民事訴訟法 / テーマ別まとめ

上訴/上告

上告の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

上告は、高等裁判所又は地方裁判所がした終局判決に対して、最高裁判所又は高等裁判所に不服を申し立てる手続きで、憲法違反や判決裁判所の構成違反といった限られた理由がなければ認められません。上告状の提出先や上告理由書の期限、原裁判所・上告裁判所による却下や棄却の仕組み、破棄後に差し戻すか自ら裁判するかまでを条文に沿って整理しています。

上告
区分上告先理由となる事由
高裁の判決に対する上告最高裁判所憲法違反、絶対的上告理由
地裁の判決に対する上告高等裁判所憲法違反、絶対的上告理由、法令違反
地裁判決の飛越上告最高裁判所憲法違反、絶対的上告理由
簡裁判決の飛越上告高等裁判所憲法違反、絶対的上告理由、法令違反
上告受理申立て最高裁判所判例違反等の重要事項
特別上告最高裁判所憲法違反のみ
  • 表中の「絶対的上告理由」は判決裁判所の構成違反など312条2項各号の事由を指す一般的な呼び方で、条文上の言葉ではありません。
  • 代理権欠如を理由とする上告は、追認があった場合は理由にできません。
  • 上告受理申立ての理由には、憲法違反や絶対的上告理由を使うことはできません。
  • 職権で調査すべき事項には、調査範囲の限定や事実認定の拘束に関する規定は適用されません。
  • 高裁が上告裁判所のときは、最高裁判所規則で定める事由があれば決定で最高裁判所に移送しなければなりません。
  • 地裁判決への飛越上告では、事実認定の法令違反を理由に原判決を破棄することはできません。
1

上告

上告について、条文は何を定めているか。

第311条上告裁判所原判決をした裁判所で上告先が変わる2項判例 8件
  • 高裁が第一審・第二審としてした判決には最高裁判所に上告できる
  • 地裁が第二審としてした判決には高等裁判所に上告できる
  • 281条1項〈控訴をすることができる判決等〉ただし書の場合は地裁判決→最高裁、簡裁判決→高裁に直ちに上告できる
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第312条上告の理由上告理由は憲法違反と法定の事由に限られる3項・7号判例 8件
  • 憲法解釈の誤りなど憲法違反があれば上告できる
  • 判決裁判所の構成違反など6つの事由でも上告できる(代理権欠如は追認があれば除く)
  • 高裁への上告は判決に影響する法令違反でも理由にできる
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第313条控訴の規定の準用控訴の手続の規定を上告にも使う1項判例 9件
  • 特別の定めがある場合を除き、控訴に関する規定が上告・上告審にも準用される
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第314条上告提起の方式等上告状は原裁判所に提出する2項判例 2件
  • 上告の提起は上告状を原裁判所に提出して行う
  • 控訴状審査など裁判長の職権は原裁判所の裁判長が行う
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第315条上告の理由の記載理由未記載なら理由書の提出期限がある2項判例 1件
  • 上告状に理由の記載がなければ最高裁判所規則で定める期間内に上告理由書を提出する
  • 上告理由の記載は最高裁判所規則で定める方式による
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第316条原裁判所による上告の却下原裁判所が上告を却下できる場合2項・2号判例 5件
  • 補正できない不適法な上告は原裁判所が決定で却下しなければならない
  • 上告理由書の未提出や記載方式違反も却下事由になる
  • この却下決定には即時抗告ができる
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第317条上告裁判所による上告の却下等上告裁判所も却下・棄却できる2項判例 6件
  • 316条1項〈原裁判所による上告の却下〉の却下事由がある場合、上告裁判所も決定で上告を却下できる
  • 最高裁判所は上告理由が312条〈上告の理由〉1・2項に明らかに当たらなければ決定で棄却できる
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第318条上告受理の申立て最高裁は重要な事件を裁量で受理できる5項判例 6件
  • 判例違反や法令解釈の重要事項を含む事件は申立てにより決定で受理できる
  • この申立てでは憲法違反や絶対的上告理由を理由にはできない
  • 受理の決定があれば上告があったものとみなされる
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第319条口頭弁論を経ない上告の棄却書面だけで上告を棄却できる1項判例 5件
  • 上告状・理由書・答弁書等から理由がないと分かれば口頭弁論なしで判決で棄却できる
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第320条調査の範囲調査は不服申立ての範囲に限られる1項判例なし
  • 上告裁判所は上告理由に基づき、不服の申立てがあった限度でのみ調査する
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第321条原判決の確定した事実の拘束原審が確定した事実に拘束される2項判例なし
  • 原判決で適法に確定した事実には上告裁判所も拘束される
  • 飛越上告の場合は事実認定の法令違反を理由に破棄できない
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第322条職権調査事項についての適用除外職権調査事項には適用されない1項判例 2件
  • 調査範囲の限定や事実認定の拘束の規定は、裁判所が職権で調べる事項には及ばない
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第323条仮執行の宣言不服のない部分は仮執行宣言ができる1項判例 2件
  • 原判決のうち不服の申立てがない部分に限り、申立てにより決定で仮執行宣言ができる
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第324条最高裁判所への移送高裁は一定の事由で最高裁に移送する1項判例 1件
  • 高裁が上告裁判所のとき、最高裁判所規則で定める事由があれば決定で最高裁に移送しなければならない
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第325条破棄差戻し等破棄したら差戻し・移送が原則4項判例 9件
  • 312条〈上告の理由〉1・2項の事由があれば原判決を破棄し原裁判所等に差し戻し又は移送する
  • 高裁が上告裁判所のときは判決に影響する法令違反でも同様に扱う
  • 最高裁は同条の事由がなくても法令違反があれば裁量で破棄・差戻しできる
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第326条破棄自判自ら裁判できる例外的な場合1項・2号判例 11件
  • 確定した事実に基づき裁判するのに熟しているときは上告裁判所が自ら裁判する
  • 事件が裁判所の権限に属しないときも上告裁判所が自ら裁判する
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第327条特別上告高裁の上告審判決への特別上告2項判例 2件
  • 高裁が上告審としてした終局判決には憲法違反を理由とする場合に限り最高裁に更に上告できる
  • この上告には性質に反しない限り通常の上告・上告審の規定が準用される
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第311条民事訴訟法

