所得税法 / テーマ別まとめ

各種所得の金額の計算/所得の種類及び各種所得の金額

所得の種類及び各種所得の金額の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

所得税法は所得をその性質に応じて利子所得から雑所得までの10種類に区分し、それぞれについて何が所得に当たるか、いくらを所得の金額とするかを条文ごとに定めています。実務担当者は、受け取った収入がどの所得区分に当たるかをまず特定したうえで、各条文が定める収入金額・必要経費・控除額の計算方法に従って所得金額を算出する必要があります。

所得の種類及び各種所得の金額
所得の種類何から生じる所得か金額の計算条文
利子所得公社債・預貯金の利子等収入金額がそのまま所得23条
配当所得剰余金の配当等収入金額-元本取得のための負債利子24条
不動産所得不動産・船舶等の貸付け総収入金額-必要経費26条
事業所得農業・製造業等の事業総収入金額-必要経費27条
給与所得俸給・給料・賞与等収入金額-給与所得控除額28条
退職所得退職により一時に受ける給与等(収入-退職所得控除)×1/2等30・31条
山林所得山林の伐採・譲渡(5年超所有)総収入-必要経費-特別控除50万円32条
譲渡所得資産の譲渡による所得総収入-取得費・譲渡費用-特別控除33条
一時所得営利目的でない一時の所得総収入-支出額-特別控除50万円34条
雑所得他のいずれにも該当しない所得公的年金等控除後+他の雑所得35条
  • 配当所得には25条の「配当等とみなす金額」(みなし配当)を含む
  • 山林は取得後5年以内の伐採・譲渡だと譲渡所得等になる(32条2項、33条2項二号)
  • 退職所得には31条のみなし退職手当等(一時金)を含む
  • 給与所得控除額は収入金額の区分計算(28条3項)または別表第五(28条4項)による
  • 譲渡所得は棚卸資産の譲渡等・山林の伐採譲渡を除く(33条2項)
  • 雑所得の公的年金等控除額は合計所得金額の区分により異なる(35条4項)
1

所得の種類及び各種所得の金額

所得の種類及び各種所得の金額について、条文は何を定めているか。

第23条利子所得利子・預貯金の利子等が利子所得になる2項判例 1件
  • 公社債・預貯金の利子、合同運用信託等の収益分配が対象
  • 金額はその年の利子等の収入金額そのまま(必要経費控除なし)
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第24条配当所得法人からの剰余金の配当等が配当所得になる2項判例なし
  • 資本剰余金の減少に伴うもの等一部は配当所得から除かれる
  • 元本取得のための負債利子はその期間対応分を収入金額から控除できる
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第25条配当等とみなす金額合併・解散等で受け取る金銭等の一部を配当とみなす3項・7号判例 1件
  • 交付額が資本金等の対応部分を超える部分がみなし配当になる
  • 合併・分割型分割・株式分配・資本の払戻し等の場合に適用される
  • 自己株式の取得等でも一定の場合みなし配当となる
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第26条不動産所得不動産等の貸付けによる所得は不動産所得2項判例 5件
  • 不動産・不動産上の権利・船舶・航空機の貸付けが対象
  • 事業所得や譲渡所得にあたるものは除かれる
  • 金額は総収入金額から必要経費を控除して計算する
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第27条事業所得農業・製造業など事業から生じる所得2項判例 4件
  • 山林所得・譲渡所得にあたるものは事業所得から除かれる
  • 金額は総収入金額から必要経費を控除して計算する
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第28条給与所得給料・賞与等の収入から給与所得控除額を引く4項・5号判例 9件
  • 収入190万円以下は控除額65万円
  • 収入190万円超360万円以下は65万円+(収入-190万円)×30%
  • 収入660万円未満は別表第五により給与所得控除後の金額を求める
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第29条条文なし(欠番)1項判例なし
  • 第二十九条は削除されており規定はない
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第30条退職所得退職により一時に受ける給与等が退職所得7項・10号判例 3件
  • 収入金額から退職所得控除額を引いた残額の2分の1が原則
  • 短期退職手当等・特定役員退職手当等は2分の1にしない場合がある
  • 退職所得控除額は勤続20年以下は40万円×勤続年数
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第31条退職手当等とみなす一時金公的年金制度等の一時金も退職手当等とみなす1項・3号判例なし
  • 国民年金・厚生年金等に基づく一時金が対象になる
  • 確定給付企業年金法に基づく加入者負担分を除いた一時金も含む
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第32条山林所得山林の伐採・譲渡による所得(5年超保有)4項判例 1件
  • 取得から5年以内の伐採・譲渡は山林所得に含まれない
  • 総収入金額から必要経費と特別控除額(最大50万円)を引く
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第33条譲渡所得資産の譲渡による所得(棚卸資産等は除く)5項・4号判例 7件
  • 棚卸資産の譲渡や山林の伐採・譲渡は譲渡所得に含まれない
  • 取得から5年以内の譲渡と5年超の譲渡を区分して計算する
  • 総収入から取得費・譲渡費用を引き特別控除額(最大50万円)を引く
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第34条一時所得営利目的でない一時的な所得(役務等の対価を除く)3項判例 9件
  • 労務や資産譲渡の対価にあたらない一時の所得が対象
  • 総収入から支出額と特別控除額(最大50万円)を引いて計算する
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第35条雑所得他のどの所得にも当たらない所得が雑所得4項・8号判例 4件
  • 公的年金等とそれ以外の雑所得を分けて計算し合計する
  • 公的年金等控除額は合計所得金額の区分により金額が変わる
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第23条所得税法

所得税法二三条二項〈利子所得〉と憲法一四条一項、二九条

裁判要旨所得税法二三条二項〈利子所得〉は、憲法一四条一項、二九条に違反しない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成3年4月11日 平成2(行ツ)191
登載
集民 第162号461頁
参照法条
憲法14条1項,憲法29条,所得税法23条2項
論点2第25条所得税法

所得税法二五条二項二号〈配当等とみなす金額〉の規定の合憲性

裁判要旨所得税法二五条二項二号〈配当等とみなす金額〉の規定は、憲法二九条、八四条に違反しない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和57年12月21日 昭和56(行ツ)167
登載
集民 第137号653頁
参照法条
憲法29条,憲法84条,所得税法25条2項2号
論点3第26条所得税法

一 所得の申告と憲法第三八条第一項〈譲渡所得の金額の計算上控除する取得費〉にいう「自己に不利益な供述」。
二 所得税逋脱額の算定に関する第一審判決の違法が、判決に影響を及ぼすこと明らかである場合にあたらないとされ、また、原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものと認められないとされた事例。

裁判要旨一 申告納税制度の下における所得の申告の如く、憲法の規定する納税義務を前提とし、その税額を決定するために所得の申告を求めるが如きは、憲法第三八条第一項にいう「自己に不利益な供述」に当らない(昭和二七年(あ)第八三八号同三二年二月二〇日大法廷判決、刑集一一巻二号八〇二頁参照)。
二 原判決が、被告人と共謀して所得税を逋脱したとされている者が、組合員として組合から支給されていた給与所得に対し源泉徴収により納付した税額を逋脱額の算定に際し差し引かなかつた第一審判決は違法であると認めながら、右の差し引かれるべき額が逋脱額に比し些少であるから、判決に影響を及ぼすこと明らかである場合に当らないと判断したことは、相当であり、仮りに、右違法が判決に影響を及ぼすべきものとしても、原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものとは認められないから、論旨は理由がない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和39年6月30日 昭和36(あ)1638
登載
集刑 第151号547頁
参照法条
所得税法(昭和28年法律91号による改正前のもの)26条1項,所得税法(昭和28年法律91号による改正前のもの)69条1項,憲法38条1項,刑訴法397条,刑訴法411条
論点4第26条所得税法

