会社法 / テーマ別まとめ

招集通知と参考書類

いつまでに何を送るか。書面投票を採用すると送るものが増える。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

招集通知は、株主総会の開催を株主に知らせる手続きで、いつまでに・どの方法で発するかは、公開会社か非公開会社か、書面投票や電子投票を採用しているかによって変わる。書面投票または電子投票を定めた場合は、通知を書面(または株主の承諾を得た電磁的方法)でしなければならず、あわせて株主総会参考書類や議決権行使書面の交付も必要になる。株主全員の同意があれば招集手続自体を省略できるが、書面投票等を定めた場合はこの省略はできない。

招集通知の期限・方式・添付書類
区分通知期限通知方式添付書類
公開会社・書面投票等なし総会2週間前まで取締役会設置会社は書面なし
非公開会社・書面投票等なし総会1週間前まで取締役会設置会社は書面なし
公開・非公開共通・書面投票あり総会2週間前まで書面(電磁的方法も可)参考書類・議決権行使書面
公開・非公開共通・電子投票あり総会2週間前まで書面(電磁的方法も可)参考書類(議決権行使書面は電磁的提供)
  • 非公開会社かつ取締役会非設置会社は、定款でさらに短い期間を定められる
  • 株主の承諾があれば書面通知に代えて電磁的方法(メール等)で通知できる
  • 電磁的通知の承諾株主には参考書類等を電磁的方法で提供できるが、請求があれば書面交付が必要
  • 電子投票を定めた場合、非承諾株主から総会1週間前までに請求があれば直ちに電磁的提供が必要
  • 株主全員の同意があれば招集手続を省略できるが、書面投票・電子投票を定めた場合は省略不可
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いつまでに送るか

2週間前と1週間前

第299条株主総会の招集の通知招集通知の期限と書面要否を定める4項・2号旧商法 10件
  • 通知は総会の2週間前までに発するのが原則
  • 非公開会社は1週間前まで(書面投票等を定めた場合を除く)
  • 取締役会設置会社か書面投票等ありなら書面必須(電磁的方法も可)
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何を送るか

参考書類と議決権行使書面

第301条株主総会参考書類及び議決権行使書面の交付等書面投票を採用すると参考書類等を交付する2項判例なし
  • 書面投票を定めたら通知に際し参考書類と議決権行使書面を交付
  • 電磁的通知の承諾株主には電磁的方法での提供も可(請求があれば書面交付)
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第302条電子投票を採用すると参考書類を交付する4項判例なし
  • 電子投票を定めたら通知に際し参考書類を交付
  • 電磁的通知の承諾株主には議決権行使書面の記載事項も電磁的に提供
  • 非承諾株主から総会1週間前までに請求があれば直ちに電磁的提供
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省略できる場合

株主全員の同意

第300条招集手続の省略全員同意があれば招集手続を省略できる1項判例なし
  • 株主全員が同意すれば招集手続なしで開催可能
  • 書面投票・電子投票を定めた場合は省略できない
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第299条旧商法下の裁判例

一 株式会社のいわゆる全員出席総会における決議の効力
二 株主の代理人の出席を含むいわゆる全員出席総会における決議が有効となる場合

裁判要旨一 招集手続を欠くのに株主全員が株主総会の開催に同意して出席したいわゆる全員出席総会においてされた決議は、総会の決議として有効に成立する。
二 株主の代理人の出席を含むいわゆる全員出席総会における決議は、当該株主が会議の目的たる事項を了知したうえで委任をし、かつ、決議の内容が右事項の範囲内のものである場合には、総会の決議として有効に成立する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和60年12月20日 昭和58(オ)1567
登載
民集 第39巻8号1869頁
参照法条
商法(昭和56年法律第74号による改正前のもの)230条ノ2,商法231条,商法232条,商法239条1項,商法239条3項,商法239条4項
論点2第299条旧商法下の裁判例

