会社更生法 / テーマ別まとめ

更生手続開始の決定及びこれに伴う効果等/更生債権者委員会及び代理委員等

更生債権者委員会及び代理委員等の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

更生手続では、更生債権者・更生担保権者・株主がそれぞれ委員会を組織し、裁判所の承認を得て手続に関与することができます。承認された委員会は管財人への意見陳述や業務・財産管理状況の報告要求などを通じて手続を監視する一方、多数の債権者等・株主のために代理委員を選任し、手続上の行為をまとめて行わせる仕組みも設けられています。このページでは更生債権者委員会及び代理委員等に関する条文の内容を整理します。

更生債権者委員会及び代理委員等
種類設置・選任主な権限費用等
更生債権者委員会裁判所の承認が必要意見陳述・意見聴取(118条)活動費用の償還を許可可
更生担保権者委員会同上の規定を準用同上同上
株主委員会同上の規定を準用同上同上
代理委員(自己選任)本人が裁判所の許可で選任手続に属する一切の行為貢献時に費用償還等の許可可
裁判所選任の代理委員勧告不応・支障時に裁判所が選任同上(選任者が選任とみなす)会社財産から費用・報酬を受給
  • 委員会の承認には、委員数(3人以上~最高裁判所規則で定める人数以内)、過半数の同意、利益代表という3要件をすべて満たす必要があります(117条1項)
  • 裁判所は利害関係人の申立て又は職権により、いつでも委員会の承認を取り消すことができます(117条5項)
  • 代理委員が数人いる場合は共同して権限を行使し、第三者からの意思表示は1人にすれば足ります(122条4項)
  • 更生債権者等・株主は、選任した代理委員をいつでも解任できます(122条6項)
  • 裁判所選任の代理委員は、正当な理由があれば裁判所の許可を得て辞任できます(123条4項)
  • 費用償還・報償金の許可決定には即時抗告ができます(124条2項)
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更生債権者委員会及び代理委員等

更生債権者委員会及び代理委員等について、条文は何を定めているか。

第117条更生債権者委員会等債権者委員会の手続関与を裁判所が承認7項・3号判例なし
  • 委員3人以上~規則人数以内、過半数同意、利益代表の3要件を満たす必要
  • 承認後は裁判所の求めで意見陳述、管財人等にも意見を述べられる
  • 担保権者委員会・株主委員会にも同様の規定が準用される
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第118条更生債権者委員会の意見聴取承認の通知と管財人の意見聴取義務2項判例なし
  • 裁判所書記官は承認を遅滞なく管財人に通知する
  • 管財人は通知後遅滞なく、業務財産管理事項について委員会の意見を聴く
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第119条管財人の更生債権者委員会に対する報告義務管財人は報告書等を委員会にも提出2項判例 1件
  • 83条3項〈財産の価額の評定等〉・4項や84条〈裁判所への報告〉の報告書等を裁判所に出したら委員会にも提出
  • 支障部分の申立てをした場合はその部分を除いて提出すれば足りる
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第120条管財人に対する報告命令委員会は管財人への報告命令を申し出できる2項判例なし
  • 委員会は必要時、裁判所に84条2項〈裁判所への報告〉の報告を管財人に命じるよう申出可能
  • 申出が相当なら裁判所は管財人に報告を命じなければならない
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第121条準用担保権者委員会・株主委員会にも準用1項判例なし
  • 118条〈更生債権者委員会の意見聴取〉~120条〈管財人に対する報告命令〉の通知・報告義務は担保権者委員会・株主委員会にも及ぶ
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第122条代理委員更生債権者等・株主は代理委員を選任できる6項判例なし
  • 裁判所の許可を得て、共同又は各別に代理委員を選任できる
  • 裁判所は必要に応じ期間を定めて選任を勧告できる
  • 代理委員は手続上の一切の行為が可能で、いつでも解任できる
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第123条裁判所による代理委員の選任勧告に従わない場合、裁判所が代理委員を選任6項・2号判例 1件
  • 著しく多数で勧告に従わず選任なしでは支障があるとき裁判所が選任
  • 本人が選任したとみなされ、費用の前払・償還と相当な報酬を受けられる
  • 正当な理由があれば裁判所の許可を得て辞任できる
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第124条報償金等事業の更生に貢献した者へ費用償還・報償金を許可2項判例 1件
  • 更生債権者等・株主・代理委員等が貢献したと認められれば対象
  • 管財人の申立て又は職権で、管財人が会社財産から支払う
  • この許可決定には即時抗告ができる
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第119条会社更生法