確定申告にかかる所得金額と所得の推定。

裁判要旨申告納税の所得税にあつては、納税義務者において一旦申告書を提出した以上、その申告書に記載された所得金額が真実の所得金額に反するものであるとの主張・立証がない限り、その確定申告にかかる所得金額をもつて正当のものと認めるのが相当である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和39年2月7日 昭和37(オ)215
登載
集民 第72号91頁
参照法条
所得税法26条,民訴法257条
論点5第26条所得税法

一 所得税法第二条第一項〈定義〉にいう所得の帰属する「個人」の意義。
二 所得税法第二六条第一項〈不動産所得〉(申告義務の規定)の合憲性。

裁判要旨一 所得税法二条〈定義〉所定の課税対家となつている個人の所得とは、当該個人に帰属する所得を指称するものであることは勿論であるが、その所得の外見上又は法律形式上の帰属者が単なる名義人に過ぎずして、他にその終局的実質的享受者が存在する場合、そのいずれを所得の帰属者として課税すべきであるかについて問題を生ずる。思うに、国家経費の財源である租税は専ら担税能力に即応して負担させることが、税法の根本理念である負担公平の原理に合し且つは社会正義の要請に適うものであると共に、租税徴収を確保し実効あらしめる所以であつて、各種税法はこの原則に基いて組み立てられており、又これを指導理念として解釈運用すべきものと云わねばならない。さすれば、所得の帰属者と目される者が外見上の単なる名義人にしてその経済的利益を実質的、終局的に取得しない場合において、該名義人に課税することは収益のない者に対して不当に租税を負担せしめる反面、実質的の所得者をして不当にその負担を免れしめる不公平な結果を招来するのみならず、租税徴収の実効を確保し得ない結果を来す虞があるから、かかる場合においては所得帰属の外形的名義に拘ることなく、その経済的利益の実質的享受者を以つて所得税法所定の所得の帰属者として租税を負担せしむべきである。これがすなわちいわゆる実質所得者に対する課税(略して実質課税)の原則と称せられるものにして、該原則は吾国の税法上早くから内在する条理として是認されてきた基本的指導理念であると解するのが相当である。
二 所得税法の申告義務の規定が憲法三八条一項〈譲渡所得の金額の計算上控除する取得費〉に反するものでないことは当裁判所の判例の趣旨(昭和二七年(あ)第八三八号、同三二年二月二〇日大法廷判決、刑集一一巻二号八〇二頁参照)に照らし明らかである。それ故所論違憲の主張は採るを得ない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和37年6月29日 昭和34(あ)1220
登載
集刑 第143号247頁
参照法条
所得税法2条,所得税法3条の2,所得税法26条1項,憲法38条1項
論点6第26条所得税法

1 外国法に基づいて設立された組織体が所得税法2条1項7号〈定義 外国法人内国法人以外の法人をいう。〉及び法人税法2条4号に定める外国法人に該当するか否かの判断の方法
2 米国デラウェア州の法律に基づいて設立されたリミテッド・パートナーシップが行う不動産賃貸事業に係る投資事業に出資した者につき,当該賃貸事業に係る損失の金額を同人の所得の金額から控除することができないとされた事例

裁判要旨1 外国法に基づいて設立された組織体が所得税法2条1項7号〈定義 外国法人内国法人以外の法人をいう。〉及び法人税法2条4号に定める外国法人に該当するか否かは,まず,①当該組織体に係る設立根拠法令の規定の文言や法制の仕組みから,当該組織体が当該外国の法令において日本法上の法人に相当する法的地位を付与されていること又は付与されていないことが疑義のない程度に明白であるか否かを検討して判断し,これができない場合には,②当該組織体が権利義務の帰属主体であると認められるか否かについて,当該組織体の設立根拠法令の規定の内容や趣旨等から,当該組織体が自ら法律行為の当事者となることができ,かつ,その法律効果が当該組織体に帰属すると認められるか否かという点を検討して判断すべきである。
2 米国デラウェア州改正統一リミテッド・パートナーシップ法に基づいて設立されたリミテッド・パートナーシップが所得税法2条1項7号及び法人税法2条4号に定める外国法人に該当し,上記リミテッド・パートナーシップが行う不動産賃貸事業に係る所得が上記リミテッド・パートナーシップに帰属するものと認められるという判示の事情の下においては,当該賃貸事業に係る投資事業に出資した者は,同人の総所得金額を計算するに当たり,当該賃貸事業に係る所得の金額の計算上生じた損失の金額を同人の所得の金額から控除することはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成27年7月17日 平成25(行ヒ)166
登載
民集 第69巻5号1253頁
参照法条
(1,2につき)所得税法2条1項7号,法人税法2条4号 (2につき)所得税法26条,所得税法69条1項
論点7第26条所得税法

1 匿名組合契約に基づき匿名組合員が受ける利益の分配と所得区分の判断
2 匿名組合契約に基づき航空機のリース事業に出資をした匿名組合員が,当該契約に基づく損失の分配を不動産所得に係るものとして所得税の申告をしたことにつき,国税通則法65条4項にいう「正当な理由」があるとされた事例

裁判要旨1 匿名組合契約に基づき匿名組合員が営業者から受ける利益の分配に係る所得は,①当該契約において,匿名組合員に営業者の営む事業に係る重要な意思決定に関与するなどの権限が付与されており,匿名組合員が実質的に営業者と共同して事業を営む者としての地位を有するものと認められる場合には,当該事業の内容に従って事業所得又はその他の各種所得に該当し,②それ以外の場合には,当該事業の内容にかかわらず,その出資が匿名組合員自身の事業として行われているため事業所得となる場合を除き,雑所得に該当する。
2 匿名組合契約に基づき航空機のリース事業に出資をした匿名組合員が,当該事業につき生じた損失のうち当該契約に基づく同人への損失の分配として計上された金額を不動産所得に係る損失に該当するものとして所得税の申告をしたところ,これに該当しないとして更正がされた場合において,匿名組合契約に基づき匿名組合員が受ける利益の分配に係る所得区分に関する課税庁の公的見解が上記申告後の通達改正によって変更されたが,変更前の公的見解によれば上記の金額は不動産所得に係る損失に該当するとされるものであったなど判示の事情の下では,上記申告をしたことにつき,国税通則法65条4項にいう「正当な理由」がある。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成27年6月12日 平成24(行ヒ)408
登載
民集 第69巻4号1121頁
参照法条
(1,2につき) 商法535条 (1につき) 所得税法27条1項,所得税法35条1項,商法536条,商法539条 (2につき) 国税通則法65条4項,所得税法26条1項
論点8第27条所得税法

所得税の確定申告において租税特別措置法(昭和六三年法律第一〇九号による改正前のもの)二六条一項に基づくいわゆる概算経費により事業所得金額を計算していた場合に修正申告においていわゆる実額経費に変更することが許されるとした事例

裁判要旨歯科医師が、所得税の確定申告において、租税特別措置法(昭和六三年法律第一〇九号による改正前のもの)二六条一項に基づくいわゆる概算経費により事業所得金額を計算していた場合に、診療経費総額を自由診療収入分と社会保険診療報酬分に振り分ける計算を誤り、自由診療収入分の必要経費を正しく計算した場合よりも多額に、社会保険診療報酬分の実額経費を正しく計算した場合よりも少額に算出したため、右実額経費によるよりも概算経費による方が有利であると判断して後者を選択したものであり、診療総収入から控除されるべき必要経費の計算には誤りがあるなど判示の事実関係の下においては、修正申告をするに当たり、確定申告における必要経費の計算の誤りを是正する一環として、概算経費選択の意思表示を撤回し、実額経費を社会保険診療報酬の必要経費として計上することが許される。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成2年6月5日 昭和63(行ツ)152
登載
民集 第44巻4号612頁
参照法条
国税通則法19条1項,所得税法27条,所得税法(昭和62年法律第96号による改正前のもの)37条1項,租税特別措置法(昭和63年法律第109号による改正前のもの)26条1項,租税特別措置法(昭和63年法律第109号による改正前のもの)26条3項
論点9第27条所得税法

