会社法 平成十七年法律第八十六号 現行施行 2026-08-12 条文取得 2026-09-04

第427条責任限定契約

原文解釈概要・一覧表・実務注記は当サイトによる解釈です。条文原文と判例は転記です。

この条文が出てくる場面

原文整理テーマ別まとめ
役員の責任と株主代表訴訟ステップ 4 / 6 責任を軽くする3つの方法総会決議・定款+取締役会・責任限定契約の使い分け機関/役員等の損害賠償責任ステップ 1 / 1 役員等の損害賠償責任役員等の損害賠償責任について、条文は何を定めているか。

概要

原文解釈
  • 株式会社は、非業務執行取締役等(業務執行取締役等であるものを除く取締役、会計参与、監査役又は会計監査人)の第四百二十三条第一項の責任について、定款で定めた額の範囲内であらかじめ株式会社が定めた額と最低責任限度額とのいずれか高い額を限度とする契約を締結できる旨を定款で定めることができる。
  • この契約による責任限定は、当該非業務執行取締役等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときに限られる。
  • 契約を締結した非業務執行取締役等が当該株式会社の業務執行取締役等に就任したときは、当該契約は将来に向かってその効力を失う。
  • 定款を変更して第一項の定款の定め(監査等委員又は監査委員であるものを除く取締役と契約を締結することができる旨の定めに限る)を設ける議案を株主総会に提出する場合には、第四百二十五条第三項の規定が準用される。
  • 契約を締結した株式会社は、契約の相手方である非業務執行取締役等が任務を怠ったことにより損害を受けたことを知ったときは、その後最初に招集される株主総会において定められた事項を開示しなければならない。

責任限定契約の要件・効果一覧

原文解釈横スクロールできます
項区分内容
第一項対象非業務執行取締役等(業務執行取締役等であるものを除く取締役、会計参与、監査役又は会計監査人)
第一項主観的要件職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないとき
第一項責任限度額定款で定めた額の範囲内であらかじめ株式会社が定めた額と最低責任限度額とのいずれか高い額
第一項定款の定め非業務執行取締役等と当該契約を締結することができる旨を定款で定めることができる
第二項契約の失効事由非業務執行取締役等が当該株式会社の業務執行取締役等に就任したとき(将来に向かって効力を失う)
第三項準用(定款変更議案)定款を変更して第一項の定款の定め(取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く)と契約を締結することができる旨の定めに限る)を設ける議案を株主総会に提出する場合について第四百二十五条第三項を準用(読み替えあり)
第四項開示義務が生じる場合契約を締結した株式会社が、当該契約の相手方である非業務執行取締役等が任務を怠ったことにより損害を受けたことを知ったとき
第四項開示の場その後最初に招集される株主総会(当該株式会社に最終完全親会社等がある場合において、当該損害が特定責任に係るものであるときにあっては、当該株式会社及び当該最終完全親会社等の株主総会)
第四項開示事項一 第四百二十五条第二項第一号及び第二号に掲げる事項/二 当該契約の内容及び当該契約を締結した理由/三 第四百二十三条第一項の損害のうち、当該非業務執行取締役等が賠償する責任を負わないとされた額
第五項準用非業務執行取締役等が第一項の契約によって同項に規定する限度を超える部分について損害を賠償する責任を負わないとされた場合について第四百二十五条第四項及び第五項を準用

主要な判例

原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定
本条を直接の参照法条とする登載判例はありません※最高裁判所ウェブサイトの判例検索データベースに、本条を直接の参照法条とする登載判例はありません(条文通りの実務運用)。裁判例検索で自分で確かめる

実務注記

原文解釈
  1. 定款の定めが必要非業務執行取締役等との責任限定契約を締結できるようにするには、あらかじめ定款でその旨を定めることを要する(第一項)。
  2. 主観的要件(善意・無重過失)契約による責任限定は、当該非業務執行取締役等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合に限られる(第一項)。
  3. 契約の失効(遡及しない)契約締結者が当該株式会社の業務執行取締役等に就任したときは、契約は将来に向かってのみ効力を失う(第二項)。
  4. 定款変更議案の準用範囲の限定定款変更により第一項の定めを設ける議案には、監査等委員又は監査委員であるものを除く取締役との契約についての定めに限り第四百二十五条第三項が準用される(第三項)。
  5. 任務懈怠による損害発生時の開示義務契約の相手方の任務懈怠により損害を受けたことを知ったときは、その後最初に招集される株主総会(最終完全親会社等がある場合の特定責任の扱いに留意)で定められた事項を開示しなければならない(第四項)。

条文原文

原文ママ
会社法 第427条(責任限定契約)
(責任限定契約)
第四百二十七条第四百二十四条の規定にかかわらず、株式会社は、取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)、会計参与、監査役又は会計監査人(以下この条及び第九百十一条第三項第二十五号において「非業務執行取締役等」という。)の第四百二十三条第一項の責任について、当該非業務執行取締役等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、定款で定めた額の範囲内であらかじめ株式会社が定めた額と最低責任限度額とのいずれか高い額を限度とする旨の契約を非業務執行取締役等と締結することができる旨を定款で定めることができる。
2前項の契約を締結した非業務執行取締役等が当該株式会社の業務執行取締役等に就任したときは、当該契約は、将来に向かってその効力を失う。
3第四百二十五条第三項の規定は、定款を変更して第一項の規定による定款の定め(同項に規定する取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)と契約を締結することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を株主総会に提出する場合について準用する。この場合において、同条第三項中「取締役(これらの会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該会社及び当該最終完全親会社等の取締役)」とあるのは、「取締役」と読み替えるものとする。
4第一項の契約を締結した株式会社が、当該契約の相手方である非業務執行取締役等が任務を怠ったことにより損害を受けたことを知ったときは、その後最初に招集される株主総会(当該株式会社に最終完全親会社等がある場合において、当該損害が特定責任に係るものであるときにあっては、当該株式会社及び当該最終完全親会社等の株主総会)において次に掲げる事項を開示しなければならない。
一第四百二十五条第二項第一号及び第二号に掲げる事項
二当該契約の内容及び当該契約を締結した理由
三第四百二十三条第一項の損害のうち、当該非業務執行取締役等が賠償する責任を負わないとされた額
5第四百二十五条第四項及び第五項の規定は、非業務執行取締役等が第一項の契約によって同項に規定する限度を超える部分について損害を賠償する責任を負わないとされた場合について準用する。

一次情報