書証の申出と写の提出

裁判要旨挙証者がみずから所持する文書に関する書証の申出は、証すべき事実を表示して文書を提出してすれば足り、同時にその写を提出することはその有効要件ではない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和44年12月4日 昭和44(オ)971
登載
集民 第97号701頁
参照法条
民訴法258条,民訴法311条,民訴規則39条
論点2第311条民事訴訟法

文書提出命令違背の効果

裁判要旨文書提出命令に違背して文書を提出しなかつたとしても、その効果は単に当該文書の記載内容についての相手方の主張を真実と認めうるにすぎないのであつて、契約等の成否に関する認定は、その文書が提出された場合と同様、裁判所の自由な心証による判断に委ねられていると解すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和41年1月28日 昭和40(オ)936
登載
集民 第82号185頁
参照法条
民訴法311条,民訴法316条
論点3第311条民事訴訟法

記録簿から抜き書きしたうえ加筆説明した書面の証拠能力。

裁判要旨記録簿から抜き書きしたうえこれに説明を加えた書面は、それ自体が書証原本として提出されたものであるかぎり、証拠とするにさまたげない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和39年11月27日 昭和39(オ)53
登載
集民 第76号347頁
参照法条
民訴法311条
論点4第311条民事訴訟法

文書の郵送と書証の提出。

裁判要旨書証申出の目的で文書の原本を裁判所に郵送するだけでは、書証の提出とはいえない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和37年9月21日 昭和36(オ)71
登載
民集 第16巻9号2052頁
参照法条
民訴法311条,民訴法258条2項,民訴法131条1項2号
論点5第311条民事訴訟法

書証申出と謄本の提出

裁判要旨原本の提出による書証申出がなされたことが記録上明らかな事件において、その謄本の提出がなくても書証申出は違法ではない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和37年5月18日 昭和35(オ)289
登載
集民 第60号705頁
参照法条
民訴法311条,民訴法322条
論点6第311条民事訴訟法

鑑定理由の記載のない鑑定書の証拠能力

裁判要旨書証として提出された鑑定書に鑑定理由の記載がないことは、右書証の証拠能力に影響がない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和37年4月10日 昭和36(オ)363
登載
集民 第60号97頁
参照法条
民訴法301条,民訴法311条
論点7第311条民事訴訟法

用紙の差替自由な帳簿の証拠力

裁判要旨用紙の差替自由な帳簿を証拠として採用したからといつて違法でない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和37年2月27日 昭和34(オ)1163
登載
集民 第58号997頁
参照法条
民訴法185条,民訴法311条
論点8第311条民事訴訟法

書証の写を訴訟記録に綴じ込まなかつたことは違法か

裁判要旨裁判所が書証の写を記録に綴じ込んでおかなかつたことは、違法とはいえない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和25年6月16日 昭和24(オ)77
登載
民集 第4巻6号219頁
参照法条
民訴法311条
論点9第312条民事訴訟法

適法な抗告理由とは認められないとして特別抗告が却下された事例

裁判要旨抗告人と相手方との間には、抗告人が相手方の著作に対する検定という方式を通して相手方の有する表現の自由を制限したという法律関係が存在する旨の原決定の判示は、抗告人および相手方の判示主張事実を前提とすれば右法律関係が存在することとなるとしているものにすぎず、本件検定が相手方の表現の自由を侵害している旨を原審みずからが判断したものではないから、原審が右のような判断をしたものであるとして原決定の違憲をいう抗告理由は、その前提を欠くに帰し、特別抗告適法の理由とは認められず、右抗告は不適法として却下すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和46年12月17日 昭和44(ク)375
登載
集民 第104号725頁
参照法条
民訴法312条,民訴法419条ノ2
論点10第312条民事訴訟法

文書提出の申立に対する裁判は明示的にすることを要するか

裁判要旨文書提出の申立については、必ずしも明示的に裁判しなければならないものではなく、黙示的にすることも許されると解すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和43年2月1日 昭和42(オ)549
登載
集民 第90号173頁
参照法条
民訴法312条,民訴法314条
論点11第312条民事訴訟法

「文書の所持者」の意義。

裁判要旨民訴法第三一二条〈上告の理由〉にいわゆる文書の所持者とは、文書の直接占有者を意味し、間接占有者を含まない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和39年3月24日 昭和38(オ)383
登載
集民 第72号627頁
参照法条
民訴法312条
論点12第312条民事訴訟法

賃料領収証の提出命令の申立とその許否の裁判

裁判要旨家屋の明渡を請求された者が、占有の正権原を立証するため、一旦相手方から交付を受けたが現に相手方が所持していると主張して資料領収証の提出命令を申し立てたときは、裁判所は該申立の許否につき裁判をしなければならない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和30年3月24日 昭和27(オ)1019
登載
民集 第9巻3号357頁
参照法条
民訴法312条,民訴法314条
論点13第312条民事訴訟法

判決の基本となる口頭弁論に関与していない裁判官が判決をした裁判官として署名押印していることを理由に上告裁判所が原判決を破棄する場合における口頭弁論の要否

裁判要旨上告裁判所は,判決の基本となる口頭弁論に関与していない裁判官が判決をした裁判官として署名押印していることを理由として原判決を破棄する場合には,必ずしも口頭弁論を経ることを要しない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成19年1月16日 平成18(オ)1598
登載
集民 第223号1頁
参照法条
民訴法87条,民訴法140条,民訴法297条,民訴法312条2項1号,民訴法313条,民訴法319条
論点14第312条民事訴訟法

判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があることを理由として最高裁判所に上告をすることを許容しない民訴法312条〈上告の理由〉及び318条〈上告受理の申立て〉と憲法32条

裁判要旨判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があることを理由として最高裁判所に上告をすることを許容しない民訴法312条〈上告の理由〉及び318条〈上告受理の申立て〉の規定は,憲法32条に違反しない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成13年2月13日 平成12(行ツ)302
登載
集民 第201号95頁
参照法条
民訴法312条,民訴法318条,憲法32条
論点15第312条民事訴訟法

