民事訴訟法 / テーマ別まとめ

当事者/当事者能力及び訴訟能力

当事者能力及び訴訟能力の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

当事者能力及び訴訟能力は、誰が訴訟の当事者になれるか、また誰が単独で有効に訴訟行為をできるかを定める規律です。民法上の権利能力・行為能力を基本としつつ、法人でない社団等の当事者能力、未成年者・成年被後見人・被保佐人等の訴訟能力、選定当事者や特別代理人など民事訴訟法に固有の制度が置かれています。能力や代理権を欠く場合の補正・追認の仕組みも合わせて整理します。

当事者能力及び訴訟能力
主体当事者能力訴訟能力
自然人(一般)あり単独で訴訟行為可
未成年者あり法定代理人による(例外あり)
成年被後見人あり法定代理人による
被保佐人・被補助人あり一部行為に特別授権必要
法人でない社団・財団代表者等の定めがあれば可代表者が行う
外国人(規定なし)日本法で有すればみなし訴訟能力者
  • 未成年者は独立して法律行為をすることができる場合、法定代理人によらず自ら訴訟行為ができる(31条ただし書)
  • 被保佐人・被補助人・後見人等は、訴えの取下げ・和解・請求の放棄若しくは認諾・脱退・控訴上告等の取下げに特別の授権が必要(32条2項)
  • 相手方が提起した訴え・上訴に対し訴訟行為をする場合は、保佐人等の同意等は不要(32条1項)
  • 訴訟能力・法定代理権・授権を欠いてした訴訟行為も、後にこれらを備えた当事者等の追認により行為時にさかのぼり有効になる(34条2項)
  • 法定代理人がない、又は代理権を行えない場合は、損害を受けるおそれを疎明して特別代理人の選任を申し立てられる(35条1項)
  • 法定代理権の消滅や選定当事者の選定の取消し・変更は、相手方への通知がなければ効力を生じない(36条)
1

当事者能力及び訴訟能力

当事者能力及び訴訟能力について、条文は何を定めているか。

第28条原則当事者能力・訴訟能力は民法等による1項判例 1件
  • 民訴法に特別の定めがない限り、当事者能力・訴訟能力等は民法その他の法令による
  • 訴訟行為に必要な授権についても同様に民法等に従う
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第29条法人でない社団等の当事者能力代表者・管理人があれば社団も当事者になれる1項判例 4件
  • 法人でない社団・財団でも代表者又は管理人の定めがあればその名で訴え・訴えられる
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第30条選定当事者多数の者から代表者(選定当事者)を選べる5項判例 9件
  • 共同の利益を持つ多数者は中から原告・被告となる1人又は数人を選定できる
  • 選定当事者を選ぶと他の当事者は当然に訴訟から脱退する
  • 選定の取消しや選定当事者の変更、死亡時は他の選定当事者が続行できる
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第31条未成年者及び成年被後見人の訴訟能力未成年者・成年被後見人は法定代理人が必要1項判例 1件
  • 未成年者・成年被後見人は法定代理人によらなければ訴訟行為ができない
  • 未成年者が独立して法律行為をできる場合は本人が単独で訴訟行為できる
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第32条被保佐人、被補助人及び法定代理人の訴訟行為の特則応訴には同意不要、一部行為は特別授権が必要2項・3号判例なし
  • 相手方が提起した訴え・上訴への訴訟行為は保佐人等の同意等が不要
  • 訴えの取下げ、和解、請求の放棄・認諾、脱退には特別の授権が必要
  • 控訴・上告などの取下げにも特別の授権が必要
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第33条外国人の訴訟能力の特則本国法でなくても日本法で能力あれば訴訟能力者1項判例なし
  • 外国人は本国法上訴訟能力がなくても日本法で訴訟能力があれば訴訟能力者とみなす
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第34条訴訟能力等を欠く場合の措置等能力等を欠くと裁判所が補正を命じる3項判例 1件
  • 訴訟能力・法定代理権・授権を欠くとき裁判所は期間を定めて補正を命じる
  • 遅滞で損害が生じるおそれがあれば裁判所は一時的に訴訟行為をさせられる
  • 欠けたまま行った訴訟行為も後の追認で行為時にさかのぼり有効になる
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第35条特別代理人法定代理人がいない時は特別代理人を選任申立て3項判例 10件
  • 法定代理人がない場合等は損害のおそれを疎明し特別代理人の選任を申し立てられる
  • 裁判所はいつでも特別代理人を改任できる
  • 特別代理人の訴訟行為には後見人と同一の授権が必要
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第36条法定代理権の消滅の通知代理権消滅は相手方へ通知しないと効力なし2項判例 1件
  • 法定代理権の消滅は本人又は代理人が相手方に通知しなければ効力を生じない
  • 選定当事者の選定の取消し・変更にも同じ通知が必要
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第37条法人の代表者等への準用法定代理の規定は法人代表者等にも準用1項判例 6件
  • 法定代理・法定代理人に関する規定は法人の代表者に準用される
  • 法人でない社団・財団でその名で訴えられるものの代表者・管理人にも準用される
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第28条民事訴訟法

