民事訴訟法 / テーマ別まとめ

当事者/訴訟代理人及び補佐人

訴訟代理人及び補佐人の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

訴訟代理人になれる資格や、委任を受けた代理人がどこまでの訴訟行為を単独でできるかを定めています。あわせて代理人が複数いる場合の扱いや、当事者の死亡等があっても代理権が消滅しない場面、裁判所の許可を得て補佐人を同行させる制度も整理しています。

訴訟代理人及び補佐人
項目原則例外・注記
訴訟代理人になれる人弁護士のみ簡裁は許可制で弁護士以外も可
代理権の範囲委任事件の訴訟行為と弁済受領反訴提起等は特別委任が必要
代理権の制限原則制限できない弁護士でない代理人は制限可
代理人が複数の場合各自が単独で代理別段の定めは無効
代理権の消滅死亡等でも消滅しない法定代理人の死亡等も同様
補佐人裁判所の許可で同行可許可はいつでも取消し可
  • 特別委任が必要なのは、反訴提起・訴え取下げや和解等・控訴上告等の申立てとその取下げ・異議取下げとその同意・代理人選任の5事項
  • 訴訟代理人の事実に関する陳述は、当事者が直ちに取り消し又は更正すれば効力を生じない
  • 補佐人の陳述も、当事者又は訴訟代理人が直ちに取り消し又は更正しなければ本人の陳述とみなされる
  • 代理権は当事者の死亡・訴訟能力喪失、法人当事者の合併消滅、受託者の信託任務終了、法定代理人の死亡等でも消滅しない
  • 資格に基づき自己の名で他人のため当事者となる者の代理人は、資格喪失によっても代理権が消滅しない(選定当事者も同様)
  • 訴訟代理については、法定代理に関する第三十四条第一項・第二項及び第三十六条第一項の規定が準用される
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訴訟代理人及び補佐人

訴訟代理人及び補佐人について、条文は何を定めているか。

第54条訴訟代理人の資格訴訟代理人になれるのは原則弁護士のみ2項判例 9件
  • 法令上の代理人を除き、弁護士でなければ訴訟代理人になれない
  • 簡易裁判所では裁判所の許可を得れば弁護士以外も訴訟代理人になれる
  • その許可はいつでも取り消される
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第55条訴訟代理権の範囲代理権の範囲と特別委任が必要な事項4項・5号判例 2件
  • 委任事件の反訴・参加・強制執行・仮差押え・仮処分や弁済受領ができる
  • 反訴提起、訴え取下げ・和解、控訴上告等の申立てや取下げ、代理人選任は特別委任が必要
  • 代理権は原則制限できないが、弁護士でない代理人には制限できる
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第56条個別代理代理人が複数いても各自が単独で代理する2項判例 4件
  • 訴訟代理人が数人いれば、それぞれが単独で当事者を代理する
  • 当事者がこれと違う定め(共同でしか代理できない等)をしても無効
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第57条当事者による更正代理人の事実陳述は本人がその場で取り消せる1項判例 4件
  • 訴訟代理人が事実について述べた内容は、当事者が直ちに取り消すか更正すれば効力を生じない
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第58条訴訟代理権の不消滅代理権は当事者の死亡等では消滅しない3項・4号判例 14件
  • 当事者の死亡や訴訟能力喪失、法人当事者の合併消滅では消滅しない
  • 受託者である当事者の信託任務終了や法定代理人の死亡等でも消滅しない
  • 資格に基づき当事者となる者の代理人は資格喪失でも消滅しない(選定当事者も同様)
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第59条法定代理の規定の準用法定代理に関する規定を訴訟代理にも準用する1項判例 2件
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第60条補佐人許可を得れば補佐人を同席させられる3項判例なし
  • 当事者や訴訟代理人は裁判所の許可を得て補佐人と一緒に出頭できる
  • その許可はいつでも取り消される
  • 補佐人の陳述は当事者等が直ちに取り消し更正しなければ本人の陳述とみなす
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第54条民事訴訟法

訴訟行為の一部のみの追認が許されないとされた事例

裁判要旨無権代理人がした訴訟行為の追認は、ある審級における手続がすでに終了したのちにおいては、その審級における訴訟行為を一体として不可分的にすべきものであつて、すでに終了した控訴審における訴訟行為のうち控訴提起行為のみを選択して追認することは許されない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和55年9月26日 昭和54(オ)879
登載
集民 第130号393頁
参照法条
民訴法54条
論点2第54条民事訴訟法

