論点1第587条民法
消費貸借契約における要物性が充足されたと認められた事例
裁判要旨甲と乙銀行との間において、乙が甲に金員を貸し付け、これと同時に、甲は乙に対し右金員と同額の定期預金をする旨約され、右金員の各占有の移転が占有改定と簡易の引渡によつてなされ、しかも、右各契約がなされたと同じ日に、乙から甲に対し定期預金証書が交付されたという事実関係のもとにおいては、右消費貸借契約の要物性は充足されたものと解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和48年2月27日 昭和47(オ)110
- 登載
- 集民 第108号233頁
- 参照法条
- 民法587条
論点2第587条民法
銀行による新規貸付契約が成立した旨の事実認定に経験則違背・理由不備の違法があるとされた事例
裁判要旨原判示の事実関係のもとにおいて、銀行が、従来何らの取引関係もなかつた相手方に対し、金額四二万〇、六四〇円の不渡手形を返還するとともに、新規に金四二万円を貸し付ける旨の契約をしたと認定することは経験則に違背し、その判断には理由不備の違法がある。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和44年5月2日 昭和42(オ)766
- 登載
- 集民 第95号275頁
- 参照法条
- 民法587条,民訴法185条,民訴法395条1項6号
論点3第587条民法
信用組合に対し第三者振出の約束手形を裏書交付し割引金を受領した取引が消費貨借と認められた事例。
裁判要旨信用組合に対し第三者振出の約束手形を裏書交付し割引金を受領した場合であつても、割引のつど当該手形金額の金員を貸し付けたものとする特約があり、組合は、振出人の資力を十分に調査し手形の実質上の価値を見定めて割引料を定めることはせず、むしろ割引依頼者の資力に重きをおき、これを信用して一率に一定の割引歩合で割引に応じており、割引いた手形を再割引することなく、不渡の場合でも振出人の責任を追及せず、当事者としては手形を買い取るという考えは薄く、むしろ割引依頼者に一定期間手形金額に相当する金員を利用させる考えであつた等原判決認定の事情(原判決理由参照)のもとにおいては、右手形取引は消費貸借と解することを妨げない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和41年3月15日 昭和38(オ)971
- 登載
- 民集 第20巻3号417頁
- 参照法条
- 民法第1編第4章第1節総則,民法587条
論点4第587条民法
融通手形の振出と消費貸借の成立。
裁判要旨なんら現実の商取引がなく、受取人をして他から金融を得させる目的でいわゆる融通手形が振り出された場合において、振出人と受取人との間で、受取人が事実上その支払の責に任じ振出人がその責に任じないことを約したときは、右融通手形の授受のみによつては、当事者間に消費貸借が成立したものとはいえない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和40年6月17日 昭和38(オ)331
- 登載
- 集民 第79号401頁
- 参照法条
- 民法587条
論点5第587条民法
金銭貸与の方法として手形を交付した場合と消費貸借の成立する金額。
裁判要旨金銭の消費貸借にあたり、貸主が借主に対し金銭交付の方法として約束手形を振り出した場合において、右約束手形が満期に全額支払われたときは、たとえ借主が右約束手形を他で割り引き、手形金額にみたない金員を入手したのにとどまつても、右手形金額相当額について消費貸借が成立する。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和39年7月7日 昭和38(オ)806
- 登載
- 民集 第18巻6号1049頁
- 参照法条
- 民法587条
論点6第587条民法
一口の消費貸借成立の主張に対し数回にわたる金員授受の事実を認定判示した事例。
裁判要旨昭和二八年一月一五日の前後に現金四五万円を一口の消費貸借として貸し付けた趣旨の主張に対し、現金に金員の授受がなされた回数としては七、八回にわたるけれどもその授受された金員を一括して右合計金四五万円について同日頃一口の消費貸借がなされた旨認定判示している以上、当事者の主張に基づかない事実を認定判示した違法はない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和38年9月5日 昭和35(オ)260
- 登載
- 集民 第67号447頁
- 参照法条
- 民法587条
論点7第587条民法
債権担保のための建物の売買予約を原因とする所有権移転請求権保全の仮登記がなされた後の金員の授受と右仮登記の効力
