監査役は何を調べ、何を報告するか。独立性を守るための仕組み。
監査役は取締役の職務執行を監査し、いつでも取締役・会計参与・使用人に事業報告を求め、業務や財産の状況を調査できる。取締役の不正や法令・定款違反を見つけたときは取締役(会)や株主総会へ報告し、著しい損害のおそれがあるときは取締役の行為をやめさせる差止め請求もできる。監査役の選任手続や報酬、会社訴訟での代表権に関する規定は、監査役が取締役から独立して職務を行えるようにするための仕組みである。
| 権限 | 内容 | 要件 | 相手方 |
|---|---|---|---|
| 調査権 | 事業報告請求・業務財産調査 | いつでも可能 | 取締役・会計参与・使用人 |
| 子会社調査権 | 子会社の事業・財産の調査 | 職務に必要なとき | 子会社 |
| 取締役への報告 | 不正行為等を報告 | 不正・法令違反等を認めた時 | 取締役(会) |
| 株主総会への報告 | 議案等の調査結果を報告 | 法令違反・著しく不当な事項 | 株主総会 |
| 差止請求権 | 取締役の行為の差止め請求 | 著しい損害のおそれがある時 | 当該取締役 |
| 会社訴訟の代表権 | 取締役との訴訟で会社を代表 | 会社・取締役間の訴訟等 | 裁判所(対取締役訴訟) |
業務監査・会計監査と監査報告
違法行為の差止めと会社代表
選任議案への同意と報酬の決定
論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。
農業協同組合の代表理事が,補助金の交付を受けることにより同組合の資金的負担のない形で堆肥センター建設事業を進めることにつき理事会の承認を得たにもかかわらず,その交付申請につき理事会に虚偽の報告をするなどして同組合の費用負担の下で同事業を進めた場合において,資金の調達方法を調査,確認することなく,同事業が進められるのを放置した同組合の監事に,任務のけ怠があるとされた事例
1 農業協同組合の理事に対する代表訴訟を提起しようとする組合員が,同組合の代表者として監事ではなく代表理事を記載した提訴請求書を同組合に送付したが,監事において,当該理事に対する訴訟を提起すべきか否かを自ら判断する機会があった場合における,上記組合員の提起した代表訴訟の適法性
2 農業協同組合の合併契約に,被合併組合の貸借対照表等に誤びゅう等があったため新設組合が損害を受けたときは故意又は重過失のある被合併組合の役員個人が賠償責任を負う旨の条項がある場合,被合併組合の理事会で上記契約の締結に賛成した理事等は上記条項に基づく責任を負うか
3 農業協同組合の合併契約中の,被合併組合の貸借対照表等に誤びゅう等があったため新設組合が損害を受けたときは故意又は重過失のある被合併組合の役員個人が賠償責任を負う旨の条項が,被合併組合に貸倒引当金の過少計上があったときには,故意又は重過失のある被合併組合の役員に引当不足額相当額をてん補する義務を負わせる趣旨を含むとされた事例
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