民事執行法 / テーマ別まとめ

不動産に対する強制執行/強制競売

強制競売の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

不動産に対する強制執行(強制競売)は、裁判所が開始決定をして不動産を差し押さえ、現況調査・評価を経て売却基準価額を定め、入札等の方法で売却・配当まで進める手続です。開始決定から差押えの効力発生、配当要求の終期の設定、二重開始決定や剰余不足時の措置まで、実務上押さえておくべき条文上の流れを整理しています。

強制競売
段階内容期限・効力不服申立て
開始決定差押えを宣言し債務者に送達―却下に執行抗告
差押えの効力通常の使用・収益は妨げない送達時に発生―
二重開始決定既に差押え済みでも再度可能先の手続取消時に続行異議申立て可
配当要求の終期書記官が定め公告・催告終期までに届出必要異議申立て可
配当要求債務名義等の債権者が可能終期まで却下に執行抗告
現況調査・評価執行官調査、評価人が評価――
売却基準価額評価に基づき裁判所が決定申出額は十分の二控除後以上―
売却の方法書記官が方法を定め執行官実施売却日時・場所を公告異議申立て可
剰余なしの場合の措置差押債権者に通知通知から1週間以内に申出―
  • 差押えの登記が送達前にされていれば、登記時に差押えの効力が生じる
  • 配当要求の終期後の申立てで手続を続行する場合は、終期を新たに定める
  • 終期から3月以内に売却許可決定がなければ、終期は変更されたものとみなす
  • 不動産の滅失など売却による移転を妨げる事情があれば手続を取り消す
  • 価格減少行為があるときは差押債権者の申立てで保全処分を命じ得る
  • 剰余を生ずる見込みがない場合、優先債権者の同意がなければ手続を取り消す
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強制競売

強制競売について、条文は何を定めているか。

第45条開始決定等開始決定で差押えを宣言し送達する3項判例 4件
  • 開始決定で不動産の差押えを宣言する
  • 開始決定は債務者に送達しなければならない
  • 却下決定には執行抗告ができる
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第46条差押えの効力差押えの効力は送達時に生じる2項判例なし
  • 効力は開始決定が債務者に送達された時に生じる
  • 登記が送達より先なら登記時に効力発生
  • 差押え後も通常の使用・収益は妨げられない
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第47条二重開始決定二重に開始決定ができ手続を続行できる7項判例なし
  • 既に開始決定済みの不動産にも重ねて開始決定できる
  • 先の申立て取下げ・取消し時は後の開始決定で続行
  • 停止時は申立てにより後の開始決定で続行可
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第48条差押えの登記の嘱託等開始決定後は直ちに差押え登記を嘱託する2項判例なし
  • 開始決定後、書記官が直ちに差押え登記を嘱託
  • 登記官は登記後、登記事項証明書を裁判所へ送付
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第49条開始決定及び配当要求の終期の公告等書記官が配当要求の終期を定め公告する6項・3号判例 2件
  • 差押えの効力発生後、書記官が終期を定める
  • 終期と開始決定を公告し、債権者等に届出を催告
  • 必要なら終期を延期でき、延期後の終期を公告
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第50条催告を受けた者の債権の届出義務催告を受けた債権者は終期までに届出3項判例 2件
  • 催告対象者は終期までに債権の届出義務あり
  • 元本額に変更があれば変更の届出が必要
  • 故意・過失で届出せず損害が生じれば賠償責任
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第51条配当要求一定の債権者は配当要求ができる2項判例 2件
  • 執行力ある債務名義正本を持つ債権者は配当要求可
  • 差押え登記後の仮差押債権者も配当要求可
  • 却下裁判には執行抗告ができる
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第52条配当要求の終期の変更終期から3月以内に売却許可なければ終期変更1項判例なし
  • 終期から3月以内に売却許可決定がないと終期変更
  • 3月以内の許可決定が取消・失効した場合も同様
  • 次順位買受人の許可決定があれば例外あり
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第53条不動産の滅失等による強制競売の手続の取消し不動産滅失等が明らかなら手続を取り消す1項判例なし
  • 不動産の滅失など売却移転を妨げる事情が判明時
  • 執行裁判所は強制競売の手続を取り消す
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第54条差押えの登記の抹消の嘱託取下げ・取消し確定で差押え登記を抹消2項判例なし
  • 申立て取下げまたは取消決定確定時に抹消嘱託
  • 抹消費用は取下げ・取消しに係る差押債権者負担
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第55条売却のための保全処分等価格減少行為があれば保全処分を命じられる10項・5号判例なし
  • 価格減少行為に対し禁止・引渡し等の保全処分可
  • 占有移転禁止の保全処分もあり、申立人に担保要
  • 決定告知から2週間経過で執行不可
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第56条地代等の代払の許可差押債権者が地代等を代払いできる2項判例なし
  • 建物差押え後、債務者が地代等不払いの場合
  • 差押債権者が代わって弁済することを許可できる
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第57条現況調査執行官が不動産の現況を調査する5項判例 1件
  • 執行官が形状・占有関係等を調査
  • 不動産に立ち入り、質問・文書提示を求められる
  • 必要なら閉鎖した戸を開く処分も可能
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第58条評価評価人が不動産の評価を行う4項判例なし
  • 執行裁判所が評価人を選任し評価を命じる
  • 取引価格・収益・原価等を勘案して評価
  • 売却実施のための評価であることを考慮
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第59条売却に伴う権利の消滅等先取特権・抵当権等は売却で消滅する5項判例 3件
  • 先取特権、抵当権等は売却により消滅する
  • 対抗できない権利取得も売却で効力を失う
  • 留置権等は買受人が担保債権の弁済責任を負う
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第60条売却基準価額の決定等評価に基づき売却基準価額を定める3項判例 1件
  • 評価人の評価に基づき売却基準価額を決定
  • 必要なら売却基準価額を変更できる
  • 申出額は十分の二控除後の額以上必要
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第61条一括売却相当なら複数不動産を一括売却できる1項判例なし
  • 相互利用上相当なら他の不動産と一括売却可
  • 差押債権者・債務者が異なる不動産も含み得る
  • 一部の代金で全部弁済見込みなら債務者同意要
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第62条物件明細書書記官が物件明細書を作成し閲覧させる4項・3号判例 1件
  • 不動産表示、消滅しない権利等を記載する
  • 写しを備え置き閲覧させ、または内容提供する
  • 処分に対して執行裁判所に異議申立て可
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第63条剰余を生ずる見込みのない場合等の措置剰余見込みなしなら差押債権者に通知4項・4号判例 2件
  • 買受可能価額が費用等に満たない場合に通知
  • 通知から1週間以内に申出・保証がないと取消し
  • 保証提供後も買受可能価額以上の申出なければ取消
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第64条売却の方法及び公告書記官が売却方法を定め執行官が実施7項判例 3件
  • 入札・競り売り等の方法で書記官が定める
  • 売却日時・場所を定め執行官に実施させる
  • 処分に対して執行裁判所に異議申立て可
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第45条民事執行法

