会社法 / テーマ別まとめ

機関/役員等の損害賠償責任

役員等の損害賠償責任の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

会社法423条から430条は、取締役・会計参与・監査役・執行役・会計監査人(役員等)が任務を怠った場合に会社に対して負う損害賠償責任と、その免除・一部免除・責任限定契約の仕組みを定めています。あわせて、役員等が第三者に対して負う損害賠償責任と、複数の役員等が責任を負う場合の連帯責任についても規定しています。

役員等の損害賠償責任
免除の方法対象となる役員等決定機関免除できる範囲
総株主の同意(424条)全ての役員等株主全員の同意全部免除
株主総会決議(425条)善意・無重過失の役員等株主総会の決議最低責任限度額まで軽減
定款の定め+取締役会決議等(426条)善意・無重過失の役員等取締役過半数の同意/取締役会決議425条と同じ限度額まで
責任限定契約(427条)非業務執行取締役等定款規定+個別契約契約額と最低限度額の高い方
  • 424条により、423条1項の責任は総株主の同意がなければ免除できないのが原則
  • 426条の定款による免除は、監査役設置会社(取締役2人以上)、監査等委員会設置会社、指名委員会等設置会社のみ利用可能
  • 425条の免除議案を株主総会に出すには、監査役設置会社では各監査役等、一定の同意が必要
  • 426条の免除には異議手続があり、異議申述期間は1か月を下ることができない
  • 426条の免除は、総株主の議決権の百分の三以上を有する株主が期間内に異議を述べると行うことができない
  • 428条により、取締役が自己のためにした取引(356条1項2号)の責任には424条から427条の免除・責任限定契約が一切適用されない
1

役員等の損害賠償責任

役員等の損害賠償責任について、条文は何を定めているか。

第423条役員等の株式会社に対する損害賠償責任任務を怠ると会社への賠償責任を負う4項・3号判例 8件
  • 対象は取締役・会計参与・監査役・執行役・会計監査人
  • 利益相反取引で取締役等が得た利益額を損害額と推定
  • 利益相反取引(2号3号)は任務懈怠を推定(監査等委員会承認時は適用外)
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第424条株式会社に対する損害賠償責任の免除会社への責任は総株主の同意がないと免除不可1項判例なし
  • 423条1項〈役員等の株式会社に対する損害賠償責任〉の責任の全部免除には総株主全員の同意が必要
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第425条責任の一部免除善意無重過失なら株主総会で一部免除できる5項・8号判例なし
  • 善意・無重過失の役員等が対象、最低責任限度額まで一部免除可
  • 限度額は代表取締役6年分等、報酬相当額に倍率を乗じて算定
  • 免除決議後に退職慰労金等を与えるには株主総会の承認が必要
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第426条取締役等による免除に関する定款の定め定款があれば取締役会決議で一部免除できる8項判例なし
  • 監査役設置会社(取締役2人以上)等が対象、定款の定めが必要
  • 425条〈責任の一部免除〉と同じ限度額まで取締役過半数の同意等で免除できる
  • 異議手続があり、議決権3%以上の異議で免除不可となる
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第427条責任限定契約非業務執行取締役等とは責任限定契約を結べる5項・3号判例なし
  • 対象は非業務執行の取締役・会計参与・監査役・会計監査人
  • 定款で定めた額と最低責任限度額のいずれか高い額が上限
  • 業務執行取締役等に就任すると契約は将来に向かって失効
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第428条取締役が自己のためにした取引に関する特則自己のための利益相反取引は免除規定が使えない2項判例なし
  • 自己のためにした取引(356条1項2号〈競業及び利益相反取引の制限 取締役が自己又は第三者のために株式会社と取引をしようとするとき。〉)は無過失の抗弁が使えない
  • 424条〈株式会社に対する損害賠償責任の免除〉から427条〈責任限定契約〉の免除・責任限定契約も一切適用されない
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第429条役員等の第三者に対する損害賠償責任悪意・重過失があれば第三者にも賠償責任を負う2項・4号判例なし
  • 役員等に悪意・重過失があれば第三者への損害賠償責任を負う
  • 募集事項・計算書類・登記・公告等の虚偽記載でも責任を負う
  • 注意を怠らなかったことを証明すれば免責される
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第430条役員等の連帯責任複数の役員等が責任を負うときは連帯債務となる1項判例 1件
  • 会社・第三者への賠償責任を複数の役員等が負う場合は連帯債務者となる
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第423条会社法

