会社法 平成十七年法律第八十六号 現行施行 2026-08-12 条文取得 2026-09-04

第423条役員等の株式会社に対する損害賠償責任

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原文整理テーマ別まとめ
役員の責任と株主代表訴訟ステップ 3 / 6 会社に損害を与えたとき任務を怠った場合の賠償責任競業取引と利益相反取引ステップ 3 / 3 違反したときの責任任務懈怠の推定と特則機関/役員等の損害賠償責任ステップ 1 / 1 役員等の損害賠償責任役員等の損害賠償責任について、条文は何を定めているか。

概要

原文解釈
  • 役員等(取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人)は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
  • 取締役又は執行役が第356条第1項の規定に違反して同項第1号の取引をしたときは、当該取引によって取締役、執行役又は第三者が得た利益の額が、第1項の損害の額と推定される。
  • 第356条第1項第2号又は第3号の取引によって株式会社に損害が生じたときは、同項の取締役・執行役、取引の決定をした取締役・執行役、取締役会の承認決議に賛成した取締役は、任務を怠ったものと推定される。
  • 指名委員会等設置会社における取締役会承認決議への賛成による推定は、当該取引が指名委員会等設置会社と取締役との間の取引又は指名委員会等設置会社と取締役との利益が相反する取引である場合に限られる。
  • 第356条第1項第2号又は第3号の場合において、監査等委員でない取締役が当該取引につき監査等委員会の承認を受けたときは、第3項の推定規定は適用されない。

第423条の要件・効果一覧

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区分対象要件効果
第1項(任務懈怠責任)役員等(取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人)その任務を怠ったこと株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う
第2項(利益額の推定)取締役又は執行役第356条第1項(第419条第2項において準用する場合を含む)の規定に違反して同項第1号の取引をしたこと当該取引によって取締役、執行役又は第三者が得た利益の額を、前項の損害の額と推定する
第3項(任務懈怠の推定)次のいずれかに該当する取締役又は執行役:一 第356条第1項(第419条第2項において準用する場合を含む)の取締役又は執行役、二 株式会社が当該取引をすることを決定した取締役又は執行役、三 当該取引に関する取締役会の承認の決議に賛成した取締役(指名委員会等設置会社においては、当該取引が指名委員会等設置会社と取締役との間の取引又は指名委員会等設置会社と取締役との利益が相反する取引である場合に限る)第356条第1項第2号又は第3号(これらの規定を第419条第2項において準用する場合を含む)の取引によって株式会社に損害が生じたことその任務を怠ったものと推定する
第4項(推定の不適用)第356条第1項の取締役(監査等委員であるものを除く)第356条第1項第2号又は第3号に掲げる場合において、当該取引につき監査等委員会の承認を受けたこと前項(第3項)の規定は適用しない

主要な判例

原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定
会社法所有権移転登記手続請求事件
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
平成19(受)799
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成21年3月10日 その他
登載
民集 第63巻3号361頁
参照法条
商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)267条1項,会社法423条1項,会社法847条1項
判示事項
株主代表訴訟の対象となる商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)267条1項にいう「取締役ノ責任」には,取締役が会社との取引によって負担することになった債務についての責任も含まれるか
裁判要旨株主代表訴訟の対象となる商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)267条1項にいう「取締役ノ責任」には,同法266条1項各号所定の責任など同法が取締役の地位に基づいて取締役に負わせている責任のほか,取締役が会社との取引によって負担することになった債務についての責任も含まれる。
会社法損害賠償請求事件
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
平成18(受)1074
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成20年1月28日 棄却
登載
民集 第62巻1号128頁
参照法条
民法167条1項,商法522条,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)254条3項,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)254条ノ3,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号,会社法423条1項,会社法430条
判示事項
商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づく会社の取締役に対する損害賠償請求権の消滅時効期間
裁判要旨商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づく会社の取締役に対する損害賠償請求権の消滅時効期間は,民法167条1項により10年と解すべきである。
会社法損害賠償請求事件
位置づけ
最高裁 / 裁判集登載
事件番号
平成24(受)1600
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成26年1月30日 その他
登載
集民 第246号69頁
参照法条
(1,2につき)商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号,会社法423条1項(1につき)民法404条,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)514条(2につき)民法412条
判示事項
1 商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づき取締役が会社に対して支払う損害賠償金に付すべき遅延損害金の利率 2 商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づく取締役の会社に対する損害賠償債務が履行遅滞となる時期
裁判要旨1 商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づき取締役が会社に対して支払う損害賠償金に付すべき遅延損害金の利率は,民法所定の年5分である。
2 商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づく取締役の会社に対する損害賠償債務は,履行の請求を受けた時に遅滞に陥る。

実務注記

原文解釈
  1. 第4項の適用除外を確認する監査等委員でない取締役が当該取引につき監査等委員会の承認を受けたときは、第3項の任務懈怠の推定規定は適用されない。
  2. 第3項各号該当者を個別に特定する第3項の推定は、①第356条第1項の取締役又は執行役、②会社が当該取引をすることを決定した取締役又は執行役、③取締役会の承認決議に賛成した取締役、のいずれかに該当するかで判断する。
  3. 指名委員会等設置会社では第3項第三号の限定要件を確認する指名委員会等設置会社においては、第3項第三号は当該取引が指名委員会等設置会社と取締役との間の取引又は指名委員会等設置会社と取締役との利益が相反する取引である場合に限り適用される。
  4. 第2項の推定は第356条第1項違反の場合に限られる第2項の利益額の推定は、取締役又は執行役が第356条第1項の規定に違反して同項第1号の取引をした場合にのみ適用される。
  5. 第419条第2項準用の場合を確認する第2項及び第3項の第356条第1項各号に関する規定は、第419条第2項において準用する場合を含むため、執行役についても同様の取扱いとなる場合がある。

条文原文

原文ママ
会社法 第423条(役員等の株式会社に対する損害賠償責任)
(役員等の株式会社に対する損害賠償責任)
第四百二十三条取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人(以下この章において「役員等」という。)は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
2取締役又は執行役が第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定に違反して第三百五十六条第一項第一号の取引をしたときは、当該取引によって取締役、執行役又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。
3第三百五十六条第一項第二号又は第三号(これらの規定を第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取引によって株式会社に損害が生じたときは、次に掲げる取締役又は執行役は、その任務を怠ったものと推定する。
一第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取締役又は執行役
二株式会社が当該取引をすることを決定した取締役又は執行役
三当該取引に関する取締役会の承認の決議に賛成した取締役(指名委員会等設置会社においては、当該取引が指名委員会等設置会社と取締役との間の取引又は指名委員会等設置会社と取締役との利益が相反する取引である場合に限る。)
4前項の規定は、第三百五十六条第一項第二号又は第三号に掲げる場合において、同項の取締役(監査等委員であるものを除く。)が当該取引につき監査等委員会の承認を受けたときは、適用しない。

一次情報