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相続の効力/相続分

相続分の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

相続分は、まず民法900条・901条の法定相続分によって決まり、遺言があれば902条・902条の2による指定が優先します。さらに特別受益(903条・904条)や寄与分(904条の2)による具体的相続分の調整、相続開始から10年経過後の制限(904条の3)、相続分の譲渡と取戻し(905条)まで、相続分をめぐる一連のルールを整理しています。

相続分
相続人の組み合わせ配偶者の相続分その他の相続人の相続分
子+配偶者2分の1子:2分の1
直系尊属+配偶者3分の2直系尊属:3分の1
兄弟姉妹+配偶者4分の3兄弟姉妹:4分の1
同順位が複数人-各自原則均等
  • 子・直系尊属・兄弟姉妹が複数いるときは各自の相続分は原則均等
  • 父母の一方のみ共通の兄弟姉妹の相続分は、双方共通の兄弟姉妹の2分の1
  • 代襲相続人の相続分は、被代襲者が受けるべきだった分と同じ
  • 遺言による相続分の指定は900条・901条の規定に優先する
  • 相続分の指定があっても、債権者は法定相続分に応じて権利行使できる(承認時を除く)
  • 相続分の譲渡があった場合、他の共同相続人は1か月以内に限り取戻せる
1

相続分

相続分について、条文は何を定めているか。

第900条法定相続分法定相続分は相続人の組み合わせで決まる1項・4号判例 10件
  • 子と配偶者が相続人なら各2分の1ずつ
  • 直系尊属と配偶者なら配偶者3分の2、直系尊属3分の1
  • 兄弟姉妹と配偶者なら配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1
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第901条代襲相続人の相続分代襲相続人の相続分は元の相続人と同じ2項判例なし
  • 直系卑属が代襲するときは、被代襲者が受けるはずだった分をそのまま承継
  • 代襲者が複数なら、その相続分をさらに900条〈法定相続分〉により配分
  • 兄弟姉妹の子が代襲する場合も同じ扱い
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第902条遺言による相続分の指定遺言で相続分を指定・第三者に委託できる2項判例 6件
  • 被相続人は遺言で共同相続人の相続分を自由に定められる
  • 定めることを第三者に委託することもできる
  • 一部の相続人だけ指定した場合、残りは900条〈法定相続分〉・901条〈代襲相続人の相続分〉で決める
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第902_2条相続分の指定がある場合の債権者の権利の行使相続分の指定があっても債権者は法定相続分で請求できる1項判例なし
  • 債権者は900条〈法定相続分〉・901条〈代襲相続人の相続分〉で計算した相続分に応じて各相続人に請求可能
  • ただし債権者が指定相続分での承継を承認したときはその指定に従う
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第903条特別受益者の相続分遺贈・生前贈与を受けた相続人は相続分が減る4項判例 9件
  • 遺贈や婚姻・養子縁組・生計資本の贈与は特別受益として持ち戻す
  • 相続財産に贈与額を加え、900〜902条〈遺言による相続分の指定〉の相続分から控除した額が相続分
  • 婚姻20年以上の夫婦間で居住用不動産の遺贈・贈与は持ち戻し免除と推定
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第904条特別受益の贈与額は相続開始時点の価値で計算1項判例 3件
  • 受贈者が贈与財産を滅失・増減させても、相続開始時に原状のままとみなして評価
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第904_2条寄与分被相続人の財産維持・増加に貢献した人は相続分が増える4項判例なし
  • 労務提供・財産上の給付・療養看護などで特別の寄与をした相続人に寄与分を認める
  • 協議が調わないときは家庭裁判所が寄与の時期・方法・程度等を考慮して定める
  • 寄与分は相続財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えられない
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第904_3条期間経過後の遺産の分割における相続分10年経過後の遺産分割には特別受益・寄与分を使わない1項・2号判例なし
  • 10年経過後の遺産分割では、特別受益や寄与分による相続分の修正は適用しない
  • 10年経過前に家庭裁判所へ遺産分割を請求していれば適用除外
  • 期間満了前6か月以内にやむを得ない事情があれば、事由消滅から6か月以内の請求で適用除外
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第905条相続分の取戻権相続分を第三者に譲渡した場合、他の相続人は取り戻せる2項判例 5件
  • 遺産分割前に相続分を第三者に譲渡されたときは、他の共同相続人が買い戻せる
  • 譲受けには譲渡された価額と費用を償還する必要がある
  • この取戻権は1か月以内に行使しなければならない
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第900条民法