裁判要旨金銭消費貸借に基づく債権担保の目的のために、債務者所有の建物につき、売買予約を原因とする所有権移転請求権保全の仮登記がなされた後に金銭が授受されたとしても右仮登記は有効である。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和37年3月13日 昭和35(オ)94
- 登載
- 集民 第59号143頁
- 参照法条
- 民法556条,民法587条,不動産登記法2条
論点8第587条民法
一、 村長の借入金受領と消費貸借の成否
二、 村長の借入金受領行為と民法第一一〇条〈権限外の行為の表見代理〉の類推適用
三、 民法第一一〇条所定の代理権ありと信ずべき正当の理由があつたとの判断が違法とされた事例
裁判要旨一、 現金出納の権限のない村長が村の名において他人より金員を借り入れ、これを自ら受領したにとどまる場合は、右金員の借入が村議会の決議に基づいても、その他人と村との間には右金員の消費貸借は成立しない。
二、 右の場合、村につき民法第一一〇条所定の「代理人カ其権限外ノ行為ヲ為シタル場合」に該当するものとして、同条の類推適用によりその責任を認めるのが相当である。
三、 一の場合村長がたんに村上席書記を帯同のうえ、貸主に前記決議書抄本を呈示した事実のみから、ただちに貸主が村長に借入金受領の権限があると信ずべき正当の理由があつたと断ずるのは違法である。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和34年7月14日 昭和30(オ)873
- 登載
- 民集 第13巻7号960頁
- 参照法条
- 地方自治法149条,地方自治法170条,民法587条,民法110条
論点9第587条民法
消費貸借成立のいきさつに不法の点があつた場合における貸金返還請求と民法第九〇条および第七〇八条の適用の有無
裁判要旨消費貸借成立のいきさつにおいて、貸主の側に多少の不法があつたとしても、借主の側にも不法の点があり、前者の不法性が後者のそれに比しきわめて微弱なものに過ぎない場合には、民法
第九〇条〈公序良俗〉および
第七〇八条〈不法原因給付〉は適用がなく、貸主は貸金の返還を請求することができるものと解するのを相当とする。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和29年8月31日 昭和27(オ)13
- 登載
- 民集 第8巻8号1557頁
- 参照法条
- 民法90条,民法587条,民法708条
論点10第587条民法
利息制限法の制限超過の利息を天引した場合と消費貸借の成立
裁判要旨消費貸借につき、利息制限法の制限を超過する利息を天引した場合においては、天引利息中同法の制限の範囲内の金額と現実交付額との合算額につき消費貸借が成立する。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和29年4月13日 昭和27(オ)960
- 登載
- 民集 第8巻4号840頁
- 参照法条
- 利息制限法2条,利息制限法4条,民法587条
論点11第587条民法
月一割の利息および損害金を支払う旨の消費貸借は公序良俗に反するか
裁判要旨昭和二五年二月二〇日に元金を三万円、弁済期を同年五月二五日、支払うべき利息ならびに損害金の割合を月一割とする約定で、商人の営業資金に供するために成立した消費貸借は、特別の事情のない限り、公序良俗に反し無効であるということはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和29年11月5日 昭和28(オ)691
- 登載
- 民集 第8巻11号2014頁
- 参照法条
- 民法587条,民法70条,旧利息制限法5条
論点12第587条民法
生命保険会社がいわゆる契約者貸付制度に基づいて保険契約者の代理人と称する者の申込みにより行った貸付けと民法四七八条〈受領権者としての外観を有する者に対する弁済〉の類推適用
裁判要旨生命保険会社甲が、いわゆる契約者貸付制度に基づいて保険契約者乙の代理人と称する丙の申込みによる貸付けを実行した場合において、丙を乙の代理人と認定するにつき相当の注意義務を尽くしたときは、甲は、民法
四七八条〈受領権者としての外観を有する者に対する弁済〉の類推適用により、乙に対し、右の貸付けの効力を主張することができる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成9年4月24日 平成5(オ)1951
- 登載
- 民集 第51巻4号1991頁
- 参照法条
- 民法91条,民法478条,民法587条,商法673条
論点13第587条民法
甲乙丙三者間で乙所有の冷蔵庫を乙から丙を経て甲へ順次売却し更に甲が乙に割賦販売する形式でされた甲乙間の合意が消費貸借契約又は諾成的消費貸借契約であるとされた事例