1 商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づき取締役が会社に対して支払う損害賠償金に付すべき遅延損害金の利率
2 商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づく取締役の会社に対する損害賠償債務が履行遅滞となる時期

裁判要旨1 商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づき取締役が会社に対して支払う損害賠償金に付すべき遅延損害金の利率は,民法所定の年5分である。
2 商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づく取締役の会社に対する損害賠償債務は,履行の請求を受けた時に遅滞に陥る。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成26年1月30日 平成24(受)1600
登載
集民 第246号69頁
参照法条
(1,2につき)商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号,会社法423条1項(1につき)民法404条,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)514条(2につき)民法412条
論点2第423条会社法

A社が事業再編計画の一環としてB社の株式を任意の合意に基づき買い取る場合において,A社の取締役に上記株式の買取価格の決定について善管注意義務違反はないとされた事例

裁判要旨不動産賃貸あっせんのフランチャイズ事業等を展開するA社が,事業再編計画の一環としてB社を完全子会社とする目的で同社の株式を任意の合意に基づき買い取る場合において,次の(1)〜(3)など判示の事情の下では,株式交換に備えて算定された上記株式の評価額が1株当たり6561円ないし1万9090円であったとしても,上記株式の買取価格をB社の設立時の株式の払込金額を基準として1株当たり5万円とする決定をしたことについて,A社の取締役が取締役としての善管注意義務に違反したということはできない。
(1) B社の株主には,A社が事業の遂行上重要であると考えていた上記フランチャイズ事業の加盟店等が含まれる。
(2) 非上場株式である上記株式の評価額には相当の幅があり,事業再編の効果によるB社の企業価値の増加も期待できた。
(3) 上記の決定に至る過程で,A社の役付取締役全員により構成される経営会議において検討がされ,弁護士の意見も聴取されるなどの手続が履践された。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成22年7月15日 平成21(受)183
登載
集民 第234号225頁
参照法条
会社法330条,会社法355条,会社法423条1項,会社法847条,民法644条
論点3第423条会社法

株主代表訴訟の対象となる商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)267条1項にいう「取締役ノ責任」には,取締役が会社との取引によって負担することになった債務についての責任も含まれるか

裁判要旨株主代表訴訟の対象となる商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)267条1項にいう「取締役ノ責任」には,同法266条1項各号所定の責任など同法が取締役の地位に基づいて取締役に負わせている責任のほか,取締役が会社との取引によって負担することになった債務についての責任も含まれる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成21年3月10日 平成19(受)799
登載
民集 第63巻3号361頁
参照法条
商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)267条1項,会社法423条1項,会社法847条1項
論点4第423条会社法

A銀行が,県から要請を受け,県において再建資金の融資を計画していたB社に対し,上記融資が実行されるまでのつなぎ融資をした後に,B社に追加融資をしてもその回収を容易に見込めない一方で,これをしなければB社が破綻,倒産する可能性が高く,上記つなぎ融資まで回収不能となるおそれがある状況の下で,B社に対して追加融資をした場合において,その追加融資の一部につき,これを決定したA銀行の取締役らに善管注意義務違反があるとされた事例