一、相続人間の相続分譲渡契約が公序良俗に違反すると認められた事例
二、相続財産一般につき相続人がその相続分該当の権利を有することの確認請求が認容された事例

裁判要旨一、二(省略)
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和48年6月22日 昭和47(オ)1311
登載
集民 第109号411頁
参照法条
民法90条,民法900条
論点2第900条民法

民法九〇〇条四号〈法定相続分 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。〉ただし書前段と憲法一四条一項

裁判要旨民法九〇〇条四号〈法定相続分 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。〉ただし書前段は、憲法一四条一項に違反しない。
(補足意見及び反対意見がある。)
裁判
最高裁判所大法廷 平成7年7月5日 平成3(ク)143
登載
民集 第49巻7号1789頁
参照法条
憲法14条1項,民法900条
論点3第900条民法

1 民法900条4号〈法定相続分 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。〉ただし書前段の規定と憲法14条1項
2 民法900条4号ただし書前段の規定を違憲とする最高裁判所の判断が他の相続における上記規定を前提とした法律関係に及ぼす影響

裁判要旨1 民法900条4号〈法定相続分 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。〉ただし書前段の規定は,遅くとも平成13年7月当時において,憲法14条1項に違反していた。
2 民法900条4号ただし書前段の規定が遅くとも平成13年7月当時において憲法14条1項に違反していたとする最高裁判所の判断は,上記当時から同判断時までの間に開始された他の相続につき,同号ただし書前段の規定を前提としてされた遺産の分割の審判その他の裁判,遺産の分割の協議その他の合意等により確定的なものとなった法律関係に影響を及ぼすものではない。
(1,2につき補足意見がある。)
裁判
最高裁判所大法廷 平成25年9月4日 平成24(ク)984
登載
民集 第67巻6号1320頁
参照法条
(1,2につき)憲法14条1項,民法900条 (2につき)憲法81条
論点4第900条民法

民法900条4号〈法定相続分 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。〉ただし書前段と憲法14条1項

裁判要旨民法900条4号〈法定相続分 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。〉ただし書前段は,憲法14条1項に違反しない。
(補足意見及び反対意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成21年9月30日 平成20(ク)1193
登載
集民 第231号753頁
参照法条
憲法14条1項,民法900条
論点5第900条民法

共同相続に係る不動産から生ずる賃料債権の帰属と後にされた遺産分割の効力

裁判要旨相続開始から遺産分割までの間に共同相続に係る不動産から生ずる金銭債権たる賃料債権は,各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得し,その帰属は,後にされた遺産分割の影響を受けない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成17年9月8日 平成16(受)1222
登載
民集 第59巻7号1931頁
参照法条
民法88条2項,民法89条2項,民法427条,民法601条,民法896条,民法898条,民法899条,民法900条,民法907条,民法909条
論点6第900条民法

相続が開始して遺産分割未了の間に第2次の相続が開始した場合において第2次被相続人から特別受益を受けた者があるときの持戻しの要否

裁判要旨相続が開始して遺産分割未了の間に相続人が死亡した場合において,第2次被相続人が取得した第1次被相続人の遺産についての相続分に応じた共有持分権は,実体上の権利であって第2次被相続人の遺産として遺産分割の対象となり,第2次被相続人から特別受益を受けた者があるときは,その持戻しをして具体的相続分を算定しなければならない
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成17年10月11日 平成17(許)14
登載
民集 第59巻8号2243頁
参照法条
民法896条,民法898条,民法899条,民法900条,民法903条,民法907条,家事審判法9条乙類10号,家事審判規則104条
論点7第900条民法

民法900条4号〈法定相続分 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。〉ただし書前段と憲法14条1項

裁判要旨民法900条4号〈法定相続分 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。〉ただし書前段は,憲法14条1項に違反しない。
(補足意見及び反対意見がある。)
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成16年10月14日 平成16(オ)992
登載
集民 第215号253頁
参照法条
憲法14条1項,民法900条
論点8第900条民法

民法900条4号〈法定相続分 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。〉ただし書前段と憲法14条1項

裁判要旨民法900条4号〈法定相続分 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。〉ただし書前段は,憲法14条1項に違反しない。
(補足意見及び反対意見がある。)
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成15年3月31日 平成14(オ)1963
登載
集民 第209号397頁
参照法条
憲法14条1項,民法900条
論点9第900条民法

民法900条4号〈法定相続分 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。〉ただし書前段と憲法14条1項

