会社法 / テーマ別まとめ

株券/株券喪失登録

株券喪失登録の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

株券喪失登録制度は、株券をなくした人が株券発行会社に申請して株券喪失登録簿に記録してもらい、一定の期間や手続を経て登録を抹消したり株券を失効・再発行させたりする仕組みを定めている。登録がされている間は名義書換・株券の再発行・議決権行使などに制限がかかり、登録の抹消方法や会社側の通知・閲覧対応もあわせて規定されている。

株券喪失登録の抹消・失効
手続主体期限効果
所持人による抹消申請株券所持人(登録者除く)登録日翌日から1年以内通知から2週間で抹消・返還
登録者自身による抹消申請株券喪失登録者期限の定めなし申請を受けた日に抹消
株券発行廃止による抹消株券発行会社定款変更の効力発生日名義人=登録者の分を抹消
公告による抹消株券発行会社公告をした日同日に抹消
株券の失効・再発行―登録日翌日から1年経過株券無効、登録者へ再発行
  • 定款変更をした日の翌日から起算して1年経過していない会社も株券発行会社に含まれる(221条)
  • 登録者が名義人と異なる場合、会社は遅滞なく名義人に通知しなければならない(224条1項)
  • 権利行使のため提出された株券に登録があるときは、会社は提出者に遅滞なく通知する(224条2項)
  • 登録抹消日までは名義書換・株券再発行ができず、名義人でない登録者の株式は議決権行使もできない(230条)
  • 株券喪失登録がされた株式は197条の競売・売却をすることができない(230条4項)
  • 株券喪失登録簿(利害関係部分)は本店等で閲覧・謄写を請求できる(231条)
1

株券喪失登録

株券喪失登録について、条文は何を定めているか。

第221条株券喪失登録簿株券喪失登録簿を作成し記載事項を定める1項・4号判例なし
  • 記載事項は株券番号・喪失者の氏名住所・名義人の氏名住所・登録日
  • 定款変更で株券発行をやめた会社も、廃止の翌日から1年間は対象に含まれる
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第222条株券喪失登録簿に関する事務の委託株主名簿管理人への委託事務に株券喪失登録簿も含む1項判例なし
  • 123条〈株主名簿管理人〉の「株主名簿」は「株主名簿及び株券喪失登録簿」と読み替える
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第223条株券喪失登録の請求株券を喪失した者は登録を請求できる1項判例なし
  • 請求の方法は法務省令で定める手続による
  • 喪失した本人からの請求のみ認められる
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第224条名義人等に対する通知登録すると名義人や提出者に通知する2項判例なし
  • 登録者が名義人と異なるときは、会社は遅滞なく名義人に通知する
  • 通知事項は株券番号・喪失者の氏名住所・登録日
  • 権利行使で提出された株券に登録があれば、提出者にも遅滞なく通知する
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第225条株券を所持する者による抹消の申請株券の所持人は抹消を申請できる4項判例なし
  • 申請できるのは登録者以外の所持人で、株券を会社に提出する必要がある
  • 登録日翌日から1年経過で申請できなくなる
  • 会社は登録者に申請者の氏名住所・株券番号を通知し、2週間経過で抹消・返還
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第226条株券喪失登録者による抹消の申請登録者本人は抹消をいつでも申請できる2項判例なし
  • 申請を受けた日に会社は登録を抹消する
  • 株券発行を廃止した場合、225条2項〈株券を所持する者による抹消の申請〉で提出済みの株券分は対象外
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第227条株券を発行する旨の定款の定めを廃止した場合における株券喪失登録の抹消株券発行をやめる定款変更で抹消される1項判例なし
  • 定款変更の効力発生日に、名義人=登録者の分の登録を会社が抹消する
  • 225条2項〈株券を所持する者による抹消の申請〉で提出済みの株券についての登録は対象外
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第228条株券の無効登録から1年で株券は無効になり再発行2項判例なし
  • 抹消されていない登録は、登録日翌日から1年経過した日に無効となる
  • 無効になった株券は、会社が登録者に再発行しなければならない
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第229条異議催告手続との関係特定の公告をする場合の抹消時期を定める2項判例なし
  • 登録者が220条1項〈株券の提出をすることができない場合〉の請求をした場合に限り公告できる
  • 公告できるのは期間末日が登録日翌日から1年経過前に来るとき
  • 会社は公告をした日に、その株券の喪失登録を抹消する
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第230条株券喪失登録の効力登録抹消日まで名義書換や再発行を制限4項・2号判例なし
  • 登録抹消日まで、株式取得者の名義書換ができない
  • 再発行も登録抹消日を過ぎるまではできない
  • 名義人でない登録者の株式は、登録抹消日まで議決権行使不可・競売や売却(197条〈株式の競売〉)も不可
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第231条株券喪失登録簿の備置き及び閲覧等株券喪失登録簿は本店に備え置き閲覧可2項・2号判例なし
  • 名簿管理人がいる場合は、その営業所に備え置く
  • 利害関係がある部分に限り、理由を示せば誰でも閲覧・謄写を請求できる
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第232条株券喪失登録者に対する通知等登録者への通知は登録簿の住所に送れば足りる2項判例なし
  • 別の連絡先の届出があれば、その場所・連絡先宛でよい
  • 通常到達すべき時に到達したものとみなす
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第233条適用除外株券には非訟事件手続法第4編を適用しない1項判例なし
  • 株券については同法第4編の規定は適用されない
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

