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所有権/共有

共有の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

民法第249条から第264条は、複数人が一つの物を共同で所有する「共有」について、使用・変更・管理をどのように決めるか、持分がどう得喪するか、分割をどう行うかを定めています。行為の種類によって共有者全員の同意が必要な場合と持分の過半数で決められる場合とがあり、他の共有者の所在等が不明なときの裁判所の関与手続も定められています。分割協議が調わない場合の裁判による分割、遺産分割との調整、所有権以外の財産権への準用についても扱っています。

共有物に関する行為と決定要件
行為の種類決定に必要な要件具体例
変更(著しい変更)共有者全員の同意増改築など
管理(変更を除く)持分価格の過半数の賛成管理者の選任・解任
保存行為各共有者が単独で可能修繕など
使用持分に応じて全部を使用可持分超過分は対価償還
短期の賃借権等の設定過半数の決定で設定可山林10年/土地5年/建物3年/動産6ヶ月
  • 使用による対価償還義務は別段の合意があれば適用されない(249条2項)
  • 共有物を使用する共有者がいても管理事項の決定は同じ過半数原則による(252条1項)
  • 他の共有者の所在等が不明な場合、全員同意や過半数決定に代わる裁判所の裁判が利用できる(251条2項・252条2項)
  • 相続財産に属する持分の分割・取得・譲渡には相続開始から10年の経過など遺産分割との調整規定がある(258条の2・262条の2・262条の3)
  • 5年を超えない期間内の不分割契約は締結・更新ができる(256条)
  • 境界標等(229条の共有物)には256条の分割請求の規定は適用されない(257条)
1

共有

共有について、条文は何を定めているか。

第249条共有物の使用各共有者は持分に応じて全部を使用できる3項判例 20件
  • 共有者は共有物の全部をその持分に応じて使用できる
  • 別段の合意がなければ持分を超える使用の対価を償還する義務がある
  • 共有物の使用には善良な管理者の注意義務が課される
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第250条共有持分の割合の推定持分の割合は相等しいと推定される1項判例なし
  • 各共有者の持分は相等しいものと推定される
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第251条共有物の変更他の共有者全員の同意がないと変更不可2項判例 11件
  • 形状・効用の著しい変更を伴わない行為は同意不要
  • 所在等が不明な共有者がいれば残りの同意で変更できる旨の裁判が可能
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第252条共有物の管理管理事項は持分の過半数で決定できる5項・6号判例 17件
  • 賃借権等の設定も山林10年・土地5年・建物3年・動産6箇月以内なら過半数で可能
  • 決定が使用中の共有者に特別の影響を及ぼすときはその承諾が必要
  • 保存行為はいつでも各共有者が単独でできる
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第252_2条共有物の管理者管理者は共有物の管理行為ができる4項判例なし
  • 管理者が共有物に変更を加えるには共有者全員の同意が必要
  • 管理者は共有者が決めた管理事項に従って職務を行う義務がある
  • この義務に反する行為は共有者に効力を生じないが善意の第三者には対抗できない
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第253条共有物に関する負担費用は持分に応じて負担する2項判例なし
  • 各共有者は持分に応じて管理費用など共有物の負担を負う
  • 1年以内に支払わない共有者がいれば他の共有者は償金を支払いその持分を取得できる
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第254条共有物についての債権共有者間の債権は持分の譲受人にも行使可1項判例 1件
  • 共有者の一人が他の共有者に持つ債権は特定承継人にも行使できる
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第255条持分の放棄及び共有者の死亡持分放棄・相続人なき死亡で持分は他の共有者へ1項判例 3件
  • 共有者が持分を放棄すると他の共有者に帰属する
  • 相続人がいないまま死亡した場合も持分は他の共有者に帰属する
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第256条共有物の分割請求共有者はいつでも分割請求できる2項判例 5件
  • 各共有者はいつでも共有物の分割を請求できる
  • 5年を超えない期間内なら分割しない契約もできる
  • 不分割契約は更新でき、更新時から5年を超えない範囲となる
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第257条229条〈境界標等の共有の推定〉の共有物には分割請求規定を適用しない1項判例なし
  • 民法229条〈境界標等の共有の推定〉に規定する共有物には256条〈共有物の分割請求〉の分割請求の規定は適用されない
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第258条裁判による共有物の分割協議が調わなければ裁判所に分割を請求できる4項・2号判例 17件
  • 分割の協議が調わない・協議できないときは裁判所に請求できる
  • 裁判所は現物分割、または持分取得と債務負担による分割を命じられる
  • 分割不能・価格著減のおそれがあれば競売、また金銭支払等の給付も命じられる
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第258_2条遺産分割対象の共有物は258条〈裁判による共有物の分割〉の分割不可3項判例なし
  • 共同相続人間で遺産分割すべき共有物には258条〈裁判による共有物の分割〉の分割はできない
  • 相続開始から10年経過後は258条〈裁判による共有物の分割〉の分割が可能(異議申出があれば別)
  • 異議申出は裁判所からの通知を受けた日から2箇月以内にする必要がある
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第259条共有に関する債権の弁済共有者間の債権は分割時に持分で弁済に充当可2項判例 1件
  • 共有者は他の共有者への債権を分割時に債務者の取得分で弁済に充てられる
  • 弁済に売却が必要なときは債権者がその売却を請求できる
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第260条共有物の分割への参加権利者・債権者は自己の費用で分割に参加できる2項判例なし
  • 共有物に権利を有する者や各共有者の債権者は自己の費用で分割に参加できる
  • 参加請求を無視して分割すると請求者に対抗できない
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第261条分割における共有者の担保責任分割後も売主同様の担保責任を持分に応じ負う1項判例なし
  • 各共有者は他の共有者が分割で取得した物について売主と同じ担保責任を負う
  • 責任の範囲は各自の持分に応じる
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第262条共有物に関する証書分割後の証書は取得者や最大部分取得者が保管4項判例なし
  • 分割後、各取得者は自分が取得した物の証書を保存する義務がある
  • 数人で分割した証書は最大部分取得者が保存、いなければ協議、不調なら裁判所指定
  • 証書の保存者は他の分割者の請求があれば証書を使用させなければならない
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第262_2条所在等不明共有者の持分の取得所在不明の共有者の持分を裁判で取得できる5項判例なし
  • 不動産で他の共有者の所在等が不明なら裁判所の裁判でその持分を取得できる
  • 相続財産に属する持分は相続開始から10年経過前は原則取得不可
  • 取得した共有者は所在等不明共有者への時価相当額の支払義務を負う
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第262_3条所在等不明共有者の持分の譲渡所在不明共有者の持分を第三者へ譲渡する権限付与4項判例なし
  • 他の共有者全員が持分全部を譲渡することを条件に裁判所が譲渡権限を付与できる
  • 相続財産に属する持分は相続開始から10年経過前は原則対象外
  • 譲渡が実行されると所在等不明共有者は時価相当額(持分按分)の支払を請求できる
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第263条共有の性質を有する入会権入会権には慣習を優先しつつ共有の規定も適用1項判例 15件
  • 共有の性質を持つ入会権は各地方の慣習に従いつつ共有の規定も適用される
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第264条準共有所有権以外の財産権の共有にも規定を準用1項判例 10件
  • 数人で所有権以外の財産権を持つ場合にもこの節の規定を準用する
  • 262条の2〈所在等不明共有者の持分の取得〉・262条の3〈所在等不明共有者の持分の譲渡〉は準用対象外
  • 法令に特別の定めがあればそちらが優先する
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第249条民法

共有者の一部の者から共有物の占有使用を承認された第三者に対するその余の共有者からの明渡請求の可否

裁判要旨共有者の一部の者から共有物を占有使用することを承認された第三者に対して、その余の共有者は、当然には、共有物の明渡しを請求することができない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和63年5月20日 昭和62(オ)53
登載
集民 第154号71頁
参照法条
民法249条,民法252条
論点2第249条民法

共有者の一部の者の名義にされた所有権移転登記又は所有権移転請求権仮登記につき他の共有者が抹消登記手続を求めることができる範囲

裁判要旨共有者の一部の者の名義に所有権移転登記又は所有権移転請求権仮登記がされている場合に、他の共有者が妨害排除として右一部の者に対して請求することができる登記手続は、自己の持分についての一部抹消(更正)登記手続に限られる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和59年4月24日 昭和56(オ)817
登載
集民 第141号603頁
参照法条
民法249条,不動産登記法63条
論点3第249条民法

一 一筆の土地の一部分の売買契約においてその対象である土地部分が具体的に特定していないとされた事例
二 多数持分権者との間の売買契約に基づいて共有地の一部分の引渡を受けた者に対する少数持分権者からの返還請求ができないとされた事例

裁判要旨一 一筆の土地の一部分の売買契約において、売却部分の面積が六〇坪となるよう右土地の南端から八メートル余の地点で東西に線を引くと楠の根がかかることになり、また、その西側部分については、後日、東西の市道からの進入路を拡幅するために必要な部分を買主において提供することが予定されていたので、売買契約書上では約六〇坪と表示し、分筆・移転登記の際の正確な測量に基づいて売り渡すべき土地の範囲を確定することにしたときは、売買の対象である土地部分が具体的に特定しているとはいえない。
二 多数持分権者が、共有地の一部分についての売買契約を締結し、具体的な土地の範囲を確定しないまま、おおよその部分を買主に引き渡してこれを占有使用させているときは、右占有使用の承認が共有者の協議を経ないものであつても、少数持分権者は、当然には買主に対して右土地部分の返還を請求することができない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和57年6月17日 昭和56(オ)742
登載
集民 第136号111頁
参照法条
民法206条,民法249条,民法252条,民法555条
論点4第249条民法