一、上告審と無権代理人の訴訟行為の追認
二、家庭裁判所が選任した不在者財産管理人の上訴権限

裁判要旨一、権限のある代理人は、上告審において、上告審および控訴審における無権代理人の訴訟行為を追認することができる。
二、家庭裁判所が選任した不在者財産管理人は、民法二八条所定の家庭裁判所の許可を得ることなしに、不在者を被告とする建物収去土地明渡請求を認容した第一審判決に対し控訴を提起し、その控訴を不適法として却下した第二審判決に対し上告を提起する権限を有する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和47年9月1日 昭和46(オ)474
登載
民集 第26巻7号1289頁
参照法条
民訴法50条,民訴法54条,民訴法87条,民訴法395条2項,民法28条,民法103条
論点3第54条民事訴訟法

真正な訴訟代理人でない者のした第一審における訴訟行為について第二審において追認があつたものとされた事例

裁判要旨第一審において真正な訴訟代理人のない者のした訴訟行為であつても、第二審における真正な訴訟代理人が本案について弁論をし訴訟を追行したときは、第一審における右訴訟代理権の欠缺は補正されたものというべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和41年12月23日 昭和41(オ)706
登載
集民 第85号865頁
参照法条
民訴法87条,民訴法54条
論点4第54条民事訴訟法

訴訟行為の追認

裁判要旨弁護士甲が第一審において乙の適法な訴訟代理権を有しなかつたとしても、控訴人乙から適法な委任を受けた弁護士丙が控訴審において乙の訴訟代理人として当該訴訟の本案について弁論をし、訴訟を進行し、判決を受けたときは、丙は甲の従前の訴訟行為全部を追認したものというべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和40年7月16日 昭和39(オ)1034
登載
集民 第79号883頁
参照法条
民訴法87条,民訴法54条
論点5第54条民事訴訟法

訴訟代理権に欠缺のある訴訟行為の追認の推定。

裁判要旨第一審において、当事者の一方を代理する権限のない弁護士がその訴訟代理人として訴訟手続を遂行した場合に、第二審において、右当事者を代理する権限のある弁護士が、第一審訴訟手続の右かしを主張することなく訴訟手続を遂行して判決を受けたときは、これにより右訴訟代理権の欠缺のある訴訟行為を追認したものと認めるのが相当である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和39年4月24日 昭和38(オ)837
登載
集民 第73号399頁
参照法条
民訴法54条
論点6第54条民事訴訟法

訴訟行為の追認が認められた事例。

裁判要旨当事者から適法な委任を受けた控訴代理人が、当該当事者の従前の訴訟代理人が、辞任した後における最初の口頭弁論期日に同訴訟代理人の代理権に欠缺のあることを主張した場合でも、同期日に従前の口頭弁論の結果を陳述し、その後右主張を撤回し、口頭弁論終結に至るまで適法に訴訟行為をし、第二審判決を受けたときは、右訴訟代理人の代理権に欠缺があるとしても、右控訴代理人は、暗黙のうちに、更新前の一切の訴訟行為を追認したものと解するのが相当である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和37年6月8日 昭和34(オ)586
登載
集民 第61号79頁
参照法条
民訴法87条,民訴法54条
論点7第54条民事訴訟法

真正な代表者でない者の一審における訴訟追行につき二審で追認があつたものとされた事例。

裁判要旨一審では真正な代表者によつて代表されなかつた場合でも、二審で真正な代表者の委任した訴訟代理人が本案について弁論をしたときは、一審での代表権の欠缺は補正される。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和34年8月27日 昭和32(オ)720
登載
民集 第13巻10号1293頁
参照法条
民訴法54条
論点8第54条民事訴訟法

上告審において第一審以来の訴訟代理権の欠缺が認められて訴えが却下された事例

裁判要旨第一審及び控訴審の訴訟追行並びに上告の堤起が授権を欠く訴訟代理人により行われた場合において、本人が右各訴訟行為のうち上告の提起のみを追認して訴訟代理権の欠缺を理由に控訴審判決の破棄を求めているときは、上告審は、控訴審判決を破棄して第一審判決を取り消した上、訴えを却下すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成7年2月24日 平成6(オ)535
登載
集民 第174号429頁
参照法条
民訴法54条,民訴法87条,民訴法99条
論点9第54条民事訴訟法