裁判要旨民法900条4号〈法定相続分 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。〉ただし書前段は,憲法14条1項に違反しない。
(反対意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成15年3月28日 平成14(オ)1630
登載
集民 第209号347頁
参照法条
憲法14条1項,民法900条
論点10第900条民法

民法九〇〇条四号〈法定相続分 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。〉ただし書前段と憲法一四条一項

裁判要旨民法九〇〇条四号〈法定相続分 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。〉ただし書前段は、憲法一四条一項に違反しない。
(補足意見及び反対意見がある。)
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成12年1月27日 平成11(オ)1453
登載
集民 第196号251頁
参照法条
憲法14条1項,民法900条
論点11第902条民法

一 遺言無効確認訴訟における確認の利益の判断にあたり原告の相続分が生前贈与等によりなくなるか否かを考慮することの可否
二 遺言無効確認訴訟が固有必要的共同訴訟にあたらないとされた事例
三 同一の証書に記載された二人の遺言の一方に方式違背がある場合と民法九七五条

裁判要旨一 遺言無効確認訴訟における確認の利益の存否を判断するにあたつては、原則として、原告の相続分が被相続人から受けた生前贈与等によりなくなるか否かを考慮すべきものではない。
二 単に相続分及び遺産分割の方法を指定したにすぎない遺言の無効確認を求める訴は、固有必要的共同訴訟にあたらない。
三 同一の証書に二人の遺言が記載されている場合は、そのうちの一方につき氏名を自書しない方式の違背があるときでも、右遺言は、民法九七五条〈共同遺言の禁止〉により禁止された共同遺言にあたる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和56年9月11日 昭和54(オ)1208
登載
民集 第35巻6号1013頁
参照法条
民法902条,民法903条1項,民法903条2項,民法908条,民法968条1項,民法975条,民法985条,民訴法62条,民訴法225条
論点12第902条民法

法定相続分を下回る相続分を指定された共同相続人の一人から法定相続分に応じた共有持分権を譲り受けた者が取得する持分の割合

裁判要旨遺言により法定相続分を下回る相続分を指定された共同相続人の一人が、遺産を構成する特定不動産に法定相続分に応じた共同相続登記がされたことを利用し、右登記に係る自己の共有持分権を第三者に譲渡し、第三者が右持分の移転登記を受けたとしても、右第三者は右共同相続人の指定相続分に応じた持分を取得するにとどまる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成5年7月19日 平成1(オ)714
登載
集民 第169号243頁
参照法条
民法177条,民法898条,民法902条
論点13第902条民法

1 相続分の指定が遺留分減殺請求により減殺された場合の効果
2 特別受益に当たる贈与についてされたいわゆる持戻し免除の意思表示が遺留分減殺請求により減殺された場合における具体的相続分の算定方法

裁判要旨1 遺留分減殺請求により相続分の指定が減殺された場合には,遺留分割合を超える相続分を指定された相続人の指定相続分が,その遺留分割合を超える部分の割合に応じて修正される。

2 特別受益に当たる贈与についてされた当該贈与に係る財産の価額を相続財産に算入することを要しない旨の被相続人の意思表示が遺留分減殺請求により減殺された場合,当該贈与に係る財産の価額は,上記意思表示が遺留分を侵害する限度で,遺留分権利者である相続人の相続分に加算され,当該贈与を受けた相続人の相続分から控除される。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成24年1月26日 平成23(許)25
登載
集民 第239号635頁
参照法条
(1,2につき)民法1031条 (1につき)民法902条 (2につき)民法903条
論点14第902条民法

相続人のうちの1人に対して財産全部を相続させる旨の遺言がされた場合において,遺留分の侵害額の算定に当たり,遺留分権利者の法定相続分に応じた相続債務の額を遺留分の額に加算することの可否

裁判要旨相続人のうちの1人に対して財産全部を相続させる旨の遺言がされた場合には,遺言の趣旨等から相続債務については当該相続人にすべてを相続させる意思のないことが明らかであるなどの特段の事情のない限り,相続人間においては当該相続人が相続債務もすべて承継したと解され,遺留分の侵害額の算定に当たり,遺留分権利者の法定相続分に応じた相続債務の額を遺留分の額に加算することは許されない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成21年3月24日 平成19(受)1548
登載
民集 第63巻3号427頁
参照法条
民法427条,民法899条,民法902条,民法908条,民法1029条,民法1031条
論点15第902条民法

