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物権/総則

総則の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

物権総則は、物権をどのように作り出せるか、物権の変動(設定・移転)がいつ効力を生じるか、そしてその変動を第三者に主張するために何をしなければならないかという物権法全体の基本ルールを定めています。あわせて、同じ人に複数の権利が集まったときに権利がどうなるか(混同)も定めています。実務担当者は、当事者間では意思表示だけで権利が移るのに対し、第三者との関係では登記や引渡しという別の手続きが必要になる点を区別して理解する必要があります。

総則
条文テーマポイント
第175条物権法定主義法律にない種類の物権は作れない
第176条設定・移転の要件意思表示だけで効力が生じる
第177条不動産物権の対抗要件登記がないと第三者に対抗不可
第178条動産物権譲渡の対抗要件引渡しがないと第三者に対抗不可
第179条混同による消滅同一人に帰属した他の物権は消滅
  • 177条の登記は不動産登記法その他の登記に関する法律の定めに従って行う
  • 179条1項ただし書:物又は他の物権が第三者の権利の目的であるときは消滅しない
  • 179条2項:所有権以外の物権とこれを目的とする他の権利が同一人に帰属した場合も同様(ただし書を準用)
  • 179条3項:占有権には混同の規定(1項・2項)は適用されない
1

総則

総則について、条文は何を定めているか。

第175条物権の創設法律にない種類の物権は作れない1項判例 1件
  • 民法や他の法律に定めがない物権は新しく作れない
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第176条物権の設定及び移転意思表示だけで物権は動く1項判例 20件
  • 契約書や登記がなくても当事者の意思表示だけで効力が生じる
  • 物権の設定・移転に特別な方式は不要
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第177条不動産に関する物権の変動の対抗要件不動産の物権変動は登記が必要1項判例 69件
  • 登記をしないと第三者に物権の得喪・変更を対抗できない
  • 登記の手続きは不動産登記法その他の登記に関する法律による
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第178条動産に関する物権の譲渡の対抗要件動産の物権譲渡は引渡しが必要1項判例 9件
  • 引渡しをしないと第三者に物権の譲渡を対抗できない
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第179条混同同一人に権利が集まると消滅する3項判例 2件
  • 所有権と他の物権が同じ人のものになると他の物権は消滅する
  • 物や他の物権が第三者の権利の目的なら消滅しない
  • 所有権以外の物権とこれを目的とする権利が同一人に帰属した場合も同様
  • 占有権にはこの混同の規定は適用されない
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第175条民法

明治四年八月大蔵省達第三九号「荒蕪不毛地払下ニ付一般ニ入札セシム」に基づき海岸寄洲及び海面として払下を受けた地域について民法上の土地所有権が認められた事例

裁判要旨明治四年八月大蔵省達第三九号「荒蕪不毛地払下ニ付一般ニ入札セシム」に基づき明治五年八月国から海岸寄洲及び海面を判示の事実関係のもとにおいて払下を受けた者は、右払下により海面下の地所につき排他的総括支配権を取得し、右排他的総括支配権は民法施行とともに民法上の土地所有権に移行したと解するのが相当である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和52年12月12日 昭和51(オ)1183
登載
集民 第122号323頁
参照法条
民法175条,民法施行法36条,明治4年8月大蔵省達39号「荒蕪不毛地払下ニ付一般ニ入札セシム」
論点2第176条民法

債務者が代物弁済に供した不動産をその登記未了の間に第三者に譲渡したがその後代物弁済契約が遡つて失効した場合と債権者に対する不法行為責任の有無

裁判要旨債務者が、債権者に対し賃借権譲受代金債務の支払に代えて不動産を譲渡した後その登記未了の間に、これを第三者に二重に譲渡し登記を経由した場合であつても、右賃借権譲渡契約が解除されて右債務が遡つて消滅し、代物弁済契約による所有権移転の効果も遡つて失われたときは、債務者は債権者に対し、右不動産の所有権侵害による不法行為責任を負わない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和60年12月20日 昭和58(オ)706
登載
集民 第146号355頁
参照法条
民法176条,民法482条,民法545条,民法709条
論点3第176条民法

不動産を目的とする代物弁済と該不動産所有権移転の時期

裁判要旨不動産を目的とする代物弁済契約の意思表示がされたときは、これにより該不動産の所有権移転の効果が生ずる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和57年6月4日 昭和57(オ)111
登載
集民 第136号39頁
参照法条
民法176条,民法482条
論点4第176条民法

土地所有権に基づき建物収去土地明渡を命ずる確定判決の基礎となつた口頭弁論の終結後に建物の所有権を取得した者がその終結前に経由した所有権移転仮登記に基づく本登記を経由した場合と口頭弁論終結後の承継人

裁判要旨土地所有権に基づき建物収去土地明渡を命ずる確定判決の基礎となつた事実審口頭弁論の終結後に債務者から建物の所有権を取得した者は、その終結前に経由していた所有権移転仮登記に基づく本登記を経由した場合であつても、仮登記の時にさかのぼつて被告適格を承継するものではなく、口頭弁論終結後の承継人にあたる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和52年12月23日 昭和50(オ)203
登載
集民 第122号581頁
参照法条
民法176条,民法177条,不動産登記法7条2項,民訴法201条1項
論点5第176条民法

所有権移転予約形式の仮登記担保関係における予約完結権の行使と目的不動産の所有権の移転

裁判要旨所有権移転予約形式の仮登記担保権を有する債権者が債務者の履行遅滞を理由として予約完結権を行使した場合でも、債権者において清算金を支払う必要があり債務者においてその支払があるまで目的不動産についての本登記手続義務の履行を拒みうるときは、目的不動産の所有権は、右予約完結権の行使により直ちに債権者に移転するものではない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和50年7月17日 昭和45(オ)310
登載
民集 第29巻6号1080頁
参照法条
民法176条,民法482条,民法556条,不動産登記法2条,不動産登記法7条2項,不動産登記法105条1項
論点6第176条民法

一、敷地不法占有と家屋収去請求の相手方
二、土地所有権に基づく家屋収去土地明渡の確定判決の事実審口頭弁論終結前に家屋を譲り受けた第三者に対する右確定判決の効力

裁判要旨一、地上家屋が第三者に譲渡されたにもかかわらず、所有権移転登記がされないで登記簿上譲渡人所有名義のままになつている場合であつても、敷地所有者から右譲渡人に対し、敷地不法占有を理由として家屋収去請求をすることは許されない。
二、敷地所有者の土地所有権に基づく家屋収去土地明渡の確定判決の事実審口頭弁論終結前に、被告から地上家屋を譲り受けた第三者は、その所有権移転登記が口頭弁論終話後にされた場合においても、右確定料決につき、民訴法二〇一条所定の口頭弁論終結後の承継人にはあたらない。
(一、二につき反対意見がある)
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和49年10月24日 昭和47(オ)590
登載
集民 第113号47頁
参照法条
民法176条,民法177条,民訴法201条,民訴法545条
論点7第176条民法

請負人が材料全部を提供して建築した建物が完成と同時に注文者の所有に帰したものと認められた事例

裁判要旨請負人が、材料全部を提供して、注文者の所有する土地に建物を建築した場合において、請負契約が分譲を目的とする建物六棟につき一括してされたものであり、請負人は、その内三棟については注文者ないしこれから分譲を受けた入居者らに異議なくその引渡を了し、注文者から、請負代金の全額につきその支払のための手形を受領し、その際、六棟全部についての建築確認通知書を注文者に交付したなど、判示の事実関係があるときは、右確認通知書交付にあたり、六棟の建物につき完成と同時に注文者に所有権を帰属させる旨の合意がなされ、いまだ引渡しのされていない建物も完成と同時に注文者の所有に帰したものと認めることができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和46年3月5日 昭和45(オ)1117
登載
集民 第102号219頁
参照法条
民法176条,民法655条
論点8第176条民法

不特定物の売買における目的物の所有権移転の時期

裁判要旨不特定物の売買においては、特段の事情のないかぎり、目的物が特定すると同時に、その目的物の所有権が売主から買主に移転するものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和44年11月6日 昭和44(オ)768
登載
集民 第97号211頁
参照法条
民法176条,民法401条2項
論点9第176条民法

譲渡担保契約において目的物の所有権が債務者に復帰する時期を債務完済の時と異なる時期と約定することの可否

裁判要旨譲渡担保契約において目的の所有権が債務者に復帰する時期を債務完済の時と異なる時期と約定することは差し支えない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和41年1月14日 昭和40(オ)211
登載
集民 第82号25頁
参照法条
民法176条,民法482条
論点10第176条民法

不動産を目的とする代物弁済と該不動産所有権移転の時期。

裁判要旨不動産を目的とする代物弁済の予約完結の意思表示がなされたときは、これにより、該不動産の所有権移転の効果が生ずるものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和40年3月11日 昭和39(オ)919
登載
集民 第78号259頁
参照法条
民法482条,民法176条
論点11第176条民法

