商標法 / テーマ別まとめ

商標権

商標権の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

商標権は、特許庁への設定登録によって発生し、存続期間は登録日から10年で、更新登録の申請を続ける限り更新できます。商標権者は指定商品・役務について登録商標を使用する権利を専有し、専用使用権・通常使用権の設定や商標権の分割・移転も可能ですが、効力が及ばない使用の範囲や他人の先行権利との関係など一定の制限があります。

商標権
項目内容期間・タイミング
発生設定登録により発生登録料納付時
存続期間10年で満了満了日まで10年
更新申請更新登録の申請で更新可満了前6月から満了日まで
追納期間期間経過後も省令期間内なら申請可省令で定める期間内
回復故意でなければ消滅後も再申請可省令で定める期間内
分割指定商品・役務ごとに分割可消滅後は審判係属中のみ
移転指定商品・役務ごとに分割移転可―
専用使用権設定範囲で独占的に使用―
通常使用権設定範囲で使用する権利―
先使用権周知なら継続使用できる出願前から使用が条件
  • 更新登録の申請をすべき期間内に申請がないと、存続期間満了時に遡って商標権が消滅したとみなされる。
  • 追納期間経過後から更新登録前までに回復した商標権の効力は、その間の登録商標の使用等には及ばない。
  • 国・地方公共団体等の公益出願に係る商標権は譲渡不可、公益事業を行う者の商標権も事業とともにする場合を除き移転不可、地域団体商標も譲渡できない。
  • 団体商標に係る商標権が移転されると、原則として通常の商標権に変更されたとみなされる。
  • 登録商標でも、普通名称・産地等を普通の方法で表示する商標や、需要者が誰の業務か認識できない態様の使用には商標権の効力が及ばない。
  • 出願日より前に生じた他人の特許権・実用新案権・意匠権・著作権等と抵触する態様では、登録商標を使用できない。
1

