民事執行法 / テーマ別まとめ

強制執行/総則

総則の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

民事執行法の総則(22条〜41条)は、強制執行を始めるために共通して必要となるルールをまとめた部分です。どんな文書(債務名義)があれば執行できるか、執行文の取得方法、送達や開始条件、そして執行に不服がある場合の各種の訴え・申立て、執行の停止や取消しの手続を定めています。個別の執行手続(不動産執行や債権執行など)に共通する土台となる規定です。

総則
手続何を争うか誰が使うか管轄
執行文付与の異議申立て付与処分そのもの債権者・債務者書記官所属裁判所/公証人役場地地裁
執行文付与の訴え証明書類の提出不能債権者第一審裁判所等(債務名義による)
執行文付与に対する異議の訴え事実到来・承継の有無債務者受訴裁判所
請求異議の訴え請求権の存否・内容債務者受訴裁判所
第三者異議の訴え目的物の権利侵害第三者執行裁判所
  • 執行文付与の異議申立てについての裁判自体には不服申立てできない(32条4項)
  • 異議の事由が数個あるときは同時に主張しなければならない(34条2項・35条3項で準用)
  • 確定判決についての請求異議の事由は口頭弁論終結後に生じたものに限る(35条2項)
  • 第三者異議の訴えは、第三者が債務者に対する目的物についての訴えを併合提起できる(38条2項)
  • 異議の訴えの提起だけでは当然に執行は止まらず、理由ありと見え疎明があって初めて裁判所が停止を命じられる(36条)
  • 執行文付与の訴えの管轄は債務名義の種類ごとに細かく定められている(33条2項)
1

総則

総則について、条文は何を定めているか。

第22条債務名義強制執行の根拠となる文書を列挙1項・14号判例 9件
  • 確定判決や仮執行宣言付判決なども債務名義になる
  • 公証人作成の執行証書(金銭等の給付)も債務名義
  • 外国判決・仲裁判断は執行決定等が確定して初めて対象
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第23条強制執行をすることができる者の範囲強制執行できる相手・申立人の範囲3項・3号判例 2件
  • 債務名義に表示された当事者本人に対してできる
  • 口頭弁論終結後の承継人にも及ぶ
  • 執行証書は作成後の承継人にも及ぶ(2項)
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第24条外国裁判所の判決の執行判決外国判決を執行するには執行判決が必要6項判例 7件
  • 訴えは債務者の普通裁判籍地の地裁(家事は家裁)が管轄
  • 執行判決は裁判の当否を審査せず可否のみ判断
  • 確定の証明がない・要件不備なら訴えは却下
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第25条強制執行の実施執行文付きの正本に基づき執行する1項判例 2件
  • 原則は執行文付き債務名義正本に基づき実施
  • 少額訴訟の確定判決等は正本のみで実施できる
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第26条執行文の付与執行文は書記官または公証人が付与2項・3号判例 1件
  • 執行証書以外は記録のある裁判所の書記官が付与
  • 執行証書は原本を保存する公証人が付与
  • 電磁的記録の場合は記録への併記等の方法による
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第27条条件付き請求や承継人への付与の要件5項・2号判例 2件
  • 事実到来が条件の請求は証明文書提出時のみ付与
  • 当事者以外への付与は明白か証明文書提出が必要
  • 不動産明渡等は占有者不特定のまま付与できる場合も
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第28条執行文の再度付与等同じ債務名義の正本を再度もらう場合2項判例なし
  • 完全弁済に数通必要な時や滅失時のみ再付与できる
  • 少額訴訟の正本等の再交付にも同様の扱い
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第29条債務名義等の送達強制執行には債務名義の送達が必須1項判例なし
  • 送達は執行の事前または同時に必要
  • 27条〈請求が債権者の証明すべき事実の到来に係る場合においては、執行文は、債権者がその事実の到来したことを証する文書又は電磁的記…〉の執行文の場合は謄本等も送達が必要
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第30条期限の到来又は担保の提供に係る場合の強制執行期限付き・担保付き請求の開始条件2項判例なし
  • 確定期限の到来後でなければ開始できない
  • 担保提供が条件なら証明文書提出後に開始できる
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第31条反対給付又は他の給付の不履行に係る場合の強制執行引換給付・代償請求の開始条件2項判例 1件
  • 反対給付やその提供の証明があって開始できる
  • 他の給付が目的達成不能な場合の代償請求も証明が必要
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第32条執行文の付与等に関する異議の申立て執行文付与の処分に対する異議申立て5項判例なし
  • 書記官の処分は所属裁判所、公証人の処分は役場地地裁へ
  • 異議中は担保の要否を決めて執行停止等を命じられる
  • この裁判自体には不服申立てできない
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第33条執行文付与の訴え証明書類がない時の執行文付与の訴え2項・8号判例 3件
  • 27条〈請求が債権者の証明すべき事実の到来に係る場合においては、執行文は、債権者がその事実の到来したことを証する文書又は電磁的記…〉の文書等を提出できない場合に提起できる
  • 債務名義の種類ごとに管轄裁判所が定められている
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第34条執行文付与に対する異議の訴え執行文付与に対する異議の訴え3項判例なし
  • 事実到来や当事者以外への付与に異議がある債務者が提起
  • 異議事由が複数あれば同時に主張が必要
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第35条請求異議の訴え請求異議の訴え(請求権の存否等を争う)3項判例 8件
  • 請求権の存在・内容に異議がある債務者が提起できる
  • 確定判決への異議事由は口頭弁論終結後のものに限る
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第36条執行文付与に対する異議の訴え等に係る執行停止の裁判異議の訴え提起時の執行停止の裁判5項判例 1件
  • 理由ありと見え疎明があれば停止等を命じられる
  • 急迫の事情があれば期間を定め訴え提起前でも命令可
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第37条終局判決における執行停止の裁判等終局判決での執行停止の裁判の帰結2項判例なし
  • 終局判決で停止命令の維持・変更・取消を判断
  • この裁判には仮執行宣言を付し、不服申立てできない
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第38条第三者異議の訴え第三者が権利を主張する第三者異議の訴え4項判例 7件
  • 目的物の所有権等を持つ第三者が提起できる
  • 執行裁判所が管轄し、債務者への訴えも併合提起可
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第39条強制執行の停止一定の文書提出で強制執行を停止3項・9号判例 4件
  • 取消・不許の裁判正本など列挙文書の提出で停止
  • 弁済受領書での停止は4週間限り
  • 弁済猶予承諾書での停止は2回・通じて6月まで
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第40条執行処分の取消し停止文書提出時は執行処分も取り消す2項判例 1件
  • 39条1項〈強制執行の停止〉1〜6号の文書提出で既存の執行処分も取消し
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第41条債務者が死亡した場合の強制執行の続行債務者死亡後も執行は続行できる3項判例なし
  • 開始後に債務者が死亡しても続行できる
  • 相続人不明・所在不明なら特別代理人を選任できる
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第22条民事執行法

債権者の代理人が本人としてした作成嘱託に基づき作成された公正証書の効力

裁判要旨債権者の代理人が本人としてした作成嘱託に基づき作成された公正証書は、債務名義としての効力がない。
(反対意見がある。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和56年3月24日 昭和53(オ)203
登載
民集 第35巻2号254頁
参照法条
公証人法2条,公証人法32条,民訴法(昭和54年法律第4号による改正前のもの)559条3号,民事執行法22条
論点2第22条民事執行法

