会社法 / テーマ別まとめ

株主総会及び種類株主総会等/種類株主総会

種類株主総会の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

種類株主総会は、複数の種類の株式を発行している会社で、特定の種類の株主だけを構成員として開かれる会議体です。決議できるのは会社法に定める事項と定款で定めた事項に限られ、ある種類の株主に不利益が及ぶおそれがある行為には、原則としてその種類株主総会の決議が必要になります。決議に必要な出席・賛成の割合は事項の重要度に応じて段階が分かれており、招集や運営の手続きは基本的に通常の株主総会の規定に従います。

種類株主総会
区分定足数賛成要件代表的な決議事項
普通決議(324条1項)過半数の出席出席株主の過半数原則すべての決議事項
特殊決議①(324条2項)過半数出席(三分の一まで軽減可)出席株主の三分の二以上定款変更・合併等の防御決議
特殊決議②(324条3項)半数以上の株主出席(引上げのみ可)議決権の三分の二以上全部取得条項化・合併等の承認
  • 表の「普通決議」「特殊決議」は条文上の用語ではなく、整理のための一般的な呼称です。
  • 表の1段目(324条1項)の要件は、定款に別段の定めがある場合はそちらが優先します。
  • 表の2・3段目の三分の二以上の要件は、定款でこれを上回る割合を定めることもできます。
  • 322条・323条の種類株主総会は、議決権を行使できる種類株主が存在しない場合は決議不要です。
  • 322条の決議は定款で不要と定めることができますが、既発行株式に定める場合は全種類株主の同意が必要です。
  • 325条により、通常の株主総会に関する規定の多くが種類株主総会にも準用されます(295条1項2項・296条1項2項・309条を除く)。
1

種類株主総会

種類株主総会について、条文は何を定めているか。

第321条種類株主総会の権限決議できるのは法定・定款事項のみ1項判例なし
  • 種類株主総会は会社法に定める事項と定款で定めた事項しか決議できない
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第322条ある種類の種類株主に損害を及ぼすおそれがある場合の種類株主総会種類株主に不利益な行為は決議が必要4項・15号判例なし
  • 定款変更・株式の併合・合併等で種類株主に損害の恐れがあれば決議が必要
  • 議決権を行使できる種類株主がいなければ決議は不要
  • 定款で不要と定めることも可能(既存株式には全員同意が必要)
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第323条種類株主総会の決議を必要とする旨の定めがある場合定款で種類株主総会決議を追加できる1項判例なし
  • 株主総会等の決議に加え、種類株主総会の決議も必要と定款で定められる
  • 議決権を行使できる種類株主がいなければ決議は不要
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第324条種類株主総会の決議決議要件は事項により3段階3項・9号判例なし
  • 原則は総株主の議決権の過半数出席・出席株主の過半数で決議
  • 重要事項は定足数を三分の一まで軽減可、賛成は三分の二以上必要(引上げ可)
  • 特に重要な事項は頭数の半数以上かつ議決権の三分の二以上の賛成が必要
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第325条株主総会に関する規定の準用株主総会規定を種類株主総会に準用1項判例なし
  • 株主総会に関する規定を種類株主総会に準用するが、権限・招集時期・決議要件の一部は除く
  • 297条〈株主による招集の請求〉の「総株主」「株主」は、その種類の株式の株主に限る読み替えがある
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

会社法 第321条(種類株主総会の権限) 詳細ページ
(種類株主総会の権限)
第三百二十一条種類株主総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。
会社法 第322条(ある種類の種類株主に損害を及ぼすおそれがある場合の種類株主総会) 詳細ページ
(ある種類の種類株主に損害を及ぼすおそれがある場合の種類株主総会)
第三百二十二条種類株式発行会社が次に掲げる行為をする場合において、ある種類の株式の種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、当該行為は、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会。以下この条において同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。
一次に掲げる事項についての定款の変更(第百十一条第一項又は第二項に規定するものを除く。)
イ株式の種類の追加
ロ株式の内容の変更
ハ発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数の増加
二株式の併合又は株式の分割
三第百八十五条に規定する株式無償割当て
四当該株式会社の株式を引き受ける者の募集(第二百二条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。)
五当該株式会社の新株予約権を引き受ける者の募集(第二百四十一条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。)
六第二百七十七条に規定する新株予約権無償割当て
七合併
八吸収分割
九吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継
十新設分割
十一株式交換
十二株式交換による他の株式会社の発行済株式全部の取得
十三株式移転
十四株式交付
2種類株式発行会社は、ある種類の株式の内容として、前項の規定による種類株主総会の決議を要しない旨を定款で定めることができる。
3第一項の規定は、前項の規定による定款の定めがある種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会については、適用しない。ただし、第一項第一号に規定する定款の変更(単元株式数についてのものを除く。)を行う場合は、この限りでない。
4ある種類の株式の発行後に定款を変更して当該種類の株式について第二項の規定による定款の定めを設けようとするときは、当該種類の種類株主全員の同意を得なければならない。
会社法 第323条(種類株主総会の決議を必要とする旨の定めがある場合) 詳細ページ
(種類株主総会の決議を必要とする旨の定めがある場合)
第三百二十三条種類株式発行会社において、ある種類の株式の内容として、株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、第四百七十八条第八項に規定する清算人会設置会社にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項について、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とする旨の定めがあるときは、当該事項は、その定款の定めに従い、株主総会、取締役会又は清算人会の決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。
会社法 第324条(種類株主総会の決議) 詳細ページ
(種類株主総会の決議)
第三百二十四条種類株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、その種類の株式の総株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。
2前項の規定にかかわらず、次に掲げる種類株主総会の決議は、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。この場合においては、当該決議の要件に加えて、一定の数以上の株主の賛成を要する旨その他の要件を定款で定めることを妨げない。
一第百十一条第二項の種類株主総会(ある種類の株式の内容として第百八条第一項第七号に掲げる事項についての定款の定めを設ける場合に限る。)
四第三百二十二条第一項の種類株主総会
五第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百三十九条第一項の種類株主総会
六第七百九十五条第四項の種類株主総会
七第八百十六条の三第三項の種類株主総会
3前二項の規定にかかわらず、次に掲げる種類株主総会の決議は、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。
一第百十一条第二項の種類株主総会(ある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号に掲げる事項についての定款の定めを設ける場合に限る。)
会社法 第325条(株主総会に関する規定の準用) 詳細ページ
(株主総会に関する規定の準用)
第三百二十五条前款(第二百九十五条第一項及び第二項、第二百九十六条第一項及び第二項並びに第三百九条を除く。)の規定は、種類株主総会について準用する。この場合において、第二百九十七条第一項中「総株主」とあるのは「総株主(ある種類の株式の株主に限る。以下この款(第三百八条第一項を除く。)において同じ。)」と、「株主は」とあるのは「株主(ある種類の株式の株主に限る。以下この款(第三百十八条第四項及び第三百十九条第三項を除く。)において同じ。)は」と読み替えるものとする。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。