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総則/法人

法人の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

民法33条から37条は、法人がどのような根拠で成立し、どこまで活動できるかという基本ルールを定めています。あわせて外国法人の扱いと、法人・外国法人の登記義務についても定めています。

法人
項目日本法人外国法人
成立の根拠法律の規定による原則不認許、例外あり
活動範囲目的の範囲内で権利義務認許法人は原則同種内国法人と同一
登記義務あり事務所設置から3週間以内
登記懈怠の制裁―代表者に50万円以下の過料
  • 外国法人のうち認許の対象は、法律・条約で認許されたものに限られる。
  • 認許された外国法人でも、外国人が享有できない権利や法律・条約上の特別規定がある権利は除かれる。
  • 外国法人の登記事項の変更・移転・代表者の職務停止等の仮処分にも、それぞれ別の登記・期間が定められている。
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法人

法人について、条文は何を定めているか。

第33条法人の成立等法人は法律の根拠がないと成立しない2項判例 20件
  • 法人成立には民法や他の法律の規定が必要
  • 公益法人・営利法人など全ての法人の設立・運営に法律の規定が適用される
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第34条法人の能力法人は定款で定めた目的の範囲でのみ権利義務を持つ1項判例 3件
  • 法令に従い、定款など基本約款の目的の範囲内で権利義務を負う
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第35条外国法人外国法人は原則成立を認められない2項判例なし
  • 国・国の行政区画・外国会社は認許不要の対象
  • それ以外の外国法人は法律・条約による認許がなければ成立を認められない
  • 認許された外国法人は日本の同種法人と同一の私権を持つが、外国人が持てない権利等は除く
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第36条登記法人・外国法人は登記をする1項判例 1件
  • 法律その他の法令の定めに従って登記する
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第37条外国法人の登記外国法人は事務所設置から3週間以内に登記する8項・6号判例 3件
  • 準拠法・目的・名称・所在場所・存続期間・代表者の氏名住所を登記
  • 変更が生じたら3週間以内に変更登記、登記前は変更を第三者に対抗できない
  • 代表者の職務停止・代行者選任の仮処分等も登記が必要
  • 事務所移転時は旧所在地で3週間以内、新所在地で4週間以内に登記
  • 同一登記所管轄内の移転は移転登記のみでよい
  • 初めて日本に事務所を設けた場合、登記までは第三者が法人成立を否認できる
  • 登記を怠った代表者は50万円以下の過料
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第33条民法

一 沖繩における血縁団体であるいわゆる門中が権利能力なき社団にあたるとされた事例
二 権利能力なき社団と仮理事の選任

裁判要旨一 沖繩における血縁団体であるいわゆる門中が、家譜記録等によつて構成員の範囲を特定することができ、慣行により、有力家の当主を代表機関とし、かつ、毎年一定の時期に構成員の総意によつて選任される当番員を日常業務の執行機関として定め、また、祖先の一人によつて寄附された土地等の財産を門中財産として有し、これを管理利用して得た収益によつて祖先の祭祀等の行事、門中模合(頼母子講の一種)その他の相互扶助事業を行つてきたなど、判示のような実態を有する場合には、その門中は権利能力なき社団にあたる。
二 権利能力なき社団において、代表者が欠け遅滞のため損害を生ずるおそれのある場合には、裁判所は、民法五六条を類推して仮理事を選任することができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和55年2月8日 昭和50(オ)701
登載
民集 第34巻2号138頁
参照法条
民法33条,民法56条,民訴法46条
論点2第33条民法

権利能力なき社団の代表者が構成員の総有に属する不動産について構成員から信託的に与えられた財産管理権限に基づき総有権確認請求をすることができないとされた事例

裁判要旨権利能力なき社団の複数の代表者の各々が構成員の総有に属する不動産について構成員から信託的に管理権限を与えられている場合であつても、その不動産が右社団にとつて重要な資産であり、代表者全員の共有名義とされているなど、判示の事情があるときには、各代表者は、代表者全員の合意に基づくのでなければ、右管理権限に基づき右不動産につき総有権確認を請求することができない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和55年2月8日 昭和50(オ)702
登載
集民 第129号173頁
参照法条
民法33条,民法43条,民訴法46条,民訴法225条
論点3第33条民法

新会社の設立につき旧会社の債務の支払を免れることを目的とするなどの事情が存する場合において旧会社に対する債務名義につき新会社に対する強制執行のため執行文付与を命ずることができないとされた事例