立木法の適用を受けない立木と取引の対象の可否−右の場合における特定の方法はどうか

裁判要旨立木法の適用を受けない立木でも、右立木のみを土地から分離して独立して取引の対象とすることができる。右の場合において、一定の地番の上に生育の立木という以上、その立木の範囲は確定していると解するのが相当である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和40年12月16日 昭和39(オ)953
登載
集民 第81号469頁
参照法条
民法176条,民法178条,立木ニ関スル法律2条
論点12第176条民法

一 特定物の売買における所有権移転時期
二 履行の著手があつたと認められた事例

裁判要旨一 特定物の売買契約にあつて、所有権は契約と同時に移転せず、代金完済と同時に移転すると解しなければならないことはない。
二 建物の買主が終始明渡の要求をなし残代金は即時でも支払いうる状態にあつたこと、および右明渡請求の訴が提起されていたことから、買主においてすでに履行の著手があつたと認めたのは相当である。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和40年12月14日 昭和39(オ)597
登載
集民 第81号427頁
参照法条
民法176条,民法557条
論点13第176条民法

特定物の売買後売主が物件の所有権を取得したときと買主への所有権移転の時期・方法。

裁判要旨売主が第三者所有の特定物を売り渡した後右物件の所有権を取得した場合には、買主への所有権移転の時期・方法について特段の約定がないかぎり、右物件の所有権は、なんらの意思表示がなくても、売主の所有権取得と同時に買主に移転する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和40年11月19日 昭和40(オ)614
登載
民集 第19巻7号2003頁
参照法条
民法176条,民法555条,民法560条
論点14第176条民法

無効な取得登記を有するにすぎない建物の二重譲受人と被保険利益。

裁判要旨建物が二重に譲渡され、一方の譲受人が登記を経由し、他方の譲受人は、無効な登記にもとづく登記を有するにすぎないときは、右建物所有者として、その建物を目的とする火災保険契約を締結するについて、被保険利益を有しない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和36年3月16日 昭和32(オ)782
登載
民集 第15巻3号512頁
参照法条
商法630条,民法177条,民法176条
論点15第176条民法

不特定物の売買における目的物所有権移転時期

裁判要旨不特定物の売買においては、特段の事情のないかぎり、目的物が特定した時に買主に所有権が移転するものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和35年6月24日 昭和31(オ)252
登載
民集 第14巻8号1528頁
参照法条
民法176条,民法401条2項
論点16第176条民法

敷地不法占有と家屋収去請求の相手方。

裁判要旨仮処分申請に基き、裁判所の嘱託により家屋所有権保存登記がなされている場合であつても、仮処分前に家屋を未登記のまま第三者に譲渡しその敷地を占拠していない右保存登記名義人に対し、敷地所有者から敷地不法占有を理由として家屋収去請求をすることは許されない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和35年6月17日 昭和31(オ)119
登載
民集 第14巻8号1396頁
参照法条
民法176条,民法177条
論点17第176条民法

一 荷渡依頼書による依頼の撤回
二 特定物の売買において当然には所有権が移転しないとされた事例

裁判要旨一 寄託者から受寄者である倉庫業者に対し荷渡先を指定した上これに受寄物たる商品を引渡すことを依頼するいわゆる荷渡依頼書が、荷渡先の第三者に交付された後であつても、右第三者がこれを受寄者に呈示する以前寄託者において受寄者に対する通知により依頼を撤回することを妨げない。
二 倉庫に寄託中のハンカチーフ売買契約において、代金を約三日後の午後四時限り支払うべし、右支払のないときは契約は失効する旨の解除条件が付されているときは、特段の事情のない限り、右ハンカチーフの所有権を契約により当然買主に移転するものではないと解するのが相当である。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和35年3月22日 昭和32(オ)448
登載
民集 第14巻4号501頁
参照法条
商法597条,民法176条
論点18第176条民法

特定物の売買と所有権移転の時期

裁判要旨売主の所有に属する特定物を目的とする売買においては、特にその所有権の移転が将来なされるべき約旨に出たものでないかぎり、買主に対し直ちに所有権移転の効力を生ずるものと解するを相当とする
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和33年6月20日 昭和31(オ)1084
登載
民集 第12巻10号1585頁
参照法条
民法176条
論点19第176条民法

一 「分筆の上」登記を命ずる判決と「申立テザル事項」
二 一筆の土地の一部の売買

裁判要旨一 一筆の土地全部の所有権移転登記手続を求める請求において、その土地の一部につき「分筆の上」所有権移転登記手続をなすべき旨の判決をしても、「申立テザル事項ニ付判決ヲ為シ」たことにはならない。
二 一筆の土地の一部といえども、売買の目的とすることをうべく、その部分が具体的に特定しているかぎりは、右部分につき分筆手続未了前においても、買主はその部分につき所有権を取得することができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和30年6月24日 昭和28(オ)847
登載
民集 第9巻7号919頁
参照法条
民訴185条,民法176条,民法177条,民法206条,不動産登記法79条,不動産登記法46条ノ2
論点20第176条民法

一筆の土地の一部を除外して売買がなされたと認むべき一事例

裁判要旨甲乙間に甲所有の(い)の土地並びに同地上の家屋(店舗および附属工場)の売買が成立した場合において、本来(い)の土地には、右家屋のほか、なお甲所有の土蔵が存するにかかわらず登記簿上、土蔵は隣地たる甲所有の(ろ)の土地に所在することになつており、甲乙双方とも売買成立後相当日時を経過するまで、右土蔵敷地が(い)の土地の一部であることを知らず、右土蔵自体は前記売買の目的とされなかつたものであり、しかも乙は売買同時現場に検分に行つたが、当時甲乙間で土蔵の収去または存置等の処置について協議した形跡もない以上、他に特段の事情のないかぎり、前記売買においては、右(い)の土地(一筆全部で七七坪五勺)中、土蔵の敷地(二〇坪四合二勺)は売買の目的から除外する暗黙の意志表示があつたものと認めるのが相当である。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和30年10月4日 昭和27(オ)890
登載
民集 第9巻11号1521頁
参照法条
民法第1編第4章1節(90条),民法第3編第2章1節1款(521条),民法176条
論点21第176条民法

金属スクラップ等の継続的な売買契約において目的物の所有権が売買代金の完済まで売主に留保される旨が定められた場合に,買主が保管する金属スクラップ等を含む在庫製品等につき集合動産譲渡担保権の設定を受けた者が,売買代金が完済されていない金属スクラップ等につき売主に上記譲渡担保権を主張することができないとされた事例

裁判要旨金属スクラップ等の継続的な売買契約において目的物の所有権が売買代金の完済まで売主に留保される旨が定められた場合に,上記契約では,毎月21日から翌月20日までを一つの期間として,期間ごとに納品された金属スクラップ等の売買代金の額が算定され,一つの期間に納品された金属スクラップ等の所有権は,当該期間の売買代金の完済まで売主に留保されることが定められ,これと異なる期間の売買代金の支払を確保するために売主に留保されるものではないこと,売主は買主に金属スクラップ等の転売を包括的に承諾していたが,これは売主が買主に上記契約の売買代金を支払うための資金を確保させる趣旨であると解されることなど判示の事情の下においては,買主が保管する金属スクラップ等を含む在庫製品等につき集合動産譲渡担保権の設定を受けた者は,売買代金が完済されていない金属スクラップ等につき売主に上記譲渡担保権を主張することができない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成30年12月7日 平成29(受)1124
登載
民集 第72巻6号1044頁
参照法条
民法176条,民法369条(譲渡担保),民法369条(所有権留保)
論点22第177条民法

一 隣接する二筆の土地上にまたがつて存在し登記上の所在地番及び構造が実際と相違する建物の敷地のうち一筆の土地について法定地上権が成立した場合と建物保護に関する法律一条〈基本原則〉による対抗力
二 建物の競売により法定地上権を取得した者が敷地譲受人による所有権移転登記の経由後に建物の所有権保存登記を経由した場合と敷地転得者に対する地上権の対抗

裁判要旨一 隣接する甲乙両土地上にまたがつて存在する建物の敷地のうち甲土地について法定地上権が成立し、建物の登記上、所在地番として一筆の土地の地番が表示され、その所在地番及び構造が実際と相違していても、右地番が大部分の敷地である乙土地の地番と多少相違するにとどまり、登記の表示全体において右建物の同一性を認識できる程度の軽微な相違でたやすく更正登記が可能である場合には、右地上権は、建物保護に関する法律一条〈基本原則〉による対抗力を有する。
二 建物の競売により法定地上権を取得した者は、その対抗要件を具備しない間に敷地の譲受人が所有権移転登記を経由しても、その後更に敷地の所有権を取得した者が所有権移転登記を経由するまでの間に建物につき所有権保存登記を経由した場合には、右敷地転得者に対して地上権の取得を対抗することができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和63年1月26日 昭和61(オ)956
登載
集民 第153号323頁
参照法条
建物保護に関する法律1条,民法177条,民法388条
論点23第177条民法