裁判要旨甲乙丙の三者間で乙所有の冷凍冷蔵庫を乙から丙を経て甲へ順次売却し更に甲が乙に割賦販売する旨の合意がされた場合において、右合意が甲が乙に金融を得させる目的でされたものであり、右三者間では右冷蔵庫の所有権を真に移転する意思がなく、丙は甲から売買代金名義で受領した金員と同額の金員を乙に交付することを約したにすぎないなど判示の事情があるときは、甲乙間の合意は、右金額を元本としてその元利金を割賦販売代金の形式で返還する趣旨の甲の乙に対する消費貸借契約又は諾成的消費貸借契約である。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成5年7月20日 昭和63(オ)38
- 登載
- 集民 第169号291頁
- 参照法条
- 民法91条,民法587条
論点14第587条民法
1 建築会社の担当者が顧客に対し融資を受けて顧客所有地に容積率の制限の上限に近い建物を建築した後にその敷地の一部売却により返済資金を調達する計画を提案した際に上記計画には建築基準法にかかわる問題があることを説明しなかった点に説明義務違反があるとされた事例
2 建築会社の担当者と共に顧客に対し融資を受けて顧客所有地に容積率の制限の上限に近い建物を建築した後にその敷地の一部売却により返済資金を調達する計画を説明した銀行の担当者に上記計画には建築基準法にかかわる問題があることについての説明義務違反等がないとした原審の判断に違法があるとされた事例
裁判要旨1 建築会社の担当者が,顧客に対し,銀行から融資を受けて顧客所有地に容積率の制限の上限に近い建物を建築した後,敷地として建築確認を受けた土地の一部を売却することにより融資の返済資金を調達する計画を提案し,顧客が,上記計画に沿って銀行から融資を受けて建物を建築したが,その後,上記土地の一部を予定どおり売却することができず,上記融資の返済資金を調達することができなくなったところ,上記計画には,上記土地の一部の売却によりその余の敷地部分のみでは上記建物が容積率の制限を超える違法な建築物となり,また,上記土地の一部の買主がこれを敷地として建物を建築する際には,敷地を二重に使用することとなって建築確認を直ちには受けられない可能性があるという問題があったなど判示の事実関係の下においては,上記問題を認識しながらこれを顧客に説明しなかった上記担当者には,信義則上の説明義務違反がある。
2 銀行の担当者が,顧客に対し,融資を受けて顧客所有地に容積率の制限の上限に近い建物を建築した後,敷地として建築確認を受けた土地の一部を売却することにより融資の返済資金を調達する計画を提案した建築会社の担当者と共に,上記計画を説明し,顧客が,上記計画に沿って銀行から融資を受けて建物を建築したが,その後,上記土地の一部を予定どおり売却することができず,上記融資の返済資金を調達することができなくなったところ,上記計画には,上記土地の一部の買主がこれを敷地として建物を建築する際,敷地を二重に使用することとなって建築確認を直ちには受けられない可能性があることなどの問題があったなど判示の事実関係の下においては,顧客が,原告として,銀行の担当者は顧客に対して上記土地の一部の売却について取引先に働き掛けてでも確実に実現させる旨述べたなどの事情があったと主張しているにもかかわらず,上記事情の有無を審理することなく,上記担当者について,上記問題を含め上記土地の一部の売却可能性を調査し,これを顧客に説明すべき信義則上の義務がないとした原審の判断には,違法がある。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成18年6月12日 平成16(受)1219
- 登載
- 集民 第220号403頁
- 参照法条
- (1,2につき)民法1条2項,民法415条,民法709条,建築基準法52条 (1につき)民法632条 (2につき)民法587条
論点15第587条民法
貸金業者の債務者に対する取引履歴開示義務の有無
裁判要旨貸金業者は,債務者から取引履歴の開示を求められた場合には,その開示要求が濫用にわたると認められるなど特段の事情のない限り,貸金業の規制等に関する法律の適用を受ける金銭消費貸借契約の付随義務として,信義則上,その業務に関する帳簿に基づいて取引履歴を開示すべき義務を負う。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成17年7月19日 平成16(受)965
- 登載
- 民集 第59巻6号1783頁
- 参照法条
- 民法1条2項,民法587条,民法709条,貸金業の規制等に関する法律19条,貸金業の規制等に関する法律施行規則16条
論点16第587条民法