第三者の一審における訴訟行為につき二審で追認があったものとされた事例

裁判要旨一審で第三者が被告の氏名を冒用して訴訟行為をした場合でも、被告本人が自ら控訴を申し立て、その選任した訴訟代理人が異議をとどめずに本案について弁論をし、判決を受けたときは、一審での第三者の訴訟行為は追認されたものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成2年12月4日 平成2(オ)851
登載
集民 第161号279頁
参照法条
民訴法54条
論点10第55条民事訴訟法

契約に基づく請求権について訴訟上の和解をすることの委任を受けた弁護士が同契約の債務不履行に基づく損害賠償請求権について和解をすることの具体的委任を受けていなくても右訴訟上の和解において右損害賠償請求権を含めて和解をする権限を有するとされた事例

裁判要旨建物の利用に関する契約に基づく甲請求権と同契約の債務不履行に基づく損害賠償請求権である乙請求権とが同一建物の利用に関して同一当事者間に生じた一連の紛争に起因するものであるという事情の下においては、甲請求権について訴訟上の和解をすることの委任を受けた弁護士は、乙請求権について和解をすることの具体的委任を受けていなくても、右訴訟上の和解において、乙請求権を含めて和解をする権限を有する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成12年3月24日 平成8(オ)2177
登載
民集 第54巻3号1126頁
参照法条
民訴法55条2項
論点11第55条民事訴訟法

一 裁判所法五二条一号〈共同訴訟参加〉にいう「積極的に政治運動をすること」の意義
二 裁判官が積極的に政治運動をすることを禁止する裁判所法五二条一号と憲法二一条一項
三 裁判官が積極的に政治運動をしたとされた事例
四 裁判官が積極的に政治運動をしたことがその職務上の義務に違反するとして当該裁判官に対し戒告がされた事例
五 裁判官分限事件への憲法八二条一項〈救助の付与〉の適用の有無
六 民事訴訟又は非訟の手続において期日に立ち会う代理人の数を制限することの可否

裁判要旨一 裁判所法五二条一号〈共同訴訟参加〉にいう「積極的に政治運動をすること」とは、組織的、計画的又は継続的な政治上の活動を能動的に行う行為であって裁判官の独立及び中立・公正を害するおそれがあるものをいい、具体的行為の該当性を判断するに当たっては、行為の内容、行為の行われるに至った経緯、行われた場所等の客観的な事情のほか、行為をした裁判官の意図等の主観的な事情をも総合的に考慮して決するのが相当である。
二 裁判官が積極的に政治運動をすることを禁止する裁判所法五二条一号の規定は、憲法二一条一項に違反しない。
三 裁判官が、その取扱いが政治的問題となっていた法案を廃案に追い込もうとする党派的な運動の一環として開かれた集会において、会場の一般参加者席から、裁判官であることを明らかにした上で、「当初、この集会において、盗聴法と令状主義というテーマのシンポジウムにパネリストとして参加する予定であったが、事前に所長から集会に参加すれば懲戒処分もあり得るとの警告を受けたことから、パネリストとしての参加は取りやめた。自分としては、仮に法案に反対の立場で発言しても、裁判所法に定める積極的な政治運動に当たるとは考えないが、パネリストとしての発言は辞退する。」との趣旨の発言をした行為は、判示の事実関係の下においては、右集会の参加者に対し、右法案が裁判官の立場からみて令状主義に照らして問題のあるものであり、その廃案を求めることは正当であるという同人の意見を伝えるものというべきであり、右集会の開催を決定し右法案を廃案に追い込むことを目的として共同して行動している諸団体の組織的、計画的、継続的な反対運動を拡大、発展させ、右目的を達成させることを積極的に支援しこれを推進するものであって、裁判所法五二条一号が禁止している「積極的に政治運動をすること」に該当する。
四 裁判官が積極的に政治運動をしたことは、裁判所法四九条所定の懲戒事由である職務上の義務違反に該当し、当該行為の内容、その後の態度等判示の事情にかんがみれば、当該裁判官を戒告することが相当である。
五 裁判官分限事件には、憲法八二条一項は適用されない。
六 民事訴訟又は非訟の手続を主宰する裁判所は、その手続を円滑に進行させるために与えられた指揮権に基づいて、期日を開く場所の収容能力、当該期日に予定されている手続の内容、裁判所の法廷警察権ないし指揮権行使の難易等を考慮して、必要かつ相当な場合には、期日に立ち会う代理人の数を合理的と認められる限度にまで制限することができる。
裁判
最高裁判所大法廷 平成10年12月1日 平成10(分ク)1
登載
民集 第52巻9号1761頁
参照法条
裁判所法49条,裁判所法52条1項,憲法21条1項,憲法82条1項,裁判官分限法2条,裁判官の分限事件手続規則7条,非訟事件手続法6条,非訟事件手続法13条,民訴法55条,民訴法148条,刑訴法35条,刑訴規則26条,刑訴規則27条
論点12第56条民事訴訟法