再抗弁に対する判断の遺脱が上告理由としての理由不備に当たらないとされた事例

裁判要旨抗弁をいれながらこれに対する再抗弁を摘示せずその判断を遺脱した原判決の違法は、上告理由としての理由不備に当たらない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成11年6月29日 平成10(オ)2189
登載
集民 第193号411頁
参照法条
民訴法312条2項6号
論点16第312条民事訴訟法

上告の理由が理由の不備をいうが明らかに民訴法三一二条一項及び二項に規定する事由に該当しないときに原裁判所が上告を却下することの可否

裁判要旨上告の理由が、理由の不備をいうがその実質は事実誤認を主張するものであって、明らかに民訴法三一二条一項及び二項に規定する事由に該当しないときでも、原裁判所が同法三一六条一項一号によって上告を却下することはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成11年3月9日 平成10(ク)646
登載
集民 第192号99頁
参照法条
民訴法312条,民訴法316条1項,民訴法317条
論点17第313条民事訴訟法

1 数人の提起する養子縁組無効の訴えにおいて共同訴訟人の一人が上告を提起した後にされた他の共同訴訟人による上告の適否
2 数人の提起する養子縁組無効の訴えにおいて共同訴訟人の一人が上告受理の申立てをした後にされた他の共同訴訟人による上告受理の申立ての適否

裁判要旨1 数人の提起する養子縁組無効の訴えにおいて,共同訴訟人の一人が上告を提起した後に他の共同訴訟人が提起した上告は,二重上告として不適法である。
2 数人の提起する養子縁組無効の訴えにおいて,共同訴訟人の一人が上告受理の申立てをした後に他の共同訴訟人がした上告受理の申立ては,二重上告受理の申立てとして不適法である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成23年2月17日 平成21(オ)1022
登載
集民 第236号67頁
参照法条
(1,2につき)民訴法40条1項,民訴法142条,民訴法297条,民訴法313条,人事訴訟法2条3号 (2につき)民訴法318条5項
論点18第313条民事訴訟法

固有必要的共同訴訟において合一確定の要請に反する判決がされた場合と不利益変更禁止の原則

裁判要旨原告甲の被告乙及び丙に対する訴えが固有必要的共同訴訟であるにもかかわらず,甲の乙に対する請求を認容し,甲の丙に対する請求を棄却するという趣旨の判決がされた場合には,上訴審は,甲が上訴又は附帯上訴をしていないときであっても,合一確定に必要な限度で,上記判決のうち丙に関する部分を,丙に不利益に変更することができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成22年3月16日 平成20(オ)999
登載
民集 第64巻2号498頁
参照法条
民訴法40条,民訴法304条,民訴法313条
論点19第313条民事訴訟法

1 原告として確定されるべき者が訴訟提起当時その国名を「中華民国」としていたが昭和47年9月29日の日中共同声明に伴って「中華人民共和国」に国名が変更された国家としての中国であるとされた事例
2 訴訟当事者を代表していた者の代表権の消滅が公知の事実である場合における代表権の消滅の効力発生時期
3 外国国家を代表して外交使節が我が国で訴訟を提起した後に我が国政府が当該外国国家の政府として上記外交使節を派遣していた政府に代えて新たな政府を承認したために上記外交使節の我が国における当該外国国家の代表権が消滅した場合における訴訟手続の中断
4 上告審が職権探知事項に当たる中断事由の存在を確認して原判決を破棄する場合における口頭弁論の要否

裁判要旨1 (1)本件訴訟は昭和42年9月6日に提起されたが,その訴状には,原告の表示として「中華民国」と,原告代表者の表示として「中華民国駐日本国特命全権大使」とそれぞれ記載されていたこと,(2)原告の訴訟代理人に訴訟代理権を授与したのは,中華民国駐日本国特命全権大使であったこと,(3)「中華民国」は,国家としての中国(中国国家)の国名として用いられてきたものであること,(4)我が国政府は,中国国家の政府として中華民国政府を承認し,昭和27年4月28日,同政府との間で,「日本国と中華民国との間の平和条約」を締結しており,訴訟提起当時,中国国家の我が国における代表権は,中華民国駐日本国特命全権大使が有していたこと,(5)中華民国政府は,訴訟提起当時,自らが中国国家の唯一の政府であると主張していたこと,(6)我が国政府が,昭和47年9月29日,「日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明」(日中共同声明)において,中国国家の政府として,中華民国政府に代えて中華人民共和国政府を承認したことに伴って,中国国家の国名が「中華民国」から「中華人民共和国」に変更されたことなど判示の事実関係の下では,原告として確定されるべき者は,訴訟提起当時その国名を「中華民国」としていたが,日中共同声明に伴って「中華人民共和国」に国名が変更された中国国家というべきである。
2 訴訟当事者を代表していた者の代表権の消滅は,それが公知の事実である場合には,相手方に通知されなくても直ちにその効力を生ずる。
3 外国国家を代表して外交使節が我が国で訴訟を提起した後に,我が国政府が,当該外国国家の政府として,上記外交使節を派遣していた政府に代えて新たな政府を承認したため,上記外交使節の我が国における当該外国国家の代表権が消滅した場合には,上記外交使節から訴訟代理権の授与を受けた訴訟代理人がいるとしても,上記代表権の消滅の時点で,訴訟手続は中断する。
4 上告審は,職権探知事項に当たる中断事由が存在することを確認して原判決を破棄する場合には,必ずしも口頭弁論を経ることを要しない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成19年3月27日 昭和62(オ)685
登載
民集 第61巻2号711頁
参照法条
(1につき)民訴法第1編第3章 当事者,民訴法133条2項1号 (2,3につき)民訴法37条 (2につき)民訴法36条1項 (3,4につき)民訴法124条1項3号 (3につき)民訴法58条1項4号,民訴法124条2項,外交関係に関するウィーン条約3条1(a) (4につき)民訴法87条,民訴法140条,民訴法297条,民訴法313条,民訴法319条,旧民訴法395条1項4号
論点20第313条民事訴訟法