商標権

商標権について、条文は何を定めているか。

第18条商標権の設定の登録登録料納付で商標権が発生する5項・6号判例なし
  • 商標権は設定登録によって発生する
  • 査定・審決謄本送達日から30日以内の登録料納付で登録
  • 登録後は氏名・出願番号等を商標公報に掲載
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第19条存続期間存続期間は10年、更新で延長可3項判例なし
  • 存続期間は設定登録の日から10年で満了
  • 更新登録の申請により存続期間を更新できる
  • 更新登録があると満了時に存続期間が更新される
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第20条存続期間の更新登録の申請更新申請は満了前6月から満了日まで4項・3号判例 1件
  • 申請書に氏名・登録番号等を記載し特許庁長官に提出
  • 申請期間は存続期間満了前6月から満了の日まで
  • 省令で定める追納期間内も申請でき、しないと満了時に遡り消滅
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第21条商標権の回復消滅後も期限内なら再申請できる2項判例なし
  • 消滅とみなされた元商標権者は省令で定める期間内に申請可
  • 故意に追納期間内の申請を怠った場合は回復できない
  • 申請があると存続期間は満了時に遡って更新されたとみなす
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第22条回復した商標権の効力の制限回復前の使用には効力が及ばない1項・2号判例なし
  • 追納期間経過後から更新登録前までの登録商標の使用には及ばない
  • 同期間中の一定のみなし侵害行為にも及ばない
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第23条存続期間の更新の登録登録料納付で更新登録がされる3項・3号判例 1件
  • 更新登録料の納付があったときに更新登録をする
  • 追納の場合は割増登録料も納付して初めて更新登録
  • 更新登録があると氏名・登録番号等を商標公報に掲載
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第24条商標権の分割指定商品・役務ごとに分割できる2項判例なし
  • 指定商品・指定役務が2以上あれば分割できる
  • 商標権消滅後は、審判・再審・訴訟係属中に限り分割可
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第24_2条商標権の移転商標権は原則自由に移転できる4項判例なし
  • 指定商品・役務が2以上あれば分割して移転できる
  • 国・地方公共団体等の公益出願に係る商標権は譲渡できない
  • 地域団体商標に係る商標権は譲渡できない
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第24_3条団体商標に係る商標権の移転移転すると通常の商標権に変わる2項判例なし
  • 団体商標の商標権移転は原則、通常の商標権とみなされる
  • 団体商標のまま移転するには所定書面を移転登録申請と同時提出
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第24_4条商標権の移転等に係る混同防止表示請求混同のおそれがあれば表示を求められる1項・4号判例なし
  • 類似登録商標が別の商標権者に属し業務上の利益を害する恐れがある場合に請求可
  • 混同を防ぐのに適当な表示を付すよう請求できる
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第25条商標権の効力指定商品・役務での使用を独占できる1項判例 5件
  • 商標権者は指定商品・役務について登録商標を使用する権利を専有
  • 専用使用権を設定した範囲は専用使用権者が専有
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第26条商標権の効力が及ばない範囲普通名称表示などには効力が及ばない3項・9号判例 2件
  • 自己の肖像・氏名・著名な雅号等を普通の方法で表示する商標には及ばない
  • 普通名称・産地・品質等を普通に表示する商標には及ばない
  • 需要者が誰の業務か認識できない態様の使用には及ばない
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第27条登録商標等の範囲権利範囲は願書の記載で決まる3項判例 1件
  • 登録商標の範囲は願書に記載した商標に基づいて定める
  • 指定商品・役務の範囲は願書の記載に基づいて定める
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第28条特許庁に効力の判定を求められる3項判例なし
  • 商標権の効力について特許庁に判定を求めることができる
  • 特許庁長官は3名の審判官を指定して判定させる
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第28_2条裁判所からの鑑定嘱託にも対応2項判例なし
  • 裁判所から効力鑑定の嘱託があれば3名の審判官が鑑定する
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第29条他人の特許権等との関係先行する他人の権利と抵触する使用は不可1項判例なし
  • 出願日前の他人の特許権・実用新案権・意匠権と抵触する態様は使用不可
  • 出願日前に生じた他人の著作権・著作隣接権と抵触する態様も使用不可
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第30条専用使用権専用使用権を設定すれば独占的に使用させられる4項判例なし
  • 商標権者は専用使用権を設定できる
  • 国等の公益出願・地域団体商標には設定できない
  • 専用使用権の移転は商標権者の承諾か相続等に限る
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第31条通常使用権通常使用権は許諾により使用できる権利6項判例なし
  • 商標権者は他人に通常使用権を許諾できる
  • 移転は商標権者(専用使用権付きなら専用使用権者も)の承諾等が必要
  • 登録すれば後から権利を取得した者にも対抗できる
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第31_2条団体構成員等の権利団体構成員は定めに従い使用できる4項判例なし
  • 団体商標・地域団体商標の構成員は定めにより使用する権利を持つ
  • この権利は移転できない
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第32条先使用による商標の使用をする権利出願前からの周知使用なら継続使用可2項判例なし
  • 出願前から不正競争の目的なく使用し出願時に周知なら使用継続可
  • 商標権者等は混同防止の表示を付すよう請求できる
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第20条商標法

商標権存続期間更新登録出願につき出願者の依頼した弁理士の過失と商標法第二〇条第三項の適用

裁判要旨商標権の存続期間の更新登録の出願について、出願者の依頼した弁理士の過失により、その出願期間内に出願できなかつたときは、これを、商標法第二〇条第三項〈存続期間の更新登録の申請〉にいう出願者がその責に帰することができない理由によつたものと解することはできない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和42年1月26日 昭和39(行ツ)53
登載
集民 第86号161頁
参照法条
商標法20条
論点2第23条商標法

商標登録無効審判手続において除斥期間経過後新たな無効理由を追加主張することの許否

裁判要旨商標登録無効審判手続において、除斥期間経過後は新たな無効理由を追加主張することは許されない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和58年2月17日 昭和57(行ツ)99
登載
集民 第138号111頁
参照法条
旧商標法(大正10年法律第99号)2条1項,旧商標法(大正10年法律第99号)16条1項,旧商標法(大正10年法律第99号)23条,商標法4条1項,商標法46条1項,商標法47条
論点3第25条商標法

一 不正競争防止法一条一項一号にいう商品の混同と同項柱書にいう「営業上ノ利益ヲ害セラルル虞アル者」
二 商標権者による登録商標に類似する標章の使用と不正競争防止法六条

