論点1第8条行政事件訴訟法
第三者甲が地方税法一九条に規定する処分につき審査請求手続を経た場合と乙の提起した当該処分の取消訴訟についての審査請求手続経由の有無
裁判要旨第三者甲が、地方税法一九条に規定する処分につき、当該処分の取消訴訟において原告乙の主張する事由と同一の事由に基づいて審査請求手続を経ていたとしても、甲と乙とが当該処分に対し一体的な利害関係を有し、実質的にみれば甲のした審査請求は同時に乙のための審査請求でもあるといえるような特段の事情がない限り、右甲による審査請求手続の経由をもつて原告乙の訴えにつき審査請求手続の経由があつたものということはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和61年6月10日 昭和58(行ツ)75
- 登載
- 集民 第148号159頁
- 参照法条
- 行政事件訴訟法8条1項ただし書,地方税法19条の12
論点2第8条行政事件訴訟法
欠損金額を減額する更正処分に対して不服申立を経由している場合と当該欠損金の繰戻しによる法人税の還付請求を理由がないとする通知処分に対する不服申立経由の必要
裁判要旨欠損金の繰戻しによる前年度の法人税の還付請求を理由がないとする通知処分に対し取消の訴えを提起するためには、右通知処分と同時に同一の理由によりされた当該欠損金額を減額する更正処分に対し不服申立を経由している場合であつても、右通知処分に対する不服申立を経由することが必要である。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和59年6月28日 昭和58(行ツ)85
- 登載
- 民集 第38巻8号1029頁
- 参照法条
- 国税通則法115条1項,行政事件訴訟法8条1項,法人税法81条6項
論点3第8条行政事件訴訟法
青色申告書提出承認の取消処分と処分の基礎となる事実関係の全部又は一部を共通にする更正処分に対し不服申立てが経由された場合と右取消処分に対する不服申立て経由の必要
裁判要旨青色申告書提出承認の取消処分と同時に又はこれに引き続いて更正処分がされた場合に、たまたま右二つの処分の基礎とされた事実関係の全部又は一部が共通であつて、これに対する納税者の不服の事由も同一であるとみられるようなときでも、更正処分に対し適法に不服申立てを経たからといつて、それだけでは当然に、青色申告書提出承認の取消処分に対する取消訴訟の提起につき不服申立ての前置を不要と解することはできず、また、同処分に対する不服申立てを経ないことにつき国税通則法(昭和四五年法律第八号による改正前のもの)八七条一項四号にいう正当な理由があると解することもできない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和57年12月21日 昭和54(行ツ)87
- 登載
- 民集 第36巻12号2409頁
- 参照法条
- 国税通則法(昭和45年法律第8号による改正前のもの)87条1項4号,行政事件訴訟法8条1項
論点4第8条行政事件訴訟法
地方公務員災害補償基金の従たる事務所の長がした補償に関する決定の取消の訴と再審査請求の経由
裁判要旨地方公務員災害補償基金の従たる事務所の長がした補償に関する決定の取消の訴は、地方公務員災害補償基金審査会に対する再審査請求の裁決を経た上で提起しなければならない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和56年9月24日 昭和56(行ツ)43
- 登載
- 集民 第133号487頁
- 参照法条
- 地方公務員災害補償法51条,地方公務員災害補償法56条,行政事件訴訟法8条1項
論点5第8条行政事件訴訟法
労働者災害補償保険法による保険給付に関する処分について審査請求をした日から三箇月を経過しても決定がないときに再審査請求の手続を経ないで処分の取消しの訴えを提起することの可否
裁判要旨労働者災害補償保険法による保険給付に関する決定に不服のある者は、労働者災害補償保険審査官に対して審査請求をした日から三箇月を経過しても決定がないときは、審査請求に対する決定及び労働保険審査会に対する再審査請求の手続を経ないで、処分の取消しの訴えを提起することができる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成7年7月6日 平成4(行ツ)68
- 登載
- 民集 第49巻7号1833頁
- 参照法条
- 労働者災害補償保険法35条1項,労働者災害補償保険法37条,行政事件訴訟法8条1項,行政事件訴訟法8条2項1号
論点6第9条行政事件訴訟法
特許出願の明細書の補正却下の決定に対する審判請求を排斥した審決の取消訴訟の係属中に特許出願の放棄がされた場合における訴えの利益の有無
裁判要旨特許出願の明細書の補正却下の決定に対する審判請求を排斥した審決の取消訴訟の係属中に特許出願の放棄がされた場合には、取消訴訟の訴えの利益は失われる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和60年3月28日 昭和58(行ツ)101
- 登載
- 集民 第144号399頁
- 参照法条
- 特許法9条,特許法14条,特許法52条3項,特許法52条4項,特許法53条1項,特許法122条1項,行政事件訴訟法9条
論点7第9条行政事件訴訟法
一 訂正審判の係属中に当該実用新案登録の無効審決が確定した場合における訂正審判の請求の適否
二 訂正審判の請求が成り立たない旨の審決の取消訴訟の係属中に当該実用新案登録の無効審決が確定した場合における訴えの利益の有無
裁判要旨一 実用新案登録に関する訂正審判の係属中に当該実用新案登録を無効にする審決が確定した場合には、訂正審判の請求は不適法となる。
二 実用新案登録に関する訂正審判の請求につき請求が成り立たない旨の審決の取消訴訟の係属中に当該実用新案登録を無効にする審決が確定した場合には、取消訴訟の訴えの利益は失われる。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和59年4月24日 昭和57(行ツ)27
- 登載
- 民集 第38巻6号653頁
- 参照法条
- 実用新案法37条,実用新案法39条,実用新案法41条,特許法125条,特許法135条,行政事件訴訟法9条
論点8第9条行政事件訴訟法
一 商標登録査定後における商標登録異議手続受継申立不受理処分の取消を求める訴の利益の有無
二 商標登録異議申立人である会社の合併による消滅と右申立人としての地位の承継の有無
裁判要旨一 商標登録出願につき登録査定がされたのちにおいては、右出願に関する商標登録異議手続受継申立不受理処分の取消を求める訴の利益はない。
二 商標登録異議申立人である会社が合併によつて消滅したときは、右異議申立は失効し、異議申立人としての地位は合併後存続する会社に承継されない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和56年6月19日 昭和53(行ツ)103
- 登載
- 民集 第35巻4号827頁
- 参照法条
- 商標法17条,商標法77条2項,特許法24条,特許法55条,民訴法209条1項,行政事件訴訟法9条,商法103条,商法416条1項
論点9第9条行政事件訴訟法
いわゆる減額再更正処分の取消を求める訴の利益の有無
裁判要旨いわゆる減額再更正処分につき、納税者は、その取消を求める訴の利益を有しない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和56年4月24日 昭和52(行ツ)12
- 登載
- 民集 第35巻3号672頁
- 参照法条
- 国税通則法26条,国税通則法29条2項,行政事件訴訟法9条
論点10第9条行政事件訴訟法
一、私的独占の禁止及び公正取引のに関する法律四八条に基づくいわゆる勧告審決のその名宛人以外の第三者に対する効カ
二、国際的契約につき私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律六条一項〈機関訴訟〉に違反するとしてされた同法四八条に基づくいわゆる勧告審決の取消訴訟と審決の名宛人とされていない右契約の他方当事者の原告適格
裁判要旨一、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律四八条に基づくいわゆる勧告審決は、その名宛人以外の第三者に対し、これを拘束したり、その認定にかかる行為が同法違反の行為であることを確定したり、右審決に基づくその名宛人の行為を正当化したりするなどの法律的影響を及ぼすものではない。
二、外国事業者とわが国内事業者間の商品の継続的販売に関する国際的契約につき、国内事業者に対し契約終了後における競争品の製造販売及び取扱を禁止した条項が私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律六条一項に違反するとして、同法四八条に基づき、右契約の一方当事者である国内事業者のみを名宛人として、右違反条項の削除を命ずるいわゆる勧告審決がされた場合、右契約の他方当事者である外国事業者は、右審決が右外国事業者を同法違反の行為をした者と認定していても、また、右国内事業者が右審決に従つて右契約条項の破棄ないし不履行の挙に出ることがあるとしても、それだけでは右審決の取消を訴求する原告適格を有するとはいえない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和50年11月28日 昭和46(行ツ)66