裁判要旨新会社の設立について旧会社の負担する債務の支払を免れることを目的とするなど判示の事情が存する場合においても、旧会社と新会社を同一の法人格と解し、又は法人格否認の法理に基づいて、旧会社に対する債務名義につき新会社に対する強制執行のため執行文の付与を命ずることはできない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和53年9月14日 昭和50(オ)745
登載
集民 第125号57頁
参照法条
民法33条,商法52条,商法428条,民訴法521条
論点4第33条民法

権利能力のない社団の取引上の債務と社団構成員の責任

裁判要旨権利能力のない社団の代表者が社団の名においてした取引上の債務は、社団の構成員全員に一個の義務として総有的に帰属し、社団の総有財産だけがその責任財産となり、構成員各自は、取引の相手方に対し個人的債務ないし責任を負わない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和48年10月9日 昭和45(オ)1038
登載
民集 第27巻9号1129頁
参照法条
民法33条,民法427条,民法675条,民訴法46条
論点5第33条民法

新会社が旧会社と法人格を異にするとの実体法上および訴訟法上の主張が信義則に反し許されないとされた事例

裁判要旨株式会社の代表取締役が、会社が賃借している居室の明渡し、延滞賃料等の債務を免れるために、会社の商号を変更したうえ、旧商号と同一の商号を称し、その代表取締役、監査役、本店所在地、営業所、什器備品、従業員が旧会社のそれと同一で、営業目的も旧会社のそれとほとんど同一である新会社を設立したにもかかわらず、右商号変更および新会社設立の事実を賃貸人に知らせなかつたため、賃貸人が、右事実を知らないで、旧会社の旧商号であり、かつ、新会社の商号である会社名を表示して、旧会社の債務の履行を求める訴訟を提起したところ、新旧両会社の代表取締役を兼ねる者が、これに応訴し、一年以上にわたる審理の期間中、商号変更、新会社設立の事実についてなんらの主張もせず、かつ、旧会社が居室を賃借したことを自白するなど原判示のような事情(原判決理由参照)のもとにおいては、その後にいたつて同人が新会社の代表者として、新旧両会社が別異の法人格であるとの実体法上および訴訟法上の主張をすることは、信義則に反し許されない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和48年10月26日 昭和45(オ)658
登載
民集 第27巻9号1240頁
参照法条
民法1条2項,民法33条,商法52条,民訴法第1編第4章第1節
論点6第33条民法

実質上の株主が一人である株式会社において法定の選任手続を経ないまま代表取締役として行動してきた右株主が会社を代表してした会社の債権譲渡行為につき法人格否認の法理の適用によりその効力を認めた事例

裁判要旨甲株式会社の株主のうち乙を除く者はすべて乙に株主の名義を貸与しているにすぎず、実質上の株主は乙一人であり、会社役員もまた乙のために役員の名義を貸与しているにすぎず、そのため同会社では株主総会が開かれたこともないのに、乙がその代表取締役として行動してきたという事情のもとにおいては、甲会社は、株式会社の形態をとってはいても、実質は乙の個人企業と異なるところはなく、甲会社すなわち乙個人であって、甲会社の名をもって丙との間にされた取引上の債権は、実質上、乙個人の債権と解することができ、乙が、法定の代表取締役の選任手続を経ていないにもかかわらず、甲会社の代表取締役名義をもってした第三者丁に対する右債権の譲渡行為および債務者丙に対するその旨の通知行為は、実質上の権利の帰属者のした行為としてその効力を生じ、丙は、譲渡の効果を争うことはできないものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和47年3月9日 昭和43(オ)232
登載
集民 第105号269頁
参照法条
民法33条,商法52条,商法261条
論点7第33条民法

一、法人格否認の法理
二、実質が個人企業と認められる株式会社における取引の効果の帰属

裁判要旨一、社団法人において、法人格がまつたくの形骸にすぎない場合またはそれが法律の適用を回避するために濫用される場合には、その法人格を否認することができる。
二、株式会社の実質がまつたく個人企業と認められる場合には、これと取引をした相手方は、会社名義でされた取引についても、これを背後にある実体たる個人の行為と認めて、その責任を追求することができ、また、個人名義でされた取引についても、商法五〇四条によらないで、直ちにこれを会社の行為と認めることができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和44年2月27日 昭和43(オ)877
登載
民集 第23巻2号511頁
参照法条
民法33条,商法52条,商法504条
論点8第33条民法