上告審において特別代理人の選任が許されない場合

裁判要旨控訴審において原告である会社の代表者の代表権限が欠缺しているという理由でその訴が却下されている場合には、上告審において右代表者の原審における訴訟行為を追認させる目的のもとに、上告会社のために特別代理人を選任することは許されない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和46年3月23日 昭和46(マ)7
登載
集民 第102号301頁
参照法条
民訴法56条
論点13第56条民事訴訟法

一 債権者からの差押を免れるためにした不動産の仮装売買が不法原因給付にあたらないとされた事例
二 代表取締役の欠けている株式会社の訴提起と民訴法第五八条〈訴訟代理権の不消滅〉第五六条〈個別代理〉の類推適用

裁判要旨一 会社が債権者からの差押をうけるおそれがあつたので、第三者が当該会社の財産管理処分の任にあたつていた取締役と図り、会社所有の不動産につき売買を仮装して、自己の名義に所有権移転登記手続を経由した場合において、やがて会社に対し右不動産の所有名義を返還すべきことを知悉していたなど、判示事実関係のもとでは、第三者は民法第七〇八条本文にいう不法原因給付を主張して不動産所有名義の返還請求を拒むことができない。
二 株式会社が代表取締役を欠くにいたつた場合において、会社を代表して訴を提起するため仮代表取締役の選任の方法によつたのでは遅滞のため損害を受けるおそれがあるときは、利害関係人は、民訴法第五八条〈訴訟代理権の不消滅〉、第五六条〈個別代理〉の規定を類推して特別代理人の選任を申請することができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和41年7月28日 昭和40(オ)740
登載
民集 第20巻6号1265頁
参照法条
民法708条,刑法96条の2,民訴法58条,民訴法56条
論点14第56条民事訴訟法

土地所有権移転登記手続請求

裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和36年10月31日 昭和35(オ)1321
登載
集民 第55号531頁
参照法条
民訴法56条
論点15第56条民事訴訟法

一 人訴第四条〈普通裁判籍による管轄〉の趣旨。

二 離婚訴訟と民訴第五六条〈個別代理〉適用の有無。

三 民法第七七〇条第一項第四号と同条第二項の法意。

裁判要旨一 人訴第四条〈普通裁判籍による管轄〉は、後見監督人または後見人が禁治産者の法定代理人としてその離婚訴訟を遂行することを認めたものではなく、その職務上の地位に基き禁治産者のため当事者として右訴訟を遂行しうることを認めた規定と解すべきである。

二 離婚訴訟については、民訴第五六条〈個別代理〉の適用がない。

三 民法第七七〇条第一項第四号と同条第二項は、単に夫婦の一方が不治の精神病にかかつた一事をもつて直ちに離婚の請求を理由ありとするものと解すべきでなく、たとえかかる場合においても、諸般の事情を考慮し、病者の今後の療養、生活等についてできるかぎりの具体的方途を講じ、ある程度において、前途に、その方途の見込のついた上でなければ、ただちに婚姻関係を廃絶することは不相当と認めて、離婚の請求は許さない法意であると解すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和33年7月25日 昭和28(オ)1389
登載
民集 第12巻12号1823頁
参照法条
人事訴訟手続法4条,民訴法56条,民法770条
論点16第57条民事訴訟法