政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律7条の2第1項にいう法人である政党等と破産手続開始の決定を受けるべき適格

裁判要旨政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律7条の2第1項にいう法人である政党等は、同法10条1項又は2項の規定により解散したものでない場合であっても、破産手続開始の決定を受けるべき適格を有する。
裁判
最高裁判所第一小法廷 令和7年10月20日 令和6(許)17
登載
民集 第79巻7号2765頁
参照法条
政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律10条1項、2項、政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律10条の9、破産法13条、破産法35条、民訴法28条、政党助成法4条1項、政党助成法33条2項
論点2第29条民事訴訟法

権利能力のない社団の構成員全員に総有的に帰属する不動産につき所有権の登記名義人に対し当該社団の代表者の個人名義に所有権移転登記手続をすることを求める訴訟と当該社団の原告適格

裁判要旨権利能力のない社団は,構成員全員に総有的に帰属する不動産について,その所有権の登記名義人に対し,当該社団の代表者の個人名義に所有権移転登記手続をすることを求める訴訟の原告適格を有する。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成26年2月27日 平成23(受)2196
登載
民集 第68巻2号192頁
参照法条
民法33条,民訴法第1編第3章 当事者,民訴法29条,不動産登記法63条1項
論点3第29条民事訴訟法

権利能力のない社団を債務者とする金銭債権を有する債権者が,当該社団の構成員全員に総有的に帰属し,当該社団のために第三者がその登記名義人とされている不動産に対して仮差押えをする場合における申立ての方法

裁判要旨権利能力のない社団を債務者とする金銭債権を有する債権者が,当該社団の構成員全員に総有的に帰属する不動産に対して仮差押えをする場合において,上記不動産につき,当該社団のために第三者がその登記名義人とされているときは,上記債権者は,仮差押命令の申立書に,上記不動産が当該社団の構成員全員の総有に属する事実を証する書面を添付して,当該社団を債務者とする仮差押命令の申立てをすることができ,上記書面は,強制執行の場合とは異なり,上記事実を証明するものであれば足り,必ずしも上記不動産が当該社団の構成員全員の総有に属することを確認する旨の上記債権者と当該社団及び上記登記名義人との間の確定判決その他これに準ずる文書であることを要しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成23年2月9日 平成22(許)43
登載
民集 第65巻2号665頁
参照法条
民法33条,民訴法29条,民事保全法20条,民事保全法21条,民事保全規則20条
論点4第29条民事訴訟法

権利能力のない社団を債務者とする金銭債権を表示した債務名義を有する債権者が,当該社団の構成員全員に総有的に帰属し,当該社団のために第三者がその登記名義人とされている不動産に対して強制執行をしようとする場合における申立ての方法