上告審が判決で訴訟の終了を宣言する前提として原判決を破棄する場合における口頭弁論の要否

裁判要旨上告審は,判決で訴訟の終了を宣言する前提として原判決を破棄する場合には,必ずしも口頭弁論を経ることを要しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成18年9月4日 平成17(オ)1451
登載
集民 第221号1頁
参照法条
民訴法87条,民訴法124条1項,民訴法140条,民訴法297条,民訴法313条,民訴法319条
論点21第313条民事訴訟法

1 地方税法585条1項にいう「土地又はその取得」の意義
2 上告審が不適法でその不備を補正することができない訴えを却下する前提として原判決を破棄する場合における口頭弁論の要否

裁判要旨1 地方税法585条1項にいう「土地又はその取得」とは,経過的事実に則してとらえた土地の所有又はその所有権取得の事実をいい,所有権取得の原因となった法律行為が取消し,解除等により覆されたかどうかにかかわらない。
2 上告審は,不適法でその不備を補正することができない訴えを却下する前提として原判決を破棄する場合には,口頭弁論を経ないでその旨の判決をすることができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成14年12月17日 平成13(行ツ)205
登載
集民 第208号581頁
参照法条
地方税法585条1項,民訴法87条,民訴法140条,民訴法297条,民訴法313条,民訴法319条
論点22第313条民事訴訟法

上告受理の申立てにつき不受理決定がされた場合の附帯上告受理の申立ての帰すう

裁判要旨上告受理の申立てに対して附帯上告受理の申立てがされた場合において,上告受理の申立てにつき事件を上告審として受理しない旨の決定がされたときは,民訴法318条5項〈上告受理の申立て〉,313条〈控訴の規定の準用〉,293条2項〈附帯控訴〉により,附帯上告受理の申立ては,それが上告受理の申立ての要件を備えるものでない限り,その効力を失う。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成11年4月8日 平成10(受)475
登載
集民 第193号1頁
参照法条
民訴法293条2項,民訴法313条,民訴法318条5項
論点23第313条民事訴訟法

上告受理の申立てに対する附帯上告の提起又は上告に対する附帯上告受理の申立ての許否

裁判要旨上告受理の申立てに対して附帯上告を提起し、又は上告に対して附帯上告受理の申立てをすることは,許されない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成11年4月23日 平成10(受)644
登載
集民 第193号253頁
参照法条
民訴法293条,民訴法313条,民訴法318条5項
論点24第313条民事訴訟法

最高裁判所が、抗告許可の申立てについて、抗告許可申立書が最高裁判所に提出されたことを理由として、原裁判所に移送することなく不適法として却下することができる場合

裁判要旨抗告許可の申立てをする者が、抗告許可申立書を提出すべき裁判所が原裁判所であることを認識しながら不当な目的をもってあえて最高裁判所に抗告許可申立書を提出した場合には、最高裁判所は、抗告許可の申立てについて、抗告許可申立書が最高裁判所に提出されたことを理由として、原裁判所に移送することなく不適法として却下することができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 令和8年1月28日 令和7(許)18
登載
民集 第80巻1号101頁
参照法条
民訴法16条1項、民訴法286条1項、民訴法313条、民訴法337条1項、2項、6項
論点25第315条民事訴訟法

上告状及び上告理由書提出期間内に提出された書面のいずれにも民訴法三一二条一項〈上告の理由〉、二項に規定する事由の記載がない場合に原裁判所の執るべき措置

裁判要旨上告状及び上告理由書提出期間内に上告人から提出された書面のいずれにも民訴法三一二条一項〈上告の理由〉、二項に規定する事由の記載がないときは、原裁判所は、民訴規則一九六条一項所定の補正命令を発すべきではなく、直ちに決定で上告を却下すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成12年7月14日 平成12(オ)547
登載
集民 第198号457頁
参照法条
民訴法315条・民訴法316条1項 民訴規則196条
論点26第316条民事訴訟法

特別抗告の理由として形式的には憲法違反の主張があるがそれが実質的には法令違反の主張にすぎない場合に原裁判所が特別抗告を却下することの可否

裁判要旨特別抗告の理由として形式的には憲法違反の主張があるがそれが実質的には法令違反の主張にすぎない場合であっても,原裁判所が民訴法336条3項,327条2項,316条1項により特別抗告を却下することはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成21年6月30日 平成21(許)9
登載
集民 第231号153頁
参照法条
民訴法316条1項,民訴法317条2項,民訴法336条1項
論点27第316条民事訴訟法

民訴法三一八条一項〈上告受理の申立て〉の事件に当たらないことを理由として原裁判所が上告受理の申立てを却下することの可否

裁判要旨民訴法三一八条一項〈上告受理の申立て〉の事件に当たらないことを理由として、原裁判所は、同条五項、同法三一六条一項〈原裁判所による上告の却下〉により上告受理の申立てを却下することができない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成11年3月9日 平成11(許)8
登載
集民 第192号109頁
参照法条
民訴法316条1項,民訴法318条1項,民訴法318条5項
論点28第317条民事訴訟法

民訴法第三一七条〈上告裁判所による上告の却下等〉の要件事実の立証責任。

裁判要旨当事者が文書を故意に毀滅した事実は、民訴法第三一七条〈上告裁判所による上告の却下等〉の適用を主張する当事者において立証責任を負担する。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和39年9月17日 昭和39(オ)515
登載
集民 第75号249頁
参照法条
民訴法317条
論点29第317条民事訴訟法

上告棄却決定に反対意見が付された事例

裁判要旨(省略)
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成17年6月16日 平成15(オ)1333
登載
集民 第217号125頁
参照法条
民訴法317条2項 裁判所法11条
論点30第317条民事訴訟法

上告審における独立当事者参加の申出を不適法として決定により却下した事例

裁判要旨(省略)
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成12年9月26日 平成12(行ツ)200
登載
集民 第199号761頁
参照法条
民訴法47条,民訴法317条1項
論点31第317条民事訴訟法