裁判官忌避の原因と憲法三二条

裁判要旨民訴法三七条〈法人の代表者等への準用〉にいう忌避の原因となるべき「裁判官二付裁判ノ公正ヲ妨クヘキ事情アルトキ」とは、裁判官と具体的事件との間に客観的に公正な裁判を期待しえないような人的、物的に特殊な関係がある場合をいい、具体的事件と直接無関係な裁判官としての適格性、行状、思想、単なる法律上の見解等に関する一般的事由は、忌避の原因を構成しないと解しても憲法三二条に反しない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和45年9月29日 昭和45(ク)191
登載
集民 第100号499頁
参照法条
民訴法57条,憲法52条
論点17第57条民事訴訟法

法人の代表者の代表権が消滅しその通知がない場合の判決の表示

裁判要旨訴訟当事者である法人の代表者の代表権が消滅した場合において、旧代表者から委任を受けた訴訟代理人があるときは、右代表権消滅の事実が相手方に通知されていなくても、判決に新代表者を表示することは許される。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和43年4月16日 昭和42(オ)1348
登載
民集 第22巻4号929頁
参照法条
民訴法58条,民訴法57条1項,民訴法85条,民訴法191条1項
論点18第57条民事訴訟法

一 村長の辞職と訴訟手続の中断
二 村に対する送達を村長の自宅ですることの適否

裁判要旨一 当事者・村の代表者である村長が辞職しても、相手方に通知しない限り、訴訟手続は中断しない。
二 村に対する送達は、村長の自宅においてもすることができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和38年5月31日 昭和37(オ)1150
登載
集民 第66号319頁
参照法条
民訴法58条,民訴法57条,民訴法210条,民訴法169条1項
論点19第57条民事訴訟法

一 戸籍法第八九条〈和解の試み等〉による戦死報告に基く戸籍簿の記載の証拠力
二 民法第一一一条第一項第一号の趣旨
三 民訴第五七条〈当事者による更正〉および同第八五条〈猶予された費用等の取立方法〉の趣旨

裁判要旨一 戸籍簿に戦死した旨記載されている者は、右記載が戸籍法第八九条の報告に基いて登載されたものと認められるときは、反証がない限り、戸籍簿に記載されている日に死亡したものと認むべきである。
二 本人の死亡を代理権消滅の原因とする民法第一一一条〈公示送達の方法〉の規定は、これと異なる合意の効力を否定する趣旨ではない。
三 民訴第五七条〈当事者による更正〉および同第八五条〈猶予された費用等の取立方法〉は、法定代理人又は訴訟代理人の訴訟行為の効果が実質上死亡者の相続人に帰属することを容認するものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和28年4月23日 昭和24(オ)112
登載
民集 第7巻4号396頁
参照法条
戸籍法89条,民法111条1項1号,民訴法57条1項,民訴法85条
論点20第58条民事訴訟法

代表取締役の職務執行停止及び職務代行者選任の仮処分がされた場合にその本案訴訟において会社を代表すべき者

裁判要旨株主総会における取締役選任決議の無効確認請求訴訟を本案とする代表取締役の職務執行停止及び職務代行者選任の仮処分がされた場合に、本案訴訟において会社を代表すべき者は、職務の執行を停止された代表取締役ではなく、代表取締役職務代行者である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和59年9月28日 昭和57(オ)1419
登載
民集 第38巻9号1121頁
参照法条
商法270条1項,商法271条1項,民訴法58条
論点21第58条民事訴訟法

普通地方公共団体の申立に基づいて発せられた支払命令に対する異議の申立により提起されたものとみなされる訴えと議会の議決

裁判要旨普通地方公共団体の申立に基づいて発せられた支払命令に対する異議の申立により提起されたものとみなされる訴えについても、地方自治法九六条一項一一号所定の議会の議決が必要である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和59年5月31日 昭和58(オ)1387
登載
民集 第38巻7号197頁
参照法条
地方自治法96条1項11号,民訴法45条,民訴法58条,民訴法442条1項
論点22第58条民事訴訟法

会社を当事者とする訴を提起した者の代表権の存否の認定の基準時

裁判要旨会社を当事者とする訴を提起した者の代表権は、事実審の口頭弁論の終結時に存在していなければならないものであつて、裁判所は、右代表権の存否の認定にあたつては、事実審の口頭弁論の終結時を基準としてこれを判断すれば足り、その後に生じる事情の変動を斟酌することを要しない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和46年6月22日 昭和46(オ)95
登載
集民 第103号207頁
参照法条
民訴法58条,民訴法45条
論点23第58条民事訴訟法

