国税と被担保債権との調整の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。
このページは、質権・抵当権・先取特権・留置権・企業価値担保権など、納税者の財産に設定された担保権付き債権と国税との優先関係を定めた国税徴収法第15条から第22条までを整理したものです。担保権がいつ設定されたか(国税の法定納期限等より前か後か)によって、国税が優先するか担保権者が優先するかが決まる仕組みと、優先が認められる場合の金額の限度、優先を主張するために必要な証明手続きをまとめています。
| 担保権等の種類 | 優先する条件 | 国税に優先する限度 | 証明の要否 |
|---|---|---|---|
| 質権(登記可能) | 法定納期限等以前に設定 | 通知時点の債権額 | 不要 |
| 質権(登記不可) | 法定納期限等以前に設定 | 通知時点の債権額 | 必要(公正証書等) |
| 抵当権 | 法定納期限等以前に設定 | 通知時点の債権額 | 不要 |
| 担保付財産の譲受 | 譲受前に設定された質権・抵当権 | 通知時点の債権額 | 登記不可の質権のみ必要 |
| 企業価値担保権 | 法定納期限等以前に設定 | 通知時点の債権額 | 不要 |
| 不動産保存等の先取特権 | 常に優先(無条件) | 規定なし | 不要(一部除き) |
| 不動産賃貸等の先取特権 | 法定納期限等以前からある | 規定なし | 必要な場合あり |
| 留置権 | 換価時に存在すれば優先 | 規定なし | 必要(行政機関等へ証明) |
| 担保権付財産の譲渡後の徴収 | 国税に不足する場合のみ適用 | 配当予定額から按分計算 | 質権者・抵当権者へ通知 |
国税と被担保債権との調整について、条文は何を定めているか。
論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。
所有者が土地及び地上建物に共同抵当権を設定した後に建て替えた新建物に土地の抵当権と同順位の共同抵当権を設定した場合に右抵当権の被担保債権に優先する国税について執行裁判所に対し交付要求がされたときの法定地上権の成否
同一の申立てに係る複数の不動産の競売における先行する配当手続で国税徴収法26条の規定による調整が行われた場合において配当を受けることができなかった国税,地方税等を後行の配当手続で私債権に優先するものとして取り扱うことの可否
一 小麦委託加工および木炭販売を業とする者の玄関口の店舗に接続する帳場の柱に掛けられていた柱時計は、国税徴収法第一七条〈譲受前に設定された質権又は抵当権の優先〉にいう営業に必要な器具にあたるか
二 国税徴収法第一七条に基く代替物件の提供が適法になされたものと認められた事例
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