訴状が最高裁判所に提出された場合に当該訴えが訴訟上の信義則に反するとして却下すべきものとされた事例

裁判要旨訴状が最高裁判所に提出された場合に、次の⑴~⑷など判示の事情の下では、当該訴えは、訴訟上の信義則に反するとして却下すべきものである。
⑴ 上記訴状には、上記訴えに係る訴訟を最高裁判所とは異なる特定の裁判所へ移送することを求める旨の記載がある。
⑵ 上記訴訟が上記裁判所の管轄に属することをうかがわせる事情はない。
⑶ 上記訴状は弁護士によって作成され提出されたものである。
⑷ 上記弁護士は上記訴えの提起以前にも殊更にこれと同様の行為を繰り返してきた。
裁判
最高裁判所第一小法廷 令和8年1月28日 令和7(マ)244
登載
―
参照法条
民訴法2条、民訴法16条1項、民訴法317条1項
論点32第318条民事訴訟法

上告受理の申立てについての不受理決定に反対意見が付された事例

裁判要旨(省略)
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成14年11月22日 平成13(行ヒ)14
登載
集民 第208号575頁
参照法条
民訴法318条1項,裁判所法11条
論点33第319条民事訴訟法

文書の送付嘱託の申立と証拠調

裁判要旨訴訟記録および権利申告書の送付嘱託を求める申立があり、裁判所の嘱託により右記録および右権利申告書の謄本の送付があつた場合、挙証者が右文書全部を証拠とすることを欲するとはかぎらないから、裁判所は、右文書中挙証者が証拠とする旨明示または黙示に指定したものについて取り調べれば足りると解すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和45年12月4日 昭和45(オ)184
登載
集民 第101号627頁
参照法条
民訴法319条
論点34第322条民事訴訟法

一 判決言渡の方式遵守を記載した口頭弁論調書の効力
二 直前に施行された別件の証人尋問の調書を書証として提出することは可能か

裁判要旨一 判決言渡調書に判決がその原本に基き言い渡された旨記載されている以上、右言渡が判決原本に基かずしてなされたとの主張は、民訴第一四七条〈裁判上の請求による時効の完成猶予等〉により認められない。
二 別件の証人尋問の終了直後に引き続き開始された本件の口頭弁論において、右証人尋問の調書を書証として提出することは、不可能とはいえない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和26年2月22日 昭和24(オ)224
登載
民集 第5巻3号102頁
参照法条
民訴法147条,民訴法189条1項,民訴法146条,民訴法322条
論点35第323条民事訴訟法

民訴法第三二三条〈仮執行の宣言〉の法意

裁判要旨民訴法第三二三条〈仮執行の宣言〉により真正な公文書と推定されたからといつて、当該文書の記載内容の真実であることにまで法律上の推定が働くものではない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和40年12月10日 昭和40(オ)416
登載
集民 第81号395頁
参照法条
民訴法323条
論点36第323条民事訴訟法

一 建物収去土地明渡を命ずる判決において建物の所在表示の番地が実際の土地の地番と異なつていても、請求異議の理由とならないとされた事例
二 民訴法第三二三条第一項〈仮執行の宣言〉の法意

裁判要旨民訴法第三二三条第一項〈仮執行の宣言〉によつて書証の成立が推定されるからといつて、その記載内容が真実に合致することまで推定されるものではない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和38年4月18日 昭和37(オ)1048
登載
集民 第65号527頁
参照法条
民訴法545条,民訴法323条1項
論点37第324条民事訴訟法

民訴法324条〈最高裁判所への移送〉に基づく移送決定についての取消しの許否

裁判要旨最高裁判所は,民訴規則203条所定の事由があるとしてされた民訴法324条に基づく移送決定について,当該事由がないと認めるときは,これを取り消すことができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成30年12月18日 平成29(オ)1725
登載
民集 第72巻6号1151頁
参照法条
民訴法22条1項,民訴法324条,民訴規則203条
論点38第325条民事訴訟法

書証の成立の認定に審理不尽の違法があるとされた事例

裁判要旨契約の成立を主張する当事者がこれに関する重要な書証である相手方作成名義の文書を二審の最終口頭弁論期日にはじめて提出した場合において、判示のように、他の証拠との対比などからもその真否を疑うべき事情があるにかかわらず、裁判所が、成立を争う相手方に反証提出の機会を十分に与えることなく即日口頭弁論を終結し、その文書における自己の名下の印影のみを肯定し署名を否認する趣旨の相手方本人の供述を唯一の資料として右文書の成立の真正を認定し、これを右契約成立の認定の用に供したときは、二審判決には、右書証の成立に関し審理を尽くさなかつた違法がある。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和45年10月30日 昭和45(オ)282
登載
集民 第101号313頁
参照法条
民訴法185条,民訴法325条,民訴法394条
論点39第325条民事訴訟法

書証の成立の認定と当事者の認否の要否

裁判要旨当事者の認否の陳述がないままに、書証の成立を認定しても、違法ではない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和40年12月17日 昭和40(オ)752
登載
集民 第81号621頁
参照法条
民訴法325条,民訴法257条
論点40第325条民事訴訟法

一 第三者作成文書の成立の真正の認定
二 手形の被偽造者の手形上の責任

裁判要旨一 相手方が不知をもつて答えた第三者作成の文書については、特段の立証はなくても、弁論の全趣旨により、成立の真正を認めることができる。
二 手形の被偽造者は、手形を偽造されるにつき重大な過失があつたと否と、また受取人の善意であつたと否とにかかわらず、偽造手形により何ら手形上の義務を負うものではない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和27年10月21日 昭和25(オ)219
登載
民集 第6巻9号841頁
参照法条
民訴法325条,民訴法185条,手形法69条
論点41第325条民事訴訟法

一 条例の告示の効力
二 市民税の税率を改正した条例を告示しないで改正条例によつてした市民税の効力
三 行政処分無効確認の訴と行政事件訴訟特例法第一一条〈管轄の合意〉