外国裁判所の判決に記載がない利息を付加して執行判決をすることができる場合

裁判要旨外国裁判所の判決に記載がない利息であっても、当該外国の法制上、判決によって支払を命じられた金員に付随して発生し、執行することができるとされている場合には、これを付加して執行判決をすることができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成9年7月11日 平成5(オ)1761
登載
民集 第51巻6号2530頁
参照法条
民訴法200条,民事執行法22条6号,民事執行法24条
論点3第22条民事執行法

いわゆる懲罰的損害賠償を命じた外国裁判所の判決について執行判決をすることの可否

裁判要旨外国裁判所の判決のうち、補償的損害賠償等に加えて、見せしめと制裁のために懲罰的損害賠償としての金員の支払を命じた部分については、執行判決をすることができない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成9年7月11日 平成5(オ)1762
登載
民集 第51巻6号2573頁
参照法条
民訴法200条3号,民事執行法22条6号,民事執行法24条,民法709条
論点4第22条民事執行法

記載内容が事実に合致しないため公正証書が無効とされた事例

裁判要旨公正証書には、昭和六一年二月一三日に二〇〇〇万円を貸し付けたと記載されているが、実際には、同年二月五日から三月一九日まで(二月一三日を除く。)の間に七回にわたり合計七七八万円余の消費貸借、準消費貸借契約を締結し、公正証書作成日である三月二二日ころ債権者が債務者に対し、右各債権を含め将来二〇〇〇万円の限度で逐次貸し付ける旨を約したものであるなど判示の事実関係の下においては、公正証書に記載された債権と真実の債権との間に客観的な同一性を認めることができず、公正証書は債務名義としての効力を有しない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成6年4月5日 平成2(オ)53
登載
集民 第172号201頁
参照法条
民事執行法22条
論点5第22条民事執行法

訴訟当事者に判決の内容が了知されず又は了知する機会も実質的に与えられなかったことにより不服申立ての機会が与えられないまま確定した外国裁判所の判決に係る訴訟手続と民訴法118条3号にいう公の秩序

裁判要旨外国裁判所の判決に係る訴訟手続において,当該判決の内容を了知させることが可能であったにもかかわらず,実際には訴訟当事者にこれが了知されず又は了知する機会も実質的に与えられなかったことにより,不服申立ての機会が与えられないまま確定した当該判決に係る訴訟手続は,民訴法118条3号にいう公の秩序に反する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成31年1月18日 平成29(受)2177
登載
民集 第73巻1号1頁
参照法条
民訴法118条3号,民事執行法22条6号,民事執行法24条
論点6第22条民事執行法

1 人事に関する訴え以外の訴えにおける民訴法118条1号のいわゆる間接管轄の有無の判断基準
2 違法行為により権利利益を侵害され又は侵害されるおそれがある者が提起する差止請求に関する訴えと民訴法3条の3第8号の「不法行為に関する訴え」
3 違法行為により権利利益を侵害され又は侵害されるおそれがある者が提起する差止請求に関する訴えにおける民訴法3条の3第8号の「不法行為があった地」の意義
4 違法行為により権利利益を侵害され又は侵害されるおそれがあるとして差止請求を認めた外国裁判所の判決について民訴法118条1号のいわゆる間接管轄の有無を判断する場合において,民訴法3条の3第8号の「不法行為があった地」が当該外国裁判所の属する国にあるというために証明すべき事項

裁判要旨1 人事に関する訴え以外の訴えにおける民訴法118条1号のいわゆる間接管轄の有無については,基本的に我が国の民訴法の定める国際裁判管轄に関する規定に準拠しつつ,個々の事案における具体的事情に即して,外国裁判所の判決を我が国が承認するのが適当か否かという観点から,条理に照らして判断すべきである。
2 民訴法3条の3第8号の「不法行為に関する訴え」は,違法行為により権利利益を侵害され,又は侵害されるおそれがある者が提起する差止請求に関する訴えをも含む。
3 違法行為により権利利益を侵害され,又は侵害されるおそれがある者が提起する差止請求に関する訴えについては,民訴法3条の3第8号の「不法行為があった地」は,違法行為が行われるおそれのある地や,権利利益を侵害されるおそれのある地をも含む。
4 違法行為により権利利益を侵害され,又は侵害されるおそれがあるとして差止請求を認めた外国裁判所の判決について民訴法118条1号のいわゆる間接管轄の有無を判断する場合において,民訴法3条の3第8号の「不法行為があった地」が当該外国裁判所の属する国にあるというためには,被告が原告の権利利益を侵害する行為を同国内で行うおそれがあるか,原告の権利利益が同国内で侵害されるおそれがあるとの客観的事実関係が証明されれば足りる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成26年4月24日 平成23(受)1781
登載
民集 第68巻4号329頁
参照法条
(1,4につき)民訴法118条1号,民事執行法22条6号,民事執行法24条 (2〜4につき)民訴法3条の3第8号
論点7第22条民事執行法

第1審判決の仮執行宣言に基づく強制執行によって建物が明け渡されている場合における当該建物の明渡請求と併合されている他の請求の当否等についての控訴審の判断

裁判要旨第1審判決の仮執行宣言に基づく強制執行によって建物が明け渡されている場合には,控訴審は,当該建物の明渡請求と併合されている賃料相当損害金等の支払請求の当否や同請求に対する抗弁において主張されている敷金返還請求権の存否についても,当該明渡しの事実を考慮することなく,判断すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成24年4月6日 平成22(受)754
登載
民集 第66巻6号2535頁
参照法条
民訴法136条,民訴法259条,民訴法260条,民事執行法22条2号
論点8第22条民事執行法

一 香港高等法院がした訴訟費用の負担を命ずる裁判と民事執行法二四条所定の「外国裁判所の判決」
二 併合請求の裁判籍が存在することを根拠に香港の裁判所に民訴法一一八条一号所定の「外国裁判所の裁判権」が認められた事例
三 司法共助に関する条約に定められた方法によらない送達と民訴法一一八条二号所定の「訴訟の開始に必要な呼出し若しくは命令の送達」
四 香港在住の当事者から私的に依頼を受けた者が我が国でした直接交付の方法による送達と民訴法一一八条二号
五 弁護士費用を含む訴訟費用全額の負担を命ずる裁判と民訴法一一八条三号所定の「公の秩序」
六 中国に返還される前の香港と我が国との間における民訴法一一八条四号所定の「相互の保証」の有無

