民事訴訟法 / テーマ別まとめ

裁判所/管轄

管轄の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

この頁では、訴えをどの裁判所に提起できるかを定める民事訴訟法の管轄規定を整理しています。被告の住所地による原則的な管轄(普通裁判籍)に加え、特許権等・意匠権等の訴えの専属管轄や競合管轄、当事者の合意や応訴による管轄の発生、管轄違いの場合の移送手続までを扱います。実務上は、どの裁判所に訴状を提出すべきか、また訴訟をどの裁判所に移送できるかを判断する際の基礎となります。

管轄
種類決まり方管轄裁判所
普通裁判籍(原則)被告の住所地等で決定住所地等を管轄する裁判所
財産権上の訴え等各号所定の地でも提訴可各号所定地の裁判所
特許権等の訴え専属管轄(東京・大阪に集中)東京地裁または大阪地裁
意匠権等・不正競争訴え東京・大阪にも提訴可(競合)東京地裁または大阪地裁
合意管轄第一審に限り書面合意で決定合意した裁判所
応訴管轄異議なく本案弁論で成立その裁判所
  • 合意管轄は第一審に限り、書面(電磁的記録を含む)が必要です。
  • 専属管轄の定めがある訴えには、4条1項・5条・6条2項・6条の2・7条・11条・12条は適用されません。
  • 特許権等の訴えの第一審終局判決に対する控訴は、原則として東京高裁の専属管轄です。
  • 訴額が算定不能または極めて困難なときは140万円を超えるものとみなされます。
  • 管轄は訴えの提起の時を基準として定まります。
  • 管轄違いのときは、申立てまたは職権で管轄裁判所へ移送されます。
1

管轄

管轄について、条文は何を定めているか。

第4条普通裁判籍による管轄被告の住所地等が原則の管轄6項判例 1件
  • 訴えは被告の住所地を管轄する裁判所に提起する
  • 住所不明なら居所、居所不明なら最後の住所による
  • 法人は主たる事務所・営業所の所在地による
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第5条財産権上の訴え等についての管轄定められた類型ごとに追加の管轄地1項判例 3件
  • 特定の訴えの類型ごとに定められた地でも提訴できる
  • 各号にどの訴えが該当するかは条文各号で定まる
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第6条特許権等に関する訴え等の管轄特許権等の訴えは東京・大阪に集中3項・2号判例なし
  • 東京高裁等管内の地裁の訴えは東京地裁の専属管轄
  • 大阪高裁等管内の地裁の訴えは大阪地裁の専属管轄
  • 簡裁管轄でも東京・大阪地裁に提訴可、控訴は東京高裁専属が原則
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第6_2条意匠権等に関する訴えの管轄意匠権等の訴えは東京・大阪にも提訴可1項・2号判例 33件
  • 東京地裁以外の東京高裁等管内地裁分は東京地裁にも提訴可
  • 大阪地裁以外の大阪高裁等管内地裁分は大阪地裁にも提訴可
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第7条併合請求における管轄一部の請求に管轄があれば併合提訴可1項判例 4件
  • 一つの訴えで複数請求するとき一請求に管轄あれば足りる
  • 数人が当事者の場合は38条〈共同訴訟の要件〉前段の場合に限られる
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第8条訴訟の目的の価額の算定訴額は訴えで主張する利益で算定2項判例 1件
  • 訴額は原告が訴えで主張する利益をもとに算定する
  • 算定不能・極めて困難なときは140万円超とみなす
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第9条併合請求の場合の価額の算定複数請求は価額を合算して算定2項判例 7件
  • 一つの訴えで数個の請求をするときは価額を合算する
  • 利益が各請求に共通する部分は合算しない
  • 果実・損害賠償・違約金・費用が附帯目的なら価額に算入しない
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第10条管轄裁判所の指定裁判できないときは上級裁判所が指定3項判例なし
  • 裁判所が法律上・事実上裁判できないとき上級裁判所が指定する
  • 管轄区域が不明で定まらないときも上級裁判所が指定する
  • 指定の決定に対しては不服申立てができない
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第10_2条管轄裁判所の特例他の規定で定まらないときの受け皿規定1項判例 1件
  • 日本の裁判所に管轄権があっても他の規定で管轄裁判所が定まらないとき適用
  • その場合は最高裁判所規則で定める地の裁判所の管轄となる
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第11条管轄の合意第一審に限り合意で管轄を決められる3項判例 1件
  • 当事者は第一審に限り合意で管轄裁判所を定められる
  • 一定の法律関係に基づく訴えについて書面でする必要がある
  • 電磁的記録による合意も書面によるものとみなす
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第12条応訴管轄異議なく本案弁論すると管轄が生じる1項判例なし
  • 被告が管轄違いの抗弁を出さず本案について弁論すると管轄権が生じる
  • 弁論準備手続で申述した場合も同様に管轄権が生じる
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第13条専属管轄の場合の適用除外等専属管轄があるときは他の規定を除外2項判例なし
  • 法令に専属管轄の定めがあるときは4条1項〈普通裁判籍による管轄〉等の規定を適用しない
  • 特許権等の訴えは7条〈併合請求における管轄〉・11条〈管轄の合意〉・12条〈応訴管轄〉により東京・大阪地裁に管轄権が生じる場合がある
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第14条職権証拠調べ管轄事項は裁判所が職権で証拠調べ可1項判例なし
  • 裁判所は管轄に関する事項について職権で証拠調べができる
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第15条管轄の標準時管轄は訴え提起時を基準に判断1項判例なし
  • 裁判所の管轄は訴えの提起の時を基準として定まる
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第16条管轄違いの場合の取扱い管轄外なら申立てか職権で移送2項判例 5件
  • 管轄に属さないと認めるときは申立てまたは職権で移送する
  • 地裁は簡裁管轄の訴訟でも相当なら自ら審理・裁判できる
  • 簡裁の専属管轄(合意によるものを除く)の場合は地裁は審理できない
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第17条遅滞を避ける等のための移送遅滞回避・衡平のため他庁へ移送可1項判例なし
  • 管轄に属する訴訟でも著しい遅滞回避や当事者間の衡平のため移送できる
  • 住所・証人・検証物の所在地等の事情を考慮して判断する
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第18条簡易裁判所の裁量移送簡裁は相当なら地裁へ移送できる1項判例なし
  • 簡裁は管轄に属する訴訟でも相当と認めれば地裁に移送できる
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第19条必要的移送当事者の申立てと相手方同意で移送義務2項判例なし
  • 申立てと相手方の同意があれば申立てに係る裁判所へ移送しなければならない
  • 著しく訴訟手続を遅滞させる等の場合は移送しなくてよい
  • 簡裁の不動産訴訟は被告の申立てで地裁へ移送が義務、弁論後の申立ては除く
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第20条専属管轄の場合の移送の制限専属管轄では17〜19条〈必要的移送〉の移送は不可2項判例なし
  • 専属管轄(合意によるものを除く)の訴訟には17〜19条〈必要的移送〉の移送規定を適用しない
  • 特許権等の訴えで6条1項〈特許権等に関する訴え等の管轄〉各号の裁判所へ移送すべき場合は17条〈遅滞を避ける等のための移送〉・19条1項〈必要的移送〉を適用する
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第20_2条特許権等に関する訴え等に係る訴訟の移送専属管轄でも専門技術性欠如等で移送可2項判例 8件
  • 6条1項〈特許権等に関する訴え等の管轄〉の裁判所は専門技術的事項を欠く等の事情があれば移送できる
  • 移送先は4条〈普通裁判籍による管轄〉・5条〈財産権上の訴え等についての管轄〉・11条〈管轄の合意〉による管轄地裁または19条1項〈必要的移送〉の移送先地裁
  • 東京高裁は6条3項〈特許権等に関する訴え等の管轄〉の控訴で必要があれば大阪高裁に移送できる
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第4条民事訴訟法