一 一区画の仮換地の一部でこれに対応する従前の土地部分の特定がないものを所有の意志をもつて占有した場合における従前の土地の共有持分の時効取得及びこれに伴い右占有に係る土地について取得する使用収益権能
二 甲土地に対する仮換地を乙土地に対する仮換地であると誤信し所有の意志をもつて占有した者と甲土地の時効取得

裁判要旨一 一区画の仮換地の一部を所有の意思をもつて所要の期間継続して占有した者は、従前の土地につき右占有部分に対応する部分が特定されていないときは、時効により従前の土地に対する共有持分権を取得するとともに、当該占有部分につき、共有持分権者の一人が現に排他的な使用収益権能を取得している場合と同様の使用収益権能を取得する。
二 所有の意思をもつて甲土地に対する仮換地の占有を継続した者がこれを乙土地に対する仮換地と誤信していた場合であつても、その者による甲土地についての時効取得が成立する。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和56年6月4日 昭和53(オ)204
登載
民集 第35巻4号735頁
参照法条
民法162条,民法249条,土地区画整理法99条
論点5第249条民法

共有物に対する不法行為と共有者の損害賠償請求権の範囲

裁判要旨共有者は、共有物に対する不法行為によつて被つた損害について、自己の共有持分の割合に応じてのみ、その賠償を請求することができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和51年9月7日 昭和50(オ)1072
登載
集民 第118号423頁
参照法条
民法249条,民法709条
論点6第249条民法

一、共有者全員が提起した共有権確認訴訟と固有必要的共同訴訟
二、共有者全員が提起した共有権に基づく所有権移転登記手続請求訴訟と固有必要的共同訴訟

裁判要旨一、一個の物を共有する数名の者全員が、共同原告となり、共有権(その数名が共同して有する一個の所有権)に基づき共有権の確認を求めているときは、その訴訟の形態は、固有必要的共同訴訟と解すべきである。
二、一個の不動産を共有する数名の者全員が、共同原告となり、共有権(その数名が共同して有する一個の所有権)に基づき所有権移転登記手続を求めているときは、その訴訟の形態は、固有必要的共同訴訟と解すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和46年10月7日 昭和42(オ)535
登載
民集 第25巻7号885頁
参照法条
民訴法62条,民法249条,民法251条
論点7第249条民法

一、仮換地につき買受部分を特定してなされた売買契約と売主としての登記を移転すべき義務
二、売主の担保責任を加重する特約の効力

裁判要旨一、土地の売買契約が仮換地につきその一部分を特定してなされたものであるときは、売主の買主に対する売買契約上の登記を移転すべき義務の履行の方法としては、売主は、買主に対し、仮換地全体に対する売買契約の目的とされた土地の地積に応じ、従前地について持分権の移転登記手続をなす義務を負い、買主が売主に対し仮換地指定変更申請に協力しないからといつて右義務の履行を拒むことができるものではない。
二、民法の定める売主の担保責任は強行規定と解すべきではなく、右担保責任を加重する特約は有効である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和45年4月10日 昭和43(オ)1071
登載
集民 第99号21頁
参照法条
土地区画整理法99条,民法249条,民法555条,民法3編2章3節2款
論点8第249条民法

一、共有持分に基づく所有権保存登記抹消請求の許否
二、所有権保存登記の全部抹消を求める請求と更正登記手続を命ずる判決

裁判要旨一、共有者の一人の単独名義に所有権の登記がされている場合には、その登記が保存登記であり、かつ、第三者のための登記が存在しないときでも、他の共有者は、右所有権の登記につき、自己の持分についてのみの一部抹消(更正)登記手続を求めることができるにすぎず、その全部の抹消登記手続を求めることはできない。
二、共有者の一人から他の共有者に対する所有権保存登記全部の抹消登記手続を求める請求は、共有持分に応ずる更正登記手続を求める申立を包含するものと解して、その限度でこれを認容することができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和44年5月29日 昭和42(オ)316
登載
集民 第95号421頁
参照法条
民法249条,不動産登記法63条,民訴法186条
論点9第249条民法

一、仮換地上の建物の競落と法定地上権
二、仮換地の一部分につき売買契約を締結した場合と仮換地の使用収益権
三、従前の土地の共有者の一人の所有する仮換地上建物が競落された場合に法定地上権の成立が認められた事例
四、仮換地上の建物の競落により法定地上権が成立した場合において土地区画整理事業施行者から使用収益部分の指定を受けない間における競落人の建物所有による敷地の占有と不法占有の成否

裁判要旨一、従前の土地の所有者の所有する仮換地上の建物が抵当権の実行により競落されたときは、従前の土地について法定地上権が成立し、競落人は、右法定地上権に基づいて仮換地の使用収益が許されるものと解するのが相当である。
二、土地の売買契約が仮換地につきその一部分を特定して締結され従前の土地そのものにつき買受部分を特定してされたものでないときは、特段の事情のないかぎり、仮換地全体の地積に対する当該特定部分の地積の比率に応じた従前の土地の共有持分について売買契約が締結され、買主と売主とは従前の土地の共有者となるとともに、仮換地上に準共有関係として従前の土地の持分の割合に応じた使用収益権を取得するものと解するのが相当である。
三、前項の場合において、売主と買主との協議により、仮換地上の買受部分を買主の所有とする旨の合意が成立していたときは、買主が買受土地上に建築所有する建物につき設定された抵当権の実行により、右建物の競落人のため従前の土地について法定地上権が成立し、競落人は右法定地上権に基づいて仮換地上の建物敷地を占有しうべき権原を取得するものと解するのが相当である。
四、仮換地上の建物が競落されたことにより従前の土地に法定地上権が成立したときは、右法定地上権について土地区画整理事業施行者から仮換地上に使用収益すべき部分の指定を受けない間においても、競落人の建物所有による敷地の占有は、抵当権設定者たる仮換地使用収益権者との関係では不法占有とならない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和44年11月4日 昭和41(オ)529
登載
民集 第23巻11号1968頁
参照法条
民法388条,民法249条,民法555条,土地区画整理法99条,土地区画整理法85条,土地区画整理法98条
論点10第249条民法

仮換地の指定後従前の土地が分割譲渡された場合と仮換地に対する使用収益権

裁判要旨仮換地の指定後、従前の土地が分割譲渡されて所有者を異にする二筆以上の土地となつた場合においては、施行者により各筆に対する仮換地を特定した変更指定処分がされないかぎり、各所有者は、仮換地全体につき、従前の土地に対する各自の所有地積の割合に応じ使用収益権を共同して行使すべき、いわゆる準共有関係にあるものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和43年12月24日 昭和42(オ)744
登載
民集 第22巻13号3393頁
参照法条
土地区画整理法99条,土地区画整理法129条,特別都市計画法(昭和21年法律第19号)14条,民法249条,民法264条
論点11第249条民法

一 組合財産共有の性質。
二 組合員の一人のなす登記抹消請求の許否。

裁判要旨一 組合財産についても、民法第六六七条〈組合契約〉以下において特別の規定のなされていない限り、民法第二四九条〈共有物の使用〉以下の共有の規定が適用される。
二 組合員の一人は、単独で、組合財産である不動産につき登記簿上の所有名義者たる者に対して登記の抹消を求めることができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和33年7月22日 昭和31(オ)103
登載
民集 第12巻12号1805頁
参照法条
民法第668条,民法第249条,民法252条,民法177条
論点12第249条民法

一個の不動産の全体を目的とする抵当権が設定されている場合における抵当不動産の共有持分の第三取得者による滌除の可否

裁判要旨一個の不動産の全体を目的とする抵当権が設定されている場合には、右抵当不動産の共有持分を取得した第三者が抵当権の滌除をすることはできない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成9年6月5日 平成5(オ)1713
登載
民集 第51巻5号2096頁
参照法条
民法249条,民法378条
論点13第249条民法

遺産である建物の相続開始後の使用について被相続人と相続人との間に使用貸借契約の成立が推認される場合

裁判要旨共同相続人の一人が相続開始前から被相続人の許諾を得て遺産である建物において被相続人と同居してきたときは、特段の事情のない限り、被相続人と右の相続人との間において、右建物について、相続開始時を始期とし、遺産分割時を終期とする使用貸借契約が成立していたものと推認される。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成8年12月17日 平成5(オ)1946
登載
民集 第50巻10号2778頁
参照法条
民法249条,民法593条,民法703条,民法898条,民訴法185条
論点14第249条民法

1 甲乙の共有に属する不動産につき甲乙丙を共有者とする所有権保存登記がされている場合における,甲の丙に対する上記登記のうち丙の持分に関する部分の抹消登記手続請求は,更正登記手続を求める趣旨を含むか
2 甲乙の共有に属する不動産につき甲乙丙を共有者とする所有権保存登記がされている場合に甲が丙に対して上記登記の更正登記手続を求めることができる範囲