連帯保証債務の物上保証人に対する抵当権の実行と主債務の消滅時効の中断

裁判要旨甲の債務者乙の連帯保証人である丙の債務を担保するため、丁が物上保証人となった場合において、甲が丁に対して競売を申し立て、その手続が進行することは、乙の主債務の消滅時効の中断事由に該当しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成8年9月27日 平成7(オ)1914
登載
民集 第50巻8号2395頁
参照法条
民法147条,民法148条,民法149条,民法153条,民法155条,民法434条,民法458条,民事執行法45条2項,民事執行法188条
論点2第45条民事執行法

物上保証人に対する不動産競売において被担保債権の時効中断の効力が生ずる時期

裁判要旨物上保証人に対する不動産競売において、被担保債権の時効中断の効力は、競売開始決定正本が債務者に送達された時に生ずる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成8年7月12日 平成5(オ)1788
登載
民集 第50巻7号1901頁
参照法条
民法147条,民法148条,民法155条,民事執行法45条2項,民事執行法188条
論点3第45条民事執行法

物上保証人に対する不動産競売の開始決定の債務者への送達がいわゆる付郵便送達によりされた場合における被担保債権の消滅時効の中断

裁判要旨物上保証人に対する不動産競売において、開始決定の債務者への送達がいわゆる付郵便送達によりされた場合には、決定正本が郵便に付して発送されたことによっては被担保債権の消滅時効の中断の効力を生ぜず、右正本の到達によって初めて時効中断の効力を生ずる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成7年9月5日 平成7(オ)374
登載
民集 第49巻8号2784頁
参照法条
民法147条,民法148条,民法155条,民訴法172条,民訴法173条,民事執行法45条2項,民事執行法188条
論点4第45条民事執行法

物上保証人所有の不動産を目的とする競売の開始決定の債務者への送達が債務者の所在が不明であるため公示送達によりされた場合における被担保債権の消滅時効の中断

裁判要旨物上保証人所有の不動産を目的とする競売手続において,債務者の所在が不明であるため,開始決定の債務者への送達が公示送達によりされた場合には,民訴法111条の規定による掲示を始めた日から2週間を経過した時に,被担保債権について消滅時効の中断の効力を生ずる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成14年10月25日 平成14(許)11
登載
民集 第56巻8号1942頁
参照法条
民法147条,民法155条,民訴法110条1項,民訴法111条,民訴法113条,民事執行法45条2項,民事執行法188条
論点5第49条民事執行法

不動産競売手続において交付要求書の延滞税の欄に法律による金額の交付を求める旨のみを記載してした交付要求の効力の及ぶ範囲

裁判要旨滞納に係る国税の本税の金額が法定納期限後における一部納付等により減少した場合において、税務署長が、不動産競売の執行裁判所に対し、交付要求書の本税の欄に交付要求時に存在する本税の金額を記載し、延滞税の欄には具体的金額を記載せず法律による金額の交付を求める旨のみを記載して交付要求をしたときは、その効力は、交付要求時以前に消滅した本税部分の金額に対応して計算される延滞税の金額には及ばない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成9年11月13日 平成6(オ)2037
登載
民集 第51巻10号4107頁
参照法条
民事執行法49条2項,民事執行法51条1項,民事執行法87条1項,国税徴収法82条,国税徴収法施行令36条1項,国税徴収法施行規則3条1項,国税通則法60条
論点6第49条民事執行法