山林に係る事業所得の必要経費と財産増減法

裁判
最高裁判所第三小法廷 平成2年3月30日 昭和62(あ)101
登載
集刑 第254号319頁
参照法条
所得税法21条1項,所得税法27条,所得税法32条1項,所得税法32条2項,所得税法37条
論点10第27条所得税法

民法上の組合の組合員が組合の事業に係る作業に従事して支払を受けた収入に係る所得が給与所得に該当するとされた事例

裁判要旨りんご生産等の事業を営むことを目的とする民法上の組合の組合員がりんご生産作業の専従者として同作業に従事して労務費名目で金員の支払を受けた場合において,上記金員は作業時間を基礎として日給制でその金額が決定され原則として毎月所定の給料日に現金を手渡す方法で支払われ,専従者は同作業の管理者の指示に従って作業に従事し,その作業時間がタイムカードによって記録されており,その作業内容を含めこれらの点において専従者と一般作業員との間に基本的に異なるところがなく,他方,組合員に対する出資口数に応じた現金配当は1度行われたことがあるにすぎないなど判示の事実関係の下においては,専従者が一般作業員とは異なり組合員の中から組合の総会において選任されりんご生産作業においては管理者と一般作業員との間にあって管理者を補助する立場にあったことなどを考慮しても,上記金員に係る収入をもって労務出資をした組合員に対する組合の利益の分配であるとみるのは困難であり,当該収入に係る所得は給与所得に該当する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成13年7月13日 平成12(行ツ)13
登載
集民 第202号673頁
参照法条
所得税法27条1項,所得税法28条1項,民法667条,民法674条
論点11第28条所得税法

違憲の主張がその前提を欠くとして排斥された事例

裁判要旨所得税法二八条三項〈給与所得〉が憲法一四条に違反する旨の主張は、同項所定の給与所得控除額を超える必要経費の支出があつたのに同項の適用上右超過額の控除が認められないとされた場合においてのみ問題となりうるものであるところ、本件において、上告人は、単に、研究費の名目で支給された分はすべて研究費として支出したから所得がなかつた旨を主張するにとどまるから、所論違憲の主張は、その前提を欠く。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和54年12月20日 昭和53(行ツ)130
登載
集民 第128号277頁
参照法条
裁判所法10条1号,所得税法28条3項
論点12第28条所得税法

権利能力のない社団の理事長及び専務理事の地位にあった者が当該社団からの借入金債務の免除を受けることにより得た利益が,所得税法28条1項〈給与所得〉にいう賞与又は賞与の性質を有する給与に当たるとされた事例

裁判要旨権利能力のない社団の理事長及び専務理事の地位にあった者が当該社団から借入金債務の免除を受けることにより得た利益は,① 同人が当該社団から長年にわたり多額の金員を繰り返し借り入れていたところ,当該社団がこのような貸付けを行ったのは同人が上記の地位にある者としてその職務を行っていたことによるものとみるのが相当であること,② 当該社団が同人の申入れを受けて上記借入金債務の免除に応ずるに当たっては当該社団に対する同人の貢献についての評価が考慮されたことがうかがわれることなど判示の事情の下においては,所得税法28条1項〈給与所得〉にいう賞与又は賞与の性質を有する給与に該当する。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成27年10月8日 平成26(行ヒ)167
登載
集民 第251号1頁
参照法条
所得税法28条1項
論点13第28条所得税法

納税者が平成12年分の所得税の確定申告において勤務先の日本法人の親会社である外国法人から付与されたストックオプションの権利行使益を一時所得として申告したことにつき,国税通則法65条4項にいう「正当な理由」があるとされた事例

裁判要旨納税者が平成12年分の所得税の確定申告において勤務先の日本法人の親会社である外国法人から付与されたストックオプションの権利行使益を一時所得として申告したところ,同権利行使益が給与所得に当たるとして増額更正がされた場合において,次の(1)〜(3)などの判示の事情の下では,納税者が同権利行使益を一時所得として申告し,同権利行使益が給与所得に当たるものとしては税額の計算の基礎とされていなかったことについて,国税通則法65条4項にいう「正当な理由」がある。
(1) 外国法人である親会社から日本法人である子会社の従業員等に付与されたストックオプションに係る課税上の取扱いに関しては,法令上特別の定めが置かれていないところ,課税庁においては,かつて,上記ストックオプションの権利行使益を一時所得として取り扱い,課税庁の職員が監修等をした公刊物でもその旨の見解が述べられていた。
(2) 課税庁においては,平成10年分の所得税の確定申告の時期以降,上記の課税上の取扱いを変更し,給与所得として統一的に取り扱うようになったが,その変更をした時点では通達によりこれを明示することなく,平成14年6月の所得税基本通達の改正によって初めて変更後の取扱いを通達に明記した。
(3) 上記ストックオプションの権利行使益の所得区分に関する所得税法の解釈問題については,一時所得とする見解にも相応の論拠があった。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成19年7月6日 平成18(行ヒ)295
登載
集民 第225号39頁
参照法条
国税通則法(平成18年法律第10号による改正前のもの)65条1項,国税通則法65条4項,所得税法28条1項,所得税法34条1項
論点14第28条所得税法

納税者が平成11年分の所得税の確定申告において勤務先の日本法人の親会社である外国法人から付与されたストックオプションの権利行使益を一時所得として申告したことにつき国税通則法65条4項にいう「正当な理由」があるとされた事例

裁判要旨納税者が平成11年分の所得税の確定申告において勤務先の日本法人の親会社である外国法人から付与されたストックオプションの権利行使益を一時所得として申告したところ,同権利行使益が給与所得に当たるとして増額更正がされた場合において,(1)外国法人である親会社から日本法人である子会社の従業員等に付与されたストックオプションに係る課税上の取扱いに関しては,法令上特別の定めが置かれていないところ,課税庁においては,かつて,上記ストックオプションの権利行使益を一時所得として取り扱い,課税庁の職員が監修等をした公刊物でもその旨の見解が述べられていたこと,(2)課税庁においては,平成10年分の所得税の確定申告の時期以降,上記の課税上の取扱いを変更し,給与所得として統一的に取り扱うようになったが,その変更をした時点では通達によりこれを明示することなく,平成14年6月の所得税基本通達の改正によって初めて変更後の取扱いを通達に明記したこと,(3)上記ストックオプションの権利行使益の所得区分に関する所得税法の解釈問題については,一時所得とする見解にも相応の論拠があったことなど判示の事情の下では,納税者が前記権利行使益を一時所得として申告し,同権利行使益が給与所得に当たるものとしては税額の計算の基礎とされていなかったことについて,国税通則法65条4項にいう「正当な理由」がある。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成18年11月16日 平成17(行ヒ)96
登載
集民 第222号243頁
参照法条
国税通則法65条1項,国税通則法65条4項,所得税法28条1項,所得税法34条1項
論点15第28条所得税法

納税者が平成11年分の所得税の確定申告において勤務先の日本法人の親会社である外国法人から付与されたストックオプションの権利行使益を一時所得として申告したことにつき国税通則法65条4項にいう「正当な理由」があるとされた事例

裁判要旨納税者が平成11年分の所得税の確定申告において勤務先の日本法人の親会社である外国法人から付与されたストックオプションの権利行使益を一時所得として申告したところ,同権利行使益が給与所得に当たるとして増額更正がされた場合において,(1)外国法人である親会社から日本法人である子会社の従業員等に付与されたストックオプションに係る課税上の取扱いに関しては,法令上特別の定めが置かれていないところ,課税庁においては,かつて,上記ストックオプションの権利行使益を一時所得として取り扱い,課税庁の職員が監修等をした公刊物でもその旨の見解が述べられていたこと,(2)課税庁においては,平成10年分の所得税の確定申告の時期以降,上記の課税上の取扱いを変更し,給与所得として統一的に取り扱うようになったが,その変更をした時点では通達によりこれを明示することなく,平成14年6月の所得税基本通達の改正によって初めて変更後の取扱いを通達に明記したこと,(3)上記ストックオプションの権利行使益の所得区分に関する所得税法の解釈問題については,一時所得とする見解にも相応の論拠があったことなど判示の事情の下では,納税者が前記権利行使益を一時所得として申告し,同権利行使益が給与所得に当たるものとしては税額の計算の基礎とされていなかったことについて,国税通則法65条4項にいう「正当な理由」がある。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成18年10月24日 平成17(行ヒ)20
登載
民集 第60巻8号3128頁
参照法条
国税通則法65条1項,国税通則法65条4項,所得税法28条1項,所得税法34条1項
論点16第28条所得税法