裁判要旨一 不正競争防止法一条一項一号にいう他人の商品との混同の事実が認められる場合には、特段の事情がない限り、右他人は営業上の利益を害されるおそれがある者にあたるというべきである。
二 商標権者が登録商標に類似する標章を使用する行為は、不正競争防止法六条にいう「商標法ニ依リ権利ノ行使ト認メラルル行為」に該当しない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和56年10月13日 昭和54(オ)145
登載
民集 第35巻7号1129頁
参照法条
不正競争防止法1条1項1号,不正競争防止法6条,商標法25条,商標法36条,商標法37条
論点4第25条商標法

商標権者は原登録商標の指定商品に類似する商品について連合商標の商標登録を受けうる既得権を有するか

裁判要旨商標権者は、原登録商標の指定商品に類似する商品について、連合商標の商標登録を受けうる既得権を有するものではない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和42年5月2日 昭和38(オ)469
登載
民集 第21巻4号834頁
参照法条
商標法7条1項,商標法25条,商標法36条
論点5第25条商標法

商標権侵害の主張が権利の濫用に当たるとされた事例

裁判要旨漫画の主人公の観念、称呼を生じさせる登録商標の商標登録出願当時、既にその主人公の名称が漫画から想起される人物像と不可分一体のものとして世人に親しまれていた場合において、右主人公の名称の文字のみから成る標章が右漫画の著作権者の許諾に基づいて商品に付されているなど判示の事情の下においては、右登録商標の商標権者が右標章につき登録商標の商標権の侵害を主張することは、権利の濫用として許されない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成2年7月20日 昭和60(オ)1576
登載
民集 第44巻5号876頁
参照法条
商標法25条,商標法37条,民法1条3項
論点6第25条商標法

1 商標法4条1項10号〈商標登録を受けることができない商標 他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であつて、その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの〉該当を理由とする無効審判が請求されないまま商標権の設定登録の日から5年を経過した後に,商標権侵害訴訟の相手方が,同号該当による無効理由の存在をもって,同法39条〈特許法の準用〉において準用する特許法104条の3第1項の規定に係る抗弁を主張することの許否
2 商標法4条1項10号該当を理由とする無効審判が請求されないまま商標権の設定登録の日から5年を経過した後に,商標権侵害訴訟の相手方が,その登録商標が自己の業務に係る商品等を表示するものとして周知である商標との関係で同号に該当することを理由として,権利濫用の抗弁を主張することの許否

裁判要旨1 商標法4条1項10号〈商標登録を受けることができない商標 他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であつて、その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの〉該当を理由とする商標登録の無効審判が請求されないまま商標権の設定登録の日から5年を経過した後においては,当該商標登録が不正競争の目的で受けたものである場合を除き,商標権侵害訴訟の相手方は,その登録商標が同号に該当することによる商標登録の無効理由の存在をもって,同法39条〈特許法の準用〉において準用する特許法104条の3第1項の規定に係る抗弁を主張することが許されない。
2 商標法4条1項10号該当を理由とする商標登録の無効審判が請求されないまま商標権の設定登録の日から5年を経過した後であっても,当該商標登録が不正競争の目的で受けたものであるか否かにかかわらず,商標権侵害訴訟の相手方は,その登録商標が自己の業務に係る商品又は役務を表示するものとして当該商標登録の出願時において需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であるために同号に該当することを理由として,自己に対する商標権の行使が権利の濫用に当たることを抗弁として主張することが許される。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成29年2月28日 平成27(受)1876
登載
民集 第71巻2号221頁
参照法条
(1,2につき) 商標法4条1項10号,商標法47条1項 (1につき) 商標法39条,特許法104条の3第1項 (2につき) 民法1条3項,商標法25条
論点7第25条商標法

1 いわゆる並行輸入が商標権侵害としての違法性を欠く場合
2 外国における商標権者から商標の使用許諾を受けた者により我が国における登録商標と同一の商標を付された商品を輸入することが商標権侵害としての違法性を欠く場合に当たらないとされた事例

