論点1第763条民法
いわゆる方便としてされた協議離婚が有効とされた事例
裁判要旨夫婦が事実上の婚姻関係を継続しつつ、単に生活扶助を受けるための方便として協議離婚の届出をした場合でも、右届出が真に法律上の婚姻関係を解消する意思の合致に基づいてされたものであるときは、右協議離婚は無効とはいえない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和57年3月26日 昭和56(オ)1197
- 登載
- 集民 第135号449頁
- 参照法条
- 民法739条,民法763条,民法764条
論点2第763条民法
離婚無効確認の訴について確認の利益があるとされた事例
裁判要旨原被告間に昭和二九年一二月一日離婚判決が言い渡され、同年同月二三日右判決が確定している事実があるからといつて、右確定前である同年一一月九日両者間になされた協議離婚につき、原告不知の間に被告において離婚届を偽造してなしたものであることを理由に、原告がその無効確認を求めて訴を提起することに、法律上の利益がないとはいえない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和40年7月16日 昭和38(オ)88
- 登載
- 集民 第79号859頁
- 参照法条
- 民訴法225条,民法763条,人事訴訟手続法1条
論点3第763条民法
協議離婚を有効と認めた事例。
裁判要旨妻を戸主とする入夫婚姻をした夫婦が、事実上の婚姻関係は維持しつつ、単に、夫に戸主の地位を与えるための方便として、協議離婚の届出をした場合でも、両名が真に法律上の婚姻関係を解消する意思の合致に基づいてこれをしたものであるときは、右協議離婚は無効とはいえない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和38年11月28日 昭和37(オ)203
- 登載
- 民集 第17巻11号1469頁
- 参照法条
- 民法763条,民法764条,民法739条
論点4第763条民法
協議離婚届出書作成後の飜意と届出の効力。
裁判要旨合意により協議離婚届書を作成した一方の当事者が、届出を相手方に委託した後、協議離婚を飜意し、右飜意を市役所戸籍係員に表示しており、相手方によつて届出がなされた当時、離婚の意思を有しないことが明確であるときは、相手方に対する飜意の表示または届出委託の解除の事実がなくとも、協議離婚届出が無効でないとはいえない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和34年8月7日 昭和32(オ)508
- 登載
- 民集 第13巻10号1251頁
- 参照法条
- 民法763条,民法764条,民法742条,民法802条
論点5第763条民法
離婚無効確認の訴と確認の利益
裁判要旨原告が被告に対し裁判上の離婚を求める意思があるからといつて、協議離婚の無効確認を求める利益がないということはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和31年6月26日 昭和30(オ)456
- 登載
- 民集 第10巻6号748頁
- 参照法条
- 民訴法225条,民法763条,人事訴訟手続法1条
論点6第763条民法
一 離婚に伴う財産分与として金銭の給付をする旨の合意が詐害行為に該当する場合の取消しの範囲
二 離婚に伴う慰謝料を支払う旨の合意と詐害行為取消権
裁判要旨一 離婚に伴う財産分与として金銭の給付をする旨の合意は、民法
七六八条三項〈財産分与〉の規定の趣旨に反してその額が不相当に過大であり、財産分与に仮託してされた財産処分であると認めるに足りるような特段の事情があるときは、不相当に過大な部分について、その限度において詐害行為として取り消されるべきである。
二 離婚に伴う慰謝料として配偶者の一方が負担すべき損害賠償債務の額を超えた金額を支払う旨の合意は、右損害賠償債務の額を超えた部分について、詐害行為取消権行使の対象となる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成12年3月9日 平成10(オ)560
- 登載
- 民集 第54巻3号1013頁
- 参照法条
- 民法424条,民法710条,民法763条,768条
論点7第764条民法
一、離婚届を偽造して届出をした者と不法行為の成否
二、離婚無効の訴と人事訴訟手続法の準用
裁判要旨一、婚姻の継続中に、自己の意思に基づかないでほしいままに協議離婚届を偽造、行使され、真実に反する離婚の事実を戸籍に記載された者がこれによつて損害を生じたときは、不法行為が成立し、該行為者は被偽造者に対して損害賠償の義務を負担する。