法人格のない社団に当たると認められた事例

裁判要旨普通地方公共団体の区域に属する特定地域の住民により結成された任意団体であつて、当該地方公共団体の下部行政区画でも、財産区でもなく、原判示のような規約に基づいて存続・活動しているもの(原判決理由参照)は、法人格のない社団に当たると解すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和42年10月19日 昭和41(オ)40
登載
民集 第21巻8号2078頁
参照法条
民法33条,民訴法46条
論点9第33条民法

一 法人に非ざる社団の成立要件。
二 法人に非ざる社団の資産の帰属。

裁判要旨一 法人に非ざる社団が成立するためには、団体としての組織をそなえ、多数決の原則が行なわれ、構成員の変更にかかわらず団体が存続し、その組織において代表の方法、総会の運営、財産の管理等団体としての主要な点が確定していることを要する。
二 法人に非ざる社団がその名においてその代表者により取得した資産は、構成員に総有的に帰属するものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和39年10月15日 昭和35(オ)1029
登載
民集 第18巻8号1671頁
参照法条
民法33条,民訴法46条
論点10第33条民法

権利能力なき社団等が法人格を取得した場合と民法一八七条一項

裁判要旨民法一八七条一項〈占有の承継〉は、権利能力なき社団等の占有する不動産を法人格を取得した以後当該法人が引き継いで占有している場合にも適用がある。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成元年12月22日 平成1(オ)1382
登載
集民 第158号845頁
参照法条
民法33条,民法187条1項
論点11第33条民法

一 総有権確認請求訴訟において入会団体が原告適格を有する場合
二 権利能力のない社団である入会団体の代表者が総有権確認請求訴訟を原告の代表者として追行する場合における特別の授権の要否
三 権利能力のない社団である入会団体の代表者でない構成員が総有不動産についての登記手続請求訴訟の原告適格を有する場合

裁判要旨一 入会権者である村落住民が入会団体を形成し、それが権利能力のない社団に当たる場合には、右入会団体は、構成員全員の総有に属する不動産についての総有権確認請求訴訟の原告適格を有する。
二 権利能力のない社団である入会団体の代表者が構成員全員の総有に属する不動産について総有権確認請求訴訟を原告の代表者として追行するには、右入会団体の規約等において右不動産を処分するのに必要とされる総会の議決等の手続による授権を要する。
三 権利能力のない社団である入会団体において、規約等に定められた手続により、構成員全員の総有に属する不動産について代表者でない構成員甲を登記名義人とすることとされた場合には、甲は、右不動産についての登記手続請求訴訟の原告適格を有する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成6年5月31日 平成3(オ)1724
登載
民集 第48巻4号1065頁
参照法条
民法33条,民法263条,民訴法45条,民訴法46条,民訴法58条
論点12第33条民法

権利能力のない社団の構成員全員に総有的に帰属する不動産につき所有権の登記名義人に対し当該社団の代表者の個人名義に所有権移転登記手続をすることを求める訴訟と当該社団の原告適格

裁判要旨権利能力のない社団は,構成員全員に総有的に帰属する不動産について,その所有権の登記名義人に対し,当該社団の代表者の個人名義に所有権移転登記手続をすることを求める訴訟の原告適格を有する。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成26年2月27日 平成23(受)2196
登載
民集 第68巻2号192頁
参照法条
民法33条,民訴法第1編第3章 当事者,民訴法29条,不動産登記法63条1項
論点13第33条民法

権利能力のない社団を債務者とする金銭債権を有する債権者が,当該社団の構成員全員に総有的に帰属し,当該社団のために第三者がその登記名義人とされている不動産に対して仮差押えをする場合における申立ての方法

裁判要旨権利能力のない社団を債務者とする金銭債権を有する債権者が,当該社団の構成員全員に総有的に帰属する不動産に対して仮差押えをする場合において,上記不動産につき,当該社団のために第三者がその登記名義人とされているときは,上記債権者は,仮差押命令の申立書に,上記不動産が当該社団の構成員全員の総有に属する事実を証する書面を添付して,当該社団を債務者とする仮差押命令の申立てをすることができ,上記書面は,強制執行の場合とは異なり,上記事実を証明するものであれば足り,必ずしも上記不動産が当該社団の構成員全員の総有に属することを確認する旨の上記債権者と当該社団及び上記登記名義人との間の確定判決その他これに準ずる文書であることを要しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成23年2月9日 平成22(許)43
登載
民集 第65巻2号665頁
参照法条
民法33条,民訴法29条,民事保全法20条,民事保全法21条,民事保全規則20条
論点14第33条民法

