論点1第4条民事訴訟法
日本国内に営業所を有する外国法人に対する損害賠償請求訴訟とわが国の裁判権
裁判要旨日本国内に営業所を有する外国法人に対する損害賠償請求訴訟については、右法人にわが国の裁判権が及ぶものと解するのが相当である。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和56年10月16日 昭和55(オ)130
- 登載
- 民集 第35巻7号1224頁
- 参照法条
- 民訴法4条1項,民訴法4条3項,法例7条
論点2第5条民事訴訟法
日本法人がドイツに居住する日本人に対して契約上の金銭債務の履行を求める訴訟につき日本の国際裁判管轄が否定された事例
裁判要旨ドイツから自動車等を輸入している日本法人甲がドイツに居住する日本人乙に対して契約上の金銭債務の履行を求める訴訟について、右契約が、ドイツ国内で締結され、甲が乙に同国内における種々の業務を委託することを目的とするものであり、右契約において日本国内の地を債務の履行場所とすること又は準拠法を日本法とすることが明示的に合意されていたわけではなく、乙が二〇年以上にわたりドイツ国内に生活上及び営業上の本拠を置いており、乙の防御のための証拠方法も同国内に集中しているなど判示の事実関係の下においては、日本の国際裁判管轄を否定すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成9年11月11日 平成5(オ)1660
- 登載
- 民集 第51巻10号4055頁
- 参照法条
- 民訴法第1編第1章裁判所,民訴法5条
論点3第5条民事訴訟法
不正競争防止法3条1項に基づく不正競争による侵害の差止めを求める訴え及び差止請求権の不存在確認を求める訴えと民訴法5条9号
裁判要旨不正競争防止法3条1項に基づく不正競争による侵害の差止めを求める訴え及び差止請求権の不存在確認を求める訴えは,いずれも民訴法5条9号所定の訴えに該当する。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成16年4月8日 平成15(許)44
- 登載
- 民集 第58巻4号825頁
- 参照法条
- 民訴法5条9号,不正競争防止法3条1項
論点4第5条民事訴訟法
1 不法行為に基づく損害賠償請求訴訟につき民訴法の不法行為地の裁判籍の規定に依拠して我が国の裁判所の国際裁判管轄を肯定するために証明すべき事項
2 ある管轄原因により我が国の裁判所の国際裁判管轄が肯定される請求の当事者間における他の請求につき民訴法の併合請求の裁判籍の規定に依拠して我が国の裁判所の国際裁判管轄を肯定するための要件
裁判要旨1 我が国に住所等を有しない被告に対し提起された不法行為に基づく損害賠償請求訴訟につき,民訴法の不法行為地の裁判籍の規定に依拠して我が国の裁判所の国際裁判管轄を肯定するためには,原則として,被告が我が国においてした行為により原告の法益について損害が生じたとの客観的事実関係が証明されれば足りる。
2 ある管轄原因により我が国の裁判所の国際裁判管轄が肯定される請求の当事者間における他の請求につき,民訴法の併合請求の裁判籍の規定に依拠して我が国の裁判所の国際裁判管轄を肯定するためには,両請求間に密接な関係が認められることを要する。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成13年6月8日 平成12(オ)929
- 登載
- 民集 第55巻4号727頁
- 参照法条
- 民法709条,民訴法5条9号,民訴法7条本文,民訴法136条,民訴法247条,民訴法第1編第2章裁判所
論点5第6_2条民事訴訟法
地方自治法二四二条の二第一項四号に基づく代位請求訴訟において適法な監査請求手続を経た他の住民が自己の監査請求に係る同条二項所定の期間内にした補助参加の効力
裁判要旨地方自治法二四二条の二第一項四号に基づく代位請求訴訟において、右訴訟の対象と同一の財務会計上の行為又は怠る事実を対象とする適法な監査請求手続を経た他の住民が自己の監査請求に係る同条二項所定の期間内にした補助参加には、いわゆる共同訴訟的補助参加の効力を認めることはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和63年2月25日 昭和61(行ツ)178
- 登載
- 民集 第42巻2号120頁
- 参照法条
- 地方自治法242条の2第1項4号,地方自治法242条の2第2項,民訴法62条,民訴法64条,民訴法69条
論点6第6_2条民事訴訟法
前婚の離婚無効確認の訴え及び後婚の取消の訴えと必要的共同訴訟
裁判要旨前婚の妻の提起する前婚の離婚無効確認の訴えと後婚の婚姻取消の訴えとは、必要的共同訴訟に当たらない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和61年9月4日 昭和60(オ)374
- 登載
- 集民 第148号407頁
- 参照法条
- 民訴法62条,人事訴訟手続法7条,人事訴訟手続法18条
論点7第6_2条民事訴訟法
必要的共同訴訟と二重上告
裁判要旨必要的共同訴訟の共同訴訟人の一人が上告を提起したのちに他の共同訴訟人が提起した上告は、二重上告として不適法である。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和60年4月12日 昭和59(オ)1476
- 登載
- 集民 第144号461頁
- 参照法条
- 民訴法62条1項,民訴法231条,民訴法378条,民訴法396条
論点8第6_2条民事訴訟法
一 共有登記の一部抹消(更正)登記請求訴訟と共有名義人全員を被告とすることの要否
二 被相続人の不動産に関する登記義務が共同相続人によつて承継された場合における当該共同相続人の登記義務の性質
裁判要旨一 自己の持分を登記上侵害されている共同相続人の一人がこれを侵害している他の複数の共同相続人に対して妨害排除としての実質を有する一部抹消(更正)登記手続を請求する訴訟は、右他の共同相続人全員を被告とすべき固有必要的共同訴訟ではない。