譲渡担保権者から譲渡担保権消滅後に目的不動産を譲り受けた者と民法一七七条〈不動産に関する物権の変動の対抗要件〉の第三者

裁判要旨不動産が譲渡担保の目的とされ、設定者甲から譲渡担保権者乙への所有権移転登記が経由された場合において、被担保債務の弁済等により譲渡担保権が消滅した後に乙から目的不動産を譲り受けた丙は、民法一七七条〈不動産に関する物権の変動の対抗要件〉にいう第三者に当たる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和62年11月12日 昭和59(オ)691
登載
集民 第152号177頁
参照法条
民法177条,民法369条(譲渡担保)
論点24第177条民法

他人名義で根抵当権設定登記を有する債権者が抵当不動産の譲渡後に開始された不動産競売事件において配当を受けることの可否

裁判要旨債権者甲が債務者乙から根抵当権の設定を受けた場合であつても、右の根抵当権につき他人名義で登記を有するにすぎないときは、甲は、乙が丙に対し当該不動産を譲渡し所有権移転登記を了したのちに第三者が当該不動産につき申し立てた不動産競売事件において、右の根抵当権を主張して配当を受けることはできない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和59年12月20日 昭和58(オ)1044
登載
集民 第143号467頁
参照法条
民法177条,競売法33条2項,民事執行法87条,民事執行法188条
論点25第177条民法

不動産の売買の遡及的合意解除がされた場合と右不動産について仮登記を経由した者の保護

裁判要旨不動産の売買の遡及的合意解除がされた場合、買主から右不動産を取得したが対抗要件としての登記を経由していない者は、たとえ仮登記を経由したとしても、民法五四五条一項〈解除の効果〉但書にいう「第三者」として保護されない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和58年7月5日 昭和57(オ)452
登載
集民 第139号259頁
参照法条
民法177条,民法545条1項但書
論点26第177条民法

土地及びその地上建物の所有者が土地につき所有権移転登記を経由しないまま建物に抵当権を設定した場合と法定地上権の成否

裁判要旨土地及びその地上建物の所有者が建物につき抵当権を設定したときは、土地の所有権移転登記を経由していなくても、法定地上権の成立を妨げない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和53年9月29日 昭和53(オ)533
登載
民集 第32巻6号1210頁
参照法条
民法177条,民法388条
論点27第177条民法

一 債務者所有の不動産と物上保証人所有の不動産とを共同抵当の目的として数個の抵当権が設定され物上保証人所有の不動産について先に競売がされた場合における物上保証人と後順位低当権者との優劣
二 債務者所有の不動産と物上保証人所有の不動産とを共同抵当の目的として数個の抵当権が設定され物上保証人所有の不動産について先に競売がされた場合における後順位抵当権者の優先弁済権と登記又は差押の要否

裁判要旨一 債務者所有の不動産と物上保証人所有の不動産とを共同抵当の目的として順位を異にする数個の抵当権が設定されている場合において、物上保証人所有の不動産について先に競売がされ、その競落代金の交付により一番抵当権者が弁済を受けたときは、後順位抵当権者は、物上保証人に移転した債務者所有の不動産に対する一番抵当権から優先して弁済を受けることができる。
二 債務者所有の不動産と物上保証人所有の不動産とを共同抵当の目的として順位を異にする数個の抵当権が設定されている場合において、物上保証人所有の不動産について先に競売がされ、その競落代金の交付により一番抵当権者が弁済を受けたときは、後順位抵当権者は、物上保証人に移転した債務者所有の不動産に対する一番抵当権からの優先弁済権を主張するについて登記又は差押を必要としない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和53年7月4日 昭和50(オ)196
登載
民集 第32巻5号785頁
参照法条
民法177条,民法304条1項,民法351条,民法372条,民法392条2項
論点28第177条民法

所有権移転登記請求権と消滅時効

裁判要旨不動産の譲渡による所有権移転登記請求権は、右譲渡によつて生じた所有権移転の事実が存する限り独立して消滅時効にかからない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和51年11月5日 昭和51(オ)727
登載
集民 第119号181頁
参照法条
民法167条,民法177条
論点29第177条民法

土地及びその地上の未登記建物の所有者が建物の所有権移転登記を経由しないまま土地につき抵当権を設定した場合と法定地上権の成否

裁判要旨土地及びその地上の未登記建物の所有者が建物の取得原因である譲受につき所有権移転登記を経由しないまま土地に対し抵当権を設定した場合においても、法定地上権の成立を妨げない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和50年7月11日 昭和49(オ)1052
登載
集民 第115号339頁
参照法条
民法177条,民法388条
論点30第177条民法

仮登記担保権者から清算未了のまま目的不動産の譲渡を受けた第三者が債務者の意思に基づかないで所有権移転登記を経由した場合と債務者の右登記抹消手続請求権

裁判要旨仮登記担保権者が目的不動産を自己の所有に帰属させるとの意思表示をしただけで清算をしないで仮登記のまま目的不動産を第三者に譲渡し、第三者が本登記を経た場合において、本登記が債務者の意思に基づかずにされたときは、債務者は第三者に対して右本登記の抹消手続を請求することができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和50年11月28日 昭和49(オ)1087
登載
集民 第116号675頁
参照法条
民法177条,民法369条,民法482条
論点31第177条民法

賃貸中の宅地を譲り受けた者の賃貸人たる地位の対抗要件

裁判要旨賃貸中の宅地を譲り受けた者は、その所有権の移転につき登記を経由しないかぎり、賃貸人たる地位の取得を賃借人に対抗することができない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和49年3月19日 昭和47(オ)1121
登載
民集 第28巻2号325頁
参照法条
民法177条,民法605条,建物保護に関する法律1条
論点32第177条民法

土地およびその地上建物の所有者が建物の所有権移転登記を経由しないまま土地につき抵当権を設定した場合と法定地上権の成否

裁判要旨土地およびその地上建物の所有者が建物の取得原因である譲受につき所有権移転登記を経由しないまま土地に対し抵当権を設定した場合であつても、法定地上権の成立を妨げない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和48年9月18日 昭和45(オ)989
登載
民集 第27巻8号1066頁
参照法条
民法177条,民法388条
論点33第177条民法

一、入会部落の総有に属する土地を買い受けた同部落の構成員と民法一七七条〈不動産に関する物権の変動の対抗要件〉の第三者
二、一筆の土地の一部の所有権時効取得と対抗要件

裁判要旨一、入会部落の総有に属する土地の譲渡を受けた同部落の構成員は、右譲渡前にこれを時効取得した者に対する関係において、民法一七七条〈不動産に関する物権の変動の対抗要件〉にいう第三者にあたる。
二、一筆の土地の一部を時効取得した場合でも、右土地部分の所有権取得につき登記がないときは、時効完成後旧所有者からこれを買い受けた第三者に対抗することができない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和48年10月5日 昭和47(オ)1188
登載
民集 第27巻9号1110頁
参照法条
民法162条,民法177条,民法263条
論点34第177条民法

一、生前相続による不動産所有権の取得と同一不動産の遺贈を受けた遺産相続人に対する対抗
二、夫婦間の土地利用関係が地上権の設定とは認められないとされた事例

裁判要旨一、旧民法(明治三一年法律第九号)施行当時において生前相続により不動産所有権を承継した家督相続人は、その登記を経なければ所有権取得をもつて第三者に対抗することができず、被相続人から同一不動産の遺贈を受けた者は、同時に被相続人の遺産相続人である場合でも、右第三者にあたる。
二、夫がその所有の土地を無償で使用することを妻に対して許諾し、妻がその地上に建築した建物に、夫婦で同居しているなど判示の事情がある場合でも、他に特段の事情がないときは、右土地の利用関係をもつて、建物所有を目的とする地上権が設定されたものと認めることはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和47年7月18日 昭和46(オ)922
登載
集民 第106号475頁
参照法条
民法177条,民法265条,民法593条
論点35第177条民法

一、権利能力なき社団の資産たる不動産についての登記方法
二、権利能力なき社団の資産たる不動産につき登記簿上所有名義人となつていた代表者が交替した場合における新代表者の旧代表者に対する登記請求権

裁判要旨一、権利能力なき社団の資産たる不動産については、社団の代表者が、社団の構成員全員の受託者たる地位において、個人の名義で所有権の登記をすることができるにすぎず、社団を権利者とする登記をし、または、社団の代表者である旨の肩書を付した代表者個人名義の登記をすることは、許されないものと解すべきである。
二、権利能力なき社団の資産たる不動産につき、登記簿上所有名義人となつた代表者がその地位を失い、これに代わる新代表者が選任されたときは、新代表者は、旧代表者に対して、当該不動産につき自己の個人名義に所有権移転登記手続をすることを求めることができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和47年6月2日 昭和45(オ)232
登載
民集 第26巻5号957頁
参照法条
民法43条,民法177条,民訴法46条,民訴法208条1項,民訴法211条,民訴法212条,民訴法384条,不動産登記法26条,不動産登記法36条,不動産登記法110条の3
論点36第177条民法