裁判要旨一 条例は、告示されるまでは効力を生じない。
二 市民税の税率を改正した条例を告示しないで、改正後の条例によつて市民税を賦課した違法は、その賦課処分を法律上当然に無効ならしめるものではない。
三 行政処分の無効確認を求める訴には、行政事件訴訟特例法第一一条は適用されない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和25年10月10日 昭和24(オ)228
登載
民集 第4巻10号465頁
参照法条
地方自治法16条,昭和22年度青森市民税賦課方法条例,行政事件訴訟特例法11条,民訴法325条
論点42第325条民事訴訟法

事実認定の根拠として判決に引用する文書が真正に成立したこと及びその理由を判決書に記載することの要否

裁判要旨事実認定の根拠として判決に引用する文書が真正に成立したこと及びその理由は、判決書の必要的記載事項ではない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成9年5月30日 平成8(オ)1846
登載
集民 第183号423頁
参照法条
民訴法191条1項,民訴法325条,民訴法395条1項6号
論点43第325条民事訴訟法

控訴審が重要な書証の成立について第一審の判断を覆す場合にその署名部分の筆跡鑑定の申出をするかどうかについて釈明権の行使を怠った違法があるとされた事例

裁判要旨第一審が重要な書証の署名部分について書証を提出した当事者の筆跡鑑定の申出を採用することなくその部分が真正に成立したものと認めていた場合に、右署名の筆跡とその名義人が宣誓書にした署名の筆跡とが明らかに異なると断定することができないなど判示の事情の下においては、控訴審が改めて筆跡鑑定の申出をするかどうかについて釈明権を行使することなく第一審の判断を覆したこと判断を覆したことには、釈明権の行使を怠った違法がある。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成8年2月22日 平成7(オ)2229
登載
集民 第178号265頁
参照法条
民訴法127条,民訴法301条,民訴法325条,民訴法327条
論点44第325条民事訴訟法

債務者の貸金業者に対する貸金の弁済について貸金業の規制等に関する法律43条1項〈補助参加の申出〉又は3項の適用を認めた高等裁判所の上告審としての判決が特別上告審において法令の違反があるとして職権により破棄された事例

裁判要旨(省略)
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成18年3月17日 平成17(テ)21
登載
集民 第219号927頁
参照法条
民訴法325条2項,民訴法327条,貸金業の規制等に関する法律43条1項,3項
論点45第325条民事訴訟法

1 離婚の訴えの原因である事実によって生じた損害賠償請求の反訴の提起及び離婚の訴えに附帯してする財産分与の申立てについての控訴審における相手方の同意の要否
2 原審の口頭弁論の終結に至るまでに離婚請求に附帯して財産分与の申立てがされた場合において上訴審が原審の判断のうち財産分与の申立てに係る部分について違法があることを理由に原判決を破棄し又は取り消して当該事件を原審に差し戻すとの判断に至ったときに離婚請求に係る部分を差し戻すことの要否

裁判要旨1 離婚の訴えの原因である事実によって生じた損害賠償請求の反訴の提起及び離婚の訴えに附帯してする財産分与の申立てについては,控訴審においても,相手方の同意を要しない。
2 原審の口頭弁論の終結に至るまでに離婚請求に附帯して財産分与の申立てがされた場合において,上訴審が,原審の判断のうち財産分与の申立てに係る部分について違法があることを理由に原判決を破棄し,又は取り消して当該事件を原審に差し戻すとの判断に至ったときには,離婚請求を認容した原審の判断に違法がない場合であっても,財産分与の申立てに係る部分のみならず,離婚請求に係る部分をも破棄し,又は取り消して,共に原審に差し戻すこととするのが相当である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成16年6月3日 平成14(受)505
登載
集民 第214号355頁
参照法条
民法768条,民法771条,人事訴訟法32条1項,家事審判法9条1項乙類5号,人事訴訟手続法8条,人事訴訟法18条,民訴法300条,民訴法307条,民訴法308条,民訴法325条
論点46第325条民事訴訟法

特許を取り消すべき旨の決定の取消請求を棄却した原判決に係る事件の上告審係属中に当該特許について特許請求の範囲を減縮する旨の訂正審決が確定した場合と民訴法325条2項〈破棄差戻し等〉に規定する法令の違反

裁判要旨特許を取り消すべき旨の決定の取消請求を棄却した原判決に対して上告又は上告受理の申立てがされ,上告審係属中に当該特許について特許請求の範囲を減縮する旨の訂正審決が確定した場合には,原判決には,民訴法325条2項〈破棄差戻し等〉に規定する法令の違反がある。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成15年10月31日 平成14(行ヒ)200
登載
集民 第211号325頁
参照法条
民訴法325条2項,民訴法338条1項8号,特許法114条,特許法126条
論点47第326条民事訴訟法

他の者と共有、共用しているいわゆる三文判と押印の推定

裁判要旨私文書の作成名義人の印影が、名義人と他の者の共有、共用しているいわゆる三文判によつて顕出されたものであるときは、右印影は、名義人の意思に基づいて顕出されたものと推定することはできない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和50年6月12日 昭和50(オ)121
登載
集民 第115号95頁
参照法条
民訴法326条
論点48第326条民事訴訟法

私文書の作成名義人の印影が右作成名義人の印章によつて顕出された場合と右私文書の真正な成立の推定

裁判要旨私文書の作成名義人の印影が右作成名義人の印章によつて顕出されたことが認められたときは、反証のないかぎり、右印影は、右作成名義人の意思に基づいて顕出されたものと推定され、右私文書は、真正に成立したものと推定される。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和43年6月21日 昭和42(オ)555
登載
集民 第91号427頁
参照法条
民訴法326条
論点49第326条民事訴訟法

民訴法第三二六条〈破棄自判〉の解釈

裁判要旨私文書の作成名義人の印影が当該名義人の印章によつて顕出されたものであるときは、反証のないかぎり、該印影は本人の意思に基づいて顕出されたものと事実上推定するのを相当とするから、民訴法第三二六条〈破棄自判〉により、該文書が真正に成立したものと推定すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和40年7月8日 昭和39(オ)1176
登載
集民 第79号731頁
参照法条
民訴法326条
論点50第326条民事訴訟法