会社法 第221条(株券喪失登録簿) 詳細ページ
(株券喪失登録簿)
第二百二十一条株券発行会社(株式会社がその株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした日の翌日から起算して一年を経過していない場合における当該株式会社を含む。以下この款(第二百二十三条、第二百二十七条及び第二百二十八条第二項を除く。)において同じ。)は、株券喪失登録簿を作成し、これに次に掲げる事項(以下この款において「株券喪失登録簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。
一第二百二十三条の規定による請求に係る株券(第二百十八条第二項又は第二百十九条第三項の規定により無効となった株券及び株式の発行又は自己株式の処分の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合における当該株式に係る株券を含む。以下この款(第二百二十八条を除く。)において同じ。)の番号
二前号の株券を喪失した者の氏名又は名称及び住所
三第一号の株券に係る株式の株主又は登録株式質権者として株主名簿に記載され、又は記録されている者(以下この款において「名義人」という。)の氏名又は名称及び住所
四第一号の株券につき前三号に掲げる事項を記載し、又は記録した日(以下この款において「株券喪失登録日」という。)
会社法 第222条(株券喪失登録簿に関する事務の委託) 詳細ページ
(株券喪失登録簿に関する事務の委託)
第二百二十二条株券発行会社における第百二十三条の規定の適用については、同条中「株主名簿の」とあるのは「株主名簿及び株券喪失登録簿の」と、「株主名簿に」とあるのは「株主名簿及び株券喪失登録簿に」とする。
会社法 第223条(株券喪失登録の請求) 詳細ページ
(株券喪失登録の請求)
第二百二十三条株券を喪失した者は、法務省令で定めるところにより、株券発行会社に対し、当該株券についての株券喪失登録簿記載事項を株券喪失登録簿に記載し、又は記録すること(以下「株券喪失登録」という。)を請求することができる。
会社法 第224条(名義人等に対する通知) 詳細ページ
(名義人等に対する通知)
第二百二十四条株券発行会社が前条の規定による請求に応じて株券喪失登録をした場合において、当該請求に係る株券を喪失した者として株券喪失登録簿に記載され、又は記録された者(以下この款において「株券喪失登録者」という。)が当該株券に係る株式の名義人でないときは、株券発行会社は、遅滞なく、当該名義人に対し、当該株券について株券喪失登録をした旨並びに第二百二十一条第一号、第二号及び第四号に掲げる事項を通知しなければならない。
2株式についての権利を行使するために株券が株券発行会社に提出された場合において、当該株券について株券喪失登録がされているときは、株券発行会社は、遅滞なく、当該株券を提出した者に対し、当該株券について株券喪失登録がされている旨を通知しなければならない。
会社法 第225条(株券を所持する者による抹消の申請) 詳細ページ
(株券を所持する者による抹消の申請)
第二百二十五条株券喪失登録がされた株券を所持する者(その株券についての株券喪失登録者を除く。)は、法務省令で定めるところにより、株券発行会社に対し、当該株券喪失登録の抹消を申請することができる。ただし、株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過したときは、この限りでない。
2前項の規定による申請をしようとする者は、株券発行会社に対し、同項の株券を提出しなければならない。
3第一項の規定による申請を受けた株券発行会社は、遅滞なく、同項の株券喪失登録者に対し、同項の規定による申請をした者の氏名又は名称及び住所並びに同項の株券の番号を通知しなければならない。
4株券発行会社は、前項の規定による通知の日から二週間を経過した日に、第二項の規定により提出された株券に係る株券喪失登録を抹消しなければならない。この場合においては、株券発行会社は、当該株券を第一項の規定による申請をした者に返還しなければならない。
会社法 第226条(株券喪失登録者による抹消の申請) 詳細ページ
(株券喪失登録者による抹消の申請)
第二百二十六条株券喪失登録者は、法務省令で定めるところにより、株券発行会社に対し、株券喪失登録(その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合にあっては、前条第二項の規定により提出された株券についての株券喪失登録を除く。)の抹消を申請することができる。
2前項の規定による申請を受けた株券発行会社は、当該申請を受けた日に、当該申請に係る株券喪失登録を抹消しなければならない。
