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株式の譲渡等/株式の譲渡

株式の譲渡の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

株式の譲渡は原則として株主の自由な判断に委ねられていますが、株券発行会社では株券の交付が譲渡の効力発生要件となる点に注意が必要です。譲渡を会社その他の第三者に対抗するには株主名簿への記載・記録が必要であり、名簿書換の手続、譲渡制限株式の取扱い、子会社による親会社株式取得の制限についても定めがあります。

株式の譲渡
区分譲渡の効力発生要件株主名簿による対抗の相手方
株券発行会社株券の交付会社のみ
株券発行会社でない会社意思表示のみで足りる会社その他の第三者
  • 自己株式の処分による譲渡は株券交付なしで効力を生じる(128条ただし書)
  • 株券発行前の譲渡は会社に対し効力を生じない(128条2項)
  • 自己株式処分時、非公開会社は取得者から請求があるまで株券を交付しなくてよい(129条2項)
  • 譲渡制限株式を取得した者は、承認等がない限り単独で名簿記載を請求できない(133条・134条)
  • 名簿記載・記録の請求は原則、名簿上の株主等と共同でする(133条2項)
  • 子会社は親会社株式の取得が原則禁止だが、事業譲受けや合併・会社分割による承継等は例外(135条)
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株式の譲渡

株式の譲渡について、条文は何を定めているか。

第127条株式の譲渡株主は株式を自由に譲渡できる1項判例 1件
第128条株券発行会社の株式の譲渡株券発行会社は株券交付で譲渡が成立2項判例 1件
  • 株券発行会社の譲渡は株券の交付が効力発生要件
  • 自己株式の処分による譲渡は株券交付が不要
  • 株券発行前の譲渡は会社に対し効力を生じない
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第129条自己株式の処分に関する特則自己株式処分時の株券交付ルール2項判例なし
  • 処分した日以後遅滞なく株券を交付する
  • 非公開会社は取得者から請求があるまで交付しなくてよい
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第130条株式の譲渡の対抗要件名簿書換をしないと会社等に対抗できない2項旧商法 6件
  • 譲受人の氏名・住所を株主名簿に記載・記録しないと対抗不可
  • 株券発行会社では対抗の相手方は会社のみとなる
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第131条権利の推定等株券の占有者は権利者と推定される2項判例なし
  • 株券の占有者は適法な権利者と推定される
  • 株券の交付を受けた者は原則として権利を取得する
  • 悪意・重過失があるときは権利を取得しない
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第132条株主の請求によらない株主名簿記載事項の記載又は記録会社は請求なしで名簿を書き換える場合がある3項・3号判例なし
  • 株式の発行・取得・自己株式処分の際に記載・記録する
  • 株式の併合・分割をした場合も記載・記録する
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第133条株主の請求による株主名簿記載事項の記載又は記録株式取得者は名簿書換を請求できる2項旧商法 6件
  • 会社以外から取得した者は名簿記載・記録を請求できる
  • 原則、名簿上の株主等と共同で請求する
  • 法務省令で定める場合は共同請求が不要
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第134条譲渡制限株式は単独請求できないのが原則1項・4号判例なし
  • 譲渡制限株式の取得者は133条〈株主の請求による株主名簿記載事項の記載又は記録〉の請求が原則できない
  • 136条〈株主からの承認の請求〉・137条〈株式取得者からの承認の請求〉の承認を得た場合等は請求できる
  • 指定買取人や相続等による取得者も請求できる
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第135条親会社株式の取得の禁止子会社は親会社株式を取得できない3項・5号判例なし
  • 子会社は親会社株式を取得してはならない
  • 事業譲受けや合併・会社分割による承継等は例外
  • 取得した親会社株式は相当の時期に処分する
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第127条会社法

株式会社の従業員がいわゆる持株会から譲り受けた株式を個人的理由により売却する必要が生じたときは持株会が額面額でこれを買い戻す旨の当該従業員と持株会との間の合意が有効とされた事例

裁判要旨いわゆる持株会が採用した株式譲渡ルールに従い,株式会社の従業員が持株会から譲り受けた株式を個人的理由により売却する必要が生じたときは持株会が額面額でこれを買い戻す旨の当該従業員と持株会との間の合意は,次の(1)〜(4)などの判示の事情の下では,会社法107条〈株式の内容についての特別の定め〉及び127条〈株式の譲渡〉の規定に反するものではなく,公序良俗にも反せず,有効である。
(1) 上記株式譲渡ルールは,日刊新聞の発行を目的とし,日刊新聞法1条に基づき定款で株式の譲受人を事業に関係ある者に限ると規定して,株式の保有資格を原則として現役の従業員等に限定する社員株主制度を採用している当該会社において同制度を維持することを前提に,これにより譲渡制限を受ける株式を円滑に現役の従業員等に承継させるためのものである。
(2) 非公開会社である当該会社の株式にはもともと市場性がなく,上記株式譲渡ルールにおいては,従業員が持株会から株式を取得する際の価格も額面額とされていた。
(3) 当該従業員は,上記株式譲渡ルールの内容を認識した上,自由意思により持株会から額面額で株式を買い受けた。
(4) 当該会社が,多額の利益を計上しながら特段の事情もないのに一切配当を行うことなくこれをすべて会社内部に留保していたというような事情はない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成21年2月17日 平成20(受)1207
登載
集民 第230号117頁
参照法条
会社法107条,会社法127条,民法90条,(日刊新聞法)日刊新聞紙の発行を目的とする株式会社の株式の譲渡の制限等に関する法律1条
論点2第128条会社法