裁判要旨権利能力のない社団を債務者とする金銭債権を表示した債務名義を有する債権者が,当該社団の構成員全員に総有的に帰属する不動産に対して強制執行をしようとする場合において,上記不動産につき,当該社団のために第三者がその登記名義人とされているときは,上記債権者は,強制執行の申立書に,当該社団を債務者とする執行文の付された上記債務名義の正本のほか,上記不動産が当該社団の構成員全員の総有に属することを確認する旨の上記債権者と当該社団及び上記登記名義人との間の確定判決その他これに準ずる文書を添付して,当該社団を債務者とする強制執行の申立てをすべきであり,上記債務名義につき,上記登記名義人を債務者として上記不動産を執行対象財産とする執行文の付与を求めることはできない。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成22年6月29日 平成21(受)1298
登載
民集 第64巻4号1235頁
参照法条
民法33条,民訴法29条,民事執行法23条3項,民事執行法25条,民事執行法27条2項,民事執行法33条,民事執行規則21条,民事執行規則23条
論点5第29条民事訴訟法

預託金会員制のゴルフクラブが民訴法29条にいう「法人でない社団」に当たるとされた事例

裁判要旨預託金会員制のゴルフクラブにおいて,多数決の原則が行われ,構成員の変更にかかわらず団体そのものが存続し,規約により代表の方法,総会の運営等が定められていること,同クラブには,固定資産又は基本的財産は存しないが,団体として内部的に運営され対外的にも活動するのに必要な収入の仕組みが確保され,かつ,規約に基づいて収支を管理する体制も備わっていること,同クラブが,ゴルフ場経営会社との間でゴルフ場の経営等に関する協約書を調印し,同会社や会員個人とは別個の独立した存在としての社会的実体を有していることなど判示の事情の下においては,上記クラブは,民訴法29条にいう「法人でない社団」に当たる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成14年6月7日 平成13(受)1697
登載
民集 第56巻5号899頁
参照法条
民訴法29条,民法33条,民法第3編第2章契約
論点6第30条民事訴訟法

執行抗告の抗告状が原裁判所以外の裁判所に提出された場合と裁判所のとるべき措置

裁判要旨執行抗告の抗告状が原裁判所以外の裁判所に提出された場合には、これを受理した裁判所は、民訴法三〇条を類推適用して事件を原裁判所に移送すべきではなく、執行抗告を不適法として却下すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和57年7月20日 昭和57(ク)138
登載
集民 第136号745頁
参照法条
民事執行法10条2項,民訴法30条
論点7第30条民事訴訟法

執行抗告の抗告状が原裁判所以外の裁判所に提出された場合と裁判所のとるべき措置

裁判要旨執行抗告の抗告状が原裁判所以外の裁判所に提出された場合には、これを受理した裁判所は、民訴法三〇条を類推適用して事件を原裁判所に移送すべきではなく、執行抗告を不適法として却下すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和57年7月19日 昭和57(ク)100
登載
民集 第36巻6号1229頁
参照法条
民事執行法10条2項,民訴法30条
論点8第30条民事訴訟法

一 憲法の無効確認を求める訴の適否
二 最高裁判所に直接提起された憲法の無効確認を求める訴を下級裁判所に移送することなく却下した事例

裁判要旨一 憲法の無効確認を求める訴は、不適法である。
二 最高裁判所に直接提起された憲法の無効確認を求める訴は、下級裁判所に移送するまでもなく、却下を免れない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和55年5月6日 昭和53(マ)96
登載
集民 第129号633頁
参照法条
民訴法30条,民訴法202条,憲法76条
論点9第30条民事訴訟法

婚姻費用の分担および扶養に関する審判事項を内容とする訴訟事件と家庭裁判所に対する移送の可否

裁判要旨地方裁判所は、婚姻費用の分担およぴ扶養に関する審判事項を内容とする訴訟事件を、民訴法三〇条一項の規定により家庭裁判所に移送することはできない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和44年2月20日 昭和42(オ)1195
登載
民集 第23巻2号399頁
参照法条
民訴法30条1項,家事審判法9条1項乙類3号,家事審判法8号
論点10第30条民事訴訟法

地方裁判所に提起された準禁治産宣告取消訴訟と家庭裁判所に対する移送の適否。

裁判要旨地方裁判所に提起された準禁治産宣告取消訴訟を、民訴方第三〇条〈選定当事者〉の規定に基づいて、家庭裁判所に移送することはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和38年11月15日 昭和35(オ)294
登載
民集 第17巻11号1364頁
参照法条
民訴法30条,家事審判法9条
論点11第30条民事訴訟法