- 登載
- 民集 第29巻10号1592頁
- 参照法条
- 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律6条1項,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律7条,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律48条,行政事件訴訟法9条
論点11第9条行政事件訴訟法
一、税務署長がした処分につき適法な理由附記のある審査請求棄却の裁決があつた場合と右処分に対する異議申立棄却決定につき理由附記の不備を主張してその取消を求める訴の利益
二、税務署長がした処分に対する異議申立棄却決定が判決によつて取り消された場合と昭和四五年法律第八号による改正前の国税通則法八〇条一項一号の適用
裁判要旨一、税務署長がした処分につき適法な理由附記のある審査請求棄却の裁決があつても、右処分に対する異議申立棄却決定につき理由附記の不備を主張してその取消を求める訴の利益は失われない。
二、税務署長がした処分に対する異議申立を棄却する決定が判決によつて取り消された場合において、右判決確定の時当初の異議申立から既に三月を経過していても、右異議申立は、昭和四五年法律第八号による改正前の国税通則法八〇条一項一号の規定により当然に審査請求に移行するものではない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和49年9月26日 昭和43(行ツ)39
- 登載
- 集民 第112号723頁
- 参照法条
- 行政事件訴訟法9条,行政事件訴訟法33条2項,国税通則法84条4項,国税通則法(昭和45年法律第8号による改正前のもの)75条,国税通則法(昭和45年法律第8号による改正前のもの)80条1項1号,行政不服審査法41条1項,行政不服審査法48条
論点12第9条行政事件訴訟法
一、税務署長がした処分に対する異議申立棄却決定が判決によつて取り消された場合と昭和四五年法律第八号による改正前の国税通則法八〇条一項一号の適用
二、税務署長がした処分につき適法な理由附記のある審査請求棄却の裁決があつた場合と右処分に対する異議申立棄却決定につき理由附記の不備を主張してその取消を求める訴の利益
裁判要旨一、税務署長がした処分に対する異議申立を棄却する決定が判決によつて取り消された場合において、右判決確定の時当初の異議申立から既に三月を経過していても、右異議申立は、昭和四五年法律第八号による改正前の国税通則法八〇条一項一号の規定により当然に審査請求に移行するものではない。
二、税務署長がした処分につき適法な理由附記のある審査請求棄却の裁決があつても、右処分に対する異議申立棄却決定につき理由附記の不備を主張してその取消を求める訴の利益は失われない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和49年7月19日 昭和42(行ツ)7
- 登載
- 民集 第28巻5号759頁
- 参照法条
- 国税通則法84条4項,国税通則法(昭和45年法律第8号による改正前のもの)75条,国税通則法(昭和45年法律第8号による改正前のもの)80条1項1号,行政事件訴訟法9条,行政事件訴訟法33条2項,行政不服審査法41条1項,行政不服審査法48条
論点13第9条行政事件訴訟法
一、自作農創設特別措置法による買収土地の売渡の椙手方による占有と右土地の所有権の時効取得
二、自作農創設特別措置法による買収土地を売渡の相手方が一〇年間所有の意思をもつて、平穏公然に占有しその占有の始め善意無過失であつた場合と右土地の所有権の回復を目的とする買収計画取消訴訟の利益
裁判要旨一、自作農創設特別措置法による買収土地を売渡の相手方が一〇年間所有の意思をもつて、平穏、公然に占有し、その占有の始め、善意、無過失であつた場合において、買収に関する処分の取消判決が確定したときは、売渡の相手方は、民法一六二条二項により右土地の所有権を時効取得する。
二、自作農創設特別措置法による買収土地を売渡の相手方が一〇年間所有の意思をもつて、平穏、公然に占有し、その占有の始め、善意、無過失であつたときは、被買収者が右土地の所有権の回復を目的として提起した買収計画取消訴訟は、その利益を失う。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和49年12月23日 昭和45(行ツ)23
- 登載
- 集民 第113号729頁
- 参照法条
- 自作農創設特別措置法3条1項,自作農創設特別措置法16条1項,民法162条,行政事件訴訟法9条
論点14第9条行政事件訴訟法
一、教育委員会沫のもとにおいて教育委員会の会議の公開違反の瑕疵がその議決の取消事由にあたらないとされた事例
二、免職された公務員が免職処分の取消訴訟の係属中に死亡した場合と相続人による訴訟承継の成否
裁判要旨一、教育委員会法のもとにおいて、教育委員会が秘密会で免職処分の議決をした場合に、右秘密会で審議する旨の議決に公開違反の瑕疵があつたとしても、同委員会においては、従来から人事案件はすべて秘密会で審議しており、各委員がこれを了知したうえ全員一致で秘密会で審議する旨を議決したものであつて、その議決を公開の会議で行うことが議決の公正確保のために実質的にさして重要な意義を有せず、また、その議決は、一部関係者だけが傍聴できない状況のもとで行われた点において公開違反があるにとどまり、全く秘密裡にされたものであるとはいえないなど判示のような事情があるときは、右公開違反の瑕疵は、実質的に公開制度の趣旨目的に反するというに値しないほど軽微なものとして、免職処分の議決を取り消すべき事由にはあたらないものと解するのが相当である。
二、免職された公務員が免職処分の取消訴訟の係属中に死亡した場合には、その取消判決によつて回復される当該公務員の給料請求権等を相続する者が右訴訟を承継する。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和49年12月10日 昭和44(行ツ)8
- 登載
- 民集 第28巻10号1868頁
- 参照法条
- 教育委員会法(昭和23年法律第170号)37条,民訴法208条,行政事件訴訟法9条
論点15第9条行政事件訴訟法
一、自作農創設特別措置法による買収計画または買収処分に対する取消訴訟の提起と買収土地の取得時効の中断
二、自作農創設特別措置法による土地の被買収者が右土地の売渡の相手方に対し取得時効を中断する方法
三、自作農創設特別措置法による買収土地が売渡の相手方により時効取得された場合と右土地の所有権の回復のみを目的とする買収計画取消訴訟の利益
裁判要旨一、自作農創設特別措置法に基づき所有土地を買収された者が買収計画または買収処分に対する取消訴訟を提起しても、右土地につき売渡の相手方のために進行する取得時効は中断されない。
二、自作農創設特別措置法に基づき所有土地を買収された者は、右土地の売渡の相手方を被告として、買収計画または買収処分の取消を条件とする原状回復の請求(土地の返還、所有権取得登記の抹消等の請求)の訴または右取消によつて土地所有権を回復すべき法律上の地位に関し条件付権利の確認の訴を提起する等の方法によつて、右土地につき売渡の相手方のために進行する取得時効を中断することができる。
三、自作農創設特別措置法に基づき買収土地の売渡を受けた者が右土地を時効取得したときは、被買収者が右土地の所有権の回復のみを目的として提起した買収計画取消訴訟は、その利益を失う。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和47年12月12日 昭和46(行ツ)46
- 登載
- 民集 第26巻10号1850頁
- 参照法条
- 自作農創設特別措置法3条1項,自作農創設特別措置法16条1項,民法147条,民法148条,民法162条,民訴法226条,行政事件訴訟法9条
論点16第9条行政事件訴訟法
被保護者の死亡と生活保護処分に関する裁決取消訴訟承継の成否
裁判要旨生活保護処分に関する裁決の取消訴訟は、被保護者の死亡により、当然終了する。
- 裁判
- 最高裁判所大法廷 昭和42年5月24日 昭和39(行ツ)14
- 登載
- 民集 第21巻5号1043頁
- 参照法条
- 民訴法208条,生活保護法59条,行政事件訴訟法9条
論点17第9条行政事件訴訟法
一 がけ崩れのおそれが多い土地等を開発区域内に含む開発許可の取消訴訟と開発区域周辺住民の原告適格
二 開発許可の取消訴訟を提起した開発区域周辺住民の死亡と訴訟承継の成否
裁判要旨一 開発区域内の土地が都市計画法(平成四年法律第八二号による改正前のもの)三三条一項七号にいうがけ崩れのおそれが多い土地等に当たる場合には、がけ崩れ等により生命、身体等に直接的な被害を受けることが予想される範囲の地域に居住する者は、開発許可の取消訴訟の原告適格を有する。
二 開発行為によって起こり得るがけ崩れ等により生命、身体等を侵害されるおそれがあると主張して開発許可の取消訴訟を提起した開発区域周辺住民が死亡したときは、右訴訟は当然終了する。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成9年1月28日 平成6(行ツ)189
- 登載
- 民集 第51巻1号250頁
- 参照法条