会社法 第227条(株券を発行する旨の定款の定めを廃止した場合における株券喪失登録の抹消) 詳細ページ
(株券を発行する旨の定款の定めを廃止した場合における株券喪失登録の抹消)
第二百二十七条その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更をする場合には、株券発行会社は、当該定款の変更の効力が生ずる日に、株券喪失登録(当該株券喪失登録がされた株券に係る株式の名義人が株券喪失登録者であるものに限り、第二百二十五条第二項の規定により提出された株券についてのものを除く。)を抹消しなければならない。
会社法 第228条(株券の無効) 詳細ページ
(株券の無効)
第二百二十八条株券喪失登録(抹消されたものを除く。)がされた株券は、株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過した日に無効となる。
2前項の規定により株券が無効となった場合には、株券発行会社は、当該株券についての株券喪失登録者に対し、株券を再発行しなければならない。
会社法 第229条(異議催告手続との関係) 詳細ページ
(異議催告手続との関係)
第二百二十九条株券喪失登録者が第二百二十条第一項の請求をした場合には、株券発行会社は、同項の期間の末日が株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過する日前に到来するときに限り、同項の規定による公告をすることができる。
2株券発行会社が第二百二十条第一項の規定による公告をするときは、当該株券発行会社は、当該公告をした日に、当該公告に係る株券についての株券喪失登録を抹消しなければならない。
会社法 第230条(株券喪失登録の効力) 詳細ページ
(株券喪失登録の効力)
第二百三十条株券発行会社は、次に掲げる日のいずれか早い日(以下この条において「登録抹消日」という。)までの間は、株券喪失登録がされた株券に係る株式を取得した者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録することができない。
一当該株券喪失登録が抹消された日
二株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過した日
2株券発行会社は、登録抹消日後でなければ、株券喪失登録がされた株券を再発行することができない。
3株券喪失登録者が株券喪失登録をした株券に係る株式の名義人でないときは、当該株式の株主は、登録抹消日までの間は、株主総会又は種類株主総会において議決権を行使することができない。
4株券喪失登録がされた株券に係る株式については、第百九十七条第一項の規定による競売又は同条第二項の規定による売却をすることができない。
会社法 第231条(株券喪失登録簿の備置き及び閲覧等) 詳細ページ
(株券喪失登録簿の備置き及び閲覧等)
第二百三十一条株券発行会社は、株券喪失登録簿をその本店(株主名簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。
2何人も、株券発行会社の営業時間内は、いつでも、株券喪失登録簿(利害関係がある部分に限る。)について、次に掲げる請求をすることができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。
一株券喪失登録簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
二株券喪失登録簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
会社法 第232条(株券喪失登録者に対する通知等) 詳細ページ
(株券喪失登録者に対する通知等)
第二百三十二条株券発行会社が株券喪失登録者に対してする通知又は催告は、株券喪失登録簿に記載し、又は記録した当該株券喪失登録者の住所(当該株券喪失登録者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を株券発行会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。
2前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
会社法 第233条(適用除外) 詳細ページ
(適用除外)
第二百三十三条非訟事件手続法第四編の規定は、株券については、適用しない。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。