民事訴訟法 / テーマ別まとめ

証拠/検証

検証の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

民事訴訟法が定める検証手続について、検証物の提示・送付の方法、映像と音声の送受信による検証の可否、検証時の鑑定の3点を整理しています。書証に関する提出命令等の規定が検証にも準用される点や、第三者が提示命令に従わない場合の過料など、実務上見落としやすい点を含みます。

検証
場面内容条文
検証物の提示・送付文書提出命令等の規定を準用232条1項
提示命令に従わない第三者20万円以下の過料232条2項
過料決定への不服申立て即時抗告ができる232条3項
映像・音声送受信による検証異議なく相当なら可能232条の2
検証時の鑑定必要があれば鑑定を命じられる233条
  • 準用される規定は文書提出命令等に関する219条、223条、224条、226条、227条1項
  • 過料の対象は当事者ではなく第三者が提示命令に従わない場合
  • 映像等送受信による検証の方法は最高裁判所規則で定める
1

検証

検証について、条文は何を定めているか。

第232条検証の目的の提示等検証物の提示・送付は文書提出命令等の規定を準用3項判例 37件
  • 文書提出命令などの規定(219条〈書証の申出〉,223条〈文書提出命令等〉,224条〈当事者が文書提出命令に従わない場合等の効果〉,226条〈文書送付の嘱託〉,227条1項〈文書の留置等〉)を検証にも準用
  • 第三者が正当な理由なく提示命令に従わないと20万円以下の過料
  • 過料の決定に対しては即時抗告ができる
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第232_2条映像等の送受信による方法による検証映像と音声の送受信による検証もできる1項判例なし
  • 当事者に異議がなく、裁判所が相当と認めるときに限り可能
  • 最高裁判所規則で定める方法によって行う
  • 映像と音声の送受信で検証目的の状態を認識する
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第233条検証の際の鑑定検証にあたり必要なら鑑定を命じられる1項判例 3件
  • 裁判所・受命裁判官・受託裁判官が鑑定を命ずることができる
  • 検証をするにあたり必要があると認めるときに限る
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第232条民事訴訟法

一 上告審における被告の破産と破産債権確定訴訟への訴えの変更
二 指名債権が二重に譲渡された場合に対抗要件を後れて具備した譲受人に対してされた弁済と民法四七八条の適用
三 二重に譲渡された指名債権の債務者が対抗要件を後れて具備した譲受人に対してした弁済について過失がないというための要件

裁判要旨一 給付訴訟の上告審係属中に被告が破産宣告を受け破産管財人が訴訟手続を受継した場合には、原告は、上告審において、右給付の訴えを破産債権確定の訴えに変更することができる。
二 指名債権が二重に譲渡された場合に、民法四六七条二項所定の対抗要件を後れて具備した譲受人に対してされた弁済についても、同法四七八条の適用がある。
三 二重に譲渡された指名債権の債務者が民法四六七条二項所定の対抗要件を後れて具備した譲受人を真の債権者であると信じてした弁済について過失がないというためには、対抗要件を先に具備した譲受人の債権譲受又は対抗要件に瑕疵があるためその効力を生じないと誤信してもやむを得ない事情があるなど対抗要件を後れて具備した譲受人を真の債権者であると信ずるにつき相当な理由があることを要する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和61年4月11日 昭和57(オ)272
登載
民集 第40巻3号558頁
参照法条
民訴法232条,破産法244条1項,破産法246条1項,民法467条,民法478条
論点2第232条民事訴訟法

控訴審において係属中の反訴を追加的に変更する場合の要件

裁判要旨控訴審において係属中の反訴を追加的に変更するには、その請求の基礎が同一であり、かつ、これにより著しく訴訟手続を遅滞せしめなければ足り、相手方の同意を要しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和50年6月27日 昭和49(オ)717
登載
集民 第115号119頁
参照法条
民訴法232条,民訴法239条,民訴法382条
論点3第232条民事訴訟法