二、離婚無効の訴は人事訴訟に属し、人事訴訟手続法の規定が準用され、その判決の効力は第三者に対しても及ぶものと解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和43年10月31日 昭和43(オ)834
- 登載
- 集民 第92号783頁
- 参照法条
- 民法709条,民法764条,戸籍法76条,人事訴訟手続法18条
論点8第764条民法
無効の協議離婚の追認があつたと認められた事例
裁判要旨上告人と被上告人とが昭和二三年四、五月ごろ以降全くの別居状態にあり、事実上夫婦生活を営んでいないこと、右両名が昭和三七年三月三〇日の家事調停において、上告人が昭和二四年六月一一日付の届出をもつてなされた無効の協議離婚を認めることを前提にして、上告人が被上告人から右離婚にもとづく慰藉料の支払を受ける旨の合意をした等の事実完結のもとにおいては、上告人が右家事調停の際に、右無効の協議離婚を追認したと認めるものが相当である。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和42年12月8日 昭和42(オ)802
- 登載
- 集民 第89号361頁
- 参照法条
- 民法764条,民法739条,民法765条
論点9第765条民法
前婚につき離婚無効、後婚につき婚姻取消の確定判決をうけた者のなす前婚についての離婚の訴の許否
裁判要旨妻が有効に離婚が成立したものと信じて、他の男子と婚姻をなした後、先夫から前婚についての離婚無効確認および後婚についての婚姻取消の訴を提起せられ、右各訴はいずれも妻の敗訴に確定した場合であつても、前婚につき、婚姻を継続し難い重大な事由があることを理由として、妻が離婚の訴を提起することを妨げるものではない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和32年4月11日 昭和30(オ)899
- 登載
- 民集 第11巻4号629頁
- 参照法条
- 民法770条,民法765条,民法742条,民法732条
論点10第766条民法
親権者でない親と子の面接交渉と憲法一三条
裁判要旨協議離婚をした際に親権者とされなかつた親に子との面接交渉を認めるかどうかは、子の監護に関する処分について定める民法七六六条一項又は二項の解釈適用の問題であつて、憲法一三条に違背するかどうかの問題にあたらない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和59年7月6日 昭和58(ク)103
- 登載
- 集民 第142号273頁
- 参照法条
- 憲法13条,民法766条1項,民法766条2項
論点11第766条民法
家事審判法九条一項乙類四号所定の子の監護に関する処分にかかる審判についての規定の合憲性
裁判要旨家事審判法九条一項乙類四号所定の子の監護に関する処分にかかる審判についての規定は、憲法三二条、八二条に違反しない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和59年12月20日 昭和59(ク)112
- 登載
- 集民 第143号481頁
- 参照法条
- 民法766条2項,家事審判法9条1項乙類4号,憲法32条,憲法82条
論点12第766条民法
離婚請求を認容するに際し親権者の指定とは別に子の監護者の指定をしない場合と監護費用の支払命令
裁判要旨裁判所は、離婚請求を認容するに際し、親権者の指定とは別に子の監護者の指定をしない場合であっても、申立により、監護費用の支払を命ずることができる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成元年12月11日 昭和63(オ)270
- 登載
- 民集 第43巻12号1763頁
- 参照法条
- 人事訴訟手続法15条1項,民法766条1項,民法771条
論点13第766条民法
離婚請求を認容するに際し別居後離婚までの間の子の監護費用の支払を命ずることの可否
裁判要旨離婚の訴えにおいて、別居後単独で子の監護に当たっている当事者から他方の当事者に対し、別居後離婚までの期間における子の監護費用の支払を求める旨の申立てがあった場合には、裁判所は、離婚請求を認容するに際し、右申立てに係る子の監護費用の支払を命ずることができる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成9年4月10日 平成7(オ)1933
- 登載
- 民集 第51巻4号1972頁
- 参照法条
- 人事訴訟手続法15条1項,民法766条1項,民法771条
論点14第766条民法
子の引渡しを命ずる審判を債務名義とする間接強制の申立てが権利の濫用に当たるとされた事例