管轄違による移送決定と民訴法第二三八条による訴訟下の効果。

裁判要旨当事者双方功口頭弁論期日に不出頭の後三箇月経過前に管轄違による移送決定がなされたときは、期日申立の指定がないまま右三箇月を経過しても、訴訟下の効果を生じない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和38年10月1日 昭和35(オ)1051
登載
民集 第17巻11号1301頁
参照法条
民訴法238条,民訴法30条
論点12第30条民事訴訟法

管轄権を有しない上訴裁判所に上訴状が提出された場合の処置

裁判要旨管轄権を有しない上訴裁判所に上訴状が提出されたときは、これを管轄上訴裁判所に移送すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和25年11月17日 昭和24(オ)51
登載
民集 第4巻11号603頁
参照法条
民訴法30条,民訴法367条1項
論点13第30条民事訴訟法

一 裁判所法施行前大審院が言い渡した判決に対する再審の訴の管轄裁判所
二 最高裁判所に対し裁判所法施行前大審院が言い渡した判決に対し再審の訴があつたときの処置

裁判要旨一 裁判所法施行前大審院が言渡した判決に対し、同法施行後提起された再審の訴を管轄する裁判所は、東京高等裁判所である。
二 裁判所法施行前大審院が言渡した判決に対し同法施行後、再審の訴が最高裁判所に提起されたときは、最高裁判所は、これを管轄権ある東京高等裁判所に移送すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和24年7月6日 昭和24(ヤ)1
登載
民集 第3巻8号279頁
参照法条
裁判所法施行法2条,裁判所法施行令1条,民訴法422条,民訴法30条
論点14第30条民事訴訟法

家庭裁判所において請求異議の訴えが適法に損害賠償請求の訴えに交換的に変更された場合と新訴の取扱い

裁判要旨家庭裁判所において請求異議の訴えが適法に損害賠償請求の訴えに交換的に変更された場合には、民訴法三〇条一項により、新訴を管轄裁判所に移送すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成5年2月18日 平成3(オ)131
登載
民集 第47巻2号632頁
参照法条
民訴法30条1項,民訴法232条,民事執行法33条2項,民事執行法35条
論点15第31条民事訴訟法

いわゆる事件回付の措置と訴訟法に準拠する不服申立

裁判要旨地方裁判所の本庁と支部との間あるいは支部相互間の事件の回付の措置に対しては、当事者は、訴訟法に準拠する不服の申立はできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和44年3月25日 昭和44(し)3
登載
刑集 第23巻3号212頁
参照法条
憲法32条,憲法37条1項,憲法77条1項,裁判所法31条1項,民訴法31条,民訴法410条,刑訴法19条3項,刑訴法419条,刑訴法420条1項,下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律2条,地方裁判所及び家庭裁判所支部設置規則1条1項
論点16第34条民事訴訟法

業務停止の懲戒処分を受けた弁護士により当該懲戒処分に違反してされた即時抗告が補正を命ずることなく不適法として却下すべきものとされた事例

裁判要旨業務停止の懲戒処分を受けた弁護士が当該懲戒処分に違反して即時抗告をした場合において、当該即時抗告が、裁判所が当該懲戒処分を知った後にされたものであるときは、次の⑴~⑶など判示の事情の下においては、当該即時抗告は、補正を命ずることなく、不適法として却下すべきである。
⑴ 上記即時抗告は、上記弁護士が、上記懲戒処分に違反する意図をもってしたものである。
⑵ 上記弁護士が上記懲戒処分の効力が生じた後に弁護士として裁判所に提出した裁判を求める旨の書面は、相当多数に上る。
⑶ 上記即時抗告の抗告状には、抗告人本人の上記弁護士に対する委任状の添付はなく、抗告の理由の記載も、事案に即した実質的な記載が乏しい。
裁判
最高裁判所第一小法廷 令和7年12月18日 令和7(マ)490
登載
―
参照法条
家事事件手続法22条1項本文、家事事件手続法26条、民訴法34条1項、2項、弁護士法57条1項2号
論点17第35条民事訴訟法

