論点1第399条民法
法律上の保護に値しない契約と判定された事例。
裁判要旨弁護士の提起した訴訟が控訴審に係属中、訴訟外の和解により控訴の取下をなすこととなつたが、同弁護士はかねて裁判所が判決をなす際に当事者の主張を作り上げる弊があることを不満としこれを是正するためとして、被告訴訟代理人たる弁護士との間で、一審判決に記載された権利濫用の抗弁を右被告代理人が主張したか否かにつき同人において記録を調査の上回答する旨約した場合は、当事者はかかる約定に拘束される意思あるものとは解しえられず、右の契約は法律上の保護に値しないものと認めるのが相当である。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和34年2月26日 昭和30(オ)611
- 登載
- 民集 第13巻2号394頁
- 参照法条
- 民法399条
論点2第400条民法
家屋賃借人の敷地利用が賃借家屋およびその敷地の使用収益権の範囲を逸脱しその保管義務に反することはないとされた事例
裁判要旨家屋賃借人がその敷地に家屋を無断築造した場合であつても、現在の家主が賃貸人となつた当時、すでに右賃借人が地主の承諾をえて敷地の一部に約三坪の居宅兼物置を築造しており、その後約一二年をへて、右賃借人が右居宅兼物置を撤去した跡にそれと面積、位置をほぼ同じくして、木造トタン葺板壁の簡単な構造の作業場を新築したにすぎず、右新築による賃借家屋の損傷の程度や作業場の利用状況等が判示のとおりであるときには、右作業場の設置をもつて、家屋賃借人の敷地利用が賃借家屋およびその敷地の使用収益権の範囲を逸脱し、その保管義務に反するものということはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和46年7月1日 昭和44(オ)508
- 登載
- 集民 第103号335頁
- 参照法条
- 民法400条,民法594条1項,民法616条
論点3第400条民法
賃貸家屋の無断改造工事が賃貸借の目的物保管義務に違反しないとされた事例。
裁判要旨賃借人が賃借家屋の無断改造工事をした場合でも、それが容易に復元できる簡易なものであり、もしくは浸水を防止するため必要であつた等、原判示の事情(原判決理由参照)がある場合には賃貸借の目的物保管義務に違反しないものと解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和40年3月11日 昭和39(オ)1310
- 登載
- 集民 第78号267頁
- 参照法条
- 民法400条,民法594条
論点4第400条民法
賃借人に著しい不信行為があるとして無催告の土地賃貸借契約解除が有効とされた事例。
裁判要旨土地賃借人が賃貸人の申し入れた地代値上の交渉をことさらに回避し、かつ、地下室の建設を禁ずる旨の約定があったのにこれを無視して地下室建設工事に着手し、賃貸人において工事中止もしくは原状回復の催告をしたとしても賃借人がこれに応じたとは到底認め得ないような事情(原判決理由参照)があるときは、賃貸人は、賃借人に著しい不信行為があることを理由として、催告なしに賃貸借契約を解除することができる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和39年6月4日 昭和37(オ)601
- 登載
- 集民 第74号11頁
- 参照法条
- 民法400条,民法541条,民法543条
論点5第401条民法
第三地において引き渡すべき義務を定めた木材の種類売買と目的物たる木材の特定
裁判要旨売主がb港において売買の目的物たる木材を引き渡すべき義務を負担する種類売買においては、木材が積出港たるa港の土場に集積されたからといつて、売買の目的物が右木材に特定されたものということはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和47年5月25日 昭和44(オ)458
- 登載
- 集民 第106号107頁
- 参照法条
- 民法401条2項
論点6第401条民法
不特定物の売買における目的物の所有権移転の時期
裁判要旨不特定物の売買においては、特段の事情のないかぎり、目的物が特定すると同時に、その目的物の所有権が売主から買主に移転するものと解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和44年11月6日 昭和44(オ)768
- 登載
- 集民 第97号211頁
- 参照法条
- 民法176条,民法401条2項
論点7第401条民法
土地の一部を目的とする賃貸借における賃借部分の特定について賃貸人の負担する債務が選択債務にあたるとされた事例
裁判要旨土地の一部を目的とする賃貸借について、当該契約の趣旨に適した場所が相当数あるときは、その賃借部分を特定して引き渡す賃貸人の債務は、選択債務にあたる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和42年2月23日 昭和40(オ)278
- 登載
- 民集 第21巻1号189頁
- 参照法条
- 民法401条,民法406号
論点8第401条民法
限定種類債務の目的物特定後における債務不履行
裁判要旨限定種類債務の目的物が当事者の合意により特定し一時買主の保管下におかれた場合でも、売主において修理を加え完成品として引き渡すことを後日に留保したときは、いまだ売買目的物の引渡しを了したものとはいえず、債務不履行責任を生じうる。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和41年9月6日 昭和39(オ)718
- 登載
- 集民 第84号311頁
- 参照法条
- 民法401条,民法415条,民法570条