裁判要旨婚姻中の父母のうち父に対して長男A,二男B及び長女Cを母に引き渡すよう命ずる審判を債務名義とするAの引渡しについての間接強制の申立ては,次の(1),(2)など判示の事情の下では,権利の濫用に当たる。
(1) 上記審判を債務名義とする引渡執行の際,B及びCが母に引き渡されたにもかかわらず,A(当時9歳3箇月)については,引き渡されることを拒絶して呼吸困難に陥りそうになったため,執行を続けるとその心身に重大な悪影響を及ぼすおそれがあるとして執行不能とされた。
(2) 父及びその両親を拘束者,Aを被拘束者とする人身保護請求事件の審問期日において,A(当時9歳7箇月)は,母に引き渡されることを拒絶する意思を明確に表示し,その人身保護請求は,Aが父等の影響を受けたものではなく自由意思に基づいて父等のもとにとどまっているとして棄却された。
(補足意見がある。)
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成31年4月26日 平成30(許)13
- 登載
- 集民 第261号247頁
- 参照法条
- 民法1条3項,民法414条1項,民法766条1項,家事事件手続法75条,家事事件手続法154条3項,民事執行法172条1項
論点15第766条民法
監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判に基づき間接強制決定をすることができないとされた事例
裁判要旨監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判において,面会交流の頻度等につき1箇月に2回,土曜日又は日曜日に1回につき6時間とする旨定められているが,子の引渡しの方法については何ら定められていないなど判示の事情の下では,監護親がすべき給付が十分に特定されているとはいえず,上記審判に基づき監護親に対し間接強制決定をすることはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成25年3月28日 平成24(許)41
- 登載
- 集民 第243号261頁
- 参照法条
- 民法766条1項,家事審判法(平成23年法律第53号による廃止前のもの)15条,家事事件手続法75条,民事執行法172条1項
論点16第766条民法
1 監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判に基づき間接強制決定をすることができる場合
2 監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判に基づき間接強制決定をすることができるとされた事例
裁判要旨1 監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判において,面会交流の日時又は頻度,各回の面会交流時間の長さ,子の引渡しの方法等が具体的に定められているなど監護親がすべき給付の特定に欠けるところがないといえる場合は,上記審判に基づき監護親に対し間接強制決定をすることができる。
2 監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判において,次の(1),(2)のとおり定められているなど判示の事情の下では,監護親がすべき給付の特定に欠けるところはないといえ,上記審判に基づき監護親に対し間接強制決定をすることができる。
(1) 面会交流の日程等は,月1回,毎月第2土曜日の午前10時から午後4時までとし,場所は,子の福祉を考慮して非監護親の自宅以外の非監護親が定めた場所とする。
(2) 子の受渡場所は,監護親の自宅以外の場所とし,当事者間で協議して定めるが,協議が調わないときは,所定の駅改札口付近とし,監護親は,面会交流開始時に,受渡場所において子を非監護親に引き渡し,子を引き渡す場面のほかは,面会交流に立ち会わず,非監護親は,面会交流終了時に,受渡場所において子を監護親に引き渡す。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成25年3月28日 平成24(許)48
- 登載
- 民集 第67巻3号864頁
- 参照法条
- (1,2につき) 民法766条1項,家事審判法(平成23年法律第53号による廃止前のもの)15条,家事事件手続法75条,民事執行法172条1項
論点17第766条民法
非監護親と子が面会交流をすることを定める調停調書に基づき間接強制決定をすることができないとされた事例
裁判要旨非監護親と監護親との間において非監護親と子が面会交流をすることを定める調停が成立した場合において,調停調書に次の(1),(2)のとおり定められているなど判示の事情の下では,監護親がすべき給付が十分に特定されているとはいえず,上記調停調書に基づき監護親に対し間接強制決定をすることはできない。