民訴法三五条六号にいう「不服ヲ申立テラレタル前審ノ裁判」の意義

裁判要旨民訴法三五条六号にいう「不服ヲ申立テラレタル前審ノ裁判」とは、当該事件について下級審のした裁判をいうものである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和47年4月12日 昭和47(マ)16
登載
集民 第105号557頁
参照法条
民訴法35条6号
論点18第35条民事訴訟法

裁判上の和解の条項にもとづいて成立すべき契約の履行を求める訴において、その裁判上の解に関与した裁判官は民訴法第三五条第六号にいう前審の裁判に関与したものに当るか

裁判要旨裁判上の和解の条項にもとづいて成立すべき契約の履行を求める訴において、その裁判上の和解に関与した裁判官は民訴法第三五条第六号にいう前審の裁判に関与したものに当らない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和42年6月15日 昭和42(オ)235
登載
集民 第87号1041頁
参照法条
民訴法35条6号
論点19第35条民事訴訟法

再審の対象である裁判に関与した裁判官が再審の裁判に関与することは除斥原因事由となるか。

裁判要旨再審の請求をもつて不服を申し立てられた裁判に関与した裁判官が再審の裁判に関与することは、民事訴訟法第三五条第六号〈特別代理人〉にいう前審関与にあたらない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和39年9月4日 昭和39(行ナ)4
登載
集民 第75号175頁
参照法条
民訴法35条
論点20第35条民事訴訟法

一民法第八一四条第一項第三号の法意。
二縁組を継続し難い重大な事由があると認められた事例。
三民訴法第三五条第六号にいわゆる「不服ヲ申立テラレタル前審の裁判」の意義。

裁判要旨一民法第八一四条第一項第三号にいわゆる「縁組を継続し難い重大な事由」は、当事者双方又は一方の有責事由に限られない。
二原審認定に係る事実関係(原判決理由参照)の下においては、民法第八一四条第一項第三号にいわゆる「縁組を継続し難い重大な事由」があると認めるのを相当とする。
三 民訴法第三五条第六号にいわゆる「不服ヲ申立テラレタル前審ノ裁判」とは、当該事件における直接又は間接の下級審の裁判を指すものと解すべきものである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和36年4月7日 昭和34(オ)59
登載
民集 第15巻4号706頁
参照法条
民法814条1項3号,民訴法35条6号
論点21第35条民事訴訟法

日本弁護士連合会の懲戒委員会は弁護士懲戒処分に対する不服の訴訟事件の前審か。

裁判要旨日本弁護士連合会の懲戒委員会は弁護士懲戒処分に対する不服の訴訟事件において民訴第三五条第六号〈特別代理人〉の前審にあたらない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和34年8月7日 昭和34(ヤ)16
登載
民集 第13巻10号1273頁
参照法条
弁護士法59条,民訴法35条6号
論点22第35条民事訴訟法

民訴法第四四条による第三五条第六号〈特別代理人〉の準用の有無。

裁判要旨民訴第三五条第六号〈特別代理人〉の「裁判官が不服ヲ申立テラレタル前審ノ裁判ニ関与シタルトキ」という規定は、裁判所書記官には準用されないと解すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和34年7月17日 昭和33(オ)473
登載
民集 第13巻8号1095頁
参照法条
民訴法35条6号,民訴法44条
論点23第35条民事訴訟法

一 前審関与にあたらない場合
二 遡及買収基準日当時における住所の所在の認定につき爾後の事実をしんしやくすることの許否
三 遡及買収基準日当時在村地主であつたと認められた事例

裁判要旨一 裁判官が、前審において口頭弁論に列席し、当事者の陳述・証拠の申出・証人の供述を聴き、証拠決定をし、その他訴訟指揮に関する決定に関与したというだけでは、民事訴訟法第三五条第六号〈特別代理人〉にいう裁判官が前審の裁判に関与した場合に当らない。
二 遡及買収基準日当時における住所の所在の認定につき爾後の事実をしんしやくすることは違法ではない。
三 原審認定の事実関係(原判決参照)の下では、被買収者は、遡及買収基準日当時在村地主であつたと認むべきものである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和33年2月28日 昭和30(オ)518
登載
民集 第12巻2号363頁
参照法条
民訴法35条6号,民訴法185条,自作農創設特別措置法3条
論点24第35条民事訴訟法