日本国内に営業所を有する外国法人に対する損害賠償請求訴訟とわが国の裁判権

裁判要旨日本国内に営業所を有する外国法人に対する損害賠償請求訴訟については、右法人にわが国の裁判権が及ぶものと解するのが相当である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和56年10月16日 昭和55(オ)130
登載
民集 第35巻7号1224頁
参照法条
民訴法4条1項,民訴法4条3項,法例7条
論点2第5条民事訴訟法

日本法人がドイツに居住する日本人に対して契約上の金銭債務の履行を求める訴訟につき日本の国際裁判管轄が否定された事例

裁判要旨ドイツから自動車等を輸入している日本法人甲がドイツに居住する日本人乙に対して契約上の金銭債務の履行を求める訴訟について、右契約が、ドイツ国内で締結され、甲が乙に同国内における種々の業務を委託することを目的とするものであり、右契約において日本国内の地を債務の履行場所とすること又は準拠法を日本法とすることが明示的に合意されていたわけではなく、乙が二〇年以上にわたりドイツ国内に生活上及び営業上の本拠を置いており、乙の防御のための証拠方法も同国内に集中しているなど判示の事実関係の下においては、日本の国際裁判管轄を否定すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成9年11月11日 平成5(オ)1660
登載
民集 第51巻10号4055頁
参照法条
民訴法第1編第1章裁判所,民訴法5条
論点3第5条民事訴訟法

不正競争防止法3条1項に基づく不正競争による侵害の差止めを求める訴え及び差止請求権の不存在確認を求める訴えと民訴法5条9号

裁判要旨不正競争防止法3条1項に基づく不正競争による侵害の差止めを求める訴え及び差止請求権の不存在確認を求める訴えは,いずれも民訴法5条9号所定の訴えに該当する。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成16年4月8日 平成15(許)44
登載
民集 第58巻4号825頁
参照法条
民訴法5条9号,不正競争防止法3条1項
論点4第5条民事訴訟法

1 不法行為に基づく損害賠償請求訴訟につき民訴法の不法行為地の裁判籍の規定に依拠して我が国の裁判所の国際裁判管轄を肯定するために証明すべき事項
2 ある管轄原因により我が国の裁判所の国際裁判管轄が肯定される請求の当事者間における他の請求につき民訴法の併合請求の裁判籍の規定に依拠して我が国の裁判所の国際裁判管轄を肯定するための要件

裁判要旨1 我が国に住所等を有しない被告に対し提起された不法行為に基づく損害賠償請求訴訟につき,民訴法の不法行為地の裁判籍の規定に依拠して我が国の裁判所の国際裁判管轄を肯定するためには,原則として,被告が我が国においてした行為により原告の法益について損害が生じたとの客観的事実関係が証明されれば足りる。
2 ある管轄原因により我が国の裁判所の国際裁判管轄が肯定される請求の当事者間における他の請求につき,民訴法の併合請求の裁判籍の規定に依拠して我が国の裁判所の国際裁判管轄を肯定するためには,両請求間に密接な関係が認められることを要する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成13年6月8日 平成12(オ)929
登載
民集 第55巻4号727頁
参照法条
民法709条,民訴法5条9号,民訴法7条本文,民訴法136条,民訴法247条,民訴法第1編第2章裁判所
論点5第6_2条民事訴訟法

地方自治法二四二条の二第一項四号に基づく代位請求訴訟において適法な監査請求手続を経た他の住民が自己の監査請求に係る同条二項所定の期間内にした補助参加の効力

裁判要旨地方自治法二四二条の二第一項四号に基づく代位請求訴訟において、右訴訟の対象と同一の財務会計上の行為又は怠る事実を対象とする適法な監査請求手続を経た他の住民が自己の監査請求に係る同条二項所定の期間内にした補助参加には、いわゆる共同訴訟的補助参加の効力を認めることはできない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和63年2月25日 昭和61(行ツ)178
登載
民集 第42巻2号120頁
参照法条
地方自治法242条の2第1項4号,地方自治法242条の2第2項,民訴法62条,民訴法64条,民訴法69条
論点6第6_2条民事訴訟法

前婚の離婚無効確認の訴え及び後婚の取消の訴えと必要的共同訴訟

裁判要旨前婚の妻の提起する前婚の離婚無効確認の訴えと後婚の婚姻取消の訴えとは、必要的共同訴訟に当たらない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和61年9月4日 昭和60(オ)374
登載
集民 第148号407頁
参照法条
民訴法62条,人事訴訟手続法7条,人事訴訟手続法18条
論点7第6_2条民事訴訟法

必要的共同訴訟と二重上告

裁判要旨必要的共同訴訟の共同訴訟人の一人が上告を提起したのちに他の共同訴訟人が提起した上告は、二重上告として不適法である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和60年4月12日 昭和59(オ)1476
登載
集民 第144号461頁
参照法条
民訴法62条1項,民訴法231条,民訴法378条,民訴法396条
論点8第6_2条民事訴訟法

一 共有登記の一部抹消(更正)登記請求訴訟と共有名義人全員を被告とすることの要否
二 被相続人の不動産に関する登記義務が共同相続人によつて承継された場合における当該共同相続人の登記義務の性質

裁判要旨一 自己の持分を登記上侵害されている共同相続人の一人がこれを侵害している他の複数の共同相続人に対して妨害排除としての実質を有する一部抹消(更正)登記手続を請求する訴訟は、右他の共同相続人全員を被告とすべき固有必要的共同訴訟ではない。
二 被相続人の不動産に関する登記義務が共同相続人によつて承継された場合における当該共同相続人の登記義務は、不可分債務である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和60年11月29日 昭和58(オ)49
登載
集民 第146号197頁
参照法条
民訴法62条,民法430条,民法896条,民法898条,不動産登記法63条
論点9第6_2条民事訴訟法

一 普通地方公共団体の複数の住民が提起する地方自治法二四二条の二第一項四号所定の訴訟と類似必要的共同訴訟
二 普通地方公共団体の複数の住民が共同訴訟人として提起した地方自治法二四二条の二第一項四号所定の訴訟において共同訴訟人の一部の者がした上訴と他の共同訴訟人に対する効力

裁判要旨一 普通地方公共団体の複数の住民が提起する地方自治法二四二条の二第一項四号所定の訴訟は、類似必要的共同訴訟と解すべきである。
二 普通地方公共団体の複数の住民が共同訴訟人として提起した地方自治法二四二条の二第一項四号所定の訴訟において、共同訴訟人の一部の者がした上訴は、他の共同訴訟人に対しても効力を生ずる。
(二につき、反対意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和58年4月1日 昭和57(行ツ)11
登載
民集 第37巻3号201頁
参照法条
民訴法62条1項,地方自治法242条の2第1項4号
論点10第6_2条民事訴訟法

入会権の確認を求める訴えが原告側について通常訴訟と認められる場合

裁判要旨入会団体に個別的に加入を認められたと主張する者が入会権者に対し入会権を有することの確認を請求する場合には、右主張者が各自単独で訴えを提起することができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和58年2月8日 昭和55(オ)936
登載
集民 第138号79頁
参照法条
民訴法62条,民法263条,民法294条
論点11第6_2条民事訴訟法

一 入会部落の構成員が有する使用収益権の確認又はこれに基づく妨害排除の請求と右構成員の当事者適格
二 入会部落の構成員が有する使用収益権に基づく地上権設定仮登記抹消登記手続請求の可否

裁判要旨一 入会部落の構成員が有する使用収益権の確認又はこれに基づく妨害排除の請求については、右構成員各自に当事者適格がある。
二 入会部落の構成員は、自己の有する使用収益権を根拠としては入会地について経由された地上権設定仮登記の抹消登記手続を請求することができない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和57年7月1日 昭和51(オ)424
登載
民集 第36巻6号891頁
参照法条
民法263条,民訴法45条,民訴法62条
論点12第6_2条民事訴訟法

