会社法 / テーマ別まとめ

募集設立と創立総会

発起人以外からも株主を募る場合。創立総会は何を決め、どんな決議要件か。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

会社の設立方法には、発起人だけが出資者となる発起設立のほか、発起人以外の者からも出資者を募る募集設立がある。募集設立を選んだ場合、発起人は募集する設立時発行株式(設立時募集株式)の内容を全員の同意で決め、募集に応じた者(設立時株主)を集めて創立総会という会議体を開かなければならない。創立総会は会社設立に関する事項に限って決議でき、その決議要件は出席した設立時株主の議決権の3分の2以上など、通常の株主総会とは異なる独自のルールが定められている。

発起設立と募集設立の比較
観点発起設立募集設立
出資者発起人のみ発起人+募集に応じた者
機関の決定方法発起人全員の同意のみ発起人全員の同意+創立総会
創立総会の要否不要必要
払込取扱機関の証明対象条文になし63条1項の払込みが要件
  • 募集の開始には発起人全員の同意が必要(57条2項)
  • 設立時募集株式の条件(払込金額など)は同一募集内で均等に定める(58条3項)
  • 設立時株主全員の同意があれば創立総会の招集手続を省略できる。ただし引受取消しの条件を定めた場合を除く(69条)
  • 譲渡制限の定めを新設する定款変更は、設立時株主の半数以上かつ議決権の3分の2以上の賛成が必要(73条2項)
  • 全部取得条項等(107条1項3号)についての定款変更には設立時株主全員の同意が必要(73条3項)
  • 発起設立に固有の手続(32条など)は本ページの参照条文に含まれていない
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株主を募集する

募集事項の決定と申込み

第57条設立時発行株式を引き受ける者の募集発起人以外からも出資者を募れる2項判例なし
  • 募集するかどうかは発起人全員の同意で決める
  • 募集は必須ではなく任意の選択肢
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第58条設立時募集株式に関する事項の決定募集株式の数・払込金額などを決める3項・4号判例なし
  • 数・払込金額・払込期日を発起人全員の同意で決定
  • 設立登記までに一定日が来たら引受け取消可とする定めもできる
  • 払込金額など募集条件は同一募集内で均等にする
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第59条設立時募集株式の申込み申込希望者への通知と申込書面のやり取り7項・7号判例なし
  • 定款認証日・公証人名・出資財産の価額などを通知する
  • 発起人が未出資なら36条1項〈設立時発行株式の株主となる権利の喪失〉の期日後でないと通知できない
  • 申込者は氏名・住所・引受希望株式数を書面で発起人に提出
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2

創立総会を開く

権限と招集手続

第65条創立総会の招集募集した場合は創立総会を開かねばならない2項判例なし
  • 払込期日(期間の末日)が最も遅い日以後、遅滞なく招集
  • 必要があればいつでも創立総会を招集できる
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第66条創立総会の権限創立総会で決議できる事項の範囲1項判例なし
  • この節の事項と設立の廃止・総会の終結など設立関連事項に限定
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第68条創立総会の招集の通知創立総会の招集通知のルール7項・2号判例なし
  • 原則、総会の日の2週間前までに設立時株主へ通知
  • 非公開会社は1週間前(取締役会非設置なら定款でさらに短縮可)
  • 取締役会設置会社や取消条件を定めた場合は書面通知が必須
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第69条招集手続の省略全員同意があれば招集手続を省略できる1項判例なし
  • 設立時株主全員の同意で招集手続なしに開催可能
  • ただし引受け取消しの条件を定めた場合は省略不可
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決議の要件

特別の決議要件と定款変更

第73条創立総会の決議創立総会の決議要件(定足数と賛成割合)4項判例なし
  • 議決権の過半数の出席、その3分の2以上の賛成が原則
  • 譲渡制限の定めを新設する定款変更は半数以上+3分の2以上
  • 全部取得条項等の定款変更には設立時株主全員の同意が必要
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第96条創立総会における定款の変更創立総会の決議で定款を変更できる1項判例なし
  • 発起人が作成した原始定款でも総会決議で変更可能
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第102条設立手続等の特則払込みをした引受人が成立時に株主になる6項判例なし
  • 成立の時に、63条1項〈設立時募集株式の払込金額の払込み〉の払込みをした株式の株主となる
  • 払込みを仮装した場合は支払後でないと株主等の権利行使不可
  • 成立後や議決権行使後は錯誤・詐欺・強迫による取消しができない
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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