不動産競売手続において国税徴収法二二条五項の交付要求をすべき時期

裁判要旨不動産競売手続において、国税徴収法二二条五項に基づく交付要求により配当を受けるためには、配当要求の終期までにこれをしなければならない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成2年6月28日 昭和63(オ)35
登載
民集 第44巻4号785頁
参照法条
国税徴収法22条,国税徴収法82条,民事執行法49条,民事執行法87条1項,民事執行法188条
論点7第50条民事執行法

不動産強制競売手続において抵当権者がする債権の届出と時効の中断

裁判要旨不動産強制競売手続において催告を受けた抵当権者がする債権の届出は、その届出に係る債権に関する裁判上の請求、破産手続参加又はこれらに準ずる時効中断事由に該当しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成元年10月13日 平成1(オ)653
登載
民集 第43巻9号985頁
参照法条
民法147条,民法149条,民法152条,民事執行法50条
論点8第50条民事執行法

第三者の申立てに係る不動産競売手続において抵当権者が債権の一部に対する配当を受けたことと右債権の残部についての時効の中断

裁判要旨第三者の申立てに係る不動産競売手続において、抵当権者が、債権の届出をし、その届出に係る債権の一部に対する配当を受けたとしても、右配当を受けたことは、右債権の残部について、差押えその他の消滅時効の中断事由に該当せず、これに準ずる消滅時効中断の効力も有しない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成8年3月28日 平成4(オ)2107
登載
民集 第50巻4号1172頁
参照法条
民法147条,民事執行法50条,民事執行法84条1項
論点9第51条民事執行法

不動産競売手続において建物の区分所有等に関する法律66条〈買受けの申出の保証〉で準用される同法7条1項の先取特権を有する債権者が配当要求をしたことにより配当要求債権について差押え(平成29年法律第44号による改正前の民法147条2号)に準ずるものとして消滅時効の中断の効力が生ずるための要件

裁判要旨不動産競売手続において建物の区分所有等に関する法律66条〈買受けの申出の保証〉で準用される同法7条1項の先取特権を有する債権者が配当要求をしたことにより,上記配当要求における配当要求債権について,差押え(平成29年法律第44号による改正前の民法147条2号)に準ずるものとして消滅時効の中断の効力が生ずるためには,民事執行法181条1項〈不動産担保権の実行の開始〉各号に掲げる文書により上記債権者が上記先取特権を有することが上記手続において証明されれば足り,債務者が上記配当要求債権についての配当異議の申出等をすることなく売却代金の配当又は弁済金の交付が実施されるに至ったことを要しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 令和2年9月18日 平成31(受)310
登載
民集 第74巻6号1762頁
参照法条
民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)147条2号,民法148条1項2号,民法306条1号,民事執行法51条1項,民事執行法181条1項,建物の区分所有等に関する法律7条1項,建物の区分所有等に関する法律7条2項,建物の区分所有等に関する法律66条
論点10第57条民事執行法

一 不動産の現況調査を行うに当たっての執行官の注意義務
二 執行官が現況調査を行うに当たり目的不動産の現況をできる限り正確に調査すべき注意義務に違反したと認められた事例

裁判要旨一 執行官は、現況調査を行うに当たり、通常行うべき調査方法を採らず、あるいは、調査結果の十分な評価、検討を怠るなど、その調査及び判断の過程が合理性を欠き、その結果、現況調査報告書の記載内容と目的不動産の実際の状況との間に看過し難い相違が生じた場合には、目的不動産の現況をできる限り正確に調査すべき注意義務に違反したものというべきである。
二 執行官が、山林の現況調査を行うに当たり、自ら案内を申し出た町役場職員の指示した土地が現況調査の対象ではなかったにもかかわらず、右職員に対する質問や他の調査結果との照合により右職員の指示説明の正確性を検討することを怠り、また、携行していた不動産登記法一七条所定の登記所備付地図の写しと現地の状況との照合を十分に行わなかったために両者の相違に気付かず、その結果、右職員の指示した土地を現況調査の対象と誤認して、右土地の現況を現況調査報告書に記載したなど判示の事実関係の下においては、右執行官は、目的不動産の現況をできる限り正確に調査すべき注意義務に違反したものと認められる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成9年7月15日 平成6(オ)548
登載
民集 第51巻6号2645頁
参照法条
国家賠償法1条1項,民事執行法57条
論点11第59条民事執行法

通行地役権者が承役地の担保不動産競売による買受人に対し地役権設定登記がなくとも通行地役権を主張することができる場合

裁判要旨通行地役権の承役地が担保不動産競売により売却された場合において,最先順位の抵当権の設定時に,既に設定されている通行地役権に係る承役地が要役地の所有者によって継続的に通路として使用されていることがその位置,形状,構造等の物理的状況から客観的に明らかであり,かつ,上記抵当権の抵当権者がそのことを認識していたか又は認識することが可能であったときは,通行地役権者は,特段の事情がない限り,登記がなくとも,買受人に対し,当該通行地役権を主張することができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成25年2月26日 平成23(受)1644
登載
民集 第67巻2号297頁
参照法条
民事執行法59条2項,民事執行法188条,民法177条,民法280条
論点12第59条民事執行法

