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総則/検証

検証の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

刑事訴訟法第128条から第142条は、裁判所が事実発見のために行う検証の要件や、身体検査・解剖・発掘・破壊などできる処分の範囲を定めています。あわせて、夜間の住居立入りの制限、身体検査での名誉への配慮、召喚に応じない場合や検査を拒んだ場合の過料・罰則までを整理した規定群です。

検証
項目内容根拠
検証の要件事実発見に必要なとき128条
できる処分身体検査・解剖・発掘・破壊等129条
夜間の立入り住居等は承諾なしで不可130条
身体検査の配慮性別・健康等に配慮し名誉尊重131条
女子の身体検査医師か成年女子の立会い必須131条
身体検査のための召喚被告人以外の者を召喚可132条
召喚に不出頭過料10万円以下+罰金・拘留133条・134条
検査拒否過料10万円以下+罰金・拘留137条・138条
拒否時の強制検査効果なければそのまま検査可139条
検証の補助司法警察職員に補助させ可141条
  • 130条3項:117条に規定する場所は夜間の立入り制限の対象外
  • 133条・137条の過料決定には即時抗告ができる
  • 134条・138条の罰金と拘留は情状により併科できる
  • 140条:過料や強制検査の前に検察官の意見を聴き、異議理由を知る努力が必要
  • 136条:召喚・勾引の手続には他の条文の規定を準用
  • 142条:捜索・押収に関する規定(111条の2~114条・118条・125条)を検証に準用
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検証

検証について、条文は何を定めているか。

第128条検証は事実発見に必要なときにできる1項判例 2件
  • 事実発見のため必要があれば裁判所は検証できる
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第129条検証でできる処分の範囲を定める1項判例 1件
  • 身体検査・死体解剖・墳墓発掘・物の破壊など必要な処分ができる
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第130条夜間の住居立入りには承諾が必要3項判例なし
  • 日出前・日没後は住居主等の承諾がなければ立ち入れない
  • 日出後に検証目的を達せない恐れがあれば承諾不要
  • 日没前に着手した検証は日没後も継続できる
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第131条身体検査は名誉に配慮して行う2項判例なし
  • 性別・健康状態など事情を考慮し方法に注意する
  • 女子の身体検査には医師か成年女子を立ち会わせる
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第132条身体検査のため被告人以外を召喚できる1項判例なし
  • 被告人以外の者を裁判所か指定場所に呼び出せる
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第133条召喚に応じないと過料と費用賠償を科せる2項判例なし
  • 正当な理由なく不出頭なら決定で10万円以下の過料
  • 出頭しないために生じた費用の賠償も命じられる
  • この決定には即時抗告ができる
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第134条召喚に応じない者には罰則もある2項判例 2件
  • 正当な理由なく不出頭なら10万円以下の罰金又は拘留
  • 情状により罰金と拘留を併科できる
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第135条召喚に応じなければ再召喚か勾引できる1項判例 1件
  • 応じない者を改めて召喚するか勾引できる
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第136条召喚・勾引の手続は他条文を準用する1項判例なし
  • 召喚は62・63・65条〈召喚状は、これを送達する。〉、勾引は62・64・66・67・70・71・73条1項〈勾引状を執行するには、これを被告人に示した上、できる限り速やかに且つ直接、指定された裁判所その他の場所に引致しなければな…〉を準用
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第137条身体検査を拒むと過料と費用賠償を科せる2項判例なし
  • 正当な理由なく拒否したら決定で10万円以下の過料
  • 拒絶で生じた費用の賠償も命じられる
  • この決定には即時抗告ができる
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第138条検査拒否には罰則もある2項判例なし
  • 正当な理由なく拒めば10万円以下の罰金又は拘留
  • 情状により罰金と拘留を併科できる
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第139条効果がなければ強制的に検査できる1項判例 1件
  • 過料や刑罰を科しても効果がないと認めれば検査を実施できる
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第140条過料や強制検査の前に検察官の意見を聴く1項判例 1件
  • 過料を科す前や強制検査の前に検察官の意見を聴く
  • 検査を受ける者が異議を述べる理由を知る努力もする
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第141条検証には司法警察職員を補助に使える1項判例なし
  • 必要があれば司法警察職員に検証を補助させられる
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第142条捜索・押収に関する規定を検証に準用する1項判例 1件
  • 111条の2〈差し押さえるべき物が電磁的記録に係る記録媒体であるときは、差押状又は捜索状の執行をする者は、処分を受ける者に対し、電子計…〉から114条〈公務所内で差押状又は捜索状の執行をするときは、その長又はこれに代わるべき者に通知してその処分に立ち会わせなければならない…〉、118条〈差押状又は捜索状の執行を中止する場合において必要があるときは、執行が終わるまでその場所を閉鎖し、又は看守者を置くことがで…〉、125条〈押収(電磁的記録提供命令(第百二条の二第一項第一号イに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)を含む。第四項において同…〉を検証に準用する
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第128条刑事訴訟法