裁判要旨一 香港高等法院がした訴訟費用負担命令並びにこれと一体を成す費用査定書及び費用証明書は、民事執行法二四条〈外国裁判所の判決の執行判決〉所定の「外国裁判所の判決」に当たる。
二 甲及び甲が代表者を務める乙会社と丁との間の起訴契約に基づき、丁が丙に対して香港の裁判所に保証債務の履行を求める第一訴訟を提起したところ、丙が、第一訴訟が認容された場合に備えて、甲に対して根抵当権の代位行使ができることの確認を求める第二訴訟を、甲及び乙会社に対して求償請求ができることの確認を求める第三訴訟を提起し、第一訴訟及び第二訴訟については香港に国際裁判管轄が存在するなど判示の事実関係の下においては、第三訴訟については、民訴法七条の規定の趣旨に照らし、第二訴訟との間の併合請求の裁判籍が香港に存在することを肯認して、香港の裁判所のした判決を我が国で承認することが、当事者間の公平、裁判の適正・迅速の理念に合致し、条理にかなうものである。
三 裁判上の文書の送達につき、判決国と我が国との間に司法共助に関する条約が締結されていて、訴訟手続の開始に必要な文書の送達が右条約に定める方法によるべきものとされている場合には、右条約に定められた方法を遵守しない送達は、民訴法一一八条二号所定の要件を満たさない。
四 香港在住の当事者から私的に依頼を受けた者が我が国でした直接交付の方法による送達は、民訴法一一八条二号所定の要件を満たさない。
五 弁護士費用を含む訴訟費用の全額をいずれか一方の当事者に負担させる裁判は、実際に生じた費用の範囲内でその負担を命ずるものである限り、民訴法一一八条三号所定の「公の秩序」に反するものではない。
六 中国に返還される前の香港と我が国との間には、金銭の支払を命じた判決に関し、民訴法一一八条四号所定の「相互の保証」がある。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成10年4月28日 平成6(オ)1838
登載
民集 第52巻3号853頁
参照法条
民事執行法22条6号,民事執行法24条,民訴法7条,民訴法118条,民事又は商事に関する裁判上及び裁判外の文書の外国における送達及び告知に関する条約,日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の領事条約
論点9第22条民事執行法

民訴法118条3号の要件を具備しない懲罰的損害賠償としての金員の支払を命じた部分が含まれる外国裁判所の判決に係る債権について弁済がされた場合に,その弁済が上記部分に係る債権に充当されたものとして上記判決についての執行判決をすることの可否

裁判要旨民訴法118条3号の要件を具備しない懲罰的損害賠償としての金員の支払を命じた部分が含まれる外国裁判所の判決に係る債権について弁済がされた場合,その弁済が上記外国裁判所の強制執行手続においてされたものであっても,これが上記部分に係る債権に充当されたものとして上記判決についての執行判決をすることはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 令和3年5月25日 令和2(受)170
登載
民集 第75巻6号2935頁
参照法条
民訴法118条3号,民事執行法22条6号,民事執行法24条
論点10第23条民事執行法

権利能力のない社団を債務者とする金銭債権を表示した債務名義を有する債権者が,当該社団の構成員全員に総有的に帰属し,当該社団のために第三者がその登記名義人とされている不動産に対して強制執行をしようとする場合における申立ての方法

裁判要旨権利能力のない社団を債務者とする金銭債権を表示した債務名義を有する債権者が,当該社団の構成員全員に総有的に帰属する不動産に対して強制執行をしようとする場合において,上記不動産につき,当該社団のために第三者がその登記名義人とされているときは,上記債権者は,強制執行の申立書に,当該社団を債務者とする執行文の付された上記債務名義の正本のほか,上記不動産が当該社団の構成員全員の総有に属することを確認する旨の上記債権者と当該社団及び上記登記名義人との間の確定判決その他これに準ずる文書を添付して,当該社団を債務者とする強制執行の申立てをすべきであり,上記債務名義につき,上記登記名義人を債務者として上記不動産を執行対象財産とする執行文の付与を求めることはできない。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成22年6月29日 平成21(受)1298
登載
民集 第64巻4号1235頁
参照法条
民法33条,民訴法29条,民事執行法23条3項,民事執行法25条,民事執行法27条2項,民事執行法33条,民事執行規則21条,民事執行規則23条
論点11第23条民事執行法

第三者異議の訴えの原告についての法人格否認の法理の適用

裁判要旨第三者異議の訴えの原告の法人格が執行債務者に対する強制執行を回避するために濫用されている場合には,原告は,執行債務者と別個の法人格であることを主張して強制執行の不許を求めることは許されない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成17年7月15日 平成16(受)1611
登載
民集 第59巻6号1742頁
参照法条
民事執行法23条,民事執行法38条1項,民訴法115条,民法33条,商法52条
論点12第24条民事執行法

一 民訴法二〇〇条四号所定の「相互ノ保証アルコト」の意義
二 民訴法二〇〇条三号の規定と外国裁判所の判決の成立についての公序良俗違反

裁判要旨一 民訴法二〇〇条四号所定の「相互ノ保証アルコト」とは、当該判決をした外国裁判所の属する国において、右判決と同種類の我が国の裁判所の判決が同条各号所定の条件と重要な点で異ならない条件のもとに効力を有するものとされていることをいうものと解すべきである。
二 民訴法二〇〇条三号の規定は、外国裁判所の判決の内容のほかその成立も我が国の公序良俗に反しないことを要するとしたものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和58年6月7日 昭和57(オ)826
登載
民集 第37巻5号611頁
参照法条
民事執行法24条,民訴法200条3号,民訴法200条4号
論点13第25条民事執行法

給与等の支払をする者が判決に基づく強制執行によりその回収を受ける場合における源泉徴収義務の有無

裁判要旨所得税法28条1項に規定する給与等の支払をする者が,その支払を命ずる判決に基づく強制執行によりその回収を受ける場合であっても,上記の者は,同法183条1項所定の源泉徴収義務を負う。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成23年3月22日 平成21(受)747
登載
民集 第65巻2号735頁
参照法条
所得税法6条,28条1項,183条1項,民事執行法25条
論点14第26条民事執行法

免責許可の決定の効力が及ばない破産債権であることを理由として当該破産債権が記載された破産債権者表につき執行文付与の訴えを提起することの許否

裁判要旨免責許可の決定が確定した債務者に対し確定した破産債権を有する債権者が,当該破産債権が破産法253条1項各号に掲げる請求権に該当することを理由として,当該破産債権が記載された破産債権者表について執行文付与の訴えを提起することは許されない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成26年4月24日 平成25(受)419
登載
民集 第68巻4号380頁
参照法条
民事執行法26条,民事執行法27条1項,民事執行法27条2項,民事執行法33条1項,破産法221条,破産法253条1項,破産法253条3項
論点15第31条民事執行法

執行不能を条件とする代償請求が将来の給付の訴えとしての訴訟要件を欠くとされた事例

裁判要旨株式譲渡承認の申請手続と右承認を条件とする株券の指図による占有移転を命ずる判決の執行不能を条件とする代償請求は、将来の給付の訴えとしての訴訟要件を欠く。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和63年10月21日 昭和60(オ)522
登載
集民 第155号55頁
参照法条
民訴法226条,民事執行法31条2項
論点16第33条民事執行法

家庭裁判所において請求異議の訴えが適法に損害賠償請求の訴えに交換的に変更された場合と新訴の取扱い

裁判要旨家庭裁判所において請求異議の訴えが適法に損害賠償請求の訴えに交換的に変更された場合には、民訴法三〇条一項により、新訴を管轄裁判所に移送すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成5年2月18日 平成3(オ)131
登載
民集 第47巻2号632頁
参照法条
民訴法30条1項,民訴法232条,民事執行法33条2項,民事執行法35条
論点17第35条民事執行法

不動産の引渡命令の発付を受けた買受人が当該不動産を第三者に譲渡した場合と引渡命令の相手方が右買受人に対して提起する引渡命令に対する請求異議の訴えにおける異議の事由

裁判要旨不動産の引渡命令の発付を受けた買受人が当該不動産を第三者に譲渡したとしても、引渡命令の相手方は、右買受人に対して提起する引渡命令に対する請求異議の訴えにおいて、右譲渡の事実をもつて異議の事由とすることはできない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和63年2月25日 昭和62(オ)491
登載
集民 第153号443頁
参照法条
民事執行法35条,民事執行法83条1項
論点18第35条民事執行法