裁判要旨1 商標権者以外の者が,我が国における商標権の指定商品と同一の商品につき,その登録商標と同一の商標を付されたものを輸入する行為は,(1) 当該商標が外国における商標権者又は当該商標権者から使用許諾を受けた者により適法に付されたものであり,(2) 当該外国における商標権者と我が国の商標権者とが同一人であるか又は法律的若しくは経済的に同一人と同視し得るような関係があることにより,当該商標が我が国の登録商標と同一の出所を表示するものであって,(3) 我が国の商標権者が直接的に又は間接的に当該商品の品質管理を行い得る立場にあることから,当該商品と我が国の商標権者が登録商標を付した商品とが当該登録商標の保証する品質において実質的に差異がないと評価される場合には,いわゆる真正商品の並行輸入として,商標権侵害としての実質的違法性を欠く。
2 外国における商標権者から商標の使用許諾を受けた者により我が国における登録商標と同一の商標を付された商品を輸入することは,被許諾者が,製造等を許諾する国を制限し商標権者の同意のない下請製造を制限する旨の使用許諾契約に定められた条項に違反して,商標権者の同意なく,許諾されていない国にある工場に下請製造させ商標を付したなど判示の事情の下においては,いわゆる真正商品の並行輸入として商標権侵害としての違法性を欠く場合に当たらない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成15年2月27日 平成14(受)1100
登載
民集 第57巻2号125頁
参照法条
商標法1条,商標法25条,商標法第4章第2節 権利侵害
論点8第26条商標法

いわゆる「雷おこし」に関する商標中の「雷おこし」の文字及びこの文字に添えて描かれる雷神等の図形につき、なんら商品の出所を表示するに足る特別顕著性がないとされた事例

裁判要旨省略
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和50年4月8日 昭和45(行ツ)95
登載
集民 第114号409頁
参照法条
旧商標法(大正沁年法律第99号)1条2項,旧商標法(大正沁年法律第99号)2条6号,旧商標法(大正沁年法律第99号)8条,商標法3条,商標法26条1項
論点9第26条商標法

一 フランチャイズチェーンの名称と商標法二六条一項一号にいう自己の名称
二 「小僧」なる登録商標と「小僧寿し」、「KOZO ZUSHI」等の文字標章が類似しないとされた事例
三 「小僧」なる登録商標と「(図形標章は末尾添付)」等の図形標章が類似しないとされた事例
四 商標法三八条二項〈損害の額の推定等〉に基づく損害賠償請求に対する損害不発生の抗弁の可否

裁判要旨一 フランチャイズ契約により結合し全体として組織化された企業グループ(フランチャイズチェーン)の名称は、商標法二六条一項一号〈商標権の効力が及ばない範囲 自己の肖像又は自己の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を普通に用いられる方法で表示する商標〉にいう自己の名称に当たる。
二 「小僧寿し」が著名なフランチャイズチェーンの略称として需要者の間で広く認識されている場合において、右フランチャイズチェーンにより使用されている「小僧寿し」、「KOZO ZUSHI」等の文字標章は、標章全体としてのみ称呼、観念を生じ、「小僧」又は「KOZO」の部分から出所の識別表示としての称呼、観念を生じないものであって、「小僧」なる登録商標と類似しない。
三 著名なフランチャイズチェーンによりその名称又は略称である「小僧寿しチェーン」又は「小僧寿し」と共に継続して使用されている「(図形標章は末尾添付)」等の図形標章は、「コゾウズシ」又は「コゾウスシ」の称呼を生ずる余地があるとしても、「小僧」なる登録商標との間で商品の出所混同を生ずるおそれがなく、右登録商標と類似しない。
四 商標権者からの商標法三八条二項に基づく損害賠償請求に対して、侵害者は、損害の発生があり得ないことを抗弁として主張立証して、損害賠償の責めを免れることができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成9年3月11日 平成6(オ)1102
登載
民集 第51巻3号1055頁
参照法条
商標法26条1項1号,商標法(平成3年法律第65号による改正前のもの)37条,商標法38条2項
論点10第27条商標法