不動産の賃借人が賃貸人から当該不動産を譲り受けたのち第三者が右賃貸人からこれを譲り受けてさきに所有権移転登記を経由した場合と民法五二〇条〈債権及び債務が同一人に帰属したときは、その債権は、消滅する。ただし、その債権が第三者の権利の目的であるときは、この限りで…〉の規定の適用関係

裁判要旨不動産の賃借人が賃貸人から当該不動産を譲り受けながらその旨の所有権移転登記を経由していない間に、第三者が右賃貸人から右不動産を譲り受けてその旨の所有権移転登記を経由したため、前の譲受人である賃借人において右不動産の所有権取得を後の譲受人である第三者に対抗することができなくなつた場合には、いつたん混同によつて消滅した右賃借人の賃借権は、第三者が所有権を取得すると同時に、同人に対する関係では消滅しなかつたことになるものと解するのが相当である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和47年4月20日 昭和44(オ)211
登載
集民 第105号585頁
参照法条
民法177条,民法520条,民法601条
論点37第177条民法

袋地の未登記所有者と囲繞地通行権の主張

裁判要旨袋地の所有権を取得した者は、所有権取得登記を経由していなくても、囲繞地の所有者ないし利用権者に対して、囲繞地通行権を主張することができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和47年4月14日 昭和46(オ)630
登載
民集 第26巻3号483頁
参照法条
民法210条,民法177条
論点38第177条民法

一、民法二五八条一項〈裁判による共有物の分割〉にいう「共有者ノ協議調ハサルトキ」の意義

二、共有物分割訴訟と持分譲受の登記

三、民法二五八条二項にいう「現物ヲ以テ分割ヲ為スコト能ハサルトキ」の意義

裁判要旨一、民法二五八条一項〈裁判による共有物の分割〉にいう「共有者ノ協議調ハサルトキ」とは、共有者の一部に共有物分割の協議に応ずる意思がないため共有者全員において協議をすることができない場合を含むものであつて、現実に協議をしたうえで不調に終わつた場合に限られるものではない。

二、不動産の共有物分割訴訟においては、共有者間に持分の譲渡があつても、その登記が存しないため、譲受人が持分の取得をもつて他の共有者に対抗することができないときは、共有者全員に対する関係において、右持分がなお譲渡人に帰属するものとして共有物分割を命ずべきである。

三、民法二五八条二項にいう「現物ヲ以テ分割ヲ為スコト能ハサルトキ」とは、現物分割が物理的に不可能な場合のみを指称するのではなく、社会通念土適正な現物分割が著るしく困難な場合をも包含するものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和46年6月18日 昭和46(オ)160
登載
民集 第25巻4号550頁
参照法条
民法258条1項,民法258条2項,民法177条
論点39第177条民法

遺産分割と登記

裁判要旨相続財産中の不動産につき、遺産分割により権利を取得した相続人は、登記を経なければ、分割後に当該不動産につき権利を取得した第三者に対し、法定相続分をこえる権利の取得を対抗することができない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和46年1月26日 昭和45(オ)398
登載
民集 第25巻1号90頁
参照法条
民法177条,民法909条
論点40第177条民法

契約を解除した当事者が第三者の登記の欠缺を主張することが信義則上許されないとされた事例

裁判要旨甲所有の丁土地と乙所有の戊土地とを交換する契約が甲乙間になされ、乙が丁土地をさらに丙に譲渡して未だその登記を経ない間に、乙に対する国税の滞納処分として戊土地が差押公売されたため、甲が履行不能を理由に右交換契約を解除した場合において、甲が、交換契約に基づき戊土地を自ら使用しており、他方右契約当時においても丁土地が乙から丙に譲渡されるものであることを了承し、丙の買受後にはその権利移転を認め、丙の地上の建物の建築許可申請手続に協力し、乙、丙との間に、丁土地につき甲から丙に中間省略により直接所有権移転登記をすることを合意しながら、乙、丙の再三の請求にかかわらず自己の都合で右登記手続を遷延して約四年を経過するうち、右滞納処分がなされるに至つたなど、判示の事実関係があるときは、甲が丙の丁土地の所有権取得につき登記の欠缺を主張することは信義則上許されず、甲の交換契約解除にかかわらず丙の権利は否定されないものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和45年3月26日 昭和43(オ)717
登載
集民 第98号505頁
参照法条
民法545条1項,民法177条,民法1条2項
論点41第177条民法

民法一八五条〈占有の性質の変更〉にいう「新権原」の発生と占有者がこれを所有者に対抗するための登記の要否

裁判要旨民法一八五条〈占有の性質の変更〉にいう「新権原」の発生を主張するについて、占有者は、その取得につき登記その他の対抗要件を必要としない。
(参考)
一審、札幌地裁昭和三五年(行)第七号、同年(ワ)第三〇八号  昭和四〇年九月二四日判決(訟務月報一二巻二号二六七頁)
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和45年2月17日 昭和42(行ツ)79
登載
集民 第98号217頁
参照法条
民法185条,民法177条
論点42第177条民法

一、一筆の土地の一部の明渡を命ずる判決における主文不明確の事例
二、共同訴訟人間における証拠共通の原則
三、不動産の二重譲渡において双方の買主がそれぞれ売主に対して処分禁止の仮処分を執行した後第一次仮処分債権者が本案の勝訴判決に基づいて所有権移転登記を経由した場合と第二次仮処分債権者に対する所有権の対抗

裁判要旨一、一筆の土地の一部の明渡を命ずる判決において、土地の表示として土地の所在地番のほか「一、山林三反四畝歩のうち東部の宅地一三九坪」との記載があるにとどまり、記録中にも明渡を命ずる土地の範囲がいかなる部分かを特定する手掛りが存在しないときは、右土地の範囲を明確にしたものとはいえず、主文不明確の違法がある。
二、共同訴訟人の一人が提出した証拠は、その相手方に対するばかりでなく、他の共同訴訟人とその相手方に対する関係においても証拠として認定資料に供することができる。
三、不動産が二重に譲渡された後、双方の買主がそれぞれ売主を債務者とする処分禁止の仮処分を執行した場合において、第一次仮処分債権者たる買主が本案たる所有権移転登記請求訴訟に勝訴し、その確定判決に基づき売主から所有権移転登記を経由したときは、右買主は、第二次仮処分債権者たる買主に対し自己の所有権取得を対抗することができるものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和45年1月23日 昭和43(オ)282
登載
集民 第98号43頁
参照法条
民訴法62条,民訴法185条,民訴法191条,民訴法755条,民訴法758条,民法177条
論点43第177条民法

一、不法の原因により未登記建物を贈与した贈与した場合その引渡は民法七〇八条〈不法原因給付〉にいう給付にあたるか
二、所有権に基づく返還請求と民法七〇八条
三、建物の所有者のした贈与に基づく履行行為が不法原因給付にあたる場合における右建物の所有権の帰すう
四、建物の贈与が不法原因給付であつてその所有権が受贈者に帰属した場合における受贈者に対する登記手続請求の許否

裁判要旨一、不法の原因により未登記建物を贈与した場合、その引渡は、民法七〇八条〈不法原因給付〉にいう給付にあたる。
二、建物の贈与に基づく引渡が不法原因給付にあたる場合に、贈与者は、目的物の所有権が自己にあることを理由として、右建物の返還を請求することはできない。
三、建物の所有者のした贈与に基づく履行行為が不法原因給付にあたる場合には、贈与者において給付した物の返還を請求できないことの反射的効果として、右建物の所有権は、受贈者に帰属するに至ると解するのが相当である。
四、未登記建物の贈与が不法原因給付であつてその所有権が受贈者に帰属した場合において、贈与者が右建物につき所有権保存登記を経由したときは、受贈者が贈与者に対し建物の所有権に基づいて右所有権保存登記の抹消登記手続を請求することは、不動産物権に関する法制の建前からいつて許されるものと解すべきである。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和45年10月21日 昭和41(オ)436
登載
民集 第24巻11号1560頁
参照法条
民法708条,民法206条,民法177条
論点44第177条民法

宅地上の従物と抵当権の効力

裁判要旨宅地に対する抵当権の効力は、特段の事情のないかぎり、抵当権設定当時右宅地の従物であつた石燈籠および庭石にも及び、抵当権の設定登記による対抗力は、右従物についても生ずる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和44年3月28日 昭和43(オ)1250
登載
民集 第23巻3号699頁
参照法条
民法87条,民法177条,民法370条
論点45第177条民法

共有持分権の放棄と登記方法

裁判要旨共有登記のなされている不動産につき、共有者の一人が持分権を放棄した場合には、他の共有者は、放棄にかかる持分権の移転登記手続を求めるべきであつて、放棄者の持分権取得登記の抹消登記手続を求めることは許されない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和44年3月27日 昭和43(オ)602
登載
民集 第23巻3号619頁
参照法条
民法177条,民法255条,不動産登記法1条
論点46第177条民法