前審の証拠調に関与した裁判官と除斥原因

裁判要旨前審の証拠調に関与したが裁判自体には関与しない裁判官は職務の執行から除斥されない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和32年6月7日 昭和30(オ)458
登載
民集 第11巻6号983頁
参照法条
民訴法35条6号
論点25第35条民事訴訟法

調停関与と除斥原因

裁判要旨調停に関与した裁判官は、その後の訴訟事件の判決に関与することを妨げない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和30年3月29日 昭和28(オ)801
登載
民集 第9巻3号395頁
参照法条
民訴法35条6号,民訴法395条1項2号
論点26第35条民事訴訟法

除斥原因としての「前審ノ裁判ニ関与シタルトキ」の意義

裁判要旨民訴第三五条第六号〈特別代理人〉にいわゆる「前審ノ裁判ニ関与シタルトキ」とは、前審の裁判の評決に加わつたときの意であつて、裁判官は、たとえ前審において口頭弁論を指揮し証拠調をした事実があつても、該事件の上訴審において職務の執行から除斥されない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和28年6月26日 昭和26(オ)759
登載
民集 第7巻6号783頁
参照法条
民訴法35条,民訴法395条1項2号,刑訴法20条7号
論点27第36条民事訴訟法

1 原告として確定されるべき者が訴訟提起当時その国名を「中華民国」としていたが昭和47年9月29日の日中共同声明に伴って「中華人民共和国」に国名が変更された国家としての中国であるとされた事例
2 訴訟当事者を代表していた者の代表権の消滅が公知の事実である場合における代表権の消滅の効力発生時期
3 外国国家を代表して外交使節が我が国で訴訟を提起した後に我が国政府が当該外国国家の政府として上記外交使節を派遣していた政府に代えて新たな政府を承認したために上記外交使節の我が国における当該外国国家の代表権が消滅した場合における訴訟手続の中断
4 上告審が職権探知事項に当たる中断事由の存在を確認して原判決を破棄する場合における口頭弁論の要否

裁判要旨1 (1)本件訴訟は昭和42年9月6日に提起されたが,その訴状には,原告の表示として「中華民国」と,原告代表者の表示として「中華民国駐日本国特命全権大使」とそれぞれ記載されていたこと,(2)原告の訴訟代理人に訴訟代理権を授与したのは,中華民国駐日本国特命全権大使であったこと,(3)「中華民国」は,国家としての中国(中国国家)の国名として用いられてきたものであること,(4)我が国政府は,中国国家の政府として中華民国政府を承認し,昭和27年4月28日,同政府との間で,「日本国と中華民国との間の平和条約」を締結しており,訴訟提起当時,中国国家の我が国における代表権は,中華民国駐日本国特命全権大使が有していたこと,(5)中華民国政府は,訴訟提起当時,自らが中国国家の唯一の政府であると主張していたこと,(6)我が国政府が,昭和47年9月29日,「日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明」(日中共同声明)において,中国国家の政府として,中華民国政府に代えて中華人民共和国政府を承認したことに伴って,中国国家の国名が「中華民国」から「中華人民共和国」に変更されたことなど判示の事実関係の下では,原告として確定されるべき者は,訴訟提起当時その国名を「中華民国」としていたが,日中共同声明に伴って「中華人民共和国」に国名が変更された中国国家というべきである。
2 訴訟当事者を代表していた者の代表権の消滅は,それが公知の事実である場合には,相手方に通知されなくても直ちにその効力を生ずる。
3 外国国家を代表して外交使節が我が国で訴訟を提起した後に,我が国政府が,当該外国国家の政府として,上記外交使節を派遣していた政府に代えて新たな政府を承認したため,上記外交使節の我が国における当該外国国家の代表権が消滅した場合には,上記外交使節から訴訟代理権の授与を受けた訴訟代理人がいるとしても,上記代表権の消滅の時点で,訴訟手続は中断する。
4 上告審は,職権探知事項に当たる中断事由が存在することを確認して原判決を破棄する場合には,必ずしも口頭弁論を経ることを要しない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成19年3月27日 昭和62(オ)685
登載
民集 第61巻2号711頁
参照法条
(1につき)民訴法第1編第3章 当事者,民訴法133条2項1号 (2,3につき)民訴法37条 (2につき)民訴法36条1項 (3,4につき)民訴法124条1項3号 (3につき)民訴法58条1項4号,民訴法124条2項,外交関係に関するウィーン条約3条1(a) (4につき)民訴法87条,民訴法140条,民訴法297条,民訴法313条,民訴法319条,旧民訴法395条1項4号
論点28第37条民事訴訟法