裁判要旨A銀行が,県から要請を受け,県において再建資金の融資を計画していたB社に対し,上記融資が実行されるまでのつなぎ融資として9億5000万円を融資した後に,B社に追加融資をしてもその回収を容易に見込めない一方で,これをしなければB社が破綻,倒産する可能性が高く,県のB社に対する融資により回収することを予定していた上記つなぎ融資まで回収不能となるおそれがある状況の下で,B社に対し,約3年の間に数十回にわたり合計8億5000万円余りの追加融資をした場合において,(1)上記追加融資を続ける過程で,A銀行は,県の担当者から,知事がB社の創業者であるC及びその親族をB社の経営から排除することを県のB社に対する融資の条件とする意向を示している旨の連絡を受けたこと,(2)その当時,法的手続を通じてC及びその親族をB社の経営から排除することは困難な状況にあり,その後も,同人らを排除することができない状況が続いたこと,(3)その間,A銀行は,県に対し,2度にわたり期限を定めて県のB社に対する融資の実行を求めたにもかかわらず,県は2度目の期限も徒過し,その時点で,上記(1)の連絡を受けてから10か月以上が経過していたこと,(4)上記時点までには,A銀行自身も,資産査定において,B社の債務者区分を要注意先から破綻懸念先に変更するに至っていたことなど判示の事情の下では,上記時点以後は,A銀行の取締役らにおいて,上記つなぎ融資の回収原資をもたらす県のB社に対する融資が実行される相当程度の確実性があり,その実行までB社を存続させるために追加融資をした方が,追加融資分が回収不能になる危険性を考慮しても全体の回収不能額を小さくすることができると判断することは,著しく不合理であり,上記時点以後の3億0500万円の追加融資については,これを決定したA銀行の取締役らに善管注意義務違反がある。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成21年11月27日 平成19(受)1056
登載
集民 第232号353頁
参照法条
商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)254条3項,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)267条,民法644条,会社法423条1項,会社法847条
論点5第423条会社法

商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づく会社の取締役に対する損害賠償請求権の消滅時効期間

裁判要旨商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づく会社の取締役に対する損害賠償請求権の消滅時効期間は,民法167条1項により10年と解すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成20年1月28日 平成18(受)1074
登載
民集 第62巻1号128頁
参照法条
民法167条1項,商法522条,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)254条3項,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)254条ノ3,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号,会社法423条1項,会社法430条
論点6第423条会社法

1 銀行が,第三者割当増資を計画する企業から新株引受先として予定された当該企業の関連会社に対する引受代金相当額の融資を求められ,これを実行した場合において,融資を決定した取締役らに忠実義務,善管注意義務違反があるとされた事例
2 銀行が,積極的な融資の対象であったが大幅な債務超過となって破たんに直面した企業に対し,同企業を数か月延命させる目的で追加融資を実行した場合において,追加融資を決定した取締役らに忠実義務,善管注意義務違反があるとされた事例

裁判要旨1 A銀行が,第三者割当増資を計画するB社から,発行する新株の相当部分を引き受ける予定のB社の関連会社に対する引受代金相当額の融資を求められ,これを実行した場合において,次の(1)〜(4)など判示の事情の下では,A銀行の取締役らが上記求めに応じて融資を決定したことは,当該融資が,A銀行が当時採用していた企業育成路線の一環としてされたものであったとしても,A銀行の取締役としての忠実義務,善管注意義務に違反する。
(1) 当該融資は,引受予定のB社の新株を担保とし,弁済期に当該株式を売却した代金で融資金の返済を受けることを予定したもので,保証人となるB社代表者の資産も大部分はB社の株式であり,債権の回収は専らB社の業績及び株価の動向のみに依存するものであった。
(2) 当該融資の額は200億円近い巨額のものであった。
(3) 新株発行後のB社の発行済株式総数に占める担保株式の割合等に照らし,融資先が弁済期に担保株式を一斉に売却すれば株価が暴落するおそれがあることは容易に推測できた。
(4) A銀行が以前に行った調査において,B社につき,財務内容が極めて不透明であり,借入金が過大で財務内容は良好とはいえないとの報告がされていた。
2 A銀行が,新興企業育成路線に基づく積極的な融資の対象であったが大幅な債務超過となり破たんに直面するに至ったB社に対し,もはやB社の存続が不可能であるとの認識を前提に,B社がA銀行から資金の融資を受けて継続中の大規模なリゾート開発事業が完成する予定の数か月後までB社を延命させる目的でそれに必要な資金409億円の追加融資を実行した場合において,次の(1)〜(3)など判示の事情の下では,A銀行の取締役らが追加融資を決定したことは,A銀行の取締役としての忠実義務,善管注意義務に違反する。
(1) 追加融資に際し新たに担保を設定した不動産等の担保価値は到底追加融資相当額に見合うものではなく,追加融資の大部分は当初から回収の見込みがなかった。
(2) 上記事業は,完成したとしてもその採算性が疑わしく,中長期的にも,上記事業を独立して継続させることにより追加融資に見合う額の債権回収が期待できたということはできない。
(3) B社を数か月間延命させたとしても,それにより関連企業の連鎖倒産を避けられたとも,B社に多額の資金を融資していた信用組合が破たんしてA銀行に支援要請が来る事態を回避できたとも考え難い。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成20年1月28日 平成17(受)1440
登載
集民 第227号105頁
参照法条
商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)254条3項,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)254条ノ3,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号,民法644条,会社法423条1項
論点7第423条会社法