- 行政事件訴訟法9条,都市計画法(平成4年法律第82号による改正前のもの)29条,都市計画法(平成4年法律第82号による改正前のもの)33条1項7号,都市計画法施行令28条,都市計画法施行規則23条,都市計画法施行規則(平成5年建設省令第8号による改正前のもの)27条,民訴法208条
論点18第9条行政事件訴訟法
労働組合が自然消滅した場合におけるその組合への金員の支払を命じていた救済命令の拘束力の消長と右命令の取消しを求める訴えの利益
裁判要旨組合員が存在しなくなったことなどにより労働組合が自然消滅した場合には、その組合が清算法人として存続していたとしても、使用者に対し右組合への金員の支払を命じていた救済命令の拘束力は失われ、その結果、右命令の取消しを求める訴えの利益は失われる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成7年2月23日 平成4(行ツ)120
- 登載
- 民集 第49巻2号393頁
- 参照法条
- 労働組合法27条4項,労働組合法27条6項,労働委員会規則45条1項,行政事件訴訟法9条,民法73条
論点19第9条行政事件訴訟法
一 設置許可申請に係る原子炉の周辺に居住する住民と原子炉設置許可処分の無効確認を求めるにつき行政事件訴訟法三六条にいう「法律上の利益を有する者」
二 設置許可申請に係る原子炉(高速増殖炉)から約二九キロメートルないし約五八キロメートルの範囲内の地域に居住している住民が右原子炉の設置許可処分の無効確認を求めるにつき行政事件訴訟法三六条にいう「法律上の利益を有する者」に該当するとされた事例
裁判要旨一 設置許可申請に係る原子炉の周辺に居住し、原子炉事故等がもたらす災害により生命、身体等に直接的かつ重大な被害を受けることが想定される範囲の住民は、原子炉設置許可処分の無効確認を求めるにつき、行政事件訴訟法
三六条〈無効等確認の訴えの原告適格〉にいう「法律上の利益を有する者」に該当する。
二 設置許可申請に係る電気出力二八万キロワットの原子炉(高速増殖炉)から約二九キロメートルないし約五八キロメートルの範囲内の地域に居住している住民は、右原子炉の設置許可処分の無効確認を求めるにつき、行政事件訴訟法
三六条にいう「法律上の利益を有する者」に該当する。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成4年9月22日 平成1(行ツ)130
- 登載
- 民集 第46巻6号571頁
- 参照法条
- 行政事件訴訟法9条,行政事件訴訟法36条,核原料物質核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律23条,核原料物質核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律24条
論点20第9条行政事件訴訟法
特許出願の取下げがあった場合と拒絶査定に対する審判請求を不成立とした審決の取消しを求める訴えの利益
裁判要旨特許出願の取下げがあった場合には、拒絶査定に対する審判請求を不成立とした審決の取消しを求める訴えの利益は失われる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成3年3月28日 平成2(行ツ)21
- 登載
- 集民 第162号267頁
- 参照法条
- 行政事件訴訟法9条,特許法9条,特許法14条,特許法39条5項,特許法52条3項,特許法52条4項,特許法178条1項
論点21第9条行政事件訴訟法
じん肺管理区分が管理1に該当する旨の決定を受けた常時粉じん作業に従事する労働者等が管理4に該当するとして提起した当該決定の取消訴訟の係属中に死亡した場合における労働者災害補償保険法11条1項に規定する者による訴訟承継の成否
裁判要旨じん肺管理区分が管理1に該当する旨の決定を受けた常時粉じん作業に従事する労働者又は常時粉じん作業に従事する労働者であった者が管理4に該当するとして提起した当該決定の取消訴訟の係属中に死亡した場合には,労働者災害補償保険法11条1項に規定する者が当該訴訟を承継する。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成29年4月6日 平成27(行ヒ)349
- 登載
- 民集 第71巻4号637頁
- 参照法条
- 民訴法124条1項,じん肺法4条,じん肺法13条2項,じん肺法15条,じん肺法23条,労働者災害補償保険法11条1項,労働者災害補償保険法12条の8第2項,労働基準法75条,労働基準法施行規則35条,労働基準法施行規則別表第1の2第5号,行政事件訴訟法9条1項
論点22第9条行政事件訴訟法
行政手続法12条1項により定められ公にされている処分基準に先行の処分を受けたことを理由として後行の処分に係る量定を加重する旨の定めがある場合における先行の処分の取消しを求める訴えの利益
裁判要旨行政手続法12条1項により定められ公にされている処分基準において,先行の処分を受けたことを理由として後行の処分に係る量定を加重する旨の不利益な取扱いの定めがある場合には,上記先行の処分を受けた者は,将来において上記後行の処分の対象となり得るときは,上記先行の処分の効果が期間の経過によりなくなった後においても,当該処分基準の定めにより上記の不利益な取扱いを受けるべき期間内はなお当該処分の取消しによって回復すべき法律上の利益を有する。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成27年3月3日 平成26(行ヒ)225
- 登載
- 民集 第69巻2号143頁
- 参照法条
- 行政事件訴訟法9条1項,行政手続法12条1項
論点23第9条行政事件訴訟法
市街化調整区域内における開発行為に関する工事が完了し検査済証が交付された後における開発許可の取消しを求める訴えの利益
裁判要旨市街化調整区域内にある土地を開発区域として都市計画法(平成26年法律第42号による改正前のもの)29条1項による開発許可を受けた開発行為に関する工事が完了し,当該工事の検査済証が交付された後においても,当該開発許可の取消しを求める訴えの利益は失われない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成27年12月14日 平成27(行ヒ)301
- 登載
- 民集 第69巻8号2404頁
- 参照法条
- 行政事件訴訟法9条1項,都市計画法(平成26年法律第42号による改正前のもの)29条1項,都市計画法42条1項,都市計画法43条1項
論点24第9条行政事件訴訟法
1 産業廃棄物処分業及び特別管理産業廃棄物処分業の許可処分及び許可更新処分の取消訴訟及び無効確認訴訟と産業廃棄物の最終処分場の周辺住民の原告適格
2 産業廃棄物の最終処分場の周辺住民が産業廃棄物処分業及び特別管理産業廃棄物処分業の許可処分の無効確認訴訟並びに上記各処分業の許可更新処分の取消訴訟の原告適格を有するとされた事例
裁判要旨1 産業廃棄物の最終処分場の周辺に居住する住民のうち,当該最終処分場から有害な物質が排出された場合にこれに起因する大気や土壌の汚染,水質の汚濁,悪臭等による健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれのある者は,当該最終処分場を事業の用に供する施設としてされた産業廃棄物処分業及び特別管理産業廃棄物処分業の許可処分及び許可更新処分の取消訴訟及び無効確認訴訟につき,これらの取消し及び無効確認を求める法律上の利益を有する者として原告適格を有する。
2 産業廃棄物の最終処分場の周辺に居住する住民は,約3万㎡の埋立地を有する管理型最終処分場である当該最終処分場の中心地点から約1.8kmの範囲内の地域に居住する者であって,当該最終処分場の設置の許可に際して生活環境に及ぼす影響についての調査の対象とされた地域にその居住地が含まれているなどの判示の事情の下では,当該最終処分場を事業の用に供する施設としてされた産業廃棄物処分業及び特別管理産業廃棄物処分業の許可処分の無効確認訴訟並びに上記各処分業の許可更新処分の取消訴訟につき,これらの無効確認及び取消しを求める法律上の利益を有する者として原告適格を有する。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成26年7月29日 平成24(行ヒ)267
- 登載
- 民集 第68巻6号620頁
- 参照法条