(1) 面会交流は,2箇月に1回程度,原則として第3土曜日の翌日に,半日程度(原則として午前11時から午後5時まで)とするが,最初は1時間程度から始めることとし,子の様子を見ながら徐々に時間を延ばすこととする。
(2) 監護親は,上記(1)の面会交流の開始時に所定の喫茶店の前で子を非監護親に会わせ,非監護親は終了時間に同場所において子を監護親に引き渡すことを当面の原則とするが,面会交流の具体的な日時,場所,方法等は,子の福祉に慎重に配慮して,監護親と非監護親間で協議して定める。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成25年3月28日 平成24(許)47
- 登載
- 集民 第243号271頁
- 参照法条
- 民法766条1項,家事審判法(平成23年法律第53号による廃止前のもの)15条,家事審判法(平成23年法律第53号による廃止前のもの)21条1項ただし書,家事事件手続法75条,家事事件手続法268条1項,民事執行法172条1項
論点18第766条民法
妻が,夫に対し,夫との間に法律上の親子関係はあるが,妻が婚姻中に夫以外の男性との間にもうけた子につき,離婚後の監護費用の分担を求めることが,権利の濫用に当たるとされた事例
裁判要旨妻が,夫に対し,夫との間に法律上の親子関係はあるが,妻が婚姻中に夫以外の男性との間にもうけた子につき,離婚後の監護費用の分担を求めることは,次の(1)〜(3)など判示の事情の下においては,権利の濫用に当たる。
(1) 妻が,出産後程なく当該子と夫との間に自然的血縁関係がないことを知ったのに,そのことを夫に告げなかったため,夫は,当該子との親子関係を否定する法的手段を失った。
(2) 夫は,婚姻中,相当に高額な生活費を妻に交付するなどして,当該子の養育・監護のための費用を十分に分担してきた。
(3) 離婚後の当該子の監護費用を専ら妻において分担することができないような事情はうかがわれない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成23年3月18日 平成21(受)332
- 登載
- 集民 第236号213頁
- 参照法条
- 民法1条3項,民法766条1項,民法771条
論点19第766条民法
離婚の訴えにおける別居後離婚までの間の子の監護費用の支払を求める旨の申立てと裁判所の審理判断の要否
裁判要旨離婚の訴えにおいて,別居後単独で子の監護に当たっている当事者から他方の当事者に対し,別居後離婚までの期間における子の監護費用の支払を求める旨の申立てがあった場合には,裁判所は,離婚請求を認容する際に,人事訴訟法32条1項所定の子の監護に関する処分を求める申立てとして,その当否について審理判断しなければならない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成19年3月30日 平成17(受)1793
- 登載
- 集民 第223号767頁
- 参照法条
- 人事訴訟法32条1項,民法766条1項,民法771条
論点20第766条民法
婚姻関係が破綻して父母が別居状態にある場合に子と同居していない親と子の面接交渉について家庭裁判所が相当な処分を命ずることの可否
裁判要旨婚姻関係が破綻して父母が別居状態にある場合に、子と同居していない親と子の面接交渉につき父母の間で協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、民法
七六六条〈離婚後の子の監護に関する事項の定め等〉を類推適用し、家事審判法九条一項乙類四号により、右面接交渉について相当な処分を命ずることができる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成12年5月1日 平成12(許)5
- 登載
- 民集 第54巻5号1607頁
- 参照法条
- 民法766条・民法818条3項・民法820条 家事審判法9条1項乙類4号
論点21第766条民法
父母以外の第三者で事実上子を監護してきたものが子の監護をすべき者を定める審判を申し立てることの許否
裁判要旨父母以外の第三者は,事実上子を監護してきた者であっても,家庭裁判所に対し,家事事件手続法別表第2の3の項所定の子の監護に関する処分として子の監護をすべき者を定める審判を申し立てることはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 令和3年3月29日 令和2(許)14
- 登載
- 民集 第75巻3号952頁
- 参照法条
- 民法766条,家事事件手続法39条,家事事件手続法別表第2の3の項
論点22第766条民法