裁判要旨1 甲乙の共有に属する不動産につき,甲乙丙を共有者とする所有権保存登記がされている場合における,甲の丙に対する上記登記のうち丙の持分に関する部分の抹消登記手続請求は,上記部分を実体的権利に合致させるための更正登記手続を求める趣旨を含むものと解することができる。
2 甲乙の共有に属する不動産につき,甲乙丙を共有者とする所有権保存登記がされている場合において,甲は,丙に対し,甲の持分についての更正登記手続を求めることができるにとどまり,乙の持分についての更正登記手続までを求めることはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成22年4月20日 平成21(オ)1408
登載
集民 第234号49頁
参照法条
(1,2につき)不動産登記法66条,不動産登記法67条(1につき)民訴法246条,不動産登記法68条(2につき)民法249条
論点15第249条民法

不動産を目的とする1個の抵当権が数個の債権を担保しそのうちの1個の債権のみについての保証人が当該債権に係る残債務全額につき代位弁済した場合において当該抵当不動産の換価による売却代金が被担保債権のすべてを消滅させるに足りないときの上記売却代金からの弁済受領額

裁判要旨不動産を目的とする1個の抵当権が数個の債権を担保し,そのうちの1個の債権のみについての保証人が当該債権に係る残債務全額につき代位弁済した場合において,当該抵当不動産の換価による売却代金が被担保債権のすべてを消滅させるに足りないときには,債権者と保証人は,両者間に上記売却代金からの弁済の受領についての特段の合意がない限り,上記売却代金につき,債権者が有する残債権額と保証人が代位によって取得した債権額に応じて案分して弁済を受ける。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成17年1月27日 平成16(受)1019
登載
民集 第59巻1号200頁
参照法条
民法249条,民法264条,民法502条1項
論点16第249条民法

甲名義の不動産につき乙,Yが順次相続したことを原因として直接Yに対して所有権移転登記がされている場合において甲の共同相続人であるXが上記登記の全部抹消を求めることの可否

裁判要旨甲名義の不動産につき,甲から乙,乙からYが順次相続したことを原因として直接Yに対して所有権移転登記がされている場合に,甲の相続につき共同相続人Xが存在するときは,Yが上記不動産につき共有持分権を有しているとしても,Xは,Yに対し,上記不動産の共有持分権に基づき,上記登記の全部抹消を求めることができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成17年12月15日 平成16(オ)402
登載
集民 第218号1191頁
参照法条
民法249条,民法898条,不動産登記法66条,不動産登記法68条
論点17第249条民法

不動産の共有者の1人が不実の持分移転登記を了している者に対し同登記の抹消登記手続請求をすることの可否

裁判要旨不動産の共有者の1人は,共有不動産について実体上の権利を有しないのに持分移転登記を了している者に対し,その持分移転登記の抹消登記手続を請求することができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成15年7月11日 平成13(受)320
登載
民集 第57巻7号787頁
参照法条
民法249条,民法252条
論点18第249条民法

一 不動産の共有者が当該不動産を単独で占有する他の共有者に対し不当利得返還請求ないし損害賠償請求をすることの可否
二 請求の一部についての予備的な請求原因となるべき相続取得の主張を原告がしていなくても裁判所は被相続人の死亡等の事実をしんしゃくすべきであるとされた事例

裁判要旨一 不動産の共有者は、当該不動産を単独で占有することができる権原がないのにこれを単独で占有している他の共有者に対し、自己の持分割合に応じて占有部分に係る賃料相当額の不当利得金ないし損害賠償金の支払を請求することができる。
二 原告が、夫の父が土地を夫に贈与し夫から右土地を相続取得したと主張して、右土地を占有する被告らに対し地代相当損害金等を請求する訴訟において、裁判所は、当事者の主張に基づいて右父の死亡、夫がその相続人の一人であること等の事実を確定した以上、右死亡により夫が右土地の持分を相続取得したことを原告が主張しなかったとしても、適切に釈明権を行使するなどした上でこれらの事実をしんしゃくし、夫の相続による持分の取得及び原告の相続による当該持分の取得を理由に原告の請求の一部を認容すべきであるかどうかについて審理判断すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成12年4月7日 平成9(オ)1876
登載
集民 第198号1頁
参照法条
民法249条,民法703条,民法709条,民訴法246条
論点19第249条民法

共有者の一人による共有物の変更と他の共有者からの原状回復請求の可否

裁判要旨共有者の一人が他の共有者の同意を得ることなく共有物に変更を加えた場合には、他の共有者は、特段の事情がない限り、変更により生じた結果を除去して共有物を原状に復させることを求めることができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成10年3月24日 平成8(オ)551
登載
集民 第187号485頁
参照法条
民法249条,民法251条
論点20第249条民法

内縁の夫婦による共有不動産の共同使用と一方の死亡後に他方が右不動産を単独で使用する旨の合意の推認

裁判要旨内縁の夫婦がその共有する不動産を居住又は共同事業のために共同で使用してきたときは、特段の事情のない限り、両者の間において、その一方が死亡した後は他方が右不動産を単独で使用する旨の合意が成立していたものと推認される。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成10年2月26日 平成6(オ)1900
登載
民集 第52巻1号255頁
参照法条
民法249条,民法703条,民法第4編第2章第1節婚姻の成立,民訴法247条
論点21第251条民法

土地付分譲マンション付属の駐車場専用使用権分譲特約が公序良俗違反として無効とはいえないとされた事例

裁判要旨マンシヨン分譲業者がマンシヨンの敷地の持分と右敷地内の付属の駐車場専用使用権とを別個に譲渡することが同一土地から二重に利益を得ることになるものと速断することはできず、マンシヨン購入者の全員において、駐車場専用使用権を土地付マンシヨン本体の分譲とは別個に購入者に対して分譲する権利が分譲業者に留保されていること並びに右専用使用権の分譲を受けた者及びその譲受人が右駐車場を専用使用することを容認・承諾して、分譲業者とマンシヨン分譲契約を締結したことなど原審認定の事情のもとにおいては、右駐車場専用利用権の設定に関する約定が公序良俗に反するものとはいえない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和56年1月30日 昭和55(オ)747
登載
集民 第132号71頁
参照法条
民法90条,民法251条,民法252条,建物の区分所有等に関する法律8条,建物の区分所有等に関する法律9条,建物の区分所有等に関する法律23条,建物の区分所有等に関する法律24条
論点22第251条民法

共有地についての境界確定の訴と固有必要的共同訴訟

裁判要旨隣接する土地の一方または双方が共有に属する場合の境界確定の訴は、固有必要的共同訴訟と解すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和46年12月9日 昭和44(オ)279
登載
民集 第25巻9号1457頁
参照法条
民訴法62条,民法223条,民法251条
論点23第251条民法

共有者の一人が共有物を自己の単独所有に属するものとして売却した場合の法律関係

裁判要旨共有者の一人が、権限なく、共有物を自己の単独所有に属するものとして他に売り渡した場合でも、売買契約は有効に成立し、自己の持分をこえる部分については、他人の権利の売買としての法律関係を生ずるとともに、自己の持分の範囲内においては、約旨に従つた履行義務を負う。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和43年4月4日 昭和42(オ)30
登載
集民 第90号887頁
参照法条
民法251条,民法560条
論点24第251条民法

共有者全員の同意に欠ける抵当権設定契約の解釈

裁判要旨通常の共有の場合、抵当権設定契約が共有者全員の同意に欠けるため、共有物自体について抵当権設定の効力を生じない場合でも、特段の事情のない限り、同意をしない共有者を除き、右抵当権設定契約をした共有者の各共有持分について抵当権を設定したものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和42年2月23日 昭和41(オ)214
登載
集民 第86号361頁
参照法条
民法251条
論点25第251条民法

土地の共有持分権を第三者へ譲渡する場合には他の共有者の同意を要するか。

裁判要旨土地の共有者がその持分権のみを第三者に移転するには、他の共有者の同意は不要である。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和40年1月19日 昭和37(オ)875
登載
集民 第77号27頁
参照法条
民法251条
論点26第251条民法

組合財産全部の処分には総組合員の合意を要するか。

裁判要旨組合財産に属する一切の権利義務を譲渡する旨の契約をするには、総組合員の合意を必要とする。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和39年1月28日 昭和37(オ)762
登載
集民 第71号409頁
参照法条
民法251条,民法668条,民法676条
論点27第251条民法

1 共有に属する株式について会社法106条本文の規定に基づく指定及び通知を欠いたまま権利が行使された場合における同条ただし書の株式会社の同意の効果
2 共有に属する株式についての議決権の行使の決定方法

裁判要旨1 共有に属する株式について会社法106条本文の規定に基づく指定及び通知を欠いたまま当該株式についての権利が行使された場合において,当該権利の行使が民法の共有に関する規定に従ったものでないときは,株式会社が同条ただし書の同意をしても,当該権利の行使は,適法となるものではない。
2 共有に属する株式についての議決権の行使は,当該議決権の行使をもって直ちに株式を処分し,又は株式の内容を変更することになるなど特段の事情のない限り,株式の管理に関する行為として,民法252条〈共有物の管理〉本文により,各共有者の持分の価格に従い,その過半数で決せられる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成27年2月19日 平成25(受)650
登載
民集 第69巻1号25頁
参照法条
(1,2につき)民法264条 (1につき)会社法106条 (2につき)会社法105条1項3号,民法251条,民法252条
論点28第251条民法

共有の性質を有する入会権の処分につき入会集団の構成員全員の同意を要件としない慣習の効力

裁判要旨共有の性質を有する入会権に関する各地方の慣習の効力は,入会権の処分についても及び,入会集団の構成員全員の同意を要件としないで同処分を認める慣習であっても,公序良俗に反するなどその効力を否定すべき特段の事情が認められない限り,有効である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成20年4月14日 平成18(受)336
登載
民集 第62巻5号909頁
参照法条
民法92条,民法251条,民法263条
論点29第251条民法