二 被相続人の不動産に関する登記義務が共同相続人によつて承継された場合における当該共同相続人の登記義務は、不可分債務である。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和60年11月29日 昭和58(オ)49
- 登載
- 集民 第146号197頁
- 参照法条
- 民訴法62条,民法430条,民法896条,民法898条,不動産登記法63条
論点9第6_2条民事訴訟法
一 普通地方公共団体の複数の住民が提起する地方自治法二四二条の二第一項四号所定の訴訟と類似必要的共同訴訟
二 普通地方公共団体の複数の住民が共同訴訟人として提起した地方自治法二四二条の二第一項四号所定の訴訟において共同訴訟人の一部の者がした上訴と他の共同訴訟人に対する効力
裁判要旨一 普通地方公共団体の複数の住民が提起する地方自治法二四二条の二第一項四号所定の訴訟は、類似必要的共同訴訟と解すべきである。
二 普通地方公共団体の複数の住民が共同訴訟人として提起した地方自治法二四二条の二第一項四号所定の訴訟において、共同訴訟人の一部の者がした上訴は、他の共同訴訟人に対しても効力を生ずる。
(二につき、反対意見がある。)
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和58年4月1日 昭和57(行ツ)11
- 登載
- 民集 第37巻3号201頁
- 参照法条
- 民訴法62条1項,地方自治法242条の2第1項4号
論点10第6_2条民事訴訟法
入会権の確認を求める訴えが原告側について通常訴訟と認められる場合
裁判要旨入会団体に個別的に加入を認められたと主張する者が入会権者に対し入会権を有することの確認を請求する場合には、右主張者が各自単独で訴えを提起することができる。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和58年2月8日 昭和55(オ)936
- 登載
- 集民 第138号79頁
- 参照法条
- 民訴法62条,民法263条,民法294条
論点11第6_2条民事訴訟法
一 入会部落の構成員が有する使用収益権の確認又はこれに基づく妨害排除の請求と右構成員の当事者適格
二 入会部落の構成員が有する使用収益権に基づく地上権設定仮登記抹消登記手続請求の可否
裁判要旨一 入会部落の構成員が有する使用収益権の確認又はこれに基づく妨害排除の請求については、右構成員各自に当事者適格がある。
二 入会部落の構成員は、自己の有する使用収益権を根拠としては入会地について経由された地上権設定仮登記の抹消登記手続を請求することができない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和57年7月1日 昭和51(オ)424
- 登載
- 民集 第36巻6号891頁
- 参照法条
- 民法263条,民訴法45条,民訴法62条
論点12第6_2条民事訴訟法
一 遺言無効確認訴訟における確認の利益の判断にあたり原告の相続分が生前贈与等によりなくなるか否かを考慮することの可否
二 遺言無効確認訴訟が固有必要的共同訴訟にあたらないとされた事例
三 同一の証書に記載された二人の遺言の一方に方式違背がある場合と民法九七五条
裁判要旨一 遺言無効確認訴訟における確認の利益の存否を判断するにあたつては、原則として、原告の相続分が被相続人から受けた生前贈与等によりなくなるか否かを考慮すべきものではない。
二 単に相続分及び遺産分割の方法を指定したにすぎない遺言の無効確認を求める訴は、固有必要的共同訴訟にあたらない。
三 同一の証書に二人の遺言が記載されている場合は、そのうちの一方につき氏名を自書しない方式の違背があるときでも、右遺言は、民法九七五条により禁止された共同遺言にあたる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和56年9月11日 昭和54(オ)1208
- 登載
- 民集 第35巻6号1013頁
- 参照法条
- 民法902条,民法903条1項,民法903条2項,民法908条,民法968条1項,民法975条,民法985条,民訴法62条,民訴法225条
論点13第6_2条民事訴訟法
嫡出親子関係不存在確認の訴における父子関係と母子関係との合一確定の要否
裁判要旨嫡出親子関係不存在確認の訴においては、父子関係と母子関係との各不存在を合一に確定する必要はない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和56年6月16日 昭和55(オ)661
- 登載
- 民集 第35巻4号791頁
- 参照法条
- 民訴法62条,人事訴訟手続法第2章親子関係事件ニ関スル手続
論点14第6_2条民事訴訟法
当事者参加訴訟において上訴の相手方とされずかつみずから上訴しなかつた当事者の上訴審における地位
裁判要旨当事者参加訴訟において上訴の相手方とされず、かつ、みずから上訴しなかつた当事者は、当該上訴審において被上訴人の地位に立つものと解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和50年3月13日 昭和48(オ)699
- 登載
- 民集 第29巻3号233頁
- 参照法条
- 民訴法62条,民訴法71条
論点15第6_2条民事訴訟法
当事者参加訴訟の一審判決に対し一入が控訴した場合における他の二者間の請求と控訴審の審判
裁判要旨原告甲の被告乙に対する請求ならびに参加入丙の甲および乙に対する各請求が合一にのみ確定すべき当事者参加訴訟において、甲の乙に対する請求を棄却し、丙の甲および乙に対する請求をそれぞれ一部認容する旨の一審判決に対し、甲が、その敗訴部分の取消、甲の乙に対する請求認容および丙の甲に対する請求中一審認容部分の棄却を求めて控訴したにとどまり、乙が控訴または附帯控訴をしない場合であつても、控訴審は合一確定に必要な限度で、一審判決中丙の乙に対する請求を認容した部分を丙に不利に変更することができる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和48年7月20日 昭和44(オ)316
- 登載
- 民集 第27巻7号863頁
- 参照法条
- 民訴法62条,民訴法71条,民訴法186条,民訴法377条1項,民訴法385条
論点16第6_2条民事訴訟法