会社法423条1項〈役員等の株式会社に対する損害賠償責任〉に基づく損害賠償請求訴訟において原告の設置した取締役責任調査委員会の委員であった弁護士が原告の訴訟代理人として行う訴訟行為を弁護士法25条2号及び4号の類推適用により排除することはできないとされた事例

裁判要旨株式会社である原告の設置した取締役責任調査委員会により、原告の取締役であった被告に対する事情聴取が行われた後、原告が、被告に対し、上記委員会の委員であった弁護士を訴訟代理人として、会社法423条1項〈役員等の株式会社に対する損害賠償責任〉に基づく損害賠償責任を追及する訴訟を提起した場合において、上記委員会が被告の上記責任の有無等を調査、検討するために設置されたものであるなど判示の事実関係の下では、上記訴訟において上記弁護士が原告の訴訟代理人として行う訴訟行為について、弁護士法25条2号及び4号の類推適用があるとして、これを排除することはできない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 令和4年6月27日 令和4(許)3
登載
集民 第268号323頁
参照法条
弁護士法25条2号、弁護士法25条4号、会社法423条1項
論点8第423条会社法

監査の範囲が会計に関するものに限定されている監査役は,計算書類及びその附属明細書の監査を行うに当たり,当該計算書類等に表示された情報が会計帳簿の内容に合致していることを確認しさえすれば,その任務を尽くしたといえるか

裁判要旨監査の範囲が会計に関するものに限定されている監査役は,計算書類及びその附属明細書の監査を行うに当たり,会計帳簿が信頼性を欠くものであることが明らかでない場合であっても,当該計算書類等に表示された情報が会計帳簿の内容に合致していることを確認しさえすれば,常にその任務を尽くしたといえるものではない。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 令和3年7月19日 令和1(受)1968
登載
集民 第266号157頁
参照法条
会社法389条1項,会社法389条2項,会社法423条1項,会社法436条1項,会社計算規則121条2項,会社計算規則122条1項2号,会社計算規則(平成21年法務省令第7号による改正前のもの)149条2項,会社計算規則(平成21年法務省令第7号による改正前のもの)150条1項2号
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