一、間接占有者たる所有者と執行官保管・債権者使用許可の仮処分の執行に対する第三者異議の訴
二、全部勝訴の原告と控訴審における新請求の追加

裁判要旨一、建物に対する債務者の占有を解いて執行官の保管に付し、現状不変更を条件として債権者に使用を許す旨の仮処分の執行に対し、右建物の所有者は、これを仮処分債務者に賃貸占有させている場合でも、第三者異議の訴を提起することができる。
二、第一審において全部勝訴の判決を得た原告も、控訴審において、附帯控訴の方式により請求を拡張して従来の請求に新たな請求を追加することができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和48年2月15日 昭和44(オ)755
登載
集民 第108号185頁
参照法条
民訴法232条,民訴法372条,民訴法549条
論点4第232条民事訴訟法

第一審において反訴を提起していた当事者が控訴審においてその反訴を変更する場合の要件

裁判要旨第一審において反訴を提起していた当事者が、控訴審においてその反訴を変更する場合には、その請求の基礎が同一であれば足り、相手方の同意を要しない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和45年10月13日 昭和45(オ)362
登載
集民 第101号59頁
参照法条
民訴法232条,民訴法239条,民訴法382条
論点5第232条民事訴訟法

債務者に代位して債務者の権利を主張する訴を提起した債権者が右権利を譲り受けたうえ従前の訴を右権利を自己の権利として主張する訴に変更する手続をとつた場合と従前の訴の提起に基づく右権利の消滅時効中断の効果

裁判要旨債務者に代位して債務者の権利を主張する訴を提起した債権者が、その訴訟の係属中に債務者から右権利を譲り受けたうえ、従前の訴を右権利を自己の権利として主張する訴に変更する手続をとつた場合においても、訴訟物自体には変更がないから、従前の訴の取下の効果は発生せず、その訴の提起に基づく右権利の消滅時効中断の効果も消滅しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和44年2月14日 昭和43(オ)552
登載
集民 第94号311頁
参照法条
民法147条,民法149条,民法423条,民訴法232条,民訴法235条,民訴法237条
論点6第232条民事訴訟法

訴の変更と旧訴に対する判断

裁判要旨第一審において訴の変更による新訴の提起がされた場合において、新訴のみにつき判決がされたときは、旧訴は取り下げられたか、請求の放棄がされたか、またはなお第一審に係属するかのいずれかであり、旧訴につき第二審が判断を加えないのは相当である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和43年4月26日 昭和42(オ)1134
登載
集民 第90号1127頁
参照法条
民訴法232条,民訴法236条,民訴法203条
論点7第232条民事訴訟法

原告勝訴の第一審判決に対する控訴審で予備的請求が追加された場合において予備的請求を認容するときの主文の判示方法

裁判要旨原告勝訴の第一審判決に対する控訴審で予備的請求が追加された場合において、控訴審が予備的請求を認容するときは、予備的請求に対する結論が第一次請求に対する第一審判決の主文の文言と合致する場合であつても、控訴棄却の裁判をすべきではなく、第一審判決を取り消し、第一次請求を棄却したうえ、予備的請求を認容する旨の裁判をすべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和43年3月7日 昭和42(オ)829
登載
民集 第22巻3号529頁
参照法条
民訴法227条,民訴法232条,民訴法384条
論点8第232条民事訴訟法

一、農地の受贈者に農地法第三条第二項の不許可事由のある場合と受贈者より贈与者に対して所有権移転登記手続等を求める訴えの利益の有無
二、時効期間内に農地所有権移転登記手続の請求が提訴され時効期間経過後に知事に対する許可申請手続の請求が追加されたときと許可申請請求権の消滅時効の中断の成否

裁判要旨一、農地の受贈者に農地所有権移転に必要な知事の許可を妨げる事由がある場合であつても、右受贈者から贈与者に対して、知事に対する許可申請手続および右許可を条件とする所有権移転登記手続を求める訴えの利益は失われない。
二、農地の受贈者から贈与者に対し、時効期間内に、農地所有権移転登記手続の請求が提訴された場合において、その後、時効期間経過後に知事に対する許可申請手続の請求が追加されたときは、これにより右許可申請の請求権の消滅時効は中断される。
(原審大阪高裁昭和四〇年(ネ)第八五〇号昭和四〇・一二・二一判決、下級民集一六巻一二号一七八七頁参照。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和43年12月24日 昭和41(オ)441
登載
集民 第93号907頁
参照法条
農地法3条,民法149条,民法153条,民法167条,民訴法225条,民訴法232条,民訴法235条
論点9第232条民事訴訟法

