会社法 / テーマ別まとめ

新株予約権の譲渡等/新株予約権の譲渡

新株予約権の譲渡の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

新株予約権は原則として自由に譲渡できますが、新株予約権付社債に付された新株予約権と社債は分離して譲渡することができません。証券を発行している新株予約権(付社債)は証券の交付が譲渡の効力発生要件となり、会社その他の第三者に対抗するには新株予約権原簿への記載・記録が必要です。本ページでは、譲渡の効力発生要件・対抗要件・原簿記載の仕組みを条文に沿って整理します。

新株予約権の譲渡
区分効力発生要件対抗要件(原簿記載)占有者の推定・善意取得
証券発行新株予約権(記名式)証券の交付が必要原簿記載→対会社のみ適用あり(258条1-2項)
証券発行新株予約権付社債新株予約権付社債券の交付原簿記載→対会社のみ適用あり(258条3-4項)
証券不発行の新株予約権255条の交付要件なし原簿記載→会社・第三者規定なし(258条対象外)
無記名新株予約権(付社債)証券発行なら証券交付必要257条の対抗要件適用なし適用あり(258条)
  • 新株予約権付社債は、社債または新株予約権の一方のみを譲渡することは原則できない(254条2項・3項)。
  • 自己新株予約権(付社債)を処分する場合、証券交付前でも譲渡の効力は生じる(255条1項・2項ただし書)。
  • 会社は自己新株予約権(付社債)処分後遅滞なく証券を交付する義務があるが、取得者の請求があるまでは交付しないことができる。第687条は自己新株予約権付社債の社債譲渡には適用されない(256条)。
  • 会社が新株予約権を取得・処分した場合は、請求がなくても会社が原簿に記載する義務を負う(259条1項)。無記名新株予約権等には適用されない。
  • 新株予約権取得者が原簿記載を請求するときは、原則、原簿記載された譲渡人等と共同で請求する必要がある(260条2項)。
  • 譲渡制限新株予約権の取得者は原則260条の記載請求ができないが、承認を受けている場合や相続等の一般承継の場合は請求できる(261条)。
1

新株予約権の譲渡

新株予約権の譲渡について、条文は何を定めているか。

第254条新株予約権の譲渡新株予約権は譲渡できるが社債とは分離不可3項判例なし
  • 新株予約権者は保有する新株予約権を自由に譲渡できる
  • 新株予約権付社債は、新株予約権のみの譲渡は原則不可(社債消滅時は可)
  • 新株予約権付社債の社債のみの譲渡も原則不可(新株予約権消滅時は可)
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第255条証券発行新株予約権の譲渡証券の交付がなければ譲渡の効力は生じない2項判例なし
  • 証券発行新株予約権の譲渡は、新株予約権証券の交付が効力発生要件
  • 証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権も、新株予約権付社債券の交付が必要
  • 自己新株予約権(付社債)の処分による譲渡には、この交付要件は適用されない
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第256条自己新株予約権の処分に関する特則自己新株予約権の処分後は証券交付義務がある4項判例なし
  • 会社は自己新株予約権処分後、遅滞なく証券を交付しなければならない
  • ただし取得者から請求があるまでは証券を交付しないこともできる
  • 同様に社債券交付義務あり。第687条〈社債券を発行する場合の社債の譲渡〉は社債譲渡に不適用
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第257条新株予約権の譲渡の対抗要件譲渡は原簿記載がないと対抗できない3項判例なし
  • 新株予約権の譲渡は、原簿に氏名・住所を記載しないと会社等に対抗できない
  • 記名式証券発行の場合、原簿記載の対抗相手は「会社」のみになる
  • 無記名新株予約権・無記名新株予約権付社債にはこの対抗要件の規定は適用されない
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第258条権利の推定等証券の占有者は権利者と推定される4項判例なし
  • 新株予約権証券を占有する者は、適法な権利者と推定される
  • 証券の交付を受ければ権利を取得できる(悪意・重過失があれば別)
  • 新株予約権付社債券についても同様に占有推定・善意取得が認められる
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第259条新株予約権者の請求によらない新株予約権原簿記載事項の記載又は記録会社は請求なしで原簿に記載する義務がある2項・2号判例なし
  • 会社が新株予約権を取得した場合、原簿記載事項を職権で記載・記録する
  • 自己新株予約権を処分した場合も同様に会社が記載・記録する
  • 無記名新株予約権・無記名新株予約権付社債にはこの規定は適用されない
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第260条新株予約権者の請求による新株予約権原簿記載事項の記載又は記録取得者は原簿への記載を会社に請求できる3項判例なし
  • 発行会社以外から新株予約権を取得した者は、原簿記載を請求できる
  • 原則、原簿に記載された譲渡人等と共同で請求しなければならない
  • 無記名新株予約権・無記名新株予約権付社債にはこの請求権は適用されない
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第261条譲渡制限新株予約権は原則この請求ができない1項・3号判例なし
  • 譲渡制限新株予約権の取得者は、原則260条〈新株予約権者の請求による新株予約権原簿記載事項の記載又は記録〉の記載請求ができない
  • 取得について事前または事後の承認を受けていれば請求できる
  • 相続その他の一般承継で取得した場合も請求できる
条文原文を見るこの条文の詳細ページ