一、会社の訴訟上の代表者の確定と民法一〇九条、商法二六二条の適用の有無
二、控訴裁判所が被告会社代表者の代表権限の欠缺を看過してなされた第一審判決を取り消す場合の措置

裁判要旨一、民法一〇九条、商法二六二条は、会社を訴訟上代表する権限を有する者を定めるにあたつては、適用されない。
二、控訴裁判所が被告会社代表者の代表権限の欠缺を看過してなされた第一審判決を取り消す場合には、原告に対し訴状の補正を命じさせるため、事件を第一審裁判所に差し戻すべきであり、ただちに訴を不適法として却下すべきではない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和45年12月15日 昭和45(オ)112
登載
民集 第24巻13号2072頁
参照法条
民訴法58条,民訴法45条,民訴法388条,民訴法389条,民法109条,商法262条
論点24第58条民事訴訟法

一、株式会社の訴訟上の代表者と商法第一二条の適用の有無
二、議決権行使の代理人の資格を株主に制限する旨の定款の規定の効力

裁判要旨一、商法第一二条は、当事者である株式会社を訴訟上代表する権限を有する者を定めるにあたつては、適用されない。
二、議決権を行使する株主の代理人の資格を当該会社の株主に制限する旨の定款の規定は、有効である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和43年11月1日 昭和40(オ)1206
登載
民集 第22巻12号2402頁
参照法条
商法12条,商法239条3項,民訴法58条,民訴法45条
論点25第58条民事訴訟法

学校法人の訴訟上の代表者と私立学校法第二八条第二項の適用の有無

裁判要旨私立学校法第二八条第二項は、当事者である学校法人を訴訟上代表する権限を有する者を定めるにあたつては、適用されない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和41年9月30日 昭和40(オ)860
登載
民集 第20巻7号1523頁
参照法条
私立学校法28条,民訴法58条,民訴法45条
論点26第58条民事訴訟法

一、 普通地方公共団体が地方自治法第二四三条の二第四項の訴に応訴する場合における議会の議決の要否
二、 地方自治法第二四三条の二の遡及適用の許否
三、 地方自治法第二四三条の二の遡及適用の否定と憲法第九二条、第九四条

裁判要旨一、 普通地方公共団体が地方自治法第二四三条の二第四項の訴に応訴する場合には議会の議決を必要としない。
二、 地方自治法第二四三条の二は、同条が地方自治法の改正によつて加えられた以前の事実について適用がないものと解すべきである。
三、 地方自治法第二四三条の二の遡及適用を否定しても、憲法第九二条、第九四条に違反しない。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和34年7月20日 昭和28(オ)449
登載
民集 第13巻8号1103頁
参照法条
地方自治法243条の2,地方自治法96条1項本文10号,地方自治法243条の2第4項の規定による請求に関する規則(昭和23年最高裁判所規則28号)2項,行政事件訴訟特例法1条,民訴法58条,民訴法50条1項,憲法92条,憲法94条
論点27第58条民事訴訟法

訴訟において会社を代表しない代表取締役を証人として尋問することの適否

裁判要旨会社を代表する権限ある取締役であつても、その者が会社を代表しない訴訟においては、これを証人として尋問すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和27年2月22日 昭和26(オ)704
登載
民集 第6巻2号279頁
参照法条
民訴法58条,民訴法271条,民訴法341条
論点28第58条民事訴訟法

一 農業協同組合の監事が組合を代表して理事に対してする訴訟の提起と組合規約中の訴訟の提起に理事会の決議を要する旨の規定の適用の有無
二 農業協同組合と理事との間の訴訟の係属中に理事がその地位を失った場合における当該訴訟での監事の代表権の消長

裁判要旨一 農業協同組合の監事が組合を代表して理事に対する訴訟を提起する場合には、組合規約中の訴訟の提起に理事会の決議を要する旨の規定は適用されない。
二 農業協同組合と理事との間の訴訟の係属中に理事がその地位を失っても、監事は、当該訴訟において組合を代表する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成9年12月16日 平成9(オ)1218
登載
集民 第186号625頁
参照法条
民訴法58条,商法275条ノ4,民法53条,農業協同組合法(平成4年法律第56号による改正前のもの)29条,農業協同組合法(平成4年法律第56号による改正前のもの)33条,農業協同組合法39条2項
論点29第58条民事訴訟法