一 指定商品を「コニヤツク」として登録されている商標を和製の「ブランデー」に使用する行為の擬律
二 商標法第七八条〈侵害の罪〉違反罪の罪数

裁判要旨一 商標が「コニヤツク」を指定商品として登録されている場合に、これを和製の「ブランデー」に使用する行為は、指定商品に類似する商品についての登録商標の使用として商標法第三七条第一号により商標権の侵害とみなされるものではなく、指定商品に登録商標を使用したものとして同法第七八条の商標権を侵害する行為にあたる
二 商標法第七八条〈侵害の罪〉の商標権を侵害する犯行は、それが継続して行なわれたときは、登録商標一個ごとに包括一罪となり、また、その行為が、別個の登録商標を表示するラベルが二個貼付されている空瓶にその内容を詰めかえる方法により行なわれたときは、観念的競合の関係に立つと解すべきである
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和41年6月10日 昭和40(あ)762
登載
刑集 第20巻5号429頁
参照法条
商標法4条1項11号,商標法6条,商標法27条2項,商標法37条1号,商標法78条,商標法2条3項,商標法78条,刑法54条1項前段
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

商標法 第18条(商標権の設定の登録) 詳細ページ
(商標権の設定の登録)
第十八条商標権は、設定の登録により発生する。
2第四十条第一項の規定による登録料又は第四十一条の二第一項の規定により商標登録をすべき旨の査定若しくは審決の謄本の送達があつた日から三十日以内に納付すべき登録料の納付があつたときは、商標権の設定の登録をする。
3前項の登録があつたときは、次に掲げる事項を商標公報に掲載しなければならない。
一商標権者の氏名又は名称及び住所又は居所
二商標登録出願の番号及び年月日
三願書に記載した商標
四指定商品又は指定役務
五登録番号及び設定の登録の年月日
六前各号に掲げるもののほか、必要な事項
4特許庁長官は、前項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した商標公報(以下「商標掲載公報」という。)の発行の日から二月間、特許庁において出願書類及びその附属物件を公衆の縦覧に供しなければならない。ただし、個人の名誉又は生活の平穏を害するおそれがある書類又は物件及び公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある書類又は物件であつて、特許庁長官が秘密を保持する必要があると認めるものについては、この限りでない。
5特許庁長官は、個人の名誉又は生活の平穏を害するおそれがある書類又は物件であつて、前項ただし書の規定により特許庁長官が秘密を保持する必要があると認めるもの以外のものを縦覧に供しようとするときは、当該書類又は物件を提出した者に対し、その旨及びその理由を通知しなければならない。
商標法 第19条(存続期間) 詳細ページ
(存続期間)
第十九条商標権の存続期間は、設定の登録の日から十年をもつて終了する。
2商標権の存続期間は、商標権者の更新登録の申請により更新することができる。
3商標権の存続期間を更新した旨の登録があつたときは、存続期間は、その満了の時に更新されるものとする。
商標法 第20条(存続期間の更新登録の申請) 詳細ページ
(存続期間の更新登録の申請)
第二十条商標権の存続期間の更新登録の申請をする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を特許庁長官に提出しなければならない。
一申請人の氏名又は名称及び住所又は居所
二商標登録の登録番号
三前二号に掲げるもののほか、経済産業省令で定める事項
2更新登録の申請は、商標権の存続期間の満了前六月から満了の日までの間にしなければならない。
3商標権者は、前項に規定する期間内に更新登録の申請をすることができないときは、その期間が経過した後であつても、経済産業省令で定める期間内にその申請をすることができる。
4商標権者が前項の規定により更新登録の申請をすることができる期間内に、その申請をしないときは、その商標権は、存続期間の満了の時にさかのぼつて消滅したものとみなす。
商標法 第21条(商標権の回復) 詳細ページ
(商標権の回復)
第二十一条前条第四項の規定により消滅したものとみなされた商標権の原商標権者は、経済産業省令で定める期間内に限り、経済産業省令で定めるところにより、その申請をすることができる。ただし、故意に、同条第三項の規定により更新登録の申請をすることができる期間内にその申請をしなかつたと認められる場合は、この限りでない。
2前項の規定による更新登録の申請があつたときは、存続期間は、その満了の時にさかのぼつて更新されたものとみなす。
商標法 第22条(回復した商標権の効力の制限) 詳細ページ
(回復した商標権の効力の制限)