一 遺言無効確認訴訟における確認の利益の判断にあたり原告の相続分が生前贈与等によりなくなるか否かを考慮することの可否
二 遺言無効確認訴訟が固有必要的共同訴訟にあたらないとされた事例
三 同一の証書に記載された二人の遺言の一方に方式違背がある場合と民法九七五条

裁判要旨一 遺言無効確認訴訟における確認の利益の存否を判断するにあたつては、原則として、原告の相続分が被相続人から受けた生前贈与等によりなくなるか否かを考慮すべきものではない。
二 単に相続分及び遺産分割の方法を指定したにすぎない遺言の無効確認を求める訴は、固有必要的共同訴訟にあたらない。
三 同一の証書に二人の遺言が記載されている場合は、そのうちの一方につき氏名を自書しない方式の違背があるときでも、右遺言は、民法九七五条により禁止された共同遺言にあたる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和56年9月11日 昭和54(オ)1208
登載
民集 第35巻6号1013頁
参照法条
民法902条,民法903条1項,民法903条2項,民法908条,民法968条1項,民法975条,民法985条,民訴法62条,民訴法225条
論点13第6_2条民事訴訟法

嫡出親子関係不存在確認の訴における父子関係と母子関係との合一確定の要否

裁判要旨嫡出親子関係不存在確認の訴においては、父子関係と母子関係との各不存在を合一に確定する必要はない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和56年6月16日 昭和55(オ)661
登載
民集 第35巻4号791頁
参照法条
民訴法62条,人事訴訟手続法第2章親子関係事件ニ関スル手続
論点14第6_2条民事訴訟法

当事者参加訴訟において上訴の相手方とされずかつみずから上訴しなかつた当事者の上訴審における地位

裁判要旨当事者参加訴訟において上訴の相手方とされず、かつ、みずから上訴しなかつた当事者は、当該上訴審において被上訴人の地位に立つものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和50年3月13日 昭和48(オ)699
登載
民集 第29巻3号233頁
参照法条
民訴法62条,民訴法71条
論点15第6_2条民事訴訟法

当事者参加訴訟の一審判決に対し一入が控訴した場合における他の二者間の請求と控訴審の審判

裁判要旨原告甲の被告乙に対する請求ならびに参加入丙の甲および乙に対する各請求が合一にのみ確定すべき当事者参加訴訟において、甲の乙に対する請求を棄却し、丙の甲および乙に対する請求をそれぞれ一部認容する旨の一審判決に対し、甲が、その敗訴部分の取消、甲の乙に対する請求認容および丙の甲に対する請求中一審認容部分の棄却を求めて控訴したにとどまり、乙が控訴または附帯控訴をしない場合であつても、控訴審は合一確定に必要な限度で、一審判決中丙の乙に対する請求を認容した部分を丙に不利に変更することができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和48年7月20日 昭和44(オ)316
登載
民集 第27巻7号863頁
参照法条
民訴法62条,民訴法71条,民訴法186条,民訴法377条1項,民訴法385条
論点16第6_2条民事訴訟法

共有地についての境界確定の訴と固有必要的共同訴訟

裁判要旨隣接する土地の一方または双方が共有に属する場合の境界確定の訴は、固有必要的共同訴訟と解すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和46年12月9日 昭和44(オ)279
登載
民集 第25巻9号1457頁
参照法条
民訴法62条,民法223条,民法251条
論点17第6_2条民事訴訟法

一、共有者全員が提起した共有権確認訴訟と固有必要的共同訴訟
二、共有者全員が提起した共有権に基づく所有権移転登記手続請求訴訟と固有必要的共同訴訟

裁判要旨一、一個の物を共有する数名の者全員が、共同原告となり、共有権(その数名が共同して有する一個の所有権)に基づき共有権の確認を求めているときは、その訴訟の形態は、固有必要的共同訴訟と解すべきである。
二、一個の不動産を共有する数名の者全員が、共同原告となり、共有権(その数名が共同して有する一個の所有権)に基づき所有権移転登記手続を求めているときは、その訴訟の形態は、固有必要的共同訴訟と解すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和46年10月7日 昭和42(オ)535
登載
民集 第25巻7号885頁
参照法条
民訴法62条,民法249条,民法251条
論点18第6_2条民事訴訟法

賃貸人の共同相続人に対して賃借権の確認を求める訴訟と必要的共同訴訟の成否

裁判要旨不動産の賃借人が賃貸人の相続人に対して賃借権の確認を求める訴訟は、相続人が数人あるときでも、必要的共同訴訟ではない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和45年5月22日 昭和45(オ)64
登載
民集 第24巻5号415頁
参照法条
民訴法62条,民法430条
論点19第6_2条民事訴訟法

一、一筆の土地の一部の明渡を命ずる判決における主文不明確の事例
二、共同訴訟人間における証拠共通の原則
三、不動産の二重譲渡において双方の買主がそれぞれ売主に対して処分禁止の仮処分を執行した後第一次仮処分債権者が本案の勝訴判決に基づいて所有権移転登記を経由した場合と第二次仮処分債権者に対する所有権の対抗

裁判要旨一、一筆の土地の一部の明渡を命ずる判決において、土地の表示として土地の所在地番のほか「一、山林三反四畝歩のうち東部の宅地一三九坪」との記載があるにとどまり、記録中にも明渡を命ずる土地の範囲がいかなる部分かを特定する手掛りが存在しないときは、右土地の範囲を明確にしたものとはいえず、主文不明確の違法がある。
二、共同訴訟人の一人が提出した証拠は、その相手方に対するばかりでなく、他の共同訴訟人とその相手方に対する関係においても証拠として認定資料に供することができる。
三、不動産が二重に譲渡された後、双方の買主がそれぞれ売主を債務者とする処分禁止の仮処分を執行した場合において、第一次仮処分債権者たる買主が本案たる所有権移転登記請求訴訟に勝訴し、その確定判決に基づき売主から所有権移転登記を経由したときは、右買主は、第二次仮処分債権者たる買主に対し自己の所有権取得を対抗することができるものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和45年1月23日 昭和43(オ)282
登載
集民 第98号43頁
参照法条
民訴法62条,民訴法185条,民訴法191条,民訴法755条,民訴法758条,民法177条
論点20第6_2条民事訴訟法

賃貸借契約終了または所有権に基づく家屋明渡請求権を共同相続した者の賃借権者または不法占有者に対する家屋明渡請求訴訟は必要的共同訴訟か

裁判要旨賃貸借契約終了または所有権に基づく家屋明渡請求権を共同相続した者の賃借権者または不法占有者に対する家屋明渡請求訴訟は、必要的共同訴訟ではない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和44年7月24日 昭和43(オ)781
登載
集民 第96号381頁
参照法条
民訴法61条,民訴法62条
論点21第6_2条民事訴訟法

一、民訴法第七一条〈訴訟費用額の確定手続〉の参加のある訴訟と本案判決
二、右訴訟の本案につき一部判決がされた違法と職権調査事項

裁判要旨一、民訴法第七一条〈訴訟費用額の確定手続〉の参加に基づく、参加人、原告、被告間の訴訟について本案判決をするときは、右三当事者を判決の名宛人とする一個の終局判決のみが許され、右当事者の一部に関する判決をすることも、また、残余のものに関する追加判決をすることも、許されない。
二、右に違背してされた一部判決の違法は職権調査事項にあたる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和43年4月12日 昭和41(オ)288
登載
民集 第22巻4号877頁
参照法条
民訴法71条,民訴法62条,民訴法183条,民訴法195条,民訴法405条
論点22第6_2条民事訴訟法