共有地についての境界確定の訴と固有必要的共同訴訟
裁判要旨隣接する土地の一方または双方が共有に属する場合の境界確定の訴は、固有必要的共同訴訟と解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和46年12月9日 昭和44(オ)279
- 登載
- 民集 第25巻9号1457頁
- 参照法条
- 民訴法62条,民法223条,民法251条
論点17第6_2条民事訴訟法
一、共有者全員が提起した共有権確認訴訟と固有必要的共同訴訟
二、共有者全員が提起した共有権に基づく所有権移転登記手続請求訴訟と固有必要的共同訴訟
裁判要旨一、一個の物を共有する数名の者全員が、共同原告となり、共有権(その数名が共同して有する一個の所有権)に基づき共有権の確認を求めているときは、その訴訟の形態は、固有必要的共同訴訟と解すべきである。
二、一個の不動産を共有する数名の者全員が、共同原告となり、共有権(その数名が共同して有する一個の所有権)に基づき所有権移転登記手続を求めているときは、その訴訟の形態は、固有必要的共同訴訟と解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和46年10月7日 昭和42(オ)535
- 登載
- 民集 第25巻7号885頁
- 参照法条
- 民訴法62条,民法249条,民法251条
論点18第6_2条民事訴訟法
賃貸人の共同相続人に対して賃借権の確認を求める訴訟と必要的共同訴訟の成否
裁判要旨不動産の賃借人が賃貸人の相続人に対して賃借権の確認を求める訴訟は、相続人が数人あるときでも、必要的共同訴訟ではない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和45年5月22日 昭和45(オ)64
- 登載
- 民集 第24巻5号415頁
- 参照法条
- 民訴法62条,民法430条
論点19第6_2条民事訴訟法
一、一筆の土地の一部の明渡を命ずる判決における主文不明確の事例
二、共同訴訟人間における証拠共通の原則
三、不動産の二重譲渡において双方の買主がそれぞれ売主に対して処分禁止の仮処分を執行した後第一次仮処分債権者が本案の勝訴判決に基づいて所有権移転登記を経由した場合と第二次仮処分債権者に対する所有権の対抗
裁判要旨一、一筆の土地の一部の明渡を命ずる判決において、土地の表示として土地の所在地番のほか「一、山林三反四畝歩のうち東部の宅地一三九坪」との記載があるにとどまり、記録中にも明渡を命ずる土地の範囲がいかなる部分かを特定する手掛りが存在しないときは、右土地の範囲を明確にしたものとはいえず、主文不明確の違法がある。
二、共同訴訟人の一人が提出した証拠は、その相手方に対するばかりでなく、他の共同訴訟人とその相手方に対する関係においても証拠として認定資料に供することができる。
三、不動産が二重に譲渡された後、双方の買主がそれぞれ売主を債務者とする処分禁止の仮処分を執行した場合において、第一次仮処分債権者たる買主が本案たる所有権移転登記請求訴訟に勝訴し、その確定判決に基づき売主から所有権移転登記を経由したときは、右買主は、第二次仮処分債権者たる買主に対し自己の所有権取得を対抗することができるものと解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和45年1月23日 昭和43(オ)282
- 登載
- 集民 第98号43頁
- 参照法条
- 民訴法62条,民訴法185条,民訴法191条,民訴法755条,民訴法758条,民法177条
論点20第6_2条民事訴訟法
賃貸借契約終了または所有権に基づく家屋明渡請求権を共同相続した者の賃借権者または不法占有者に対する家屋明渡請求訴訟は必要的共同訴訟か
裁判要旨賃貸借契約終了または所有権に基づく家屋明渡請求権を共同相続した者の賃借権者または不法占有者に対する家屋明渡請求訴訟は、必要的共同訴訟ではない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和44年7月24日 昭和43(オ)781
- 登載
- 集民 第96号381頁
- 参照法条
- 民訴法61条,民訴法62条
論点21第6_2条民事訴訟法
一、民訴法第七一条〈訴訟費用額の確定手続〉の参加のある訴訟と本案判決
二、右訴訟の本案につき一部判決がされた違法と職権調査事項
裁判要旨一、民訴法
第七一条〈訴訟費用額の確定手続〉の参加に基づく、参加人、原告、被告間の訴訟について本案判決をするときは、右三当事者を判決の名宛人とする一個の終局判決のみが許され、右当事者の一部に関する判決をすることも、また、残余のものに関する追加判決をすることも、許されない。
二、右に違背してされた一部判決の違法は職権調査事項にあたる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和43年4月12日 昭和41(オ)288
- 登載
- 民集 第22巻4号877頁
- 参照法条
- 民訴法71条,民訴法62条,民訴法183条,民訴法195条,民訴法405条
論点22第6_2条民事訴訟法
入会権確認の訴は固有必要的共同訴訟か
裁判要旨入会権確認の訴は、入会権が共有の性質を有するかどうかを問わず、入会権者全員で提起することを要する固有必要的共同訴訟である。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和41年11月25日 昭和34(オ)650
- 登載
- 民集 第20巻9号1921頁
- 参照法条
- 民法263条,民法294条,民訴法62条
論点23第6_2条民事訴訟法
行政処分取消訴訟の補助参加人の法律上の地位。
裁判要旨行政処分取消訴訟に補助参加した者は、いわゆる共同訴訟的補助参加人と解するのが相当である。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和40年6月24日 昭和37(オ)1128
- 登載
- 民集 第19巻4号1001頁
- 参照法条
- 行政事件訴訟特例法8条,民訴法62条,民訴法69条
論点24第6_2条民事訴訟法