論点9第401条民法
不特定物の売買における目的物所有権移転時期
裁判要旨不特定物の売買においては、特段の事情のないかぎり、目的物が特定した時に買主に所有権が移転するものと解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和35年6月24日 昭和31(オ)252
- 登載
- 民集 第14巻8号1528頁
- 参照法条
- 民法176条,民法401条2項
論点10第401条民法
民法第四〇一条第二項〈種類債権〉の「債務者ガ物ノ給付ヲ為スニ必要ナル行為を完了シタルトキ」にあたらない事例
裁判要旨漁業用タールの売買において、受渡の方法を、先ず買主が必要の都度引渡方を申し出で、これに対して売主が引渡場所を指定し、次いで買主が容器をその場所に持ち込み、タールを受領する旨約定した場合に売主が引渡場所を指定し、タールの引渡作業に必要な人夫を配置する等引渡の準備をなしたからと云つて、売主は「物ノ給付ヲ為スニ必要ナル行為ヲ完了シ」たことにはならない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和30年10月18日 昭和28(オ)1267
- 登載
- 民集 第9巻11号1642頁
- 参照法条
- 民法401条2項
論点11第402条民法
貨幣価値の下落と軍事郵便貯金の預金金額の払戻
裁判要旨昭和一九年五月から昭和二一年四月までの間に預入れられた軍事郵便貯金については、国は、払戻時に貨幣価値が著しく下落していても、払戻当時の貨幣で預金金額を払戻すことにより免責される。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和57年10月15日 昭和57(オ)439
- 登載
- 集民 第137号343頁
- 参照法条
- 民法1条2項,民法402条,民法666条
論点12第402条民法
貨幣価値の下落と割増金付割引勧業債券の券面額による支払
裁判要旨昭和九年一〇月発行の割増金割引勧業債券について、債券発行売出銀行は、別段の特約のない限り、償還時に貨幣価値が下落していても、償還当時の貨幣で券面額を弁済することにより免責される。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和36年6月20日 昭和33(オ)546
- 登載
- 民集 第15巻6号1602頁
- 参照法条
- 民法1条2項,民法402条
論点13第403条民法
一、外国為替及び外国貿易管理法並びに外国為替管理令に違反する保証契約の私法上の効力
二、外国の通貨をもつて債権額が指定された金銭債権と日本の通貨による請求
三、外国の通貨をもつて債権額が指定された金銭債権についての裁判上の請求と日本の通貨による債権額の算定
裁判要旨一、外国為替及び外国貿易管理法三〇条三号、外国為替管理令一三条一項一号、二項に違反して締結された保証契約でも、私法上は有効である。
二、外国の通貨をもつて債権額が指定された金銭債権については、債権者は債務者に対して外国の通貨又は日本の通貨のいずれによつてもこれを請求することができる。
三、外国の通貨をもつて債権額が指定された金銭債権について日本の通貨により裁判上の請求がされた場合、日本の通貨による債権額は、事実審の最終口頭弁論期日の外国為替相場によつて外国の通貨を日本の通貨に換算した額である。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和50年7月15日 昭和48(オ)305
- 登載
- 民集 第29巻6号1029頁
- 参照法条
- 外国為替及び外国貿易管理法30条3号,外国為替管理令13条1項1号,外国為替管理令13条2項,民法90条,民法403条
論点14第403条民法
外貨をもつて代金額を表示した売買契約に民法第四〇三条の適用がないとされた事例
裁判要旨売買契約において代金額がドルをもつて表示されていても、単なる日本国内売買であり一ドルを三六〇円と換算して支払うべき約定であつたと認められる合倍には、民法
第四〇三条〈外国の通貨で債権額を指定したときは、債務者は、履行地における為替相場により、日本の通貨で弁済をすることができる。〉を適用すべきでない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和40年11月30日 昭和37(オ)1231
- 登載
- 集民 第81号187頁
- 参照法条
- 民法403条
論点15第404条民法
一、裁判所が労働基準法一一四条の附加金の支払を命じるまでに予告手当の支払を完了した場合と附加金の支払を命じることの可否
二、商人である使用者が労働者に対して負う賃金債務の遅延損害金の利率
三、労働基準法一一四条による附加金の支払義務の履行遅滞による損害金の利率
裁判要旨一、使用者に労働基準法二〇条の違反があつても、裁判所が同法一一四条の附加金の支払を命じるまでに予告手当の支払を完了したときは、裁判所は附加金の支払を命じることはできない。
二、商人である使用者が労働者に対して負う賃金債務の遅延損害金の利率は商事法定利率によるべきである。
三、労働基準法一一四条による附加金の支払義務の履行遅滞による損害金の利率は民事法定利率によるべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和51年7月9日 昭和48(オ)682
- 登載
- 集民 第118号249頁
- 参照法条
- 労働基準法114条,商法4条,商法503条,商法514条,民法404条,民法419条
論点16第404条民法
商人間の不法行為に基づく損害賠償債権の遅延損害金の法定利率。