- (1,2につき)行政事件訴訟法9条,行政事件訴訟法36条,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成22年法律第34号による改正前のもの)14条6項,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成22年法律第34号による改正前のもの)14条7項,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成22年法律第34号による改正前のもの)14条の4第6項,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成22年法律第34号による改正前のもの)14条の4第7項 (1につき)廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成22年法律第34号による改正前のもの)14条10項1号,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成22年法律第34号による改正前のもの)14条11項,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成22年法律第34号による改正前のもの)14条の4第10項1号,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成22年法律第34号による改正前のもの)14条の4第11項,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成22年法律第34号による改正前のもの)15条3項,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成22年法律第34号による改正前のもの)15条4項,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成22年法律第34号による改正前のもの)15条5項,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成22年法律第34号による改正前のもの)15条6項,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成22年法律第34号による改正前のもの)15条の2第1項1号,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成22年法律第34号による改正前のもの)15条の2第1項2号,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成22年法律第34号による改正前のもの)15条の2第3項,廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(平成23年環境省令第1号による改正前のもの)10条の5第2号イ(1),廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(平成23年環境省令第1号による改正前のもの)10条の17第2号イ(1),廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(平成23年環境省令第1号による改正前のもの)11条の2
論点25第9条行政事件訴訟法
一般廃棄物収集運搬業又は一般廃棄物処分業の許可処分又は許可更新処分の取消訴訟と当該処分の対象とされた区域につき既にその許可又は許可の更新を受けている者の原告適格
裁判要旨市町村長から一定の区域につき既に一般廃棄物収集運搬業又は一般廃棄物処分業の許可又はその更新を受けている者は,当該区域を対象として他の者に対してされた一般廃棄物収集運搬業又は一般廃棄物処分業の許可処分又は許可更新処分について,その取消訴訟の原告適格を有する。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成26年1月28日 平成23(行ヒ)332
- 登載
- 民集 第68巻1号49頁
- 参照法条
- 行政事件訴訟法9条,廃棄物の処理及び清掃に関する法律4条1項,廃棄物の処理及び清掃に関する法律6条,廃棄物の処理及び清掃に関する法律6条の2第1項,廃棄物の処理及び清掃に関する法律7条1項ないし13項,廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則2条の2,廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則2条の4
論点26第9条行政事件訴訟法
滞納者と他の者との共有に係る不動産の滞納者の持分に対する差押処分の取消訴訟と他の共有者の原告適格
裁判要旨滞納者と他の者との共有に係る不動産につき滞納者の持分が国税徴収法47条1項に基づいて差し押さえられた場合における他の共有者は,その差押処分の取消訴訟の原告適格を有する。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成25年7月12日 平成24(行ヒ)156
- 登載
- 集民 第244号43頁
- 参照法条
- 行政事件訴訟法9条1項,国税徴収法47条1項,国税徴収法69条1項ただし書,国税徴収法69条2項
論点27第9条行政事件訴訟法
労働組合からの申立てを受けて労働委員会が発した救済命令の取消しを求める訴えの利益が,使用者に雇用されている当該労働組合の組合員がいなくなるなどの発令後の事情変更によっても失われないとされた事例
裁判要旨所有する船舶の一部につき船舶運航代理業者を傭船者とする裸傭船契約と自らを傭船者とする定期傭船契約を締結するとともに労働協約の更新を拒否するなどした使用者の行為が不当労働行為に当たるとの労働組合からの申立てを受けた労働委員会が,当該使用者に対し,(1)上記各契約に係る船舶を自らの運航業務に使用する場合は当該労働組合の組合員の乗り組んでいる当該船舶を使用しなければならない旨,(2)当該労働組合が上記各契約等について団体交渉を申し入れたときはこれに誠実に応じなければならない旨,(3)労働協約締結に関する団体交渉が実質的かつ公正に行われ具体的な結論が出されるまでは従前の労働協約に従って当該労働組合との労使関係を営まなければならない旨,(4)当該労働組合の組合員である特定の従業員に所定の手当を支払わなければならない旨,(5)労働委員会が不当労働行為と認定した行為を繰り返さないよう留意すること等を記載した文書を当該労働組合に手交しなければならない旨を命ずる救済命令を発した場合において,当該使用者が船舶の運航事業を営む会社として存続し,当該労働組合も多数の船員等を組合員とする産業別労働組合として存続しているという事実関係の下では,当該使用者が上記救済命令の取消しを求める訴えの利益は,当該使用者に雇用されている当該労働組合の組合員がいなくなり,裸傭船契約の対象とされていない当該使用者の所有船舶がなくなるという発令後の事情変更によっても,失われない。
(補足意見がある。)
裸傭船契約 :船舶所有者と船舶借入人との間の船体に係る賃貸借契約であり,船舶借入人が船長及び海員を配乗して船舶を運航し運航費用等を負担することを内容とするもの
定期傭船契約:傭船者が船舶所有者又は船舶借入人から船舶賃貸と労務供給の双方を受けることを内容とする契約
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成24年4月27日 平成22(行ヒ)46
- 登載
- 民集 第66巻6号3000頁
- 参照法条
- 行政事件訴訟法9条1項,労働組合法27条の12第1項,労働組合法27条の12第4項,労働組合法(平成20年法律第26号による改正前のもの)19条の13第1項,労働組合法(平成20年法律第26号による改正前のもの)19条の13第4項前段,労働委員会規則45条1項
論点28第9条行政事件訴訟法
自動車等運転免許証の有効期間の更新に当たり,一般運転者として扱われ,優良運転者である旨の記載のない免許証を交付されて更新処分を受けた者は,当該更新処分の取消しを求める訴えの利益を有するか
裁判要旨自動車等運転免許証の有効期間の更新に当たり,一般運転者として扱われ,優良運転者である旨の記載のない免許証を交付されて更新処分を受けた者は,上記記載のある免許証を交付して行う更新処分を受ける法律上の地位を否定されたことを理由として,これを回復するため,当該更新処分の取消しを求める訴えの利益を有する。
(補足意見がある。)
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成21年2月27日 平成18(行ヒ)285
- 登載
- 民集 第63巻2号299頁
- 参照法条
- 道路交通法84条1項,道路交通法92条1項,道路交通法92条の2第1項,道路交通法93条1項,道路交通法93条3項,道路交通法101条,道路交通法施行令(平成16年政令第390号による改正前のもの)33条の7第1項,道路交通法施行令(平成16年政令第390号による改正前のもの)別表第2の2,道路交通法施行規則29条8項,行政事件訴訟法9条1項
論点29第9条行政事件訴訟法
1 自転車競技法(平成19年法律第82号による改正前のもの)4条2項に基づく設置許可がされた場外車券発売施設の周辺に居住する者等は,いわゆる位置基準を根拠として上記許可の取消訴訟の原告適格を有するか
2 自転車競技法(平成19年法律第82号による改正前のもの)4条2項に基づく設置許可がされた場外車券発売施設の周辺において文教施設又は医療施設を開設する者は,いわゆる位置基準を根拠として上記許可の取消訴訟の原告適格を有するか
3 自転車競技法(平成19年法律第82号による改正前のもの)4条2項に基づく設置許可がされた場外車券発売施設の周辺において文教施設又は医療施設を開設する者が,いわゆる位置基準を根拠として上記許可の取消訴訟の原告適格を有するか否かの判断基準
4 自転車競技法(平成19年法律第82号による改正前のもの)4条2項に基づく設置許可がされた場外車券発売施設の周辺に居住する者等は,いわゆる周辺環境調和基準を根拠として上記許可の取消訴訟の原告適格を有するか
裁判要旨1 自転車競技法(平成19年法律第82号による改正前のもの)4条2項に基づく設置許可がされた場外車券発売施設の周辺において居住し又は事業(文教施設又は医療施設に係る事業を除く。)を営む者や,周辺に所在する文教施設又は医療施設の利用者は,自転車競技法施行規則(平成18年経済産業省令第126号による改正前のもの)15条1項1号所定のいわゆる位置基準を根拠として上記許可の取消訴訟の原告適格を有するということはできない。
