会社法 / テーマ別まとめ

新株予約権の行使と消却

権利を行使したとき何が起きるか。自己新株予約権の消却まで。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

新株予約権を行使すると、新株予約権者は定めた事項を明示したうえで出資を履行し、行使した日にその株式の株主となる。取得条項付新株予約権は、あらかじめ定めた事由や会社の決議に基づき会社が取得し、新株予約権付社債であれば社債も同時に取得される。会社が保有する自己新株予約権は、取締役会設置会社では取締役会の決議により消却することができる。

新株予約権の行使・取得・消却の比較
区分手続効力発生資本金の増加
行使内容・数・行使日の明示、払込み行使日に株主となる増加する(新株発行)
取得(取得条項付)会社が取得日を決議で決定定めた事由発生日に取得増加しない
消却(自己新株予約権)取締役会が内容・数を決定条文に発生時期の定めなし増加しない
  • 会社自身は自己新株予約権を行使できない(280条6項)
  • 証券発行新株予約権の行使では新株予約権証券の提出等が必要な場合がある(280条2〜5項)
  • 金銭以外の財産を出資する場合は当該財産の給付が必要、不足額は金銭で補う(281条2項)
  • 払込み・給付の債務と会社に対する債権との相殺はできない(281条3項)
  • 取得条項付新株予約権の取得日・取得対象は、内容に別段の定めがあればそれに従う(273条1項ただし書、274条2項ただし書)
  • 取得条項付新株予約権が新株予約権付社債に付されている場合、社債も同時に取得される(275条2項)
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行使する

行使の方法と払込み

第280条新株予約権の行使行使には内容・日の明示と証券提出が必要6項・2号判例なし
  • 行使する新株予約権の内容・数と行使日を明らかにする
  • 証券発行の新株予約権は証券を提出(未発行なら不要)
  • 会社自身は自己新株予約権を行使できない
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第281条新株予約権の行使に際しての払込み行使時の払込み・給付のルール3項判例なし
  • 金銭出資は行使日に会社指定の銀行等の窓口で全額を払い込む
  • 現物出資は行使日に財産を給付し、不足額は金銭で補う
  • 払込み・給付の債務と会社への債権は相殺できない
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第282条株主となる時期等株主となる日と権利行使の制限3項判例なし
  • 新株予約権を行使した日に株式の株主となる
  • 出資の仮装がある場合、支払等が済むまで株主権を行使できない
  • 仮装株式を譲り受けた者は、悪意・重過失がなければ株主権を行使できる
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2

会社が取得する

取得条項付新株予約権

第273条取得する日の決定取得条項付新株予約権の取得日の決定3項判例なし
  • 取得日は株主総会(取締役会設置会社は取締役会)の決議で決定
  • 取得日の2週間前までに新株予約権者・登録質権者へ通知
  • 通知は公告で代えることができる
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第274条取得する新株予約権の決定等取得する取得条項付新株予約権の決定4項判例なし
  • 複数の中から取得対象の新株予約権を決定する場合に適用
  • 決定は株主総会(取締役会設置会社は取締役会)の決議による
  • 決定後直ちに対象の新株予約権者・登録質権者へ通知(公告可)
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第275条効力の発生等取得条項付新株予約権の効力発生5項・6号判例なし
  • 定めた事由が生じた日に会社が新株予約権を取得する
  • 新株予約権付社債付きの場合は同日に社債も取得する
  • 事由発生後遅滞なく新株予約権者・登録質権者へ通知(公告可)
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消却する

自己新株予約権の消却

第276条自己新株予約権の消却2項判例なし
  • 会社は自己新株予約権を消却でき、内容・数を定める
  • 取締役会設置会社では取締役会の決議で決定する
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原

