会社法 / テーマ別まとめ

募集による設立/定款の変更

定款の変更の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

募集による設立(募集設立)を選んだ場合に、定款をどう変更できるかをまとめたページです。募集を開始した後は発起人だけの判断で定款を変更することはできず、変更には創立総会(株式引受人らによる設立時の総会)の決議が必要になります。あわせて、定款変更に反対した設立時株主・設立時種類株主が引受けを取り消せる場合や、種類株式を発行する会社特有の追加手続についても整理しています。

定款の変更
場面決定機関必要な手続反対株主の取消権
引受人確定後の定款変更発起人不可(変更禁止)―
創立総会での定款変更創立総会決議のみで可能―
現物出資・財産引受等の変更創立総会決議で変更反対株主は2週間以内に取消可
発行可能株式総数の新設創立総会成立までに決議必須―
取得条項付株式・単元株式数の定め対象種類の設立時株主全員全員の同意が必要―
譲渡制限・全部取得条項の新設種類創立総会決議が効力要件反対株主は2週間以内に取消可
種類追加・内容変更・総数増加種類創立総会決議が効力要件―
  • 発起人の変更禁止(95条)は、募集(57条1項)を行う場合で、58条1項3号の期日または期間初日のうち最も早い日以後に限られる
  • 96条は、発起人全員の同意による変更(30条2項)の特則として、創立総会の決議による変更を認める規定
  • 97条の取消権は、28条各号事項(現物出資等)を変更する決議の場合に限られ、かつ反対した設立時株主に限られる
  • 99条の全員同意は、108条1項6号事項の新設・変更(廃止を除く)と322条2項の定めの新設の場合に限られる
  • 100条・101条とも、議決権を行使できる設立時種類株主が存在しない種類創立総会は決議不要
  • 101条2項により、単元株式数についての定款変更で322条2項の定めがある場合は101条の種類創立総会規定は適用されない
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定款の変更

定款の変更について、条文は何を定めているか。

第95条発起人による定款の変更の禁止募集後は発起人だけでは定款変更不可1項判例なし
  • 募集(57条1項〈設立時発行株式を引き受ける者の募集〉)による設立の場合が対象
  • 58条1項3号〈設立時募集株式に関する事項の決定 設立時募集株式と引換えにする金銭の払込みの期日又はその期間〉の期日・期間初日のうち最も早い日以後は変更不可
  • 33条9項〈定款の記載又は記録事項に関する検査役の選任〉・37条1項〈発行可能株式総数の定め等〉2項に基づく発起人の変更権はここで制限される
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第96条創立総会における定款の変更創立総会の決議で定款を変更できる1項判例なし
  • 発起人全員の同意による変更(30条2項〈定款の認証〉)の原則の例外
  • 創立総会の決議のみで定款変更が可能になる
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第97条設立時発行株式の引受けの取消し反対株主は2週間以内に引受けを取消せる1項判例なし
  • 創立総会で28条〈株式会社を設立する場合には、次に掲げる事項は、第二十六条第一項の定款に記載し、又は記録しなければ、その効力を生じない。〉各号事項(現物出資等)を変更する決議をした場合が対象
  • 決議に反対した設立時株主は、決議後2週間以内に限り引受けの意思表示を取消せる
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第98条創立総会の決議による発行可能株式総数の定め総数未定なら成立までに定める1項判例なし
  • 発行可能株式総数を定款で定めていない場合が対象
  • 株式会社の成立の時までに、創立総会の決議で定款に定めを設ける
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第99条定款の変更の手続の特則特定の種類株式内容設定は全員同意必要1項・2号判例なし
  • 取得条項付株式の内容の新設・変更(廃止を除く)が対象
  • 単元株式数の定め(322条2項〈ある種類の種類株主に損害を及ぼすおそれがある場合の種類株主総会〉)の新設も対象
  • 対象種類の設立時株主全員の同意が必要
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第100条譲渡制限等の新設には種類創立総会が必要2項・3号判例なし
  • 譲渡制限(108条1項4号〈異なる種類の株式 譲渡による当該種類の株式の取得について当該株式会社の承認を要すること。〉)・全部取得条項(同7号)の定め新設が対象
  • 対象種類の設立時種類株主による種類創立総会の決議が必要
  • 反対した設立時種類株主は決議後2週間以内に引受けを取消せる
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第101条種類株主に不利益なら種類創立総会が必要2項・3号判例なし
  • 株式の種類の追加・内容の変更・発行可能株式総数等の増加が対象
  • 設立時種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは種類創立総会の決議が必要
  • 単元株式数の定款変更で322条2項〈ある種類の種類株主に損害を及ぼすおそれがある場合の種類株主総会〉の定めがある場合は本条は適用されない
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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