権利能力のない社団を債務者とする金銭債権を表示した債務名義を有する債権者が,当該社団の構成員全員に総有的に帰属し,当該社団のために第三者がその登記名義人とされている不動産に対して強制執行をしようとする場合における申立ての方法

裁判要旨権利能力のない社団を債務者とする金銭債権を表示した債務名義を有する債権者が,当該社団の構成員全員に総有的に帰属する不動産に対して強制執行をしようとする場合において,上記不動産につき,当該社団のために第三者がその登記名義人とされているときは,上記債権者は,強制執行の申立書に,当該社団を債務者とする執行文の付された上記債務名義の正本のほか,上記不動産が当該社団の構成員全員の総有に属することを確認する旨の上記債権者と当該社団及び上記登記名義人との間の確定判決その他これに準ずる文書を添付して,当該社団を債務者とする強制執行の申立てをすべきであり,上記債務名義につき,上記登記名義人を債務者として上記不動産を執行対象財産とする執行文の付与を求めることはできない。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成22年6月29日 平成21(受)1298
登載
民集 第64巻4号1235頁
参照法条
民法33条,民訴法29条,民事執行法23条3項,民事執行法25条,民事執行法27条2項,民事執行法33条,民事執行規則21条,民事執行規則23条
論点15第33条民法

第三者異議の訴えの原告についての法人格否認の法理の適用

裁判要旨第三者異議の訴えの原告の法人格が執行債務者に対する強制執行を回避するために濫用されている場合には,原告は,執行債務者と別個の法人格であることを主張して強制執行の不許を求めることは許されない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成17年7月15日 平成16(受)1611
登載
民集 第59巻6号1742頁
参照法条
民事執行法23条,民事執行法38条1項,民訴法115条,民法33条,商法52条
論点16第33条民法

権利能力のない社団である県営住宅の自治会の会員がいつでも当該自治会に対する一方的意思表示により退会することができるとされた事例

裁判要旨県営住宅の入居者によって構成され,権利能力のない社団である自治会の会員は,当該自治会が,会員相互の親ぼくを図ること,快適な環境の維持管理及び共同の利害に対処すること,会員相互の福祉・助け合いを行うことを目的として設立されたものであり,いわゆる強制加入団体でもなく,その規約において会員の退会を制限する規定を設けていないという事情の下においては,いつでも当該自治会に対する一方的意思表示により退会することができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成17年4月26日 平成16(受)1742
登載
集民 第216号639頁
参照法条
民法33条,民法37条
論点17第33条民法

大学が全学生,教官等により組織され学生の課外活動を推進する事業を行う権利能力のない社団の解散を決定することができるとされた事例

裁判要旨大学の学長を会長とし,全学生,教官等を会員として組織され,大学により設立を承認されて学生の課外活動を推進する事業を行う権利能力のない社団が,その事務室は大学構内にあり,課外活動を行う学生のサークルに対する大学の共用施設の提供や全学生から徴収した会費等を原資とする援助金の交付などに関する事務を行っていたこと,同社団の組織及び事業内容は,大学及びその教育活動と密接な関係を有するものであったこと,しかるに,同社団の運営が承認の趣旨に反するものとなり,その改善が困難であることなど判示の事情の下においては,大学は,上記承認を取り消してその解散を決定することができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成16年4月20日 平成15(受)910
登載
民集 第58巻4号841頁
参照法条
民法33条,民法68条,学校教育法52条
論点18第33条民法

預託金会員制のゴルフクラブが民訴法29条にいう「法人でない社団」に当たるとされた事例

裁判要旨預託金会員制のゴルフクラブにおいて,多数決の原則が行われ,構成員の変更にかかわらず団体そのものが存続し,規約により代表の方法,総会の運営等が定められていること,同クラブには,固定資産又は基本的財産は存しないが,団体として内部的に運営され対外的にも活動するのに必要な収入の仕組みが確保され,かつ,規約に基づいて収支を管理する体制も備わっていること,同クラブが,ゴルフ場経営会社との間でゴルフ場の経営等に関する協約書を調印し,同会社や会員個人とは別個の独立した存在としての社会的実体を有していることなど判示の事情の下においては,上記クラブは,民訴法29条にいう「法人でない社団」に当たる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成14年6月7日 平成13(受)1697
登載
民集 第56巻5号899頁
参照法条
民訴法29条,民法33条,民法第3編第2章契約
論点19第33条民法