控訴の特別委任を受けた第一審訴訟代理人は本人の死亡後控訴審において請求の拡張をする訴訟代理権を有するか

裁判要旨積極
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和43年11月15日 昭和43(オ)557
登載
集民 第93号315頁
参照法条
民訴法81条,民訴法85条,民訴法232条1項
論点10第232条民事訴訟法

控訴審において請求の一部が減縮された場合における控訴判決の主文

裁判要旨控訴審において請求の一部が減縮された場合に、残余の部分につき第一審判決を変更する理由がないときは、控訴棄却の判決をすれば足りるものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和42年8月1日 昭和42(オ)343
登載
集民 第88号217頁
参照法条
民訴法232条,民訴法384条
論点11第232条民事訴訟法

二審における請求の趣旨の拡張の申立が附帯控訴の申立と認められた事例

裁判要旨二審において、全部勝訴した当事者が、判示の記載のような請求の趣旨の拡張の申立をしたときには、実質的に附帯控訴の申立をしたものと解することができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和42年6月1日 昭和40(オ)1334
登載
集民 第87号926頁
参照法条
民訴法232条,民訴法372条,民訴法374条,民訴法378条
論点12第232条民事訴訟法

訴の交換的変更による新訴に異議なく応訴した場合と旧訴の取下についての同意

裁判要旨訴の交換的変更による新訴に異議なく応訴した被告は、旧訴の取下について暗黙の同意をしたものと解するのが相当である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和41年1月21日 昭和39(オ)1395
登載
民集 第20巻1号94頁
参照法条
民訴法232条,民訴法236条
論点13第232条民事訴訟法

控訴審においていわゆる訴の交換的変更がなされた場合と第一審判決取消の適否

裁判要旨控訴審において訴を変更し、旧訴を取り下げた場合、判決主文において、旧訴を棄却した第一審判決取消の宣言をすることは違法ではない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和40年8月2日 昭和40(オ)234
登載
集民 第80号41頁
参照法条
民訴法232条,民訴法386条
論点14第232条民事訴訟法

一 書面の提出のない訴の変更と責問権の喪失
二 実在しない会社の代表者として契約を締結した者の責任

裁判要旨一 書面の提出によらない訴の変更の申立に対して、被告からなんら異議を述べないまま弁論が終結されたときは、書面の提出によらなかつた瑕疵は、責問権の放棄または喪失によつて治癒されたもの解すべきである。
二 実在しない会社の代表者として第三者との間に契約を締結した者は、右第三者に対し、民法第一一七条の類推適用によつて責に任ずべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和40年7月2日 昭和40(オ)4
登載
集民 第79号671頁
参照法条
民訴法232条,民法117条,商法261条
論点15第232条民事訴訟法

訴の変更があつた場合と従前の訴訟資料との関係

裁判要旨訴の変更があつた場合においては、従前の訴訟資料はそのまま引きつがれると解するのが相当である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和40年12月2日 昭和39(オ)573
登載
集民 第81号257頁
参照法条
民訴法232条
論点16第232条民事訴訟法

訴の変更を許容する裁判の要否

裁判要旨訴の変更を許容すべき場合には、民訴法第二三三条〈検証の際の鑑定〉により訴不許の裁判を要する場合と異なり、特に裁判を要しないと解すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和40年10月19日 昭和40(オ)171
登載
集民 第80号855頁
参照法条
民訴法233条,民訴法232条
論点17第232条民事訴訟法

一 控訴審で請求併合の態様が変更されたため認容の請求に変更を生じた場合と第一審判決取消の要否。
二 損害賠償額の予定の特約を記載して振り出された約束手形における右特約の効力。

裁判要旨一 第一審では甲乙両請求が選択的に併合されたため甲請求のみが認容されたが、控訴審では乙請求を第一次的請求、甲請求を予備的請求とすることに併合の態様が変更されたため乙請求のみを認容する場合には、甲請求を認容した第一審判決は、当然に失効するものと解すべきであるから、これを取り消すことを要しない。
二 損害賠償額の予定の特約を記載して振り出された約束手形においては、右特約は、振出人と受取人との間において、民法上の効力を生ずるものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和39年4月7日 昭和37(オ)1148
登載
民集 第18巻4号520頁
参照法条
民訴法227条,民訴法232条,民訴法386条,手形法75条,民法420条
論点18第232条民事訴訟法