土地の共有者のうちに境界確定の訴えを提起することに同調しない者がいる場合にその余の共有者が右の者を被告にして右の訴えを提起することの許否

裁判要旨土地の共有者のうちに境界確定の訴えを提起することに同調しない者がいる場合には、その余の共有者は、隣接する土地の所有者と訴えを提起することに同調しない者とを被告にして右の訴えを提起することができる。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成11年11月9日 平成9(オ)873
登載
民集 第53巻8号1421頁
参照法条
民法251条,民訴法40条,民訴法第1編第3章当事者,民訴法第2編第1章訴え
論点30第252条民法

実用新案登録を受ける権利の共有者の一員が訴を提起してその共有にかかる権利に関する審決の取消を求めることと保存行為

裁判要旨実用新案登録を受ける権利の共有者の、一員が訴を提起してその共有にかかる権利に関する審決の取消を求めることは、右共有にかかる権利についての民法二五二条但書にいう保存行為に該当しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和55年1月18日 昭和52(行ツ)28
登載
集民 第129号43頁
参照法条
民法252条但書,実用新案法9条1項,実用新案法35条,特許法37条
論点31第252条民法

共有物を目的とする貸借契約の解除と民法第五四四第一項の適用の有無。

裁判要旨共有物を目的とする貸借契約の解除は、共有者によつてされる場合は、民法第二五二条〈共有物の管理〉本文にいう「共有物ノ管理ニ関スル事項」に該当すると解すべきであり、右解除については、民法第五四四条第一項〈解除権の不可分性〉の規定は適用されない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和39年2月25日 昭和36(オ)397
登載
民集 第18巻2号329頁
参照法条
民法544条1項,民法252条
論点32第252条民法

共有土地の賃貸行為と民法第二五二条。

裁判要旨共有土地を賃貸する行為は、民法第二五二条〈共有物の管理〉にいう「共有物ノ管理ニ関スル事項」にあたる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和39年1月23日 昭和38(オ)734
登載
集民 第71号275頁
参照法条
民法252条
論点33第252条民法

不動産共有者の一人のみによる登記簿上の所有名義人に対する登記抹消請求の許否

裁判要旨不動産共有者の一人はその持分権に基き、単独で当該不動産につき登記簿上所有名義を有する者に対しその登記の抹消を請求することができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和31年5月10日 昭和29(オ)4
登載
民集 第10巻5号487頁
参照法条
民法252条,民訴法62条
論点34第252条民法

共同相続人の一人が相続財産たる家屋の使用借主である場合と他の共同相続人のなす使用貸借の解除

裁判要旨共同相続人の一人が相続財産たる家屋の使用借主である場合、他の共同相続人においてなす右使用貸借の解除は、民法第二五二条〈共有物の管理〉本文の管理行為にあたる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和29年3月12日 昭和27(オ)210
登載
民集 第8巻3号696頁
参照法条
民法252条
論点35第252条民法

有限会社法二二条、商法二〇三条二項にいう社員の権利を行使すべき者の指定方法

裁判要旨有限会社の持分が数人の共有に属する場合、有限会社法二二条、商法二〇三条二項にいう社員の権利を行使すべき者は、その共有持分の価格に従い過半数をもって定める。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成9年1月28日 平成5(オ)1939
登載
集民 第181号83頁
参照法条
有限会社法22条,商法203条2項,民法252条,民法264条
論点36第252条民法

共有に属する要役地のために地役権設定登記手続を求める訴えと固有必要的共同訴訟

裁判要旨共有に属する要役地のために地役権設定登記手続を求める訴えは、固有必要的共同訴訟に当たらない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成7年7月18日 平成3(オ)1684
登載
民集 第49巻7号2664頁
参照法条
民訴法62条,民法252条,民法280条
論点37第252条民法

1 金融機関の預金者に対する預金口座の取引経過開示義務の有無
2 共同相続人の一人が被相続人名義の預金口座の取引経過開示請求権を単独で行使することの可否

裁判要旨1 金融機関は,預金契約に基づき,預金者の求めに応じて預金口座の取引経過を開示すべき義務を負う。
2 預金者の共同相続人の一人は,共同相続人全員に帰属する預金契約上の地位に基づき,被相続人名義の預金口座の取引経過の開示を求める権利を単独で行使することができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成21年1月22日 平成19(受)1919
登載
民集 第63巻1号228頁
参照法条
(1,2につき)民法645条,民法656条,民法666条 (2につき)民法252条,民法264条,民法898条
論点38第252条民法

特許権の共有者の1人が特許異議の申立てに基づく当該特許の取消決定について単独で取消訴訟を提起することの許否

裁判要旨特許権の共有者の1人は,特許異議の申立てに基づき当該特許を取り消すべき旨の決定がされたときは,単独で取消決定の取消訴訟を提起することができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成14年3月25日 平成13(行ヒ)154
登載
民集 第56巻3号574頁
参照法条
民法252条,民訴法40条,特許法73条,特許法113条,特許法114条,特許法132条,特許法178条
論点39第252条民法

商標権の共有者が当該商標登録の無効審決について単独で取消訴訟を提起することの許否

裁判要旨商標権の共有者は,当該商標登録を無効にすべき旨の審決がされたときは,各自,単独で無効審決の取消訴訟を提起することができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成14年2月28日 平成13(行ヒ)12
登載
集民 第205号825頁
参照法条
民法252条,民訴法40条,商標法35条,商標法46条,商標法56条1項,商標法63条,特許法73条,特許法132条
論点40第252条民法

商標権の共有者の1人が当該商標登録の無効審決について単独で取消訴訟を提起することの許否

裁判要旨商標権の共有者の1人は,当該商標登録を無効にすべき旨の審決がされたときは,単独で無効審決の取消訴訟を提起することができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成14年2月22日 平成13(行ヒ)142
登載
民集 第56巻2号348頁
参照法条
民法252条,民訴法40条,商標法35条,商標法46条,商標法56条1項,商標法63条,特許法73条,特許法132条
論点41第254条民法

民法第二五四条〈共有物についての債権〉の適用が認められた事例。

裁判要旨土地の共有持分の一部を譲り受けた者が、他の共有者と、共有者間の内部において、その土地の一部を分割し、その部分を右譲受人の単独所有として独占的に使用しうること及び後に分筆登記が可能となつたときは直ちにその登記をなすことを約した場合は、その後同土地につき共有持分を譲り受けた者に対して右契約上の債権を行うことができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和34年11月26日 昭和32(オ)729
登載
民集 第13巻12号1550頁
参照法条
民法254条
論点42第255条民法

共有持分権の放棄と登記方法

裁判要旨共有登記のなされている不動産につき、共有者の一人が持分権を放棄した場合には、他の共有者は、放棄にかかる持分権の移転登記手続を求めるべきであつて、放棄者の持分権取得登記の抹消登記手続を求めることは許されない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和44年3月27日 昭和43(オ)602
登載
民集 第23巻3号619頁
参照法条
民法177条,民法255条,不動産登記法1条
論点43第255条民法

共有持分の放棄と民法第九四条

裁判要旨他の共有者に対してなされた共有持分の放棄の意思表示が、右共有者との通謀による虚偽のものであるときは、右意思表示については、民法第九四条〈虚偽表示〉が類推適用される。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和42年6月22日 昭和41(オ)1277
登載
民集 第21巻6号1479頁
参照法条
民法94条,民法255条
論点44第255条民法

共有者の一人が相続人なくして死亡したときとその持分の帰すう

裁判要旨共有者の一人が死亡し、相続人の不存在が確定し、相続債権者や受遺者に対する清算手続が終了したときは、その持分は、民法九五八条の三に基づく特別縁故者に対する財産分与の対象となり、右財産分与がされないときに、同法二五五条〈持分の放棄及び共有者の死亡〉により他の共有者に帰属する。
(反対意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成元年11月24日 昭和63(行ツ)40
登載
民集 第43巻10号1220頁
参照法条
民法255条,民法958条の3
論点45第256条民法

一 森林法一八六条本文と憲法二九条二項

二 民法二五八条〈裁判による共有物の分割〉による共有物の現物分割と価格賠償の方法による調整

三 数か所に分かれて存在する多数の共有不動産についての民法二五八条による現物分割といわゆる一括分割

四 民法二五八条による多数共有者間の現物分割といわゆる一部分割

裁判要旨一 森林法一八六条本文は、憲法二九条二項に違反する。

二 民法二五八条〈裁判による共有物の分割〉により共有物の現物分割をする場合には、その一態様として、持分の価格を超える現物を取得する共有者に当該超過分の対価を支払わせて過不足を調整することも許される。

三 数か所に分かれて存在する多数の共有不動産について、民法二五八条により現物分割をする場合には、これらを一括して分割の対象とし、分割後のそれぞれの不動産を各共有者の単独所有とすることも許される。

四 多数の者が共有する物を民法二五八条により現物分割する場合には、分割請求者の持分の限度で現物を分割し、その余は他の者の共有として残す方法によることも許される。
(一につき補足意見、意見及び反対意見、二、四につき補足意見がある。)
裁判
最高裁判所大法廷 昭和62年4月22日 昭和59(オ)805
登載
民集 第41巻3号408頁
参照法条
憲法29条1項,憲法29条2項,民法256条1項,民法258条,森林法186条
論点46第256条民法