米国法人の子会社である日本法人の代表取締役が親会社である米国法人から付与されたいわゆるストックオプションを行使して得た利益が所得税法28条1項〈給与所得〉所定の給与所得に当たるとされた事例

裁判要旨米国法人の子会社である日本法人の代表取締役が,親会社である米国法人から親会社の株式をあらかじめ定められた権利行使価格で取得することができる権利(いわゆるストックオプション)を付与されてこれを行使し,権利行使時点における親会社の株価と所定の権利行使価格との差額に相当する経済的利益を得た場合において,上記権利は,親会社が同社及びその子会社の一定の執行役員及び主要な従業員に対する精勤の動機付けとすることなどを企図して設けた制度に基づき付与されたものであること,親会社は,上記代表取締役が勤務する子会社の発行済み株式の100%を有してその役員の人事権等の実権を握り,同代表取締役は親会社の統括の下に子会社の代表取締役としての職務を遂行していたものということができ,親会社は同代表取締役が上記のとおり職務を遂行しているからこそ上記権利を付与したものであること,上記制度に基づき付与された権利については,被付与者の生存中は,その者のみがこれを行使することができ,その権利を譲渡し,又は移転することはできないものとされていることなど判示の事情の下においては,同代表取締役が上記権利を行使して得た利益は,所得税法28条1項〈給与所得〉所定の給与所得に当たる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成17年1月25日 平成16(行ヒ)141
登載
民集 第59巻1号64頁
参照法条
所得税法28条1項,所得税法34条1項
論点17第28条所得税法

昭和62年の非上場株式の取引に係る個人の所得金額の計算に当たり同株式を1株当たりの純資産価額を基に評価する場合に資産の時価と帳簿価額との評価差額に対する法人税額等相当額を控除して純資産価額を計算すべきであるとされた事例

裁判要旨昭和62年に個人が非上場株式を低額で譲り受けたことによる給与所得に係る収入金額とすべき金額,同年に個人が法人に対し非上場株式を低額で譲渡したことによる譲渡所得に係る総収入金額に算入すべき金額及び同年に個人が有利な発行価額による非上場の新株を取得する権利を与えられたことによる一時所得に係る総収入金額に算入すべき金額の各計算に当たり,上記各株式を発行会社の1株当たりの純資産価額を基に評価する場合において,発行会社の資産の時価と帳簿価額との評価差額に対する法人税額等に相当する金額を控除して計算した1株当たりの純資産価額による上記各株式の評価が,当時,一般に通常の取引における当事者の合理的意思に合致しており,著しく不合理な結果を生じさせるなど課税上の弊害をもたらすことがうかがわれないなど判示の事情の下では,発行会社が当時順調に営業を行っていたとしても,上記控除をして純資産価額を計算すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成17年11月8日 平成14(行ヒ)112
登載
集民 第218号211頁
参照法条
所得税法28条2項,所得税法33条3項,所得税法34条2項,所得税法36条1項,2項,所得税法59条1項,所得税法施行令(平成10年政令第104号による改正前のもの)84条1項,所得税法施行令169条
論点18第28条所得税法

源泉徴収による所得税につき自動的に確定していた税額に包含される金額でされた納税の告知が適法とされた事例

裁判要旨会社がその代表者に代わって同人の借入金の利息を支払ったことにより,その経済的利益に相当する同人に対する給与等(賞与)の支払があったことになって会社に源泉徴収による所得税の納税義務が客観的に成立したが,実際にされた納税の告知は,会社が同人に上記利息相当額を無利息で貸し付け,この貸付けに係る得べかりし利息相当額の経済的利益に相当する同人に対する給与等(役員報酬)の支払があったものとしてされたという場合につき,客観的に成立した納税義務及び自動的に確定していた税額の内容は会社に自明であったこと,強制調査に際して会社から要請があったため,上記賞与に当たる経済的利益のうち上記得べかりし利息相当額の限度で納税義務の履行を請求するものとして上記納税の告知がされたものであること,上記納税の告知により請求された金額は,納税義務が客観的に成立し自動的に確定していた税額に包含されるものであり,納税告知書に記載された所得の種類に食い違いがみられないことなど判示の事実関係の下においては,上記納税の告知は,適法である。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成16年9月7日 平成10(行ツ)77
登載
集民 第215号13頁
参照法条
所得税法28条1項,183条1項,国税通則法(平成9年法律第89号による改正前のもの)36条1項,国税通則法36条2項,国税通則法施行令(平成12年政令第307号による改正前のもの)43条,国税通則法施行規則(平成14年財務省令第20号による改正前のもの)5条1項,国税通則法施行規則(平成14年財務省令第20号による改正前のもの)別紙第2号書式
論点19第30条所得税法

所得税法三〇条一項〈退職所得〉にいう退職所得にあたらないとされた事例

裁判要旨従業員の勤務年数が満五年に達するごとに退職金を支給する旨及び右退職金の算定にあたつては既に支給した退職金の算定の基礎とされた勤務年数は算入しない旨を定めた給与規程に基づき、勤務年数が満五年に達した者に退職金名義の金員を支給した場合において、右金員の支給を受けた者が再雇用のためのなんらの手続を経ることなく従来のままの就労を継続しており、賃金その他の労働条件にも全く変化がなく、また、就業規則中には、勤務年数が満五年に達したときは従業員たる身分を失う旨を定めた規定がなく、従業員の定年を満五五歳とする旨の規定があるなど、判示のような事実関係があるときは、右金員に係る所得は、所得税法三〇条一項〈退職所得〉にいう退職所得にあたらない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和58年9月9日 昭和53(行ツ)72
登載
民集 第37巻7号962頁
参照法条
所得税法30条1項
論点20第30条所得税法

所得税法三〇条一項〈退職所得〉にいう退職所得にあたるかどうかの認定判断につき法令の解釈適用の誤り及び審理不尽の違法があるとされた事例

裁判要旨従業員が満五五歳又は勤続満一〇年に達したときに定年となる旨の就業規則の定め及び退職金規程に基づき、勤続満一〇年に達したことを理由として退職金名義の金員の支給を受けた従業員の大部分が、その役職、給与、有給休暇の日数の算定等の労働条件に変化がないまま引き続き勤務しているなど判示のような事実関係があるときは、右就業規則の客観的な運用として従業員が勤続満一〇年に達したときは退職するのを原則的取扱いとしており、その後継続している勤務関係が単なる従前の勤務関係の延長ではなく新たな雇用契約に基づくものであるとの実質を有すること、又は右金員が定年延長若しくは退職年金制度の採用等の合理的な理由による退職金支給制度の実質的改変により精算の必要があつて支給されたものであること、若しくは継続している勤務関係がその性質内容、労働条件等において重大な変動を受け実質的には単なる従前の勤務関係の延長とはみられないこと等の特別の事実関係がないにもかかわらず、右金員を所得税法三〇条一項にいう退職所得にあたると認定判断することには、法令の解釈適用の誤り及び審理不尽の違法がある。

(反対意見がある。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和58年12月6日 昭和54(行ツ)35
登載
集民 第140号589頁
参照法条
所得税法30条1項,民訴法394条
論点21第30条所得税法

1 弁護士である破産管財人は,自らの報酬の支払について,所得税法204条1項2号〈源泉徴収義務 弁護士(外国法事務弁護士を含む。)、司法書士、土地家屋調査士、公認会計士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士、測量士、建築士、不動産鑑定士、技術士その他これらに類する者で政令で定めるものの業務に関する報酬又は料金〉所定の源泉徴収義務を負うか
2 弁護士である破産管財人の報酬に係る源泉所得税の債権は,旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)47条2号ただし書にいう「破産財団ニ関シテ生シタル」請求権に当たるか
3 破産管財人は,破産債権である所得税法199条所定の退職手当等の債権に対する配当について,同条所定の源泉徴収義務を負うか