裁判上の和解調書に基づく強制執行が権利の濫用に当たらないものとされた事例

裁判要旨甲.乙間に土地の境界をめぐる紛争があり、乙が建築しようとした建物についての甲の申請にかかる建築工事禁止仮処分事件で甲・乙間に裁判上の和解が成立した場合において、右和解の趣旨.目的が、右仮処分申請当時、建築工事中の右建物の一部が甲主張の境界線を若干越えていたが、既に基礎工事が完成していたところから、既存の工事部分をできるだけ壊さないで利用できるようにするとともに、右建物と境界線との間に民法二三四条一項に従い五〇センチメートルの距離を保てるようにするため、互譲により形成されたA線をもつて境界とすることを相互に確認するとともに、乙は甲に対し右A線から五〇センチメートルの間隔を置いたB線とA線との間には建物を建築しないことを約するにあり、右和解目的の実現のため、乙が甲に対し和解成立当時既にB線を越えて設置されていた構築物を乙の費用負担において撤去することを約したにもかかわらず、乙が右和解成立後B線を越えて建物の建築を続行し、これを完成するに至つたなど判示の事情のもとにおいては、甲が、乙に対し、裁判上の和解調書中の右構築物撤去条項を債務名義とする強制執行として、B線を越えて建築された右構築物と一体をなす建物部分の撤去を求めることは、正当な権利の行使であつて、権利の濫用に当たるものではない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和62年7月16日 昭和59(オ)1368
登載
集民 第151号423頁
参照法条
民事執行法35条,民法1条2項,民法1条3項
論点19第35条民事執行法

白地手形による手形金請求を棄却する判決の確定後に白地部分を補充して手形上の権利の存在を主張することの許否

裁判要旨白地手形の所持人は、手形金請求の前訴において、事実審口頭弁論終結前に白地補充権を行使しえたのにこれを行使しないため手形要件を欠くとして請求棄却の判決を受け、これが確定したときは、特段の事情のない限り、その後に白地部分を補充しても、後訴において手形上の権利の存在を主張することは許されない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和57年3月30日 昭和54(オ)110
登載
民集 第36巻3号501頁
参照法条
手形法10条,手形法77条2項,民訴法199条1項,民訴法545条2項(昭和54年法律第4号による改正前のもの),民事執行法35条2項
論点20第35条民事執行法

建物収去土地明渡請求訴訟の事実審口頭弁論終結後における建物買取請求権の行使と請求異議の訴え

裁判要旨土地の賃借人が賃貸人から提起された建物収去土地明渡請求訴訟の事実審口頭弁論終結後に建物買取請求権を行使した場合、その行使の効果は、建物収去土地明渡請求を認容する確定判決に対する請求異議の訴えにおける異議の事由となる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成7年12月15日 平成4(オ)991
登載
民集 第49巻10号3051頁
参照法条
借地法4条2項,民事執行法35条
論点21第35条民事執行法

検察官が訴訟費用の裁判の執行のため発した徴収命令に対する請求異議の訴えの許否

裁判要旨検察官が訴訟費用の裁判の執行のため発した徴収命令に対し、請求異議の訴えによってその効力を争うことは許されない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成4年7月17日 平成3(オ)1925
登載
民集 第46巻5号538頁
参照法条
民事執行法35条1項,刑訴法490条,刑訴法502条,刑訴法504条
論点22第35条民事執行法

強制執行を受けた債務者がその請求債権につき強制執行を行う権利の放棄又は不執行の合意があったことを主張して裁判所に強制執行の排除を求める場合に執るべき手続

裁判要旨強制執行を受けた債務者が,その請求債権につき強制執行を行う権利の放棄又は不執行の合意があったことを主張して裁判所に強制執行の排除を求める場合には,執行抗告又は執行異議の方法によることはできず,請求異議の訴えによるべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成18年9月11日 平成18(許)13
登載
民集 第60巻7号2622頁
参照法条
民事執行法10条,民事執行法11条,民事執行法35条
論点23第35条民事執行法

共同漁業権から派生する漁業行使権に基づく潮受堤防排水門の開門請求を認容する判決が確定した後,当該確定判決に係る訴訟の口頭弁論終結時に存在した共同漁業権から派生する漁業行使権に基づく開門請求権が消滅したことのみでは当該確定判決に対する請求異議の事由とはならないとされた事例

裁判要旨共同漁業権から派生する漁業行使権(漁業法8条1項の漁業を営む権利)に基づく潮受堤防排水門の開門請求を認容する判決が確定した後,当該確定判決に係る訴訟の口頭弁論終結時に存在した共同漁業権の存続期間の経過により同共同漁業権から派生する漁業行使権に基づく開門請求権が消滅したとしても,当該確定判決が,その主文から,同存続期間の経過後に当該確定判決に基づく開門が継続されることをも命じていたことが明らかであるなど判示の事情の下では,当該確定判決に係る請求権は,同開門請求権のみならず,同存続期間の末日の翌日に免許がされた同共同漁業権と同一内容の共同漁業権から派生する漁業行使権に基づく開門請求権をも包含するものと解され,前者の開門請求権が消滅したことは,それのみでは当該確定判決に対する請求異議の訴えにおける異議の事由とはならない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 令和元年9月13日 平成30(受)1874
登載
集民 第262号89頁
参照法条
民事執行法35条1項,漁業法8条1項,漁業法21条1項
論点24第36条民事執行法

請求異議の訴えについて請求を棄却する判決が確定し、当該訴えを本案とする強制執行の停止を命ずる裁判が取り消された場合において、当該裁判に係る申立てをした者が、債権者が強制執行の停止によって被った損害を賠償する義務を負うか

裁判要旨請求異議の訴えを本案とする民事執行法36条1項の強制執行の停止の申立てがされ、強制執行の停止を命ずる裁判がされた後、当該訴えについて請求を棄却する判決が確定し、当該強制執行の停止を命ずる裁判が取り消された場合において、当該申立てをした者に主張した異議の事由が事実上又は法律上の根拠を欠くことについて故意又は過失があるときは、当該申立てをした者は、債権者が強制執行の停止によって被った損害を賠償する義務を負う。
裁判
最高裁判所第三小法廷 令和7年9月9日 令和5(受)2207
登載
民集 第79巻6号2652頁
参照法条
民法709条、民事執行法36条1項
論点25第38条民事執行法

一 遺言執行者がある場合と遺贈の目的物についての受遺者の第三者に対する権利行使

二 民法一〇一三条に違反してされた相続人の処分行為の効力

三 遺言執行者として指定された者が就職を承諾する前と民法一〇一三条にいう「遺言執行者がある場合」

裁判要旨一 遺言者の所有に属する特定の不動産の受遺者は、遺言執行者があるときでも、所有権に基づき、右不動産についてされた無効な抵当権に基づく担保権実行としての競売手続の排除を求めることができる。

二 遺言執行者がある場合には、相続人が遺贈の目的物についてした処分行為は無効である。

三 遺言執行者として指定された者が就職を承諾する前であつても、民法一〇一三条にいう「遺言執行者がある場合」に当たる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和62年4月23日 昭和61(オ)264
登載
民集 第41巻3号474頁
参照法条
民法1012条,民法1013条,民事執行法38条,民事執行法194条
論点26第38条民事執行法