一、遺贈の承認放棄に関する規定の死因贈与への準用の有無
二、権利移転の過程において実体と異なるが現在の実体的権利関係に合致しているため登記の抹消請求が許されないとされた事例

裁判要旨一、遺贈の承認および放棄に関する規定は死因贈与に準用されない。
二、甲の所有していた不動産について、その相続人でない乙に相続を原因とする所有権移転登記がされ、乙から丙に贈与を原因とする所有権移転登記がされているが、実体上は甲から丙に右不動産が死因贈与され、現在丙がその所有者である場合には、甲の相続人が乙および丙に対し右各登記の抹消を請求することはできない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和43年6月6日 昭和42(オ)560
登載
集民 第91号219頁
参照法条
民法986条,民法554条,民法177条
論点47第177条民法

債権者代位権行使の場合の対抗問題

裁判要旨甲が乙に対する債権者として、乙の丙に対する所有権に基づく土地明渡請求権を代位行使する場合にあつては、当該土地の所有権の帰属につき甲丙間に対抗問題を生ずることはない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和42年5月26日 昭和40(オ)1270
登載
集民 第87号839頁
参照法条
民法177条,民法423条
論点48第177条民法

相続放棄と登記

裁判要旨相続人は、相続の放棄をした場合には相続開始時にさかのぼつて相続開始がなかつたと同じ地位に立ち、当該相続放棄の効力は、登記等の有無を問わず、何人に対してもその効力を生ずべきものと解すべきであつて、相続の放棄をした相続人の債権者が、相続の放棄後に、相続財産たる未登記の不動産について、右相続人も共同相続したものとして、代位による所有権保存登記をしたうえ、持分に対する仮差押登記を経由しても、その仮差押登記は無効である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和42年1月20日 昭和41(オ)457
登載
民集 第21巻1号16頁
参照法条
民法939条1項(昭和37年法律40号による改正前のもの),民法939条,民法177条,民法909条
論点49第177条民法

債権者が根抵当権の極度額をこえる債権を有する場合において抵当物件の第三取得者が右極度額を弁済したときと根抵当権設定登記の抹消登記請求権の有無

裁判要旨債権者が根抵当権の極度額をこえる債権を有する場合において、抵当物件の第三取得者は、右極度額の限度で弁済したにすぎないときは、その根抵当権設定登記の抹消登記請求権を有しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和42年12月8日 昭和42(オ)80
登載
民集 第21巻10号2561頁
参照法条
民法177条,民法374条,民法378条
論点50第177条民法

偽造文書によつて登記がされた場合において登記原因たる法律行為を追認した本人からするその抹消登記手続の請求の許否

裁判要旨無権代理人の偽造文書による申請に基づいて登記がされた場合においても、本人が右登記の原因たる法律行為を追認したことによりその登記の記載が実体的法律関係に符合するにいたつたときには、本人は、右登記の無効を主張してその抹消登記手続を請求することはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和42年10月27日 昭和40(オ)583
登載
民集 第21巻8号2136頁
参照法条
不動産登記法25条,不動産登記法35条,民法116条,民法177条
論点51第177条民法

一 移転登記請求訴訟の被告から二重譲渡を受けた者は民訴法第二〇一条の承継人にあたるか
二 仮執行宣言付判決に基づく登記の効力

裁判要旨一 不動産買受人甲が売渡人乙に対し所有権移転登記手続履践の請求訴訟を起こし、甲勝訴の判決が確定した場合において、乙から同一不動産の二重譲渡を受けた丙が、右訴の事実審の口頭弁論終結後にその所有権移転登記を経たとしても、丙は、前示確定判決について、民訴法第二〇一条第一項の承継人にあたらない。
二 登記義務者の登記申請意思の陳述を求める請求を認容する判決に誤つて仮執行宣言が付せられ、右仮執行宣言付判決に基づいて登記がなされた場合でも、右判決が確定した後は、右登記を有効と解して妨げない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和41年6月2日 昭和38(オ)1319
登載
集民 第83号675頁
参照法条
民訴法201条,民法177条,不動産登記法25条
論点52第177条民法

地盤上に植栽された立木の所有権取得と対抗要件

裁判要旨地盤上に植栽された立木の所有権を取得した者は、明認方法等の対抗要件を備えないかぎり、右地盤(土地)を地上の右立木とともに買いうけ右土地についてその所有権移転登記を経由した第三者に対し、前記立木所有権取得を対抗することができない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和41年10月21日 昭和40(オ)654
登載
集民 第84号661頁
参照法条
民法177条,民法242条
論点53第177条民法

一 登記の欠缺を主張するにつきいわゆる背信的悪意者とはいえないとされた事例。
二 不動産の賃借人が賃貸人から該不動産を譲り受けた後に第三者がこれを二重に譲り受けて先に所有権移転登記をした場合と民法第五二〇条の規定の適用関係。
三 民法第七〇五条〈債務の不存在を知ってした弁済〉の適用がないとされた事例。

裁判要旨一 甲が地主丙から賃借中の土地上に所有する家屋を乙に贈与し、右事実を前提として、甲もみずから責任を持つ旨口添をして乙丙間に該土地の賃貸借契約が締結され、爾来その関係が九年余にわたつて継続してきた等判示のような事実があつたとしても、丙が右家屋を甲から買い受けてその旨の移転登記を経由するまでの経緯について判示の事情があるときは、丙は右家屋について乙の所有権取得登記の欠缺を主張するにつき正当な利益を有する第三者にあたらないような背信的悪意者とはいえない。
二 不動産の賃借人が賃貸人から該不動産を譲り受けてその旨の所有権移転登記をしないうちに、第三者が右不動産を二重に譲り受けてその旨の所有権移転登記をしたため、前の譲受人である賃借人において右不動産の取得を後の譲受人である第三者に対抗できなくなつたような場合には、いつたん混同によつて消滅した右賃借権は、右第三者の所有権取得によつて、同人に対する関係では消滅しなかつたことになると解するのが相当である。
三 居住家屋の賃料の支払義務のない者が、該家屋の所有者から賃料支払の催告を受けたため、これを支払うべき筋合はないが賃料不払等とこじつけて家屋明渡訴訟を提起された場合の防禦方法として支払う旨とくに留保の表示をしたうえ、請求額を支払つた等判示事実関係のように、債務の不存在を知つて弁済したことも無理からぬような客観的事情がある場合には、民法第七〇五条〈債務の不存在を知ってした弁済〉の適用はないものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和40年12月21日 昭和37(オ)904
登載
民集 第19巻9号2221頁
参照法条
民法177条,民法520条,民法601条,民法705条
論点54第177条民法

立木法の適用を受けない立木の買受人が明認方法を施さないうちに伐採した場合における伐木所有権の対抗力。

裁判要旨立木法の適用を受けない立木の買受人がこれに明認方法を施さないうちにこれを伐採した場合、右買受人は、当然伐木の所有者となるけれども、立木当時既に明認方法の欠点を主張しうべき正当の利益を有した第三者に対する関係においては、伐木所有権をもつて対抗できない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和39年2月6日 昭和37(オ)745
登載
集民 第72号71頁
参照法条
民法177条,民法178条
論点55第177条民法

一 借地法第一〇条〈後見開始の審判の取消し〉に基づく建物買取請求権行使によつて成立する売買と民法第五七七条適用の有無
二 買取請求権行使の対象たる建物に抵当権が設定されている場合と当該建物の時価
三 滌除権の取得と所有権所得登記の要否

裁判要旨一 借地法第一〇条〈後見開始の審判の取消し〉に基づく建物買取請求権行使によつて成立する売買についても民法第五七七条〈抵当権等の登記がある場合の買主による代金の支払の拒絶〉の適用がある。
二 借地法第一〇条に基づく買取請求の対象たる建物の時価は、建物に抵当権の設定があつても減額されるべきではない。
三 抵当不動産の買主が売主に対する関係で滌除権の取得を主張するためには、右不動産の所有権取得登記を経ることを要しない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和39年2月4日 昭和36(オ)1299
登載
民集 第18巻2号233頁
参照法条
民法378条,民法577条,民法177条,借地法10条
論点56第177条民法

破産管財人は民法第一七七条および信託法第三条の第三者にあたるか。

裁判要旨破産者と信託契約をした者に対する関係で、破産管財人は、民法第一七七条〈不動産に関する物権の変動の対抗要件〉および信託法第三条の第三者にあたる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和38年7月30日 昭和36(オ)153
登載
集民 第67号175頁
参照法条
破産法157条,破産法162条,破産法185条,民法177条,信託法3条
論点57第177条民法

一 民法第一六二条〈所有権の取得時効〉の取得時効完成の基礎となる占有と認められないとされた事例
二 地盤所有権の取得につき未登記のままその地盤上に植栽された立木の所有権の対抗要件の要否