民法258条2項所定の競売を命ずる判決に基づく不動産競売と民事執行法59条及び63条の準用の有無

裁判要旨民法258条2項所定の競売を命ずる判決に基づく不動産競売については,民事執行法59条〈売却に伴う権利の消滅等〉及び63条〈剰余を生ずる見込みのない場合等の措置〉が準用される。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成24年2月7日 平成23(許)31
登載
集民 第240号1頁
参照法条
民事執行法59条,民事執行法63条,民事執行法188条,民事執行法195条,民法258条2項
論点13第59条民事執行法

抵当権設定登記後に賃借権の時効取得に必要な期間不動産を用益した者が賃借権の時効取得を当該不動産の競売又は公売による買受人に対抗することの可否

裁判要旨不動産につき賃借権を有する者がその対抗要件を具備しない間に,当該不動産に抵当権が設定されてその旨の登記がされた場合,上記の者は,上記登記後,賃借権の時効取得に必要とされる期間,当該不動産を継続的に用益したとしても,競売又は公売により当該不動産を買い受けた者に対し,賃借権を時効により取得したと主張して,これを対抗することはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成23年1月21日 平成21(受)729
登載
集民 第236号27頁
参照法条
民法163条,民法601条,民法605条,民事執行法59条1項,民事執行法59条2項,国税徴収法124条1項
論点14第60条民事執行法

借地権付き建物に対する強制競売において借地権が存在しなかった場合と民法五六八条一項、二項及び五六六条一項、二項の類推適用

裁判要旨建物に対する強制競売において、借地権の存在を前提として売却が実施されたことが明らかであるにもかかわらず、代金納付の時点において借地権が存在しなかった場合、買受人は、そのために建物買受けの目的を達することができず、かつ、債務者が無資力であるときは、民法五六八条一項、二項及び五六六条一項、二項の類推適用により、強制競売による建物の売買契約を解除した上、売却代金の配当を受けた債権者に対し、その返還を請求することができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成8年1月26日 平成5(オ)1054
登載
民集 第50巻1号155頁
参照法条
民法566条1項2項,民法568条1項2項,民事執行法60条,民事執行法62条,民事執行法79条
論点15第63条民事執行法

一 仮登記担保権者が仮登記担保契約に関する法律五条一項〈審尋〉所定の通知をしなかつた場合における当該後順位担保権者に対する仮登記に基づく本登記承諾請求の許否
二 仮登記担保の目的不動産の競売による売却代金で後順位担保権者の被担保債権に優先する債権等を弁済すれば剰余を生ずる見込みのない場合と右後順位担保権者に対する仮登記担保契約に関する法律五条一項所定の通知

裁判要旨一 仮登記担保権者は、仮登記担保契約に関する法律二条一項〈執行機関〉所定の債務者又は第三者に対する通知をし、その到達の日から二月の清算期間を経過したのちであつても、同法五条一項所定の通知をしていない後順位担保権者に対しては仮登記に基づく本登記の承諾請求をすることはできない。
二 仮登記担保の目的不動産の競売による売却代金で共益費用たる執行費用、仮登記担保権者の被担保債権及び後順位担保権者の被担保債権に優先する債権を弁済すれば剰余を生ずる見込みのない場合であつても、右後順位担保権者に対する仮登記担保契約に関する法律五条一項〈審尋〉所定の通知は不要とはならない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和61年4月11日 昭和58(オ)1202
登載
民集 第40巻3号584頁
参照法条
仮登記担保契約に関する法律2条1項,仮登記担保契約に関する法律5条1項,不動産登記法105条1項,不動産登記法146条1項,民事執行法63条1項
論点16第64条民事執行法

不動産強制競売事件の期間入札において,執行官が無効な入札をした者を最高価買受申出人と定めたとして売却不許可決定がされ,これが確定した場合に,当初の入札までの手続を前提に再度の開札期日を開くこととした執行裁判所の判断に違法がないとされた事例

裁判要旨不動産強制競売事件の期間入札において,最高の価額で買受けの申出をしたAの入札が無効であるのに,執行官がこれを誤って有効と判断しAを最高価買受申出人と定めたため,執行裁判所がAに対する売却不許可決定をし,これが確定した場合に,①上記期間入札において入札をしたのはAとBのみであった,②Bは,上記売却不許可決定の確定後,なお買受けを希望し,既に返還を受けた買受けの申出の保証につき執行裁判所の定める期間内に再度提供する旨を明らかにしていた,③他にBの入札を無効とすべき事情があったことはうかがわれないなど判示の事情の下においては,当初の入札までの手続を前提に再度の開札期日を開くこととした執行裁判所の判断に違法はない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成26年11月4日 平成26(許)15
登載
集民 第248号39頁
参照法条
民事執行法64条,民事執行法69条,民事執行法71条7号,民事執行規則46条
論点17第64条民事執行法

1 担保不動産競売事件の期間入札において,執行官が,最高の価額で買受けの申出をした入札人の入札を誤って無効と判断し,他の者を最高価買受申出人と定めて開札期日を終了した場合に,執行裁判所等が執るべき措置
2 担保不動産競売事件の期間入札において,自らが最高の価額で買受けの申出をしたにもかかわらず,執行官の誤りにより当該入札が無効と判断されて他の者が最高価買受申出人と定められたため,買受人となることができなかったことを主張する入札人が,この者の受けた売却許可決定に対し執行抗告をすることの許否
3 担保不動産競売事件の期間入札において,入札書を封入した封筒に記載された事件番号が,これと共に提出された入札保証金振込証明書に記載されたそれと一致しなくても,当該入札が無効であるということはできないとされた事例