会社法 第423条(役員等の株式会社に対する損害賠償責任) 詳細ページ
(役員等の株式会社に対する損害賠償責任)
第四百二十三条取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人(以下この章において「役員等」という。)は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
2取締役又は執行役が第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定に違反して第三百五十六条第一項第一号の取引をしたときは、当該取引によって取締役、執行役又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。
3第三百五十六条第一項第二号又は第三号(これらの規定を第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取引によって株式会社に損害が生じたときは、次に掲げる取締役又は執行役は、その任務を怠ったものと推定する。
一第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取締役又は執行役
二株式会社が当該取引をすることを決定した取締役又は執行役
三当該取引に関する取締役会の承認の決議に賛成した取締役(指名委員会等設置会社においては、当該取引が指名委員会等設置会社と取締役との間の取引又は指名委員会等設置会社と取締役との利益が相反する取引である場合に限る。)
4前項の規定は、第三百五十六条第一項第二号又は第三号に掲げる場合において、同項の取締役(監査等委員であるものを除く。)が当該取引につき監査等委員会の承認を受けたときは、適用しない。
会社法 第424条(株式会社に対する損害賠償責任の免除) 詳細ページ
(株式会社に対する損害賠償責任の免除)
第四百二十四条前条第一項の責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない。
会社法 第425条(責任の一部免除) 詳細ページ
(責任の一部免除)
第四百二十五条前条の規定にかかわらず、第四百二十三条第一項の責任は、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、賠償の責任を負う額から次に掲げる額の合計額(第四百二十七条第一項において「最低責任限度額」という。)を控除して得た額を限度として、株主総会(株式会社に最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。以下この節において同じ。)がある場合において、当該責任が特定責任(第八百四十七条の三第四項に規定する特定責任をいう。以下この節において同じ。)であるときにあっては、当該株式会社及び当該最終完全親会社等の株主総会。以下この条において同じ。)の決議によって免除することができる。
一当該役員等がその在職中に株式会社から職務執行の対価として受け、又は受けるべき財産上の利益の一年間当たりの額に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額に、次のイからハまでに掲げる役員等の区分に応じ、当該イからハまでに定める数を乗じて得た額
イ代表取締役又は代表執行役六
ロ代表取締役以外の取締役(業務執行取締役等であるものに限る。)又は代表執行役以外の執行役四
ハ取締役(イ及びロに掲げるものを除く。)、会計参与、監査役又は会計監査人二
二当該役員等が当該株式会社の新株予約権を引き受けた場合(第二百三十八条第三項各号に掲げる場合に限る。)における当該新株予約権に関する財産上の利益に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額
2前項の場合には、取締役(株式会社に最終完全親会社等がある場合において、同項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該株式会社及び当該最終完全親会社等の取締役)は、同項の株主総会において次に掲げる事項を開示しなければならない。
一責任の原因となった事実及び賠償の責任を負う額
二前項の規定により免除することができる額の限度及びその算定の根拠
三責任を免除すべき理由及び免除額
3監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社においては、取締役(これらの会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該会社及び当該最終完全親会社等の取締役)は、第四百二十三条第一項の責任の免除(取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)及び執行役の責任の免除に限る。)に関する議案を株主総会に提出するには、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者の同意を得なければならない。
一監査役設置会社監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、各監査役)
二監査等委員会設置会社各監査等委員
三指名委員会等設置会社各監査委員
4第一項の決議があった場合において、株式会社が当該決議後に同項の役員等に対し退職慰労金その他の法務省令で定める財産上の利益を与えるときは、株主総会の承認を受けなければならない。当該役員等が同項第二号の新株予約権を当該決議後に行使し、又は譲渡するときも同様とする。
5第一項の決議があった場合において、当該役員等が前項の新株予約権を表示する新株予約権証券を所持するときは、当該役員等は、遅滞なく、当該新株予約権証券を株式会社に対し預託しなければならない。この場合において、当該役員等は、同項の譲渡について同項の承認を受けた後でなければ、当該新株予約権証券の返還を求めることができない。
会社法 第426条(取締役等による免除に関する定款の定め) 詳細ページ
(取締役等による免除に関する定款の定め)
第四百二十六条第四百二十四条の規定にかかわらず、監査役設置会社(取締役が二人以上ある場合に限る。)、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社は、第四百二十三条第一項の責任について、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合において、責任の原因となった事実の内容、当該役員等の職務の執行の状況その他の事情を勘案して特に必要と認めるときは、前条第一項の規定により免除することができる額を限度として取締役(当該責任を負う取締役を除く。)の過半数の同意(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)によって免除することができる旨を定款で定めることができる。
2前条第三項の規定は、定款を変更して前項の規定による定款の定め(取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)及び執行役の責任を免除することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を株主総会に提出する場合、同項の規定による定款の定めに基づく責任の免除(取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)及び執行役の責任の免除に限る。)についての取締役の同意を得る場合及び当該責任の免除に関する議案を取締役会に提出する場合について準用する。この場合において、同条第三項中「取締役(これらの会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該会社及び当該最終完全親会社等の取締役)」とあるのは、「取締役」と読み替えるものとする。