一 全部勝訴の原告は控訴審で請求の拡張をなしうるか
二 控訴審において訴が変更された場合と新訴に対する主文の判示方法

裁判要旨一 第一審において全部勝訴の原告は、控訴審において、付帯控訴の方式により請求の拡張をすることができる。
二 控訴審において訴の変更による新訴が係属した場合、新訴については、控訴裁判所は、事実上第一審としての裁判をすべきであり、新訴に対する結論が旧訴に対する第一審判決の主文の文言と合致する場合であつても、控訴棄却の裁判をすべきではない(昭和三二年二月二八日第一小法廷判決、民集一一巻二号三七四頁参照)。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和39年3月6日 昭和36(オ)1262
登載
集民 第72号385頁
参照法条
民訴法232条,民訴法378条,民訴法372条,民訴法384条
論点19第232条民事訴訟法

書面の提出または送達のない訴の変更と責問権の喪失。

裁判要旨訴の変更についての書面の提出または送達の欠缺は、責問権の喪失によつて治癒される(昭和二七年(オ)第二八号同三一年六月一九日第三小法廷判決、民集一〇巻六号六六五頁)。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和39年11月19日 昭和39(オ)276
登載
集民 第76号199頁
参照法条
民訴法232条,民訴法141条
論点20第232条民事訴訟法

一 請求の基礎に変更がないとされた事例
二 訴の変更を許容する旨の判断は中間裁判をもつてなされなければならないか

裁判要旨一 甲を被告としてA建物の一部につき使用貸借の終了を原因とする明渡請求をするとともに、乙を共同被告としてA建物の右以外の部分およびB建物などの不法占拠を理由とする明渡請求をする訴の係属中に、乙が退去し、事後甲が乙の占拠していた右部分およびB建物などを占有するに至つた場合、A建物全部とB建物などにつきいずれも所有権に基づき甲を被告とする明渡請求に訴を変更することは、請求の基礎に変更がないから許される。
二 訴の変更を許容する旨の判断は、中間裁判をもつてなされなくてもよく、終局判決の理由中で示されれば足りる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和38年6月4日 昭和35(オ)1193
登載
集民 第66号329頁
参照法条
民訴法232条,民訴法233条
論点21第232条民事訴訟法

控訴審において訴が変更された場合と新訴に対する主文の判示方法。

裁判要旨控訴審で訴の変更があつた新請求を認容すべき旨を判示しながら、主文で控訴棄却の判示をするのは、民訴法第三八四条〈訴えに関する規定の準用〉の解釈を誤り、理由そごとなる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和38年5月31日 昭和37(オ)253
登載
集民 第66号275頁
参照法条
民訴法232条,民訴法236条,民訴法384条
論点22第232条民事訴訟法

訴の変更と時効中断の効力。

裁判要旨係争地域が自己の所有に属することの主張は前後変わることなく、ただ単に請求を境界確定から所有権確認に変更したにすぎない場合は、境界確定の訴提起によつて生じた時効中断の効力には、影響がない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和38年1月18日 昭和34(オ)1099
登載
民集 第17巻1号1頁
参照法条
民法149条,民訴法232条,民訴法235条
論点23第232条民事訴訟法

第二審における訴の追加的変更と主文。

裁判要旨第二審で訴の追加的変更がなされ、右請求が失当と判断される場合には、たまたま第一審判決と主文の文言を同じくするときでも、単に控訴棄却の判決をすべきでなく、右訴訟について請求棄却の判決をすべきである。(しかし、右の場合、第二審判決の理由中に右新請求が失当である旨説示され、控訴棄却の主文が掲げられているときには、右新請求に対しても判決がなされたものと解すべきである。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和38年12月27日 昭和37(オ)1343
登載
集民 第70号689頁
参照法条
民訴法232条,民訴法384条
論点24第232条民事訴訟法