裁判要旨1 弁護士である破産管財人は,所得税法204条1項2号〈源泉徴収義務 弁護士(外国法事務弁護士を含む。)、司法書士、土地家屋調査士、公認会計士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士、測量士、建築士、不動産鑑定士、技術士その他これらに類する者で政令で定めるものの業務に関する報酬又は料金〉の規定に基づき,自らの報酬の支払の際にその報酬について所得税を徴収し,これを国に納付する義務を負う。
2 弁護士である破産管財人の報酬に係る源泉所得税の債権は,旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)47条2号ただし書にいう「破産財団ニ関シテ生シタル」請求権に当たる。
3 破産管財人は,破産債権である所得税法199条所定の退職手当等の債権に対する配当の際にその退職手当等について所得税を徴収し,これを国に納付する義務を負うものではない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成23年1月14日 平成20(行ツ)236
登載
民集 第65巻1号1頁
参照法条
(1〜3につき)所得税法6条 (1,2につき)所得税法204条1項2号,旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)166条,破産法87条1項 (2につき)旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)47条2号,旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)47条3号,破産法148条1項2号 (3につき)所得税法30条1項,所得税法199条,旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)256条,破産法193条1項
論点22第33条所得税法

財産分与としての資産の譲渡と譲渡所得課税

裁判要旨財産分与としてされた夫婦の一方の特有財産の他方への譲渡は、譲渡所得課税の対象になる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和53年2月16日 昭和51(行ツ)27
登載
集民 第123号71頁
参照法条
所得税法33条1項,所得税法36条1項,所得税法36条2項,所得税法(昭和44年法律第14号による改正前のもの)33条3項
論点23第33条所得税法

財産分与としての不動産の譲渡と譲渡所得課税

裁判要旨財産分与としてされた不動産の譲渡は、譲渡所得課税の対象となる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和50年5月27日 昭和47(行ツ)4
登載
民集 第29巻5号641頁
参照法条
所得税法33条1項,所得税法33条3項,所得税法36条1項,所得税法36条2項,所得税法(昭和44年法律第14号による改正前のもの)33条3項
論点24第33条所得税法

協議離婚に伴う財産分与契約をした分与者の課税負担の錯誤に係る動機が意思表示の内容をなしたとされた事例

裁判要旨協議離婚に伴い夫が自己の不動産全部を妻に譲渡する旨の財産分与契約をし、後日夫に二億円余の譲渡所得税が課されることが判明した場合において、右契約の当時、妻のみに課税されるものと誤解した夫が心配してこれを気遣う発言をし、妻も自己に課税されるものと理解していたなど判示の事実関係の下においては、他に特段の事情がない限り、夫の右課税負担の錯誤に係る動機は、妻に黙示的に表示されて意思表示の内容をなしたものというべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成元年9月14日 昭和63(オ)385
登載
集民 第157号555頁
参照法条
民法95条,民法768条,所得税法33条
論点25第33条所得税法

他の相続人に代償金を交付して単独で相続した不動産を売却した場合の譲渡所得の計算上右代償金を取得費に算入することの可否

裁判要旨相続人の一人が遺産分割協議に従い他の相続人に対し代償金を交付して単独で相続した不動産を売却した場合、譲渡所得の計算上、右代償金を右不動産の取得費に算入することはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成6年9月13日 平成6(行ツ)78
登載
集民 第173号79頁
参照法条
所得税法33条3項,所得税法60条,民法909条
論点26第33条所得税法

1 資産の譲渡に当たって支出された費用が所得税法33条3項〈譲渡所得〉にいう「資産の譲渡に要した費用」に当たるかどうかの判断基準
2 土地改良区の組合員が同区内の農地を転用目的で譲渡するに当たり土地改良法42条2項〈国庫補助金等の総収入金額不算入〉に基づき同区に支払った決済金が所得税法33条3項にいう「資産の譲渡に要した費用」に当たるとされた事例
3 土地改良区の組合員が同区内の農地を転用目的で譲渡するに当たり土地改良施設の目的外使用に関する同区の規程に基づき同区に支払った使用負担金が所得税法33条3項にいう「資産の譲渡に要した費用」に当たるとされた事例

裁判要旨1 資産の譲渡に当たって支出された費用が所得税法33条3項〈譲渡所得〉にいう「資産の譲渡に要した費用」に当たるかどうかは,現実に行われた資産の譲渡を前提として,客観的に見てその譲渡を実現するために当該費用が必要であったかどうかによって判断すべきである。
2 土地改良区の組合員が同区内の農地を転用目的で譲渡するに当たり土地改良法42条2項〈国庫補助金等の総収入金額不算入〉に基づき同区に対し決済金を支払った場合において,上記組合員が上記農地を転用目的で譲渡するためには同項の規定を受けて定められた同区の規程により上記決済金を支払わなければならなかったという事実関係の下では,上記決済金は,上記農地を転用目的で譲渡するか否かにかかわらず決済の時点で既に支払義務が発生していた賦課金等の未納入金に係るものを除き,上記農地の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上控除されるべき所得税法33条3項にいう「資産の譲渡に要した費用」に当たる。
3 土地改良区の組合員が同区内の農地を転用目的で譲渡するに当たり土地改良施設の目的外使用に関する同区の規程に基づき同区に対し使用負担金を支払った場合において,上記使用負担金の支払により,転用された土地のために土地改良施設を将来にわたり使用することができることになり,上記農地の譲渡価額の増額がもたらされるものであるという事情の下では,上記使用負担金は,上記農地の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上控除されるべき所得税法33条3項にいう「資産の譲渡に要した費用」に当たる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成18年4月20日 平成15(行ヒ)217
登載
集民 第220号141頁
参照法条
(1〜3につき)所得税法33条3項 (2につき)土地改良法42条2項
論点27第33条所得税法

1 受贈者が贈与者から資産を取得するために要した付随費用の額と所得税法38条1項〈譲渡所得の金額の計算上控除する取得費〉にいう「資産の取得に要した金額」
2 ゴルフ会員権の受贈者が贈与を受けた際に支払った名義書換手数料の額と,所得税法38条1項にいう「資産の取得に要した金額」

裁判要旨1 受贈者が贈与者から資産を取得するために要した付随費用の額は,受贈者が同資産を譲渡した場合に所得税法60条1項に基づいてされる譲渡所得の金額の計算において,同法38条1項にいう「資産の取得に要した金額」に当たる。
2 ゴルフ会員権の受贈者が贈与を受けた際に支払った名義書換手数料の額は,受贈者が同会員権を譲渡した場合に所得税法60条1項に基づいてされる譲渡所得の金額の計算において,同法38条1項にいう「資産の取得に要した金額」に算入される。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成17年2月1日 平成13(行ヒ)276
登載
集民 第216号279頁
参照法条
所得税法33条3項,所得税法38条1項,所得税法60条1項,民法第3編第2章 契約
論点28第34条所得税法

1 競馬の当たり馬券の払戻金が所得税法35条1項〈雑所得〉にいう雑所得に当たるとされた事例
2 競馬の外れ馬券の購入代金が雑所得である当たり馬券の払戻金を得るため直接に要した費用として所得税法37条1項〈必要経費〉にいう必要経費に当たるとされた事例

