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特定の株主からの取得

一部の株主だけから買うとき。他の株主が「自分の株も買え」と言える売主追加請求権。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

会社が自己株式を、株主全員からではなく一部の特定の株主だけから買い取ろうとする場合の手続を定めたもの。この場合、他の株主にも「自分を売主に加えてほしい」と請求できる権利(条文上の用語ではなく、実務では「売主追加請求権」と呼ばれる)が原則として認められる。ただし、市場価格以下での取得、相続人等からの取得、定款に定めがある場合には、この請求権に関する規定が適用されない。

特定の株主からの取得―売主追加請求権の有無
場面必要な決議売主追加請求権
原則(特定の株主を指定)取得事項+特定株主への通知を決議あり(他の株主も請求可)
市場価格の株式(161条)同上なし(市場価格以下なら適用除外)
相続人等からの取得(原則)同上なし(適用除外)
相続人等でも公開会社の場合同上あり(原則どおり)
相続人等が議決権行使した場合同上あり(原則どおり)
定款に定めがある場合(164条)同上なし(定款で排除)
  • 特定の株主を定めた場合、158条1項の通知先は株主全員ではなくその特定の株主のみになる(160条5項)。
  • 特定の株主は156条1項の総会で原則議決権を行使できないが、特定株主以外の株主全員が行使できない場合は行使できる(160条4項)。
  • 161条の適用除外は、対価が市場価格として法務省令で定める方法により算定される額を超えない場合に限る。
  • 162条の適用除外は、相続その他の一般承継により取得した株式を会社が取得する場合に限る。
  • 164条の定款の定めを株式発行後に新設・変更(廃止を除く)するには、その株式を有する株主全員の同意が必要。
  • 通知・請求の期限はいずれも法務省令で定める時までとされている。
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特別決議で決める

議決権を行使できない株主

第160条特定の株主からの取得特定の株主だけを指名して買える5項判例なし
  • 決議で、取得事項と併せて特定の株主に通知する旨を定められる
  • 他の株主は法務省令で定める時までに、自分も加えるよう請求できる
  • 特定の株主は原則、その総会で議決権を行使できない(全員不可なら可)
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売主追加請求権

他の株主が名乗り出る

第160条特定の株主からの取得特定の株主だけを指名して買える5項判例なし
  • 決議で、取得事項と併せて特定の株主に通知する旨を定められる
  • 他の株主は法務省令で定める時までに、自分も加えるよう請求できる
  • 特定の株主は原則、その総会で議決権を行使できない(全員不可なら可)
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請求できない場合

市場価格・相続人・定款の定め

第161条市場価格のある株式の取得の特則市場価格以下なら請求権の規定は適用外1項判例なし
  • 市場価格のある株式で、対価が市場価格として定める額を超えないときに適用
  • この場合、事前通知と売主追加請求の規定(160条2項〈特定の株主からの取得〉・3項)は適用されない
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第162条相続人等からの取得の特則相続などで取得した株式の買取りの特則1項・2号判例なし
  • 相続その他の一般承継で会社が取得した自社株を買う場合は原則、通知・請求の規定を適用しない
  • 公開会社の場合は原則どおり通知・請求の規定を適用する
  • 相続人等がその株式で株主総会・種類株主総会の議決権を行使した場合も原則どおり適用する
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第164条特定の株主からの取得に関する定款の定め定款で売主追加請求権をなくせる2項判例なし
  • 特定の株主からの取得を決めるとき、160条2項〈特定の株主からの取得〉・3項を適用しない旨を定款で定められる
  • 株式発行後に新設・変更(廃止を除く)する場合は、その株式を持つ株主全員の同意が必要
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原

条文原文

原文ママ

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会社法 第160条(特定の株主からの取得) 詳細ページ
(特定の株主からの取得)
第百六十条株式会社は、第百五十六条第一項各号に掲げる事項の決定に併せて、同項の株主総会の決議によって、第百五十八条第一項の規定による通知を特定の株主に対して行う旨を定めることができる。
2株式会社は、前項の規定による決定をしようとするときは、法務省令で定める時までに、株主(種類株式発行会社にあっては、取得する株式の種類の種類株主)に対し、次項の規定による請求をすることができる旨を通知しなければならない。
3前項の株主は、第一項の特定の株主に自己をも加えたものを同項の株主総会の議案とすることを、法務省令で定める時までに、請求することができる。
4第一項の特定の株主は、第百五十六条第一項の株主総会において議決権を行使することができない。ただし、第一項の特定の株主以外の株主の全部が当該株主総会において議決権を行使することができない場合は、この限りでない。
5第一項の特定の株主を定めた場合における第百五十八条第一項の規定の適用については、同項中「株主(種類株式発行会社にあっては、取得する株式の種類の種類株主)」とあるのは、「第百六十条第一項の特定の株主」とする。
会社法 第161条(市場価格のある株式の取得の特則) 詳細ページ
(市場価格のある株式の取得の特則)
第百六十一条前条第二項及び第三項の規定は、取得する株式が市場価格のある株式である場合において、当該株式一株を取得するのと引換えに交付する金銭等の額が当該株式一株の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えないときは、適用しない。
会社法 第162条(相続人等からの取得の特則) 詳細ページ
(相続人等からの取得の特則)
第百六十二条第百六十条第二項及び第三項の規定は、株式会社が株主の相続人その他の一般承継人からその相続その他の一般承継により取得した当該株式会社の株式を取得する場合には、適用しない。ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
一株式会社が公開会社である場合
二当該相続人その他の一般承継人が株主総会又は種類株主総会において当該株式について議決権を行使した場合
会社法 第164条(特定の株主からの取得に関する定款の定め) 詳細ページ
(特定の株主からの取得に関する定款の定め)
第百六十四条株式会社は、株式(種類株式発行会社にあっては、ある種類の株式。次項において同じ。)の取得について第百六十条第一項の規定による決定をするときは同条第二項及び第三項の規定を適用しない旨を定款で定めることができる。
2株式の発行後に定款を変更して当該株式について前項の規定による定款の定めを設け、又は当該定めについての定款の変更(同項の定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとするときは、当該株式を有する株主全員の同意を得なければならない。
出

一次情報

原文ママ

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