譲渡担保権者と第三者異議の訴え

裁判要旨譲渡担保権者は、特段の事情がない限り、目的物件に対し民事執行法一二二条の規定により譲渡担保権設定者の一般債権者がした強制執行につき、第三者異議の訴えによつてその排除を求めることができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和58年2月24日 昭和57(オ)1322
登載
集民 第138号229頁
参照法条
民法369条(譲渡担保),民事執行法38条1項,民事執行法122条
論点27第38条民事執行法

不動産の強制競売事件における執行裁判所の処分が実体的権利関係に適合しないことにより自己の権利を害される者が強制執行法上の手続による救済を求めることを怠つた場合と国に対する損害賠償請求の可否

裁判要旨不動産の強制競売事件における執行裁判所の処分が関係人間の実体的権利関係に適合しない場合において、右処分により自己の権利を害される者が、強制執行法上の手続による救済を求めることを怠り、このために損害を被つたときは、執行裁判所みずからその処分を是正すべき場合等特別の事情がある場合でない限り、その賠償を国に対して請求することはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和57年2月23日 昭和52(オ)1155
登載
民集 第36巻2号154頁
参照法条
国家賠償法1条1項,民訴法(昭和54年法律第4号による改正前のもの)549条1項,民事執行法38条1項
論点28第38条民事執行法

一 譲渡担保権者と第三者異議の訴え
二 譲渡担保権者が目的物件につき自己の債権者のために更に譲渡担保権を設定した場合と第三者異議の訴え

裁判要旨一 譲渡担保権者は、特段の事情がない限り、第三者異議の訴えによつて目的物件に対し譲渡担保権設定者の一般債権者がした強制執行の排除を求めることができる。
二 譲渡担保権者は、目的物件につき自己の債権者のために更に譲渡担保権を設定したのちにおいても、第三者異議の訴えによつて目的物件に対し原譲渡担保権設定者の一般債権者がした強制執行の排除を求めることができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和56年12月17日 昭和53(オ)1463
登載
民集 第35巻9号1328頁
参照法条
民法369条(譲渡担保),民訴法(昭和54年法律第4号による改正前のもの)549条1項,民事執行法38条1項
論点29第38条民事執行法

譲渡担保権者の債権者が被担保債権の弁済期後に目的不動産を差し押さえた場合において設定者が第三者異議の訴えにより強制執行の不許を求めることの可否

裁判要旨不動産を目的とする譲渡担保において,被担保債権の弁済期後に譲渡担保権者の債権者が目的不動産を差し押さえ,その旨の登記がされたときは,設定者は,差押登記後に債務の全額を弁済しても,第三者異議の訴えにより強制執行の不許を求めることはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成18年10月20日 平成16(受)1641
登載
民集 第60巻8号3098頁
参照法条
民法369条(譲渡担保),民事執行法38条1項
論点30第38条民事執行法

1 弁護士を受託者とし、預り金を信託財産に属すべきものと定めた信託契約に関し、信託の目的についての合意が成立したことの主張があるとはいえないとされた事例
2 預金債権の債権者が信託法23条5項の規定による異議に係る訴えを提起した場合において、上記預金債権が信託財産に属する財産であるか否かを判断する基準時

裁判要旨1 預金債権の差押えを受けた弁護士が、上記預金債権は、自らを受託者とする信託契約によって信託財産に属すべきものと定められた依頼者からの預り金を原資とするもので、信託財産に属する財産であると主張し、差押債権者に対し、信託法23条5項の規定による異議に係る訴えを提起した場合に、次の⑴~⑶など判示の事情の下では、上記弁護士がその成立をいう上記信託契約に関し、信託の目的についての合意が成立したことの主張があるとはいえない。
⑴ 上記差押債権者は、上記信託契約の成立を争い、信託の目的をはじめとする上記信託契約の具体的内容を上記弁護士において明らかにすることを求めている。
⑵ 上記弁護士は、依頼者からの預り金が信託財産に属する財産となることは当然であることなどからすると、上記信託契約の具体的内容を明らかにする必要はないとして、自己が依頼者から預り金を預かり保管した目的に関し、具体的な主張を明示的にしていない。
⑶ 上記弁護士は、上記預り金に関する帳簿や上記預金債権に係る口座の通帳の一部を証拠として提出しているものの、上記帳簿等をみても上記預り金を預かり保管した目的を把握することができない。
2 受託者の固有財産に属する財産のみをもって履行する責任を負う債務に係る債権を請求債権として、信託財産に属する預金債権に対する差押えがされたのに対し、上記預金債権の債権者が、上記預金債権が信託財産に属する財産であって自らが受託者であると主張し、信託法23条5項の規定による異議に係る訴えを提起した場合において、上記預金債権が信託財産に属する財産であるか否かは、事実審の口頭弁論終結時を基準として判断される。
(1、2につき補足意見、1につき意見がある。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 令和8年1月20日 令和5(受)2245
登載
民集 第80巻1号1頁
参照法条
(1、2につき)信託法23条1項、5項、民事執行法38条 (1につき)民訴法246条、信託法3条1号、信託法16条1号 (2につき)民訴法253条1項4号
論点31第39条民事執行法

1 仮執行宣言付判決に対する上訴に伴い金銭を供託する方法により担保を立てさせて強制執行の停止がされた後に債務者につき更生手続開始の決定がされた場合における上記担保の被担保債権の性質
2 仮執行宣言付判決に対する上訴に伴う強制執行の停止に当たって金銭を供託する方法により担保が立てられた場合において債務者につき更生計画認可の決定がされた後であっても供託金の還付請求権を行使することの可否

裁判要旨1 仮執行宣言付判決に対する上訴に伴い,金銭を供託する方法により担保を立てさせて強制執行の停止がされた後に,債務者につき更生手続開始の決定がされた場合,その被担保債権である損害賠償請求権は,更生担保権ではなく,更生債権に当たる。
2 仮執行宣言付判決に対する上訴に伴う強制執行の停止に当たって金銭を供託する方法により担保が立てられた場合,被供託者は,債務者につき更生計画認可の決定がされても,会社更生法203条2項にいう「更生会社と共に債務を負担する者に対して有する権利」として,供託金の還付請求権を行使することができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成25年4月26日 平成24(許)15
登載
民集 第67巻4号1150頁
参照法条
(1,2につき)民訴法76条,民訴法77条,民訴法259条,民訴法403条1項,民訴法405条2項,民事執行法39条1項 (1につき)会社更生法2条8項,会社更生法2条10項 (2につき)会社更生法203条2項,会社更生法204条1項,供託法8条1項
論点32第39条民事執行法

仮執行宣言付判決に対する上訴に伴う強制執行の停止のために担保が立てられた場合における債務者に対する破産宣告と担保の事由の消滅

裁判要旨仮執行宣言付判決に対する上訴に伴う強制執行の停止のために担保が立てられた場合において,債務者が破産宣告を受けたことの一事をもって,「担保の事由が消滅したこと」に該当するということはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成14年4月26日 平成14(許)1
登載
集民 第206号401頁
参照法条
破産法70条1項,民訴法79条1項,民訴法259条,民訴法398条1項,民訴法400条2項,民事執行法39条1項
論点33第39条民事執行法