裁判要旨1 予想の確度の高低と予想が的中した際の配当率の大小の組合せにより定めた購入パターンに従い,年間を通じてほぼ全てのレースで馬券を購入することを目標として,年間を通じての収支で利益が得られるように工夫しながら,6年間にわたり,1節当たり数百万円から数千万円,1年当たり合計3億円から21億円程度となる多数の馬券を購入し続けたこと,上記のいずれの年についても年間を通じての収支で利益を得ていた上,その金額も,少ない年で約1800万円,多い年では約2億円に及んでおり,回収率が総体として100%を超えるように馬券を選別して購入し続けてきたといえることなど判示の事情の下においては,上記の購入により得た当たり馬券の払戻金は,所得税法35条1項〈雑所得〉にいう雑所得に当たる。
節  :競馬開催日又はこれが連続する場合における当該連続する競馬開催日を併せたもの等
回収率:全ての有効馬券の購入代金の合計額に対する当たり馬券の払戻金の合計額の比率
2 偶然性の影響を減殺するために長期間にわたって多数の馬券を頻繁に購入することにより,年間を通じての収支で利益が得られるように継続的に馬券を購入しており,そのような一連の馬券の購入により利益を得るためには,外れ馬券の購入は不可避であったという事情の下においては,外れ馬券の購入代金は,雑所得である当たり馬券の払戻金を得るため直接に要した費用として,所得税法37条1項〈必要経費〉にいう必要経費に当たる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成29年12月15日 平成28(行ヒ)303
登載
民集 第71巻10号2235頁
参照法条
(1につき) 所得税法34条1項,所得税法35条1項 (2につき) 所得税法35条2項,所得税法37条1項
論点29第34条所得税法

1 競馬の当たり馬券の払戻金が所得税法上の一時所得ではなく雑所得に当たるとされた事例
2 競馬の外れ馬券の購入代金について,雑所得である当たり馬券の払戻金から所得税法上の必要経費として控除することができるとされた事例

裁判要旨1 馬券を自動的に購入するソフトを使用して独自の条件設定等に基づいてインターネットを介して長期間にわたり多数回かつ頻繁に網羅的な購入をして,当たり馬券の払戻金を得ることにより多額の利益を恒常的に上げるなどしていた本件事実関係(判文参照)の下では,払戻金は所得税法上の一時所得ではなく雑所得に当たる。
2 外れ馬券を含む全ての馬券の購入代金という費用が当たり馬券の払戻金という収入に対応するなどの本件事実関係(判文参照)の下では,外れ馬券の購入代金は,雑所得である当たり馬券の払戻金から所得税法上の必要経費として控除することができる。
(1,2につき意見がある。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成27年3月10日 平成26(あ)948
登載
刑集 第69巻2号434頁
参照法条
(1につき) 所得税法34条1項, 所得税法35条1項 (2につき) 所得税法37条1項
論点30第34条所得税法

1 所得税法34条2項〈一時所得〉にいう「その収入を得るために支出した金額」の支出の主体
2 法人が保険料を支払った養老保険契約に係る満期保険金を当該法人の代表者が受け取った場合において,上記満期保険金に係る当該代表者の一時所得の金額の計算上,上記保険料のうち当該法人における保険料として損金経理がされた部分が所得税法34条2項にいう「その収入を得るために支出した金額」に当たらないとされた事例
3 国税通則法65条4項にいう「正当な理由」があるとした原審の判断に違法があるとされた事例

裁判要旨1 一時所得に係る支出が所得税法34条2項にいう「その収入を得るために支出した金額」に該当するためには,それが当該収入を得た個人において自ら負担して支出したものといえることを要する。
2 死亡保険金の受取人を法人とし,満期保険金の受取人を当該法人の代表者とする養老保険契約の保険料を当該法人が支払い,満期保険金を当該代表者が受け取った場合において,上記保険料のうち当該代表者に対する役員報酬として損金経理がされその給与として課税された部分がその2分の1である一方,その余の部分が当該法人における保険料として損金経理がされたものであるなど判示の事情の下では,上記満期保険金に係る当該代表者の一時所得の金額の計算上,後者の部分は所得税法34条2項にいう「その収入を得るために支出した金額」に当たらない。
3 一時所得に係る支出が所得税法34条2項にいう「その収入を得るために支出した金額」に該当するためにはそれが当該収入を得た個人において自ら負担して支出したものといえることを要するにもかかわらず,これと異なる法令解釈に基づいて行われた過少申告について,課税実務上の運用や税務当局等の示した見解の有無などの点につき十分に審理することなく,関係する通達の文言の一部や上記の法令解釈と同旨の見解を採る市販の解説書の記載のみをもって,国税通則法65条4項にいう「正当な理由」があるとした原審の判断には,違法がある。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成24年1月16日 平成23(行ヒ)104
登載
集民 第239号555頁
参照法条
(1〜3につき)所得税法34条2項,所得税法施行令(平成23年政令第195号による改正前のもの)183条2項2号 (3につき)国税通則法65条4項
論点31第34条所得税法

1 所得税法34条2項〈一時所得〉にいう「その収入を得るために支出した金額」の支出の主体
2 会社が保険料を支払った養老保険契約に係る満期保険金を当該会社の代表者らが受け取った場合において,上記満期保険金に係る当該代表者らの一時所得の金額の計算上,上記保険料のうち当該会社における保険料として損金経理がされた部分が所得税法34条2項にいう「その収入を得るために支出した金額」に当たらないとされた事例

裁判要旨1 一時所得に係る支出が所得税法34条2項にいう「その収入を得るために支出した金額」に該当するためには,それが当該収入を得た個人において自ら負担して支出したものといえることを要する。
2 死亡保険金の受取人を会社とし,満期保険金の受取人を当該会社の代表者らとする養老保険契約の保険料を当該会社が支払い,満期保険金を当該代表者らが受け取った場合において,上記保険料のうち当該代表者らに対する貸付金として経理処理がされた部分がその2分の1である一方,その余の部分が当該会社における保険料として損金経理がされたものであるなど判示の事情の下では,上記満期保険金に係る当該代表者らの一時所得の金額の計算上,後者の部分は所得税法34条2項にいう「その収入を得るために支出した金額」に当たらない。
(1,2につき補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成24年1月13日 平成21(行ヒ)404
登載
民集 第66巻1号1頁
参照法条
(1,2につき)所得税法34条2項,所得税法施行令(平成23年政令第195号による改正前のもの)183条2項2号
論点32第35条所得税法

不動産競売についての予納金及び登録免許税の納付による支出と所得税法上の必要経費

裁判要旨不動産競売についての予納金及び登録免許税の納付による支出は、所得税法上の必要経費にあたらない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和59年3月6日 昭和57(あ)166
登載
刑集 第38巻5号1921頁
参照法条
所得税法35条,所得税法37条1項,競売法33条2項(昭和54年法律4号により廃止),民事執行法14条,民事執行法42条,民事執行法194条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