条文原文

原文ママ

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会社法 第280条(新株予約権の行使) 詳細ページ
(新株予約権の行使)
第二百八十条新株予約権の行使は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。
一その行使に係る新株予約権の内容及び数
二新株予約権を行使する日
2証券発行新株予約権を行使しようとするときは、当該証券発行新株予約権の新株予約権者は、当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を株式会社に提出しなければならない。ただし、当該新株予約権証券が発行されていないときは、この限りでない。
3証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権を行使しようとする場合には、当該新株予約権の新株予約権者は、当該新株予約権を付した新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を株式会社に提示しなければならない。この場合において、当該株式会社は、当該新株予約権付社債券に当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権が消滅した旨を記載しなければならない。
4前項の規定にかかわらず、証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権を行使しようとする場合において、当該新株予約権の行使により当該証券発行新株予約権付社債についての社債が消滅するときは、当該新株予約権の新株予約権者は、当該新株予約権を付した新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を株式会社に提出しなければならない。
5第三項の規定にかかわらず、証券発行新株予約権付社債についての社債の償還後に当該証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権を行使しようとする場合には、当該新株予約権の新株予約権者は、当該新株予約権を付した新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券を株式会社に提出しなければならない。
6株式会社は、自己新株予約権を行使することができない。
会社法 第281条(新株予約権の行使に際しての払込み) 詳細ページ
(新株予約権の行使に際しての払込み)
第二百八十一条金銭を新株予約権の行使に際してする出資の目的とするときは、新株予約権者は、前条第一項第二号の日に、株式会社が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、その行使に係る新株予約権についての第二百三十六条第一項第二号の価額の全額を払い込まなければならない。
2金銭以外の財産を新株予約権の行使に際してする出資の目的とするときは、新株予約権者は、前条第一項第二号の日に、その行使に係る新株予約権についての第二百三十六条第一項第三号の財産を給付しなければならない。この場合において、当該財産の価額が同項第二号の価額に足りないときは、前項の払込みの取扱いの場所においてその差額に相当する金銭を払い込まなければならない。
3新株予約権者は、第一項の規定による払込み又は前項の規定による給付をする債務と株式会社に対する債権とを相殺することができない。
会社法 第282条(株主となる時期等) 詳細ページ
(株主となる時期等)
第二百八十二条新株予約権を行使した新株予約権者は、当該新株予約権を行使した日に、当該新株予約権の目的である株式の株主となる。
2新株予約権を行使した新株予約権者であって第二百八十六条の二第一項各号に掲げる者に該当するものは、当該各号に定める支払若しくは給付又は第二百八十六条の三第一項の規定による支払がされた後でなければ、第二百八十六条の二第一項各号の払込み又は給付が仮装された新株予約権の目的である株式について、株主の権利を行使することができない。
3前項の株式を譲り受けた者は、当該株式についての株主の権利を行使することができる。ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。
会社法 第273条(取得する日の決定) 詳細ページ
(取得する日の決定)
第二百七十三条取得条項付新株予約権(第二百三十六条第一項第七号イに掲げる事項についての定めがある新株予約権をいう。以下この章において同じ。)の内容として同号ロに掲げる事項についての定めがある場合には、株式会社は、同号ロの日を株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。ただし、当該取得条項付新株予約権の内容として別段の定めがある場合は、この限りでない。
2第二百三十六条第一項第七号ロの日を定めたときは、株式会社は、取得条項付新株予約権の新株予約権者(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、次条第一項の規定により決定した取得条項付新株予約権の新株予約権者)及びその登録新株予約権質権者に対し、当該日の二週間前までに、当該日を通知しなければならない。
3前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。
会社法 第274条(取得する新株予約権の決定等) 詳細ページ
(取得する新株予約権の決定等)
第二百七十四条株式会社は、新株予約権の内容として第二百三十六条第一項第七号ハに掲げる事項についての定めがある場合において、取得条項付新株予約権を取得しようとするときは、その取得する取得条項付新株予約権を決定しなければならない。
2前項の取得条項付新株予約権は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。ただし、当該取得条項付新株予約権の内容として別段の定めがある場合は、この限りでない。
3第一項の規定による決定をしたときは、株式会社は、同項の規定により決定した取得条項付新株予約権の新株予約権者及びその登録新株予約権質権者に対し、直ちに、当該取得条項付新株予約権を取得する旨を通知しなければならない。
4前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。
会社法 第275条(効力の発生等) 詳細ページ
(効力の発生等)
第二百七十五条株式会社は、第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた日(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、第一号に掲げる日又は第二号に掲げる日のいずれか遅い日。次項及び第三項において同じ。)に、取得条項付新株予約権(同条第一項第七号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、前条第一項の規定により決定したもの。次項及び第三項において同じ。)を取得する。
二前条第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日から二週間を経過した日
2前項の規定により株式会社が取得する取得条項付新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、株式会社は、第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた日に、当該新株予約権付社債についての社債を取得する。
3次の各号に掲げる場合には、取得条項付新株予約権の新株予約権者(当該株式会社を除く。)は、第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた日に、同号に定める事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。
一第二百三十六条第一項第七号ニに掲げる事項についての定めがある場合同号ニの株式の株主
二第二百三十六条第一項第七号ホに掲げる事項についての定めがある場合同号ホの社債の社債権者
三第二百三十六条第一項第七号ヘに掲げる事項についての定めがある場合同号ヘの他の新株予約権の新株予約権者
四第二百三十六条第一項第七号トに掲げる事項についての定めがある場合同号トの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者
4株式会社は、第二百三十六条第一項第七号イの事由が生じた後、遅滞なく、取得条項付新株予約権の新株予約権者及びその登録新株予約権質権者(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、前条第一項の規定により決定した取得条項付新株予約権の新株予約権者及びその登録新株予約権質権者)に対し、当該事由が生じた旨を通知しなければならない。ただし、第二百七十三条第二項の規定による通知又は同条第三項の公告をしたときは、この限りでない。
5前項本文の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。
会社法 第276条 詳細ページ
第二百七十六条株式会社は、自己新株予約権を消却することができる。この場合においては、消却する自己新株予約権の内容及び数を定めなければならない。
2取締役会設置会社においては、前項後段の規定による決定は、取締役会の決議によらなければならない。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。