民訴法第七一条〈訴訟費用額の確定手続〉に基づく参加人が原告および被告の双方を相手方として確認の請求をした場合において相手方の一方が参加人の請求を争わないときと確認の利益の有無。
裁判要旨民訴法
第七一条〈訴訟費用額の確定手続〉に基づく参加人が原告および被告の双方を相手方として確認の請求をした場合において、相手方の一方が参加人の請求を争わないときでも、他の相手方が参加人の請求を争つているかぎり、参加人は、相手方双方に対し、当然確認の利益を有する。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和40年10月15日 昭和39(オ)402
- 登載
- 民集 第19巻7号1788頁
- 参照法条
- 民訴法62条,民訴法71条,民訴法225条
論点25第6_2条民事訴訟法
当事者参加許否の裁判のないうちに被参加訴訟の本案判決がなされたことの違法は本来の当事者の上告理由になりうるか。
裁判要旨当事者参加許否の裁判のないうちに被参加訴訟の本案判決がなされたことの違法を主張して、本来の当事者が上告申立をしても、右違法の主張は、上告理由とならない(昭和三五年(オ)第二一三号同三七年五月二九日第三小法廷判決、民集一六巻五号一二三三頁参照)。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和38年10月1日 昭和35(オ)775
- 登載
- 集民 第68号15頁
- 参照法条
- 民訴法71条,民訴法62条,民訴法393条
論点26第6_2条民事訴訟法
一 国税徴収法(昭和三四年法律第一四七号による改正前)第二三条ノ一にいう代位の意義
二 同法条に基づき被差押債権者に代位する国は被差押債権者債務者間の訴訟に対し民訴第七一条〈訴訟費用額の確定手続〉に基づく当事者参加ができるか
裁判要旨一 国税徴収法(昭和34年法律第一四七号による改正前)第二三条ノ一による国の代金とは国税滞納処分の債権差押により国が被差押債権の取立権を取得し債権者の権利を行使しうるに至る法律関係をいう。
二 同法条に基づき被差押債権者に代位する国は、被差押債権に基づく債権者債務者間の訴訟に対し民訴
第七一条〈訴訟費用額の確定手続〉による当事者参加ができる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和37年8月10日 昭和35(オ)959
- 登載
- 民集 第16巻8号1726頁
- 参照法条
- 国税徴収法(昭和34年法律147号による改正前)23条ノ1,民訴法71条,民訴法62条
論点27第6_2条民事訴訟法
当事者参加不許の裁判未確定のうちになされた被参加訴訟の本案判決に対する上告申立の適否
裁判要旨原審が民訴
第七一条〈訴訟費用額の確定手続〉の当事者参加を許さずとする裁判の確定を待たずに本来の対立当事者間の訴訟につき本案判決をなしたことを違法とする主張は、右本案判決における当事者の上告適法の理由とならない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和37年5月29日 昭和35(オ)213
- 登載
- 民集 第16巻5号1233頁
- 参照法条
- 民訴法71条,民訴法62条,民訴法393条
論点28第6_2条民事訴訟法
第一審被告が参加人を相手方として上告を申し立てた場合における第一審原告の地位。
裁判要旨所有権確認訴訟の係属中、訴訟の目的たる権利を原告から譲り受けたことを主張して訴訟参加をした者が、第二審で勝訴し、被告が参加人を相手方として上告の申立をしたときは、原告のためにもその効力を生じ、同人は被上告人たる地位を取得したものと解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和36年3月16日 昭和34(オ)212
- 登載
- 民集 第15巻3号524頁
- 参照法条
- 民訴法62条,民訴法71条,民訴法73条
論点29第6_2条民事訴訟法
訴訟行為の無効を主張し得ない事例
裁判要旨訴訟手続が必要的共同訴訟人の一人の死亡により中断した場合に、右死亡者について受継手続をなすべき者が他の共同訴訟人の中に在りながら何らその手続をとらないままに控訴申立を始め控訴審における一切の訴訟行為をなした場合においては、共同訴訟人らは上告審においてその訴訟行為の無効を主張することは許されない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和34年3月26日 昭和26(オ)518
- 登載
- 民集 第13巻4号493頁
- 参照法条
- 民訴法62条,民訴法208条,民訴法222条,民訴法第1編(総則)第4章(訴訟手続)第1節(口頭弁論)
論点30第6_2条民事訴訟法
不動産共有者の一人のみによる登記簿上の所有名義人に対する登記抹消請求の許否
裁判要旨不動産共有者の一人はその持分権に基き、単独で当該不動産につき登記簿上所有名義を有する者に対しその登記の抹消を請求することができる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和31年5月10日 昭和29(オ)4
- 登載
- 民集 第10巻5号487頁
- 参照法条
- 民法252条,民訴法62条
論点31第6_2条民事訴訟法
一 請求の趣旨の減縮の性質
二 主たる債務者と連帯保証人とを共同被告とする訴訟は必要的共同訴訟か
裁判要旨一 請求の趣旨の減縮は、訴の一部取下にすぎず、民訴
第二三二条第二項〈検証の目的の提示等〉にいわゆる請求の変更にあたらない。
二 主たる債務者と連帯保証人とを共同被告とする訴訟は、必要的共同訴訟にはあたらない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和27年12月25日 昭和24(オ)207
- 登載
- 民集 第6巻12号1255頁
- 参照法条
- 民訴法236条,民訴法232条,民訴法62条
論点32第6_2条民事訴訟法
共同相続人間における遺産確認の訴えと固有必要的共同訴訟
裁判要旨共同相続人間における遺産確認の訴えは、固有必要的共同訴訟と解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成元年3月28日 昭和60(オ)727
- 登載