第二十二条前条第二項の規定により回復した商標権の効力は、第二十条第三項に規定する更新登録の申請をすることができる期間の経過後前条第一項の申請により商標権の存続期間を更新した旨の登録がされる前における次に掲げる行為には、及ばない。
一当該指定商品又は指定役務についての当該登録商標の使用
二第三十七条各号に掲げる行為
商標法 第23条(存続期間の更新の登録) 詳細ページ
(存続期間の更新の登録)
第二十三条第四十条第二項の規定による登録料又は第四十一条の二第七項の規定により更新登録の申請と同時に納付すべき登録料の納付があつたときは、商標権の存続期間を更新した旨の登録をする。
2第二十条第三項又は第二十一条第一項の規定により更新登録の申請をする場合は、前項の規定にかかわらず、第四十条第二項の規定による登録料及び第四十三条第一項の規定による割増登録料又は第四十一条の二第七項の規定により更新登録の申請と同時に納付すべき登録料及び第四十三条第二項の規定による割増登録料の納付があつたときに、商標権の存続期間を更新した旨の登録をする。
3前二項の登録があつたときは、次に掲げる事項を商標公報に掲載しなければならない。
一商標権者の氏名又は名称及び住所又は居所
二登録番号及び更新登録の年月日
三前二号に掲げるもののほか、必要な事項
商標法 第24条(商標権の分割) 詳細ページ
(商標権の分割)
第二十四条商標権の分割は、その指定商品又は指定役務が二以上あるときは、指定商品又は指定役務ごとにすることができる。
2前項の分割は、商標権の消滅後においても、第四十六条第三項の審判の請求があつたときは、その事件が審判、再審又は訴訟に係属している場合に限り、することができる。
商標法 第24_2条(商標権の移転) 詳細ページ
(商標権の移転)
第二十四条の二商標権の移転は、その指定商品又は指定役務が二以上あるときは、指定商品又は指定役務ごとに分割してすることができる。
2国若しくは地方公共団体若しくはこれらの機関又は公益に関する団体であつて営利を目的としないものの商標登録出願であつて、第四条第二項に規定するものに係る商標権は、譲渡することができない。
3公益に関する事業であつて営利を目的としないものを行つている者の商標登録出願であつて、第四条第二項に規定するものに係る商標権は、その事業とともにする場合を除き、移転することができない。
4地域団体商標に係る商標権は、譲渡することができない。
商標法 第24_3条(団体商標に係る商標権の移転) 詳細ページ
(団体商標に係る商標権の移転)
第二十四条の三団体商標に係る商標権が移転されたときは、次項に規定する場合を除き、その商標権は、通常の商標権に変更されたものとみなす。
2団体商標に係る商標権を団体商標に係る商標権として移転しようとするときは、その旨を記載した書面及び第七条第三項に規定する書面を移転の登録の申請と同時に特許庁長官に提出しなければならない。
商標法 第24_4条(商標権の移転等に係る混同防止表示請求) 詳細ページ
(商標権の移転等に係る混同防止表示請求)
第二十四条の四次に掲げる事由により、同一の商品若しくは役務について使用をする類似の登録商標又は類似の商品若しくは役務について使用をする同一若しくは類似の登録商標に係る商標権が異なつた商標権者に属することとなつた場合において、その一の登録商標に係る商標権者、専用使用権者又は通常使用権者の指定商品又は指定役務についての登録商標の使用により他の登録商標に係る商標権者又は専用使用権者の業務上の利益(当該他の登録商標の使用をしている指定商品又は指定役務に係るものに限る。)が害されるおそれのあるときは、当該他の登録商標に係る商標権者又は専用使用権者は、当該一の登録商標に係る商標権者、専用使用権者又は通常使用権者に対し、当該使用について、その者の業務に係る商品又は役務と自己の業務に係る商品又は役務との混同を防ぐのに適当な表示を付すべきことを請求することができる。
一第四条第四項の規定により商標登録がされたこと。
二第八条第一項ただし書、第二項ただし書又は第五項ただし書の規定により商標登録がされたこと。
三商標登録をすべき旨の査定又は審決の謄本の送達があつた日以後に商標登録出願により生じた権利が承継されたこと。
四商標権が移転されたこと。
商標法 第25条(商標権の効力) 詳細ページ
(商標権の効力)
第二十五条商標権者は、指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を専有する。ただし、その商標権について専用使用権を設定したときは、専用使用権者がその登録商標の使用をする権利を専有する範囲については、この限りでない。
商標法 第26条(商標権の効力が及ばない範囲) 詳細ページ
(商標権の効力が及ばない範囲)
第二十六条商標権の効力は、次に掲げる商標(他の商標の一部となつているものを含む。)には、及ばない。