会社更生法一一九条〈管財人の更生債権者委員会に対する報告義務〉にいう納期限の意義

裁判要旨会社更生法一一九条〈管財人の更生債権者委員会に対する報告義務〉所定の租税のうち徴収のために納税の告知を必要とする源泉徴収に係る所得税等に関しては、同条にいう納期限とは、各税法の規定により当該租税を納付すべき本来の期限(法定納期限)ではなく、納税の告知において指定された納付の期限(指定納期限)を指すものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和49年7月22日 昭和46(行ツ)88
登載
民集 第28巻5号1008頁
参照法条
会社更生法119条
論点2第123条会社更生法

一 会社更生手続の開始と譲渡担保権者の取戻権の有無
二 会社更生手続の開始と譲渡担保権者の権利行使の方法

裁判要旨一 会社更生手続の開始当時において、更生会社と債権者間の譲渡担保契約に基づいて債権者に取得された物件の所有権の帰属が確定的でなく、両者間になお債権関係が存続している場合には、当該譲渡担保権者は、物件の所有権を主張して、その取戻を請求することはできない。
二 前項の場合において、譲渡担保権者は、更生担保権者に準じて、その権利の届出をし、更生手続によつてのみ権利行使をすべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和41年4月28日 昭和39(オ)440
登載
民集 第20巻4号900頁
参照法条
会社更生法62条,会社更生法67条1項,会社更生法123条,会社更生法124条,会社更生法126条,会社更生法159条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