1 遺言執行者は、共同相続人の相続分を指定する旨の遺言を根拠として、平成30年法律第72号の施行日前に開始した相続に係る相続財産である不動産についてされた所有権移転登記の抹消登記手続を求める訴えの原告適格を有するか
2 相続財産の全部又は一部を包括遺贈する旨の遺言がされた場合における、上記の包括遺贈が効力を生じてからその執行がされるまでの間に包括受遺者以外の者に対してされた不動産の所有権移転登記の抹消登記手続又は一部抹消(更正)登記手続を求める訴えと遺言執行者の原告適格
3 複数の包括遺贈のうちの一つがその効力を生ぜず、又は放棄によってその効力を失った場合における、その効力を有しない包括遺贈につき包括受遺者が受けるべきであったものの帰すう

裁判要旨1 遺言執行者は、共同相続人の相続分を指定する旨の遺言を根拠として、平成30年法律第72号の施行日前に開始した相続に係る相続財産である不動産についてされた所有権移転登記の抹消登記手続を求める訴えの原告適格を有するものではない。
2 相続財産の全部又は一部を包括遺贈する旨の遺言がされた場合において、遺言執行者は、上記の包括遺贈が効力を生じてからその執行がされるまでの間に包括受遺者以外の者に対する所有権移転登記がされた不動産について、上記登記のうち上記不動産が相続財産であるとすれば包括受遺者が受けるべき持分に関する部分の抹消登記手続又は一部抹消(更正)登記手続を求める訴えの原告適格を有する。
3 複数の包括遺贈のうちの一つがその効力を生ぜず、又は放棄によってその効力を失った場合、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときを除き、その効力を有しない包括遺贈につき包括受遺者が受けるべきであったものは、他の包括受遺者には帰属せず、相続人に帰属する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 令和5年5月19日 令和4(受)540
登載
民集 第77巻4号1007頁
参照法条
(1、2につき)民法(平成30年法律第72号による改正前のもの)1012条、民法(平成30年法律第72号による改正前のもの)1013条、民法(平成30年法律第72号による改正前のもの)1015条、民訴法第1編第3章 当事者 (1につき)民法(平成30年法律第72号による改正前のもの)902条1項 (2につき)民法(平成30年法律第72号による改正前のもの)964条 (3につき)民法990条、民法995条
論点16第902条民法

遺言により相続分がないものと指定され、遺留分侵害額請求権を行使した相続人は、特別寄与料を負担するか

裁判要旨遺言により相続分がないものと指定された相続人は、遺留分侵害額請求権を行使したとしても、特別寄与料を負担しない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 令和5年10月26日 令和4(許)14
登載
民集 第77巻7号1911頁
参照法条
民法902条、民法1046条、民法1050条
論点17第903条民法

相続人が被相続人から贈与された金銭をいわゆる特別受益として遺留分算定の基礎となる財産の価額に加える場合と受益額算定の方法

裁判要旨相続人が被相続人から贈与された金銭をいわゆる特別受益として遺留分算定の基礎となる財産の価額に加える場合には、贈与の時の金額を相続開始の時の貨幣価値に換算した価額をもつて評価すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和51年3月18日 昭和49(オ)1134
登載
民集 第30巻2号111頁
参照法条
民法903条,民法904条,民法1029条,民法1044条
論点18第903条民法

特定の財産がいわゆる特別受益財産であることの確認を求める訴えの適否

裁判要旨特定の財産がいわゆる特別受益財産であることの確認を求める訴えは、確認の利益を欠くものとして不適法である。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成7年3月7日 平成3(オ)252
登載
民集 第49巻3号893頁
参照法条
民法903条1項,民訴法225条
論点19第903条民法

共同相続人間においてされた無償による相続分の譲渡と民法903条1項に規定する「贈与」

裁判要旨共同相続人間においてされた無償による相続分の譲渡は,譲渡に係る相続分に含まれる積極財産及び消極財産の価額等を考慮して算定した当該相続分に財産的価値があるとはいえない場合を除き,上記譲渡をした者の相続において,民法903条1項〈特別受益者の相続分〉に規定する「贈与」に当たる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成30年10月19日 平成29(受)1735
登載
民集 第72巻5号900頁
参照法条
民法903条1項,民法905条,民法1044条
論点20第903条民法