2 自転車競技法(平成19年法律第82号による改正前のもの)4条2項に基づく設置許可がされた場外車券発売施設の設置,運営に伴い著しい業務上の支障が生ずるおそれがあると位置的に認められる区域に文教施設又は医療施設を開設する者は,自転車競技法施行規則(平成18年経済産業省令第126号による改正前のもの)15条1項1号所定のいわゆる位置基準を根拠として上記許可の取消訴訟の原告適格を有する。
3 自転車競技法(平成19年法律第82号による改正前のもの)4条2項に基づく設置許可がされた場外車券発売施設の周辺において文教施設又は医療施設を開設する者が,自転車競技法施行規則(平成18年経済産業省令第126号による改正前のもの)15条1項1号所定のいわゆる位置基準を根拠として上記許可の取消訴訟の原告適格を有するか否かについては,当該場外車券発売施設が設置,運営された場合にその規模,周辺の交通等の地理的状況等から合理的に予測される来場者の流れや滞留の状況等を考慮して,著しい業務上の支障が生ずるおそれがあると位置的に認められる区域に当該文教施設又は医療施設が所在しているか否かを,当該場外車券発売施設と当該医療施設等との距離や位置関係を中心として社会通念に照らし合理的に判断すべきである。
4 自転車競技法(平成19年法律第82号による改正前のもの)4条2項に基づく設置許可がされた場外車券発売施設の周辺において居住し又は事業を営む者は,自転車競技法施行規則(平成18年経済産業省令第126号による改正前のもの)15条1項4号所定のいわゆる周辺環境調和基準を根拠として上記許可の取消訴訟の原告適格を有するということはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成21年10月15日 平成20(行ヒ)247
- 登載
- 民集 第63巻8号1711頁
- 参照法条
- (1〜4につき)行政事件訴訟法9条,自転車競技法(平成19年法律第82号による改正前のもの)4条1項・2項,自転車競技法施行規則(平成18年経済産業省令第126号による改正前のもの)14条1項・2項 (1〜3につき)自転車競技法施行規則(平成18年経済産業省令第126号による改正前のもの)15条1項1号 (4につき)自転車競技法施行規則(平成18年経済産業省令第126号による改正前のもの)15条1項4号
論点30第9条行政事件訴訟法
医療法(平成18年法律第84号による改正前のもの)7条に基づく病院の開設許可の取消訴訟と同病院の開設地の付近において医療施設を開設し医療行為をする医療法人等の原告適格
裁判要旨医療法(平成18年法律第84号による改正前のもの)7条に基づく病院の開設許可の取消訴訟につき,同病院の開設地の市又はその付近において医療施設を開設し医療行為をする医療法人,社会福祉法人及び医師並びに同市内の医師等の構成する医師会は,原告適格を有しない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成19年10月19日 平成17(行ヒ)390
- 登載
- 集民 第226号141頁
- 参照法条
- 医療法(平成18年法律第84号による改正前のもの)7条,医療法(平成18年法律第84号による改正前のもの)30条の3,医療法(平成18年法律第84号による改正前のもの)30条の7,行政事件訴訟法9条
論点31第9条行政事件訴訟法
情報公開条例に基づき開示請求された公文書の非開示処分の取消訴訟における原告の死亡と訴訟の帰すう
裁判要旨旧鹿児島県情報公開条例(昭和63年鹿児島県条例第4号。平成12年鹿児島県条例第113号による全部改正前のもの)に基づき開示請求された公文書の非開示処分の取消訴訟は,原告の死亡により,当然に終了する。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成16年2月24日 平成11(行ツ)251
- 登載
- 集民 第213号567頁
- 参照法条
- 旧鹿児島県情報公開条例(昭和63年鹿児島県条例第4号。平成12年鹿児島県条例第113号による全部改正前のもの)5条,行政事件訴訟法9条,民訴法124条1項
論点32第9条行政事件訴訟法
労働保険の保険料の徴収等に関する法律(令和2年法律第14号による改正前のもの)12条3項〈管轄〉所定の事業についてされた業務災害に関する保険給付の支給決定の取消訴訟と事業主の原告適格
裁判要旨労働保険の保険料の徴収等に関する法律(令和2年法律第14号による改正前のもの)
12条3項〈管轄〉所定の事業の事業主は、当該事業についてされた同項所定の労働者災害補償保険法(令和2年法律第14号による改正前のもの)の規定による業務災害に関する保険給付の支給決定の取消訴訟の原告適格を有しない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 令和6年7月4日 令和5(行ヒ)108
- 登載
- 民集 第78巻3号662頁
- 参照法条
- 行政事件訴訟法9条1項、労働保険の保険料の徴収等に関する法律(令和2年法律第14号による改正前のもの)12条3項、労働保険の保険料の徴収等に関する法律15条1項、3項、労働保険の保険料の徴収等に関する法律19条1項、3項、4項、労働者災害補償保険法(令和2年法律第14号による改正前のもの)7条1項1号、労働者災害補償保険法12条の8第1項、2項
論点33第9条行政事件訴訟法
墓地、埋葬等に関する法律10条〈取消しの理由の制限〉の規定により大阪市長がした納骨堂の経営等に係る許可の取消訴訟と納骨堂の周辺住民の原告適格
裁判要旨墓地、埋葬等に関する法律
10条〈取消しの理由の制限〉の規定により大阪市長がした納骨堂の経営又はその施設の変更に係る許可について、当該納骨堂の所在地からおおむね300m以内の場所に敷地がある人家に居住する者は、その取消しを求める原告適格を有する。(補足意見及び意見がある。)
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 令和5年5月9日 令和4(行ヒ)150
- 登載
- 民集 第77巻4号859頁
- 参照法条
- 行政事件訴訟法9条、墓地、埋葬等に関する法律10条、大阪市墓地、埋葬等に関する法律施行細則(昭和31年大阪市規則第79号)8条
論点34第9条行政事件訴訟法
1 租税特別措置法施行令(平成29年政令第114号による改正前のもの)39条の16第1項を適用することができないとした原審の判断に違法があるとされた事例
2 増額更正処分後に国税通則法23条1項の規定による更正の請求をし、更正をすべき理由がない旨の通知処分を受けた者は、当該通知処分の取消しを求める訴えの利益を有するか
裁判要旨1 内国法人に係る特定外国子会社等の事業年度の途中で当該特定外国子会社等の発行する優先出資証券が償還され、当該事業年度終了の時には、当該特定外国子会社等の発行済株式等が、当該内国法人が有し剰余金の配当等が予定されていない普通株式のみとなった場合において、当該特定外国子会社等の事業年度を当該優先出資証券の償還日の前日までとするなどの方法を採る余地もあったなど判示の事情の下では、租税特別措置法施行令(平成29年政令第114号による改正前のもの)39条の16第1項を適用することができないとした原審の判断には、租税特別措置法(平成29年法律第4号による改正前のもの)66条の6第1項の解釈適用を誤った違法がある。
2 増額更正処分後に国税通則法23条1項の規定による更正の請求をし、更正をすべき理由がない旨の通知処分を受けた者は、当該通知処分の取消しを求める訴えの利益を有する。
(1につき補足意見がある。)
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 令和5年11月6日 令和4(行ヒ)228
- 登載
- 民集 第77巻8号1933頁
- 参照法条
- (1につき)租税特別措置法(平成29年法律第4号による改正前のもの)66条の6第1項、租税特別措置法施行令(平成29年政令第114号による改正前のもの)39条の16第1項 (2につき)行政事件訴訟法9条1項、国税通則法23条1項、国税通則法23条4項
論点35第9条行政事件訴訟法
地方自治法255条の2第1項1号の規定による審査請求に対する裁決について、原処分をした執行機関の所属する行政主体である都道府県は、取消訴訟を提起する適格を有するか
裁判要旨地方自治法255条の2第1項1号の規定による審査請求に対する裁決について、原処分をした執行機関の所属する行政主体である都道府県は、取消訴訟を提起する適格を有しない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 令和4年12月8日 令和4(行ヒ)92
- 登載
- 民集 第76巻7号1519頁
- 参照法条
- 行政不服審査法1条、行政不服審査法2条、行政不服審査法4条、行政不服審査法52条1項、地方自治法2条9項1号、地方自治法245条3号、地方自治法255条の2第1項1号、行政事件訴訟法9条1項
論点36第10条行政事件訴訟法
国家公務員に対する懲戒処分につき修正裁決があつた場合と右処分の帰すう
裁判要旨国家公務員に対する懲戒処分について人事院が修正裁決をした場合には、右処分は、消滅するのではなく、当初から右裁決により修正された内容の懲戒処分として存在していたものとみなされる。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和62年4月21日 昭和59(行ツ)68