権利能力のない社団であるゴルフクラブが規約に従い総会の決議によってした構成員の資格要件を変更する旨の規約の改正と右決議について承諾をしていない構成員に対する効力の有無

裁判要旨権利能力のない社団であるゴルフクラブが規約に従い総会の決議によってした構成員の資格要件であるゴルフ場経営会社の株式保有数を「二株以上」から「三株以上」に変更する旨の規約の改正は、特段の事情がない限り、右決議について承諾をしていない構成員に対しても、その効力を有する
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成12年10月20日 平成11(受)461
登載
集民 第200号69頁
参照法条
民法33条,民法第3編第2章契約
論点20第33条民法

権利能力のない社団であるXが建物の共有持分権を有することの確認を求める旨を訴状に記載して提起した訴訟において、控訴審が、Xの請求につき、上記共有持分権がXの構成員全員に総有的に帰属することの確認を求める趣旨に出るものであるか否かについて釈明権を行使することなくこれを棄却したことに違法があるとされた事例

裁判要旨権利能力のない社団であるXがYに対して建物の共有持分権を有することの確認を求める旨を訴状に記載して提起した訴訟において、当事者双方は専らX及びYを含む3町内会の間で上記建物をその3町内会の共有とする旨の合意がされたか否かに関して主張し、Xが所有権等の主体となり得るか否かが問題とされることはなかったなど判示の事情の下においては、控訴審が、Xに対し、Xの請求につき、上記共有持分権がXの構成員全員に総有的に帰属することの確認を求める趣旨に出るものであるか否かについて釈明権を行使することなく、上記共有持分権がX自体に帰属することの確認を求めるものであるとしてこれを棄却したことには、違法がある。
裁判
最高裁判所第三小法廷 令和4年4月12日 令和3(受)919
登載
集民 第267号41頁
参照法条
民訴法149条、民法33条
論点21第34条民法

一 公益法人設立の不許可処分の適否に関する裁判所の審査
二 医師会の社団法人設立の不許可処分に裁量権の範囲を超え又はそれを濫用した違法があるとはいえないとされた事例

裁判要旨一 裁判所が公益法人設立の不許可処分の適否を審査するに当たつては、主務官庁が一定の事実を基礎として不許可を相当とするとの結論に至つた判断過程に一応の合理性があることを否定できないのであれば、特段の事情がない限り、右不許可処分には裁量権の範囲を超え又はそれを濫用した違法があるということはできない。
二 東京都の一区内において、公衆衛生行政を行ううえで地区医師会の協力を得ることが不可欠の状況のもとで、既存の社団法人たる地区医師会と新たに結成された医師会とが対立反目し合つていて、話合いによる事態の収拾が困難であるなど判示の事情がある場合に、右新医師会の社団法人設立を許可することは地域医療に混乱と障害を生ずるおそれがあるとしてされた右社団法人設立の不許可処分には、一応の合理性があることを否定できず、裁量権の範囲を超え又はそれを濫用した違法があるということはできない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和63年7月14日 昭和59(行ツ)276
登載
集民 第154号273頁
参照法条
民法34条,行政事件訴訟法30条
論点22第34条民法

一、法人格のない財団として設立中の財団法人に訴訟上の当事者能力が認められた事例
二、遺言による寄附行為の寄附財産について遺言執行者のした処分が有効とされた事例

裁判要旨一、遺言による寄附行為に基づく財団法人の設立を目的として、判示のように、代表機関を持ち、寄附財産を独立に管理運用し活動する財団は、設立中の財団法人として法人格のない財団にあたり、訴訟上の当事者能力を有する。
二、遺言執行者が、遺言による寄附行為に基づく寄附財産として管理する相続財産の株式を、判示のように設立中の財団法人に帰属させ、その代表機関名義に名義を書き換える行為は、遺言の執行に必要な行為にあたり、これにより、相続人は株式についての権利を喪失する。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和44年6月26日 昭和40(オ)907
登載
民集 第23巻7号1175頁
参照法条
民法 34条・41条2項・42条2項・1012条1項・1013条,民訴法46条
論点23第34条民法

