手形法 / テーマ別まとめ

為替手形/引受

引受の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

為替手形の引受は、支払人が満期に手形金の支払義務を負うことを確約する手続です。誰がいつ呈示できるか、引受はどう記載するか、引受の効果や撤回の扱いまでを条文に沿って整理します。

引受
論点内容根拠
呈示できる人所持人・単なる占有者21条
呈示の記載振出人が期間付きで指定可22条1項
呈示禁止の記載原則可、一覧後定期払等は不可22条2項
呈示時期の制限一定期日前は不可、と記載可22条3項
裏書人の呈示指定可(振出人が禁止した場合は不可)22条4項
一覧後定期払の期限日付から1年内23条1項
期間の伸縮振出人は短縮・伸長可、裏書人は短縮のみ可23条2・3項
再呈示の請求翌日に第二呈示を請求可24条1項
手形の交付引受呈示時に交付不要24条2項
引受の方式「引受」等の文字と支払人の署名25条1項
表面の単純署名引受とみなす25条1項
引受の日付記載一覧後定期払等は原則必要25条2項
引受の内容単純が原則、金額の一部制限は可26条1項
記載事項の変更引受拒絶とみなす(引受人は文言に従い責任)26条2項
支払地と第三者方支払人が定めうる、定めなければ引受人が自ら支払う義務27条1項
支払場所の指定住所地払の場合、引受で場所を定め得る27条2項
引受人の義務満期に支払う義務を負う28条1項
不払時の請求権所持人は引受人に直接請求権28条2項
引受記載の抹消返還前の抹消は引受拒絶とみなす29条1項
書面通知後の責任引受人は引受の文言に従い責任を負う29条2項
  • 22条2項の呈示禁止は、第三者方払・住所地外払・一覧後定期払の手形には適用されない。
  • 23条の期間伸縮は振出人・裏書人で扱いが異なり、裏書人は短縮のみ可能。
  • 24条1項の再呈示未了の主張は、拒絶証書に記載された場合に限られる。
  • 25条2項の日付記載義務は、所持人が呈示日の記載を請求した場合を除く。
  • 29条1項の抹消は証券返還前に行われたものと推定される。
  • 29条2項は書面による引受通知があった場合の例外規定。
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引受

引受について、条文は何を定めているか。

第21条所持人等は満期まで支払人に引受呈示できる1項判例なし
  • 所持人だけでなく単なる占有者も呈示可能
  • 呈示先は支払人の住所
  • 満期に至るまでの間いつでも呈示できる
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第22条呈示の要否・可否は振出人・裏書人が指定できる4項判例なし
  • 振出人は期間を定めて(または定めずに)引受呈示を義務付け可
  • 振出人は引受呈示を禁止できるが、第三者方払・住所地外払・一覧後定期払は禁止不可
  • 裏書人も引受呈示を義務付け可(振出人が禁止していれば不可)
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第23条一覧後定期払は1年内に引受呈示が必要3項判例なし
  • 日付から1年以内に引受のため呈示する必要がある
  • 振出人はこの期間を短縮・伸長できる
  • 裏書人はこの期間を短縮できる(伸長は不可)
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第24条支払人は翌日の再呈示を求められる2項判例なし
  • 支払人は第一呈示の翌日に第二呈示を請求できる
  • この主張は拒絶証書に記載された場合に限り可能
  • 引受呈示の際、所持人は手形を支払人に交付する必要はない
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第25条引受は手形上に「引受」の文字と署名で行う2項判例なし
  • 「引受」等の文字表示と支払人の署名が必要
  • 手形表面への単なる署名も引受とみなされる
  • 一覧後定期払等では原則、引受した日の日付記載が必要
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第26条引受は単純が原則、金額の一部制限は例外的に可2項判例なし
  • 引受は単純でなければならないが、金額の一部への制限は可能
  • 記載事項に他の変更を加えると引受拒絶とみなされる
  • その場合でも引受人は自分が引受けた文言どおりの責任を負う
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第27条支払地が住所地と異なる場合の扱いを引受人が定める2項判例なし
  • 第三者方払の定めがなければ、支払人が引受時に第三者を定め得る
  • 定めなければ引受人自身が支払地で支払う義務を負う
  • 住所地払の手形では、引受人が支払地内の支払場所を定め得る
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第28条引受人は満期の支払義務と所持人への直接責任を負う2項判例 2件
  • 引受により満期に手形金を支払う義務を負う
  • 不払の場合、所持人は48条〈所持人ハ遡求ヲ受クル者ニ対シ左ノ金額ヲ請求スルコトヲ得〉・49条〈為替手形ヲ受戻シタル者ハ其ノ前者ニ対シ左ノ金額ヲ請求スルコトヲ得〉の金額につき引受人に直接請求できる
  • 所持人が振出人であっても同様に直接請求できる
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第29条引受記載の抹消は返還前なら引受拒絶とみなす2項判例なし
  • 手形返還前の抹消は引受拒絶とみなされる
  • 抹消は証券返還前にされたものと推定される
  • 書面で引受通知をした場合は、その文言どおり責任を負う
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第28条手形法

約束手形の支払呈示期間内に適法な呈示がなかつた場合と手形法所定の利息

裁判要旨約束手形の支払呈示期間内に適法な呈示がなかつたときは、その後に呈示されても、振出人は、手形法所定の利息の支払義務を負わない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和55年3月27日 昭和54(オ)1375
登載
集民 第129号359頁
参照法条
手形法28条2項,手形法48条1項2号,手形法49条2号,手形法78条1項
論点2第28条手形法