一 総有権確認請求訴訟において入会団体が原告適格を有する場合
二 権利能力のない社団である入会団体の代表者が総有権確認請求訴訟を原告の代表者として追行する場合における特別の授権の要否
三 権利能力のない社団である入会団体の代表者でない構成員が総有不動産についての登記手続請求訴訟の原告適格を有する場合

裁判要旨一 入会権者である村落住民が入会団体を形成し、それが権利能力のない社団に当たる場合には、右入会団体は、構成員全員の総有に属する不動産についての総有権確認請求訴訟の原告適格を有する。
二 権利能力のない社団である入会団体の代表者が構成員全員の総有に属する不動産について総有権確認請求訴訟を原告の代表者として追行するには、右入会団体の規約等において右不動産を処分するのに必要とされる総会の議決等の手続による授権を要する。
三 権利能力のない社団である入会団体において、規約等に定められた手続により、構成員全員の総有に属する不動産について代表者でない構成員甲を登記名義人とすることとされた場合には、甲は、右不動産についての登記手続請求訴訟の原告適格を有する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成6年5月31日 平成3(オ)1724
登載
民集 第48巻4号1065頁
参照法条
民法33条,民法263条,民訴法45条,民訴法46条,民訴法58条
論点30第58条民事訴訟法

1 原告として確定されるべき者が訴訟提起当時その国名を「中華民国」としていたが昭和47年9月29日の日中共同声明に伴って「中華人民共和国」に国名が変更された国家としての中国であるとされた事例
2 訴訟当事者を代表していた者の代表権の消滅が公知の事実である場合における代表権の消滅の効力発生時期
3 外国国家を代表して外交使節が我が国で訴訟を提起した後に我が国政府が当該外国国家の政府として上記外交使節を派遣していた政府に代えて新たな政府を承認したために上記外交使節の我が国における当該外国国家の代表権が消滅した場合における訴訟手続の中断
4 上告審が職権探知事項に当たる中断事由の存在を確認して原判決を破棄する場合における口頭弁論の要否

裁判要旨1 (1)本件訴訟は昭和42年9月6日に提起されたが,その訴状には,原告の表示として「中華民国」と,原告代表者の表示として「中華民国駐日本国特命全権大使」とそれぞれ記載されていたこと,(2)原告の訴訟代理人に訴訟代理権を授与したのは,中華民国駐日本国特命全権大使であったこと,(3)「中華民国」は,国家としての中国(中国国家)の国名として用いられてきたものであること,(4)我が国政府は,中国国家の政府として中華民国政府を承認し,昭和27年4月28日,同政府との間で,「日本国と中華民国との間の平和条約」を締結しており,訴訟提起当時,中国国家の我が国における代表権は,中華民国駐日本国特命全権大使が有していたこと,(5)中華民国政府は,訴訟提起当時,自らが中国国家の唯一の政府であると主張していたこと,(6)我が国政府が,昭和47年9月29日,「日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明」(日中共同声明)において,中国国家の政府として,中華民国政府に代えて中華人民共和国政府を承認したことに伴って,中国国家の国名が「中華民国」から「中華人民共和国」に変更されたことなど判示の事実関係の下では,原告として確定されるべき者は,訴訟提起当時その国名を「中華民国」としていたが,日中共同声明に伴って「中華人民共和国」に国名が変更された中国国家というべきである。
2 訴訟当事者を代表していた者の代表権の消滅は,それが公知の事実である場合には,相手方に通知されなくても直ちにその効力を生ずる。
3 外国国家を代表して外交使節が我が国で訴訟を提起した後に,我が国政府が,当該外国国家の政府として,上記外交使節を派遣していた政府に代えて新たな政府を承認したため,上記外交使節の我が国における当該外国国家の代表権が消滅した場合には,上記外交使節から訴訟代理権の授与を受けた訴訟代理人がいるとしても,上記代表権の消滅の時点で,訴訟手続は中断する。
4 上告審は,職権探知事項に当たる中断事由が存在することを確認して原判決を破棄する場合には,必ずしも口頭弁論を経ることを要しない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成19年3月27日 昭和62(オ)685
登載
民集 第61巻2号711頁
参照法条
(1につき)民訴法第1編第3章 当事者,民訴法133条2項1号 (2,3につき)民訴法37条 (2につき)民訴法36条1項 (3,4につき)民訴法124条1項3号 (3につき)民訴法58条1項4号,民訴法124条2項,外交関係に関するウィーン条約3条1(a) (4につき)民訴法87条,民訴法140条,民訴法297条,民訴法313条,民訴法319条,旧民訴法395条1項4号
論点31第59条民事訴訟法