1 株券の発行前にした株券発行会社の株式の譲渡の譲渡当事者間における効力
2 株券発行会社の株式の譲受人が民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)423条1項本文により譲渡人の株券発行会社に対する株券発行請求権を代位行使することの可否

裁判要旨1 株券の発行前にした株券発行会社の株式の譲渡は、譲渡当事者間においては、当該株式に係る株券の交付がないことをもってその効力が否定されることはない。
2 株券発行会社の株式の譲受人は、譲渡人に対する株券交付請求権を保全する必要があるときは、民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)423条1項本文により、譲渡人の株券発行会社に対する株券発行請求権を代位行使することができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 令和6年4月19日 令和4(受)1266
登載
民集 第78巻2号267頁
参照法条
(1、2につき)会社法128条 (2につき)民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)423条1項本文
論点3第130条旧商法下の裁判例

商法(昭和五六年法律第七四号による改正前のもの)三五〇条一項の株券提出期間の経過前に株式を譲り受けた者が右期間経過後にする名義書換請求

裁判要旨定款を変更して株式譲渡制限の定めを設けるとの決議があつた場合において、商法(昭和五六年法律第七四号による改正前のもの)三五〇条一項の株券提出期間の経過前に株式を譲り受けた者は、右期間の経過後であつても、会社に対し、旧株券を呈示し、右期間経過前に株式を譲り受けたことを証明して、名義書換を請求することができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和60年3月7日 昭和57(オ)1383
登載
民集 第39巻2号107頁
参照法条
商法206条1項,商法(昭和56年法律第74号による改正前のもの)350条1項
論点4第130条旧商法下の裁判例

親株の取戻権者の破産管財人に対する配当金および子株の返還請求の許否

裁判要旨株式の取戻権者が株券引渡の訴を提起した後に右株式につき生じた配当金および右株式につき株主に割り当てられた新株を破産管財人において取得した場合には、右取戻権者は、破産管財人に対し不当利得に基づく財団債権として右配当金および新株の返還を請求することができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和43年12月12日 昭和39(オ)496
登載
民集 第22巻13号2943頁
参照法条
破産法47条5号,民法704条,商法206条1項,商法280条ノ21項5号,商法280条ノ4,商法293条
論点5第130条旧商法下の裁判例

株券の占有のみからその占有者を株主と認定したことに違法があるとされた事例

裁判要旨株主総会決議無効確認の訴において、原告が自己の株主であることを立証するために同人名義の株券を書証として提出した場合であつても、その提出が二審においてはじめてされたものであるうえ、右株券には同人名義の白地式裏書があり、同人がこれを他に譲渡して一審当時はこれを所持していなかつたことを窺わせる判示の如き証拠があるときには、これらの証拠について何ら説示することなく、また株主名簿の記載についても何ら審理判断せずして、単に同人が右株券を所持することのみから、同人を株主であると認定したことには、審理不尽・理由不備の違法がある。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和43年10月17日 昭和42(オ)1293
登載
集民 第92号593頁
参照法条
商法205条2項,商法206条1項
論点6第130条旧商法下の裁判例

過失により株式譲受人の名義書換請求に応じない株式会社は当該株式の譲渡を否認することができるか。

裁判要旨株式譲受人から株式会社に対し株式名義の書換の請求をした場合において、会社の過失により書換が行なわれなかつたときは、会社は、株式名義の書換のないことを理由として、株式の譲渡を否認することができない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和41年7月28日 昭和39(オ)48
登載
民集 第20巻6号1251頁
参照法条
商法206条
論点7第130条旧商法下の裁判例

捺印のみの裏書により記名株式の譲渡と会社の株式名簿書換義務の存否

裁判要旨譲渡人の捺印のみで記名を欠く裏書により記名株式の譲渡をうけた者が、記名を補充せずに会社に対し株主名簿の名義書換請求しても、会社はこれに応ずる義務がないと解すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和38年10月1日 昭和36(オ)392
登載
民集 第17巻9号1091頁
参照法条
商法205条,商法206条,手形法13条
論点8第130条旧商法下の裁判例

一 特定の株主に対する株主総会の招集通知の欠如と他の株主との関係における取締役の職務上の義務違反の有無
二 定款上株式の譲渡には取締役会の承認を要することとされている会社において既に競売により株式を失っていたが株主名簿には株主として記載されていた者に対し株主総会の招集通知が行われないまま決議がされた場合に取締役に悪意又は重大な過失による職務上の義務違反がなかったとはいえないとされた事例