共有不動産の分割と地方税法七三条の二第一項にいう「不動産の取得」

裁判要旨共有不動産の分割により他の共有者の有していた持分を取得することは、地方税法七三条の二第一項にいう「不動産の取得」にあたる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和53年4月11日 昭和51(行ツ)55
登載
民集 第32巻3号583頁
参照法条
地方税法73条の2第1項,民法256条
論点47第256条民法

共有物分割の結果不動産の一部について単独所有権を取得した場合の登記方法

裁判要旨共有物分割の結果不動産の一部について単独所有権を取得した場合には、分筆登記を経由したうえで、権利の一部移転の登記手続をすべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和42年8月25日 昭和40(行ツ)53
登載
民集 第21巻7号1729頁
参照法条
民法256条,不動産登記法39条ノ2
論点48第256条民法

共有者の換地予定地使用権につき裁判所に分割を請求することの可否

裁判要旨土地の共有者は、その共有する換地予定地使用権の分割を裁判所に請求することができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和41年12月22日 昭和40(オ)632
登載
集民 第85号795頁
参照法条
民法256条,民法264条,土地区画整理法99条
論点49第256条民法

一 相続財産の共有の性質
二 遺産分割の方法

裁判要旨一 相続財産の共有は、民法改正の前後を通じ、民法二四九条〈共有物の使用〉以下に規定する「共有」とその性質を異にするものではない。
二 遺産の分割に関しては、民法二五六条〈共有物の分割請求〉以下の規定が適用せられる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和30年5月31日 昭和28(オ)163
登載
民集 第9巻6号793頁
参照法条
民法898条,民法256条,民法258条,民法906条,民法907条,旧民法1002条,家事審判法9条乙類10号,家事審判規則104条,家事審判規則107条
論点50第258条民法

相続により相続人の共有となつた財産について共有物分割の訴えを提起することの許否

裁判要旨相続により相続人の共有となつた財産について、共同相続人間に遺産の分割の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、遺産の分割の審判を求めるべきであつて、共有物分割の訴えを提起することは許されない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和62年9月4日 昭和59(オ)569
登載
集民 第151号645頁
参照法条
民法258条,民法907条,家事審判法9条1項乙類10号
論点51第258条民法

一 共有物分割の訴えにおいて分割の方法を具体的に指定することの要否
二 共有物を現物で分割することが不可能であるか又は現物で分割することによつて著しく価格を損するおそれがあるときと裁判の内容

裁判要旨一 共有物分割の訴えにおいては、当事者は、共有物の分割を求める旨を申し立てれば足り、分割の方法を具体的に指定することを要しない。
二 共有物を現物で分割することが不可能であるか又は現物で分割することによつて著しく価格を損するおそれがあるときには、裁判所は、共有物を競売に付しその売得金を共有者の持分の割合に応じて分割することを命ずることができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和57年3月9日 昭和53(オ)927
登載
集民 第135号313頁
参照法条
民法258条,民訴法186条
論点52第258条民法

共同相続人の一部から遺産を構成する特定不動産の共有持分権を譲り受けた第三者が共有関係解消のためにとるべき裁判手続

裁判要旨共同相続人の一部から遺産を構成する特定不動産の共有持分権を譲り受けた第三者が当該共有関係の解消のためにとるべき裁判手続は、遺産分割審判ではなく、共有物分割訴訟である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和50年11月7日 昭和47(オ)121
登載
民集 第29巻10号1525頁
参照法条
民法258条1項,民法907条2項
論点53第258条民法

一、民法二五八条一項〈裁判による共有物の分割〉にいう「共有者ノ協議調ハサルトキ」の意義

二、共有物分割訴訟と持分譲受の登記

三、民法二五八条二項にいう「現物ヲ以テ分割ヲ為スコト能ハサルトキ」の意義

裁判要旨一、民法二五八条一項〈裁判による共有物の分割〉にいう「共有者ノ協議調ハサルトキ」とは、共有者の一部に共有物分割の協議に応ずる意思がないため共有者全員において協議をすることができない場合を含むものであつて、現実に協議をしたうえで不調に終わつた場合に限られるものではない。

二、不動産の共有物分割訴訟においては、共有者間に持分の譲渡があつても、その登記が存しないため、譲受人が持分の取得をもつて他の共有者に対抗することができないときは、共有者全員に対する関係において、右持分がなお譲渡人に帰属するものとして共有物分割を命ずべきである。

三、民法二五八条二項にいう「現物ヲ以テ分割ヲ為スコト能ハサルトキ」とは、現物分割が物理的に不可能な場合のみを指称するのではなく、社会通念土適正な現物分割が著るしく困難な場合をも包含するものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和46年6月18日 昭和46(オ)160
登載
民集 第25巻4号550頁
参照法条
民法258条1項,民法258条2項,民法177条
論点54第258条民法

民法二五八条〈裁判による共有物の分割〉によつてなされる数個の共有物の現物分割が共有者においてそれぞれ各個の物の単独所有権を取得する方法によることが許されるとされた事例

裁判要旨数個の共有建物が一筆の土地上にあり外形上一団の建物とみられる場合に、民法二五八条〈裁判による共有物の分割〉により右建物につき現物分割をするには、右建物を一括して分割の対象とし、共有者がそれぞれ各個の建物の単独所有権を取得する方法によることも許される。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和45年11月6日 昭和41(オ)648
登載
民集 第24巻12号1803頁
参照法条
民法258条
論点55第258条民法

いわゆる全面的価格賠償の方法により共有物を分割することの許される特段の事情の存否について審理判断することなく競売による分割をすべきものとした原審の判断に違法があるとされた事例

裁判要旨甲及び乙の共有に属する借地権とその地上建物の分割をする場合において、右借地権等が甲に遺贈され、乙がこれに対して遺留分減殺請求権を行使した結果、共有関係が発生したものである上、六分の一の持分を有するにすぎない乙が競売による分割を提案しているのに対し、六分の五の持分を有する甲は、今後も右建物に居住することを希望し、自らがこれを単独で取得するいわゆる全面的価格賠償の方法による分割を提案しているところ、右借地権の存続期間などの事情によっては、必ずしも右借地権等を甲に取得させるのが相当でないとはいえず、また、甲の支払能力次第では、右借地権等の適正な評価額に従って乙にその持分の対価を取得させることとしても共有者間の実質的公平を害しないにもかかわらず、全面的価格賠償の方法により共有物を分割することの許される特段の事情の存否について審理判断することなく、直ちに競売による分割をすべきものとした原審の判断には、違法がある。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成9年4月25日 平成7(オ)2461
登載
集民 第183号365頁
参照法条
民法258条,民法264条
論点56第258条民法

一 いわゆる全面的価格賠償の方法による共有物分割の許否
二 共有物を取得させるべき者に賠償金の支払能力があることを確定しないでいわゆる全面的価格賠償の方法により共有物を分割した原審の判断に違法があるとされた事例

裁判要旨一 民法二五八条〈裁判による共有物の分割〉により共有物の分割をする場合において、当該共有物を共有者のうちの特定の者に取得させるのが相当であると認められ、かつ、その価格が適正に評価され、当該共有物を取得する者に支払能力があって、他の共有者にはその持分の価格を取得させることとしても共有者間の実質的公平を害しないと認められる特段の事情があるときは、共有物を共有者のうちの一人の単独所有又は数人の共有とし、これらの者から他の共有者に対して持分の価格を賠償させる方法(いわゆる全面的価格賠償の方法)によることも許される。
二 共有不動産の分割をする場合において、右不動産を共有者の一人である甲に取得させるのが相当でないとはいえないとしても、甲に他の共有者に対する賠償金の支払能力がある事実を確定することなく、直ちにいわゆる全面的価格賠償の方法を採用し、右不動産を甲の単独所有とした上、甲に対して他の共有者の持分の価格の賠償を命じた原審の判断には、違法がある。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成8年10月31日 平成3(オ)1380
登載
民集 第50巻9号2563頁
参照法条
民法258条
論点57第258条民法

いわゆる全面的価格賠償の方法により共有物を分割することが許されるとされた事例

裁判要旨共有土地の分割をする場合において、共有者の一人である甲が二二八分の二二三の持分を有するのに対し、甲以外の五名の共有者の持分は各二二八分の一であり、右持分に相当する土地は、面積の合計が三二・一平方メートルにすぎず、共有土地の所在する場所等も併せ考えると社会的、経済的効用が乏しいこと、甲は、右土地を競売に付することなく、自らがこれを単独で取得するいわゆる全面的価格賠償の方法による分割を希望していること、さらに、右土地の価格が適正に評価されており、甲以外の共有者に対する持分の価格の賠償が困難であるとは考えられないことなど判示の事実関係の下においては、右土地を甲に取得させるのが相当であり、かつ、価格賠償の方法によっても共有者間の実質的公平を害するおそれはないものと認められるから、全面的価格賠償の方法により右土地を分割することが許される。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成8年10月31日 平成7(オ)1962
登載
集民 第180号643頁
参照法条
民法258条
論点58第258条民法

いわゆる全面的価格賠償の方法により共有物を分割することの許される特段の事情の存否について審理判断することなく競売による分割をすべきものとした原審の判断に違法があるとされた事例