入会権確認の訴は固有必要的共同訴訟か

裁判要旨入会権確認の訴は、入会権が共有の性質を有するかどうかを問わず、入会権者全員で提起することを要する固有必要的共同訴訟である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和41年11月25日 昭和34(オ)650
登載
民集 第20巻9号1921頁
参照法条
民法263条,民法294条,民訴法62条
論点23第6_2条民事訴訟法

行政処分取消訴訟の補助参加人の法律上の地位。

裁判要旨行政処分取消訴訟に補助参加した者は、いわゆる共同訴訟的補助参加人と解するのが相当である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和40年6月24日 昭和37(オ)1128
登載
民集 第19巻4号1001頁
参照法条
行政事件訴訟特例法8条,民訴法62条,民訴法69条
論点24第6_2条民事訴訟法

民訴法第七一条〈訴訟費用額の確定手続〉に基づく参加人が原告および被告の双方を相手方として確認の請求をした場合において相手方の一方が参加人の請求を争わないときと確認の利益の有無。

裁判要旨民訴法第七一条〈訴訟費用額の確定手続〉に基づく参加人が原告および被告の双方を相手方として確認の請求をした場合において、相手方の一方が参加人の請求を争わないときでも、他の相手方が参加人の請求を争つているかぎり、参加人は、相手方双方に対し、当然確認の利益を有する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和40年10月15日 昭和39(オ)402
登載
民集 第19巻7号1788頁
参照法条
民訴法62条,民訴法71条,民訴法225条
論点25第6_2条民事訴訟法

当事者参加許否の裁判のないうちに被参加訴訟の本案判決がなされたことの違法は本来の当事者の上告理由になりうるか。

裁判要旨当事者参加許否の裁判のないうちに被参加訴訟の本案判決がなされたことの違法を主張して、本来の当事者が上告申立をしても、右違法の主張は、上告理由とならない(昭和三五年(オ)第二一三号同三七年五月二九日第三小法廷判決、民集一六巻五号一二三三頁参照)。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和38年10月1日 昭和35(オ)775
登載
集民 第68号15頁
参照法条
民訴法71条,民訴法62条,民訴法393条
論点26第6_2条民事訴訟法

一 国税徴収法(昭和三四年法律第一四七号による改正前)第二三条ノ一にいう代位の意義
二 同法条に基づき被差押債権者に代位する国は被差押債権者債務者間の訴訟に対し民訴第七一条〈訴訟費用額の確定手続〉に基づく当事者参加ができるか

裁判要旨一 国税徴収法(昭和34年法律第一四七号による改正前)第二三条ノ一による国の代金とは国税滞納処分の債権差押により国が被差押債権の取立権を取得し債権者の権利を行使しうるに至る法律関係をいう。
二 同法条に基づき被差押債権者に代位する国は、被差押債権に基づく債権者債務者間の訴訟に対し民訴第七一条〈訴訟費用額の確定手続〉による当事者参加ができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和37年8月10日 昭和35(オ)959
登載
民集 第16巻8号1726頁
参照法条
国税徴収法(昭和34年法律147号による改正前)23条ノ1,民訴法71条,民訴法62条
論点27第6_2条民事訴訟法

当事者参加不許の裁判未確定のうちになされた被参加訴訟の本案判決に対する上告申立の適否

裁判要旨原審が民訴第七一条〈訴訟費用額の確定手続〉の当事者参加を許さずとする裁判の確定を待たずに本来の対立当事者間の訴訟につき本案判決をなしたことを違法とする主張は、右本案判決における当事者の上告適法の理由とならない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和37年5月29日 昭和35(オ)213
登載
民集 第16巻5号1233頁
参照法条
民訴法71条,民訴法62条,民訴法393条
論点28第6_2条民事訴訟法

第一審被告が参加人を相手方として上告を申し立てた場合における第一審原告の地位。

裁判要旨所有権確認訴訟の係属中、訴訟の目的たる権利を原告から譲り受けたことを主張して訴訟参加をした者が、第二審で勝訴し、被告が参加人を相手方として上告の申立をしたときは、原告のためにもその効力を生じ、同人は被上告人たる地位を取得したものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和36年3月16日 昭和34(オ)212
登載
民集 第15巻3号524頁
参照法条
民訴法62条,民訴法71条,民訴法73条
論点29第6_2条民事訴訟法

訴訟行為の無効を主張し得ない事例

裁判要旨訴訟手続が必要的共同訴訟人の一人の死亡により中断した場合に、右死亡者について受継手続をなすべき者が他の共同訴訟人の中に在りながら何らその手続をとらないままに控訴申立を始め控訴審における一切の訴訟行為をなした場合においては、共同訴訟人らは上告審においてその訴訟行為の無効を主張することは許されない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和34年3月26日 昭和26(オ)518
登載
民集 第13巻4号493頁
参照法条
民訴法62条,民訴法208条,民訴法222条,民訴法第1編(総則)第4章(訴訟手続)第1節(口頭弁論)
論点30第6_2条民事訴訟法

不動産共有者の一人のみによる登記簿上の所有名義人に対する登記抹消請求の許否

裁判要旨不動産共有者の一人はその持分権に基き、単独で当該不動産につき登記簿上所有名義を有する者に対しその登記の抹消を請求することができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和31年5月10日 昭和29(オ)4
登載
民集 第10巻5号487頁
参照法条
民法252条,民訴法62条
論点31第6_2条民事訴訟法

一 請求の趣旨の減縮の性質
二 主たる債務者と連帯保証人とを共同被告とする訴訟は必要的共同訴訟か

裁判要旨一 請求の趣旨の減縮は、訴の一部取下にすぎず、民訴第二三二条第二項〈検証の目的の提示等〉にいわゆる請求の変更にあたらない。
二 主たる債務者と連帯保証人とを共同被告とする訴訟は、必要的共同訴訟にはあたらない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和27年12月25日 昭和24(オ)207
登載
民集 第6巻12号1255頁
参照法条
民訴法236条,民訴法232条,民訴法62条
論点32第6_2条民事訴訟法

共同相続人間における遺産確認の訴えと固有必要的共同訴訟

裁判要旨共同相続人間における遺産確認の訴えは、固有必要的共同訴訟と解すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成元年3月28日 昭和60(オ)727
登載
民集 第43巻3号167頁
参照法条
民訴法62条,民訴法225条,民法898条
論点33第6_2条民事訴訟法

共有に属する要役地のために地役権設定登記手続を求める訴えと固有必要的共同訴訟

裁判要旨共有に属する要役地のために地役権設定登記手続を求める訴えは、固有必要的共同訴訟に当たらない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成7年7月18日 平成3(オ)1684
登載
民集 第49巻7号2664頁
参照法条
民訴法62条,民法252条,民法280条
論点34第6_2条民事訴訟法

実用新案登録を受ける権利の共有者が提起する審決取消訴訟と固有必要的共同訴訟

裁判要旨実用新案登録を受ける権利の共有者が、共同で拒絶査定に対する審判を請求し、請求が成り立たない旨の審決を受けた場合に提起する審決取消訴訟は、固有必要的共同訴訟である。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成7年3月7日 平成6(行ツ)83
登載
民集 第49巻3号944頁
参照法条
民訴法62条,実用新案法(平成5年法律第26号による改正前のもの)41条,実用新案法(平成5年法律第26号による改正前のもの)47条,特許法132条3項
論点35第6_2条民事訴訟法

固有必要的共同訴訟における共同被告の一部に対する訴えの取下げの効力

裁判要旨固有必要的共同訴訟における共同被告の一部に対する訴えの取下げは、効力を生じない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成6年1月25日 平成5(オ)641
登載
民集 第48巻1号41頁
参照法条
民訴法62条,民訴法236条
論点36第6_2条民事訴訟法