仮執行宣言付判決に対する上訴に伴い担保を立てさせて強制執行停止等がされた場合における債務者に対する破産宣告と担保の事由の消滅

裁判要旨仮執行宣言付判決に対する上訴に伴い担保を立てさせて強制執行の停止又は既にした執行処分の取消しがされた場合において,債務者が破産宣告を受けたことの一事をもって,「担保の事由が消滅したこと」に該当するということはできない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成13年12月13日 平成13(許)21
登載
民集 第55巻7号1546頁
参照法条
破産法70条1項,民訴法79条1項,民訴法259条,民訴法398条1項,民訴法400条2項,民事執行法39条1項,民事執行法40条1項
論点34第39条民事執行法

いわゆる弁済受領文書の提出による強制執行の停止の期間中にされた執行処分の効力

裁判要旨執行処分が、民事執行法39条1項8号〈強制執行の停止 債権者が、債務名義の成立後に、弁済を受け、又は弁済の猶予を承諾した旨を記載した文書〉にいう債権者が債務名義の成立後に弁済を受けた旨を記載した文書(いわゆる弁済受領文書)の提出による強制執行の停止の期間中にされたものであったとしても、そのことにより当該執行処分が当然に無効となるものではない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 令和5年3月2日 令和3(受)1176
登載
民集 第77巻3号389頁
参照法条
民事執行法39条1項8号、民事執行法39条2項
原