裁判要旨1 担保不動産競売事件の期間入札において,執行官が,最高の価額で買受けの申出をした入札人の入札を誤って無効と判断し,他の者を最高価買受申出人と定めて開札期日を終了した場合には,執行裁判所は,誤って最高価買受申出人と定められた者に対する売却を不許可とした上で,当初の入札までの手続を前提に改めて開札期日及び売却決定期日を定め,これを受けて執行官が再び開札期日を開き,最高価買受申出人を定め直すべきである。
2 担保不動産競売事件の期間入札において,自らが最高の価額で買受けの申出をしたにもかかわらず,執行官の誤りにより当該入札が無効と判断されて他の者が最高価買受申出人と定められたため,買受人となることができなかったことを主張する入札人は,この者が受けた売却許可決定に対し執行抗告をすることができる。
3 担保不動産競売事件の期間入札において,入札書を封入した封筒に記載された事件番号が,これと共に提出された入札保証金振込証明書に記載されたそれと一致しなくても,次の(1)〜(3)の事実関係の下では,当該入札が無効であるということはできない。
(1) 上記封筒に記載された開札期日の日時には,年の記載を除き,上記封筒に記載された事件番号と一致する事件番号の担保不動産競売事件の開札期日が指定されていた。
(2) 上記入札保証金振込証明書に記載された事件番号,物件番号及び開札期日は,いずれも上記(1)の担保不動産競売事件のそれと一致していた。
(3) 上記封筒に記載された事件番号に対応する担保不動産競売事件の開札期日が上記封筒に記載された開札期日又はこれに近接する日に指定されていたことはうかがわれない。
(1につき補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成22年8月25日 平成22(許)2
登載
民集 第64巻5号1482頁
参照法条
(1〜3につき)民事執行法64条,民事執行法188条(1につき)民事執行法69条,民事執行規則46条,民事執行規則173条1項(2につき)民事執行法74条1項(3につき)民事執行規則47条,民事執行規則173条1項
論点18第64条民事執行法

1 不動産競売の入札書の入札価額欄の記載の不備と入札の効力
2 不動産競売の入札が入札書の入札価額欄の記載の不備により無効であるとされた事例

裁判要旨1 不動産競売の入札の手続において,入札書の入札価額欄の記載に不備があり,同欄の記載内容からみて,入札価額が一義的に明確であると認められないときは,その入札書による入札は無効である。
2 不動産競売の入札の手続において,位ごとに区切られた入札価額欄の枠内に各位の数字を記載するものとされた入札書が用いられ,その千万から十までの各位にはそれぞれ数字が記載されているが,一の位には何も記載がされていないときは,当該入札書による入札は無効である。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成15年11月11日 平成15(許)23
登載
民集 第57巻10号1524頁
参照法条
民事執行法64条,民事執行法188条,民事執行規則38条2項4号,民事執行規則49条,民事執行規則173条1項
原