関連する会計・監査の基準

原文整理本文は各団体のサイトで確認してください

これらの基準は著作権者が転載に許諾を求めているため、当サイトは基準名・番号・公表日とリンクのみを掲載しています(原文・要約は置いていません)。

原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

会社法 第254条(新株予約権の譲渡) 詳細ページ
(新株予約権の譲渡)
第二百五十四条新株予約権者は、その有する新株予約権を譲渡することができる。
2前項の規定にかかわらず、新株予約権付社債に付された新株予約権のみを譲渡することはできない。ただし、当該新株予約権付社債についての社債が消滅したときは、この限りでない。
3新株予約権付社債についての社債のみを譲渡することはできない。ただし、当該新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅したときは、この限りでない。
会社法 第255条(証券発行新株予約権の譲渡) 詳細ページ
(証券発行新株予約権の譲渡)
第二百五十五条証券発行新株予約権の譲渡は、当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を交付しなければ、その効力を生じない。ただし、自己新株予約権(株式会社が有する自己の新株予約権をいう。以下この章において同じ。)の処分による証券発行新株予約権の譲渡については、この限りでない。
2証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権の譲渡は、当該証券発行新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を交付しなければ、その効力を生じない。ただし、自己新株予約権付社債(株式会社が有する自己の新株予約権付社債をいう。以下この条及び次条において同じ。)の処分による当該自己新株予約権付社債に付された新株予約権の譲渡については、この限りでない。
会社法 第256条(自己新株予約権の処分に関する特則) 詳細ページ
(自己新株予約権の処分に関する特則)
第二百五十六条株式会社は、自己新株予約権(証券発行新株予約権に限る。)を処分した日以後遅滞なく、当該自己新株予約権を取得した者に対し、新株予約権証券を交付しなければならない。
2前項の規定にかかわらず、株式会社は、同項の者から請求がある時までは、同項の新株予約権証券を交付しないことができる。
3株式会社は、自己新株予約権付社債(証券発行新株予約権付社債に限る。)を処分した日以後遅滞なく、当該自己新株予約権付社債を取得した者に対し、新株予約権付社債券を交付しなければならない。
4第六百八十七条の規定は、自己新株予約権付社債の処分による当該自己新株予約権付社債についての社債の譲渡については、適用しない。
会社法 第257条(新株予約権の譲渡の対抗要件) 詳細ページ
(新株予約権の譲渡の対抗要件)
第二百五十七条新株予約権の譲渡は、その新株予約権を取得した者の氏名又は名称及び住所を新株予約権原簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。
2記名式の新株予約権証券が発行されている証券発行新株予約権及び記名式の新株予約権付社債券が発行されている証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権についての前項の規定の適用については、同項中「株式会社その他の第三者」とあるのは、「株式会社」とする。
3第一項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。
会社法 第258条(権利の推定等) 詳細ページ
(権利の推定等)
第二百五十八条新株予約権証券の占有者は、当該新株予約権証券に係る証券発行新株予約権についての権利を適法に有するものと推定する。
2新株予約権証券の交付を受けた者は、当該新株予約権証券に係る証券発行新株予約権についての権利を取得する。ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。
3新株予約権付社債券の占有者は、当該新株予約権付社債券に係る証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権についての権利を適法に有するものと推定する。
4新株予約権付社債券の交付を受けた者は、当該新株予約権付社債券に係る証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権についての権利を取得する。ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。
会社法 第259条(新株予約権者の請求によらない新株予約権原簿記載事項の記載又は記録) 詳細ページ
(新株予約権者の請求によらない新株予約権原簿記載事項の記載又は記録)
第二百五十九条株式会社は、次の各号に掲げる場合には、当該各号の新株予約権の新株予約権者に係る新株予約権原簿記載事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録しなければならない。
一当該株式会社の新株予約権を取得した場合
二自己新株予約権を処分した場合
2前項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。
会社法 第260条(新株予約権者の請求による新株予約権原簿記載事項の記載又は記録) 詳細ページ
(新株予約権者の請求による新株予約権原簿記載事項の記載又は記録)
第二百六十条新株予約権を当該新株予約権を発行した株式会社以外の者から取得した者(当該株式会社を除く。以下この節において「新株予約権取得者」という。)は、当該株式会社に対し、当該新株予約権に係る新株予約権原簿記載事項を新株予約権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。
2前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した新株予約権の新株予約権者として新株予約権原簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。
3前二項の規定は、無記名新株予約権及び無記名新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。
会社法 第261条 詳細ページ
第二百六十一条前条の規定は、新株予約権取得者が取得した新株予約権が譲渡制限新株予約権である場合には、適用しない。ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
一当該新株予約権取得者が当該譲渡制限新株予約権を取得することについて次条の承認を受けていること。
二当該新株予約権取得者が当該譲渡制限新株予約権を取得したことについて第二百六十三条第一項の承認を受けていること。
三当該新株予約権取得者が相続その他の一般承継により譲渡制限新株予約権を取得した者であること。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。