甲が丁の強迫により消費貸借契約の借主となり貸主乙に指示して貸付金を丙に給付させた後に右強迫を理由に契約を取り消した場合の乙から甲に対する不当利得返還請求につき甲が右給付により利益を受けなかったものとされた事例
裁判要旨甲が丁の強迫により消費貸借契約の借主となり貸主乙に指示して貸付金を丙に給付させた後に右強迫を理由に契約を取り消したが、甲と丙との間には事前に何らの法律上又は事実上の関係はなく、甲が丁の言うままに乙に対して貸付金を丙に給付するように指示したなど判示の事実関係の下においては、乙から甲に対する不当利得返還請求について、甲が右給付によりその価額に相当する利益を受けたとみることはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成10年5月26日 平成8(オ)497
- 登載
- 民集 第52巻4号985頁
- 参照法条
- 民法96条1項,民法537条,民法587条,民法703条
論点17第588条民法
売買代金債務を目的とする準消費貸借契約が締結された場合であつても売主が自己の所有権移転登記手続債務につき売買契約に基づいて有していた同時履行の抗弁権を失わないとされた事例
裁判要旨土地の売買代金債務を目的とする準消費貸借契約が締結された場合であつても、右契約が、従来明確でなかつた残代金の支払時期とこれに付すべき利息の利率を定めるとともに連帯保証人を付すことを目的としてされたなど原判示の事情(原判決理由参照)があるときは、売主は、買主に対する所有権移転登記手続債務につき、売買契約に基づいて有していた同時履行の抗弁権を失わず、右準消費貸借契約上の債務の履行の提供があるまで、自己の債務の履行を拒むことができる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和62年2月13日 昭和61(オ)1036
- 登載
- 集民 第150号175頁
- 参照法条
- 民法533条,民法588条
論点18第588条民法
利息制限法所定の制限利率を超過する利息部分を目的とする準消費貸借契約の効力
裁判要旨利息制限法所定の制限利率を超過する利息部分を準消費貸借の目的としても、その効力を生じない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和55年1月24日 昭和54(オ)196
- 登載
- 集民 第129号81頁
- 参照法条
- 利息制限法1条,民法588条
論点19第588条民法
準消費貸借契約における旧債務の存否に関する立証責任
裁判要旨準消費貸借契約において、旧債務の不存在を事由として右契約の効力を争う者は、旧債務の不存在の事実を立証する責任を負う。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和52年1月31日 昭和51(オ)1064
- 登載
- 集民 第120号31頁
- 参照法条
- 民法588条
論点20第588条民法
旧債権発生後これを目的とする準消費貸借契約締結前にした債務者の詐害行為と債権者の取消権
裁判要旨債務者による詐害行為当時債権者であつた者は、その後その債権を目的とする準消費貸借契約を締結した場合においても、右詐害行為を取り消すことができる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和50年7月17日 昭和49(オ)302
- 登載
- 民集 第29巻6号1119頁
- 参照法条
- 民法424条,民法588条
論点21第588条民法
将来発生する金銭債務を基礎とする準消費貸借
裁判要旨当事者間において将来金銭その他の物を給付する債務を生ずることがあるべき場合、これを準消費貸借の目的とすることを約し得るのであつて、その後該債務が生じたとき、その準消費貸借は当然にその効力を生ずる(昭和四〇年(オ)第二〇〇号、同四〇年一〇月七日第一小法廷判決、民集一九巻七号一七二三頁参照)。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和44年7月25日 昭和44(オ)277
- 登載
- 集民 第96号423頁
- 参照法条
- 民法588条
論点22第588条民法
準消費貸借契約における旧債務の存否に関する立証責任
裁判要旨準消費貸借契約において、旧債務の不存在を事由として右契約の効力を争う者は、旧債務の不存在の事実を立証する責任を負う。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和43年2月16日 昭和42(オ)687
- 登載
- 民集 第22巻2号217頁
- 参照法条
- 民法588条
論点23第588条民法
一 準消費貸借契約と利息制限法
二 制限超過部分の充当の順序。
裁判要旨一 準消費貸借契約にも利息制限法の適用がある。