被相続人を保険契約者及び被保険者とし共同相続人の1人又は一部の者を保険金受取人とする養老保険契約に基づく死亡保険金請求権と民法903条

裁判要旨被相続人を保険契約者及び被保険者とし,共同相続人の1人又は一部の者を保険金受取人とする養老保険契約に基づき保険金受取人とされた相続人が取得する死亡保険金請求権は,民法903条1項〈特別受益者の相続分〉に規定する遺贈又は贈与に係る財産には当たらないが,保険金の額,この額の遺産の総額に対する比率,保険金受取人である相続人及び他の共同相続人と被相続人との関係,各相続人の生活実態等の諸般の事情を総合考慮して,保険金受取人である相続人とその他の共同相続人との間に生ずる不公平が民法903条の趣旨に照らし到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存する場合には,同条の類推適用により,特別受益に準じて持戻しの対象となる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成16年10月29日 平成16(許)11
登載
民集 第58巻7号1979頁
参照法条
民法903条,商法673条,商法675条1項
論点21第903条民法

民法九〇三条一項〈特別受益者の相続分〉により算定されるいわゆる具体的相続分の価額又は割合の確認を求める訴えの適否

裁判要旨民法九〇三条一項〈特別受益者の相続分〉により算定されるいわゆる具体的相続分の価額又はその価額の遺産の総額に対する割合の確認を求める訴えは、確認の利益を欠くものとして不適法である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成12年2月24日 平成11(受)110
登載
民集 第54巻2号523頁
参照法条
民法903条1項,民訴法134条
論点22第903条民法

民法九〇三条一項〈特別受益者の相続分〉の定める相続人に対する贈与と遺留分減殺の対象

裁判要旨民法九〇三条一項〈特別受益者の相続分〉の定める相続人に対する贈与は、右贈与が相続開始よりも相当以前にされたものであって、その後の時の経過に伴う社会経済事情や相続人など関係人の個人的事情の変化をも考慮するとき、減殺請求を認めることが右相続人に酷であるなどの特段の事情のない限り、同法一〇三〇条〈配偶者居住権の存続期間〉の定める要件を満たさないものであっても、遺留分減殺の対象となる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成10年3月24日 平成9(オ)2117
登載
民集 第52巻2号433頁
参照法条
民法903条1項,民法1030条,民法1031条,民法1044条
論点23第904条民法

家事審判法九条一項乙類九号の二の寄与分を定める処分の審判の合憲性

裁判要旨家事審判法九条一項乙類九号の二の寄与分を定める処分の審判は、憲法三二条、八二条に違反しない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和60年7月4日 昭和60(ク)226
登載
集民 第145号131頁
参照法条
家事審判法9条1項乙類9号の2,民法904条の2,憲法32条,憲法82条
論点24第904条民法

民法応急措置法施行前父の分家により子のために開始した後見は同法の施行により終了するか

裁判要旨民法応急措置法施行前、父の分家により子のため後見開始し、親族会により選任された後見人があるが、同法の施行により右後見は終了しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和30年7月29日 昭和27(オ)1023
登載
民集 第9巻9号1169頁
参照法条
民法応急措置法3条,民法応急措置法6条,旧民法904条
論点25第905条民法

共同相続人の一人が遺産たる特定不動産に対する共有持分権を譲渡した場合と民法九〇五条の適用又は類推適用の可否

裁判要旨共同相続人の一人が遺産を構成する特定の不動産について同人の有する共有持分権を第三者に譲渡した場合に、民法九〇五条〈相続分の取戻権〉の規定を適用又は類推適用することはできない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和53年7月13日 昭和52(オ)1171
登載
集民 第124号317頁
参照法条
民法905条
論点26第905条民法

相続税法五五条本文にいう「相続分」と共同相続人間の譲渡に係る相続分

裁判要旨相続税法五五条本文にいう「相続分」には、共同相続人間の譲渡に係る相続分が含まれる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成5年5月28日 平成1(行ツ)162
登載
集民 第169号99頁
参照法条
相続税法55条本文,民法905条1項
論点27第905条民法

共同相続人のうち自己の相続分の全部を譲渡した者と遺産確認の訴えの当事者適格

裁判要旨共同相続人のうち自己の相続分の全部を譲渡した者は,遺産確認の訴えの当事者適格を有しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成26年2月14日 平成23(受)603
登載
民集 第68巻2号113頁
参照法条
民訴法第1編第3章 当事者,民訴法40条,民訴法134条,民法898条,民法905条
論点28第905条民法

1 共同相続人間においてされた相続分の譲渡に伴って生ずる農地の権利移転についての農地法3条1項〈私権の享有は、出生に始まる。〉の許可の要否
2 共同相続人間の相続分の贈与を原因とする農地の持分移転登記の申請を農地法3条1項の許可を証する書面の添付がないことを理由に却下することの可否