3第一項の規定による定款の定めに基づいて役員等の責任を免除する旨の同意(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)を行ったときは、取締役は、遅滞なく、前条第二項各号に掲げる事項及び責任を免除することに異議がある場合には一定の期間内に当該異議を述べるべき旨を公告し、又は株主に通知しなければならない。ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。
4公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「公告し、又は株主に通知し」とあるのは、「株主に通知し」とする。
5株式会社に最終完全親会社等がある場合において、第三項の規定による公告又は通知(特定責任の免除に係るものに限る。)がされたときは、当該最終完全親会社等の取締役は、遅滞なく、前条第二項各号に掲げる事項及び責任を免除することに異議がある場合には一定の期間内に当該異議を述べるべき旨を公告し、又は株主に通知しなければならない。ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。
6公開会社でない最終完全親会社等における前項の規定の適用については、同項中「公告し、又は株主に通知し」とあるのは、「株主に通知し」とする。
7総株主(第三項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が同項の期間内に同項の異議を述べたとき(株式会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定による定款の定めに基づき免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該株式会社の総株主(第三項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は当該最終完全親会社等の総株主(第三項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が第三項又は第五項の期間内に当該各項の異議を述べたとき)は、株式会社は、第一項の規定による定款の定めに基づく免除をしてはならない。
8前条第四項及び第五項の規定は、第一項の規定による定款の定めに基づき責任を免除した場合について準用する。
会社法 第427条(責任限定契約) 詳細ページ
(責任限定契約)
第四百二十七条第四百二十四条の規定にかかわらず、株式会社は、取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)、会計参与、監査役又は会計監査人(以下この条及び第九百十一条第三項第二十五号において「非業務執行取締役等」という。)の第四百二十三条第一項の責任について、当該非業務執行取締役等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、定款で定めた額の範囲内であらかじめ株式会社が定めた額と最低責任限度額とのいずれか高い額を限度とする旨の契約を非業務執行取締役等と締結することができる旨を定款で定めることができる。
2前項の契約を締結した非業務執行取締役等が当該株式会社の業務執行取締役等に就任したときは、当該契約は、将来に向かってその効力を失う。
3第四百二十五条第三項の規定は、定款を変更して第一項の規定による定款の定め(同項に規定する取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)と契約を締結することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を株主総会に提出する場合について準用する。この場合において、同条第三項中「取締役(これらの会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該会社及び当該最終完全親会社等の取締役)」とあるのは、「取締役」と読み替えるものとする。
4第一項の契約を締結した株式会社が、当該契約の相手方である非業務執行取締役等が任務を怠ったことにより損害を受けたことを知ったときは、その後最初に招集される株主総会(当該株式会社に最終完全親会社等がある場合において、当該損害が特定責任に係るものであるときにあっては、当該株式会社及び当該最終完全親会社等の株主総会)において次に掲げる事項を開示しなければならない。
一第四百二十五条第二項第一号及び第二号に掲げる事項
二当該契約の内容及び当該契約を締結した理由
三第四百二十三条第一項の損害のうち、当該非業務執行取締役等が賠償する責任を負わないとされた額
5第四百二十五条第四項及び第五項の規定は、非業務執行取締役等が第一項の契約によって同項に規定する限度を超える部分について損害を賠償する責任を負わないとされた場合について準用する。
会社法 第428条(取締役が自己のためにした取引に関する特則) 詳細ページ
(取締役が自己のためにした取引に関する特則)
第四百二十八条第三百五十六条第一項第二号(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取引(自己のためにした取引に限る。)をした取締役又は執行役の第四百二十三条第一項の責任は、任務を怠ったことが当該取締役又は執行役の責めに帰することができない事由によるものであることをもって免れることができない。
2前三条の規定は、前項の責任については、適用しない。
会社法 第429条(役員等の第三者に対する損害賠償責任) 詳細ページ
(役員等の第三者に対する損害賠償責任)
第四百二十九条役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
2次の各号に掲げる者が、当該各号に定める行為をしたときも、前項と同様とする。ただし、その者が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。
一取締役及び執行役次に掲げる行為
イ株式、新株予約権、社債若しくは新株予約権付社債を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該株式会社の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録
ロ計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書並びに臨時計算書類に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録
ハ虚偽の登記
ニ虚偽の公告(第四百四十条第三項に規定する措置を含む。)
二会計参与計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに会計参与報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録
三監査役、監査等委員及び監査委員監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録
四会計監査人会計監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録
会社法 第430条(役員等の連帯責任) 詳細ページ
(役員等の連帯責任)
第四百三十条役員等が株式会社又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の役員等も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。