条文原文

原文ママ

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民事執行法 第45条(開始決定等) 詳細ページ
(開始決定等)
第四十五条執行裁判所は、強制競売の手続を開始するには、強制競売の開始決定をし、その開始決定において、債権者のために不動産を差し押さえる旨を宣言しなければならない。
2前項の開始決定は、債務者に送達しなければならない。
3強制競売の申立てを却下する裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
民事執行法 第46条(差押えの効力) 詳細ページ
(差押えの効力)
第四十六条差押えの効力は、強制競売の開始決定が債務者に送達された時に生ずる。ただし、差押えの登記がその開始決定の送達前にされたときは、登記がされた時に生ずる。
2差押えは、債務者が通常の用法に従つて不動産を使用し、又は収益することを妨げない。
民事執行法 第47条(二重開始決定) 詳細ページ
(二重開始決定)
第四十七条強制競売又は担保権の実行としての競売(以下この節において「競売」という。)の開始決定がされた不動産について強制競売の申立てがあつたときは、執行裁判所は、更に強制競売の開始決定をするものとする。
2先の開始決定に係る強制競売若しくは競売の申立てが取り下げられたとき、又は先の開始決定に係る強制競売若しくは競売の手続が取り消されたときは、執行裁判所は、後の強制競売の開始決定に基づいて手続を続行しなければならない。
3前項の場合において、後の強制競売の開始決定が配当要求の終期後の申立てに係るものであるときは、裁判所書記官は、新たに配当要求の終期を定めなければならない。この場合において、既に第五十条第一項(第百八十八条において準用する場合を含む。)の届出をした者に対しては、第四十九条第二項の規定による催告は、要しない。
4前項の規定による裁判所書記官の処分に対しては、執行裁判所に異議を申し立てることができる。
5第十条第六項前段及び第九項の規定は、前項の規定による異議の申立てがあつた場合について準用する。
6先の開始決定に係る強制競売又は競売の手続が停止されたときは、執行裁判所は、申立てにより、後の強制競売の開始決定(配当要求の終期までにされた申立てに係るものに限る。)に基づいて手続を続行する旨の裁判をすることができる。ただし、先の開始決定に係る強制競売又は競売の手続が取り消されたとすれば、第六十二条第一項第二号に掲げる事項について変更が生ずるときは、この限りでない。
7前項の申立てを却下する決定に対しては、執行抗告をすることができる。
民事執行法 第48条(差押えの登記の嘱託等) 詳細ページ
(差押えの登記の嘱託等)
第四十八条強制競売の開始決定がされたときは、裁判所書記官は、直ちに、その開始決定に係る差押えの登記を嘱託しなければならない。
2登記官は、前項の規定による嘱託に基づいて差押えの登記をしたときは、その登記事項証明書を執行裁判所に送付しなければならない。
民事執行法 第49条(開始決定及び配当要求の終期の公告等) 詳細ページ
(開始決定及び配当要求の終期の公告等)
第四十九条強制競売の開始決定に係る差押えの効力が生じた場合(その開始決定前に強制競売又は競売の開始決定がある場合を除く。)においては、裁判所書記官は、物件明細書の作成までの手続に要する期間を考慮して、配当要求の終期を定めなければならない。
2裁判所書記官は、配当要求の終期を定めたときは、開始決定がされた旨及び配当要求の終期を公告し、かつ、次に掲げるものに対し、債権(利息その他の附帯の債権を含む。)の存否並びにその原因及び額を配当要求の終期までに執行裁判所に届け出るべき旨を催告しなければならない。
一第八十七条第一項第三号に掲げる債権者
二第八十七条第一項第四号に掲げる債権者(抵当証券の所持人にあつては、知れている所持人に限る。)
三租税その他の公課を所管する官庁又は公署
3裁判所書記官は、特に必要があると認めるときは、配当要求の終期を延期することができる。
4裁判所書記官は、前項の規定により配当要求の終期を延期したときは、延期後の終期を公告しなければならない。
5第一項又は第三項の規定による裁判所書記官の処分に対しては、執行裁判所に異議を申し立てることができる。
6第十条第六項前段及び第九項の規定は、前項の規定による異議の申立てがあつた場合について準用する。
民事執行法 第50条(催告を受けた者の債権の届出義務) 詳細ページ
(催告を受けた者の債権の届出義務)
第五十条前条第二項の規定による催告を受けた同項第一号又は第二号に掲げる者は、配当要求の終期までに、その催告に係る事項について届出をしなければならない。
2前項の届出をした者は、その届出に係る債権の元本の額に変更があつたときは、その旨の届出をしなければならない。
3前二項の規定により届出をすべき者は、故意又は過失により、その届出をしなかつたとき、又は不実の届出をしたときは、これによつて生じた損害を賠償する責めに任ずる。
民事執行法 第51条(配当要求) 詳細ページ
(配当要求)
第五十一条第二十五条の規定により強制執行を実施することができる債務名義の正本(以下「執行力のある債務名義の正本」という。)を有する債権者、強制競売の開始決定に係る差押えの登記後に登記された仮差押債権者及び第百八十一条第一項各号に掲げる文書により一般の先取特権を有することを証明した債権者は、配当要求をすることができる。
2配当要求を却下する裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
民事執行法 第52条(配当要求の終期の変更) 詳細ページ
(配当要求の終期の変更)
第五十二条配当要求の終期から、三月以内に売却許可決定がされないとき、又は三月以内にされた売却許可決定が取り消され、若しくは効力を失つたときは、配当要求の終期は、その終期から三月を経過した日に変更されたものとみなす。ただし、配当要求の終期から三月以内にされた売却許可決定が効力を失つた場合において、第六十七条の規定による次順位買受けの申出について売却許可決定がされたとき(その決定が取り消され、又は効力を失つたときを除く。)は、この限りでない。
民事執行法 第53条(不動産の滅失等による強制競売の手続の取消し) 詳細ページ
(不動産の滅失等による強制競売の手続の取消し)