一 被告人の容貌体格を証拠とすることができるか
二 公判廷における右証拠の取調方法

裁判要旨一 被告人の容貌体格は、被告人と犯人の同一性を証明するための証拠とすることできる。
二 公判廷で被告人の容貌体格を取り調べるのは検証の性質を有するが、特段の方法を用いる必要がなくかつ被告人に証拠の証明力を争う機会が与えられていたような場合には、特段の証拠調手続を履践する必要がない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和28年7月8日 昭和26(あ)2776
登載
刑集 第7巻7号1462頁
参照法条
刑訴法306条,刑訴法128条,刑訴法308条,刑訴規則44条1項23号
論点2第128条刑事訴訟法

平成一一年法律第一三八号による刑訴法二二二条の二の追加前において検証許可状により電話傍受を行うことの適否

裁判要旨平成一一年法律第一三八号による刑訴法二二二条の二の追加前において、捜査機関が電話の通話内容を通話当事者の同意を得ずに傍受することは、重大な犯罪に係る被疑事件について、罪を犯したと疑うに足りる十分な理由があり、かつ、当該電話により被疑事実に関連する通話の行われる蓋然性があるとともに、他の方法によってはその罪に関する重要かつ必要な証拠を得ることが著しく困難であるなどの事情が存し、犯罪の捜査上真にやむを得ないと認められる場合に、対象の特定に資する適切な記載がある検証許可状によって実施することが許されていた。
(反対意見がある。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成11年12月16日 平成9(あ)636
登載
刑集 第53巻9号1327頁
参照法条
憲法13条,憲法21条2項,憲法31条,憲法35条,刑訴法128条,刑訴法129条,刑訴法197条1項,刑訴法218条1項,刑訴法218条3項,刑訴法218条5項,刑訴法219条1項,刑訴法222条1項,刑訴法222条の2
論点3第134条刑事訴訟法

被告事件の解示に対する被告人の陳述部分が空欄であることと旧刑訴法第一三四条の手続の履践

裁判要旨原判決が所論一審第一回公判調書中被告人の供述として判示同旨の記載を採証したこと及び右公判調書中に所論空欄部分があることは所論のとおりである。しかし所論被告事件解示に対する被告人の陳述部分が空欄であることは、被告事件の解示に対し被告人が何等記載すべき陳述をしなかつたものと解し得られるのであつて、所定手続の記載として違法はない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和26年7月13日 昭和26(れ)843
登載
集刑 第49号1123頁
参照法条
旧刑訴法64条,旧刑訴法134条,旧刑訴法345条
論点4第134条刑事訴訟法