株主総会招集手続に瑕疵がある場合であつても決議取消請求を棄却するのが相当であるとされた事例

裁判要旨二七〇〇株の株主に対する株主総会の招集通知に法定の招集期間より六日足りない瑕疵がある場合であつても、右株主に対しては代表取締役があらかじめ総会の議題を話しており、右株主も総会が右株主の住居と同一建物内で開催されることを熟知しながら意識的に出席を拒否したものであり、かつ、他の七三〇〇株の株主全員が出席して全会一致で解散の決議をしたなど、原判示のような事情のもとにおいては、決議取消請求を棄却するのが相当である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和55年6月16日 昭和55(オ)193
登載
集民 第130号15頁
参照法条
商法232条1項,商法247条
論点3第299条旧商法下の裁判例

少数株主の請求に基づく取締役解任を目的とする臨時総会の招集と商法二七一条一項の会社の常務

裁判要旨取締役の解任を目的とする臨時総会の招集は、少数株主による招集請求に基づくときでも、商法二七一条一項にいう会社の常務に属さない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和50年6月27日 昭和50(オ)157
登載
民集 第29巻6号879頁
参照法条
商法232条,商法235条,商法237条,商法270条,商法271条
論点4第299条旧商法下の裁判例

いわゆる一人会社と株主総会の成立

裁判要旨いわゆる一人会社においては、その一人の株主が出席すれば、招集の手続がなくても、株主総会は成立する。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和46年6月24日 昭和43(オ)826
登載
民集 第25巻4号596頁
参照法条
商法231条,商法232条,商法239条1項
論点5第299条旧商法下の裁判例

一、株主総会招集の手続またはその決議の方法に重大なかしがある場合と決議取消請求の裁量棄却
二、株主総会招集の手続に決議取消請求を裁量棄却することの許されない重大なかしがあるとされた事例

裁判要旨一、株主総会招集の手続またはその決議の方法に性質、程度等からみて重大なかしがある場合には、そのかしが決議の結果に影響を及ぼさないと認められるようなときでも、裁判所は、右決議の取消請求を認容すべきであつて、これを裁量棄却することは許されない。
二、株主総会招集の手続が、その招集につき決定の権限を有する取締役会の有効な決議に基づかないでなされたものであるのみならず、その招集の通知が、すべての株主に対して法定の招集期間に二日足りない会日より一二日前になされたものであるときは、右株主総会招集の手続には、右総会の決議の取消請求を裁量棄却することの許されない重大なかしがあるというべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和46年3月18日 昭和44(オ)89
登載
民集 第25巻2号183頁
参照法条
商法247条,商法231条,商法232条1項
論点6第299条旧商法下の裁判例

株主総会の決議の取消を不適当する事情がある場合にあたらないとされた事例

裁判要旨株主総会における数個の決議の取消を求める訴において、各決議の取消原因として、株主総会につき発せられた招集通知期間に判示のような著しい不足があるのみならず、一個の決議を除く他の決議については、招集通知に会議の目的たる事項の記載がなかつたという瑕疵があるときは、これらの瑕疵は軽微とはいえず、すべての決議について、その取消を不適当とする事情がある場合にあたるとは到底認められない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和44年12月18日 昭和43(オ)913
登載
集民 第97号799頁
参照法条
商法232条,商法247条
論点7第299条旧商法下の裁判例

いわゆる同族会社における株主総会の招集手続は口頭の通知をもつてすることが許されるか。

裁判要旨同族会社における株主総会の招集手続について、有限会社法第三八条等の特別規定はないから、商法第二三二条の手続によらねばならない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和38年8月8日 昭和36(オ)1376
登載
集民 第67号245頁
参照法条
商法232条
論点8第299条旧商法下の裁判例

合資会社の社員の決議と社員に対する予めの通知の要否

裁判要旨合資会社の社員の決議については、予め社員に対し、相当期間を定めて決議事項を通知することは、法律上必要ではない
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和33年5月20日 昭和31(オ)983
登載
民集 第12巻7号1086頁
参照法条
商法68条,商法86条1項,商法147条,商法232条1項,商法232条2項,民法62条
論点9第299条旧商法下の裁判例