所得税法 第23条(利子所得) 詳細ページ
(利子所得)
第二十三条利子所得とは、公社債及び預貯金の利子(公社債で元本に係る部分と利子に係る部分とに分離されてそれぞれ独立して取引されるもののうち、当該利子に係る部分であつた公社債に係るものを除く。)並びに合同運用信託、公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託の収益の分配(以下この条において「利子等」という。)に係る所得をいう。
2利子所得の金額は、その年中の利子等の収入金額とする。
所得税法 第24条(配当所得) 詳細ページ
(配当所得)
第二十四条配当所得とは、法人(法人税法第二条第六号(定義)に規定する公益法人等及び人格のない社団等を除く。)から受ける剰余金の配当(株式又は出資(公募公社債等運用投資信託以外の公社債等運用投資信託の受益権及び社債的受益権を含む。次条において同じ。)に係るものに限るものとし、資本剰余金の額の減少に伴うもの並びに分割型分割(同法第二条第十二号の九に規定する分割型分割をいい、法人課税信託に係る信託の分割を含む。以下この項及び次条において同じ。)によるもの及び株式分配(同法第二条第十二号の十五の二に規定する株式分配をいう。以下この項及び次条において同じ。)を除く。)、利益の配当(資産の流動化に関する法律第百十五条第一項(中間配当)に規定する金銭の分配を含むものとし、分割型分割によるもの及び株式分配を除く。)、剰余金の分配(出資に係るものに限る。)、投資信託及び投資法人に関する法律第百三十七条(金銭の分配)の金銭の分配(出資総額等の減少に伴う金銭の分配として財務省令で定めるもの(次条第一項第四号において「出資等減少分配」という。)を除く。)、基金利息(保険業法第五十五条第一項(基金利息の支払等の制限)に規定する基金利息をいう。)並びに投資信託(公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託を除く。)及び特定受益証券発行信託の収益の分配(法人税法第二条第十二号の十五に規定する適格現物分配に係るものを除く。以下この条において「配当等」という。)に係る所得をいう。
2配当所得の金額は、その年中の配当等の収入金額とする。ただし、株式その他配当所得を生ずべき元本を取得するために要した負債の利子(事業所得又は雑所得の基因となつた有価証券その他政令で定めるものを取得するために要した負債の利子を除く。以下この項において同じ。)でその年中に支払うものがある場合は、当該収入金額から、その支払う負債の利子の額のうちその年においてその元本を有していた期間に対応する部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額の合計額を控除した金額とする。
所得税法 第25条(配当等とみなす金額) 詳細ページ
(配当等とみなす金額)
第二十五条法人(法人税法第二条第六号(定義)に規定する公益法人等及び人格のない社団等を除く。以下この項において同じ。)の株主等が当該法人の次に掲げる事由により金銭その他の資産の交付を受けた場合において、その金銭の額及び金銭以外の資産の価額(同条第十二号の十五に規定する適格現物分配に係る資産にあつては、当該法人のその交付の直前の当該資産の帳簿価額に相当する金額)の合計額が当該法人の同条第十六号に規定する資本金等の額のうちその交付の基因となつた当該法人の株式又は出資に対応する部分の金額を超えるときは、この法律の規定の適用については、その超える部分の金額に係る金銭その他の資産は、前条第一項に規定する剰余金の配当、利益の配当、剰余金の分配又は金銭の分配とみなす。
一当該法人の合併(法人課税信託に係る信託の併合を含むものとし、法人税法第二条第十二号の八に規定する適格合併を除く。)
二当該法人の分割型分割(法人税法第二条第十二号の十二に規定する適格分割型分割を除く。)
三当該法人の株式分配(法人税法第二条第十二号の十五の三に規定する適格株式分配を除く。)
四当該法人の資本の払戻し(株式に係る剰余金の配当(資本剰余金の額の減少に伴うものに限る。)のうち分割型分割によるもの及び株式分配以外のもの並びに出資等減少分配をいう。)又は当該法人の解散による残余財産の分配
五当該法人の自己の株式又は出資の取得(金融商品取引法第二条第十六項(定義)に規定する金融商品取引所の開設する市場における購入による取得その他の政令で定める取得及び第五十七条の四第三項第一号から第三号まで(株式交換等に係る譲渡所得等の特例)に掲げる株式又は出資の同項に規定する場合に該当する場合における取得を除く。)
六当該法人の出資の消却(取得した出資について行うものを除く。)、当該法人の出資の払戻し、当該法人からの社員その他の出資者の退社若しくは脱退による持分の払戻し又は当該法人の株式若しくは出資を当該法人が取得することなく消滅させること。
七当該法人の組織変更(当該組織変更に際して当該組織変更をした当該法人の株式又は出資以外の資産を交付したものに限る。)
2合併法人(法人税法第二条第十二号に規定する合併法人をいう。以下この項において同じ。)又は分割法人(同条第十二号の二に規定する分割法人をいう。以下この項において同じ。)が被合併法人(同条第十一号に規定する被合併法人をいう。)の株主等又は当該分割法人の株主等に対し合併又は分割型分割により株式(出資を含む。以下この項において同じ。)その他の資産の交付をしなかつた場合においても、当該合併又は分割型分割が合併法人又は分割承継法人(同条第十二号の三に規定する分割承継法人をいう。以下この項において同じ。)の株式の交付が省略されたと認められる合併又は分割型分割として政令で定めるものに該当するときは、政令で定めるところによりこれらの株主等が当該合併法人又は分割承継法人の株式の交付を受けたものとみなして、前項の規定を適用する。
3第一項に規定する株式又は出資に対応する部分の金額の計算の方法その他前二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
所得税法 第26条(不動産所得) 詳細ページ
(不動産所得)
第二十六条不動産所得とは、不動産、不動産の上に存する権利、船舶又は航空機(以下この項において「不動産等」という。)の貸付け(地上権又は永小作権の設定その他他人に不動産等を使用させることを含む。)による所得(事業所得又は譲渡所得に該当するものを除く。)をいう。
2不動産所得の金額は、その年中の不動産所得に係る総収入金額から必要経費を控除した金額とする。
所得税法 第27条(事業所得) 詳細ページ
(事業所得)
第二十七条事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業で政令で定めるものから生ずる所得(山林所得又は譲渡所得に該当するものを除く。)をいう。
2事業所得の金額は、その年中の事業所得に係る総収入金額から必要経費を控除した金額とする。
所得税法 第28条(給与所得) 詳細ページ
(給与所得)
第二十八条給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与(以下この条において「給与等」という。)に係る所得をいう。
2給与所得の金額は、その年中の給与等の収入金額から給与所得控除額を控除した残額とする。
3前項に規定する給与所得控除額は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額とする。
一前項に規定する収入金額が百九十万円以下である場合六十五万円
二前項に規定する収入金額が百九十万円を超え三百六十万円以下である場合六十五万円と当該収入金額から百九十万円を控除した金額の百分の三十に相当する金額との合計額
三前項に規定する収入金額が三百六十万円を超え六百六十万円以下である場合百十六万円と当該収入金額から三百六十万円を控除した金額の百分の二十に相当する金額との合計額
四前項に規定する収入金額が六百六十万円を超え八百五十万円以下である場合百七十六万円と当該収入金額から六百六十万円を控除した金額の百分の十に相当する金額との合計額
五前項に規定する収入金額が八百五十万円を超える場合百九十五万円
4その年中の給与等の収入金額が六百六十万円未満である場合には、当該給与等に係る給与所得の金額は、前二項の規定にかかわらず、当該収入金額を別表第五の給与等の金額として、同表により当該金額に応じて求めた同表の給与所得控除後の給与等の金額に相当する金額とする。
所得税法 第29条 詳細ページ
第二十九条削除
所得税法 第30条(退職所得) 詳細ページ
(退職所得)
第三十条退職所得とは、退職手当、一時恩給その他の退職により一時に受ける給与及びこれらの性質を有する給与(以下この条において「退職手当等」という。)に係る所得をいう。
2退職所得の金額は、その年中の退職手当等の収入金額から退職所得控除額を控除した残額の二分の一に相当する金額(当該退職手当等が、短期退職手当等である場合には次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額とし、特定役員退職手当等である場合には当該退職手当等の収入金額から退職所得控除額を控除した残額に相当する金額とする。)とする。
一当該退職手当等の収入金額から退職所得控除額を控除した残額が三百万円以下である場合当該残額の二分の一に相当する金額
二前号に掲げる場合以外の場合百五十万円と当該退職手当等の収入金額から三百万円に退職所得控除額を加算した金額を控除した残額との合計額
3前項に規定する退職所得控除額は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額とする。
一政令で定める勤続年数(以下この項及び第七項において「勤続年数」という。)が二十年以下である場合四十万円に当該勤続年数を乗じて計算した金額
二勤続年数が二十年を超える場合八百万円と七十万円に当該勤続年数から二十年を控除した年数を乗じて計算した金額との合計額