民訴法第三二六条〈破棄自判〉の解釈

裁判要旨私文書の作成名義人の印影が、当該名義人の印章によつて顕出されたものであるときは、反証のないかぎり、該印影は本人の意思に基づいて顕出されたものと事実上推定するのを相当とする。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和40年7月2日 昭和39(オ)1110
登載
集民 第79号639頁
参照法条
民訴法326条
論点51第326条民事訴訟法

私文書の作成名義人の印影がその印章によつて顕出されたときと真正の推定

裁判要旨私文書の作成名義人の印影がその名義人の印章によつて顕出されたものであるときは、反証のないかぎり、その印影は本人の意思に基づいて顕出されたものと事実上推定するのを相当とする(昭和三九年(オ)一一一〇号、同四〇年七月二日二小判裁判集民事七九巻六三九頁・同三九年(オ)七一号、同三九年五月一二日三小判民集一八巻四号五九七頁各参照)。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和40年10月29日 昭和40(オ)789
登載
集民 第80号897頁
参照法条
民訴法326条
論点52第326条民事訴訟法

私文書の作成名義人の印影が当該名義人の印章によつて顕出された場合と文書の真正の推定。

裁判要旨私文書の作成名義人の印影が当該名義人の印章によつて顕出されたものであるときは、反証のないかぎり、該印影は本人の意思に基づいて顕出されたものと事実上推定するのを相当とするから、民訴法第三二六条〈破棄自判〉により、該文書が真正に成立したものと推定すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和39年5月12日 昭和39(オ)71
登載
民集 第18巻4号597頁
参照法条
民訴法326条,民訴法185条
論点53第326条民事訴訟法

一 約束手形の振出人欄の住所氏名印および角印部分のみが真正に成立している場合に手形全体の成立が民訴法第三二六条〈破棄自判〉により推定されるかどうかの判断
二 約束手形の振出人欄における住所氏名などの記名印をもつて署名にかわる記名捺印があるとはされなかつた事例

裁判要旨一 消極、
二 約束手形の振出人欄に「大阪府泉南郡a町b」「D金属製作所」「D団治」なる三個の記名印が並んで押捺されてあり、右三個の記名印影にまたがつて「D金属製作所之印」なる角形の朱印が押捺されていても、D団治の振出人としての署名にかわる記名捺印があるとは認められない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和38年6月20日 昭和36(オ)1428
登載
集民 第66号561頁
参照法条
民訴法326条,手形法1編1章,手形法82条
論点54第326条民事訴訟法

民訴法第三二六条〈破棄自判〉の法意。

裁判要旨私文書の押印部分がその名義人の印鑑によつて作出されたものであることが認められる場合であつても、右押印が名義人の意思に基づかないことが認定される以上、民訴法第三二六条〈破棄自判〉の適用はありえない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和38年11月15日 昭和37(オ)740
登載
集民 第69号243頁
参照法条
民訴法326条
論点55第326条民事訴訟法

約束手形の振出人欄の偽造の立証責任

裁判要旨約束手形の振出人の記名印および名下の印影がいずれも真正な印の押捺による事実が確定された場合には、右偽造の立証責任は、これを主張するものが負う。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和37年1月19日 昭和34(オ)969
登載
集民 第58号257頁
参照法条
民訴法326条
論点56第326条民事訴訟法

一 文書の成立の真正を推定しえないとされた事例
二 当事者の申し立てない事項につき判決したと認められた事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和37年11月6日 昭和34(オ)797
登載
集民 第63号47頁
参照法条
民訴法326条,民訴法186条
論点57第326条民事訴訟法

1 特許を無効にすべき旨の審決の取消請求を棄却した原判決に係る事件の上告審係属中に当該特許について特許請求の範囲を減縮する旨の訂正審決が確定したことにより原判決を破棄する場合に上記無効審決を取り消す旨の自判をした事例
2 特許を無効にすべき旨の審決の取消訴訟の係属中に当該特許について特許請求の範囲を減縮する旨の訂正審決が確定したことにより上記無効審決を取り消す場合に訴訟の総費用を特許権者に負担させた事例

裁判要旨(省略)
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成17年10月18日 平成17(行ヒ)106
登載
集民 第218号79頁
参照法条
(1,2につき)特許法(平成6年法律第116号による改正前のもの)123条,特許法126条 (1につき)民訴法326条1号,民訴法338条1項8号 (2につき)民訴法62条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