第五十三条不動産の滅失その他売却による不動産の移転を妨げる事情が明らかとなつたときは、執行裁判所は、強制競売の手続を取り消さなければならない。
民事執行法 第54条(差押えの登記の抹消の嘱託) 詳細ページ
(差押えの登記の抹消の嘱託)
第五十四条強制競売の申立てが取り下げられたとき、又は強制競売の手続を取り消す決定が効力を生じたときは、裁判所書記官は、その開始決定に係る差押えの登記の抹消を嘱託しなければならない。
2前項の規定による嘱託に要する登録免許税その他の費用は、その取下げ又は取消決定に係る差押債権者の負担とする。
民事執行法 第55条(売却のための保全処分等) 詳細ページ
(売却のための保全処分等)
第五十五条執行裁判所は、債務者又は不動産の占有者が価格減少行為(不動産の価格を減少させ、又は減少させるおそれがある行為をいう。以下この項において同じ。)をするときは、差押債権者(配当要求の終期後に強制競売又は競売の申立てをした差押債権者を除く。)の申立てにより、買受人が代金を納付するまでの間、次に掲げる保全処分又は公示保全処分(執行官に、当該保全処分の内容を、不動産の所在する場所に公示書その他の標識を掲示する方法により公示させることを内容とする保全処分をいう。以下同じ。)を命ずることができる。ただし、当該価格減少行為による不動産の価格の減少又はそのおそれの程度が軽微であるときは、この限りでない。
一当該価格減少行為をする者に対し、当該価格減少行為を禁止し、又は一定の行為をすることを命ずる保全処分(執行裁判所が必要があると認めるときは、公示保全処分を含む。)
二次に掲げる事項を内容とする保全処分(執行裁判所が必要があると認めるときは、公示保全処分を含む。)
イ当該価格減少行為をする者に対し、不動産に対する占有を解いて執行官に引き渡すことを命ずること。
ロ執行官に不動産の保管をさせること。
三次に掲げる事項を内容とする保全処分及び公示保全処分
イ前号イ及びロに掲げる事項
ロ前号イに規定する者に対し、不動産の占有の移転を禁止することを命じ、及び当該不動産の使用を許すこと。
2前項第二号又は第三号に掲げる保全処分は、次に掲げる場合のいずれかに該当するときでなければ、命ずることができない。
一前項の債務者が不動産を占有する場合
二前項の不動産の占有者の占有の権原が差押債権者、仮差押債権者又は第五十九条第一項の規定により消滅する権利を有する者に対抗することができない場合
3執行裁判所は、債務者以外の占有者に対し第一項の規定による決定をする場合において、必要があると認めるときは、その者を審尋しなければならない。
4執行裁判所が第一項の規定による決定をするときは、申立人に担保を立てさせることができる。ただし、同項第二号に掲げる保全処分については、申立人に担保を立てさせなければ、同項の規定による決定をしてはならない。
5事情の変更があつたときは、執行裁判所は、申立てにより、第一項の規定による決定を取り消し、又は変更することができる。
6第一項又は前項の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
7第五項の規定による決定は、確定しなければその効力を生じない。
8第一項第二号又は第三号に掲げる保全処分又は公示保全処分を命ずる決定は、申立人に告知された日から二週間を経過したときは、執行してはならない。
9前項に規定する決定は、相手方に送達される前であつても、執行することができる。
10第一項の申立て又は同項(第一号を除く。)の規定による決定の執行に要した費用(不動産の保管のために要した費用を含む。)は、その不動産に対する強制競売の手続においては、共益費用とする。
民事執行法 第56条(地代等の代払の許可) 詳細ページ
(地代等の代払の許可)
第五十六条建物に対し強制競売の開始決定がされた場合において、その建物の所有を目的とする地上権又は賃借権について債務者が地代又は借賃を支払わないときは、執行裁判所は、申立てにより、差押債権者(配当要求の終期後に強制競売又は競売の申立てをした差押債権者を除く。)がその不払の地代又は借賃を債務者に代わつて弁済することを許可することができる。
2第五十五条第十項の規定は、前項の申立てに要した費用及び同項の許可を得て支払つた地代又は借賃について準用する。
民事執行法 第57条(現況調査) 詳細ページ
(現況調査)
第五十七条執行裁判所は、執行官に対し、不動産の形状、占有関係その他の現況について調査を命じなければならない。
2執行官は、前項の調査をするに際し、不動産に立ち入り、又は債務者若しくはその不動産を占有する第三者に対し、質問をし、若しくは文書の提示を求めることができる。
3執行官は、前項の規定により不動産に立ち入る場合において、必要があるときは、閉鎖した戸を開くため必要な処分をすることができる。
4執行官は、第一項の調査のため必要がある場合には、市町村(特別区の存する区域にあつては、都)に対し、不動産(不動産が土地である場合にはその上にある建物を、不動産が建物である場合にはその敷地を含む。)に対して課される固定資産税に関して保有する図面その他の資料の写しの交付を請求することができる。
5執行官は、前項に規定する場合には、電気、ガス又は水道水の供給その他これらに類する継続的給付を行う公益事業を営む法人に対し、必要な事項の報告を求めることができる。
民事執行法 第58条(評価) 詳細ページ
(評価)
第五十八条執行裁判所は、評価人を選任し、不動産の評価を命じなければならない。
2評価人は、近傍同種の不動産の取引価格、不動産から生ずべき収益、不動産の原価その他の不動産の価格形成上の事情を適切に勘案して、遅滞なく、評価をしなければならない。この場合において、評価人は、強制競売の手続において不動産の売却を実施するための評価であることを考慮しなければならない。
3評価人は、第六条第二項の規定により執行官に対し援助を求めるには、執行裁判所の許可を受けなければならない。
4第十八条第二項並びに前条第二項、第四項及び第五項の規定は、評価人が評価をする場合について準用する。
民事執行法 第59条(売却に伴う権利の消滅等) 詳細ページ
(売却に伴う権利の消滅等)
第五十九条不動産の上に存する先取特権、使用及び収益をしない旨の定めのある質権並びに抵当権は、売却により消滅する。