裁判要旨山林を買受け、未登記のままこれに檜等を植栽した者が、その後特に地上立木を除外することなくいわゆる二重売買を受け、所有権移転登記を経た者に対し、その植栽した立木の所有権を主張するためにはこれを公示する対抗要件を必要とする。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和37年8月3日 昭和35(オ)900
登載
集民 第62号21頁
参照法条
民法162条,民法177条,民法242条
論点58第177条民法

伐木所有権を対抗できない事例。

裁判要旨立木法の適用を受けない立木の買受人が明認方法を施さないうちに、伐採等により右立木が伐木となつた場合、右買受人は、右伐木に自己を表示するための刻印を施したとしても、立木当時既に公示方法の欠缺を主張する正当な利益を有していた第三者に対しては、右伐木所有権を対抗できないものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和37年6月22日 昭和31(オ)782
登載
民集 第16巻7号1374頁
参照法条
民法177条,民法178条
論点59第177条民法

賃借地盤上に権原に基いて植栽した立木の所有権と第三者に対する対抗

裁判要旨賃借地盤上に権原に基いて植栽した立木の所有権の留保を、地盤たる土地の二重賃借人に対抗するために、公示方法を要するかどうかは、二重賃借人の賃貸借契約上の使用収益権の態容に関する特段の事情に従つて決せられるべきものと解される。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和37年5月29日 昭和34(オ)221
登載
集民 第60号919頁
参照法条
民法242条,民法177条
論点60第177条民法

一 民訴法第七一条にいう「訴訟ノ結果ニ因リテ権利ヲ害セラルヘキコト」を主張してなされた参加の申立が参加理由を欠くとされた事例
二 甲が乙名義の建築確認通知書の「建築主の住所氏名欄」の記載を乙の諒解を得たのみで自己名義に訂正し、これに基づき家屋の登録および所有権保存登記を経た場合における該登記の効力

裁判要旨甲が乙名義の建築確認通知書の「建築主の住所氏名欄」の記載を、乙の諒解を得たのみで甲名義に訂正し、家屋台帳に自ら所有者として登録し、右台帳に基づき所有権保存登記を経由した場合においても、実体上甲が所有権を有するときは、該登記は無効とはいえない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和37年12月25日 昭和35(オ)839
登載
集民 第63号989頁
参照法条
民訴法71条,不動産登記法(昭和35年法律14号による改正前),民法177条
論点61第177条民法

抵当権設定登記の抹消登記手続請求を認容した判断に審理不尽、理由不備の違法があるとされた事例。

裁判要旨甲乙丙三棟の建物を所有する債務者が、未登記の甲建物の所有権保存登記をなすべく司法書士に委任したところ、甲建物を主たる建物、乙丙建物を付属建物と表示する登記がなされ、次いで、債権者の手により甲乙丙建物を目的物とする抵当権設定登記が経由されたのに対し、抵当権設定契約の不存在を理由として右抵当権設定登記の抹消登記手続を請求する場合、右請求を認容するにつき、債権者と債務者が甲建物に対する抵当権設定を合意した事実を認定しながら、乙丙建物が甲建物の従物であるかのごとく窺われる証拠ならびに民法八七条二項〈主物及び従物〉の適用につき顧慮した形跡がないときは、審理不尽、理由不備の違法があり、また、判示の趣旨が甲建物のみに対する抵当権の設定を合意し、乙丙建物は除外したというにあるとすれば、債務者において、前期請求に代え、乙丙建物を前期抵当権設定登記の目的物から取り除くことを目的とする別個の登記請求をするかどうかの点を審理することなく、前記請求をそのまま全面的に認容したことは、審理不尽、理由そごの違法がある。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和37年10月5日 昭和35(オ)234
登載
集民 第62号709頁
参照法条
民法177条,民法87条2項,民訴法395条6号
論点62第177条民法

地盤所有権の取得につき未登記のままその地盤上に植栽された立木の所有権と対抗要件。

裁判要旨地盤所有権の取得につき未登記のままその地盤上に植栽した立木の所有権を、第三者に対抗するには、公示方法を必要とする。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和35年3月1日 昭和32(オ)325
登載
民集 第14巻3号307頁
参照法条
民法177条,民法242条但書
論点63第177条民法

明認方法を施す以前立木が伐採された場合における伐木所有権の対抗力。

裁判要旨立木法の適用を受けない立木の買受人においてこれに明認方法を施さないうちに右立木が伐採された場合、右買受人は当然伐木の所有者となるけれども、立木当時既に明認方法の欠缺を主張し得べき正当の利益を有した第三者に対する関係においては、伐木所有権をもつてこれに対抗し得ないものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和33年7月29日 昭和32(オ)42
登載
民集 第12巻12号1879頁
参照法条
民法177条,民法178条
論点64第177条民法

一 組合財産共有の性質。
二 組合員の一人のなす登記抹消請求の許否。

裁判要旨一 組合財産についても、民法第六六七条〈組合契約〉以下において特別の規定のなされていない限り、民法第二四九条〈共有物の使用〉以下の共有の規定が適用される。
二 組合員の一人は、単独で、組合財産である不動産につき登記簿上の所有名義者たる者に対して登記の抹消を求めることができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和33年7月22日 昭和31(オ)103
登載
民集 第12巻12号1805頁
参照法条
民法第668条,民法第249条,民法252条,民法177条
論点65第177条民法

不動産の譲渡人の死亡後同人の代理人の名義でなされた登記とその抹消請求の許否

裁判要旨不動産の譲渡人から与えられた代理権に基き、譲渡人の死亡後同人の代理人名義の申請によつてなされた移転登記は、それが現在の真実な権利状態に符合するものである限り、対抗力を有し、譲渡人の相続人は譲受人に対し、その抹消を請求することはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和31年7月27日 昭和28(オ)111
登載
民集 第10巻8号1122頁
参照法条
民法111条,民法177条
論点66第177条民法

限定承認前の仮登記にもとずくその後の本登記の効力

裁判要旨乙所有の土地につき、甲のため所有権移転登記請求権保全の仮登記がなされた後、乙死亡し、その相続人丙が限定承認をした場合に、その後甲において所有権取得登記をなした時は、甲はその所有権の取得を以つて、乙の相続債権者に対抗することができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和31年6月28日 昭和30(オ)54
登載
民集 第10巻6号754頁
参照法条
民法922条,民法927条,民法177条,不動産登記法7条
論点67第177条民法

一 国税滞納処分による差押と民法第一七七条〈不動産に関する物権の変動の対抗要件〉
二 登記の欠缺を主張するにつき正当の利益を有しない第三者の範囲
三 国税滞納処分による不動産差し押えの場合における国の登記欠缺の主張が正当の利益がないとはいえないとされた一事例

裁判要旨一 国税滞納処分による差押については、民法第一七七条〈不動産に関する物権の変動の対抗要件〉の適用があるものと解すべきである。
二 登記の欠缺を主張する第三者がこれを主張するにつき正当の利益を有しない場合とは、当該第三者に、不動産登記法第四条第五条により登記の欠缺を主張することの許されない事由がある場合、その他これに類するような、登記の欠缺を主張することが信義に反すると認められる事由がある場合に限るものと解すべきである。
三 国が国税滞納者に対する滞納処分として登記簿上滞納者名義の不動産を差し押えた場合において、差押の約三年六箇月前に右不動産の譲受人から移転登記の未経由にかかわらず該不動産がその所有に属する旨の財産申告を受け、これを前提として財産税を徴収した事実があつても、それだけでは、国は、登記の欠缺を主張するにつき正当の利益を有する第三者にあたらないとはいえない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和31年4月24日 昭和29(オ)79
登載
民集 第10巻4号417頁
参照法条
民法177条,国税徴収法10条
論点68第177条民法

物上保証人甲所有の不動産と物上保証人乙所有の不動産を共同抵当の目的として抵当権が設定され甲所有の不動産が先に競売された場合における甲所有不動産の後順位抵当権者の地位

裁判要旨物上保証人甲所有の不動産と物上保証人乙所有の不動産を共同抵当の目的として抵当権が設定された場合において、甲所有の不動産が先に競売されて先順位抵当権者が弁済を受けたときは、甲所有不動産の後順位抵当権者は、甲が乙に対する求償権の範囲内において代位取得する乙所有不動産の先順位抵当権から優先して弁済を受けることができ、右優先弁済権を主張するについては登記を要しない。
(反対意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成元年11月24日 昭和63(オ)1539
登載
集民 第158号225頁
参照法条
民法177条,民法304条1項,民法372条,民法392条2項,民法501条3号,民法501条4号
論点69第177条民法

留置権者が留置物の使用等の承諾を受けた後に留置物の所有権を取得した者による留置物の使用等を理由とする留置権の消滅請求の可否

裁判要旨留置物の所有権が譲渡等により第三者に移転した場合において、右につき対抗要件を具備するよりも前に留置権者が留置物の使用又は賃貸についての承諾を受けていたときは、新所有者は、留置権者に対し、右使用等を理由に留置権の消滅請求をすることはできない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成9年7月3日 平成6(オ)1279
登載
民集 第51巻6号2500頁
参照法条
民法177条,民法298条
論点70第177条民法