一 控訴審において請求の一部が減縮された場合における控訴判決の主文
二 時機に後れた防禦方法として抗弁が却下された事例

裁判要旨控訴審において請求の一部が減縮された場合に、残余部分について第一審判決を変更する理由のないときには、控訴棄却の主文をもつて判決すべきである(昭和二四年一一月八日第三小法廷判決、民集三巻一一号四九五頁等参照)。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和38年12月13日 昭和36(オ)978
登載
集民 第70号249頁
参照法条
民訴法232条,民訴法384条,民訴法139条
論点25第232条民事訴訟法

控訴審において訴の一部取下がなされた場合に残余の請求につき控訴棄却の判決がなされたときの効果

裁判要旨控訴審において訴の一部につき同意ある取下がなされた場合に、残余の請求につき控訴棄却の判決がなされたときには、右残余の請求のみにつき第一審判決を維持したものと解すべきである。(昭和二四年一一月八日第三小法廷判決参照)
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和37年1月26日 昭和34(オ)579
登載
集民 第58号351頁
参照法条
民訴法232条1項,民訴法384条1項
論点26第232条民事訴訟法

一 控訴審において訴が変更された場合と新訴に対する主文の判示方法
二 訴の変更と旧訴

裁判要旨一 控訴審において訴の変更による新訴が係属した場合、新訴については、控訴裁判所は、事実上第一審としての裁判をすべきであり、たとえ新訴に対する結論が旧訴に対する第一審判決の主文の文言と合致する場合であつても、控訴棄却の裁判をすべきではない。

二 訴の変更による新訴の提起があつても、旧訴につき適法な訴の取下または請求の放棄がない限り旧訴の係属は消滅しない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和32年2月28日 昭和29(オ)444
登載
民集 第11巻2号374頁
参照法条
民訴法232条,民訴法384条,民訴法236条,民訴法203条
論点27第232条民事訴訟法

全部勝訴の原告は控訴審において附帯控訴の方式により請求の拡張をなし得るか

裁判要旨第一審において全部勝訴の判決を得た原告も、控訴審において、附帯控訴の方式により請求の拡張をなし得るものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和32年12月13日 昭和31(オ)910
登載
民集 第11巻13号2143頁
参照法条
民訴法232条,民訴法378条,民訴法372条
論点28第232条民事訴訟法

農地買収計画に関する訴願裁決の取消を求める請求を買収処分無効確認請求に変更し、さらに買収処分取消請求に変更した場合の買収処分の取消を求める訴の出訴期間。

裁判要旨農地買収計画の違法を理由に、これを是認した訴願裁決の取消を求める訴訟の係属中、買収令書の交付があり、請求を買収処分の無効確認請求に変更しさらに買収処分取消請求に変更した場合は、その請求変更が買収処分に対する出訴期間経過後であつても、右請求中買収の実体的違法を攻撃する部分に限り、その訴は出訴期間内に提起されたものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和31年6月5日 昭和30(オ)601
登載
民集 第10巻6号656頁
参照法条
自作農創設特別措置法7条,自作農創設特別措置法9条,自作農創設特別措置法47条の2,民訴法232条,民訴法235条
論点29第232条民事訴訟法

一 控訴審において訴が変更された場合と新訴に対する主文の判示方法
二 訴の変更について旧訴が取下の要件を具備しない場合の措置

裁判要旨一 控訴審において訴の変更により新訴が係属した場合、新訴については、控訴裁判所は、事実上第一審としての裁判をすべきであり、たとえ新訴に対する結論が旧訴に対する第一審判決の主文の文言と合致する場合であつても、控訴棄却の裁判をすべきではない。
二 訴の変更において旧訴を撤回する旨の意思表示がなされても、旧訴につき民訴第二三六条〈相手方の指定ができない場合の取扱い〉の定める取下の要件を具備しない場合は、裁判所は、旧訴についても判決をすべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和31年12月20日 昭和25(オ)128
登載
民集 第10巻12号1573頁
参照法条
民訴法232条,民訴法384条,民訴法236条,民訴法195条1項
論点30第232条民事訴訟法

控訴審における訴の変更は審級制度に反しないか

裁判要旨控訴審において交替的訴の変更がなされても、請求の基礎に変更がない場合には、その部分につき第一審の審理がなされているから、相手方の審級の利益を失わしめるものとはいえない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和29年2月26日 昭和28(オ)1061
登載
民集 第8巻2号630頁
参照法条
民訴法232条,民訴法378条,民訴法360条1項
論点31第232条民事訴訟法