会社法 第95条(発起人による定款の変更の禁止) 詳細ページ
(発起人による定款の変更の禁止)
第九十五条第五十七条第一項の募集をする場合には、発起人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間の初日のうち最も早い日以後は、第三十三条第九項並びに第三十七条第一項及び第二項の規定にかかわらず、定款の変更をすることができない。
会社法 第96条(創立総会における定款の変更) 詳細ページ
(創立総会における定款の変更)
第九十六条第三十条第二項の規定にかかわらず、創立総会においては、その決議によって、定款の変更をすることができる。
会社法 第97条(設立時発行株式の引受けの取消し) 詳細ページ
(設立時発行株式の引受けの取消し)
第九十七条創立総会において、第二十八条各号に掲げる事項を変更する定款の変更の決議をした場合には、当該創立総会においてその変更に反対した設立時株主は、当該決議後二週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。
会社法 第98条(創立総会の決議による発行可能株式総数の定め) 詳細ページ
(創立総会の決議による発行可能株式総数の定め)
第九十八条第五十七条第一項の募集をする場合において、発行可能株式総数を定款で定めていないときは、株式会社の成立の時までに、創立総会の決議によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。
会社法 第99条(定款の変更の手続の特則) 詳細ページ
(定款の変更の手続の特則)
第九十九条設立しようとする会社が種類株式発行会社である場合において、次の各号に掲げるときは、当該各号の種類の設立時発行株式の設立時種類株主全員の同意を得なければならない。
一ある種類の株式の内容として第百八条第一項第六号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとするとき。
二ある種類の株式について第三百二十二条第二項の規定による定款の定めを設けようとするとき。
会社法 第100条 詳細ページ
第百条設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、定款を変更してある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号又は第七号に掲げる事項についての定款の定めを設けるときは、当該定款の変更は、次に掲げる設立時種類株主を構成員とする種類創立総会(当該設立時種類株主に係る設立時発行株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の設立時発行株式の種類別に区分された設立時種類株主を構成員とする各種類創立総会。以下この条において同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、この限りでない。
一当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主
二第百八条第二項第五号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得請求権付株式の設立時種類株主
三第百八条第二項第六号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得条項付株式の設立時種類株主
2前項に規定する種類創立総会において当該定款の変更に反対した設立時種類株主は、当該種類創立総会の決議後二週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。
会社法 第101条 詳細ページ
第百一条設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、次に掲げる事項についての定款の変更をすることにより、ある種類の設立時発行株式の設立時種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、当該定款の変更は、当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会(当該設立時種類株主に係る設立時発行株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の設立時発行株式の種類別に区分された設立時種類株主を構成員とする各種類創立総会)の決議がなければ、その効力を生じない。ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、この限りでない。
一株式の種類の追加
二株式の内容の変更
三発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数(株式会社が発行することができる一の種類の株式の総数をいう。以下同じ。)の増加
2前項の規定は、単元株式数についての定款の変更であって、当該定款の変更について第三百二十二条第二項の規定による定款の定めがある場合における当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会については、適用しない。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。