背信的悪意者からの転得者と民法一七七条の第三者

裁判要旨所有者甲から乙が不動産を買い受け、その登記が未了の間に、甲から丙が当該不動産を二重に買い受け、更に丙から転得者丁が買い受けて登記を完了した場合に、丙が背信的悪意者に当たるとしても、丁は、乙に対する関係で丁自身が背信的悪意者と評価されるのでない限り、当該不動産の所有権取得をもって乙に対抗することができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成8年10月29日 平成5(オ)956
登載
民集 第50巻9号2506頁
参照法条
民法177条
論点71第177条民法

一棟の建物のうち構造上及び利用上の独立性のある建物部分に賃借権が設定されたにもかかわらず建物全部について賃借権設定登記がされている場合に右登記の抹消登記手続請求を認容すべき範囲

裁判要旨一棟の建物のうち構造上及び利用上の独立性のある建物部分に賃借権が設定されたにもかかわらず、建物全部について賃借権設定登記がされている場合、右登記の抹消登記手続請求は、右建物部分を除く残余の部分に関する限度において認容すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成7年1月19日 平成4(オ)2188
登載
集民 第174号1頁
参照法条
民法177条,建物の区分所有等に関する法律1条,不動産登記法94条ノ2,不動産登記法96条ノ2
論点72第177条民法

工場抵当法三条の抵当物件目録の記載と対抗要件

裁判要旨工場抵当法三条に規定する物件につき抵当権の効力を第三者に対抗するには、右物件が同条の目録に記載されていることを要する。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成6年7月14日 平成3(オ)1762
登載
民集 第48巻5号1126頁
参照法条
工場抵当法3条,工場抵当法35条,民法177条
論点73第177条民法

甲所有地上の建物所有者乙がこれを丙に譲渡した後もなお登記名義を保有する場合における建物収去・土地明渡義務者

裁判要旨甲所有地上の建物を取得し、自らの意思に基づいてその旨の登記を経由した乙は、たとい右建物を丙に譲渡したとしても、引き続き右登記名義を保有する限り、甲に対し、建物所有権の喪失を主張して建物収去・土地明渡しの義務を免れることはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成6年2月8日 平成4(オ)602
登載
民集 第48巻2号373頁
参照法条
民法177条,民法200条,民法206条
論点74第177条民法

法定相続分を下回る相続分を指定された共同相続人の一人から法定相続分に応じた共有持分権を譲り受けた者が取得する持分の割合

裁判要旨遺言により法定相続分を下回る相続分を指定された共同相続人の一人が、遺産を構成する特定不動産に法定相続分に応じた共同相続登記がされたことを利用し、右登記に係る自己の共有持分権を第三者に譲渡し、第三者が右持分の移転登記を受けたとしても、右第三者は右共同相続人の指定相続分に応じた持分を取得するにとどまる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成5年7月19日 平成1(オ)714
登載
集民 第169号243頁
参照法条
民法177条,民法898条,民法902条
論点75第177条民法

通行地役権者が承役地の担保不動産競売による買受人に対し地役権設定登記がなくとも通行地役権を主張することができる場合

裁判要旨通行地役権の承役地が担保不動産競売により売却された場合において,最先順位の抵当権の設定時に,既に設定されている通行地役権に係る承役地が要役地の所有者によって継続的に通路として使用されていることがその位置,形状,構造等の物理的状況から客観的に明らかであり,かつ,上記抵当権の抵当権者がそのことを認識していたか又は認識することが可能であったときは,通行地役権者は,特段の事情がない限り,登記がなくとも,買受人に対し,当該通行地役権を主張することができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成25年2月26日 平成23(受)1644
登載
民集 第67巻2号297頁
参照法条
民事執行法59条2項,民事執行法188条,民法177条,民法280条
論点76第177条民法

不動産の取得時効の完成後,所有権移転登記がされることのないまま,第三者が原所有者から抵当権の設定を受けて抵当権設定登記を了した場合における,再度の取得時効の完成と上記抵当権の消長

裁判要旨不動産の取得時効の完成後,所有権移転登記がされることのないまま,第三者が原所有者から抵当権の設定を受けて抵当権設定登記を了した場合において,上記不動産の時効取得者である占有者が,その後引き続き時効取得に必要な期間占有を継続し,その期間の経過後に取得時効を授用したときは,上記占有者が上記抵当権の存在を容認していたなど抵当権の消滅を妨げる特段の事情がない限り,上記占有者が,上記不動産を時効取得する結果,上記抵当権は消滅する。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成24年3月16日 平成22(受)336
登載
民集 第66巻5号2321頁
参照法条
民法162条,民法177条,民法397条
論点77第177条民法

不動産の所有権が,元の所有者から中間者に,次いで中間者から現在の所有者に,順次移転したにもかかわらず,登記名義がなお元の所有者の下に残っている場合において,現在の所有者が元の所有者に対し,元の所有者から現在の所有者に対する真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記手続を請求することは許されるか

裁判要旨不動産の所有権が,元の所有者から中間者に,次いで中間者から現在の所有者に,順次移転したにもかかわらず,登記名義がなお元の所有者の下に残っている場合において,現在の所有者が元の所有者に対し,元の所有者から現在の所有者に対する真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記手続を請求することは許されない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成22年12月16日 平成21(受)1097
登載
民集 第64巻8号2050頁
参照法条
民法177条
論点78第177条民法

不動産の取得時効完成後に当該不動産の譲渡を受けて所有権移転登記を了した者が背信的悪意者に当たる場合

裁判要旨甲が時効取得した不動産について,その取得時効完成後に乙が当該不動産の譲渡を受けて所有権移転登記を了した場合において,乙が,当該不動産の譲渡を受けた時に,甲が多年にわたり当該不動産を占有している事実を認識しており,甲の登記の欠缺を主張することが信義に反するものと認められる事情が存在するときは,乙は背信的悪意者に当たる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成18年1月17日 平成17(受)144
登載
民集 第60巻1号27頁
参照法条
民法162条,民法177条
論点79第177条民法

取得時効の援用により不動産の所有権を取得してその旨の登記を有する者が当該取得時効の完成後に設定された抵当権に対抗するためその設定登記時を起算点とする再度の取得時効を援用することの可否

裁判要旨取得時効の援用により不動産の所有権を取得してその旨の登記を有する者は,当該取得時効の完成後に設定された抵当権に対抗するため,その設定登記時を起算点とする再度の取得時効の完成を主張し,援用をすることはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成15年10月31日 平成12(受)1589
登載
集民 第211号313頁
参照法条
民法144条,民法145条,民法162条,民法177条,民法397条
論点80第177条民法

「相続させる」趣旨の遺言による不動産の取得と登記

裁判要旨「相続させる」趣旨の遺言による不動産の権利の取得については,登記なくして第三者に対抗することができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成14年6月10日 平成11(受)271
登載
集民 第206号445頁
参照法条
民法177条,民法908条,民法985条
論点81第177条民法

一 被相続人の生存中に相続人に対し売買を原因としてされた所有権移転登記につき被相続人の死亡後に相続を原因とするものに更正することの可否
二 被相続人の生存中にその所有不動産につき共同相続人の一人に対し所有権移転登記がされた上で第三者のために抵当権設定登記がされた場合において被相続人の死亡後に他の相続人がした真正な登記名義の回復を原因とする持分移転登記手続請求及び抵当権設定登記についての更正登記手続請求が認められた事例

裁判要旨一 被相続人の生存中に相続人に対し売買を原因としてされた所有権移転登記について、被相続人の死亡後に、相続を原因とするものに更正することはできない。
二 被相続人の生存中にその所有する不動産につき共同相続人の一人である甲に対し仮空の売買を原因として所有権転移登記がされ、甲が第三者乙のために抵当権設定登記をした場合には、被相続人の死亡後、他の相続人は、甲に対しては真正な登記名義の回復を原因とする持分の移転登記手続を、乙に対しては甲の持分についての抵当権設定登記に改める更正登記手続を請求することができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成11年3月9日 平成9(オ)953
登載
集民 第192号65頁
参照法条
民法177条,民法882条,民法896条,民法898条,不動産登記法63条,不動産登記法66条
論点82第177条民法

債権について一般債権者の差押えと抵当権者の物上代位権に基づく差押えが競合した場合における両者の優劣の判断基準

裁判要旨債権について一般債権者の差押えと抵当権者の物上代位権に基づく差押えが競合した場合には、両者の優劣は、一般債権者の申立てによる差押命令の第三債務者への送達と抵当権設定登記の先後によって決すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成10年3月26日 平成6(オ)1408
登載
民集 第52巻2号483頁
参照法条
民法177条,民法304条,民法372条,民事執行法145条
論点83第177条民法