一自己の肖像又は自己の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を普通に用いられる方法で表示する商標
二当該指定商品若しくはこれに類似する商品の普通名称、産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状、生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格又は当該指定商品に類似する役務の普通名称、提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、態様、提供の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格を普通に用いられる方法で表示する商標
三当該指定役務若しくはこれに類似する役務の普通名称、提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、態様、提供の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格又は当該指定役務に類似する商品の普通名称、産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状、生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格を普通に用いられる方法で表示する商標
四当該指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について慣用されている商標
五商品等が当然に備える特徴のうち政令で定めるもののみからなる商標
六前各号に掲げるもののほか、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができる態様により使用されていない商標
2前項第一号の規定は、商標権の設定の登録があつた後、不正競争の目的で、自己の肖像又は自己の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を用いた場合は、適用しない。
3商標権の効力は、次に掲げる行為には、及ばない。ただし、その行為が不正競争の目的でされない場合に限る。
一特定農林水産物等の名称の保護に関する法律(平成二十六年法律第八十四号。以下この項において「特定農林水産物等名称保護法」という。)第三条第一項(特定農林水産物等名称保護法第三十条において読み替えて適用する場合を含む。次号及び第三号において同じ。)の規定により特定農林水産物等名称保護法第六条の登録に係る特定農林水産物等名称保護法第二条第二項に規定する特定農林水産物等(当該登録に係る特定農林水産物等を主な原料又は材料として製造され、又は加工された同条第一項に規定する農林水産物等を含む。次号及び第三号において「登録に係る特定農林水産物等」という。)又はその包装に同条第三項に規定する地理的表示(次号及び第三号において「地理的表示」という。)を付する行為
二特定農林水産物等名称保護法第三条第一項の規定により登録に係る特定農林水産物等又はその包装に地理的表示を付したものを譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、又は輸入する行為
三特定農林水産物等名称保護法第三条第一項の規定により登録に係る特定農林水産物等に関する広告、価格表若しくは取引書類に地理的表示を付して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に地理的表示を付して電磁的方法により提供する行為
商標法 第27条(登録商標等の範囲) 詳細ページ
(登録商標等の範囲)
第二十七条登録商標の範囲は、願書に記載した商標に基づいて定めなければならない。
2指定商品又は指定役務の範囲は、願書の記載に基づいて定めなければならない。
3第一項の場合においては、第五条第四項の記載及び物件を考慮して、願書に記載した商標の記載の意義を解釈するものとする。
商標法 第28条 詳細ページ
第二十八条商標権の効力については、特許庁に対し、判定を求めることができる。
2特許庁長官は、前項の規定による求があつたときは、三名の審判官を指定して、その判定をさせなければならない。
3特許法第七十一条第三項及び第四項の規定は、第一項の判定に準用する。
商標法 第28_2条 詳細ページ
第二十八条の二特許庁長官は、裁判所から商標権の効力について鑑定の嘱託があつたときは、三名の審判官を指定して、その鑑定をさせなければならない。
2特許法第七十一条の二第二項の規定は、前項の鑑定の嘱託に準用する。
商標法 第29条(他人の特許権等との関係) 詳細ページ
(他人の特許権等との関係)