- 民集 第43巻3号167頁
- 参照法条
- 民訴法62条,民訴法225条,民法898条
論点33第6_2条民事訴訟法
共有に属する要役地のために地役権設定登記手続を求める訴えと固有必要的共同訴訟
裁判要旨共有に属する要役地のために地役権設定登記手続を求める訴えは、固有必要的共同訴訟に当たらない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成7年7月18日 平成3(オ)1684
- 登載
- 民集 第49巻7号2664頁
- 参照法条
- 民訴法62条,民法252条,民法280条
論点34第6_2条民事訴訟法
実用新案登録を受ける権利の共有者が提起する審決取消訴訟と固有必要的共同訴訟
裁判要旨実用新案登録を受ける権利の共有者が、共同で拒絶査定に対する審判を請求し、請求が成り立たない旨の審決を受けた場合に提起する審決取消訴訟は、固有必要的共同訴訟である。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成7年3月7日 平成6(行ツ)83
- 登載
- 民集 第49巻3号944頁
- 参照法条
- 民訴法62条,実用新案法(平成5年法律第26号による改正前のもの)41条,実用新案法(平成5年法律第26号による改正前のもの)47条,特許法132条3項
論点35第6_2条民事訴訟法
固有必要的共同訴訟における共同被告の一部に対する訴えの取下げの効力
裁判要旨固有必要的共同訴訟における共同被告の一部に対する訴えの取下げは、効力を生じない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成6年1月25日 平成5(オ)641
- 登載
- 民集 第48巻1号41頁
- 参照法条
- 民訴法62条,民訴法236条
論点36第6_2条民事訴訟法
既にした執行処分の取消し等により強制執行が目的を達せずに終了した場合における執行費用の負担
裁判要旨既にした執行処分の取消し等により強制執行が目的を達せずに終了した場合における執行費用の負担は,執行裁判所が,民事執行法20条において準用する民訴法73条の規定に基づいて定めるべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成29年7月20日 平成29(許)1
- 登載
- 第71巻6号952頁
- 参照法条
- 民事執行法20条,民事執行法42条1項,民訴法62条,民訴法73条
論点37第6_2条民事訴訟法
1 特許を無効にすべき旨の審決の取消請求を棄却した原判決に係る事件の上告審係属中に当該特許について特許請求の範囲を減縮する旨の訂正審決が確定したことにより原判決を破棄する場合に上記無効審決を取り消す旨の自判をした事例
2 特許を無効にすべき旨の審決の取消訴訟の係属中に当該特許について特許請求の範囲を減縮する旨の訂正審決が確定したことにより上記無効審決を取り消す場合に訴訟の総費用を特許権者に負担させた事例
裁判要旨(省略)
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成17年10月18日 平成17(行ヒ)106
- 登載
- 集民 第218号79頁
- 参照法条
- (1,2につき)特許法(平成6年法律第116号による改正前のもの)123条,特許法126条 (1につき)民訴法326条1号,民訴法338条1項8号 (2につき)民訴法62条
論点38第7条民事訴訟法
民訴法38条〈共同訴訟の要件〉後段の要件を満たす共同訴訟につき同法7条ただし書により同法9条の適用が排除されるか
裁判要旨民訴法
38条〈共同訴訟の要件〉後段の要件を満たす共同訴訟であって,いずれの共同訴訟人に係る部分も受訴裁判所が土地管轄権を有しているものについて,同法
7条〈併合請求における管轄〉ただし書により同法9条の適用が排除されることはない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成23年5月30日 平成23(許)13
- 登載
- 集民 第237号1頁
- 参照法条
- 民訴法7条,民訴法9条,民訴法16条1項,民訴法38条後段
論点39第7条民事訴訟法
民訴法38条〈共同訴訟の要件〉後段の要件を満たす共同訴訟につき同法7条ただし書により同法9条の適用が排除されるか
裁判要旨民訴法
38条〈共同訴訟の要件〉後段の要件を満たす共同訴訟であって,いずれの共同訴訟人に係る部分も受訴裁判所が土地管轄権を有しているものについて,同法
7条〈併合請求における管轄〉ただし書により同法9条の適用が排除されることはない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成23年5月18日 平成23(許)4
- 登載
- 民集 第65巻4号1755頁
- 参照法条
- 民訴法7条,民訴法9条,民訴法16条1項,民訴法38条後段
論点40第7条民事訴訟法
一 香港高等法院がした訴訟費用の負担を命ずる裁判と民事執行法二四条所定の「外国裁判所の判決」
二 併合請求の裁判籍が存在することを根拠に香港の裁判所に民訴法一一八条一号所定の「外国裁判所の裁判権」が認められた事例
三 司法共助に関する条約に定められた方法によらない送達と民訴法一一八条二号所定の「訴訟の開始に必要な呼出し若しくは命令の送達」
四 香港在住の当事者から私的に依頼を受けた者が我が国でした直接交付の方法による送達と民訴法一一八条二号
五 弁護士費用を含む訴訟費用全額の負担を命ずる裁判と民訴法一一八条三号所定の「公の秩序」
六 中国に返還される前の香港と我が国との間における民訴法一一八条四号所定の「相互の保証」の有無
裁判要旨一 香港高等法院がした訴訟費用負担命令並びにこれと一体を成す費用査定書及び費用証明書は、民事執行法二四条所定の「外国裁判所の判決」に当たる。
二 甲及び甲が代表者を務める乙会社と丁との間の起訴契約に基づき、丁が丙に対して香港の裁判所に保証債務の履行を求める第一訴訟を提起したところ、丙が、第一訴訟が認容された場合に備えて、甲に対して根抵当権の代位行使ができることの確認を求める第二訴訟を、甲及び乙会社に対して求償請求ができることの確認を求める第三訴訟を提起し、第一訴訟及び第二訴訟については香港に国際裁判管轄が存在するなど判示の事実関係の下においては、第三訴訟については、民訴法