2前項の規定により消滅する権利を有する者、差押債権者又は仮差押債権者に対抗することができない不動産に係る権利の取得は、売却によりその効力を失う。
3不動産に係る差押え、仮差押えの執行及び第一項の規定により消滅する権利を有する者、差押債権者又は仮差押債権者に対抗することができない仮処分の執行は、売却によりその効力を失う。
4不動産の上に存する留置権並びに使用及び収益をしない旨の定めのない質権で第二項の規定の適用がないものについては、買受人は、これらによつて担保される債権を弁済する責めに任ずる。
5利害関係を有する者が次条第一項に規定する売却基準価額が定められる時までに第一項、第二項又は前項の規定と異なる合意をした旨の届出をしたときは、売却による不動産の上の権利の変動は、その合意に従う。
民事執行法 第60条(売却基準価額の決定等) 詳細ページ
(売却基準価額の決定等)
第六十条執行裁判所は、評価人の評価に基づいて、不動産の売却の額の基準となるべき価額(以下「売却基準価額」という。)を定めなければならない。
2執行裁判所は、必要があると認めるときは、売却基準価額を変更することができる。
3買受けの申出の額は、売却基準価額からその十分の二に相当する額を控除した価額(以下「買受可能価額」という。)以上でなければならない。
民事執行法 第61条(一括売却) 詳細ページ
(一括売却)
第六十一条執行裁判所は、相互の利用上不動産を他の不動産(差押債権者又は債務者を異にするものを含む。)と一括して同一の買受人に買い受けさせることが相当であると認めるときは、これらの不動産を一括して売却することを定めることができる。ただし、一個の申立てにより強制競売の開始決定がされた数個の不動産のうち、あるものの買受可能価額で各債権者の債権及び執行費用の全部を弁済することができる見込みがある場合には、債務者の同意があるときに限る。
民事執行法 第62条(物件明細書) 詳細ページ
(物件明細書)
第六十二条裁判所書記官は、次に掲げる事項を記載した物件明細書を作成しなければならない。
一不動産の表示
二不動産に係る権利の取得及び仮処分の執行で売却によりその効力を失わないもの
三売却により設定されたものとみなされる地上権の概要
2裁判所書記官は、前項の物件明細書の写しを執行裁判所に備え置いて一般の閲覧に供し、又は不特定多数の者が当該物件明細書の内容の提供を受けることができるものとして最高裁判所規則で定める措置を講じなければならない。
3前二項の規定による裁判所書記官の処分に対しては、執行裁判所に異議を申し立てることができる。
4第十条第六項前段及び第九項の規定は、前項の規定による異議の申立てがあつた場合について準用する。
民事執行法 第63条(剰余を生ずる見込みのない場合等の措置) 詳細ページ
(剰余を生ずる見込みのない場合等の措置)
第六十三条執行裁判所は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、その旨を差押債権者(最初の強制競売の開始決定に係る差押債権者をいう。ただし、第四十七条第六項の規定により手続を続行する旨の裁判があつたときは、その裁判を受けた差押債権者をいう。以下この条において同じ。)に通知しなければならない。
一差押債権者の債権に優先する債権(以下この条において「優先債権」という。)がない場合において、不動産の買受可能価額が執行費用のうち共益費用であるもの(以下「手続費用」という。)の見込額を超えないとき。
二優先債権がある場合において、不動産の買受可能価額が手続費用及び優先債権の見込額の合計額に満たないとき。
2差押債権者が、前項の規定による通知を受けた日から一週間以内に、優先債権がない場合にあつては手続費用の見込額を超える額、優先債権がある場合にあつては手続費用及び優先債権の見込額の合計額以上の額(以下この項において「申出額」という。)を定めて、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める申出及び保証の提供をしないときは、執行裁判所は、差押債権者の申立てに係る強制競売の手続を取り消さなければならない。ただし、差押債権者が、その期間内に、前項各号のいずれにも該当しないことを証明したとき、又は同項第二号に該当する場合であつて不動産の買受可能価額が手続費用の見込額を超える場合において、不動産の売却について優先債権を有する者(買受可能価額で自己の優先債権の全部の弁済を受けることができる見込みがある者を除く。)の同意を得たことを証明したときは、この限りでない。
一差押債権者が不動産の買受人になることができる場合申出額に達する買受けの申出がないときは、自ら申出額で不動産を買い受ける旨の申出及び申出額に相当する保証の提供
二差押債権者が不動産の買受人になることができない場合買受けの申出の額が申出額に達しないときは、申出額と買受けの申出の額との差額を負担する旨の申出及び申出額と買受可能価額との差額に相当する保証の提供
3前項第二号の申出及び保証の提供があつた場合において、買受可能価額以上の額の買受けの申出がないときは、執行裁判所は、差押債権者の申立てに係る強制競売の手続を取り消さなければならない。
4第二項の保証の提供は、執行裁判所に対し、最高裁判所規則で定める方法により行わなければならない。
民事執行法 第64条(売却の方法及び公告) 詳細ページ
(売却の方法及び公告)
第六十四条不動産の売却は、裁判所書記官の定める売却の方法により行う。
2不動産の売却の方法は、入札又は競り売りのほか、最高裁判所規則で定める。
3裁判所書記官は、入札又は競り売りの方法により売却をするときは、売却の日時及び場所を定め、執行官に売却を実施させなければならない。
4前項の場合においては、第二十条において準用する民事訴訟法第九十三条第一項の規定にかかわらず、売却決定期日は、裁判所書記官が、売却を実施させる旨の処分と同時に指定する。
5第三項の場合においては、裁判所書記官は、売却すべき不動産の表示、売却基準価額並びに売却の日時及び場所を公告しなければならない。
6第一項、第三項又は第四項の規定による裁判所書記官の処分に対しては、執行裁判所に異議を申し立てることができる。
7第十条第六項前段及び第九項の規定は、前項の規定による異議の申立てがあつた場合について準用する。
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