会社更生法 第117条(更生債権者委員会等) 詳細ページ
(更生債権者委員会等)
第百十七条裁判所は、更生債権者をもって構成する委員会がある場合には、利害関係人の申立てにより、当該委員会が、この法律の定めるところにより、更生手続に関与することを承認することができる。ただし、次の各号のいずれにも該当する場合に限る。
一委員の数が、三人以上最高裁判所規則で定める人数以内であること。
二更生債権者の過半数が当該委員会が更生手続に関与することについて同意していると認められること。
三当該委員会が更生債権者全体の利益を適切に代表すると認められること。
2裁判所は、必要があると認めるときは、更生手続において、前項の規定により承認された委員会(以下「更生債権者委員会」という。)に対して、意見の陳述を求めることができる。
3更生債権者委員会は、更生手続において、裁判所又は管財人(第七十二条第四項前段の規定により更生会社の機関がその権限を回復したときは、管財人又は更生会社)に対して、意見を述べることができる。
4更生債権者委員会に更生会社の事業の更生に貢献する活動があったと認められるときは、裁判所は、当該活動のために必要な費用を支出した更生債権者の申立てにより、更生会社財産から、当該更生債権者に対し、相当と認める額の費用を償還することを許可することができる。
5裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも第一項の規定による承認を取り消すことができる。
6第一項の規定は更生担保権者をもって構成する委員会がある場合について、第二項から前項までの規定はこの項において準用する第一項の規定により承認された委員会(以下「更生担保権者委員会」という。)がある場合について、それぞれ準用する。
7第一項の規定は株主をもって構成する委員会がある場合について、第二項から第五項までの規定はこの項において準用する第一項の規定により承認された委員会(第百二十一条において「株主委員会」という。)がある場合について、それぞれ準用する。
会社更生法 第118条(更生債権者委員会の意見聴取) 詳細ページ
(更生債権者委員会の意見聴取)
第百十八条裁判所書記官は、前条第一項の規定による承認があったときは、遅滞なく、管財人(第七十二条第四項前段の規定により更生会社の機関がその権限を回復したときは、更生会社。次項において同じ。)に対して、その旨を通知しなければならない。
2管財人は、前項の通知を受けたときは、遅滞なく、更生会社の業務及び財産の管理に関する事項について、更生債権者委員会の意見を聴かなければならない。
会社更生法 第119条(管財人の更生債権者委員会に対する報告義務) 詳細ページ
(管財人の更生債権者委員会に対する報告義務)
第百十九条管財人は、第八十三条第三項若しくは第四項又は第八十四条の規定により報告書等(報告書、貸借対照表又は財産目録をいう。以下この条において同じ。)を裁判所に提出したときは、遅滞なく、当該報告書等を更生債権者委員会にも提出しなければならない。
2管財人は、前項の場合において、当該報告書等に第十二条第一項の支障部分に該当する部分があると主張して同項の申立てをしたときは、当該部分を除いた報告書等を更生債権者委員会に提出すれば足りる。
会社更生法 第120条(管財人に対する報告命令) 詳細ページ
(管財人に対する報告命令)
第百二十条更生債権者委員会は、更生債権者全体の利益のために必要があるときは、裁判所に対し、管財人に更生会社の業務及び財産の管理状況その他更生会社の事業の更生に関し必要な事項について第八十四条第二項の規定による報告をすることを命ずるよう申し出ることができる。
2前項の申出を受けた裁判所は、当該申出が相当であると認めるときは、管財人に対し、第八十四条第二項の規定による報告をすることを命じなければならない。
会社更生法 第121条(準用) 詳細ページ
(準用)
第百二十一条前三条の規定は、更生担保権者委員会又は株主委員会がある場合について準用する。
会社更生法 第122条(代理委員) 詳細ページ
(代理委員)
第百二十二条更生債権者等又は株主は、裁判所の許可を得て、共同して又は各別に、一人又は数人の代理委員を選任することができる。
2裁判所は、更生手続の円滑な進行を図るために必要があると認めるときは、更生債権者等又は株主に対し、相当の期間を定めて、代理委員の選任を勧告することができる。
3代理委員は、これを選任した更生債権者等又は株主のために、更生手続に属する一切の行為をすることができる。
4一の更生債権者等又は一の株主について代理委員が数人あるときは、共同してその権限を行使する。ただし、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。
5裁判所は、代理委員の権限の行使が著しく不公正であると認めるときは、第一項の許可の決定又は次条第一項の選任の決定を取り消すことができる。
6更生債権者等又は株主は、いつでも、その選任した代理委員を解任することができる。
会社更生法 第123条(裁判所による代理委員の選任) 詳細ページ
(裁判所による代理委員の選任)
第百二十三条裁判所は、共同の利益を有する更生債権者等又は株主が著しく多数である場合において、これらの者のうちに前条第二項の規定による勧告を受けたにもかかわらず同項の期間内に代理委員を選任しない者があり、かつ、代理委員の選任がなければ更生手続の進行に支障があると認めるときは、当該者のために、相当と認める者を代理委員に選任することができる。
2前項の規定により代理委員を選任するには、当該代理委員の同意を得なければならない。
3第一項の規定により代理委員が選任された場合には、当該代理委員は、本人(その者のために同項の規定により代理委員が選任された者をいう。第六項において同じ。)が前条第一項の規定により選任したものとみなす。
4第一項の規定により選任された代理委員は、正当な理由があるときは、裁判所の許可を得て辞任することができる。
5第一項の規定により選任された代理委員は、更生会社財産から、次に掲げるものの支払を受けることができる。
一前条第三項に規定する行為をするために必要な費用について、その前払又は支出額の償還
二裁判所が相当と認める額の報酬
6第一項の規定により代理委員が選任された場合における当該代理委員と本人との間の関係については、民法第六百四十四条から第六百四十七条まで及び第六百五十四条の規定を準用する。
会社更生法 第124条(報償金等) 詳細ページ
(報償金等)
第百二十四条裁判所は、更生債権者等、株主若しくは代理委員又はこれらの者の代理人が更生会社の事業の更生に貢献したと認められるときは、管財人の申立てにより又は職権で、管財人が、更生会社財産から、これらの者に対し、その事務処理に要した費用を償還し、又は報償金を支払うことを許可することができる。
2前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。