既にした執行処分の取消し等により強制執行が目的を達せずに終了した場合における執行費用の負担

裁判要旨既にした執行処分の取消し等により強制執行が目的を達せずに終了した場合における執行費用の負担は,執行裁判所が,民事執行法20条において準用する民訴法73条の規定に基づいて定めるべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成29年7月20日 平成29(許)1
登載
第71巻6号952頁
参照法条
民事執行法20条,民事執行法42条1項,民訴法62条,民訴法73条
論点37第6_2条民事訴訟法

1 特許を無効にすべき旨の審決の取消請求を棄却した原判決に係る事件の上告審係属中に当該特許について特許請求の範囲を減縮する旨の訂正審決が確定したことにより原判決を破棄する場合に上記無効審決を取り消す旨の自判をした事例
2 特許を無効にすべき旨の審決の取消訴訟の係属中に当該特許について特許請求の範囲を減縮する旨の訂正審決が確定したことにより上記無効審決を取り消す場合に訴訟の総費用を特許権者に負担させた事例

裁判要旨(省略)
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成17年10月18日 平成17(行ヒ)106
登載
集民 第218号79頁
参照法条
(1,2につき)特許法(平成6年法律第116号による改正前のもの)123条,特許法126条 (1につき)民訴法326条1号,民訴法338条1項8号 (2につき)民訴法62条
論点38第7条民事訴訟法

民訴法38条〈共同訴訟の要件〉後段の要件を満たす共同訴訟につき同法7条ただし書により同法9条の適用が排除されるか

裁判要旨民訴法38条〈共同訴訟の要件〉後段の要件を満たす共同訴訟であって,いずれの共同訴訟人に係る部分も受訴裁判所が土地管轄権を有しているものについて,同法7条〈併合請求における管轄〉ただし書により同法9条の適用が排除されることはない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成23年5月30日 平成23(許)13
登載
集民 第237号1頁
参照法条
民訴法7条,民訴法9条,民訴法16条1項,民訴法38条後段
論点39第7条民事訴訟法

民訴法38条〈共同訴訟の要件〉後段の要件を満たす共同訴訟につき同法7条ただし書により同法9条の適用が排除されるか

裁判要旨民訴法38条〈共同訴訟の要件〉後段の要件を満たす共同訴訟であって,いずれの共同訴訟人に係る部分も受訴裁判所が土地管轄権を有しているものについて,同法7条〈併合請求における管轄〉ただし書により同法9条の適用が排除されることはない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成23年5月18日 平成23(許)4
登載
民集 第65巻4号1755頁
参照法条
民訴法7条,民訴法9条,民訴法16条1項,民訴法38条後段
論点40第7条民事訴訟法

一 香港高等法院がした訴訟費用の負担を命ずる裁判と民事執行法二四条所定の「外国裁判所の判決」
二 併合請求の裁判籍が存在することを根拠に香港の裁判所に民訴法一一八条一号所定の「外国裁判所の裁判権」が認められた事例
三 司法共助に関する条約に定められた方法によらない送達と民訴法一一八条二号所定の「訴訟の開始に必要な呼出し若しくは命令の送達」
四 香港在住の当事者から私的に依頼を受けた者が我が国でした直接交付の方法による送達と民訴法一一八条二号
五 弁護士費用を含む訴訟費用全額の負担を命ずる裁判と民訴法一一八条三号所定の「公の秩序」
六 中国に返還される前の香港と我が国との間における民訴法一一八条四号所定の「相互の保証」の有無

裁判要旨一 香港高等法院がした訴訟費用負担命令並びにこれと一体を成す費用査定書及び費用証明書は、民事執行法二四条所定の「外国裁判所の判決」に当たる。
二 甲及び甲が代表者を務める乙会社と丁との間の起訴契約に基づき、丁が丙に対して香港の裁判所に保証債務の履行を求める第一訴訟を提起したところ、丙が、第一訴訟が認容された場合に備えて、甲に対して根抵当権の代位行使ができることの確認を求める第二訴訟を、甲及び乙会社に対して求償請求ができることの確認を求める第三訴訟を提起し、第一訴訟及び第二訴訟については香港に国際裁判管轄が存在するなど判示の事実関係の下においては、第三訴訟については、民訴法七条〈併合請求における管轄〉の規定の趣旨に照らし、第二訴訟との間の併合請求の裁判籍が香港に存在することを肯認して、香港の裁判所のした判決を我が国で承認することが、当事者間の公平、裁判の適正・迅速の理念に合致し、条理にかなうものである。
三 裁判上の文書の送達につき、判決国と我が国との間に司法共助に関する条約が締結されていて、訴訟手続の開始に必要な文書の送達が右条約に定める方法によるべきものとされている場合には、右条約に定められた方法を遵守しない送達は、民訴法一一八条二号〈外国裁判所の確定判決の効力 敗訴の被告が訴訟の開始に必要な呼出し若しくは命令の送達(公示送達その他これに類する送達を除く。)を受けたこと又はこれを受けなかったが応訴したこと。〉所定の要件を満たさない。
四 香港在住の当事者から私的に依頼を受けた者が我が国でした直接交付の方法による送達は、民訴法一一八条二号所定の要件を満たさない。
五 弁護士費用を含む訴訟費用の全額をいずれか一方の当事者に負担させる裁判は、実際に生じた費用の範囲内でその負担を命ずるものである限り、民訴法一一八条三号所定の「公の秩序」に反するものではない。
六 中国に返還される前の香港と我が国との間には、金銭の支払を命じた判決に関し、民訴法一一八条四号所定の「相互の保証」がある。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成10年4月28日 平成6(オ)1838
登載
民集 第52巻3号853頁
参照法条
民事執行法22条6号,民事執行法24条,民訴法7条,民訴法118条,民事又は商事に関する裁判上及び裁判外の文書の外国における送達及び告知に関する条約,日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の領事条約
論点41第8条民事訴訟法

多数の周辺住民が提起した林地開発行為許可処分取消訴訟における控訴提起の手数料額の算定

裁判要旨森林法一〇条の二に基づく林地開発行為の許可処分につき、許可区域周辺に居住する多数の原告が、右開発行為により、同区域周辺の水質の悪化、水量の変化、大気汚染、その他の環境悪化を生じ、原告らの水利権、人格権、不動産所有権等が害されるおそれがあるところ、右処分には同条二項所定の不許可事由があるのにされた違法があるなどと主張して、右処分の取消しを求める訴訟においては、各原告が訴えで主張する利益は全員に共通であるとはいえず、控訴の提起の手数料の額は、右利益によって算定される訴訟の目的の価額とみなされる九五万円を合算した額に応じて算出すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成12年10月13日 平成12(行フ)1
登載
集民 第200号1頁
参照法条
民事訴訟費用等に関する法律4条1項,民事訴訟費用等に関する法律4条2項,民事訴訟費用等に関する法律別表第1,民訴法8条1項,民訴法9条1項,森林法10条の2第1項,森林法10条の2第2項
論点42第9条民事訴訟法

労働基準法114条の付加金の請求の価額は,同条所定の未払金の請求に係る訴訟の目的の価額に算入されるか

裁判要旨労働基準法114条の付加金の請求については,同条所定の未払金の請求に係る訴訟において同請求とともにされるときは,民訴法9条2項〈併合請求の場合の価額の算定〉にいう訴訟の附帯の目的である損害賠償又は違約金の請求に含まれるものとして,その価額は当該訴訟の目的の価額に算入されない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成27年5月19日 平成26(許)36
登載
民集 第69巻4号635頁
参照法条
民事訴訟費用等に関する法律3条1項,民事訴訟費用等に関する法律4条1項,民事訴訟費用等に関する法律別表第1第5項,民訴法9条2項,労働基準法114条
論点43第9条民事訴訟法