裁判要旨共有不動産の分割をする場合において、右不動産が、病院、その附属施設及びこれらの敷地として一体的に病院の運営に供されており、これらを切り離して現物分割をすれば病院運営が困難になることも予想され、また、共有者の一人である甲が競売による分割を希望しているのに対し、他の共有者である乙及び丙は、右不動産を競売に付することなく、自らがこれを取得するいわゆる全面的価格賠償の方法による分割を希望しているところ、右不動産を乙及び丙に取得きせるのが相当でないということはできない上、乙及び丙の支払能力のいかんによっては、右不動産の適正な評価額に従って甲にその持分の価格を取得させることとしても共有者間の実質的公平を害しないにもかかわらず、全面的価格賠償の方法により右不動産を分割することの許される特段の事情の存否について審理判断することなく、直ちに競売による分割をすべきものとした原審の判断には、違法がある。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成8年10月31日 平成8(オ)677
登載
集民 第180号661頁
参照法条
民法258条
論点59第258条民法

分割請求者が多数である場合における民法二五八条による現物分割といわゆる一部分割

裁判要旨民法二五八条〈裁判による共有物の分割〉により共有物の現物分割をする場合において、分割請求者が多数であるときは、分割請求の相手方の持分の限度で現物を分割し、その余は分割請求者の共有として残す方法によることも許される。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成4年1月24日 平成1(オ)867
登載
集民 第164号25頁
参照法条
民法258条
論点60第258条民法

1 共有物について遺産共有持分と他の共有持分とが併存する場合における共有物分割と遺産分割の関係
2 遺産共有持分の価格を賠償させる方法による共有物分割の判決がされた場合に支払われる賠償金の性質とその支払を受けた者の保管義務
3 遺産共有持分の価格を賠償させる方法による共有物分割の判決において賠償金の支払等に関し命じ得る事項

裁判要旨1 共有物について,遺産共有持分と他の共有持分とが併存する場合,共有者が遺産共有持分と他の共有持分との間の共有関係の解消を求める方法として裁判上採るべき手続は民法258条に基づく共有物分割訴訟であり,共有物分割の判決によって遺産共有持分を有していた者に分与された財産は遺産分割の対象となり,この財産の共有関係の解消については同法907条に基づく遺産分割によるべきである。
2 遺産共有持分と他の共有持分とが併存する共有物について,遺産共有持分を他の共有持分を有する者に取得させ,その価格を賠償させる方法による分割の判決がされた場合には,遺産共有持分を有していた者に支払われる賠償金は,遺産分割によりその帰属が確定されるべきものであり,賠償金の支払を受けた者は,遺産分割がされるまでの間これを保管する義務を負う。
3 裁判所は,遺産共有持分を他の共有持分を有する者に取得させ,その価格を賠償させてその賠償金を遺産分割の対象とする方法による共有物分割の判決をする場合には,その判決において,遺産共有持分を有していた者らが各自において遺産分割がされるまで保管すべき賠償金の範囲を定めた上で,同持分を取得する者に対し,各自の保管すべき範囲に応じた額の賠償金を支払うことを命ずることができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成25年11月29日 平成22(受)2355
登載
民集 第67巻8号1736頁
参照法条
(1〜3につき) 民法258条, 民法907条
論点61第258条民法

民法258条2項〈裁判による共有物の分割〉所定の競売を命ずる判決に基づく不動産競売と民事執行法59条及び63条の準用の有無

裁判要旨民法258条2項〈裁判による共有物の分割〉所定の競売を命ずる判決に基づく不動産競売については,民事執行法59条及び63条が準用される。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成24年2月7日 平成23(許)31
登載
集民 第240号1頁
参照法条
民事執行法59条,民事執行法63条,民事執行法188条,民事執行法195条,民法258条2項
論点62第258条民法

一 遺留分減殺の対象とされた贈与等の目的である各個の財産について価額弁償をすることの可否
二 共有株式につき新たに単位未満株式を生じさせる現物分割を命ずることの可否

裁判要旨一 受贈者又は受遺者は、遺留分減殺の対象とされた贈与又は遺贈の目的である各個の財産について、民法一〇四一条一項〈使用貸借等の規定の準用〉に基づく価額弁償をすることができる。
二 いわゆる単位株制度の適用のある株式の共有物分割において、新たに単位未満株式を生じさせる現物分割を命ずることはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成12年7月11日 平成11(受)385
登載
民集 第54巻6号1886頁
参照法条
民法1041条1項,民法258条,昭和56年法律第74号商法等の一部を改正する法律附則15条1項,昭和56年法律第74号商法等の一部を改正する法律附則16条,昭和56年法律第74号商法等の一部を改正する法律附則18条
論点63第258条民法

共有に係る土地及び借地権につきいわゆる全面的価格賠償の方法による分割を命じ土地の持分につき他の持分権者に対する移転登記手続請求を認容すべきものとした原審の判断が適法であるとされた事例

裁判要旨甲土地開発公社と乙との共有に係る面積約1469平方メートルの土地のうち面積約155平方メートルの部分に乙と丙町との共有に係る借地権が存在している場合において,甲は丙の施行する都市計画事業に関し道路拡幅等に使用する目的で右土地の120分の118の持分を取得し,丙は右事業を円満に施行するために右借地権の3分の2の持分を取得したのであって,甲及び丙は乙の有する各持分の取得を希望しており,乙は現在右土地を使用しておらず,乙の有する土地の持分の適正価格は232万円余り,借地権の持分の適正価格は176万円余りで,甲及び丙の右各金員の支払能力に不安はないなど判示の事実関係の下においては,甲及び丙の右土地等の分割請求につきいわゆる全面的価格賠償の方法を採用し甲及び丙にそれぞれ取得させるものとするとともに,甲の乙に対する右土地の持分についての移転登記手続請求を認容すべきものとした原審の判断は,適法である。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成11年4月22日 平成9(オ)1104
登載
集民 第193号159頁
参照法条
民法258条
論点64第258条民法

いわゆる全面価格賠償の方法により共有物を分割することの許される特段の事情の存否について審理判断することなく競売による分割をすべきものとした原審の判断に違法があるとされた事例

裁判要旨一 共有不動産の分割をする場合において、共有者の一人である甲が今後も右不動産に居住することを希望しており、また、合計六分の一の持分を有するにすぎない乙及び丙が競売による分割を求めているのに対し、甲及び他の共有者は、右不動産を競売に付することなく、自らがこれを取得するいわゆる全面的価格賠償の方法による分割を提案しているところ、右不動産を甲らに取得させるのが相当でないということはできず、甲らの支払能力のいかんによっては、右不動産の適正な評価額に従って乙及び丙にその持分の対価を取得させることとしても共有者間の実質的公平を害しないにもかかわらず、全面的価格賠償の方法により共有物を分割することの許される特段の事情の存否について審理判断することなく、直ちに競売による分割をすべきもおとした原審の判断には、違法がある。

二 (補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成10年2月27日 平成7(オ)1684
登載
集民 第187号207頁
参照法条
民法258条
論点65第259条民法

共有土地を共同で使用するのは民法第六六七条の「共同の事業を営むこと」にあたるか

裁判要旨土地の共有者が共同でその土地を使用することは共有土地の利用方法であつて、民法第六六七条〈組合契約〉の「共同の事業を営むこと」にあたらない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和26年4月19日 昭和23(オ)61
登載
民集 第5巻5号256頁
参照法条
民法259条,民法667条
論点66第263条民法

入会権の確認を求める訴えが原告側について通常訴訟と認められる場合

裁判要旨入会団体に個別的に加入を認められたと主張する者が入会権者に対し入会権を有することの確認を請求する場合には、右主張者が各自単独で訴えを提起することができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和58年2月8日 昭和55(オ)936
登載
集民 第138号79頁
参照法条
民訴法62条,民法263条,民法294条
論点67第263条民法

一 入会部落の構成員が有する使用収益権の確認又はこれに基づく妨害排除の請求と右構成員の当事者適格
二 入会部落の構成員が有する使用収益権に基づく地上権設定仮登記抹消登記手続請求の可否

裁判要旨一 入会部落の構成員が有する使用収益権の確認又はこれに基づく妨害排除の請求については、右構成員各自に当事者適格がある。
二 入会部落の構成員は、自己の有する使用収益権を根拠としては入会地について経由された地上権設定仮登記の抹消登記手続を請求することができない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和57年7月1日 昭和51(オ)424
登載
民集 第36巻6号891頁
参照法条
民法263条,民訴法45条,民訴法62条
論点68第263条民法

山林原野の管理利用について部落による共同体的統制が認められないとして右山林原野に対する住民の入会権が否定された事例

裁判要旨山林原野が代議制をとつた村議会等の多数決による議決に基づいて村有財産として管理処分され、あるいは村当局の監督下において村民に利用されて来たなど、右山林原野の管理利用について部落による共同体的統制の存在を認めるに由ない判示の事実関係のもとにおいては、これに対する共有の性質を有する入会権及び共有の性質を有しない入会権は、ともに認められない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和57年1月22日 昭和53(オ)861
登載
集民 第135号83頁
参照法条
民法263条,民法294条
論点69第263条民法

一、入会権確認訴訟における入会権者の死亡と訴訟承継人
二、明治初年の官民有区分処分による官有地編入と入会権の帰すう

裁判要旨一、入会権確認訴訟において、入会権者が死亡した場合には、入会慣行に従つて死亡者に代わり入会権を取得した者が、その訴訟手続を承継する。
二、従前入会権の対象となつていた土地が、明治初年の官民有区分処分によつて官有地に編入されたとしても、その入会権は、右処分によつて当然には消滅しなかつたものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和48年3月13日 昭和42(オ)531
登載
民集 第27巻2号271頁
参照法条
民法263条,民法294条,民訴法208条
論点70第263条民法