為替手形の支払人の記載が誤記でないとして、その記載以外の者が引き受けた行為を無効とした事例

裁判要旨統一手形用紙に基づく為替手形においても、その支払人の記載が明白なあやまりでない以上、右支払人と表示された者以外の者のした手形引受は無効と解すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和44年4月15日 昭和44(オ)71
登載
集民 第95号125頁
参照法条
手形法28条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

手形法 第21条 詳細ページ
第二十一条為替手形ノ所持人又ハ単ナル占有者ハ満期ニ至ル迄引受ノ為支払人ニ其ノ住所ニ於テ之ヲ呈示スルコトヲ得
手形法 第22条 詳細ページ
第二十二条振出人ハ為替手形ニ期間ヲ定メ又ハ定メズシテ引受ノ為之ヲ呈示スベキ旨ヲ記載スルコトヲ得
2振出人ハ手形ニ引受ノ為ノ呈示ヲ禁ズル旨ヲ記載スルコトヲ得但シ手形ガ第三者方ニテ若ハ支払人ノ住所地ニ非ザル地ニ於テ支払フベキモノナルトキ又ハ一覧後定期払ナルトキハ此ノ限ニ在ラズ
3振出人ハ一定ノ期日前ニハ引受ノ為ノ呈示ヲ為スベカラザル旨ヲ記載スルコトヲ得
4各裏書人ハ期間ヲ定メ又ハ定メズシテ引受ノ為手形ヲ呈示スベキ旨ヲ記載スルコトヲ得但シ振出人ガ引受ノ為ノ呈示ヲ禁ジタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
手形法 第23条 詳細ページ
第二十三条一覧後定期払ノ為替手形ハ其ノ日附ヨリ一年内ニ引受ノ為之ヲ呈示スルコトヲ要ス
2振出人ハ前項ノ期間ヲ短縮シ又ハ伸長スルコトヲ得
3裏書人ハ前二項ノ期間ヲ短縮スルコトヲ得
手形法 第24条 詳細ページ
第二十四条支払人ハ第一ノ呈示ノ翌日ニ第二ノ呈示ヲ為スベキコトヲ請求スルコトヲ得利害関係人ハ此ノ請求ガ拒絶証書ニ記載セラレタルトキニ限リ之ニ応ズル呈示ナカリシコトヲ主張スルコトヲ得
2所持人ハ引受ノ為ニ呈示シタル手形ヲ支払人ニ交付スルコトヲ要セズ
手形法 第25条 詳細ページ
第二十五条引受ハ為替手形ニ之ヲ記載スベシ引受ハ「引受」其ノ他之ト同一ノ意義ヲ有スル文字ヲ以テ表示シ支払人署名スベシ手形ノ表面ニ為シタル支払人ノ単ナル署名ハ之ヲ引受ト看做ス
2一覧後定期払ノ手形又ハ特別ノ記載ニ従ヒ一定ノ期間内ニ引受ノ為ノ呈示ヲ為スベキ手形ニ於テハ所持人ガ呈示ノ日ノ日附ヲ記載スベキコトヲ請求シタル場合ヲ除クノ外引受ニハ之ヲ為シタル日ノ日附ヲ記載スルコトヲ要ス日附ノ記載ナキトキハ所持人ハ裏書人及振出人ニ対スル遡求権ヲ保全スル為ニハ適法ノ時期ニ作ラシメタル拒絶証書ニ依リ其ノ記載ナカリシコトヲ証スルコトヲ要ス
手形法 第26条 詳細ページ
第二十六条引受ハ単純ナルベシ但シ支払人ハ之ヲ手形金額ノ一部ニ制限スルコトヲ得
2引受ニ依リ為替手形ノ記載事項ニ加ヘタル他ノ変更ハ引受ノ拒絶タル効力ヲ有ス但シ引受人ハ其ノ引受ノ文言ニ従ヒテ責任ヲ負フ
手形法 第27条 詳細ページ
第二十七条振出人ガ支払人ノ住所地ト異ル支払地ヲ為替手形ニ記載シタル場合ニ於テ第三者方ニテ支払ヲ為スベキ旨ヲ定メザリシトキハ支払人ハ引受ヲ為スニ当リ其ノ第三者ヲ定ムルコトヲ得之ヲ定メザリシトキハ引受人ハ支払地ニ於テ自ラ支払ヲ為ス義務ヲ負ヒタルモノト看做ス
2手形ガ支払人ノ住所ニ於テ支払フベキモノナルトキハ支払人ハ引受ニ於テ支払地ニ於ケル支払ノ場所ヲ定ムルコトヲ得
手形法 第28条 詳細ページ
第二十八条支払人ハ引受ニ因リ満期ニ於テ為替手形ノ支払ヲ為ス義務ヲ負フ
2支払ナキ場合ニ於テハ所持人ハ第四十八条及第四十九条ノ規定ニ依リテ請求スルコトヲ得ベキ一切ノ金額ニ付引受人ニ対シ為替手形ヨリ生ズル直接ノ請求権ヲ有ス所持人ガ振出人ナルトキト雖モ亦同ジ
手形法 第29条 詳細ページ
第二十九条為替手形ニ引受ヲ記載シタル支払人ガ其ノ手形ノ返還前ニ之ヲ抹消シタルトキハ引受ヲ拒ミタルモノト看做ス抹消ハ証券ノ返還前ニ之ヲ為シタルモノト推定ス
2前項ノ規定ニ拘ラズ支払人ガ書面ヲ以テ所持人又ハ手形ニ署名シタル者ニ引受ノ通知ヲ為シタルトキハ此等ノ者ニ対シ引受ノ文言ニ従ヒテ責任ヲ負フ
出

一次情報

原文ママ

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