一 請求の趣旨の減縮の性質
二 主たる債務者と連帯保証人とを共同被告とする訴訟は必要的共同訴訟か

裁判要旨一 請求の趣旨の減縮は、訴の一部取下にすぎず、民訴第二三二条第二項〈検証の目的の提示等〉にいわゆる請求の変更にあたらない。
二 主たる債務者と連帯保証人とを共同被告とする訴訟は、必要的共同訴訟にはあたらない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和27年12月25日 昭和24(オ)207
登載
民集 第6巻12号1255頁
参照法条
民訴法236条,民訴法232条,民訴法62条
論点32第232条民事訴訟法

一 控訴審の取消差戻判決に対する上告の許否。

二 行政処分と認められない文書送達の一事例。

三 請求の変更と出訴期間。

裁判要旨一 第一審判決を取り消し差し戻した第二審判決に対しては、直ちに上告することができる。

二 農地買収計画に関する訴願裁決について訴願人が再審議陳情をなしこれに対し訴願裁決庁が「昭和二三年一一月二九日附兵庫県農委第四八六別裁定書について元訴願人Bより再審議陳情ありたるも、その理由認め難く前決定のとおり買収すべきものとするも、訴願人が昭和二二年原野として前所有者Dより収得せる所有権は農地調整法に違反せるものなるを以てその所有権移転登記を抹消し、前所有者より買収すべきものとする」と記載した文書を訴願人に送達した行為は行政処分とは認められない。

三 行政処分の取消又は変更を求める訴において、請求を変更し、あらたに行政処分の取消を求めることのできるのは、その行政処分についての出訴期間内でなければならない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和26年10月16日 昭和25(オ)231
登載
民集 第5巻11号583頁
参照法条
民訴法393条,民訴法232条,民訴法235条,行政事件訴訟特例法1条,行政事件訴訟特別法5条
論点33第232条民事訴訟法

一 国家賠償法一条一項に基づく損害賠償請求に憲法二九条三項に基づく損失補償請求を予備的・追加的に併合することが許される場合
二 国家賠償法一条一項に基づく損害賠償請求に憲法二九条三項に基づく損失補償請求を控訴審において予備的・追加的に併合する場合の相手方の同意の要否

裁判要旨一 国家賠償法一条一項の規定に基づく損害賠償請求に憲法二九条三項の規定に基づく損失補償請求を予備的、追加的に併合することが申し立てられた場合において、右予備的請求が、主位的請求と被告を同じくする上、その主張する経済的不利益の内容が同一で請求額もこれに見合うものであり、同一の行為に起因するものとして発生原因が実質的に共通するなど,相互に密接な関連性を有するものであるときは、右予備的請求の追加的併合は、請求の基礎を同一にするものとして民訴法二三二条の規定による訴えの追加的変更に準じて許される。
二 国家賠償法一条一項の規定に基づく損害賠償請求に、憲法二九条三項の規定に基づく損失補償請求を控訴審において予備的、追加的に併合するには、相手方の同意を要する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成5年7月20日 昭和63(オ)1410
登載
民集 第47巻7号4627頁
参照法条
民訴法227条,民訴法232条,憲法29条3項,国家賠償法1条1項,行政事件訴訟法第3章当事者訴訟
論点34第232条民事訴訟法

家庭裁判所において請求異議の訴えが適法に損害賠償請求の訴えに交換的に変更された場合と新訴の取扱い

裁判要旨家庭裁判所において請求異議の訴えが適法に損害賠償請求の訴えに交換的に変更された場合には、民訴法三〇条一項〈選定当事者〉により、新訴を管轄裁判所に移送すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成5年2月18日 平成3(オ)131
登載
民集 第47巻2号632頁
参照法条
民訴法30条1項,民訴法232条,民事執行法33条2項,民事執行法35条
論点35第232条民事訴訟法