いわゆる訴えの主観的追加的併合の許否

裁判要旨甲の乙に対する訴訟の係属後にされた甲の丙に対する訴訟を追加して提起する旨の申立ては、両訴訟につき民訴法五九条所定の要件が具備する場合であつても、乙に対する訴訟に当然に併合される効果を生ずるものではない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和62年7月17日 昭和59(オ)1382
登載
民集 第41巻5号1402頁
参照法条
民訴法59条,民訴法132条
論点32第59条民事訴訟法

訴の主観的予備的併合の適否

裁判要旨訴の主観的予備的併合は不適法である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和43年3月8日 昭和42(オ)1088
登載
民集 第22巻3号551頁
参照法条
民訴法21条,民訴法59条
原

条文原文

原文ママ

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民事訴訟法 第54条(訴訟代理人の資格) 詳細ページ
(訴訟代理人の資格)
第五十四条法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ訴訟代理人となることができない。ただし、簡易裁判所においては、その許可を得て、弁護士でない者を訴訟代理人とすることができる。
2前項の許可は、いつでも取り消すことができる。
民事訴訟法 第55条(訴訟代理権の範囲) 詳細ページ
(訴訟代理権の範囲)
第五十五条訴訟代理人は、委任を受けた事件について、反訴、参加、強制執行、仮差押え及び仮処分に関する訴訟行為をし、かつ、弁済を受領することができる。
2訴訟代理人は、次に掲げる事項については、特別の委任を受けなければならない。
一反訴の提起
二訴えの取下げ、和解、請求の放棄若しくは認諾又は第四十八条(第五十条第三項及び第五十一条において準用する場合を含む。)の規定による脱退
三控訴、上告若しくは第三百十八条第一項の申立て又はこれらの取下げ
四第三百六十条(第三百六十七条第二項、第三百七十八条第二項及び第三百八十一条の七第二項において準用する場合を含む。)の規定による異議の取下げ又はその取下げについての同意
五代理人の選任
3訴訟代理権は、制限することができない。ただし、弁護士でない訴訟代理人については、この限りでない。
4前三項の規定は、法令により裁判上の行為をすることができる代理人の権限を妨げない。
民事訴訟法 第56条(個別代理) 詳細ページ
(個別代理)
第五十六条訴訟代理人が数人あるときは、各自当事者を代理する。
2当事者が前項の規定と異なる定めをしても、その効力を生じない。
民事訴訟法 第57条(当事者による更正) 詳細ページ
(当事者による更正)
第五十七条訴訟代理人の事実に関する陳述は、当事者が直ちに取り消し、又は更正したときは、その効力を生じない。
民事訴訟法 第58条(訴訟代理権の不消滅) 詳細ページ
(訴訟代理権の不消滅)
第五十八条訴訟代理権は、次に掲げる事由によっては、消滅しない。
一当事者の死亡又は訴訟能力の喪失
二当事者である法人の合併による消滅
三当事者である受託者の信託に関する任務の終了
四法定代理人の死亡、訴訟能力の喪失又は代理権の消滅若しくは変更
2一定の資格を有する者で自己の名で他人のために訴訟の当事者となるものの訴訟代理人の代理権は、当事者の死亡その他の事由による資格の喪失によっては、消滅しない。
3前項の規定は、選定当事者が死亡その他の事由により資格を喪失した場合について準用する。
民事訴訟法 第59条(法定代理の規定の準用) 詳細ページ
(法定代理の規定の準用)
第五十九条第三十四条第一項及び第二項並びに第三十六条第一項の規定は、訴訟代理について準用する。
民事訴訟法 第60条(補佐人) 詳細ページ
(補佐人)
第六十条当事者又は訴訟代理人は、裁判所の許可を得て、補佐人とともに出頭することができる。
2前項の許可は、いつでも取り消すことができる。
3補佐人の陳述は、当事者又は訴訟代理人が直ちに取り消し、又は更正しないときは、当事者又は訴訟代理人が自らしたものとみなす。
出

一次情報

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