第二十九条商標権者、専用使用権者又は通常使用権者は、指定商品又は指定役務についての登録商標の使用がその使用の態様によりその商標登録出願の日前の出願に係る他人の特許権、実用新案権若しくは意匠権又はその商標登録出願の日前に生じた他人の著作権若しくは著作隣接権と抵触するときは、指定商品又は指定役務のうち抵触する部分についてその態様により登録商標の使用をすることができない。
商標法 第30条(専用使用権) 詳細ページ
(専用使用権)
第三十条商標権者は、その商標権について専用使用権を設定することができる。ただし、第四条第二項に規定する商標登録出願に係る商標権及び地域団体商標に係る商標権については、この限りでない。
2専用使用権者は、設定行為で定めた範囲内において、指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を専有する。
3専用使用権は、商標権者の承諾を得た場合及び相続その他の一般承継の場合に限り、移転することができる。
4特許法第七十七条第四項及び第五項(質権の設定等)、第九十七条第二項(放棄)並びに第九十八条第一項第二号及び第二項(登録の効果)の規定は、専用使用権に準用する。
商標法 第31条(通常使用権) 詳細ページ
(通常使用権)
第三十一条商標権者は、その商標権について他人に通常使用権を許諾することができる。
2通常使用権者は、設定行為で定めた範囲内において、指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を有する。
3通常使用権は、商標権者(専用使用権についての通常使用権にあつては、商標権者及び専用使用権者)の承諾を得た場合及び相続その他の一般承継の場合に限り、移転することができる。
4通常使用権は、その登録をしたときは、その商標権若しくは専用使用権又はその商標権についての専用使用権をその後に取得した者に対しても、その効力を生ずる。
5通常使用権の移転、変更、消滅又は処分の制限は、登録しなければ、第三者に対抗することができない。
6特許法第七十三条第一項(共有)、第九十四条第二項(質権の設定)及び第九十七条第三項(放棄)の規定は、通常使用権に準用する。
商標法 第31_2条(団体構成員等の権利) 詳細ページ
(団体構成員等の権利)
第三十一条の二団体商標に係る商標権を有する第七条第一項に規定する法人の構成員(以下「団体構成員」という。)又は地域団体商標に係る商標権を有する組合等の構成員(以下「地域団体構成員」という。)は、当該法人又は当該組合等の定めるところにより、指定商品又は指定役務について団体商標又は地域団体商標に係る登録商標の使用をする権利を有する。ただし、その商標権(団体商標に係る商標権に限る。)について専用使用権が設定されたときは、専用使用権者がその登録商標の使用をする権利を専有する範囲については、この限りでない。
2前項本文の権利は、移転することができない。
3団体構成員又は地域団体構成員は、第二十四条の四、第二十九条、第五十条、第五十二条の二、第五十三条及び第七十三条の規定の適用については、通常使用権者とみなす。
4団体商標又は地域団体商標に係る登録商標についての第三十三条第一項第三号の規定の適用については、同号中「又はその商標権若しくは専用使用権についての第三十一条第四項の効力を有する通常使用権を有する者」とあるのは、「若しくはその商標権若しくは専用使用権についての第三十一条第四項の効力を有する通常使用権を有する者又はその商標の使用をする権利を有する団体構成員若しくは地域団体構成員」とする。
商標法 第32条(先使用による商標の使用をする権利) 詳細ページ
(先使用による商標の使用をする権利)
第三十二条他人の商標登録出願前から日本国内において不正競争の目的でなくその商標登録出願に係る指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務についてその商標又はこれに類似する商標の使用をしていた結果、その商標登録出願の際(第九条の四の規定により、又は第十七条の二第一項若しくは第五十五条の二第三項(第六十条の二第二項において準用する場合を含む。)において準用する意匠法第十七条の三第一項の規定により、その商標登録出願が手続補正書を提出した時にしたものとみなされたときは、もとの商標登録出願の際又は手続補正書を提出した際)現にその商標が自己の業務に係る商品又は役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているときは、その者は、継続してその商品又は役務についてその商標の使用をする場合は、その商品又は役務についてその商標の使用をする権利を有する。当該業務を承継した者についても、同様とする。
2当該商標権者又は専用使用権者は、前項の規定により商標の使用をする権利を有する者に対し、その者の業務に係る商品又は役務と自己の業務に係る商品又は役務との混同を防ぐのに適当な表示を付すべきことを請求することができる。
出

一次情報

原文ママ

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