会社法 / テーマ別まとめ

会計監査人と会計参与

外部の専門家が関わる2つの機関。資格・権限・報告先の違い。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

会計監査人と会計参与は、いずれも公認会計士や税理士など外部の専門家が就任する株式会社の機関である。会計監査人は独立した立場から計算書類等を監査し、会計参与は取締役と共同で計算書類等を作成するというように、会社への関わり方や情報を伝える相手が異なる。本ページでは資格要件、選任時の扱い、職務の内容、報告・開示の相手を整理する。

会計監査人と会計参与の比較
機関資格選任時の手続職務内容報告・開示先
会計監査人公認会計士又は監査法人監査法人なら担当者を選び通知計算書類等を監査し会計監査報告を作成不正発見時は監査役等へ報告
会計参与公認会計士・税理士(法人含む)法人なら担当者を選び通知取締役と共同で計算書類を作成株主・債権者へ書類を備置き閲覧に応じる
  • 会計監査人には、監査を行えない公認会計士や、子会社等から継続的報酬を得る者などは就任できない(337条3項)
  • 会計参与には、会社・子会社の取締役等や使用人、業務停止中の者などは就任できない(333条3項)
  • 会計監査人・会計参与とも、必要なら子会社に報告を求め調査できるが、子会社は正当な理由があれば拒める
  • 会計監査人は、監査役と意見が異なるときや総会の決議があるときは定時株主総会に出席して意見を述べる
  • 会計参与は、計算書類等を定時株主総会の日の1週間(取締役会設置会社は2週間)前から5年間備え置く
  • 選任・解任の具体的な手続や任期については、ここで扱う条文には定めがない
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会計監査人

資格・権限・不正の報告

第337条会計監査人の資格等会計監査人になれるのは公認会計士・監査法人3項・3号判例なし
  • 監査法人が選ばれたら社員の中から担当者を選び会社に通知する
  • 監査できない公認会計士や、子会社等から継続報酬を得る者は不可
  • 該当者が社員の半数以上を占める監査法人も不可
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第396条会計監査人の権限等会計監査人は計算書類を監査し報告書を作る6項・5号判例なし
  • 会計帳簿等をいつでも閲覧・謄写でき、会計に関する報告も求められる
  • 必要なら子会社にも報告要求・調査ができる(正当な理由があれば拒否可)
  • 子会社の取締役等や継続報酬を受ける者を補助者に使えない
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第397条監査役に対する報告不正等を見つけたら監査役へ報告する5項判例なし
  • 取締役の職務執行に関する不正行為や法令・定款違反の重大事実は遅滞なく報告
  • 監査役は会計監査人に監査に関する報告を求められる
  • 監査役会や監査等委員会設置会社では宛先が監査役会等に変わる
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意見を述べる

定時株主総会での意見陳述

第398条定時株主総会における会計監査人の意見の陳述監査役と意見が違えば総会で意見を述べられる5項判例なし
  • 書類の適法性で監査役と意見が異なるときは総会に出席し意見を述べられる
  • 総会が出席を求める決議をしたときは出席し意見を述べなければならない
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会計参与

資格・職務・計算書類の備置き

第333条会計参与の資格等会計参与は公認会計士・税理士等に限る3項・3号判例なし
  • 監査法人・税理士法人が選ばれたら担当者を選び会社に通知する
  • 会社・子会社の取締役等や使用人は会計参与になれない
  • 業務停止中の者や税理士業務を行えない者もなれない
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第374条会計参与の権限取締役と共同で計算書類を作り報告書を作る6項・2号判例なし
  • 会計帳簿等をいつでも閲覧・謄写し、会計に関する報告も求められる
  • 必要なら子会社にも報告要求・調査ができる(正当な理由があれば拒否可)
  • 資格を欠く者や税理士業務を行えない者を補助者に使えない
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第378条会計参与による計算書類等の備置き等計算書類等を備え置き株主等の閲覧に応じる3項・6号判例なし
  • 定時総会の1週間前(取締役会設置会社は2週間前)から5年間備置く
  • 臨時計算書類は作成した日から5年間備置く
  • 株主・債権者は閲覧等を請求でき、親会社社員も裁判所許可があれば請求可
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関連する会計・監査の基準

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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