七条〈併合請求における管轄〉の規定の趣旨に照らし、第二訴訟との間の併合請求の裁判籍が香港に存在することを肯認して、香港の裁判所のした判決を我が国で承認することが、当事者間の公平、裁判の適正・迅速の理念に合致し、条理にかなうものである。
三 裁判上の文書の送達につき、判決国と我が国との間に司法共助に関する条約が締結されていて、訴訟手続の開始に必要な文書の送達が右条約に定める方法によるべきものとされている場合には、右条約に定められた方法を遵守しない送達は、民訴法
一一八条二号〈外国裁判所の確定判決の効力 敗訴の被告が訴訟の開始に必要な呼出し若しくは命令の送達(公示送達その他これに類する送達を除く。)を受けたこと又はこれを受けなかったが応訴したこと。〉所定の要件を満たさない。
四 香港在住の当事者から私的に依頼を受けた者が我が国でした直接交付の方法による送達は、民訴法
一一八条二号所定の要件を満たさない。
五 弁護士費用を含む訴訟費用の全額をいずれか一方の当事者に負担させる裁判は、実際に生じた費用の範囲内でその負担を命ずるものである限り、民訴法
一一八条三号所定の「公の秩序」に反するものではない。
六 中国に返還される前の香港と我が国との間には、金銭の支払を命じた判決に関し、民訴法
一一八条四号所定の「相互の保証」がある。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成10年4月28日 平成6(オ)1838
- 登載
- 民集 第52巻3号853頁
- 参照法条
- 民事執行法22条6号,民事執行法24条,民訴法7条,民訴法118条,民事又は商事に関する裁判上及び裁判外の文書の外国における送達及び告知に関する条約,日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の領事条約
論点41第8条民事訴訟法
多数の周辺住民が提起した林地開発行為許可処分取消訴訟における控訴提起の手数料額の算定
裁判要旨森林法一〇条の二に基づく林地開発行為の許可処分につき、許可区域周辺に居住する多数の原告が、右開発行為により、同区域周辺の水質の悪化、水量の変化、大気汚染、その他の環境悪化を生じ、原告らの水利権、人格権、不動産所有権等が害されるおそれがあるところ、右処分には同条二項所定の不許可事由があるのにされた違法があるなどと主張して、右処分の取消しを求める訴訟においては、各原告が訴えで主張する利益は全員に共通であるとはいえず、控訴の提起の手数料の額は、右利益によって算定される訴訟の目的の価額とみなされる九五万円を合算した額に応じて算出すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成12年10月13日 平成12(行フ)1
- 登載
- 集民 第200号1頁
- 参照法条
- 民事訴訟費用等に関する法律4条1項,民事訴訟費用等に関する法律4条2項,民事訴訟費用等に関する法律別表第1,民訴法8条1項,民訴法9条1項,森林法10条の2第1項,森林法10条の2第2項
論点42第9条民事訴訟法
労働基準法114条の付加金の請求の価額は,同条所定の未払金の請求に係る訴訟の目的の価額に算入されるか
裁判要旨労働基準法114条の付加金の請求については,同条所定の未払金の請求に係る訴訟において同請求とともにされるときは,民訴法
9条2項〈併合請求の場合の価額の算定〉にいう訴訟の附帯の目的である損害賠償又は違約金の請求に含まれるものとして,その価額は当該訴訟の目的の価額に算入されない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成27年5月19日 平成26(許)36
- 登載
- 民集 第69巻4号635頁
- 参照法条
- 民事訴訟費用等に関する法律3条1項,民事訴訟費用等に関する法律4条1項,民事訴訟費用等に関する法律別表第1第5項,民訴法9条2項,労働基準法114条
論点43第9条民事訴訟法
同一の敷地にあって一つのリゾートホテルを構成している複数の建物の固定資産課税台帳の登録価格についてされた審査申出の棄却決定の取消しを求める各請求が互いに行政事件訴訟法13条6号所定の関連請求に当たるとされた事例
裁判要旨同一の敷地にあって一つのリゾートホテルを構成している同一人所有の複数の建物について,固定資産課税台帳に登録された同一年度の価格につき需給事情による減点補正がされていないのは違法であるとしてされた審査の申出を棄却する固定資産評価審査委員会の決定のうち,所有者が各建物の適正な時価と主張する価格を超える部分の取消しを求める各請求は,互いに行政事件訴訟法13条6号所定の関連請求に当たる。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成17年3月29日 平成16(行フ)5
- 登載
- 民集 第59巻2号477頁
- 参照法条
- 行政事件訴訟法13条6号,行政事件訴訟法16条1項,民訴法9条1項
論点44第9条民事訴訟法
1 共同して訴えを提起した各原告の請求の価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする場合において、訴え提起の手数料につき各原告に対する訴訟上の救助の付与対象となるべき額
2 共同して訴えを提起した各原告の請求の価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする場合において、各原告につき民訴法82条1項本文にいう「訴訟の準備及び追行に必要な費用」として考慮すべき訴え提起の手数料の額
裁判要旨1 共同して訴えを提起した各原告の請求の価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする場合において、訴え提起の手数料につき各原告に対する訴訟上の救助の付与対象となるべき額は、上記訴訟の目的の価額を基礎として算出される訴え提起の手数料の額を各原告の請求の価額に応じて案分して得た額に限られる。