新刑訴法と裁判官による公訴事実開示手続の要否

裁判要旨新刑訴法の下においては検察官が起訴状を朗読するのみで旧刑訴法第一三四条が規定していたような裁判官による公訴事実開示の手続をする必要はなくなつたのである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和25年12月5日 昭和25(あ)2092
登載
刑集 第4巻12号2486頁
参照法条
刑訴法291条,旧刑訴法134条
論点5第135条刑事訴訟法

被告人の防禦権の行使と名誉毀損罪の成立

裁判要旨誣告被告事件の公判廷において、被告人が弁解として故意に虚偽の事実を陳述して、公然誣告の相手方の名誉を毀損することは、被告人としての防禦権を濫用するものであつて、その行為につき名誉毀損罪が成立する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和27年3月7日 昭和26(れ)1931
登載
刑集 第6巻3号441頁
参照法条
旧刑訴法135条,旧刑訴法338条,刑法230条,刑法35条
論点6第139条刑事訴訟法

一 旧刑訴法第一三九条但書の司法警察吏の立会と該立会人の署名捺印なき調書の効力
二 刑訴応急措置法に基く逮捕状により逮捕された被疑者に対する司法警察官の訊問調書の証拠能力

裁判要旨一 旧刑訴法第一三九条但書は司法警察官訊問を為す場合においては司法警察吏をして立会わしむべしと規定しているのであるが、立会人が調書に署名捺印すべき規定はないのであるから立会人の署名捺印がないからといつてその調書は同条の規定に違反して無効であると解することはできない。
二 刑訴応急措置法に基く逮捕状の執行による被疑者逮捕の場合には同法第八条第四号の規定により同条第三号掲記の旧刑訴第一二七条〈第百十一条、第百十二条、第百十四条及び第百十八条の規定は、前条の規定により検察事務官又は司法警察職員がする捜索についてこ…〉及び第一二九条〈検証については、身体の検査、死体の解剖、墳墓の発掘、物の破壊その他必要な処分をすることができる。〉所定の手続を準用し逮捕された被疑者を受け取つた司法警察官はその被疑者を訊問することができることは当裁判所の判例(昭和二四年(れ)第七七六号同二六年三月二八日大法廷判決)とするところであるから所論訊問調書は適法で証拠能力を有する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和26年7月6日 昭和24(れ)2600
登載
集刑 第49号327頁
参照法条
旧刑訴法56条,旧刑訴法58条,旧刑訴法71条,旧刑訴法139条但書,刑訴応急措置法8条
論点7第140条刑事訴訟法

記録取寄決定を施行する方法

裁判要旨原審の本件公判調書によれば、原審が取り寄せた記録を法廷に顕出したことの記載のないことは所論のとおりであるが、一方本件原審公判の弁論において、吉田弁護人は、右取寄記録に記載された犯罪と本件犯行との関係について論及しており(八六一丁表)、また本件記録に取寄記録が添付されていることを綜合すると、原審は所論記録取寄の証拠決定の施行として右取寄記録を法廷に顕出したことがうかがわれる。そして記録の取寄は、その記録を法廷に顕出するをもつて足り、必ずしも証拠調をしなければならないものでないことは大審院の判例とするところである。(大正一四年(れ)第一三七一号、同年一一月一四日第四刑事部判決、大審院刑事判例集第四巻六五七頁参照)。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和26年8月31日 昭和26(れ)1073
登載
集刑 第51号1133頁
参照法条
旧刑訴法140条2項
論点8第142条刑事訴訟法

検察官に対する検証並びに証人尋問の日時、場所の変更通知の方法と通知の事実が記録に記録されていない場合における右通知の有無

裁判要旨所論検証並びに証人尋問の日時、場所の変更を検察官に通知したことの明らかな証拠が、記録に存しないことは所論のとおりである。しかし、証人尋問や検証の日時、場所を検察官に通知するについては如何なる方法によるもの差支えないものであり、その通知の事実を記録に留めることは必ずしも必要ではないのであるから、その通知の明らかな証拠が記録にないとの一事によつて直ちに通知がなかつたものと断定することはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和26年3月6日 昭和25(れ)1594
登載
集刑 第41号213頁
参照法条
刑訴法142条,刑訴法157条2項
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