二 制限を超過して任意に支払われた利息部分は、先ず弁済期までの全制限利息に充当さるべく、残余ある場合初めて元本に充当される。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和40年6月24日 昭和39(オ)1347
- 登載
- 集民 第79号503頁
- 参照法条
- 民法588条,民法489条,利息制限法1条1項
論点24第588条民法
将来発生する金銭債務を基礎とする準消費貸借。
裁判要旨将来金員を貸与する旨の契約が締結された場合には、その契約が履行される以前でも、その金員をもつて準消費貸借の目的とすることを約することができ、その後右金員が貸与されたとき、右準消費貸借契約は、当然に、効力を生ずる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和40年10月7日 昭和40(オ)200
- 登載
- 民集 第19巻7号1723頁
- 参照法条
- 民法588条,民訴法186条
論点25第588条民法
準消費貸借の目的たる約束手形金債務を特定するについて手形要件全部の判示を必要とするか。
裁判要旨準消費貸借の目的たる約束手形金債務を特定するために、必ずしも手形要件のすべてを判示する要はない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和38年3月1日 昭和35(オ)1024
- 登載
- 集民 第65号41頁
- 参照法条
- 民法588条,手形法75条
論点26第588条民法
準消費貸借と更改。
裁判要旨貸金を目的とする準消費貸借契約がなされた場合に、利息弁済期の変更、新保証人、新担保の設定があつたからといつて直ちにこれを更改であるといわねばならない理はない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和38年1月22日 昭和36(オ)857
- 登載
- 集民 第64号107頁
- 参照法条
- 民法513条,民法588条
論点27第588条民法
利息制限法をこえる利息を目的とする準消費貸借契約の効力。
裁判要旨利息制限法の制限をこえる利息を目的として準消費貸借をした場合、該契約は制限をこえる部分について無効である。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和37年12月4日 昭和35(オ)1179
- 登載
- 集民 第63号421頁
- 参照法条
- 民法588条
論点28第591条民法
一 金員貸渡の日時につき主張と認定との間に同一性が害されず当事者の主張もない事項について判断したとはいえないとされた事例
二 遅延損害金の支払を命じた点に審理不尽理由不備があるとされた事例
裁判要旨一 原告が昭和二四年九月一一日から同二五年一〇年二〇日にわたる二五口の金員消費貸借契約の成立を原因として、その貸金請求を併せてする訴訟において、右のうち一口の貸渡日時が昭和二五年九月一〇日と主張されているのに対し、被告が他の二四口の貸渡日時自体については争わず右一口の貸渡日は昭和二三年中であると主張して消滅時効を援用した場合、それが昭和二五年九月一〇日に貸し渡されたことは確認できないが、早くとも昭和二五年八、九月中に、遅くともその後の同年中に貸し渡されたことが認められるとして、時効期間満了の主張が排斥され、右一口の請求が認容されたとしても、当事者の主張と同一性を害する事実を認定して主張しない事項について判断したとはいえない。
二 期限の定めのない消費貸借において借主が履行遅滞に陥つた事実を確定することなく、漫然貸渡より後の年の一月一日以降遅延損害金の支払を命ずる判決には、審理不尽、理由不備の違法がある。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和38年12月26日 昭和38(オ)206
- 登載
- 集民 第70号625頁
- 参照法条
- 民訴法186条,民訴法395条1項6号,民法591条,民法412条
論点29第591条民法
利息を遅延損害金と判示してその支払を命じた判決と理由そごの有無。
裁判要旨期限の定めのない金銭消費貸借契約に基づく返還請求を認容した判決が、民法
第五九一条〈返還の時期〉所定の催告をしたことの主張立証がないのに、一定の日以降遅延損害金の付加支払を命じた場合においても、単に法律用語の誤りと解され、同日以降同利率による利息と訴状送達以後の遅延損害金の支払を命じた趣旨と解するのを相当とするから、理由そごとはいえない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和38年11月29日 昭和38(オ)526
- 登載
- 集民 第69号439頁
- 参照法条
- 民法591条,民訴法395条1項6号