2 共同して訴えを提起した各原告の請求の価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする場合において、各原告につき民訴法82条1項本文にいう「訴訟の準備及び追行に必要な費用」として考慮すべき訴え提起の手数料の額は、上記訴訟の目的の価額を基礎として算出される訴え提起の手数料の額を各原告の請求の価額に応じて案分して得た額である。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 令和5年10月19日 令和5(許)1
- 登載
- 民集 第77巻7号1756頁
- 参照法条
- (1、2につき)民訴法9条1項本文、民訴法82条1項本文、民事訴訟費用等に関する法律4条1項、民事訴訟費用等に関する法律9条3項柱書き (1につき)民訴法83条1項1号
論点45第9条民事訴訟法
特別区議会議員選挙に係る当選人甲の当選無効の決定の取消しを求める請求及び同決定に対する審査の申立てを棄却するとの裁決の取消しを求める請求と当選人乙の当選無効を求める請求とでは訴えで主張する利益が共通であるとはいえないとされた事例
裁判要旨特別区選挙管理委員会による特別区議会議員選挙に係る当選人甲の当選無効の決定の取消しを求める請求及び都選挙管理委員会による同決定に対する審査の申立てを棄却するとの裁決の取消しを求める請求と,当選人乙の当選無効を求める請求とでは,訴えで主張する利益が共通であるとはいえない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 令和3年4月27日 令和2(行フ)2
- 登載
- 集民 第265号143頁
- 参照法条
- 民事訴訟費用等に関する法律4条1項,民訴法9条1項,公職選挙法207条
論点46第10_2条民事訴訟法
別件で刑事施設に収容されている再審請求人の届出住居に宛てて行った同人に対する再審請求棄却決定謄本の付郵便送達が有効とされた事例
裁判要旨再審請求人が,住居の届出をした後,裁判所に対してその変更届出等をしてこなかった一方で,裁判所も,同人の所在を把握できず,その端緒もなかったなどの判示の事実関係の下では,同人が別件で刑事施設に収容されていたとしても,上記届出住居に宛てて行った同人に対する再審請求棄却決定謄本の書留郵便に付する送達は,刑訴規則63条1項によるものとして有効である。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成27年3月24日 平成26(し)567
- 登載
- 刑集 第69巻2号506頁
- 参照法条
- 刑訴法54条,刑訴規則62条1項,刑訴規則62条3項,刑訴規則63条1項,民訴法102条3項
論点47第11条民事訴訟法
地方裁判所にその管轄区域内の簡易裁判所の管轄に属する訴訟が提起され,被告から同簡易裁判所への移送の申立てがあった場合における同申立てを却下する旨の判断と地方裁判所の裁量
裁判要旨地方裁判所にその管轄区域内の簡易裁判所の管轄に属する訴訟が提起され,被告から同簡易裁判所への移送の申立てがあった場合において,同申立てを却下する旨の判断は,民訴法
16条2項〈管轄違いの場合の取扱い〉の規定の趣旨にかんがみ,広く当該事件の事案の内容に照らして地方裁判所における審理及び裁判が相当であるかどうかという観点からされるべきであり,地方裁判所の合理的な裁量にゆだねられる。このことは,簡易裁判所の管轄が専属的管轄の合意によって生じた場合であっても異ならない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成20年7月18日 平成20(許)21
- 登載
- 民集 第62巻7号2013頁
- 参照法条
- 民訴法11条,民訴法16条
論点48第16条民事訴訟法
訴状が最高裁判所に提出された場合に当該訴えが訴訟上の信義則に反するとして却下すべきものとされた事例
裁判要旨訴状が最高裁判所に提出された場合に、次の⑴~⑷など判示の事情の下では、当該訴えは、訴訟上の信義則に反するとして却下すべきものである。
⑴ 上記訴状には、上記訴えに係る訴訟を最高裁判所とは異なる特定の裁判所へ移送することを求める旨の記載がある。
⑵ 上記訴訟が上記裁判所の管轄に属することをうかがわせる事情はない。
⑶ 上記訴状は弁護士によって作成され提出されたものである。
⑷ 上記弁護士は上記訴えの提起以前にも殊更にこれと同様の行為を繰り返してきた。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 令和8年1月28日 令和7(マ)244
- 登載
- ―
- 参照法条
- 民訴法2条、民訴法16条1項、民訴法317条1項
論点49第16条民事訴訟法
最高裁判所が、抗告許可の申立てについて、抗告許可申立書が最高裁判所に提出されたことを理由として、原裁判所に移送することなく不適法として却下することができる場合
裁判要旨抗告許可の申立てをする者が、抗告許可申立書を提出すべき裁判所が原裁判所であることを認識しながら不当な目的をもってあえて最高裁判所に抗告許可申立書を提出した場合には、最高裁判所は、抗告許可の申立てについて、抗告許可申立書が最高裁判所に提出されたことを理由として、原裁判所に移送することなく不適法として却下することができる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 令和8年1月28日 令和7(許)18
- 登載
- 民集 第80巻1号101頁
- 参照法条
- 民訴法16条1項、民訴法286条1項、民訴法313条、民訴法337条1項、2項、6項
論点50第20_2条民事訴訟法
訴え却下の第一審判決を是認して口頭弁論を経ないで控訴棄却の判決を言い渡す場合と判決言渡期日の告知及び呼出手続の要否
裁判要旨訴え却下の第一審判決を是認して口頭弁論を経ないで控訴棄却の判決を言い渡す場合には、当事者に対し判決言渡期日の告知及び呼出手続をすることを要しない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和62年10月1日 昭和62(オ)457
- 登載
- 集民 第152号1頁
- 参照法条
- 民訴法154条,民訴法188条,民訴法202条,民訴法384条
