事業の譲渡等の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。
株式会社が事業の全部・重要な一部の譲渡や事業全部の賃貸など一定の行為をするときは、効力発生日の前日までに株主総会の決議で契約の承認を受ける必要があります。相手方が特別支配会社である場合や、他社事業の譲受けで対価が小さい場合には、この承認が不要になる例外もあります。承認手続に反対する株主には株式の買取りを会社に請求する権利が認められ、価格について協議が調わないときは裁判所が価格を決定します。
| 行為の類型 | 承認が必要になる基準 | 特別支配会社が相手の場合 | 対価が小さい譲受けの場合 |
|---|---|---|---|
| 事業の全部の譲渡 | 常に必要 | 承認不要 | 対象外 |
| 事業の重要な一部の譲渡 | 譲渡資産が総資産の五分の一超 | 承認不要 | 対象外 |
| 子会社株式等の譲渡 | 譲渡株式が総資産の五分の一超※ | 承認不要 | 対象外 |
| 他社事業の全部の譲受け | 常に必要 | 承認不要 | 承認不要(異議で復活) |
| 事業の全部の賃貸等 | 常に必要 | 承認不要 | 対象外 |
| 事後設立(財産取得) | 対価が純資産の五分の一超 | 対象外 | 対象外 |
事業の譲渡等について、条文は何を定めているか。
論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。
一 商法二四五条一項一号の営業譲渡契約が株主総会の特別決議を経ていないことにより無効である場合と譲受人がする右の無効の主張
二 営業譲渡契約が譲受会社にとつて商法一六八条一項六号〈取得する日の決定〉にいう財産引受に当たるのに原始定款に記載しなかつたことにより無効であるとの主張が信義則に反し許されないとされた事例
三 商法二四五条一項一号の営業譲渡契約が株主総会の特別決議を経ていないことにより無効であるとの譲受人の主張が信義則に反し許されないとされた事例
株式買取価格の決定と憲法三二条、八二条
商法二四五条一項一号にいう「営業ノ全部又ハ重要ナル一部ノ譲渡」の意義
会社の販売部門が独立してあらたな会社が設立された場合において新会社が旧会社の取引上の債務を承継したと認められた事例
一 株主総会の決議の成立と採決手続を経ることの要否
二 営業を譲渡する会社の株主が譲受会社の代表取締役である場合と営業譲渡の議案についてのいわゆる特別利害関係人
商法第二四五条第一項第一号にいう「営業ノ全部又ハ重要ナル一部ノ譲渡」の意義。
一 会社更生法による更生手続中に会社代表取締役によつて締結された売買契約の更生手続廃止後における効力。
二 株式会社の重要財産の譲渡について株主総会の特別決議を要するか。
営業の重要な一部を譲渡する旨の決議がされた株主総会の招集通知に右営業の譲渡の要領を記載しなかった違法がある場合に商法二五一条〈新株予約権原簿の管理〉により右決議の取消請求を棄却することの可否
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