忌避の申立を受けた裁判官が退官した場合と右申立を排斥する決定に対する特別抗告の利益

裁判要旨忌避の申立を受けた裁判官が退官したときは、忌避申立却下決定に対する抗告を棄却する旨の決定に対する特別抗告は、原決定を取り消す利益を欠き、不適法である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和53年5月29日 昭和53(ク)157
登載
集民 第124号103頁
参照法条
民訴法37条,民訴法419条ノ2
論点29第37条民事訴訟法

忌避申立の利益がないとして申立を却下した決定と憲法三二条

裁判要旨忌避を申し立てられた裁判官が退官したことを理由とし、忌避申立を利益がないとして却下した決定は、申立の実質的理由につき判断を示さなかつたからといつて、憲法三二条に違反するものではない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和47年9月7日 昭和47(ク)216
登載
集民 第106号707頁
参照法条
憲法32条,民訴法37条
論点30第37条民事訴訟法

民訴第三七条第一項〈法人の代表者等への準用〉の裁判の公正を妨ぐべき事情にあたらない事例

裁判要旨裁判長たる裁判官が、当事者の一方の訴訟代理人の女婿であるからといつて、民訴第三七条第一項〈法人の代表者等への準用〉にいわゆる裁判の公正を妨ぐべき事情があるものとはいえない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和30年1月28日 昭和28(オ)277
登載
民集 第9巻1号83頁
参照法条
民訴法37条1項
論点31第37条民事訴訟法

最高裁判所規則の制定に関する裁判官会議への参加を理由とする忌避申立ての許否

裁判要旨最高裁判所規則の制定をめぐる訴訟において、右制定に関する裁判官会議に参加したことを理由に、最高裁判所の裁判官につき忌避の申立てをすることはできない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成3年2月25日 平成2(行ニ)42
登載
民集 第45巻2号117頁
参照法条
憲法76条1項,憲法76条2項,憲法77条1項,裁判所法12条,民訴法37条1項
論点32第37条民事訴訟法

農業協同組合が退任した理事に対して提起する訴えについての組合の代表理事の代表権の有無

裁判要旨農業協同組合の代表理事は,過去において組合の理事であったが訴え提起時においてその地位にない者に対して組合が提起する訴えについて,組合を代表する権限を有する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成15年12月16日 平成14(オ)545
登載
民集 第57巻11号2265頁
参照法条
商法78条1項,商法261条3項,商法275条ノ4,農業協同組合法39条2項,民訴法37条
原