一、入会部落の総有に属する土地を買い受けた同部落の構成員と民法一七七条の第三者
二、一筆の土地の一部の所有権時効取得と対抗要件

裁判要旨一、入会部落の総有に属する土地の譲渡を受けた同部落の構成員は、右譲渡前にこれを時効取得した者に対する関係において、民法一七七条〈不動産に関する物権の変動の対抗要件〉にいう第三者にあたる。
二、一筆の土地の一部を時効取得した場合でも、右土地部分の所有権取得につき登記がないときは、時効完成後旧所有者からこれを買い受けた第三者に対抗することができない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和48年10月5日 昭和47(オ)1188
登載
民集 第27巻9号1110頁
参照法条
民法162条,民法177条,民法263条
論点71第263条民法

民法第九四条第二項〈虚偽表示〉の適用または類推適用がないとされた事例

裁判要旨部落民全員が、その総有に属する土地について、入会権者として登記の必要に迫られ、単に登記の便宜から、右部落民の一部の者のために売買による所有権移転登記を経由した場合には、民法第九四条第二項〈虚偽表示〉の適用または類推適用がない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和43年11月15日 昭和42(オ)524
登載
集民 第93号233頁
参照法条
民法94条2項,民法263条
論点72第263条民法

入会権確認の訴は固有必要的共同訴訟か

裁判要旨入会権確認の訴は、入会権が共有の性質を有するかどうかを問わず、入会権者全員で提起することを要する固有必要的共同訴訟である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和41年11月25日 昭和34(オ)650
登載
民集 第20巻9号1921頁
参照法条
民法263条,民法294条,民訴法62条
論点73第263条民法

いわゆる「分け地」が入会地の性格を失わないとされた事例。

裁判要旨入会地の一部がいわゆる「分け地」として部落民個人に分配されたが、部落民は、採草については「分け地」の区分なく、入会地のどこにでも自由に立ち入ることができるし、部落外に転出することにより「分け地」はもとより入会地についての一切の権利を喪失する慣習であり、該権利の売買譲渡その他の処分行為がされた事例がないときは、「分け地」は入会地の性格を失つたということはできない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和40年5月20日 昭和38(オ)1029
登載
民集 第19巻4号822頁
参照法条
民法263条
論点74第263条民法

入会部落団体の構成員たる地位の取得原因。

裁判要旨いかなる者が、部落民として、入会権を有する部落団体の構成員となるかは、もつぱら、部落の慣習によつて定まる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和37年11月2日 昭和35(オ)1244
登載
集民 第63号23頁
参照法条
民法263条,民法294条
論点75第263条民法

「分け地」の慣習と入会権の存否

裁判要旨入会地のある部分を「分け地」と称して部落民のうちの特定の個人に分配し、その分配を受けた個人がこれを独占的に使用収益し、自由に譲渡することが許される慣行が存するときは、特段の事情のない限り、「分け地」については入会権の存在を否定すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和32年9月13日 昭和29(オ)769
登載
民集 第11巻9号1518頁
参照法条
民法263条
論点76第263条民法

一 総有権確認請求訴訟において入会団体が原告適格を有する場合
二 権利能力のない社団である入会団体の代表者が総有権確認請求訴訟を原告の代表者として追行する場合における特別の授権の要否
三 権利能力のない社団である入会団体の代表者でない構成員が総有不動産についての登記手続請求訴訟の原告適格を有する場合

裁判要旨一 入会権者である村落住民が入会団体を形成し、それが権利能力のない社団に当たる場合には、右入会団体は、構成員全員の総有に属する不動産についての総有権確認請求訴訟の原告適格を有する。
二 権利能力のない社団である入会団体の代表者が構成員全員の総有に属する不動産について総有権確認請求訴訟を原告の代表者として追行するには、右入会団体の規約等において右不動産を処分するのに必要とされる総会の議決等の手続による授権を要する。
三 権利能力のない社団である入会団体において、規約等に定められた手続により、構成員全員の総有に属する不動産について代表者でない構成員甲を登記名義人とすることとされた場合には、甲は、右不動産についての登記手続請求訴訟の原告適格を有する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成6年5月31日 平成3(オ)1724
登載
民集 第48巻4号1065頁
参照法条
民法33条,民法263条,民訴法45条,民訴法46条,民訴法58条
論点77第263条民法

入会集団の一部の構成員が訴えの提起に同調しない構成員を被告に加えて構成員全員が訴訟当事者となる形式で第三者に対する入会権確認の訴えを提起することの許否

裁判要旨特定の土地が入会地であるのか第三者の所有地であるのかについて争いがあり,入会集団の一部の構成員が,当該第三者を被告として当該土地が入会地であることの確認を求めようとする場合において,訴えの提起に同調しない構成員がいるために構成員全員で訴えを提起することができないときは,上記一部の構成員は,訴えの提起に同調しない構成員も被告に加え,構成員全員が訴訟当事者となる形式で,構成員全員が当該土地について入会権を有することの確認を求める訴えを提起することが許され,当事者適格を否定されることはない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成20年7月17日 平成18(受)1818
登載
民集 第62巻7号1994頁
参照法条
民法263条,民訴法40条,民訴法第1編第3章 当事者
論点78第263条民法

1 入会部落の慣習に基づく入会集団の会則のうち入会権者の資格要件を一家の代表者としての世帯主に限定する部分が公序良俗に反しないとされた事例
2 入会部落の慣習に基づく入会集団の会則のうち入会権者の資格を原則として男子孫に限定し同入会部落の部落民以外の男性と婚姻した女子孫は離婚して旧姓に復しない限り入会権者の資格を認めないとする部分が民法90条の規定により無効とされた事例

裁判要旨1 A入会部落の慣習に基づく入会集団の会則のうち入会権者の資格要件を一家の代表者としての世帯主に限定する部分は,現在においても,公序良俗に反するものということはできない。
2 A入会部落の慣習に基づく入会集団の会則のうち,入会権者の資格を原則として男子孫に限定し,同入会部落の部落民以外の男性と婚姻した女子孫は離婚して旧姓に復しない限り入会権者の資格を認めないとする部分は,遅くとも平成4年以降においては,性別のみによる不合理な差別として民法90条の規定により無効である。
(2につき補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成18年3月17日 平成16(受)1968
登載
民集 第60巻3号773頁
参照法条
(1,2につき)民法2条,民法90条,民法92条,民法263条,民法294条,憲法14条1項
論点79第263条民法

入会地の売却代金債権が入会権者らに総有的に帰属するとされた事例

裁判要旨入会権者らの総有に属する入会地を売却するに当たり入会権者らが入会権の放棄をした場合であっても,入会権者らが入会地の管理運営等のための管理会を結成し,その規約において入会地の処分等を管理会の事業とし,入会地の売却が管理会の決議に基づいて行われ,売却後も入会権者らの有する他の入会地が残存し,管理会も存続しているなど判示の事実関係の下においては,入会地の売却代金債権は,入会権者らに総有的に帰属する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成15年4月11日 平成13(受)505
登載
集民 第209号481頁
参照法条
民法263条,民法427条
論点80第264条民法

賃借権の持分の譲渡が民法第六一二条の解除事由にならないとされた事例。

裁判要旨建物所有のための土地賃借人たる母がその所有する建物をその親権に服する子との共有名義とし、これにともない敷地の賃借権の持分を譲渡した場合には、賃借地の利用および賃料支払等の実質関係に前後変りがなければ、右賃借権の持分の譲渡は、これについて賃貸人の承諾がなくても、民法第六一二条〈賃借権の譲渡及び転貸の制限〉による解除の事由とはならない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和39年1月16日 昭和37(オ)322
登載
民集 第18巻1号11頁
参照法条
民法612条,民法264条
論点81第264条民法

共同相続された普通預金債権,通常貯金債権及び定期貯金債権は遺産分割の対象となるか

裁判要旨共同相続された普通預金債権,通常貯金債権及び定期貯金債権は,いずれも,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく,遺産分割の対象となる。
(補足意見及び意見がある。)
裁判
最高裁判所大法廷 平成28年12月19日 平成27(許)11
登載
民集 第70巻8号2121頁
参照法条
民法264条,民法427条,民法898条,民法907条
論点82第264条民法

定額郵便貯金債権が遺産に属することの確認を求める訴えの確認の利益

裁判要旨共同相続人間において定額郵便貯金債権が現に被相続人の遺産に属することの確認を求める訴えには,上記債権の帰属に争いがある限り,確認の利益がある。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成22年10月8日 平成21(受)565
登載
民集 第64巻7号1719頁
参照法条
民訴法134条,民法264条,民法427条,民法898条,民法899条,民法907条,郵便貯金法7条1項3号
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