父母以外の第三者で事実上子を監護してきたものが上記第三者と子との面会交流について定める審判を申し立てることの許否
裁判要旨父母以外の第三者は,事実上子を監護してきた者であっても,家庭裁判所に対し,家事事件手続法別表第2の3の項所定の子の監護に関する処分として上記第三者と子との面会交流について定める審判を申し立てることはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 令和3年3月29日 令和2(許)4
- 登載
- 集民 第265号113頁
- 参照法条
- 民法766条,家事事件手続法39条,家事事件手続法別表第2の3の項
論点23第768条民法
離婚に伴う財産分与請求を認めない大韓民国の民法を適用することが法例三〇条〈失〉にいう「公ノ秩序又ハ善良ノ風俗」に反するとして許されない場合
裁判要旨大韓民国法を準拠法とする離婚に伴う財産分与及び慰藉料請求において、財産分与請求を認めない同国の民法のもとで有責配偶者が支払うべきものとされる慰藉料の額がわが国の離婚給付の社会通念に照らして著しく低額であると認められる場合には、右財産分与請求につき同法を適用することは、法例
三〇条〈失〉にいう「公ノ秩序又ハ善良ノ風俗」に反するものとして、許されない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和59年7月20日 昭和57(オ)56
- 登載
- 民集 第38巻8号1051頁
- 参照法条
- 法例30条,民法768条,民法771条,大韓民国民法806条1項,大韓民国民法806条2項,大韓民国民法843条
論点24第768条民法
離婚請求について全部勝訴の当事者が控訴審において附帯控訴の方式により新たに財産分与の申立をすることの可否
裁判要旨第一審において離婚請求について全部勝訴の判決を受けた当事者も、控訴審において、附帯控訴の方式により新たに財産分与の申立をすることができる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和58年3月10日 昭和56(オ)1087
- 登載
- 集民 第138号257頁
- 参照法条
- 人事訴訟手続法15条1項,民法768条1項,民法771条,民訴法372条
論点25第768条民法
離婚の訴えの係属の消滅と右訴えに附帯してされた財産分与の申立の適否
裁判要旨離婚の訴えに附帯してされた財産分与の申立については、右訴えの係属が失われたときは、当該訴訟手続内で審判することができず、これを不適法として却下すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和58年2月3日 昭和57(オ)636
- 登載
- 民集 第37巻1号45頁
- 参照法条
- 民法768条,民法771条,人事訴訟手続法5条1項,家事審判法9条1項乙類5号
論点26第768条民法
離婚に伴う財産分与と詐害行為の成否
裁判要旨離婚に伴う財産分与は、民法
七六八条三項〈財産分与〉の規定の趣旨に反して不相当に過大であり、財産分与に仮託してされた財産処分であると認めるに足りるような特段の事情のない限り、詐害行為とはならない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和58年12月19日 昭和57(オ)798
- 登載
- 民集 第37巻10号1532頁
- 参照法条
- 民法424条,民法768条
論点27第768条民法
協議・審判等による具体的内容形成前の財産分与請求権に基づく債権者代位権行使の許否
裁判要旨離婚後協議あるいは審判等によつて具体的内容が形成される前の財産分与請求権を保全するために債権者代位権を行使することは許されない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和55年7月11日 昭和53(オ)321
- 登載
- 民集 第34巻4号628頁
- 参照法条
- 民法432条,民法768条
論点28第768条民法
離婚の訴の附帯請求として離婚に基づく損害賠償及び財産分与の双方を併合して請求することの可否
裁判要旨裁判上の離婚を請求する者はこれに附帯して離婚に基づく損害賠償及び財産分与の双方を併合して請求することを妨げず、その場合には裁判所は財産分与額を定めるにつき損害賠償の点をその要素として考慮することができない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和53年2月21日 昭和52(オ)1239
- 登載
- 集民 第123号83頁
- 参照法条
- 民法709条,民法768条,人事訴訟手続法7条,人事訴訟手続法15条
論点29第768条民法