裁判要旨商人間の不法行為に基づく損害賠償債権の遅延損害金の法定利率は、年五分の割合であつて、商法第五一四条を類推適用すべきではない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和38年12月19日 昭和37(オ)708
- 登載
- 集民 第70号389頁
- 参照法条
- 民法404条,民法709条,商法514条
論点17第404条民法
消費貸借における利息の発生時期
裁判要旨消費貸借における借主は、特約のない限り、契約成立の日から約定利息を支払うべき義務がある
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和33年6月6日 昭和30(オ)911
- 登載
- 民集 第12巻9号1373頁
- 参照法条
- 民法404条,民法140条
論点18第404条民法
一 商法(昭和五六年法律第七四号による改正前のもの)二六六条ノ三第一項前段所定の損害賠償債務の履行遅滞となる時期
二 商法(昭和五六年法律第七四号による改正前のもの)二六六条ノ三第一項前段所定の損害賠償債務の遅延損害金の利率
裁判要旨一 商法(昭和五六年法律第七四号による改正前のもの)二六六条ノ三第一項前段所定の損害賠償債務は、履行の請求を受けた時に履行遅滞となる。
二 商法(昭和五六年法律第七四号による改正前のもの)二六六条ノ三第一項前段所定の損害賠償債務の遅延損害金の利率は、年五分である。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成元年9月21日 昭和59(オ)15
- 登載
- 集民 第157号635頁
- 参照法条
- 商法(昭和56年法律第74号による改正前のもの)266条ノ3,民法404条,民法412条
論点19第404条民法
一 土地収用法一三三条所定の訴訟における補償額についての審理判断の方法
二 被収用者が土地収用法一三三条所定の訴訟において補償金増額分に対する収用の時期以降の法定利率相当の金員を請求することの可否
裁判要旨一 土地収用法一三三条所定の損失補償に関する訴訟において、裁判所は、収用委員会の補償に関する認定判断に裁量権の逸脱濫用があるかどうかを審理判断するのではなく、裁決時点における正当な補償額を客観的に認定し裁決に定められた補償額が右認定額と異なるときは、これを違法とし、正当な補償額を確定すべきである。
二 被収用者は、土地収用法一三三条所定の損失補償に関する訴訟において、正当な補償額と権利取得裁決に定められた補償額との差額のみならず、右差額に対する裁決に定められた権利取得の時期からその支払済みまで民法所定の年五分の利率に相当する金員を請求することができる。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成9年1月28日 平成5(行ツ)11
- 登載
- 民集 第51巻1号147頁
- 参照法条
- 土地収用法48条1項,土地収用法71条,土地収用法88条,土地収用法133条,民法404条,民法419条
論点20第404条民法
1 商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づき取締役が会社に対して支払う損害賠償金に付すべき遅延損害金の利率
2 商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づく取締役の会社に対する損害賠償債務が履行遅滞となる時期
裁判要旨1 商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づき取締役が会社に対して支払う損害賠償金に付すべき遅延損害金の利率は,民法所定の年5分である。
2 商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づく取締役の会社に対する損害賠償債務は,履行の請求を受けた時に遅滞に陥る。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成26年1月30日 平成24(受)1600
- 登載
- 集民 第246号69頁
- 参照法条
- (1,2につき)商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号,会社法423条1項(1につき)民法404条,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)514条(2につき)民法412条
論点21第404条民法
1 貸主と借主との間で基本契約が締結されていない場合に第1の貸付けに係る債務の各弁済金のうち利息制限法1条1項所定の利息の制限額を超えて利息として支払われた部分を元本に充当すると過払金が発生しその後第2の貸付けに係る債務が発生したときにおける第1の貸付けに係る過払金の同債務への充当の可否
2 商行為である貸付けに係る債務の弁済金のうち利息制限法1条1項所定の利息の制限額を超えて利息として支払われた部分を元本に充当することにより発生する過払金を不当利得として返還する場合において悪意の受益者が付すべき民法704条前段所定の利息の利率
裁判要旨1 貸主と借主との間で継続的に貸付けが繰り返されることを予定した基本契約が締結されていない場合において,第1の貸付けに係る債務の各弁済金のうち利息制限法1条1項所定の利息の制限額を超えて利息として支払われた部分を元本に充当すると過払金が発生し,その後,第2の貸付けに係る債務が発生したときには,特段の事情のない限り,第1の貸付けに係る過払金は,第1の貸付けに係る債務の各弁済が第2の貸付けの前にされたものであるか否かにかかわらず,第2の貸付けに係る債務には充当されない。