株主総会の決議が不存在と認められた事例。

裁判要旨株主九名、株式総数五、〇〇〇株の株式会社において、株主の一名である代表取締役が、単に、自己の実子である二名の株主に口頭で株主総会招集の通知をしただけで、他の六名の株主(その持株二、一〇〇株)には招集の通知を全然なさず、右親子三名だけが株式総会としての決議をしても、これにより株主総会が成立しその決議があつたものということはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和33年10月3日 昭和31(オ)396
登載
民集 第12巻14号3053頁
参照法条
商法232条,商法252条
論点10第299条旧商法下の裁判例

一 特定の株主に対する株主総会の招集通知の欠如と他の株主との関係における取締役の職務上の義務違反の有無
二 定款上株式の譲渡には取締役会の承認を要することとされている会社において既に競売により株式を失っていたが株主名簿には株主として記載されていた者に対し株主総会の招集通知が行われないまま決議がされた場合に取締役に悪意又は重大な過失による職務上の義務違反がなかったとはいえないとされた事例

裁判要旨一 特定の株主に対する株主総会の招集通知の欠如は、すべての株主に対する関係において取締役の職務上の義務違反に当たる。
二 定款上株式の譲渡には取締役会の承認を要することとされている会社において、既に競売により株式を失っていたが株主名簿には株主として記載されていた者に対し株主総会の招集通知が行われないまま決議がされた場合に、右当時、右の者が会社を被告として株主としての地位の確認を請求する訴訟において請求を棄却すべきものとする判決が言い渡されていたものの、同判決は未確定であったなど判示の事実関係の下においては、右の者に対する株主総会の招集通知の欠如につき取締役に悪意又は重大な過失による職務上の義務違反がなかったとはいえない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成9年9月9日 平成6(オ)362
登載
集民 第185号199頁
参照法条
商法204条1項,商法224条1項,商法231条,商法266条ノ3第1項,商法(平成2年法律第64号による改正前のもの)204条ノ2,商法(平成2年法律第64号による改正前のもの)204条ノ5,商法(平成2年法律第64号による改正前のもの)206条1項,商法(平成2年法律第64号による改正前のもの)232条,民訴法225条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

会社法 第299条(株主総会の招集の通知) 詳細ページ
(株主総会の招集の通知)
第二百九十九条株主総会を招集するには、取締役は、株主総会の日の二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、公開会社でない株式会社にあっては、一週間(当該株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))前までに、株主に対してその通知を発しなければならない。
2次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。
一前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合
二株式会社が取締役会設置会社である場合
3取締役は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、株主の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。この場合において、当該取締役は、同項の書面による通知を発したものとみなす。
4前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
会社法 第301条(株主総会参考書類及び議決権行使書面の交付等) 詳細ページ
(株主総会参考書類及び議決権行使書面の交付等)
第三百一条取締役は、第二百九十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第二百九十九条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この節において「株主総会参考書類」という。)及び株主が議決権を行使するための書面(以下この節において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。
2取締役は、第二百九十九条第三項の承諾をした株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による株主総会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。ただし、株主の請求があったときは、これらの書類を当該株主に交付しなければならない。
会社法 第302条 詳細ページ
第三百二条取締役は、第二百九十八条第一項第四号に掲げる事項を定めた場合には、第二百九十九条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、株主総会参考書類を交付しなければならない。
2取締役は、第二百九十九条第三項の承諾をした株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による株主総会参考書類の交付に代えて、当該株主総会参考書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。ただし、株主の請求があったときは、株主総会参考書類を当該株主に交付しなければならない。
3取締役は、第一項に規定する場合には、第二百九十九条第三項の承諾をした株主に対する同項の電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。
4取締役は、第一項に規定する場合において、第二百九十九条第三項の承諾をしていない株主から株主総会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該株主に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。
会社法 第300条(招集手続の省略) 詳細ページ
(招集手続の省略)
第三百条前条の規定にかかわらず、株主総会は、株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。ただし、第二百九十八条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。