離婚訴訟における財産分与と過去の婚姻費用分担の態様の斟酌
裁判要旨離婚訴訟において裁判所が財産分与を命ずるにあたつては、当事者の一方が婚姻継続中に過当に負担した婚姻費用の清算のための給付をも含めて財産分与の額及び方法を定めることができる。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和53年11月14日 昭和53(オ)706
- 登載
- 民集 第32巻8号1529頁
- 参照法条
- 民法768条3項,民法771条,人事訴訟手続法15条
論点30第768条民法
離婚による慰籍料と財産分与との関係
裁判要旨すでに財産分与がなされた場合においても、それが損害賠償の要素を含めた趣旨とは解されないか、または、その額および方法において分与請求者の精神的苦痛を慰籍するに足りないと認められるものであるときは、右請求者は、別個に、相手方の不法行為を理由として離婚による慰籍料を請求することを妨げられない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和46年7月23日 昭和43(オ)142
- 登載
- 民集 第25巻5号805頁
- 参照法条
- 民法709条,民法710条,民法768条,民法771条
論点31第768条民法
一 民法第七六八条第三項〈財産分与〉による財産の分与の額の定め方
二 人事訴訟手続法第一五条第一項による財産の分与の申立方法
裁判要旨一 民法
第七六八条第三項〈財産分与〉によつて財産の分与の額を定めるには、金銭以外の財産をもつてすることができ、この場合には、その財産を特定すれば足りる。
二 人事訴訟手続法第一五条第一項によつて財産の分与の申立をするには、分与を求める額および方法を特定してすることを要しない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和41年7月15日 昭和39(オ)539
- 登載
- 民集 第20巻6号1197頁
- 参照法条
- 民法768条,人事訴訟手続法15条1項,民訴法186条
論点32第768条民法
財産分与の額および方法を定める時期。
裁判要旨裁判上の離婚の場合においては、訴訟の最終口頭弁論当時における当事者双方の財産状態を考慮して、財産分与の額および方法を定めるべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和34年2月19日 昭和32(オ)333
- 登載
- 民集 第13巻2号174頁
- 参照法条
- 民法771条,民法768条
論点33第768条民法
一 離婚と慰藉料請求権
二 離婚の場合における慰藉料請求権と財産分与請求権との関係
裁判要旨一 夫婦がその一方甲の有責不法な行為によつて離婚のやむなきに至つたときは、その行為が必ずしも相手方乙の身体、自由、名誉等に対する重大な侵害行為にはあたらない場合でも、乙は、その離婚のやむなきに至つたことについての損害の賠償として、甲に対し慰藉料を請求することができる。
二 前項の場合において、乙が甲に対し、財産分与請求権を有することは、慰藉料請求権の成立を妨げるものではない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和31年2月21日 昭和26(オ)469
- 登載
- 民集 第10巻2号124頁
- 参照法条
- 民法709条,民法710条,民法768条,民法771条
論点34第768条民法
協議離婚に伴う財産分与契約をした分与者の課税負担の錯誤に係る動機が意思表示の内容をなしたとされた事例
裁判要旨協議離婚に伴い夫が自己の不動産全部を妻に譲渡する旨の財産分与契約をし、後日夫に二億円余の譲渡所得税が課されることが判明した場合において、右契約の当時、妻のみに課税されるものと誤解した夫が心配してこれを気遣う発言をし、妻も自己に課税されるものと理解していたなど判示の事実関係の下においては、他に特段の事情がない限り、夫の右課税負担の錯誤に係る動機は、妻に黙示的に表示されて意思表示の内容をなしたものというべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成元年9月14日 昭和63(オ)385
- 登載
- 集民 第157号555頁
- 参照法条
- 民法95条,民法768条,所得税法33条
論点35第768条民法
財産分与金の支払を目的とする債権と取戻権
裁判要旨財産分与の分与者が破産した場合において、その相手方は、破産管財人に対し、取戻権の行使として、財産分与金の支払を目的とする債権の履行を請求することはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成2年9月27日 平成2(オ)718