訴え却下の判決に対する控訴審において訴えの変更が許されるとされた事例

裁判要旨養子に協議離縁の意思及び届出の意思がなかったことを理由とする養親子関係存在確認の訴えを不適法として却下した判決に対する控訴審の第一回口頭弁論期日において、第一審口頭弁論期日に訴えの変更をしない旨の陳述をしていた控訴人(原告)から予備的に離縁無効確認の訴えを追加する旨の訴え変更の申立てがされた場合に、第一審裁判所が協議離縁の意思及び届出の意思についての当事者双方の申請に係る証拠のすべてを取り調べて本件の事実関係についての審理を遂げており、相手方が右訴え変更の申立てについて異議を述べることをしなかったなどの事情が認められ、相手方の有する審級の利益を害することがなく、訴訟手続を遅滞させるおそれもないときには、右訴え変更の申立ては許される。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成5年12月2日 平成3(オ)1249
登載
集民 第170号693頁
参照法条
民訴法232条,民訴法378条,民訴法388条
論点36第232条民事訴訟法

情報公開法に基づく行政文書の開示請求に対する不開示決定の取消訴訟において,不開示とされた文書を検証の目的として被告にその提示を命ずることの許否

裁判要旨情報公開法に基づく行政文書の開示請求に対する不開示決定の取消訴訟において,不開示とされた文書を目的とする検証を被告に受忍義務を負わせて行うことは,原告が検証への立会権を放棄するなどしたとしても許されず,上記文書を検証の目的として被告にその提示を命ずることも許されない。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成21年1月15日 平成20(行フ)5
登載
民集 第63巻1号46頁
参照法条
民訴法223条1項,民訴法232条1項,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(情報公開法)5条,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(情報公開法)9条2項
論点37第232条民事訴訟法

1 電気通信事業に従事する者及びその職を退いた者と民訴法197条1項2号の類推適用
2 電気通信事業者は,その管理する電気通信設備を用いて送信された通信の送信者の特定に資する氏名,住所等の情報で黙秘の義務が免除されていないものが記載され,又は記録された文書又は準文書を検証の目的として提示する義務を負うか

裁判要旨1 電気通信事業に従事する者及びその職を退いた者は,民訴法197条1項2号〈次に掲げる場合には、証人は、証言を拒むことができる。 医師、歯科医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士(外国法事務弁護士を含む。)、弁理士、弁護人、公証人、宗教、祈祷若しくは祭祀の職にある者又はこれらの職にあった者が職務上知り得た事実で黙秘すべきものについて尋問を受ける場合〉の類推適用により,職務上知り得た事実で黙秘すべきものについて証言を拒むことができる。
2 電気通信事業者は,その管理する電気通信設備を用いて送信された通信の送信者の特定に資する氏名,住所等の情報で黙秘の義務が免除されていないものが記載され,又は記録された文書又は準文書について,当該通信の内容にかかわらず,検証の目的として提示する義務を負わない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 令和3年3月18日 令和2(許)10
登載
民集 第75巻3号822頁
参照法条
(1,2につき) 民訴法197条1項2号,電気通信事業法4条 (2につき) 民訴法223条1項,民訴法232条1項,民訴法234条
論点38第233条民事訴訟法

訴変更不許の判断を主文において宣言することの要否

裁判要旨訴の変更申立を許すべからざるものと判断した場合には、その旨を判決の主文において宣言することを要するものではなく、理由中において説示すれば足りる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和43年10月15日 昭和41(オ)90
登載
集民 第92号545頁
参照法条
民訴法233条
原

条文原文

原文ママ

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民事訴訟法 第232条(検証の目的の提示等) 詳細ページ
(検証の目的の提示等)
第二百三十二条第二百十九条、第二百二十三条、第二百二十四条、第二百二十六条及び第二百二十七条第一項の規定は、検証の目的の提示又は送付について準用する。
2第三者が正当な理由なく前項において準用する第二百二十三条第一項の規定による提示の命令に従わないときは、裁判所は、決定で、二十万円以下の過料に処する。
3前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
民事訴訟法 第232_2条(映像等の送受信による方法による検証) 詳細ページ
(映像等の送受信による方法による検証)
第二百三十二条の二裁判所は、当事者に異議がない場合であって、相当と認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、映像と音声の送受信により検証の目的の状態を認識することができる方法によって、検証をすることができる。
民事訴訟法 第233条(検証の際の鑑定) 詳細ページ
(検証の際の鑑定)
第二百三十三条裁判所又は受命裁判官若しくは受託裁判官は、検証をするに当たり、必要があると認めるときは、鑑定を命ずることができる。
出

一次情報

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