論点51第20_2条民事訴訟法
口頭弁論を経ないで控訴を棄却する判決を言い渡す場合と判決言渡期日の告知及び呼出手続の要否
裁判要旨訴え却下の第一審判決を是認して口頭弁論を経ないで控訴棄却の判決を言い渡す場合には、当事者に対し判決言渡期日の告知及び呼出手続をすることを必要としない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和57年10月19日 昭和57(オ)541
- 登載
- 集民 第137号391頁
- 参照法条
- 民訴法154条,民訴法188条,民訴法202条,民訴法384条
論点52第20_2条民事訴訟法
一 憲法の無効確認を求める訴の適否
二 最高裁判所に直接提起された憲法の無効確認を求める訴を下級裁判所に移送することなく却下した事例
裁判要旨一 憲法の無効確認を求める訴は、不適法である。
二 最高裁判所に直接提起された憲法の無効確認を求める訴は、下級裁判所に移送するまでもなく、却下を免れない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和55年5月6日 昭和53(マ)96
- 登載
- 集民 第129号633頁
- 参照法条
- 民訴法30条,民訴法202条,憲法76条
論点53第20_2条民事訴訟法
一 印紙追貼命令およびこれに従わないことによる上告状却下命令に対する救済を行政事件訴訟によつて求めることの許否
二 控訴審において民訴法第二〇二条によつた原判決を相当として口頭弁論を経ることなく控訴を棄却することの許否
裁判要旨一 上告状についての印紙追貼命令およびこれに従わないことによる上告状却下命令に対する不服は、民訴法所定の手続によるべく、審級の定めから上訴による不服申立のみちがない場合においても、行政事件訴訟をもつてその救済を求めることは許されない。
二 訴を不適法でその欠缺を補正しがたいものと認め民訴法第二〇二条により口頭弁論を経ないで却下した第一審判決に対し、控訴のあつた場合において、右原審の判断を相当とするときは、控訴審においても、口頭弁論を経ないで控訴を棄却することができる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和41年4月15日 昭和38(オ)969
- 登載
- 集民 第83号191頁
- 参照法条
- 民訴法397条,民訴法370条,民訴法228条,民訴法378条,民訴法202条,行訴法3条
論点54第20_2条民事訴訟法
団体等規正令並びに解散団体の財産の管理及び処分等に関する政令に基く法務総裁の処分の効力を争う訴の提起があつたときの裁判
裁判要旨団体等規正令並びに解散団体の財産の管理及び処分等に関する政令に基く法務総裁の処分の効力を争う訴の提起を受けたときは、裁判長は直ちに、命令をもつて訴状を却下すべく、右命令に対する抗告事件においては、抗告裁判所の裁判長は、直ちに、命令をもつて抗告状を却下すべきである。また、右と異る下級審の裁判に対し上訴が提起されたときは、上訴裁判所は、直ちに、原判決を取り消し、訴状を却下すべきものである。
- 裁判
- 最高裁判所大法廷 昭和25年7月5日 昭和25(オ)147
- 登載
- 民集 第4巻7号264頁
- 参照法条
- 民訴法228条,民訴法202条,団体等規正令,解散団体の財産の管理及び処分等に関する政令(昭和23年政令238号)
論点55第20_2条民事訴訟法
一 国籍取得の原因に関する過去の事実の確認を求める訴の適否
二 アメリカ合衆国の国籍に関する確認訴訟の管轄
裁判要旨一 被上告人等の有する日本の国籍が出生によるものであつて国籍の回復によるものでないというが如き過去の事実の確認を求める訴は許されない。
二 被上告人がアメリカ合衆国の国籍を有することの確認を求める訴は、アメリカ合衆国の裁判権に専属するものであつて、わが国の裁判権に属しない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和24年12月20日 昭和24(オ)24
- 登載
- 民集 第3巻12号507頁
- 参照法条
- 裁判所法3条,民訴法225条,民訴法202条,国籍法20条ノ2,国籍法26条
論点56第20_2条民事訴訟法
不適法なことが明らかであって当事者の訴訟活動により適法とすることが全く期待できない訴えにつき口頭弁論を経ずに訴えを却下するか又は却下判決に対する控訴を棄却する場合における被告に対する訴状、控訴状又は判決正本の送達の要否
裁判要旨不適法なことが明らかであって当事者の訴訟活動により適法とすることが全く期待できない訴えにつき、口頭弁論を経ずに、訴えを却下するか、又は却下判決に対する控訴を棄却する場合には、訴状において被告とされている者に対し訴状、控訴状又は判決正本を送達することを要しない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成8年5月28日 平成7(行ツ)67
- 登載
- 集民 第179号95頁
- 参照法条
- 民訴法193条,民訴法202条,民訴法229条,民訴法371条,民訴法384条
論点57第20_2条民事訴訟法
一 公共施設の管理者である国若しくは地方公共団体又はその機関が都市計画法三二条所定の同意を拒否する行為と抗告訴訟の対象
二 主位的請求を認容した原判決を破棄して右請求に係る訴えを却下すべきものとした場合において不適法でその欠缺を補正することができない予備的請求に係る訴えを上告審が却下することの可否
裁判要旨一 公共施設の管理者である国若しくは地方公共団体又はその機関が都市計画法三二条所定の同意を拒否する行為は、抗告訴訟の対象となる処分に当たらない。
二 主位的請求を認容した原判決を破棄して右請求に係る訴えを却下すべきものとした場合において、予備的請求に係る訴えが不適法でその欠缺を補正することができないときは、上告審は、右訴えを却下することができる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成7年3月23日 平成6(行ツ)19
- 登載
- 民集 第49巻3号1006頁
- 参照法条
- 行政事件訴訟法3条2項,都市計画法30条2項,都市計画法32条,民訴法202条,民訴法408条