会社法 第337条(会計監査人の資格等) 詳細ページ
(会計監査人の資格等)
第三百三十七条会計監査人は、公認会計士又は監査法人でなければならない。
2会計監査人に選任された監査法人は、その社員の中から会計監査人の職務を行うべき者を選定し、これを株式会社に通知しなければならない。この場合においては、次項第二号に掲げる者を選定することはできない。
3次に掲げる者は、会計監査人となることができない。
一公認会計士法の規定により、第四百三十五条第二項に規定する計算書類について監査をすることができない者
二株式会社の子会社若しくはその取締役、会計参与、監査役若しくは執行役から公認会計士若しくは監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者又はその配偶者
三監査法人でその社員の半数以上が前号に掲げる者であるもの
会社法 第396条(会計監査人の権限等) 詳細ページ
(会計監査人の権限等)
第三百九十六条会計監査人は、次章の定めるところにより、株式会社の計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに連結計算書類を監査する。この場合において、会計監査人は、法務省令で定めるところにより、会計監査報告を作成しなければならない。
2会計監査人は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対し、会計に関する報告を求めることができる。
一会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面
二会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの
3会計監査人は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人設置会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は会計監査人設置会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。
4前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。
5会計監査人は、その職務を行うに当たっては、次のいずれかに該当する者を使用してはならない。
一第三百三十七条第三項第一号又は第二号に掲げる者
二会計監査人設置会社又はその子会社の取締役、会計参与、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人である者
三会計監査人設置会社又はその子会社から公認会計士又は監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者
6指名委員会等設置会社における第二項の規定の適用については、同項中「取締役」とあるのは、「執行役、取締役」とする。
会社法 第397条(監査役に対する報告) 詳細ページ
(監査役に対する報告)
第三百九十七条会計監査人は、その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを監査役に報告しなければならない。
2監査役は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人に対し、その監査に関する報告を求めることができる。
3監査役会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。
4監査等委員会設置会社における第一項及び第二項の規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査等委員会」と、第二項中「監査役」とあるのは「監査等委員会が選定した監査等委員」とする。
5指名委員会等設置会社における第一項及び第二項の規定の適用については、第一項中「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」と、「監査役」とあるのは「監査委員会」と、第二項中「監査役」とあるのは「監査委員会が選定した監査委員会の委員」とする。
会社法 第398条(定時株主総会における会計監査人の意見の陳述) 詳細ページ
(定時株主総会における会計監査人の意見の陳述)
第三百九十八条第三百九十六条第一項に規定する書類が法令又は定款に適合するかどうかについて会計監査人が監査役と意見を異にするときは、会計監査人(会計監査人が監査法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員。次項において同じ。)は、定時株主総会に出席して意見を述べることができる。
2定時株主総会において会計監査人の出席を求める決議があったときは、会計監査人は、定時株主総会に出席して意見を述べなければならない。
3監査役会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会又は監査役」とする。
4監査等委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査等委員会又は監査等委員」とする。
5指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査委員会又はその委員」とする。
会社法 第333条(会計参与の資格等) 詳細ページ
(会計参与の資格等)
第三百三十三条会計参与は、公認会計士若しくは監査法人又は税理士若しくは税理士法人でなければならない。
2会計参与に選任された監査法人又は税理士法人は、その社員の中から会計参与の職務を行うべき者を選定し、これを株式会社に通知しなければならない。この場合においては、次項各号に掲げる者を選定することはできない。
3次に掲げる者は、会計参与となることができない。
一株式会社又はその子会社の取締役、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人
二業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者
三税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第四十三条の規定により同法第二条第二項に規定する税理士業務を行うことができない者
会社法 第374条(会計参与の権限) 詳細ページ
(会計参与の権限)
第三百七十四条会計参与は、取締役と共同して、計算書類(第四百三十五条第二項に規定する計算書類をいう。以下この章において同じ。)及びその附属明細書、臨時計算書類(第四百四十一条第一項に規定する臨時計算書類をいう。以下この章において同じ。)並びに連結計算書類(第四百四十四条第一項に規定する連結計算書類をいう。第三百九十六条第一項において同じ。)を作成する。この場合において、会計参与は、法務省令で定めるところにより、会計参与報告を作成しなければならない。
2会計参与は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は取締役及び支配人その他の使用人に対して会計に関する報告を求めることができる。
一会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面
二会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの
3会計参与は、その職務を行うため必要があるときは、会計参与設置会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は会計参与設置会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。
4前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。
5会計参与は、その職務を行うに当たっては、第三百三十三条第三項第二号又は第三号に掲げる者を使用してはならない。
6指名委員会等設置会社における第一項及び第二項の規定の適用については、第一項中「取締役」とあるのは「執行役」と、第二項中「取締役及び」とあるのは「執行役及び取締役並びに」とする。
会社法 第378条(会計参与による計算書類等の備置き等) 詳細ページ
(会計参与による計算書類等の備置き等)
第三百七十八条会計参与は、次の各号に掲げるものを、当該各号に定める期間、法務省令で定めるところにより、当該会計参与が定めた場所に備え置かなければならない。
一各事業年度に係る計算書類及びその附属明細書並びに会計参与報告定時株主総会の日の一週間(取締役会設置会社にあっては、二週間)前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から五年間
二臨時計算書類及び会計参与報告臨時計算書類を作成した日から五年間
2会計参与設置会社の株主及び債権者は、会計参与設置会社の営業時間内(会計参与が請求に応ずることが困難な場合として法務省令で定める場合を除く。)は、いつでも、会計参与に対し、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該会計参与の定めた費用を支払わなければならない。
一前項各号に掲げるものが書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求
二前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求
三前項各号に掲げるものが電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
四前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって会計参与の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
3会計参与設置会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該会計参与設置会社の第一項各号に掲げるものについて前項各号に掲げる請求をすることができる。ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該会計参与の定めた費用を支払わなければならない。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。