- 登載
- 民集 第41巻3号309頁
- 参照法条
- 国家公務員法82条,国家公務員法92条1項,国家公務員法92条の2,行政事件訴訟法10条2項,行政事件訴訟法11条1項
論点37第10条行政事件訴訟法
異議申立棄却決定に対する取消訴訟の許否
裁判要旨国税に関する処分に対する異議申立てを棄却した決定に対しては、異議決定固有の瑕疵を理由としてその取消訴訟を提起することができる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和49年7月19日 昭和44(行ツ)68
- 登載
- 集民 第112号315頁
- 参照法条
- 行政事件訴訟法3条3項,行政事件訴訟法10条2項
論点38第10条行政事件訴訟法
土地改良区総代選挙の無効の裁決に対し当該土地改良区が提起した取消訴訟の適否
裁判要旨土地改良区が町選挙管理委員会の管理した当該土地改良区総代選挙を無効とした県選挙管理委員会の裁決の取消を求めることは許されない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和42年5月30日 昭和42(行ツ)2
- 登載
- 民集 第21巻4号1030頁
- 参照法条
- 土地改良法23条,土地改良法施行令27条,行政事件訴訟法10条
論点39第11条行政事件訴訟法
いわゆる権限の委任がされた場合における処分の取消の訴の被告適格
裁判要旨いわゆる権限の委任がされた場合における委任を受けた行政庁がした処分の取消を求める訴は、委任を受けた行政庁を被告とすべきものであつて、委任をした行政庁を被告とすることは、許されない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和54年7月20日 昭和54(行ツ)46
- 登載
- 集民 第127号281頁
- 参照法条
- 行政事件訴訟法11条
論点40第12条行政事件訴訟法
行政庁を被告とする取消訴訟の管轄を定めた行政事件訴訟法一二条の規定と憲法三二条
裁判要旨行政庁を被告とする取消訴訟の管轄を定めた行政事件訴訟法一二条の規定は、憲法三二条に違反しない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成元年6月8日 平成1(行ト)2
- 登載
- 集民 第157号25頁
- 参照法条
- 憲法32条,行政事件訴訟法12条
論点41第12条行政事件訴訟法
1 行政組織法上の行政機関以外の組織が行政事件訴訟法12条3項にいう「事案の処理に当たった下級行政機関」に該当する場合
2 日本年金機構の下部組織である事務センターが行政事件訴訟法12条3項にいう「事案の処理に当たった下級行政機関」に該当しないとした原審の判断に違法があるとされた事例
裁判要旨1 処分行政庁を補助して処分に関わる事務を行った組織は,それが行政組織法上の行政機関ではなく,法令に基づき処分行政庁の監督の下で所定の事務を行う特殊法人等又はその下部組織であっても,法令に基づき当該特殊法人等が委任又は委託を受けた当該処分に関わる事務につき処分行政庁を補助してこれを行う機関であるといえる場合において,当該処分に関し事案の処理そのものに実質的に関与したと評価することができるときは,行政事件訴訟法
12条3項〈管轄〉にいう「事案の処理に当たった下級行政機関」に該当する。
2 国民年金法に基づき年金の給付を受ける権利の裁定に係る事務の委託を受けた日本年金機構の下部組織である事務センターが日本年金機構法等の定めに従って上記裁定に係る処分に関わる事務を行った場合において,上記事務センターが当該処分に関し事案の処理そのものに実質的に関与したと評価することができるか否かについて審理判断することなく,上記事務センターが行政事件訴訟法12条3項にいう「事案の処理に当たった下級行政機関」に該当しないとした原審の判断には,違法がある。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成26年9月25日 平成26(行フ)2
- 登載
- 民集 第68巻7号781頁
- 参照法条
- (1,2につき)行政事件訴訟法12条3項 (2につき)日本年金機構法3条,日本年金機構法27条1項2号,国民年金法16条,国民年金法109条の10第1項3号,国民年金法施行規則117条
論点42第12条行政事件訴訟法
1 行政事件訴訟法12条3項〈管轄〉にいう「下級行政機関」の意義
2 総務庁恩給局長がした旧軍人普通恩給の改定請求を却下する旨の処分に関し知事が行政事件訴訟法12条3項にいう「事案の処理に当たった下級行政機関」に該当するとされた事例
裁判要旨1 行政事件訴訟法
12条3項〈管轄〉にいう「下級行政機関」は,当該処分又は裁決を行った行政庁の指揮監督下にある行政機関に限られない。
2 総務庁恩給局長が,現地召集解除以後の残留期間も旧軍人普通恩給算定上恩給基礎在職年に算入すべきことを理由とする旧軍人普通恩給の改定請求を却下する旨の処分をした場合において,改定請求書等の提出を受けた京都府の担当者が,請求者の履歴の審査をし,厚生省から示されていた処理方針に従い,上記残留期間は恩給基礎在職年に算入されないとの実質的な判断をして,請求者の軍人退職年月日を現地召集解除の日とする履歴書を作成し,上記の経過を記載した意見書を添えて上記局長に送付し,これに基づいて上記処分がされたものとみることができるなど判示の事情の下においては,京都府知事は,上記処分に関し,行政事件訴訟法
12条3項にいう「事案の処理に当たった下級行政機関」に該当する。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成15年3月14日 平成14(行フ)10
- 登載
- 集民 第209号255頁
- 参照法条
- 行政事件訴訟法12条3項,恩給法(平成11年法律第160号による改正前のもの)12条,恩給法(平成11年法律第160号による改正前のもの)18条の2,恩給給与規則1条,恩給給与規則2条1項,恩給給与規則22条1項,恩給給与細則(平成12年総理府令第90号による改正前のもの)2条ただし書,地方自治法附則10条1項
論点43第12条行政事件訴訟法
1 行政事件訴訟法12条3項〈管轄〉にいう「事案の処理に当たつた下級行政機関」の意義
2 社会保険庁長官がした国民年金法による障害基礎年金の支給停止処分等につき和歌山県知事が行政事件訴訟法12条3項にいう「事案の処理に当たつた下級行政機関」に該当するとされた事例
裁判要旨1 行政事件訴訟法
12条3項〈管轄〉にいう「事案の処理に当たつた下級行政機関」とは,当該処分又は裁決に関し事案の処理そのものに実質的に関与した下級行政機関をいう。
2 国民年金法による障害基礎年金と地方公務員等共済組合法による退職共済年金の併給を受けていた者が,和歌山県知事の補助機関である和歌山東社会保険事務所の担当者に対し,国民年金法による老齢基礎年金の裁定請求書を提出したところ,同担当者が,法令上障害基礎年金と退職共済年金の併給は不可能である旨を指摘し,年金受給選択の申出をするよう促して年金受給選択申出書等を提出させ,年金受給選択に係る意思を確認した上でこれを受理し,和歌山県知事において特段の処分意見を付すことなく上記申出書等を社会保険庁長官に進達し,これを受けた社会保険庁長官において上記申出書等に依拠して障害基礎年金を過去にさかのぼって支給停止する旨の処分及び同年金の過誤払に係る額を老齢基礎年金の内払とみなす旨の処分をしたなど判示の事実関係の下においては,和歌山県知事は,社会保険庁長官の下級行政機関として上記各処分に関し事案の処理そのものに実質的に関与したと評価することができ,行政事件訴訟法
12条3項にいう「事案の処理に当たつた下級行政機関」に該当する。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成13年2月27日 平成12(行フ)2
- 登載
- 民集 第55巻1号149頁
- 参照法条
- 行政事件訴訟法12条3項,国民年金法20条1項,国民年金法20条2項,国民年金法21条1項
論点44第13条行政事件訴訟法
同一の敷地にあって一つのリゾートホテルを構成している複数の建物の固定資産課税台帳の登録価格についてされた審査申出の棄却決定の取消しを求める各請求が互いに行政事件訴訟法13条6号所定の関連請求に当たるとされた事例
裁判要旨同一の敷地にあって一つのリゾートホテルを構成している同一人所有の複数の建物について,固定資産課税台帳に登録された同一年度の価格につき需給事情による減点補正がされていないのは違法であるとしてされた審査の申出を棄却する固定資産評価審査委員会の決定のうち,所有者が各建物の適正な時価と主張する価格を超える部分の取消しを求める各請求は,互いに行政事件訴訟法13条6号所定の関連請求に当たる。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成17年3月29日 平成16(行フ)5
- 登載
- 民集 第59巻2号477頁
- 参照法条
- 行政事件訴訟法13条6号,行政事件訴訟法16条1項,民訴法9条1項
論点45第14条行政事件訴訟法
一時利用地指定処分の取消しの訴えが換地処分の取消しの訴えに変更された場合と出訴期間の遵守