同一の敷地にあって一つのリゾートホテルを構成している複数の建物の固定資産課税台帳の登録価格についてされた審査申出の棄却決定の取消しを求める各請求が互いに行政事件訴訟法13条6号所定の関連請求に当たるとされた事例

裁判要旨同一の敷地にあって一つのリゾートホテルを構成している同一人所有の複数の建物について,固定資産課税台帳に登録された同一年度の価格につき需給事情による減点補正がされていないのは違法であるとしてされた審査の申出を棄却する固定資産評価審査委員会の決定のうち,所有者が各建物の適正な時価と主張する価格を超える部分の取消しを求める各請求は,互いに行政事件訴訟法13条6号所定の関連請求に当たる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成17年3月29日 平成16(行フ)5
登載
民集 第59巻2号477頁
参照法条
行政事件訴訟法13条6号,行政事件訴訟法16条1項,民訴法9条1項
論点44第9条民事訴訟法

1 共同して訴えを提起した各原告の請求の価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする場合において、訴え提起の手数料につき各原告に対する訴訟上の救助の付与対象となるべき額
2 共同して訴えを提起した各原告の請求の価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする場合において、各原告につき民訴法82条1項本文にいう「訴訟の準備及び追行に必要な費用」として考慮すべき訴え提起の手数料の額

裁判要旨1 共同して訴えを提起した各原告の請求の価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする場合において、訴え提起の手数料につき各原告に対する訴訟上の救助の付与対象となるべき額は、上記訴訟の目的の価額を基礎として算出される訴え提起の手数料の額を各原告の請求の価額に応じて案分して得た額に限られる。
2 共同して訴えを提起した各原告の請求の価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする場合において、各原告につき民訴法82条1項本文にいう「訴訟の準備及び追行に必要な費用」として考慮すべき訴え提起の手数料の額は、上記訴訟の目的の価額を基礎として算出される訴え提起の手数料の額を各原告の請求の価額に応じて案分して得た額である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 令和5年10月19日 令和5(許)1
登載
民集 第77巻7号1756頁
参照法条
(1、2につき)民訴法9条1項本文、民訴法82条1項本文、民事訴訟費用等に関する法律4条1項、民事訴訟費用等に関する法律9条3項柱書き (1につき)民訴法83条1項1号
論点45第9条民事訴訟法

特別区議会議員選挙に係る当選人甲の当選無効の決定の取消しを求める請求及び同決定に対する審査の申立てを棄却するとの裁決の取消しを求める請求と当選人乙の当選無効を求める請求とでは訴えで主張する利益が共通であるとはいえないとされた事例

裁判要旨特別区選挙管理委員会による特別区議会議員選挙に係る当選人甲の当選無効の決定の取消しを求める請求及び都選挙管理委員会による同決定に対する審査の申立てを棄却するとの裁決の取消しを求める請求と,当選人乙の当選無効を求める請求とでは,訴えで主張する利益が共通であるとはいえない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 令和3年4月27日 令和2(行フ)2
登載
集民 第265号143頁
参照法条
民事訴訟費用等に関する法律4条1項,民訴法9条1項,公職選挙法207条
論点46第10_2条民事訴訟法

別件で刑事施設に収容されている再審請求人の届出住居に宛てて行った同人に対する再審請求棄却決定謄本の付郵便送達が有効とされた事例

裁判要旨再審請求人が,住居の届出をした後,裁判所に対してその変更届出等をしてこなかった一方で,裁判所も,同人の所在を把握できず,その端緒もなかったなどの判示の事実関係の下では,同人が別件で刑事施設に収容されていたとしても,上記届出住居に宛てて行った同人に対する再審請求棄却決定謄本の書留郵便に付する送達は,刑訴規則63条1項によるものとして有効である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成27年3月24日 平成26(し)567
登載
刑集 第69巻2号506頁
参照法条
刑訴法54条,刑訴規則62条1項,刑訴規則62条3項,刑訴規則63条1項,民訴法102条3項
論点47第11条民事訴訟法

地方裁判所にその管轄区域内の簡易裁判所の管轄に属する訴訟が提起され,被告から同簡易裁判所への移送の申立てがあった場合における同申立てを却下する旨の判断と地方裁判所の裁量

裁判要旨地方裁判所にその管轄区域内の簡易裁判所の管轄に属する訴訟が提起され,被告から同簡易裁判所への移送の申立てがあった場合において,同申立てを却下する旨の判断は,民訴法16条2項〈管轄違いの場合の取扱い〉の規定の趣旨にかんがみ,広く当該事件の事案の内容に照らして地方裁判所における審理及び裁判が相当であるかどうかという観点からされるべきであり,地方裁判所の合理的な裁量にゆだねられる。このことは,簡易裁判所の管轄が専属的管轄の合意によって生じた場合であっても異ならない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成20年7月18日 平成20(許)21
登載
民集 第62巻7号2013頁
参照法条
民訴法11条,民訴法16条
論点48第16条民事訴訟法

訴状が最高裁判所に提出された場合に当該訴えが訴訟上の信義則に反するとして却下すべきものとされた事例

裁判要旨訴状が最高裁判所に提出された場合に、次の⑴~⑷など判示の事情の下では、当該訴えは、訴訟上の信義則に反するとして却下すべきものである。
⑴ 上記訴状には、上記訴えに係る訴訟を最高裁判所とは異なる特定の裁判所へ移送することを求める旨の記載がある。
⑵ 上記訴訟が上記裁判所の管轄に属することをうかがわせる事情はない。
⑶ 上記訴状は弁護士によって作成され提出されたものである。
⑷ 上記弁護士は上記訴えの提起以前にも殊更にこれと同様の行為を繰り返してきた。
裁判
最高裁判所第一小法廷 令和8年1月28日 令和7(マ)244
登載
―
参照法条
民訴法2条、民訴法16条1項、民訴法317条1項
論点49第16条民事訴訟法

最高裁判所が、抗告許可の申立てについて、抗告許可申立書が最高裁判所に提出されたことを理由として、原裁判所に移送することなく不適法として却下することができる場合

裁判要旨抗告許可の申立てをする者が、抗告許可申立書を提出すべき裁判所が原裁判所であることを認識しながら不当な目的をもってあえて最高裁判所に抗告許可申立書を提出した場合には、最高裁判所は、抗告許可の申立てについて、抗告許可申立書が最高裁判所に提出されたことを理由として、原裁判所に移送することなく不適法として却下することができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 令和8年1月28日 令和7(許)18
登載
民集 第80巻1号101頁
参照法条
民訴法16条1項、民訴法286条1項、民訴法313条、民訴法337条1項、2項、6項
論点50第20_2条民事訴訟法

訴え却下の第一審判決を是認して口頭弁論を経ないで控訴棄却の判決を言い渡す場合と判決言渡期日の告知及び呼出手続の要否

裁判要旨訴え却下の第一審判決を是認して口頭弁論を経ないで控訴棄却の判決を言い渡す場合には、当事者に対し判決言渡期日の告知及び呼出手続をすることを要しない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和62年10月1日 昭和62(オ)457
登載
集民 第152号1頁
参照法条
民訴法154条,民訴法188条,民訴法202条,民訴法384条
論点51第20_2条民事訴訟法

口頭弁論を経ないで控訴を棄却する判決を言い渡す場合と判決言渡期日の告知及び呼出手続の要否

裁判要旨訴え却下の第一審判決を是認して口頭弁論を経ないで控訴棄却の判決を言い渡す場合には、当事者に対し判決言渡期日の告知及び呼出手続をすることを必要としない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和57年10月19日 昭和57(オ)541
登載
集民 第137号391頁
参照法条
民訴法154条,民訴法188条,民訴法202条,民訴法384条
論点52第20_2条民事訴訟法