条文原文

原文ママ

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民事執行法 第22条(債務名義) 詳細ページ
(債務名義)
第二十二条強制執行は、次に掲げるもの(以下「債務名義」という。)により行う。
一確定判決
二仮執行の宣言を付した判決
三抗告によらなければ不服を申し立てることができない裁判(確定しなければその効力を生じない裁判にあつては、確定したものに限る。)
三の二仮執行の宣言を付した損害賠償命令
三の三仮執行の宣言を付した届出債権支払命令
四仮執行の宣言を付した支払督促
四の二訴訟費用、和解の費用若しくは非訟事件(他の法令の規定により非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)の規定を準用することとされる事件を含む。)、家事事件若しくは国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律(平成二十五年法律第四十八号)第二十九条に規定する子の返還に関する事件の手続の費用の負担の額を定める裁判所書記官の処分又は第四十二条第四項に規定する執行費用及び返還すべき金銭の額を定める裁判所書記官の処分(後者の処分にあつては、確定したものに限る。)
五金銭の一定の額の支払又はその他の代替物若しくは有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求について公証人が作成した公正証書で、債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載され、又は記録されているもの(以下「執行証書」という。)
六確定した執行判決のある外国裁判所の判決(家事事件における裁判を含む。第二十四条において同じ。)
六の二確定した執行決定のある仲裁判断
六の三確定した執行等認可決定のある仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第四十八条に規定する暫定保全措置命令
六の四確定した執行決定のある国際和解合意
六の五確定した執行決定のある特定和解
七確定判決と同一の効力を有するもの(第三号に掲げる裁判を除く。)
民事執行法 第23条(強制執行をすることができる者の範囲) 詳細ページ
(強制執行をすることができる者の範囲)
第二十三条執行証書以外の債務名義による強制執行は、次に掲げる者に対し、又はその者のためにすることができる。
一債務名義に表示された当事者
二債務名義に表示された当事者が他人のために当事者となつた場合のその他人
三前二号に掲げる者の債務名義成立後の承継人(前条第一号、第二号又は第六号に掲げる債務名義にあつては口頭弁論終結後の承継人、同条第三号の二に掲げる債務名義又は同条第七号に掲げる債務名義のうち損害賠償命令に係るものにあつては審理終結後の承継人)
2執行証書による強制執行は、執行証書に表示された当事者又は執行証書作成後のその承継人に対し、若しくはこれらの者のためにすることができる。
3第一項に規定する債務名義による強制執行は、同項各号に掲げる者のために請求の目的物を所持する者に対しても、することができる。
民事執行法 第24条(外国裁判所の判決の執行判決) 詳細ページ
(外国裁判所の判決の執行判決)
第二十四条外国裁判所の判決についての執行判決を求める訴えは、債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所(家事事件における裁判に係るものにあつては、家庭裁判所。以下この項において同じ。)が管轄し、この普通裁判籍がないときは、請求の目的又は差し押さえることができる債務者の財産の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。
2前項に規定する地方裁判所は、同項の訴えの全部又は一部が家庭裁判所の管轄に属する場合においても、相当と認めるときは、同項の規定にかかわらず、申立てにより又は職権で、当該訴えに係る訴訟の全部又は一部について自ら審理及び裁判をすることができる。
3第一項に規定する家庭裁判所は、同項の訴えの全部又は一部が地方裁判所の管轄に属する場合においても、相当と認めるときは、同項の規定にかかわらず、申立てにより又は職権で、当該訴えに係る訴訟の全部又は一部について自ら審理及び裁判をすることができる。
4執行判決は、裁判の当否を調査しないでしなければならない。
5第一項の訴えは、外国裁判所の判決が、確定したことが証明されないとき、又は民事訴訟法第百十八条各号(家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)第七十九条の二において準用する場合を含む。)に掲げる要件を具備しないときは、却下しなければならない。
6執行判決においては、外国裁判所の判決による強制執行を許す旨を宣言しなければならない。
民事執行法 第25条(強制執行の実施) 詳細ページ
(強制執行の実施)
第二十五条強制執行は、執行文の付された債務名義の正本(債務名義に係る電磁的記録がファイルに記録されたものである場合にあつては記録事項証明書、債務名義が電磁的記録をもつて作成された執行証書である場合にあつては公証人法(明治四十一年法律第五十三号)第四十四条第一項第二号の書面又は同項第三号の電磁的記録。以下同じ。)に基づいて実施する。ただし、少額訴訟における確定判決又は仮執行の宣言を付した少額訴訟の判決若しくは支払督促により、これに表示された当事者に対し、又はその者のためにする強制執行は、その債務名義の正本に基づいて実施する。
民事執行法 第26条(執行文の付与) 詳細ページ
(執行文の付与)
第二十六条執行文は、申立てにより、執行証書以外の債務名義については事件の記録の存する裁判所の裁判所書記官が、執行証書についてはその原本(執行証書が電磁的記録をもつて作成されている場合にあつては、当該電磁的記録)を保存する公証人が付与する。
2執行文の付与は、債権者が債務者に対しその債務名義により強制執行をすることができる場合に、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める方法により行う。
一債務名義に係る電磁的記録がファイルに記録されたものである場合における執行文の付与債権者が債務者に対しその債務名義により強制執行をすることができる旨を当該電磁的記録に併せて記録する方法
二債務名義が電磁的記録をもつて作成された執行証書である場合における執行文の付与債権者が債務者に対しその債務名義により強制執行をすることができる旨を当該電磁的記録に併せて記録するとともに、その旨を当該債務名義に係る公証人法第四十四条第一項第二号の書面の末尾に付記し、又はその旨を当該債務名義に係る同項第三号の電磁的記録に併せて記録する方法
三前二号に掲げる場合以外の場合における執行文の付与債権者が債務者に対しその債務名義により強制執行をすることができる旨を債務名義の正本の末尾に付記する方法
民事執行法 第27条 詳細ページ
第二十七条請求が債権者の証明すべき事実の到来に係る場合においては、執行文は、債権者がその事実の到来したことを証する文書又は電磁的記録を提出したときに限り、付与することができる。
2債務名義に表示された当事者以外の者を債権者又は債務者とする執行文は、その者に対し、又はその者のために強制執行をすることができることが裁判所書記官若しくは公証人に明白であるとき、又は債権者がそのことを証する文書若しくは電磁的記録を提出したときに限り、付与することができる。
3執行文は、債務名義について次に掲げる事由のいずれかがあり、かつ、当該債務名義に基づく不動産の引渡し又は明渡しの強制執行をする前に当該不動産を占有する者を特定することを困難とする特別の事情がある場合において、債権者がこれらを証する文書又は電磁的記録を提出したときに限り、債務者を特定しないで、付与することができる。
一債務名義が不動産の引渡し又は明渡しの請求権を表示したものであり、これを本案とする占有移転禁止の仮処分命令(民事保全法(平成元年法律第九十一号)第二十五条の二第一項に規定する占有移転禁止の仮処分命令をいう。)が執行され、かつ、同法第六十二条第一項の規定により当該不動産を占有する者に対して当該債務名義に基づく引渡し又は明渡しの強制執行をすることができるものであること。
二債務名義が強制競売の手続(担保権の実行としての競売の手続を含む。以下この号において同じ。)における第八十三条第一項本文(第百八十八条において準用する場合を含む。)の規定による命令(以下「引渡命令」という。)であり、当該強制競売の手続において当該引渡命令の引渡義務者に対し次のイからハまでのいずれかの保全処分及び公示保全処分(第五十五条第一項に規定する公示保全処分をいう。以下この項において同じ。)が執行され、かつ、第八十三条の二第一項(第百八十七条第五項又は第百八十八条において準用する場合を含む。)の規定により当該不動産を占有する者に対して当該引渡命令に基づく引渡しの強制執行をすることができるものであること。
イ第五十五条第一項第三号(第百八十八条において準用する場合を含む。)に掲げる保全処分及び公示保全処分
ロ第七十七条第一項第三号(第百八十八条において準用する場合を含む。)に掲げる保全処分及び公示保全処分
ハ第百八十七条第一項に規定する保全処分又は公示保全処分(第五十五条第一項第三号に掲げるものに限る。)
4前項の執行文の付された債務名義の正本に基づく強制執行は、当該執行文の付与の日から四週間を経過する前であつて、当該強制執行において不動産の占有を解く際にその占有者を特定することができる場合に限り、することができる。
5第三項の規定により付与された執行文については、前項の規定により当該執行文の付された債務名義の正本に基づく強制執行がされたときは、当該強制執行によつて当該不動産の占有を解かれた者が、債務者となる。
民事執行法 第28条(執行文の再度付与等) 詳細ページ
(執行文の再度付与等)
第二十八条執行文は、債権の完全な弁済を得るため執行文の付された債務名義の正本が数通必要であるとき、又はこれが滅失したときに限り、更に付与することができる。
2前項の規定は、少額訴訟における確定判決又は仮執行の宣言を付した少額訴訟の判決若しくは支払督促の正本又は記録事項証明書を更に交付する場合について準用する。
民事執行法 第29条(債務名義等の送達) 詳細ページ
(債務名義等の送達)
第二十九条強制執行は、債務名義若しくは確定により債務名義となるべき裁判の正本若しくは謄本又はその債務名義若しくは裁判に係る電磁的記録が、あらかじめ、又は同時に、債務者に送達されたときに限り、開始することができる。第二十七条の規定により執行文が付与された場合においては、執行文の謄本又は執行文に係る電磁的記録及び同条の規定により債権者が提出した文書の謄本又は電磁的記録に記録されている事項の全部を記録した電磁的記録も、あらかじめ、又は同時に、送達されなければならない。
民事執行法 第30条(期限の到来又は担保の提供に係る場合の強制執行) 詳細ページ
(期限の到来又は担保の提供に係る場合の強制執行)
第三十条請求が確定期限の到来に係る場合においては、強制執行は、その期限の到来後に限り、開始することができる。
2担保を立てることを強制執行の実施の条件とする債務名義による強制執行は、債権者が担保を立てたことを証する文書を提出したときに限り、開始することができる。