条文原文

原文ママ

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民事訴訟法 第28条(原則) 詳細ページ
(原則)
第二十八条当事者能力、訴訟能力及び訴訟無能力者の法定代理は、この法律に特別の定めがある場合を除き、民法(明治二十九年法律第八十九号)その他の法令に従う。訴訟行為をするのに必要な授権についても、同様とする。
民事訴訟法 第29条(法人でない社団等の当事者能力) 詳細ページ
(法人でない社団等の当事者能力)
第二十九条法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものは、その名において訴え、又は訴えられることができる。
民事訴訟法 第30条(選定当事者) 詳細ページ
(選定当事者)
第三十条共同の利益を有する多数の者で前条の規定に該当しないものは、その中から、全員のために原告又は被告となるべき一人又は数人を選定することができる。
2訴訟の係属の後、前項の規定により原告又は被告となるべき者を選定したときは、他の当事者は、当然に訴訟から脱退する。
3係属中の訴訟の原告又は被告と共同の利益を有する者で当事者でないものは、その原告又は被告を自己のためにも原告又は被告となるべき者として選定することができる。
4第一項又は前項の規定により原告又は被告となるべき者を選定した者(以下「選定者」という。)は、その選定を取り消し、又は選定された当事者(以下「選定当事者」という。)を変更することができる。
5選定当事者のうち死亡その他の事由によりその資格を喪失した者があるときは、他の選定当事者において全員のために訴訟行為をすることができる。
民事訴訟法 第31条(未成年者及び成年被後見人の訴訟能力) 詳細ページ
(未成年者及び成年被後見人の訴訟能力)
第三十一条未成年者及び成年被後見人は、法定代理人によらなければ、訴訟行為をすることができない。ただし、未成年者が独立して法律行為をすることができる場合は、この限りでない。
民事訴訟法 第32条(被保佐人、被補助人及び法定代理人の訴訟行為の特則) 詳細ページ
(被保佐人、被補助人及び法定代理人の訴訟行為の特則)
第三十二条被保佐人、被補助人(訴訟行為をすることにつきその補助人の同意を得ることを要するものに限る。次項及び第四十条第四項において同じ。)又は後見人その他の法定代理人が相手方の提起した訴え又は上訴について訴訟行為をするには、保佐人若しくは保佐監督人、補助人若しくは補助監督人又は後見監督人の同意その他の授権を要しない。
2被保佐人、被補助人又は後見人その他の法定代理人が次に掲げる訴訟行為をするには、特別の授権がなければならない。
一訴えの取下げ、和解、請求の放棄若しくは認諾又は第四十八条(第五十条第三項及び第五十一条において準用する場合を含む。)の規定による脱退
二控訴、上告又は第三百十八条第一項の申立ての取下げ
三第三百六十条(第三百六十七条第二項、第三百七十八条第二項及び第三百八十一条の七第二項において準用する場合を含む。)の規定による異議の取下げ又はその取下げについての同意
民事訴訟法 第33条(外国人の訴訟能力の特則) 詳細ページ
(外国人の訴訟能力の特則)
第三十三条外国人は、その本国法によれば訴訟能力を有しない場合であっても、日本法によれば訴訟能力を有すべきときは、訴訟能力者とみなす。
民事訴訟法 第34条(訴訟能力等を欠く場合の措置等) 詳細ページ
(訴訟能力等を欠く場合の措置等)
第三十四条訴訟能力、法定代理権又は訴訟行為をするのに必要な授権を欠くときは、裁判所は、期間を定めて、その補正を命じなければならない。この場合において、遅滞のため損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、一時訴訟行為をさせることができる。
2訴訟能力、法定代理権又は訴訟行為をするのに必要な授権を欠く者がした訴訟行為は、これらを有するに至った当事者又は法定代理人の追認により、行為の時にさかのぼってその効力を生ずる。
3前二項の規定は、選定当事者が訴訟行為をする場合について準用する。
民事訴訟法 第35条(特別代理人) 詳細ページ
(特別代理人)
第三十五条法定代理人がない場合又は法定代理人が代理権を行うことができない場合において、未成年者又は成年被後見人に対し訴訟行為をしようとする者は、遅滞のため損害を受けるおそれがあることを疎明して、受訴裁判所の裁判長に特別代理人の選任を申し立てることができる。
2裁判所は、いつでも特別代理人を改任することができる。
3特別代理人が訴訟行為をするには、後見人と同一の授権がなければならない。
民事訴訟法 第36条(法定代理権の消滅の通知) 詳細ページ
(法定代理権の消滅の通知)
第三十六条法定代理権の消滅は、本人又は代理人から相手方に通知しなければ、その効力を生じない。
2前項の規定は、選定当事者の選定の取消し及び変更について準用する。
民事訴訟法 第37条(法人の代表者等への準用) 詳細ページ
(法人の代表者等への準用)
第三十七条この法律中法定代理及び法定代理人に関する規定は、法人の代表者及び法人でない社団又は財団でその名において訴え、又は訴えられることができるものの代表者又は管理人について準用する。
出

一次情報

原文ママ

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