裁判要旨一 特定の株主に対する株主総会の招集通知の欠如は、すべての株主に対する関係において取締役の職務上の義務違反に当たる。
二 定款上株式の譲渡には取締役会の承認を要することとされている会社において、既に競売により株式を失っていたが株主名簿には株主として記載されていた者に対し株主総会の招集通知が行われないまま決議がされた場合に、右当時、右の者が会社を被告として株主としての地位の確認を請求する訴訟において請求を棄却すべきものとする判決が言い渡されていたものの、同判決は未確定であったなど判示の事実関係の下においては、右の者に対する株主総会の招集通知の欠如につき取締役に悪意又は重大な過失による職務上の義務違反がなかったとはいえない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成9年9月9日 平成6(オ)362
登載
集民 第185号199頁
参照法条
商法204条1項,商法224条1項,商法231条,商法266条ノ3第1項,商法(平成2年法律第64号による改正前のもの)204条ノ2,商法(平成2年法律第64号による改正前のもの)204条ノ5,商法(平成2年法律第64号による改正前のもの)206条1項,商法(平成2年法律第64号による改正前のもの)232条,民訴法225条

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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

会社法 第127条(株式の譲渡) 詳細ページ
(株式の譲渡)
第百二十七条株主は、その有する株式を譲渡することができる。
会社法 第128条(株券発行会社の株式の譲渡) 詳細ページ
(株券発行会社の株式の譲渡)
第百二十八条株券発行会社の株式の譲渡は、当該株式に係る株券を交付しなければ、その効力を生じない。ただし、自己株式の処分による株式の譲渡については、この限りでない。
2株券の発行前にした譲渡は、株券発行会社に対し、その効力を生じない。
会社法 第129条(自己株式の処分に関する特則) 詳細ページ
(自己株式の処分に関する特則)
第百二十九条株券発行会社は、自己株式を処分した日以後遅滞なく、当該自己株式を取得した者に対し、株券を交付しなければならない。
2前項の規定にかかわらず、公開会社でない株券発行会社は、同項の者から請求がある時までは、同項の株券を交付しないことができる。
会社法 第130条(株式の譲渡の対抗要件) 詳細ページ
(株式の譲渡の対抗要件)
第百三十条株式の譲渡は、その株式を取得した者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。
2株券発行会社における前項の規定の適用については、同項中「株式会社その他の第三者」とあるのは、「株式会社」とする。
会社法 第131条(権利の推定等) 詳細ページ
(権利の推定等)
第百三十一条株券の占有者は、当該株券に係る株式についての権利を適法に有するものと推定する。
2株券の交付を受けた者は、当該株券に係る株式についての権利を取得する。ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。
会社法 第132条(株主の請求によらない株主名簿記載事項の記載又は記録) 詳細ページ
(株主の請求によらない株主名簿記載事項の記載又は記録)
第百三十二条株式会社は、次の各号に掲げる場合には、当該各号の株式の株主に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。
一株式を発行した場合
二当該株式会社の株式を取得した場合
三自己株式を処分した場合
2株式会社は、株式の併合をした場合には、併合した株式について、その株式の株主に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。
3株式会社は、株式の分割をした場合には、分割した株式について、その株式の株主に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。
会社法 第133条(株主の請求による株主名簿記載事項の記載又は記録) 詳細ページ
(株主の請求による株主名簿記載事項の記載又は記録)
第百三十三条株式を当該株式を発行した株式会社以外の者から取得した者(当該株式会社を除く。以下この節において「株式取得者」という。)は、当該株式会社に対し、当該株式に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録することを請求することができる。
2前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した株式の株主として株主名簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。
会社法 第134条 詳細ページ
第百三十四条前条の規定は、株式取得者が取得した株式が譲渡制限株式である場合には、適用しない。ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
一当該株式取得者が当該譲渡制限株式を取得することについて第百三十六条の承認を受けていること。
二当該株式取得者が当該譲渡制限株式を取得したことについて第百三十七条第一項の承認を受けていること。
三当該株式取得者が第百四十条第四項に規定する指定買取人であること。
四当該株式取得者が相続その他の一般承継により譲渡制限株式を取得した者であること。
会社法 第135条(親会社株式の取得の禁止) 詳細ページ
(親会社株式の取得の禁止)
第百三十五条子会社は、その親会社である株式会社の株式(以下この条において「親会社株式」という。)を取得してはならない。
2前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
一他の会社(外国会社を含む。)の事業の全部を譲り受ける場合において当該他の会社の有する親会社株式を譲り受ける場合
二合併後消滅する会社から親会社株式を承継する場合
三吸収分割により他の会社から親会社株式を承継する場合
四新設分割により他の会社から親会社株式を承継する場合
五前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める場合
3子会社は、相当の時期にその有する親会社株式を処分しなければならない。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。