権利能力なき財団が認められた事例

裁判要旨財団法人設立のため、その趣旨に賛同する者から寄附金を収受し、役員として理事長、理事、評議員を選出し、常勤執行機関として事務総局事務総長を選任したうえ、右寄附金中の一定額を基本財産として特定個人名義で銀行に定期預金とし、民法所定の事項を含む寄附行為を作成して、財団法人設立許可申請手続を推進していたものは、いわゆる権利能力なき財団と認めるのが相当である。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和44年11月4日 昭和44(オ)198
登載
民集 第23巻11号1951頁
参照法条
民法34条,民法43条
論点24第36条民法

G聯合会に「公司創立登記」を了した股・有限公司は日本国内法上法人格を有するか。

裁判要旨商法上の会社設立登記を経由しないかぎり、右公司に独立の法人格は認められない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和38年10月8日 昭和35(オ)809
登載
集民 第68号259頁
参照法条
民法36条,商法482条
論点25第37条民法

任期満了により退任した理事は後任者が就任するまで理事の職務を行う旨の寄附行為の規定の趣旨

裁判要旨任期満了により退任した理事は後任者が就任するまで理事の職務を行う旨の寄附行為の規定は、理事全員が退任した場合だけでなく、理事の一人が退任しその後任者が選任されないため寄附行為所定の理事の定員が欠けた場合についても、適用される。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和54年4月17日 昭和50(オ)1227
登載
集民 第126号523頁
参照法条
民法37条,民法39条,民法52条
論点26第37条民法

特例財団法人は,その同一性を失わせるような根本的事項の変更に当たるか否かにかかわらず,その定款の定めを変更することができるか

裁判要旨「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」42条1項に規定する特例財団法人は,所定の手続を経て,その同一性を失わせるような根本的事項の変更に当たるか否かにかかわらず,その定款の定めを変更することができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成27年12月8日 平成25(受)2307
登載
民集 第69巻8号2211頁
参照法条
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律40条,一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律42条1項,一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律94条,一般社団法人及び一般財団法人に関する法律153条,一般社団法人及び一般財団法人に関する法律200条,民法(平成18年法律第50号による改正前のもの)37条
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民法 第33条(法人の成立等) 詳細ページ
(法人の成立等)
第三十三条法人は、この法律その他の法律の規定によらなければ、成立しない。
2学術、技芸、慈善、祭祀、宗教その他の公益を目的とする法人、営利事業を営むことを目的とする法人その他の法人の設立、組織、運営及び管理については、この法律その他の法律の定めるところによる。
民法 第34条(法人の能力) 詳細ページ
(法人の能力)
第三十四条法人は、法令の規定に従い、定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う。
民法 第35条(外国法人) 詳細ページ
(外国法人)
第三十五条外国法人は、国、国の行政区画及び外国会社を除き、その成立を認許しない。ただし、法律又は条約の規定により認許された外国法人は、この限りでない。
2前項の規定により認許された外国法人は、日本において成立する同種の法人と同一の私権を有する。ただし、外国人が享有することのできない権利及び法律又は条約中に特別の規定がある権利については、この限りでない。
民法 第36条(登記) 詳細ページ
(登記)
第三十六条法人及び外国法人は、この法律その他の法令の定めるところにより、登記をするものとする。
民法 第37条(外国法人の登記) 詳細ページ
(外国法人の登記)
第三十七条外国法人(第三十五条第一項ただし書に規定する外国法人に限る。以下この条において同じ。)が日本に事務所を設けたときは、三週間以内に、その事務所の所在地において、次に掲げる事項を登記しなければならない。
一外国法人の設立の準拠法
二目的
三名称
四事務所の所在場所
五存続期間を定めたときは、その定め
六代表者の氏名及び住所
2前項各号に掲げる事項に変更を生じたときは、三週間以内に、変更の登記をしなければならない。この場合において、登記前にあっては、その変更をもって第三者に対抗することができない。
3代表者の職務の執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令又はその仮処分命令を変更し、若しくは取り消す決定がされたときは、その登記をしなければならない。この場合においては、前項後段の規定を準用する。
4前二項の規定により登記すべき事項が外国において生じたときは、登記の期間は、その通知が到達した日から起算する。
5外国法人が初めて日本に事務所を設けたときは、その事務所の所在地において登記するまでは、第三者は、その法人の成立を否認することができる。
6外国法人が事務所を移転したときは、旧所在地においては三週間以内に移転の登記をし、新所在地においては四週間以内に第一項各号に掲げる事項を登記しなければならない。
7同一の登記所の管轄区域内において事務所を移転したときは、その移転を登記すれば足りる。
8外国法人の代表者が、この条に規定する登記を怠ったときは、五十万円以下の過料に処する。
出

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