一 憲法の無効確認を求める訴の適否
二 最高裁判所に直接提起された憲法の無効確認を求める訴を下級裁判所に移送することなく却下した事例

裁判要旨一 憲法の無効確認を求める訴は、不適法である。
二 最高裁判所に直接提起された憲法の無効確認を求める訴は、下級裁判所に移送するまでもなく、却下を免れない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和55年5月6日 昭和53(マ)96
登載
集民 第129号633頁
参照法条
民訴法30条,民訴法202条,憲法76条
論点53第20_2条民事訴訟法

一 印紙追貼命令およびこれに従わないことによる上告状却下命令に対する救済を行政事件訴訟によつて求めることの許否
二 控訴審において民訴法第二〇二条によつた原判決を相当として口頭弁論を経ることなく控訴を棄却することの許否

裁判要旨一 上告状についての印紙追貼命令およびこれに従わないことによる上告状却下命令に対する不服は、民訴法所定の手続によるべく、審級の定めから上訴による不服申立のみちがない場合においても、行政事件訴訟をもつてその救済を求めることは許されない。

二 訴を不適法でその欠缺を補正しがたいものと認め民訴法第二〇二条により口頭弁論を経ないで却下した第一審判決に対し、控訴のあつた場合において、右原審の判断を相当とするときは、控訴審においても、口頭弁論を経ないで控訴を棄却することができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和41年4月15日 昭和38(オ)969
登載
集民 第83号191頁
参照法条
民訴法397条,民訴法370条,民訴法228条,民訴法378条,民訴法202条,行訴法3条
論点54第20_2条民事訴訟法

団体等規正令並びに解散団体の財産の管理及び処分等に関する政令に基く法務総裁の処分の効力を争う訴の提起があつたときの裁判

裁判要旨団体等規正令並びに解散団体の財産の管理及び処分等に関する政令に基く法務総裁の処分の効力を争う訴の提起を受けたときは、裁判長は直ちに、命令をもつて訴状を却下すべく、右命令に対する抗告事件においては、抗告裁判所の裁判長は、直ちに、命令をもつて抗告状を却下すべきである。また、右と異る下級審の裁判に対し上訴が提起されたときは、上訴裁判所は、直ちに、原判決を取り消し、訴状を却下すべきものである。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和25年7月5日 昭和25(オ)147
登載
民集 第4巻7号264頁
参照法条
民訴法228条,民訴法202条,団体等規正令,解散団体の財産の管理及び処分等に関する政令(昭和23年政令238号)
論点55第20_2条民事訴訟法

一 国籍取得の原因に関する過去の事実の確認を求める訴の適否
二 アメリカ合衆国の国籍に関する確認訴訟の管轄

裁判要旨一 被上告人等の有する日本の国籍が出生によるものであつて国籍の回復によるものでないというが如き過去の事実の確認を求める訴は許されない。
二 被上告人がアメリカ合衆国の国籍を有することの確認を求める訴は、アメリカ合衆国の裁判権に専属するものであつて、わが国の裁判権に属しない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和24年12月20日 昭和24(オ)24
登載
民集 第3巻12号507頁
参照法条
裁判所法3条,民訴法225条,民訴法202条,国籍法20条ノ2,国籍法26条
論点56第20_2条民事訴訟法

不適法なことが明らかであって当事者の訴訟活動により適法とすることが全く期待できない訴えにつき口頭弁論を経ずに訴えを却下するか又は却下判決に対する控訴を棄却する場合における被告に対する訴状、控訴状又は判決正本の送達の要否

裁判要旨不適法なことが明らかであって当事者の訴訟活動により適法とすることが全く期待できない訴えにつき、口頭弁論を経ずに、訴えを却下するか、又は却下判決に対する控訴を棄却する場合には、訴状において被告とされている者に対し訴状、控訴状又は判決正本を送達することを要しない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成8年5月28日 平成7(行ツ)67
登載
集民 第179号95頁
参照法条
民訴法193条,民訴法202条,民訴法229条,民訴法371条,民訴法384条
論点57第20_2条民事訴訟法

一 公共施設の管理者である国若しくは地方公共団体又はその機関が都市計画法三二条所定の同意を拒否する行為と抗告訴訟の対象
二 主位的請求を認容した原判決を破棄して右請求に係る訴えを却下すべきものとした場合において不適法でその欠缺を補正することができない予備的請求に係る訴えを上告審が却下することの可否

裁判要旨一 公共施設の管理者である国若しくは地方公共団体又はその機関が都市計画法三二条所定の同意を拒否する行為は、抗告訴訟の対象となる処分に当たらない。
二 主位的請求を認容した原判決を破棄して右請求に係る訴えを却下すべきものとした場合において、予備的請求に係る訴えが不適法でその欠缺を補正することができないときは、上告審は、右訴えを却下することができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成7年3月23日 平成6(行ツ)19
登載
民集 第49巻3号1006頁
参照法条
行政事件訴訟法3条2項,都市計画法30条2項,都市計画法32条,民訴法202条,民訴法408条
原