裁判要旨一時利用地が従前の土地に照応していないことを理由とする換地予定地的な一時利用地の指定処分の取消しの訴えが出訴期間内に提起され、その係属中に右の一時利用地をそのまま換地として指定する旨の換地処分があり、訴えが換地処分の取消しの訴えに交換的に変更された場合には、換地処分の取消しの訴えは、訴えの変更が右訴えの出訴期間経過後にされたときであつても、出訴期間の遵守に欠けるところがないものと解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和61年2月24日 昭和59(行ツ)70
- 登載
- 民集 第40巻1号69頁
- 参照法条
- 行政事件訴訟法14条,民訴法235条,土地改良法54条
論点46第14条行政事件訴訟法
予備的に追加された土地収用法一三三条所定の損失の補償に関する訴えが出訴期間を徒過したものとして不適法とされた事例
裁判要旨収用委員会に対する収用裁決取消請求の訴えと起業者に対する違法な収用地の形状の変更等を理由とする不法行為上の損害賠償請求等の訴えとが併合して提起されたのち、土地収用法一三三条一項所定の期間経過後に、同条所定の損失の補償に関する訴えが予備的に追加された場合において、右損害賠償請求等の主位的請求は右裁決取消請求の関連請求として提起されたものであり、右主位的請求と予備的請求とは全くその性質を異にするなど判示の事情があるときは、右主位的請求が収用時における収用地の価額と収用裁決における損失補償額との差額の支払を求めるものであるため、その請求金額と右予備的請求の請求金額とがたまたま一致していたとしても、右主位的請求が損失補償額自体を争う趣旨を含むものとみることはできず、右予備的請求に係る訴えは、出訴期間を徒過したものとして、不適法である。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和58年9月8日 昭和54(行ツ)129
- 登載
- 集民 第139号457頁
- 参照法条
- 行政事件訴訟法14条,土地収用法133条1項
論点47第14条行政事件訴訟法
課税処分に対する審査請求につき裁決があつた場合と右課税処分に対する異議申立につき税務署長がした決定の取消を求める訴の出訴期間
裁判要旨課税処分に対する異議申立につき税務署長がした決定の取消を求める訴の出訴期間は、右課税処分に対する審査請求につき裁決があつた場合においても、異議申立についての決定があつたことを知つた日又は決定の日から起算すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和51年5月6日 昭和50(行ツ)93
- 登載
- 民集 第30巻4号頁
- 参照法条
- 行政事件訴訟法14条,国税通則法75条1項,国税通則法75条3項,国税通則法76条1号
論点48第14条行政事件訴訟法
1 個人情報の一部を不開示とする決定の取消しを求める訴えが,行政事件訴訟法14条1項〈出訴期間〉本文の定める出訴期間を経過した後に提起されたものとされた事例
2 個人情報の一部を不開示とする決定の取消しを求める訴えが出訴期間を経過した後に提起されたことにつき,行政事件訴訟法14条1項ただし書にいう「正当な理由」があるとはいえないとされた事例
裁判要旨1 京都府個人情報保護条例(平成8年京都府条例第1号)に基づく開示請求に対してされた個人情報の一部を不開示とする決定に係る通知書に,当該開示請求に対する応答として一部を開示するものである旨明示され,不開示とされた部分を特定してその理由が示されているという判示の事情の下においては,上記通知書が到達してから6か月を経過して提起された当該決定の取消しを求める訴えは,当該決定に係る個人情報の開示が実施された日から6か月以内に提起されたものであるとしても,行政事件訴訟法
14条1項〈出訴期間〉本文の定める出訴期間を経過した後に提起されたものである。
2 京都府個人情報保護条例(平成8年京都府条例第1号)に基づく開示請求に対してされた個人情報の一部を不開示とする決定に係る通知書において出訴期間の教示がなされていること,当該通知書の記載は不開示部分を特定して不開示の理由を付したものであること,当該通知書が開示請求者を代理する弁護士の下に到達した1週間後に当該決定に係る個人情報の開示が実施されたことなど判示の事情の下においては,当該決定の取消しを求める訴えが出訴期間を経過した後に提起されたことにつき,行政事件訴訟法
14条1項ただし書にいう「正当な理由」があるとはいえない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成28年3月10日 平成27(行ヒ)221
- 登載
- 集民 第252号35頁
- 参照法条
- (1,2につき)行政事件訴訟法14条1項,京都府個人情報保護条例(平成8年京都府条例第1号)15条1項,京都府個人情報保護条例(平成8年京都府条例第1号)15条2項,京都府個人情報保護条例(平成8年京都府条例第1号)16条1項,京都府個人情報保護条例(平成8年京都府条例第1号)16条2項
論点49第14条行政事件訴訟法
収用委員会の裁決につき審査請求をすることができる場合に審査請求がされたときにおける収用委員会の裁決の取消訴訟の出訴期間
裁判要旨収用委員会の裁決につき審査請求をすることができる場合において,審査請求がされたときは,収用委員会の裁決の取消訴訟の出訴期間は,土地収用法133条1項ではなく行政事件訴訟法14条3項の適用により,その審査請求に対する裁決があったことを知った日から6か月以内かつ当該裁決の日から1年以内となる。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成24年11月20日 平成24(行ヒ)20
- 登載
- 民集 第66巻11号3521頁
- 参照法条
- 行政事件訴訟法14条3項,行政事件訴訟法20条,土地収用法133条1項
論点50第15条行政事件訴訟法
一、行政事件訴訟法第一五条〈被告を誤つた訴えの救済〉の規定に基づく被告変更許可決定の効力
二、保留地の払下決定およびそれに基づく保留地の売渡処分の性質
三、保留地の払下申請の性質
裁判要旨一、裁判所が、行政事件訴訟法
第一五条〈被告を誤つた訴えの救済〉の規定に基づき、被告を変更することを許可する旨の決定をした場合においても、原告の新被告に対する訴を不適法として却下することができないわけではない。
二、土地区画整理事業の施行者がした保留地の払下決定およびそれに基づく保留地の売渡処分は、いずれも行政事件訴訟法第三条第一項にいう行政庁の公権力の行使に該当しない。
三、私人が土地区画整理事業の施行者に対してした保留地の払下申請は、行政事件訴訟法
第三条第五項〈抗告訴訟〉にいう法令に基づく申請に該当しない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和43年12月17日 昭和43(オ)695
- 登載
- 集民 第93号685頁
- 参照法条
- 行政事件訴訟法15条,行政事件訴訟法3条,土地区画整理法108条
論点51第15条行政事件訴訟法
一 地方自治法二四二条の二第一項四号所定の「当該職員」に対する訴えの原告が「当該職員」に該当しない者を誤って被告としたときにおける行政事件訴訟法一五条の準用の有無
二 地方自治法二四二条の二第一項四号所定の「当該職員」に対する訴えの原告が「当該職員」には該当するものの現実に専決するなどの財務会計上の行為をしたと認められない者を誤って被告としたときにおける行政事件訴訟法一五条の準用の有無
三 地方自治法二四二条の二第一項四号所定の「当該職員」に対する訴えにおいて行政事件訴訟法一五条の準用により被告の変更がされた場合の従前の被告に対する訴えの提起と新たな被告に対する請求権の時効の中断
裁判要旨一 地方自治法二四二条の二第一項四号所定の「当該職員」に対する損害賠償請求又は不当利得返還請求に係る訴えの原告が「当該職員」に該当しない者をを誤って被告としたときは、裁判所は行政事件訴訟法一五条を準用して、被告を変更することを許すことができる。
二 訓令等の事務処理上の明確な定めにより、財務会計上の行為に関し、額の多募に応じるなどして、専決することを任され、権限行使についての意思決定を行う者がそれぞれ規定されている場合において、地方自治法二四二条の二第一項四号所定の「当該職員」に対する損害賠償請求又は不当利得返還請求に係る訴えの原告が、当該財務会計上の行為につき専決することを任されている者として「当該職員」には該当するものの、現実に専決するなどの財務会計上の行為をしたと認められない者を誤って被告としたときは、裁判所は、行政事件訴訟法
一五条〈被告を誤つた訴えの救済〉を準用して、被告を変更することを許すことができる。
三 地方自治法二四二条の二第一項四号所定の「当該職員」に対する損害賠償請求又は不当利得返還請求に係る訴えにおいて、原告が被告とすべき「当該職員」を誤ったとしてした被告変更の申立てに対して行政事件訴訟法一五条の準用による裁判所の許可決定がされた場合、従前の被告に対する訴えの提起は、新たな被告に対する損害賠償請求権又は不当利得返還請求権についての裁判上の請求又はこれに準ずる事項中断事由には該当しない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成11年4月22日 平成9(行ツ)165
- 登載
- 民集 第53巻4号759頁
- 参照法条
- 地方自治法242条の2第1項4号,地方自治法242条の2第6項,行政事件訴訟法15条,行政事件訴訟法40条2項,行政事件訴訟法43条3項,民法147条1号,民法148条
論点52第18条行政事件訴訟法
行政処分の取消訴訟に併合して提起された訴えが併合要件を満たさない場合に不適法として却下することなく管轄裁判所に移送すべきものとされた事例