刑事訴訟法 第128条 詳細ページ
第百二十八条裁判所は、事実発見のため必要があるときは、検証することができる。
刑事訴訟法 第129条 詳細ページ
第百二十九条検証については、身体の検査、死体の解剖、墳墓の発掘、物の破壊その他必要な処分をすることができる。
刑事訴訟法 第130条 詳細ページ
第百三十条日出前、日没後には、住居主若しくは看守者又はこれらの者に代るべき者の承諾がなければ、検証のため、人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内に入ることはできない。但し、日出後では検証の目的を達することができない虞がある場合は、この限りでない。
2日没前検証に着手したときは、日没後でもその処分を継続することができる。
3第百十七条に規定する場所については、第一項に規定する制限によることを要しない。
刑事訴訟法 第131条 詳細ページ
第百三十一条身体の検査については、これを受ける者の性別、健康状態その他の事情を考慮した上、特にその方法に注意し、その者の名誉を害しないように注意しなければならない。
2女子の身体を検査する場合には、医師又は成年の女子をこれに立ち会わせなければならない。
刑事訴訟法 第132条 詳細ページ
第百三十二条裁判所は、身体の検査のため、被告人以外の者を裁判所又は指定の場所に召喚することができる。
刑事訴訟法 第133条 詳細ページ
第百三十三条前条の規定により召喚を受けた者が正当な理由がなく出頭しないときは、決定で、十万円以下の過料に処し、かつ、出頭しないために生じた費用の賠償を命ずることができる。
2前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
刑事訴訟法 第134条 詳細ページ
第百三十四条第百三十二条の規定により召喚を受け正当な理由がなく出頭しない者は、十万円以下の罰金又は拘留に処する。
2前項の罪を犯した者には、情状により、罰金及び拘留を併科することができる。
刑事訴訟法 第135条 詳細ページ
第百三十五条第百三十二条の規定による召喚に応じない者は、更にこれを召喚し、又はこれを勾引することができる。
刑事訴訟法 第136条 詳細ページ
第百三十六条第六十二条、第六十三条及び第六十五条の規定は、第百三十二条及び前条の規定による召喚について、第六十二条、第六十四条、第六十六条、第六十七条、第七十条、第七十一条及び第七十三条第一項の規定は、前条の規定による勾引についてこれを準用する。
刑事訴訟法 第137条 詳細ページ
第百三十七条被告人又は被告人以外の者が正当な理由がなく身体の検査を拒んだときは、決定で、十万円以下の過料に処し、かつ、その拒絶により生じた費用の賠償を命ずることができる。
2前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
刑事訴訟法 第138条 詳細ページ
第百三十八条正当な理由がなく身体の検査を拒んだ者は、十万円以下の罰金又は拘留に処する。
2前項の罪を犯した者には、情状により、罰金及び拘留を併科することができる。
刑事訴訟法 第139条 詳細ページ
第百三十九条裁判所は、身体の検査を拒む者を過料に処し、又はこれに刑を科しても、その効果がないと認めるときは、そのまま、身体の検査を行うことができる。
刑事訴訟法 第140条 詳細ページ
第百四十条裁判所は、第百三十七条の規定により過料を科し、又は前条の規定により身体の検査をするにあたつては、あらかじめ、検察官の意見を聴き、且つ、身体の検査を受ける者の異議の理由を知るため適当な努力をしなければならない。
刑事訴訟法 第141条 詳細ページ
第百四十一条検証をするについて必要があるときは、司法警察職員に補助をさせることができる。
刑事訴訟法 第142条 詳細ページ
第百四十二条第百十一条の二から第百十四条まで、第百十八条及び第百二十五条の規定は、検証についてこれを準用する。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。