪とは,牽連犯の関係にはない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成19年8月8日 平成19(あ)720
登載
刑集 第61巻5号576頁
参照法条
刑法45条,刑法54条1項,刑法161条の2第1項,不正アクセス行為の禁止等に関する法律3条1項,不正アクセス行為の禁止等に関する法律3条2項1号,不正アクセス行為の禁止等に関する法律8条1号
論点81第161条刑法

司法書士に対し金銭消費貸借契約証書に基づく公正証書の作成の代理嘱託を依頼するに際して偽造の同契約証書を真正な文書として交付する行為と刑法161条1項にいう「行使」

裁判要旨司法書士に対し金銭消費貸借契約証書に基づく公正証書の作成の代理嘱託を依頼するに際して偽造の同契約証書を真正な文書として交付する行為は,刑法161条1項〈偽造私文書等行使〉にいう「行使」に当たる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成15年12月18日 平成15(あ)537
登載
刑集 第57巻11号1167頁
参照法条
刑法161条1項
原

条文原文

原文ママ

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刑法 第154条(詔書偽造等) 詳細ページ
(詔書偽造等)
第百五十四条行使の目的で、御璽、国璽若しくは御名を使用して詔書その他の文書を偽造し、又は偽造した御璽、国璽若しくは御名を使用して詔書その他の文書を偽造した者は、無期又は三年以上の拘禁刑に処する。
2御璽若しくは国璽を押し又は御名を署した詔書その他の文書を変造した者も、前項と同様とする。
刑法 第155条(公文書偽造等) 詳細ページ
(公文書偽造等)
第百五十五条行使の目的で、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者は、一年以上十年以下の拘禁刑に処する。
一公務所若しくは公務員の印章若しくは署名(以下この章、第百六十五条及び第百六十七条において「印章等」という。)を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画(以下この章において「文書等」という。)を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章等を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書等を偽造する行為
二公務所若しくは公務員の電磁的記録印章等(印章等として表示されることとなる電磁的記録をいう。以下この章、第百六十五条及び第百六十七条において同じ。)を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき電磁的記録文書等(文書等として表示されて行使されることとなる電磁的記録をいう。以下この章において同じ。)を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の電磁的記録印章等を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき電磁的記録文書等を偽造する行為
2公務所若しくは公務員が押印し若しくは署名した文書等又は公務所若しくは公務員が電磁的記録印章等を使用して作成した電磁的記録文書等を変造した者も、前項と同様とする。
3前二項に規定するもののほか、公務所若しくは公務員の作成すべき文書等若しくは電磁的記録文書等を偽造し、又は公務所若しくは公務員が作成した文書等若しくは電磁的記録文書等を変造した者は、三年以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金に処する。
刑法 第156条(虚偽公文書作成等) 詳細ページ
(虚偽公文書作成等)
第百五十六条公務員が、その職務に関し、行使の目的で、虚偽の文書等若しくは電磁的記録文書等を作成し、又は文書等若しくは電磁的記録文書等を変造したときは、印章等又は電磁的記録印章等の有無により区別して、前二条の例による。
刑法 第157条(公正証書原本不実記載等) 詳細ページ
(公正証書原本不実記載等)
第百五十七条公務員に対し虚偽の申立てをして、登記簿、戸籍簿その他の権利若しくは義務に関する公正証書の原本に不実の記載をさせ、又は権利若しくは義務に関する公正証書の原本として用いられる電磁的記録に不実の記録をさせた者は、五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
2公務員に対し虚偽の申立てをして、免状、鑑札若しくは旅券に不実の記載をさせ、又は電磁的記録文書等その他の電磁的記録であって、免状、鑑札若しくは旅券の全部若しくは一部として用いられるものに不実の記録をさせた者は、一年以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金に処する。
3前二項の罪の未遂は、罰する。
刑法 第158条(偽造公文書行使等) 詳細ページ
(偽造公文書行使等)
第百五十八条第百五十四条から前条までの文書等若しくは電磁的記録文書等を行使し、同条第一項の電磁的記録を公正証書の原本としての用に供し、又は同条第二項の電磁的記録を人の事務処理の用に供した者は、その文書等若しくは電磁的記録文書等を偽造し、若しくは変造し、虚偽の文書等若しくは電磁的記録文書等を作成し、又は不実の記載若しくは記録をさせた者と同一の刑に処する。
2前項の罪の未遂は、罰する。
刑法 第159条(私文書偽造等) 詳細ページ
(私文書偽造等)
第百五十九条行使の目的で、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者は、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。
一他人の印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書等を偽造し、又は偽造した他人の印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書等を偽造する行為
二他人の電磁的記録印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する電磁的記録文書等を偽造し、又は偽造した他人の電磁的記録印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する電磁的記録文書等を偽造する行為
2他人が押印し若しくは署名した権利、義務若しくは事実証明に関する文書等又は他人が電磁的記録印章等を使用して作成した権利、義務若しくは事実証明に関する電磁的記録文書等を変造した者も、前項と同様とする。
3前二項に規定するもののほか、権利、義務又は事実証明に関する文書等又は電磁的記録文書等を偽造し、又は変造した者は、一年以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金に処する。
刑法 第160条(虚偽診断書等作成) 詳細ページ
(虚偽診断書等作成)
第百六十条医師が、公務所に提出すべき診断書、検案書若しくは死亡証書に虚偽の記載をし、又は公務所に提出すべき電磁的記録文書等であって、診断書、検案書若しくは死亡証書の全部若しくは一部として用いられるものに虚偽の記録をしたときは、三年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。
刑法 第161条(偽造私文書等行使) 詳細ページ
(偽造私文書等行使)
第百六十一条前二条の文書等又は電磁的記録文書等を行使した者は、その文書等若しくは電磁的記録文書等を偽造し、若しくは変造し、又は虚偽の記載若しくは記録をした者と同一の刑に処する。
2前項の罪の未遂は、罰する。
出

一次情報

原文ママ

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