民法 第249条(共有物の使用) 詳細ページ
(共有物の使用)
第二百四十九条各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。
2共有物を使用する共有者は、別段の合意がある場合を除き、他の共有者に対し、自己の持分を超える使用の対価を償還する義務を負う。
3共有者は、善良な管理者の注意をもって、共有物の使用をしなければならない。
民法 第250条(共有持分の割合の推定) 詳細ページ
(共有持分の割合の推定)
第二百五十条各共有者の持分は、相等しいものと推定する。
民法 第251条(共有物の変更) 詳細ページ
(共有物の変更)
第二百五十一条各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。次項において同じ。)を加えることができない。
2共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、当該他の共有者以外の他の共有者の同意を得て共有物に変更を加えることができる旨の裁判をすることができる。
民法 第252条(共有物の管理) 詳細ページ
(共有物の管理)
第二百五十二条共有物の管理に関する事項(次条第一項に規定する共有物の管理者の選任及び解任を含み、共有物に前条第一項に規定する変更を加えるものを除く。次項において同じ。)は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。共有物を使用する共有者があるときも、同様とする。
2裁判所は、次の各号に掲げるときは、当該各号に規定する他の共有者以外の共有者の請求により、当該他の共有者以外の共有者の持分の価格に従い、その過半数で共有物の管理に関する事項を決することができる旨の裁判をすることができる。
一共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき。
二共有者が他の共有者に対し相当の期間を定めて共有物の管理に関する事項を決することについて賛否を明らかにすべき旨を催告した場合において、当該他の共有者がその期間内に賛否を明らかにしないとき。
3前二項の規定による決定が、共有者間の決定に基づいて共有物を使用する共有者に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。
4共有者は、前三項の規定により、共有物に、次の各号に掲げる賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利(以下この項において「賃借権等」という。)であって、当該各号に定める期間を超えないものを設定することができる。
一樹木の栽植又は伐採を目的とする山林の賃借権等十年
二前号に掲げる賃借権等以外の土地の賃借権等五年
三建物の賃借権等三年
四動産の賃借権等六箇月
5各共有者は、前各項の規定にかかわらず、保存行為をすることができる。
民法 第252_2条(共有物の管理者) 詳細ページ
(共有物の管理者)
第二百五十二条の二共有物の管理者は、共有物の管理に関する行為をすることができる。ただし、共有者の全員の同意を得なければ、共有物に変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。次項において同じ。)を加えることができない。
2共有物の管理者が共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有物の管理者の請求により、当該共有者以外の共有者の同意を得て共有物に変更を加えることができる旨の裁判をすることができる。
3共有物の管理者は、共有者が共有物の管理に関する事項を決した場合には、これに従ってその職務を行わなければならない。
4前項の規定に違反して行った共有物の管理者の行為は、共有者に対してその効力を生じない。ただし、共有者は、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
民法 第253条(共有物に関する負担) 詳細ページ
(共有物に関する負担)
第二百五十三条各共有者は、その持分に応じ、管理の費用を支払い、その他共有物に関する負担を負う。
2共有者が一年以内に前項の義務を履行しないときは、他の共有者は、相当の償金を支払ってその者の持分を取得することができる。
民法 第254条(共有物についての債権) 詳細ページ
(共有物についての債権)
第二百五十四条共有者の一人が共有物について他の共有者に対して有する債権は、その特定承継人に対しても行使することができる。
民法 第255条(持分の放棄及び共有者の死亡) 詳細ページ
(持分の放棄及び共有者の死亡)
第二百五十五条共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。
民法 第256条(共有物の分割請求) 詳細ページ
(共有物の分割請求)
第二百五十六条各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。ただし、五年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない。
2前項ただし書の契約は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から五年を超えることができない。
民法 第257条 詳細ページ
第二百五十七条前条の規定は、第二百二十九条に規定する共有物については、適用しない。
民法 第258条(裁判による共有物の分割) 詳細ページ
(裁判による共有物の分割)
第二百五十八条共有物の分割について共有者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、その分割を裁判所に請求することができる。
2裁判所は、次に掲げる方法により、共有物の分割を命ずることができる。
一共有物の現物を分割する方法
二共有者に債務を負担させて、他の共有者の持分の全部又は一部を取得させる方法
3前項に規定する方法により共有物を分割することができないとき、又は分割によってその価格を著しく減少させるおそれがあるときは、裁判所は、その競売を命ずることができる。
4裁判所は、共有物の分割の裁判において、当事者に対して、金銭の支払、物の引渡し、登記義務の履行その他の給付を命ずることができる。
民法 第258_2条 詳細ページ
第二百五十八条の二共有物の全部又はその持分が相続財産に属する場合において、共同相続人間で当該共有物の全部又はその持分について遺産の分割をすべきときは、当該共有物又はその持分について前条の規定による分割をすることができない。
2共有物の持分が相続財産に属する場合において、相続開始の時から十年を経過したときは、前項の規定にかかわらず、相続財産に属する共有物の持分について前条の規定による分割をすることができる。ただし、当該共有物の持分について遺産の分割の請求があった場合において、相続人が当該共有物の持分について同条の規定による分割をすることに異議の申出をしたときは、この限りでない。
3相続人が前項ただし書の申出をする場合には、当該申出は、当該相続人が前条第一項の規定による請求を受けた裁判所から当該請求があった旨の通知を受けた日から二箇月以内に当該裁判所にしなければならない。
民法 第259条(共有に関する債権の弁済) 詳細ページ
(共有に関する債権の弁済)
第二百五十九条共有者の一人が他の共有者に対して共有に関する債権を有するときは、分割に際し、債務者に帰属すべき共有物の部分をもって、その弁済に充てることができる。
2債権者は、前項の弁済を受けるため債務者に帰属すべき共有物の部分を売却する必要があるときは、その売却を請求することができる。
民法 第260条(共有物の分割への参加) 詳細ページ
(共有物の分割への参加)
第二百六十条共有物について権利を有する者及び各共有者の債権者は、自己の費用で、分割に参加することができる。
2前項の規定による参加の請求があったにもかかわらず、その請求をした者を参加させないで分割をしたときは、その分割は、その請求をした者に対抗することができない。
民法 第261条(分割における共有者の担保責任) 詳細ページ
(分割における共有者の担保責任)
第二百六十一条各共有者は、他の共有者が分割によって取得した物について、売主と同じく、その持分に応じて担保の責任を負う。
民法 第262条(共有物に関する証書) 詳細ページ
(共有物に関する証書)
第二百六十二条分割が完了したときは、各分割者は、その取得した物に関する証書を保存しなければならない。
2共有者の全員又はそのうちの数人に分割した物に関する証書は、その物の最大の部分を取得した者が保存しなければならない。
3前項の場合において、最大の部分を取得した者がないときは、分割者間の協議で証書の保存者を定める。協議が調わないときは、裁判所が、これを指定する。
4証書の保存者は、他の分割者の請求に応じて、その証書を使用させなければならない。
民法 第262_2条(所在等不明共有者の持分の取得) 詳細ページ
(所在等不明共有者の持分の取得)
第二百六十二条の二不動産が数人の共有に属する場合において、共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、その共有者に、当該他の共有者(以下この条において「所在等不明共有者」という。)の持分を取得させる旨の裁判をすることができる。この場合において、請求をした共有者が二人以上あるときは、請求をした各共有者に、所在等不明共有者の持分を、請求をした各共有者の持分の割合で按分してそれぞれ取得させる。
2前項の請求があった持分に係る不動産について第二百五十八条第一項の規定による請求又は遺産の分割の請求があり、かつ、所在等不明共有者以外の共有者が前項の請求を受けた裁判所に同項の裁判をすることについて異議がある旨の届出をしたときは、裁判所は、同項の裁判をすることができない。
3所在等不明共有者の持分が相続財産に属する場合(共同相続人間で遺産の分割をすべき場合に限る。)において、相続開始の時から十年を経過していないときは、裁判所は、第一項の裁判をすることができない。
4第一項の規定により共有者が所在等不明共有者の持分を取得したときは、所在等不明共有者は、当該共有者に対し、当該共有者が取得した持分の時価相当額の支払を請求することができる。
5前各項の規定は、不動産の使用又は収益をする権利(所有権を除く。)が数人の共有に属する場合について準用する。
民法 第262_3条(所在等不明共有者の持分の譲渡) 詳細ページ
(所在等不明共有者の持分の譲渡)
第二百六十二条の三不動産が数人の共有に属する場合において、共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、その共有者に、当該他の共有者(以下この条において「所在等不明共有者」という。)以外の共有者の全員が特定の者に対してその有する持分の全部を譲渡することを停止条件として所在等不明共有者の持分を当該特定の者に譲渡する権限を付与する旨の裁判をすることができる。
2所在等不明共有者の持分が相続財産に属する場合(共同相続人間で遺産の分割をすべき場合に限る。)において、相続開始の時から十年を経過していないときは、裁判所は、前項の裁判をすることができない。
3第一項の裁判により付与された権限に基づき共有者が所在等不明共有者の持分を第三者に譲渡したときは、所在等不明共有者は、当該譲渡をした共有者に対し、不動産の時価相当額を所在等不明共有者の持分に応じて按分して得た額の支払を請求することができる。
4前三項の規定は、不動産の使用又は収益をする権利(所有権を除く。)が数人の共有に属する場合について準用する。
民法 第263条(共有の性質を有する入会権) 詳細ページ
(共有の性質を有する入会権)
第二百六十三条共有の性質を有する入会権については、各地方の慣習に従うほか、この節の規定を適用する。
民法 第264条(準共有) 詳細ページ
(準共有)
第二百六十四条この節(第二百六十二条の二及び第二百六十二条の三を除く。)の規定は、数人で所有権以外の財産権を有する場合について準用する。ただし、法令に特別の定めがあるときは、この限りでない。
出

一次情報

原文ママ

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