- 登載
- 集民 第160号373頁
- 参照法条
- 民法768条,破産法87条
論点36第768条民法
離婚訴訟における財産分与の裁判と不利益変更禁止の原則
裁判要旨離婚訴訟において、財産分与を命じた判決に対して控訴の申立てがされた場合、財産分与に関する裁判については、いわゆる不利益変更禁止の原則の適用はない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成2年7月20日 平成2(オ)695
- 登載
- 民集 第44巻5号975頁
- 参照法条
- 民法768条,民訴法385条,人事訴訟手続法15条1項ないし3項
論点37第768条民法
1 離婚の訴えの原因である事実によって生じた損害賠償請求の反訴の提起及び離婚の訴えに附帯してする財産分与の申立てについての控訴審における相手方の同意の要否
2 原審の口頭弁論の終結に至るまでに離婚請求に附帯して財産分与の申立てがされた場合において上訴審が原審の判断のうち財産分与の申立てに係る部分について違法があることを理由に原判決を破棄し又は取り消して当該事件を原審に差し戻すとの判断に至ったときに離婚請求に係る部分を差し戻すことの要否
裁判要旨1 離婚の訴えの原因である事実によって生じた損害賠償請求の反訴の提起及び離婚の訴えに附帯してする財産分与の申立てについては,控訴審においても,相手方の同意を要しない。
2 原審の口頭弁論の終結に至るまでに離婚請求に附帯して財産分与の申立てがされた場合において,上訴審が,原審の判断のうち財産分与の申立てに係る部分について違法があることを理由に原判決を破棄し,又は取り消して当該事件を原審に差し戻すとの判断に至ったときには,離婚請求を認容した原審の判断に違法がない場合であっても,財産分与の申立てに係る部分のみならず,離婚請求に係る部分をも破棄し,又は取り消して,共に原審に差し戻すこととするのが相当である。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成16年6月3日 平成14(受)505
- 登載
- 集民 第214号355頁
- 参照法条
- 民法768条,民法771条,人事訴訟法32条1項,家事審判法9条1項乙類5号,人事訴訟手続法8条,人事訴訟法18条,民訴法300条,民訴法307条,民訴法308条,民訴法325条
論点38第768条民法
内縁の夫婦の一方の死亡により内縁関係が解消した場合に民法七六八条の規定を類推適用することの可否
裁判要旨内縁の夫婦の一方の死亡により内縁関係が解消した場合に、民法
七六八条〈財産分与〉の規定を類推適用することはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成12年3月10日 平成11(許)18
- 登載
- 民集 第54巻3号1040頁
- 参照法条
- 民法768条,民法896条
論点39第768条民法
離婚請求に附帯して財産分与の申立てがされた場合において当事者が婚姻中にその双方の協力によって得たものとして分与を求める財産の一部につき財産分与についての裁判をしないことの許否
裁判要旨離婚請求に附帯して財産分与の申立てがされた場合において、裁判所が離婚請求を認容する判決をするに当たり、当事者が婚姻中にその双方の協力によって得たものとして分与を求める財産の一部につき、財産分与についての裁判をしないことは許されない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 令和4年12月26日 令和3(受)1115
- 登載
- 民集 第76巻7号1948頁
- 参照法条
- 民法768条2項、民法768条3項、民法771条、人事訴訟法32条1項
論点40第768条民法
財産の分与に関する処分の審判において当事者双方がその協力によって得た一方当事者の所有名義の不動産であって他方当事者が占有するものにつき当該他方当事者に分与しないものと判断した場合に家事事件手続法154条2項4号に基づきその明渡しを命ずることの許否
裁判要旨家庭裁判所は,財産の分与に関する処分の審判において,当事者双方がその協力によって得た一方当事者の所有名義の不動産であって他方当事者が占有するものにつき,当該他方当事者に分与しないものと判断した場合,その判断に沿った権利関係を実現するため必要と認めるときは,家事事件手続法154条2項4号に基づき,当該他方当事者に対し,当該一方当事者にこれを明け渡すよう命ずることができる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 令和2年8月6日 令和1(許)16
- 登載
- 民集 第74巻5号1529頁
- 参照法条
- 民法768条3項,家事事件手続法154条2項4号