会社法 平成十七年法律第八十六号 現行施行 2026-08-12 条文取得 2026-09-04

第212条不公正な払込金額で株式を引き受けた者等の責任

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この条文が出てくる場面

原文整理テーマ別まとめ
募集株式の発行ステップ 3 / 3 安すぎる価格で出したとき引受人と取締役の責任有利発行と不公正な発行ステップ 3 / 3 出てしまった後の責任引受人と取締役の支払義務募集株式の発行等/募集に係る責任等ステップ 1 / 1 募集に係る責任等募集に係る責任等について、条文は何を定めているか。

概要

原文解釈
  • 募集株式の引受人は、取締役(指名委員会等設置会社にあっては取締役又は執行役)と通じて著しく不公正な払込金額で募集株式を引き受けた場合、株式会社に対し当該払込金額と当該募集株式の公正な価額との差額に相当する金額を支払う義務を負う。
  • 募集株式の引受人は、第二百九条第一項の規定により株主となった時における給付した現物出資財産の価額がこれについて定められた第百九十九条第一項第三号の価額に著しく不足する場合、株式会社に対し当該不足額を支払う義務を負う。
  • 現物出資財産の価額が著しく不足する場合において、現物出資財産を給付した募集株式の引受人がその不足につき善意でかつ重大な過失がないときは、募集株式の引受けの申込み又は第二百五条第一項の契約に係る意思表示を取り消すことができる。

第212条の責任・取消権の要件

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区分対象者要件効果
第一項第一号取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)と通じて募集株式を引き受けた引受人取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)と通じて著しく不公正な払込金額で募集株式を引き受けた場合当該払込金額と当該募集株式の公正な価額との差額に相当する金額を株式会社に支払う義務を負う
第一項第二号現物出資財産を給付した募集株式の引受人第二百九条第一項の規定により募集株式の株主となった時におけるその給付した現物出資財産の価額がこれについて定められた第百九十九条第一項第三号の価額に著しく不足する場合当該不足額を株式会社に支払う義務を負う
第二項第一項第二号に掲げる場合において現物出資財産を給付した募集株式の引受人当該現物出資財産の価額がこれについて定められた第百九十九条第一項第三号の価額に著しく不足することにつき善意でかつ重大な過失がないとき募集株式の引受けの申込み又は第二百五条第一項の契約に係る意思表示を取り消すことができる

主要な判例

原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定
本条を直接の参照法条とする登載判例がないため、裁判所が付した参照法条に基づき旧法下の裁判例を掲載しています。現行法との対応関係についての評価は加えていません。
旧商法下の裁判例株主代位請求
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和48(オ)198
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和50年4月8日 棄却
登載
民集 第29巻4号350頁
参照法条
商法280条ノ2第2項,商法280条ノ11第1項
判示事項
株主以外の第三者に対する株式のいわゆる時価発行における発行価額が「著シク不公正ナル発行価額」にあたらない場合
裁判要旨普通株式を発行しその株式が証券取引所に上場されている株式会社において額面普通株式を株主以外の第三者に対していわゆる時価発行をする場合の発行価額が価額決定直前の株価より低額であつても、価額決定にあたつて発行価額決定前の当該会社の株価、右株価の騰落習性、売買出来高の実績、会社の資産状態、収益状態、配当状況、発行ずみ株式数、新たに発行される株式数、株式市況の動向、これらから予測される新株の消化可能性等の諸事情が客観的資料に基づいて斟酌され、価額決定のためにとられた算定方法が合理的であるということができ、かつ、発行価額が価額決定直前の株価に近接している場合は、右価額は、特別の事情がないかぎり、商法二八〇条の一一第一項に定める「著シク不公正ナル発行価額」にあたらない。
旧商法下の裁判例損害賠償請求
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和45(オ)71
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和45年11月12日 棄却
登載
民集 第24巻12号1901頁
参照法条
商法280条ノ2,商法280条ノ4,商法280条ノ5,商法280条ノ7,商法280条ノ9
判示事項
取締役会の決議により株主に新株引受権を付与するにあたり株式申込の際に払込金額と同額の申込証拠金を添えることを要する等の条件を定めることは許されるか
裁判要旨株式会社が、取締役会の決議により株主に新株引受権を付与するにあたり、株主が新株引受権を行使する条件として、右会社の資金計画を予定どおり達成するための手続を行なうに必要最少限度の期間を見込み、払込期日よりも若干前の日を申込期間の末日としたうえ、株式申込の際に払込金額と同額の申込証拠金を添えることを要することと定め、かつ、その申込証拠金が払込期日に払込金に充当されるまでの期間中これに利息をつけない旨を定めることは許される。
旧商法下の裁判例株式会社変更登記申請却下処分取消請求
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和41(行ツ)65
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和43年12月24日 棄却
登載
民集 第22巻13号3334頁
参照法条
商法188条3項,商法258条1項,商法280条,商業登記法24条10号
判示事項
株式会社の取締役または監査役の任期満了または辞任による退任により法律または定款に定める取締役または監査役の員数を欠くに至つた場合と退任による変更登記
裁判要旨株式会社の取締役または監査役の任期満了または辞任による退任により法律または定款に定める取締役または監査役の員数を欠くに至つた場合においては、右退任による変更登記は、あらたに選任された取締役または監査役の就職するまで許されない。

実務注記

原文解釈
  1. 第一項第一号の通謀要件取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)と「通じて」著しく不公正な払込金額で引き受けたことが要件であり、通謀の相手方に指名委員会等設置会社では執行役も含まれる点を確認する。
  2. 第一項第二号の「著しく不足」の対象価額不足額の算定は、第二百九条第一項により株主となった時における現物出資財産の価額と、第百九十九条第一項第三号で定められた価額との比較による。
  3. 第二項の取消しの主観的要件取消しができるのは、現物出資財産の価額の著しい不足につき「善意でかつ重大な過失がない」ときに限られる。
  4. 第二項の取消しの対象行為取消しの対象は「募集株式の引受けの申込み」又は「第二百五条第一項の契約に係る意思表示」に限定されている。
  5. 第二項が適用される場面の限定第二項の取消権は「前項第二号に掲げる場合」、すなわち現物出資財産の価額の著しい不足の場合に限って規定されている。

条文原文

原文ママ
会社法 第212条(不公正な払込金額で株式を引き受けた者等の責任)
(不公正な払込金額で株式を引き受けた者等の責任)
第二百十二条募集株式の引受人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める額を支払う義務を負う。
一取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役又は執行役)と通じて著しく不公正な払込金額で募集株式を引き受けた場合当該払込金額と当該募集株式の公正な価額との差額に相当する金額
二第二百九条第一項の規定により募集株式の株主となった時におけるその給付した現物出資財産の価額がこれについて定められた第百九十九条第一項第三号の価額に著しく不足する場合当該不足額
2前項第二号に掲げる場合において、現物出資財産を給付した募集株式の引受人が当該現物出資財産の価額がこれについて定められた第百九十九条第一項第三号の価額に著しく不足することにつき善意でかつ重大な過失がないときは、募集株式の引受けの申込み又は第二百五条第一項の契約に係る意思表示を取り消すことができる。

一次情報