民事執行法 第31条(反対給付又は他の給付の不履行に係る場合の強制執行) 詳細ページ
(反対給付又は他の給付の不履行に係る場合の強制執行)
第三十一条債務者の給付が反対給付と引換えにすべきものである場合においては、強制執行は、債権者が反対給付又はその提供のあつたことを証明したときに限り、開始することができる。
2債務者の給付が、他の給付について強制執行の目的を達することができない場合に、他の給付に代えてすべきものであるときは、強制執行は、債権者が他の給付について強制執行の目的を達することができなかつたことを証明したときに限り、開始することができる。
民事執行法 第32条(執行文の付与等に関する異議の申立て) 詳細ページ
(執行文の付与等に関する異議の申立て)
第三十二条執行文の付与の申立てに関する処分に対しては、裁判所書記官の処分にあつてはその裁判所書記官の所属する裁判所に、公証人の処分にあつてはその公証人の役場の所在地を管轄する地方裁判所に異議を申し立てることができる。
2執行文の付与に対し、異議の申立てがあつたときは、裁判所は、異議についての裁判をするまでの間、担保を立てさせ、若しくは立てさせないで強制執行の停止を命じ、又は担保を立てさせてその続行を命ずることができる。急迫の事情があるときは、裁判長も、これらの処分を命ずることができる。
3第一項の規定による申立てについての裁判及び前項の規定による裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。
4前項に規定する裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
5前各項の規定は、第二十八条第二項の規定による少額訴訟における確定判決又は仮執行の宣言を付した少額訴訟の判決若しくは支払督促の正本又は記録事項証明書の交付について準用する。
民事執行法 第33条(執行文付与の訴え) 詳細ページ
(執行文付与の訴え)
第三十三条第二十七条第一項又は第二項に規定する文書又は電磁的記録の提出をすることができないときは、債権者は、執行文(同条第三項の規定により付与されるものを除く。)の付与を求めるために、執行文付与の訴えを提起することができる。
2前項の訴えは、次の各号に掲げる債務名義の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める裁判所が管轄する。
一第二十二条第一号から第三号まで又は第六号から第六号の五までに掲げる債務名義並びに同条第七号に掲げる債務名義のうち次号、第一号の三及び第六号に掲げるもの以外のもの第一審裁判所
一の二第二十二条第三号の二に掲げる債務名義並びに同条第七号に掲げる債務名義のうち損害賠償命令並びに損害賠償命令事件に関する手続における和解及び請求の認諾に係るもの損害賠償命令事件が係属していた地方裁判所
一の三第二十二条第三号の三に掲げる債務名義並びに同条第七号に掲げる債務名義のうち届出債権支払命令並びに簡易確定手続における届出債権の認否及び和解に係るもの簡易確定手続が係属していた地方裁判所
二第二十二条第四号に掲げる債務名義のうち次号に掲げるもの以外のもの仮執行の宣言を付した支払督促を発した裁判所書記官の所属する簡易裁判所(仮執行の宣言を付した支払督促に係る請求が簡易裁判所の管轄に属しないものであるときは、その簡易裁判所の所在地を管轄する地方裁判所)
三第二十二条第四号に掲げる債務名義のうち民事訴訟法第三百九十七条に規定する指定簡易裁判所の裁判所書記官に対してされた支払督促の申立てによるもの当該支払督促の申立てについて同法第三百九十八条の規定により訴えの提起があつたものとみなされる裁判所
四第二十二条第四号の二に掲げる債務名義同号の処分をした裁判所書記官の所属する裁判所
五第二十二条第五号に掲げる債務名義債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所(この普通裁判籍がないときは、請求の目的又は差し押さえることができる債務者の財産の所在地を管轄する裁判所)
六第二十二条第七号に掲げる債務名義のうち和解若しくは調停(上級裁判所において成立した和解及び調停を除く。)又は労働審判に係るもの(第一号の二及び第一号の三に掲げるものを除く。)和解若しくは調停が成立した簡易裁判所、地方裁判所若しくは家庭裁判所(簡易裁判所において成立した和解又は調停に係る請求が簡易裁判所の管轄に属しないものであるときは、その簡易裁判所の所在地を管轄する地方裁判所)又は労働審判が行われた際に労働審判事件が係属していた地方裁判所
民事執行法 第34条(執行文付与に対する異議の訴え) 詳細ページ
(執行文付与に対する異議の訴え)
第三十四条第二十七条の規定により執行文が付与された場合において、債権者の証明すべき事実の到来したこと又は債務名義に表示された当事者以外の者に対し、若しくはその者のために強制執行をすることができることについて異議のある債務者は、その執行文の付された債務名義の正本に基づく強制執行の不許を求めるために、執行文付与に対する異議の訴えを提起することができる。
2異議の事由が数個あるときは、債務者は、同時に、これを主張しなければならない。
3前条第二項の規定は、第一項の訴えについて準用する。
民事執行法 第35条(請求異議の訴え) 詳細ページ
(請求異議の訴え)
第三十五条債務名義(第二十二条第二号又は第三号の二から第四号までに掲げる債務名義で確定前のものを除く。以下この項において同じ。)に係る請求権の存在又は内容について異議のある債務者は、その債務名義による強制執行の不許を求めるために、請求異議の訴えを提起することができる。裁判以外の債務名義の成立について異議のある債務者も、同様とする。
2確定判決についての異議の事由は、口頭弁論の終結後に生じたものに限る。
3第三十三条第二項及び前条第二項の規定は、第一項の訴えについて準用する。
民事執行法 第36条(執行文付与に対する異議の訴え等に係る執行停止の裁判) 詳細ページ
(執行文付与に対する異議の訴え等に係る執行停止の裁判)
第三十六条執行文付与に対する異議の訴え又は請求異議の訴えの提起があつた場合において、異議のため主張した事情が法律上理由があるとみえ、かつ、事実上の点について疎明があつたときは、受訴裁判所は、申立てにより、終局判決において次条第一項の裁判をするまでの間、担保を立てさせ、若しくは立てさせないで強制執行の停止を命じ、又はこれとともに、担保を立てさせて強制執行の続行を命じ、若しくは担保を立てさせて既にした執行処分の取消しを命ずることができる。急迫の事情があるときは、裁判長も、これらの処分を命ずることができる。
2前項の申立てについての裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。
3第一項に規定する事由がある場合において、急迫の事情があるときは、執行裁判所は、申立てにより、同項の規定による裁判の正本又は記録事項証明書を提出すべき期間を定めて、同項に規定する処分を命ずることができる。この裁判は、執行文付与に対する異議の訴え又は請求異議の訴えの提起前においても、することができる。
4前項の規定により定められた期間を経過したとき、又はその期間内に第一項の規定による裁判が執行裁判所若しくは執行官に提出されたときは、前項の裁判は、その効力を失う。
5第一項又は第三項の申立てについての裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
民事執行法 第37条(終局判決における執行停止の裁判等) 詳細ページ
(終局判決における執行停止の裁判等)
第三十七条受訴裁判所は、執行文付与に対する異議の訴え又は請求異議の訴えについての終局判決において、前条第一項に規定する処分を命じ、又は既にした同項の規定による裁判を取り消し、変更し、若しくは認可することができる。この裁判については、仮執行の宣言をしなければならない。
2前項の規定による裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
民事執行法 第38条(第三者異議の訴え) 詳細ページ
(第三者異議の訴え)
第三十八条強制執行の目的物について所有権その他目的物の譲渡又は引渡しを妨げる権利を有する第三者は、債権者に対し、その強制執行の不許を求めるために、第三者異議の訴えを提起することができる。
2前項に規定する第三者は、同項の訴えに併合して、債務者に対する強制執行の目的物についての訴えを提起することができる。
3第一項の訴えは、執行裁判所が管轄する。
4前二条の規定は、第一項の訴えに係る執行停止の裁判について準用する。
民事執行法 第39条(強制執行の停止) 詳細ページ
(強制執行の停止)
第三十九条強制執行は、次に掲げる文書の提出があつたときは、停止しなければならない。
一債務名義(執行証書を除く。)若しくは仮執行の宣言を取り消す旨又は強制執行を許さない旨を記載した執行力のある裁判の正本又は記録事項証明書
二債務名義に係る和解、認諾、調停又は労働審判の効力がないことを宣言する確定判決の正本又は記録事項証明書
三第二十二条第二号から第四号の二までに掲げる債務名義が訴えの取下げその他の事由により効力を失つたことを証する調書の正本その他の裁判所書記官の作成した文書
四強制執行をしない旨又はその申立てを取り下げる旨を記載した裁判上の和解の調書の正本又は電子調書(民事訴訟法第百六十条第一項に規定する電子調書をいう。第百六十七条の二第一項第四号において同じ。)の記録事項証明書
四の二強制執行をしない旨又はその申立てを取り下げる旨を記載した調停の調書又は労働審判法(平成十六年法律第四十五号)第二十一条第四項の規定により裁判上の和解と同一の効力を有する労働審判の審判書若しくは同法第二十条第七項の調書の正本
五強制執行を免れるための担保を立てたことを証する文書
六強制執行の停止及び執行処分の取消しを命ずる旨を記載した裁判の正本又は記録事項証明書
七強制執行の一時の停止を命ずる旨を記載した裁判の正本又は記録事項証明書
八債権者が、債務名義の成立後に、弁済を受け、又は弁済の猶予を承諾した旨を記載した文書
2前項第八号に掲げる文書のうち弁済を受けた旨を記載した文書の提出による強制執行の停止は、四週間に限るものとする。
3第一項第八号に掲げる文書のうち弁済の猶予を承諾した旨を記載した文書の提出による強制執行の停止は、二回に限り、かつ、通じて六月を超えることができない。
民事執行法 第40条(執行処分の取消し) 詳細ページ
(執行処分の取消し)
第四十条前条第一項第一号から第六号までに掲げる文書が提出されたときは、執行裁判所又は執行官は、既にした執行処分をも取り消さなければならない。
2第十二条の規定は、前項の規定により執行処分を取り消す場合については適用しない。
民事執行法 第41条(債務者が死亡した場合の強制執行の続行) 詳細ページ
(債務者が死亡した場合の強制執行の続行)
第四十一条強制執行は、その開始後に債務者が死亡した場合においても、続行することができる。
2前項の場合において、債務者の相続人の存在又はその所在が明らかでないときは、執行裁判所は、申立てにより、相続財産又は相続人のために、特別代理人を選任することができる。
3民事訴訟法第三十五条第二項及び第三項の規定は、前項の特別代理人について準用する。
出

一次情報

原文ママ

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