限定承認をした相続人が死因贈与による不動産の取得を相続債権者に対抗することの可否

裁判要旨不動産の死因贈与の受贈者が贈与者の相続人である場合において、限定承認がされたときは、死因贈与に基づく限定承認者への所有権移転登記が相続債権者による差押登記よりも先にされたとしても、信義則に照らし、限定承認者は相続債権者に対して不動産の所有権取得を対抗することができない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成10年2月13日 平成8(オ)2168
登載
民集 第52巻1号38頁
参照法条
民法1条2項,民法177条,民法554条,民法922条,民法931条
論点84第177条民法

設定登記のされていない通行地役権について承役地の譲受人が登記の欠缺を主張する正当な利益を有する第三者に当たらないと解すべき場合

裁判要旨通行地役権の承役地が譲渡された場合において、譲渡の時に、右承役地が要役地の所有者によって継続的に通路として使用されていることがその位置、形状、構造等の物理的状況から客観的に明らかであり、かつ、譲受人がそのことを認識していたか又は認識することが可能であったときは、譲受人は、通行地役権が設定されていることを知らなかったとしても、特段の事情がない限り、地役権設定登記の欠缺を主張するについて正当な利益を有する第三者に当たらない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成10年2月13日 平成9(オ)966
登載
民集 第52巻1号65頁
参照法条
民法177条,民法280条
論点85第177条民法

通行地役権の承役地の譲受人が地役権設定登記の欠缺を主張するについて正当な利益を有する第三者に当たらない場合に地役権者が譲受人に対して地役権設定登記手続を請求することの可否

裁判要旨通行地役権の承役地の譲受人が地役権設定登記の欠缺を主張するについて正当な利益を有する第三者に当たらない場合には、地役権者は、譲受人に対し、同権利に基づいて地役権設定登記手続を請求することができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成10年12月18日 平成8(オ)2343
登載
民集 第52巻9号1975頁
参照法条
民法177条,民法280条
論点86第178条民法

一 構成部分の変動する集合動産を目的とする集合物譲渡担保権の対抗要件と構成部分の変動した後の集合物に対する効力

二 構成部分の変動する集合動産を目的とする集合物譲渡担保権と動産売買先取特権に基づいてされた動産競売の不許を求める第三者異議の訴え

三 構成部分の変動する集合動産を目的とする集合物譲渡担保権設定契約において目的物の範囲が特定されているとされた事例

裁判要旨一 構成部分の変動する集合動産を目的とする集合物譲渡担保権の設定者がその構成部分である動産の占有を取得したときは譲渡担保権者が占有改定の方法によつて占有権を取得する旨の合意があり、譲渡担保権設定者がその構成部分として現に存在する動産の占有を取得した場合には、譲渡担保権者は右譲渡担保権につき対抗要件を具備するに至り、右対抗要件具備の効力は、新たにその構成部分となつた動産を包含する集合物に及ぶ。

二 構成部分の変動する集合動産を目的とする集合物譲渡担保権者は、特段の事情のない限り、第三者異議の訴えによつて、動産売買先取特権者が右集合物の構成部分となつた動産についてした競売の不許を求めることができる。

三 構成部分の変動する集合動産を目的とする集合物譲渡担保権設定契約において、目的動産の種類及び量的範囲が普通棒鋼、異形棒鋼等一切の在庫商品と、その所在場所が譲渡担保権設定者の倉庫内及び同敷地・ヤード内と指定されているときは、目的物の範囲が特定されているものというべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和62年11月10日 昭和57(オ)1408
登載
民集 第41巻8号1559頁
参照法条
民法85条,民法178条,民法181条,民法183条,民法333条,民法369条(譲渡担保),民訴法(昭和54年法律第4号による改正前のもの)549条1項,競売法3条
論点87第178条民法

一 沈没船所有権移転の対抗要件
二 沈没船の引渡があつたと認むべき事例

裁判要旨一 海底三五尋以上の海深にあつて引揚困難な沈没船の所有権移転を第三者に対抗するには、たとえ公称屯数二〇屯以上の場合でも、民法第一七八条〈動産に関する物権の譲渡の対抗要件〉にいう引渡があれば足りる。
二 原判示のような事情(原判決理由参照)のもとで、沈没船売買契約書、保険会社の損害品売渡証、関係漁場使用に関する漁業協同組合長名義の承諾書等関係書類授受があつたときは、当該沈没船につき民法第一七八条にいう引渡があつたものと認むるのが相当である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和35年9月1日 昭和34(オ)986
登載
民集 第14巻11号1991頁
参照法条
商法686条,商法687条,民法178条
論点88第178条民法

民法第一七八条〈動産に関する物権の譲渡の対抗要件〉の第三者にあたらない一事例

裁判要旨甲所有の動産が乙の占有にある間に乙の債権者丙によつて仮差押がなされたとしても、丙は、甲から所有権を譲り受けた丁に対し、引渡の欠缺を主張する正当の利益を有しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和33年3月14日 昭和31(オ)1056
登載
民集 第12巻3号570頁
参照法条
民法178条
論点89第178条民法

動産の売渡担保契約と債務者の所有権取得の対抗力の有無

裁判要旨債務者が動産を売渡担保に供し引きつづきこれを占有する場合においては、債権者は、契約の成立と同時に、占有改定によりその物の占有権を取得し、その所有権取得をもつて第三者に対抗することができるものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和30年6月2日 昭和28(オ)952
登載
民集 第9巻7号855頁
参照法条
民法178条,民法181条,民法183条
論点90第178条民法

寄託動産の保管者と民法第一七八条

裁判要旨動産の寄託をうけ一時これを保管しているにすぎない者は民法第一七八条の第三者に該当しない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和29年8月31日 昭和27(オ)1197
登載
民集 第8巻8号1567頁
参照法条
民法178条,民法662条
論点91第179条民法

一、競売期日の公告に記載されなかつた賃借権とその対抗力
二、執行裁判所の取調に対して申出のなかつた賃借権とその効力
三、土地の所有権と賃借権とが混同しても賃借権が消滅しない場合

裁判要旨一、建物保護に関する法律一条〈基本原則〉による対抗要件を具備した土地の賃借権は、競売期日の公告に記載されなかつたとしても、その対抗力が消滅するものではない。
二、執行裁判所の取調に対して土地の賃借権者が賃借権の申出をしなかつたとしても、その賃借権の効力に影響を及ぼすものではない。
三、特定の土地につき所有権と賃借権とが同一人に帰属するに至つた場合であつても、その賃借権が対抗要件を具備したものであり、かつ、その対抗要件を具備したのちに右土地に抵当権が設定されていたときは、民法一七九条一項〈混同〉但書の準用により、賃借権は消滅しないものと解すべきであり、このことは、賃借権の対抗要件が建物保護に関する法律一条によるものであるときでも同様である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和46年10月14日 昭和46(オ)582
登載
民集 第25巻7号933頁
参照法条
民法179条1項,民法520条,民法601条,民法605条,建物保護に関する法律1条,民訴法643条1項,民訴法643条3項,民訴法658条
論点92第179条民法

根抵当権者が競売の申立ての際に提出した当該根抵当権の登記のほかに譲渡担保を原因とする同人への所有権移転登記が記載されている登記簿謄本とみなされる登記事項証明書と民事執行法(平成16年法律第124号による改正前のもの)181条1項3号の文書

裁判要旨根抵当権者が競売の申立ての際に提出した登記簿謄本とみなされる登記事項証明書に,当該根抵当権の登記のほかに譲渡担保を原因とする同人への所有権移転登記が記載されていても,同登記事項証明書は,民事執行法(平成16年法律第124号による改正前のもの)181条1項3号の文書に当たる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成17年11月11日 平成17(許)22
登載
集民 第218号433頁
参照法条
民事執行法(平成16年法律第124号による改正前のもの)181条1項3号,民法179条1項,民法369条(譲渡担保),民法398条の2,旧不動産登記法(平成16年法律第123号による改正前のもの)151条ノ4
原

条文原文

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民法 第175条(物権の創設) 詳細ページ
(物権の創設)
第百七十五条物権は、この法律その他の法律に定めるもののほか、創設することができない。
民法 第176条(物権の設定及び移転) 詳細ページ
(物権の設定及び移転)
第百七十六条物権の設定及び移転は、当事者の意思表示のみによって、その効力を生ずる。
民法 第177条(不動産に関する物権の変動の対抗要件) 詳細ページ
(不動産に関する物権の変動の対抗要件)
第百七十七条不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
民法 第178条(動産に関する物権の譲渡の対抗要件) 詳細ページ
(動産に関する物権の譲渡の対抗要件)
第百七十八条動産に関する物権の譲渡は、その動産の引渡しがなければ、第三者に対抗することができない。
民法 第179条(混同) 詳細ページ
(混同)
第百七十九条同一物について所有権及び他の物権が同一人に帰属したときは、当該他の物権は、消滅する。ただし、その物又は当該他の物権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない。
2所有権以外の物権及びこれを目的とする他の権利が同一人に帰属したときは、当該他の権利は、消滅する。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。
3前二項の規定は、占有権については、適用しない。
出

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