条文原文

原文ママ

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民事訴訟法 第4条(普通裁判籍による管轄) 詳細ページ
(普通裁判籍による管轄)
第四条訴えは、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する。
2人の普通裁判籍は、住所により、日本国内に住所がないとき又は住所が知れないときは居所により、日本国内に居所がないとき又は居所が知れないときは最後の住所により定まる。
3大使、公使その他外国に在ってその国の裁判権からの免除を享有する日本人が前項の規定により普通裁判籍を有しないときは、その者の普通裁判籍は、最高裁判所規則で定める地にあるものとする。
4法人その他の社団又は財団の普通裁判籍は、その主たる事務所又は営業所により、事務所又は営業所がないときは代表者その他の主たる業務担当者の住所により定まる。
5外国の社団又は財団の普通裁判籍は、前項の規定にかかわらず、日本における主たる事務所又は営業所により、日本国内に事務所又は営業所がないときは日本における代表者その他の主たる業務担当者の住所により定まる。
6国の普通裁判籍は、訴訟について国を代表する官庁の所在地により定まる。
民事訴訟法 第5条(財産権上の訴え等についての管轄) 詳細ページ
(財産権上の訴え等についての管轄)
第五条次の各号に掲げる訴えは、それぞれ当該各号に定める地を管轄する裁判所に提起することができる。
民事訴訟法 第6条(特許権等に関する訴え等の管轄) 詳細ページ
(特許権等に関する訴え等の管轄)
第六条特許権、実用新案権、回路配置利用権又はプログラムの著作物についての著作者の権利に関する訴え(以下「特許権等に関する訴え」という。)について、前二条の規定によれば次の各号に掲げる裁判所が管轄権を有すべき場合には、その訴えは、それぞれ当該各号に定める裁判所の管轄に専属する。
一東京高等裁判所、名古屋高等裁判所、仙台高等裁判所又は札幌高等裁判所の管轄区域内に所在する地方裁判所東京地方裁判所
二大阪高等裁判所、広島高等裁判所、福岡高等裁判所又は高松高等裁判所の管轄区域内に所在する地方裁判所大阪地方裁判所
2特許権等に関する訴えについて、前二条の規定により前項各号に掲げる裁判所の管轄区域内に所在する簡易裁判所が管轄権を有する場合には、それぞれ当該各号に定める裁判所にも、その訴えを提起することができる。
3第一項第二号に定める裁判所が第一審としてした特許権等に関する訴えについての終局判決に対する控訴は、東京高等裁判所の管轄に専属する。ただし、第二十条の二第一項の規定により移送された訴訟に係る訴えについての終局判決に対する控訴については、この限りでない。
民事訴訟法 第6_2条(意匠権等に関する訴えの管轄) 詳細ページ
(意匠権等に関する訴えの管轄)
第六条の二意匠権、商標権、著作者の権利(プログラムの著作物についての著作者の権利を除く。)、出版権、著作隣接権若しくは育成者権に関する訴え又は不正競争(不正競争防止法(平成五年法律第四十七号)第二条第一項に規定する不正競争又は家畜遺伝資源に係る不正競争の防止に関する法律(令和二年法律第二十二号)第二条第三項に規定する不正競争をいう。)による営業上の利益の侵害に係る訴えについて、第四条又は第五条の規定により次の各号に掲げる裁判所が管轄権を有する場合には、それぞれ当該各号に定める裁判所にも、その訴えを提起することができる。
一前条第一項第一号に掲げる裁判所(東京地方裁判所を除く。)東京地方裁判所
二前条第一項第二号に掲げる裁判所(大阪地方裁判所を除く。)大阪地方裁判所
民事訴訟法 第7条(併合請求における管轄) 詳細ページ
(併合請求における管轄)
第七条一の訴えで数個の請求をする場合には、第四条から前条まで(第六条第三項を除く。)の規定により一の請求について管轄権を有する裁判所にその訴えを提起することができる。ただし、数人からの又は数人に対する訴えについては、第三十八条前段に定める場合に限る。
民事訴訟法 第8条(訴訟の目的の価額の算定) 詳細ページ
(訴訟の目的の価額の算定)
第八条裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号)の規定により管轄が訴訟の目的の価額により定まるときは、その価額は、訴えで主張する利益によって算定する。
2前項の価額を算定することができないとき、又は極めて困難であるときは、その価額は百四十万円を超えるものとみなす。
民事訴訟法 第9条(併合請求の場合の価額の算定) 詳細ページ
(併合請求の場合の価額の算定)
第九条一の訴えで数個の請求をする場合には、その価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする。ただし、その訴えで主張する利益が各請求について共通である場合におけるその各請求については、この限りでない。
2果実、損害賠償、違約金又は費用の請求が訴訟の附帯の目的であるときは、その価額は、訴訟の目的の価額に算入しない。
民事訴訟法 第10条(管轄裁判所の指定) 詳細ページ
(管轄裁判所の指定)
第十条管轄裁判所が法律上又は事実上裁判権を行うことができないときは、その裁判所の直近上級の裁判所は、申立てにより、決定で、管轄裁判所を定める。
2裁判所の管轄区域が明確でないため管轄裁判所が定まらないときは、関係のある裁判所に共通する直近上級の裁判所は、申立てにより、決定で、管轄裁判所を定める。
3前二項の決定に対しては、不服を申し立てることができない。
民事訴訟法 第10_2条(管轄裁判所の特例) 詳細ページ
(管轄裁判所の特例)
第十条の二前節の規定により日本の裁判所が管轄権を有する訴えについて、この法律の他の規定又は他の法令の規定により管轄裁判所が定まらないときは、その訴えは、最高裁判所規則で定める地を管轄する裁判所の管轄に属する。
民事訴訟法 第11条(管轄の合意) 詳細ページ
(管轄の合意)
第十一条当事者は、第一審に限り、合意により管轄裁判所を定めることができる。
2前項の合意は、一定の法律関係に基づく訴えに関し、かつ、書面でしなければ、その効力を生じない。
3第一項の合意がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その合意は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。
民事訴訟法 第12条(応訴管轄) 詳細ページ
(応訴管轄)
第十二条被告が第一審裁判所において管轄違いの抗弁を提出しないで本案について弁論をし、又は弁論準備手続において申述をしたときは、その裁判所は、管轄権を有する。
民事訴訟法 第13条(専属管轄の場合の適用除外等) 詳細ページ
(専属管轄の場合の適用除外等)
第十三条第四条第一項、第五条、第六条第二項、第六条の二、第七条及び前二条の規定は、訴えについて法令に専属管轄の定めがある場合には、適用しない。
2特許権等に関する訴えについて、第七条又は前二条の規定によれば第六条第一項各号に定める裁判所が管轄権を有すべき場合には、前項の規定にかかわらず、第七条又は前二条の規定により、その裁判所は、管轄権を有する。
民事訴訟法 第14条(職権証拠調べ) 詳細ページ
(職権証拠調べ)
第十四条裁判所は、管轄に関する事項について、職権で証拠調べをすることができる。
民事訴訟法 第15条(管轄の標準時) 詳細ページ
(管轄の標準時)
第十五条裁判所の管轄は、訴えの提起の時を標準として定める。
民事訴訟法 第16条(管轄違いの場合の取扱い) 詳細ページ
(管轄違いの場合の取扱い)
第十六条裁判所は、訴訟の全部又は一部がその管轄に属しないと認めるときは、申立てにより又は職権で、これを管轄裁判所に移送する。
2地方裁判所は、訴訟がその管轄区域内の簡易裁判所の管轄に属する場合においても、相当と認めるときは、前項の規定にかかわらず、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部について自ら審理及び裁判をすることができる。ただし、訴訟がその簡易裁判所の専属管轄(当事者が第十一条の規定により合意で定めたものを除く。)に属する場合は、この限りでない。
民事訴訟法 第17条(遅滞を避ける等のための移送) 詳細ページ
(遅滞を避ける等のための移送)
第十七条第一審裁判所は、訴訟がその管轄に属する場合においても、当事者及び尋問を受けるべき証人の住所、使用すべき検証物の所在地その他の事情を考慮して、訴訟の著しい遅滞を避け、又は当事者間の衡平を図るため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部を他の管轄裁判所に移送することができる。
民事訴訟法 第18条(簡易裁判所の裁量移送) 詳細ページ
(簡易裁判所の裁量移送)
第十八条簡易裁判所は、訴訟がその管轄に属する場合においても、相当と認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部をその所在地を管轄する地方裁判所に移送することができる。
民事訴訟法 第19条(必要的移送) 詳細ページ
(必要的移送)
第十九条第一審裁判所は、訴訟がその管轄に属する場合においても、当事者の申立て及び相手方の同意があるときは、訴訟の全部又は一部を申立てに係る地方裁判所又は簡易裁判所に移送しなければならない。ただし、移送により著しく訴訟手続を遅滞させることとなるとき、又はその申立てが、簡易裁判所からその所在地を管轄する地方裁判所への移送の申立て以外のものであって、被告が本案について弁論をし、若しくは弁論準備手続において申述をした後にされたものであるときは、この限りでない。
2簡易裁判所は、その管轄に属する不動産に関する訴訟につき被告の申立てがあるときは、訴訟の全部又は一部をその所在地を管轄する地方裁判所に移送しなければならない。ただし、その申立ての前に被告が本案について弁論をした場合は、この限りでない。
民事訴訟法 第20条(専属管轄の場合の移送の制限) 詳細ページ
(専属管轄の場合の移送の制限)
第二十条前三条の規定は、訴訟がその係属する裁判所の専属管轄(当事者が第十一条の規定により合意で定めたものを除く。)に属する場合には、適用しない。
2特許権等に関する訴えに係る訴訟について、第十七条又は前条第一項の規定によれば第六条第一項各号に定める裁判所に移送すべき場合には、前項の規定にかかわらず、第十七条又は前条第一項の規定を適用する。
民事訴訟法 第20_2条(特許権等に関する訴え等に係る訴訟の移送) 詳細ページ
(特許権等に関する訴え等に係る訴訟の移送)
第二十条の二第六条第一項各号に定める裁判所は、特許権等に関する訴えに係る訴訟が同項の規定によりその管轄に専属する場合においても、当該訴訟において審理すべき専門技術的事項を欠くことその他の事情により著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部を第四条、第五条若しくは第十一条の規定によれば管轄権を有すべき地方裁判所又は第十九条第一項の規定によれば移送を受けるべき地方裁判所に移送することができる。
2東京高等裁判所は、第六条第三項の控訴が提起された場合において、その控訴審において審理すべき専門技術的事項を欠くことその他の事情により著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部を大阪高等裁判所に移送することができる。
出

一次情報

原文ママ

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