裁判要旨会社代表取締役が国立公園特別地域内の会社所有の土地上に自己のため建物を建築するにつき県知事から不許可処分を受けたのを不服として提起した右処分の取消訴訟が控訴審に係属中に、会社が右土地上に建物を建築することが不可能とされたことにより土地所有権の行使ができなくなつたことを理由として憲法二九条三項の規定に基づき損失補償請求の訴えを追加的に併合提起した場合に、それが右取消訴訟と同一手続内で審判されることを前提とし、専らかかる併合審判を受けることを目的としてされたものと認められないときには、後者の訴えは、行政事件訴訟法
一三条〈関連請求に係る訴訟の移送〉の関連請求にあたらないからといつて直ちに不適法として却下することなく、これを管轄裁判所に移送すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和59年3月29日 昭和55(行ツ)141
- 登載
- 集民 第141号511頁
- 参照法条
- 行政事件訴訟法18条,行政事件訴訟法19条
論点53第19条行政事件訴訟法
請求を追加的に併合したうえで旧訴を取り下げることによる任意的当事者変更が許された事例
裁判要旨原告が、刑務所長を被告とする訴訟関係発信書類披閲の違法確認を求める訴訟において、これと関連する矯正管区長に対する請求を追加的に併合したうえで旧訴を取り下げることにより、被告を右刑務所長から矯正管区長に任意的に変更することは許される。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和40年12月24日 昭和39(行ツ)98
- 登載
- 集民 第81号789頁
- 参照法条
- 行政事件訴訟法19条,民訴法236条
論点54第21条行政事件訴訟法
指定確認検査機関の確認に係る建築物について確認をする権限を有する建築主事が置かれた地方公共団体と行政事件訴訟法21条1項所定の「当該処分又は裁決に係る事務の帰属する国又は公共団体」
裁判要旨指定確認検査機関による建築基準法6条の2第1項の確認に係る建築物について,同法6条1項の確認をする権限を有する建築主事が置かれた地方公共団体は,指定確認検査機関の当該確認につき行政事件訴訟法21条1項所定の「当該処分又は裁決に係る事務の帰属する国又は公共団体」に当たる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成17年6月24日 平成16(行フ)7
- 登載
- 集民 第217号277頁
- 参照法条
- 行政事件訴訟法21条1項,建築基準法4条,建築基準法6条1項,建築基準法6条の2,建築基準法第4章の2第2節 指定確認検査機関
論点55第22条行政事件訴訟法
救済を申し立てなかった労働者がその所属する労働組合の救済申立てに係る救済命令の取消訴訟に行政事件訴訟法22条1項に基づく参加をすることの許否
裁判要旨自ら救済を申し立てなかった労働者がその所属する労働組合の救済申立てに係る救済命令の取消訴訟に行政事件訴訟法22条1項に基づく参加をすることは,当該救済命令の内容が当該労働者に対する賃金相当額の支払を命じるものであるなど当該労働者個人の雇用関係上の権利にかかわるものであっても,許されない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成14年9月26日 平成13(行ニ)5
- 登載
- 集民 第207号327頁
- 参照法条
- 行政事件訴訟法22条1項,労働組合法27条
論点56第22条行政事件訴訟法
行政事件訴訟法22条1項〈第三者の訴訟参加〉の規定により第三者を訴訟に参加させる決定に対する即時抗告の許否
裁判要旨行政事件訴訟法
22条1項〈第三者の訴訟参加〉の規定により第三者を訴訟に参加させる決定に対して即時抗告をすることは許されない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成14年2月12日 平成13(行フ)1
- 登載
- 集民 第205号415頁
- 参照法条
- 行政事件訴訟法22条
論点57第23条行政事件訴訟法
当事者の訴訟代理人である弁護士が行政事件訴訟法四五条、二三条によつて参加した行政庁の訴訟代理人を兼ねる場合と民法一〇八条、弁護士法二五条
裁判要旨当事者の訴訟代理人である弁護士が行政事件訴訟法四五条、二三条によつて参加した行政庁の訴訟代理人を兼ねたとしても、民法一〇八条、弁護士法二五条に違反しない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和54年5月28日 昭和53(行ツ)124
- 登載
- 集民 第127号11頁
- 参照法条
- 行政事件訴訟法23条,行政事件訴訟法45条,民法108条,弁護士法25条
論点58第23条行政事件訴訟法
行政事件訴訟法二三条一項〈行政庁の訴訟参加〉(同項を準用する場合を含む。)の規定により行政庁を訴訟に参加させる決定に対する不服申立ての許否と憲法三二条
裁判要旨行政事件訴訟法
二三条一項〈行政庁の訴訟参加〉(同項を準用する場合を含む。)の規定により行政庁を訴訟に参加させる決定に対して不服申立てをすることは許されず、このように解しても憲法三二条に違反しない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成6年12月16日 平成6(行ト)61
- 登載
- 集民 第173号533頁
- 参照法条
- 行政事件訴訟法23条1項,憲法32条
論点59第25条行政事件訴訟法
一 行政処分の取消を求める訴が判決の既判力によつて不適法とされた事例。
一 高等海難審判庁の裁決に対する執行停止の要否。
裁判要旨一 さきに農地賃貸借契約解除許可処分が農地法第二〇条第二項一号に違反することを請求の原因とし、農林大臣宛の訴願が三箇月を経過しても裁決されないと主張して訴願の裁決を経ることなく、知事を相手どり、右処分の取消を求める訴を提起して敗訴の確定判決を受けた者が、右訴の口頭弁論終結後にいたり前記訴願について棄却の裁決がなされたところから、さらに、右と全く同一の請求原因事実に基づき、同一の被告に対して提起した右農地賃貸借契約解除許可処分自体の取消を求める訴は、前訴の確定判決の既判力により不適法であるというべきである。
二 高等海難審判庁の裁決は、確定の後執行されるものであるから、その執行停止の必要は存しない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和39年10月16日 昭和39(行ツ)5
- 登載
- 集民 第75号871頁
- 参照法条
- 民訴法199条1項,民訴法201条1項,行政事件訴訟特例法2条,海難審判法57条,行政事件訴訟法25条
論点60第25条行政事件訴訟法
逃亡犯罪人引渡法二〇条一項に基づき逃亡犯罪人を請求国の官憲に引き渡したことにより同法一四条一項に基づく引渡命令の執行停止の余地がなくなったとされた事例
裁判要旨逃亡犯罪人引渡法二〇条一項に基づき逃亡犯罪人を請求国の官憲に引き渡したときは、同法一四条一項に基づく引渡命令の執行停止はその余地がなくなる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成2年5月1日 平成2(行ト)14
- 登載
- 集民 第160号1頁
- 参照法条
- 逃亡犯罪人引渡法14条1項,逃亡犯罪人引渡法20条1項,行政事件訴訟法25条
論点61第25条行政事件訴訟法
村議会の議員である者につき地方自治法92条の2の規定に該当する旨の決定がされ,その補欠選挙が行われた場合において,上記の者が上記決定の取消判決を得ても上記議員の地位を回復することはできないとされた事例
裁判要旨村議会の議員である者につき地方自治法92条の2の規定に該当する旨の決定がされ,その補欠選挙が行われた場合において,同選挙は上記決定の効力が停止された後に行われたものであったが,同選挙及び当選の効力に関し公職選挙法所定の期間内に異議の申出がされなかったという事実関係の下では,上記の者は,上記決定の取消判決を得ても,上記議員の地位を回復することはできない。
(補足意見及び反対意見がある。)
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成29年12月19日 平成29(行フ)3
- 登載
- 集民 第257号43頁
- 参照法条
- 地方自治法92条の2,地方自治法(平成28年法律第94号による改正前のもの)127条1項,行政事件訴訟法25条2項,公職選挙法113条1項,公職選挙法202条1項,公職選挙法206条1項
論点62第25条行政事件訴訟法
検察審査会法41条の6第1項所定の検察審査会による起訴をすべき旨の議決の適否につき行政事件訴訟を提起して争い,これを本案とする行政事件訴訟法25条2項の執行停止の申立てをすることができるか
裁判要旨検察審査会法41条の6第1項所定の検察審査会による起訴をすべき旨の議決の適否については,行政事件訴訟を提起して争うことはできず,これを本案とする行政事件訴訟法25条2項の執行停止の申立てをすることもできない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成22年11月25日 平成22(行ト)63
- 登載
- 民集 第64巻8号1951頁
- 参照法条
- 検察審査会法41条の6第1項,検察審査会法41条の10第1項,行政事件訴訟法1条,行政事件訴訟法25条2項