会社法 第57条(設立時発行株式を引き受ける者の募集) 詳細ページ
(設立時発行株式を引き受ける者の募集)
第五十七条発起人は、この款の定めるところにより、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする旨を定めることができる。
2発起人は、前項の募集をする旨を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。
会社法 第58条(設立時募集株式に関する事項の決定) 詳細ページ
(設立時募集株式に関する事項の決定)
第五十八条発起人は、前条第一項の募集をしようとするときは、その都度、設立時募集株式(同項の募集に応じて設立時発行株式の引受けの申込みをした者に対して割り当てる設立時発行株式をいう。以下この節において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。
一設立時募集株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、その種類及び種類ごとの数。以下この款において同じ。)
二設立時募集株式の払込金額(設立時募集株式一株と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この款において同じ。)
三設立時募集株式と引換えにする金銭の払込みの期日又はその期間
四一定の日までに設立の登記がされない場合において、設立時募集株式の引受けの取消しをすることができることとするときは、その旨及びその一定の日
2発起人は、前項各号に掲げる事項を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。
3設立時募集株式の払込金額その他の前条第一項の募集の条件は、当該募集(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、種類及び当該募集)ごとに、均等に定めなければならない。
会社法 第59条(設立時募集株式の申込み) 詳細ページ
(設立時募集株式の申込み)
第五十九条発起人は、第五十七条第一項の募集に応じて設立時募集株式の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。
一定款の認証の年月日及びその認証をした公証人の氏名
二第二十七条各号、第二十八条各号、第三十二条第一項各号及び前条第一項各号に掲げる事項
三発起人が出資した財産の価額
四第六十三条第一項の規定による払込みの取扱いの場所
五前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項
2発起人のうち出資の履行をしていないものがある場合には、発起人は、第三十六条第一項に規定する期日後でなければ、前項の規定による通知をすることができない。
3第五十七条第一項の募集に応じて設立時募集株式の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を発起人に交付しなければならない。
一申込みをする者の氏名又は名称及び住所
二引き受けようとする設立時募集株式の数
4前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。
5発起人は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第三項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。
6発起人が申込者に対してする通知又は催告は、第三項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を発起人に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。
7前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
会社法 第65条(創立総会の招集) 詳細ページ
(創立総会の招集)
第六十五条第五十七条第一項の募集をする場合には、発起人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間の末日のうち最も遅い日以後、遅滞なく、設立時株主(第五十条第一項又は第百二条第二項の規定により株式会社の株主となる者をいう。以下同じ。)の総会(以下「創立総会」という。)を招集しなければならない。
2発起人は、前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、いつでも、創立総会を招集することができる。
会社法 第66条(創立総会の権限) 詳細ページ
(創立総会の権限)
第六十六条創立総会は、この節に規定する事項及び株式会社の設立の廃止、創立総会の終結その他株式会社の設立に関する事項に限り、決議をすることができる。
会社法 第68条(創立総会の招集の通知) 詳細ページ
(創立総会の招集の通知)
第六十八条創立総会を招集するには、発起人は、創立総会の日の二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合にあっては、一週間(当該設立しようとする株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))前までに、設立時株主に対してその通知を発しなければならない。
2次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。
一前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合
二設立しようとする株式会社が取締役会設置会社である場合
3発起人は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、設立時株主の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。この場合において、当該発起人は、同項の書面による通知を発したものとみなす。
4前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
5発起人が設立時株主に対してする通知又は催告は、第二十七条第五号又は第五十九条第三項第一号の住所(当該設立時株主が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を発起人に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。
6前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
7前二項の規定は、第一項の通知に際して設立時株主に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。この場合において、前項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。
会社法 第69条(招集手続の省略) 詳細ページ
(招集手続の省略)
第六十九条前条の規定にかかわらず、創立総会は、設立時株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。ただし、第六十七条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。
会社法 第73条(創立総会の決議) 詳細ページ
(創立総会の決議)
第七十三条創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行う。
2前項の規定にかかわらず、その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款の変更を行う場合(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、当該定款の変更についての創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の半数以上であって、当該設立時株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。
3定款を変更してその発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第三号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとする場合(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、設立時株主全員の同意を得なければならない。
4創立総会は、第六十七条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。ただし、定款の変更又は株式会社の設立の廃止については、この限りでない。
会社法 第96条(創立総会における定款の変更) 詳細ページ
(創立総会における定款の変更)
第九十六条第三十条第二項の規定にかかわらず、創立総会においては、その決議によって、定款の変更をすることができる。
会社法 第102条(設立手続等の特則) 詳細ページ
(設立手続等の特則)
第百二条設立時募集株式の引受人は、発起人が定めた時間内は、いつでも、第三十一条第二項各号に掲げる請求をすることができる。ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、発起人の定めた費用を支払わなければならない。
2設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立の時に、第六十三条第一項の規定による払込みを行った設立時発行株式の株主となる。
3設立時募集株式の引受人は、第六十三条第一項の規定による払込みを仮装した場合には、次条第一項又は第百三条第二項の規定による支払がされた後でなければ、払込みを仮装した設立時発行株式について、設立時株主及び株主の権利を行使することができない。
4前項の設立時発行株式又はその株主となる権利を譲り受けた者は、当該設立時発行株式についての設立時株主及び株主の権利を行使することができる。ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。
5民法第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、設立時募集株式の引受けの申込み及び割当て並びに第六十一条の契約に係る意思表示については、適用しない。
6設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立後又は創立総会若しくは種類創立総会においてその議決権を行使した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。
出

一次情報

原文ママ

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