民事訴訟法 第311条(上告裁判所) 詳細ページ
(上告裁判所)
第三百十一条上告は、高等裁判所が第二審又は第一審としてした終局判決に対しては最高裁判所に、地方裁判所が第二審としてした終局判決に対しては高等裁判所にすることができる。
2第二百八十一条第一項ただし書の場合には、地方裁判所の判決に対しては最高裁判所に、簡易裁判所の判決に対しては高等裁判所に、直ちに上告をすることができる。
民事訴訟法 第312条(上告の理由) 詳細ページ
(上告の理由)
第三百十二条上告は、判決に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに、することができる。
2上告は、次に掲げる事由があることを理由とするときも、することができる。ただし、第四号に掲げる事由については、第三十四条第二項(第五十九条において準用する場合を含む。)の規定による追認があったときは、この限りでない。
一法律に従って判決裁判所を構成しなかったこと。
二法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと。
二の二日本の裁判所の管轄権の専属に関する規定に違反したこと。
三専属管轄に関する規定に違反したこと(第六条第一項各号に定める裁判所が第一審の終局判決をした場合において当該訴訟が同項の規定により他の裁判所の専属管轄に属するときを除く。)。
四法定代理権、訴訟代理権又は代理人が訴訟行為をするのに必要な授権を欠いたこと。
五口頭弁論の公開の規定に違反したこと。
六判決に理由を付せず、又は理由に食違いがあること。
3高等裁判所にする上告は、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があることを理由とするときも、することができる。
民事訴訟法 第313条(控訴の規定の準用) 詳細ページ
(控訴の規定の準用)
第三百十三条前章の規定は、特別の定めがある場合を除き、上告及び上告審の訴訟手続について準用する。
民事訴訟法 第314条(上告提起の方式等) 詳細ページ
(上告提起の方式等)
第三百十四条上告の提起は、上告状を原裁判所に提出してしなければならない。
2前条において準用する第二百八十八条及び第二百八十九条第二項の規定による裁判長の職権は、原裁判所の裁判長が行う。
民事訴訟法 第315条(上告の理由の記載) 詳細ページ
(上告の理由の記載)
第三百十五条上告状に上告の理由の記載がないときは、上告人は、最高裁判所規則で定める期間内に、上告理由書を原裁判所に提出しなければならない。
2上告の理由は、最高裁判所規則で定める方式により記載しなければならない。
民事訴訟法 第316条(原裁判所による上告の却下) 詳細ページ
(原裁判所による上告の却下)
第三百十六条次の各号に該当することが明らかであるときは、原裁判所は、決定で、上告を却下しなければならない。
一上告が不適法でその不備を補正することができないとき。
二前条第一項の規定に違反して上告理由書を提出せず、又は上告の理由の記載が同条第二項の規定に違反しているとき。
2前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
民事訴訟法 第317条(上告裁判所による上告の却下等) 詳細ページ
(上告裁判所による上告の却下等)
第三百十七条前条第一項各号に掲げる場合には、上告裁判所は、決定で、上告を却下することができる。
2上告裁判所である最高裁判所は、上告の理由が明らかに第三百十二条第一項及び第二項に規定する事由に該当しない場合には、決定で、上告を棄却することができる。
民事訴訟法 第318条(上告受理の申立て) 詳細ページ
(上告受理の申立て)
第三百十八条上告をすべき裁判所が最高裁判所である場合には、最高裁判所は、原判決に最高裁判所の判例(これがない場合にあっては、大審院又は上告裁判所若しくは控訴裁判所である高等裁判所の判例)と相反する判断がある事件その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むものと認められる事件について、申立てにより、決定で、上告審として事件を受理することができる。
2前項の申立て(以下「上告受理の申立て」という。)においては、第三百十二条第一項及び第二項に規定する事由を理由とすることができない。
3第一項の場合において、最高裁判所は、上告受理の申立ての理由中に重要でないと認めるものがあるときは、これを排除することができる。
4第一項の決定があった場合には、上告があったものとみなす。この場合においては、第三百二十条の規定の適用については、上告受理の申立ての理由中前項の規定により排除されたもの以外のものを上告の理由とみなす。
5第三百十三条から第三百十五条まで及び第三百十六条第一項の規定は、上告受理の申立てについて準用する。
民事訴訟法 第319条(口頭弁論を経ない上告の棄却) 詳細ページ
(口頭弁論を経ない上告の棄却)
第三百十九条上告裁判所は、上告状、上告理由書、答弁書その他の書類により、上告を理由がないと認めるときは、口頭弁論を経ないで、判決で、上告を棄却することができる。
民事訴訟法 第320条(調査の範囲) 詳細ページ
(調査の範囲)
第三百二十条上告裁判所は、上告の理由に基づき、不服の申立てがあった限度においてのみ調査をする。
民事訴訟法 第321条(原判決の確定した事実の拘束) 詳細ページ
(原判決の確定した事実の拘束)
第三百二十一条原判決において適法に確定した事実は、上告裁判所を拘束する。
2第三百十一条第二項の規定による上告があった場合には、上告裁判所は、原判決における事実の確定が法律に違反したことを理由として、その判決を破棄することができない。
民事訴訟法 第322条(職権調査事項についての適用除外) 詳細ページ
(職権調査事項についての適用除外)
第三百二十二条前二条の規定は、裁判所が職権で調査すべき事項には、適用しない。
民事訴訟法 第323条(仮執行の宣言) 詳細ページ
(仮執行の宣言)
第三百二十三条上告裁判所は、原判決について不服の申立てがない部分に限り、申立てにより、決定で、仮執行の宣言をすることができる。
民事訴訟法 第324条(最高裁判所への移送) 詳細ページ
(最高裁判所への移送)
第三百二十四条上告裁判所である高等裁判所は、最高裁判所規則で定める事由があるときは、決定で、事件を最高裁判所に移送しなければならない。
民事訴訟法 第325条(破棄差戻し等) 詳細ページ
(破棄差戻し等)
第三百二十五条第三百十二条第一項又は第二項に規定する事由があるときは、上告裁判所は、原判決を破棄し、次条の場合を除き、事件を原裁判所に差し戻し、又はこれと同等の他の裁判所に移送しなければならない。高等裁判所が上告裁判所である場合において、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるときも、同様とする。
2上告裁判所である最高裁判所は、第三百十二条第一項又は第二項に規定する事由がない場合であっても、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるときは、原判決を破棄し、次条の場合を除き、事件を原裁判所に差し戻し、又はこれと同等の他の裁判所に移送することができる。
3前二項の規定により差戻し又は移送を受けた裁判所は、新たな口頭弁論に基づき裁判をしなければならない。この場合において、上告裁判所が破棄の理由とした事実上及び法律上の判断は、差戻し又は移送を受けた裁判所を拘束する。
4原判決に関与した裁判官は、前項の裁判に関与することができない。
民事訴訟法 第326条(破棄自判) 詳細ページ
(破棄自判)
第三百二十六条次に掲げる場合には、上告裁判所は、事件について裁判をしなければならない。
一確定した事実について憲法その他の法令の適用を誤ったことを理由として判決を破棄する場合において、事件がその事実に基づき裁判をするのに熟するとき。
二事件が裁判所の権限に属しないことを理由として判決を破棄するとき。
民事訴訟法 第327条(特別上告) 詳細ページ
(特別上告)
第三百二十七条高等裁判所が上告審としてした終局判決に対しては、その判決に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに限り、最高裁判所に更に上告をすることができる。
2前項の上告及びその上告審の訴訟手続には、その性質に反しない限り、第二審又は第一審の終局判決に対する上告及びその上告審の訴訟手続に関する規定を準用する。この場合において、第三百二十一条第一項中「原判決」とあるのは、「地方裁判所が第二審としてした終局判決(第三百十一条第二項の規定による上告があった場合にあっては、簡易裁判所の終局判決)」と読み替えるものとする。
出

一次情報

原文ママ

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