4第二項に規定する短期退職手当等とは、退職手当等のうち、退職手当等の支払をする者から短期勤続年数(前項第一号に規定する勤続年数のうち、次項に規定する役員等以外の者としての政令で定める勤続年数が五年以下であるものをいう。第七項において同じ。)に対応する退職手当等として支払を受けるものであつて、次項に規定する特定役員退職手当等に該当しないものをいう。
5第二項に規定する特定役員退職手当等とは、退職手当等のうち、役員等(次に掲げる者をいう。)としての政令で定める勤続年数(以下この項及び第七項において「役員等勤続年数」という。)が五年以下である者が、退職手当等の支払をする者から当該役員等勤続年数に対応する退職手当等として支払を受けるものをいう。
一法人税法第二条第十五号(定義)に規定する役員
二国会議員及び地方公共団体の議会の議員
三国家公務員及び地方公務員
6次の各号に掲げる場合に該当するときは、第二項に規定する退職所得控除額は、第三項の規定にかかわらず、当該各号に定める金額とする。
一その年の前年以前に他の退職手当等の支払を受けている場合で政令で定める場合第三項の規定により計算した金額から、当該他の退職手当等につき政令で定めるところにより同項の規定に準じて計算した金額を控除した金額
二第三項及び前号の規定により計算した金額が八十万円に満たない場合(次号に該当する場合を除く。)八十万円
三障害者になつたことに直接基因して退職したと認められる場合で政令で定める場合第三項及び第一号の規定により計算した金額(当該金額が八十万円に満たない場合には、八十万円)に百万円を加算した金額
7その年中に一般退職手当等(退職手当等のうち、短期退職手当等(第四項に規定する短期退職手当等をいう。以下この項において同じ。)及び特定役員退職手当等(第五項に規定する特定役員退職手当等をいう。以下この項において同じ。)のいずれにも該当しないものをいう。以下この項において同じ。)、短期退職手当等又は特定役員退職手当等のうち二以上の退職手当等があり、当該一般退職手当等に係る勤続年数、当該短期退職手当等に係る短期勤続年数又は当該特定役員退職手当等に係る役員等勤続年数に重複している期間がある場合の退職所得の金額の計算については、政令で定める。
所得税法 第31条(退職手当等とみなす一時金) 詳細ページ
(退職手当等とみなす一時金)
第三十一条次に掲げる一時金は、この法律の規定の適用については、前条第一項に規定する退職手当等とみなす。
一国民年金法、厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)、国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)、地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)、私立学校教職員共済法(昭和二十八年法律第二百四十五号)及び独立行政法人農業者年金基金法(平成十四年法律第百二十七号)の規定に基づく一時金その他これらの法律の規定による社会保険又は共済に関する制度に類する制度に基づく一時金(これに類する給付を含む。以下この条において同じ。)で政令で定めるもの
二石炭鉱業年金基金法(昭和四十二年法律第百三十五号)の規定に基づく一時金で同法第十六条第一項(坑内員に関する給付)又は第十八条第一項(坑外員に関する給付)に規定する坑内員又は坑外員の退職に基因して支払われるものその他同法の規定による社会保険に関する制度に類する制度に基づく一時金で政令で定めるもの
三確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)の規定に基づいて支給を受ける一時金で同法第二十五条第一項(加入者)に規定する加入者の退職により支払われるもの(同法第三条第一項(確定給付企業年金の実施)に規定する確定給付企業年金に係る規約に基づいて拠出された掛金のうちに当該加入者の負担した金額がある場合には、その一時金の額からその負担した金額を控除した金額に相当する部分に限る。)その他これに類する一時金として政令で定めるもの
所得税法 第32条(山林所得) 詳細ページ
(山林所得)
第三十二条山林所得とは、山林の伐採又は譲渡による所得をいう。
2山林をその取得の日以後五年以内に伐採し又は譲渡することによる所得は、山林所得に含まれないものとする。
3山林所得の金額は、その年中の山林所得に係る総収入金額から必要経費を控除し、その残額から山林所得の特別控除額を控除した金額とする。
4前項に規定する山林所得の特別控除額は、五十万円(同項に規定する残額が五十万円に満たない場合には、当該残額)とする。
所得税法 第33条(譲渡所得) 詳細ページ
(譲渡所得)
第三十三条譲渡所得とは、資産の譲渡(建物又は構築物の所有を目的とする地上権又は賃借権の設定その他契約により他人に土地を長期間使用させる行為で政令で定めるものを含む。以下この条において同じ。)による所得をいう。
2次に掲げる所得は、譲渡所得に含まれないものとする。
一たな卸資産(これに準ずる資産として政令で定めるものを含む。)の譲渡その他営利を目的として継続的に行なわれる資産の譲渡による所得
二前号に該当するもののほか、山林の伐採又は譲渡による所得
3譲渡所得の金額は、次の各号に掲げる所得につき、それぞれその年中の当該所得に係る総収入金額から当該所得の基因となつた資産の取得費及びその資産の譲渡に要した費用の額の合計額を控除し、その残額の合計額(当該各号のうちいずれかの号に掲げる所得に係る総収入金額が当該所得の基因となつた資産の取得費及びその資産の譲渡に要した費用の額の合計額に満たない場合には、その不足額に相当する金額を他の号に掲げる所得に係る残額から控除した金額。以下この条において「譲渡益」という。)から譲渡所得の特別控除額を控除した金額とする。
一資産の譲渡(前項の規定に該当するものを除く。次号において同じ。)でその資産の取得の日以後五年以内にされたものによる所得(政令で定めるものを除く。)
二資産の譲渡による所得で前号に掲げる所得以外のもの
4前項に規定する譲渡所得の特別控除額は、五十万円(譲渡益が五十万円に満たない場合には、当該譲渡益)とする。
5第三項の規定により譲渡益から同項に規定する譲渡所得の特別控除額を控除する場合には、まず、当該譲渡益のうち同項第一号に掲げる所得に係る部分の金額から控除するものとする。
所得税法 第34条(一時所得) 詳細ページ
(一時所得)
第三十四条一時所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得及び譲渡所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものをいう。
2一時所得の金額は、その年中の一時所得に係る総収入金額からその収入を得るために支出した金額(その収入を生じた行為をするため、又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限る。)の合計額を控除し、その残額から一時所得の特別控除額を控除した金額とする。
3前項に規定する一時所得の特別控除額は、五十万円(同項に規定する残額が五十万円に満たない場合には、当該残額)とする。
所得税法 第35条(雑所得) 詳細ページ
(雑所得)
第三十五条雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得及び一時所得のいずれにも該当しない所得をいう。
2雑所得の金額は、次の各号に掲げる金額の合計額とする。
一その年中の公的年金等の収入金額から公的年金等控除額を控除した残額
二その年中の雑所得(公的年金等に係るものを除く。)に係る総収入金額から必要経費を控除した金額
3前項に規定する公的年金等とは、次に掲げる年金をいう。
一第三十一条第一号及び第二号(退職手当等とみなす一時金)に規定する法律の規定に基づく年金その他同条第一号及び第二号に規定する制度に基づく年金(これに類する給付を含む。第三号において同じ。)で政令で定めるもの
二恩給(一時恩給を除く。)及び過去の勤務に基づき使用者であつた者から支給される年金
三確定給付企業年金法の規定に基づいて支給を受ける年金(第三十一条第三号に規定する規約に基づいて拠出された掛金のうちにその年金が支給される同法第二十五条第一項(加入者)に規定する加入者(同項に規定する加入者であつた者を含む。)の負担した金額がある場合には、その年金の額からその負担した金額のうちその年金の額に対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額を控除した金額に相当する部分に限る。)その他これに類する年金として政令で定めるもの
4第二項に規定する公的年金等控除額は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額とする。
一その年中の公的年金等の収入金額がないものとして計算した場合における第二条第一項第三十号(定義)に規定する合計所得金額(次号及び第三号において「公的年金等に係る雑所得以外の合計所得金額」という。)が千万円以下である場合次に掲げる金額の合計額(当該合計額が六十万円に満たない場合には、六十万円)
イ四十万円
ロその年中の公的年金等の収入金額から五十万円を控除した残額の次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額
二その年中の公的年金等に係る雑所得以外の合計所得金額が千万円を超え二千万円以下である場合次に掲げる金額の合計額(当該合計額が五十万円に満たない場合には、五十万円)
イ三十万円
ロ前号ロに掲げる金額
三その年中の公的年金等に係る雑所得以外の合計所得金額が二千万円を超える場合次に掲げる金額の合計額(当該合計額が四十万円に満たない場合には、四十万円)
イ二十万円
ロ第一号ロに掲げる金額
出

一次情報

原文ママ

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