裁判要旨1 共同相続人間においてされた相続分の譲渡に伴って生ずる農地の権利移転については,農地法3条1項の許可を要しない。
2 共同相続人の共有の相続登記がされている農地につき,「相続分の贈与」を原因として共同相続人の1人に対する他の共同相続人の持分の移転登記が申請された場合には,登記官は,農地法3条1項の許可を証する書面の添付がないことを理由に申請を却下することはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成13年7月10日 平成11(行ヒ)24
登載
民集 第55巻5号955頁
参照法条
民法905条,農地法3条1項,不動産登記法35条1項,不動産登記法49条
原

条文原文

原文ママ

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民法 第900条(法定相続分) 詳細ページ
(法定相続分)
第九百条同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
一子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。
二配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。
三配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。
四子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。
民法 第901条(代襲相続人の相続分) 詳細ページ
(代襲相続人の相続分)
第九百一条第八百八十七条第二項又は第三項の規定により相続人となる直系卑属の相続分は、その直系尊属が受けるべきであったものと同じとする。ただし、直系卑属が数人あるときは、その各自の直系尊属が受けるべきであった部分について、前条の規定に従ってその相続分を定める。
2前項の規定は、第八百八十九条第二項の規定により兄弟姉妹の子が相続人となる場合について準用する。
民法 第902条(遺言による相続分の指定) 詳細ページ
(遺言による相続分の指定)
第九百二条被相続人は、前二条の規定にかかわらず、遺言で、共同相続人の相続分を定め、又はこれを定めることを第三者に委託することができる。
2被相続人が、共同相続人中の一人若しくは数人の相続分のみを定め、又はこれを第三者に定めさせたときは、他の共同相続人の相続分は、前二条の規定により定める。
民法 第902_2条(相続分の指定がある場合の債権者の権利の行使) 詳細ページ
(相続分の指定がある場合の債権者の権利の行使)
第九百二条の二被相続人が相続開始の時において有した債務の債権者は、前条の規定による相続分の指定がされた場合であっても、各共同相続人に対し、第九百条及び第九百一条の規定により算定した相続分に応じてその権利を行使することができる。ただし、その債権者が共同相続人の一人に対してその指定された相続分に応じた債務の承継を承認したときは、この限りでない。
民法 第903条(特別受益者の相続分) 詳細ページ
(特別受益者の相続分)
第九百三条共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、第九百条から第九百二条までの規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。
2遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。
3被相続人が前二項の規定と異なった意思を表示したときは、その意思に従う。
4婚姻期間が二十年以上の夫婦の一方である被相続人が、他の一方に対し、その居住の用に供する建物又はその敷地について遺贈又は贈与をしたときは、当該被相続人は、その遺贈又は贈与について第一項の規定を適用しない旨の意思を表示したものと推定する。
民法 第904条 詳細ページ
第九百四条前条に規定する贈与の価額は、受贈者の行為によって、その目的である財産が滅失し、又はその価格の増減があったときであっても、相続開始の時においてなお原状のままであるものとみなしてこれを定める。
民法 第904_2条(寄与分) 詳細ページ
(寄与分)
第九百四条の二共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、第九百条から第九百二条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする。
2前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、同項に規定する寄与をした者の請求により、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、寄与分を定める。
3寄与分は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることができない。
4第二項の請求は、第九百七条第二項の規定による請求があった場合又は第九百十条に規定する場合にすることができる。
民法 第904_3条(期間経過後の遺産の分割における相続分) 詳細ページ
(期間経過後の遺産の分割における相続分)
第九百四条の三前三条の規定は、相続開始の時から十年を経過した後にする遺産の分割については、適用しない。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
一相続開始の時から十年を経過する前に、相続人が家庭裁判所に遺産の分割の請求をしたとき。
二相続開始の時から始まる十年の期間の満了前六箇月以内の間に、遺産の分割を請求することができないやむを得ない事由が相続人にあった場合において、その事由が消滅した時から六箇月を経過する前に、当該相続人が家庭裁判所に遺産の分割の請求をしたとき。
民法 第905条(相続分の取戻権) 詳細ページ
(相続分の取戻権)
第九百五条共同相続人の一人が遺産の分割前にその相続分を第三者に譲り渡したときは、他の共同相続人は、その価額及び費用を償還して、その相続分を譲り受けることができる。
2前項の権利は、一箇月以内に行使しなければならない。
出

一次情報

原文ママ

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