2 商行為である貸付けに係る債務の弁済金のうち利息制限法1条1項所定の利息の制限額を超えて利息として支払われた部分を元本に充当することにより発生する過払金を不当利得として返還する場合において,悪意の受益者が付すべき民法704条前段所定の利息の利率は,民法所定の年5分である。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成19年2月13日 平成18(受)1187
- 登載
- 民集 第61巻1号182頁
- 参照法条
- (1,2につき)利息制限法1条1項 (1につき)民法488条 (2につき)民法404条,民法704条,商法514条
論点22第404条民法
損害賠償額の算定に当たり被害者の将来の逸失利益を現在価額に換算するために控除すべき中間利息の割合
裁判要旨損害賠償額の算定に当たり,被害者の将来の逸失利益を現在価額に換算するために控除すべき中間利息の割合は,民事法定利率によらなければならない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成17年6月14日 平成16(受)1888
- 登載
- 民集 第59巻5号983頁
- 参照法条
- 民法404条,民法709条
論点23第405条民法
年数回の組入れを約する重利の予約と利息制限法
裁判要旨年数回の利息の組入れを約する重利の予約は、毎期における組入れ利息とこれに対する利息との合算額が、本来の元本額に対する関係において、一年につき利息制限法所定の制限利率により計算した額をこえない限度においてのみ有効である。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和45年4月21日 昭和44(オ)269
- 登載
- 民集 第24巻4号298頁
- 参照法条
- 民法405条,利息制限法1条
論点24第405条民法
一 利息制限法違反の利息の約定ある消費貸借契約の効力
二 利息制限法違反の利息を元金に組み入れこれに利息を付する定めの効力
裁判要旨一 利息制限法違反の利息の支払を定めたからといつて、特別の事情のないかぎり消費貸借契約自体の無効を来さない。
二 利息制限法の利息を元金に組み入れ、これに対しさらに利息を付する定めは単に裁判上無効たるに止まり、すでに支払つた利息はその返還を請求することはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和28年12月18日 昭和26(オ)906
- 登載
- 民集 第7巻12号1470頁
- 参照法条
- 利息制限法2条,民法405条
論点25第405条民法
不法行為に基づく損害賠償債務の遅延損害金を民法405条の適用又は類推適用により元本に組み入れることの可否
裁判要旨不法行為に基づく損害賠償債務の遅延損害金は,民法
405条〈利息の元本への組入れ〉の適用又は類推適用により元本に組み入れることはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 令和4年1月18日 令和2(受)1518
- 登載
- 民集 第76巻1号1頁
- 参照法条
- 民法405条,民法709条,会社法350条
論点26第406条民法
土地の一部を目的とする売買契約における買受部分の特定につき選択債権に関する規定を適用した原審の判断が是認された事例
裁判要旨一〇〇坪の土地のうち西側半分五〇坪を売渡すものとして売買契約が成立した後、買主において、売主に対し、一定期間を定めて右五〇坪を特定するよう催告したが売主がこれに応じなかつたため、買主が測量のうえ右五〇坪を一〇〇坪の土地の西側一五九・六四平方メートルの部分に定め、不足部分は放棄する旨を通知した等原判示の事実関係(原判決理由参照)のもとで、民法
四〇六条〈選択債権における選択権の帰属〉以下の規定により売買の範囲が特定し、買受土地の所有権は売買契約の効力の発生時に遡つて買主に帰属した旨の原審の判断は、正当である。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和55年9月30日 昭和55(オ)606
- 登載
- 集民 第130号409頁
- 参照法条
- 民法406条,民法407条,民法408条,民法411条
論点27第406条民法
土地の不特定の一部を目的とする賃貸借において賃借部分を特定して引き渡すべき賃貸人の債務と民法四〇六条以下の適用
裁判要旨土地の一部を目的とする賃貸借において、その契約の趣旨に適した部分が相当数あるときは、その賃借部分を特定して引き渡すべき賃貸人の債務には、選択債務に関する民法四〇六条以下の規定の適用がある。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和54年4月17日 昭和53(オ)1047
- 登載
- 集民 第126号639頁
- 参照法条
- 民法406条,民法601条
論点28第406条民法
土地の一部を目的とする売買契約に基づき買主の取得する債権について選択債権に関する民法の規定を類推適用すべきであるとした事例
裁判要旨売主所有の土地について指定された換地予定地の一部を目的物として売買契約が成立した場合において、その契約の成立にいたるまでの経緯および右目的物に関し原審が確定したような事情(原判決理由参照)があるときは、同契約に基づき買主の取得する当該土地所有権移転請求権については、いわゆる選択債権に関する民法の規定を類推適用すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和41年11月25日 昭和37(オ)393
- 登載
- 集民 第85号389頁
- 参照法条
- 民法406条,民法407条,民法408条