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損害賠償請求権

公的資料に現れる論点です。条文と判例から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

損害賠償請求権は、胎児にも損害賠償の請求権を認める特則と、不法行為による請求権が時効で消滅するまでの期間を定めた規定群です。通常の不法行為は「知った時から3年」「行為の時から20年」で消滅しますが、人の生命又は身体を侵害した場合はこの期間が延長されます。実務では、被害の性質(生命・身体か否か)によって時効の年数が変わる点を押さえることが重要です。

損害賠償請求権の時効期間
区分知った時から(主観)行使できる時から(客観)
通常の不法行為3年20年
生命・身体を害する不法行為5年20年
生命・身体の侵害(債権一般)規定なし20年
  • 167条は不法行為に限らず、生命又は身体の侵害による損害賠償請求権に広く適用される規定です。
  • 167条が読み替える166条1項2号自体の具体的な文言は本資料に含まれていません。
  • 胎児の権利能力(721条)は時効の期間とは別に、請求ができる立場そのものを定めた規定です。
  • 3年・5年・20年の各期間はいずれも条文どおりの数値です。
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損害賠償請求権

損害賠償請求権について、条文は何を定めているか。

第721条損害賠償請求権に関する胎児の権利能力胎児にも損害賠償請求権を認める1項判例 1件
  • 損害賠償請求権については、胎児を既に生まれたものとみなす
  • 出生前に生じた被害についても賠償を求める立場が認められる
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第724条不法行為による損害賠償請求権の消滅時効不法行為の損害賠償は3年・20年で時効1項・2号判例 16件
  • 被害者や法定代理人が損害と加害者を知った時から3年で時効消滅
  • 不法行為の時から20年たつと、知らなくても時効消滅する
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第167条人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効生命・身体侵害は客観的期限が20年に延長1項判例 18件
  • 人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権が対象
  • 166条1項2号〈債権等の消滅時効 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。〉の「十年間」を「二十年間」と読み替える
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第724_2条人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効生命・身体を害する不法行為は知った時から5年1項判例なし
  • 人の生命又は身体を害する不法行為による請求権が対象
  • 724条1号〈不法行為による損害賠償請求権の消滅時効 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。〉の「三年間」を「五年間」と読み替える
  • 被害者等が損害と加害者を知った時から5年で時効消滅
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第721条民法

自家用自動車総合保険契約の記名被保険者の子が胎児であった時に発生した交通事故により出生後に傷害を生じその結果後遺障害が残存した場合における同契約の無保険車傷害条項に基づく保険金請求の可否

裁判要旨自家用自動車総合保険契約の記名被保険者の子が,胎児であった時に発生した交通事故により出生後に傷害を生じ,その結果,後遺障害が残存した場合には,当該子又はその父母は,当該傷害及び後遺障害によってそれぞれが被った損害について,同契約の無保険車傷害条項が被保険者として定める「記名被保険者の同居の親族」に生じた傷害及び後遺障害による損害に準ずるものとして,同条項に基づく保険金の請求をすることができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成18年3月28日 平成17(受)1751
登載
民集 第60巻3号875頁
参照法条
商法第3編第10章 保険,民法91条,民法721条
論点2第724条民法

民法七二四条〈不法行為による損害賠償請求権の消滅時効〉所定の三年の時効期間の計算と初日の不算入

裁判要旨民法七二四条〈不法行為による損害賠償請求権の消滅時効〉所定の三年の時効期間の計算においては、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知つた時が午前零時でない限り、時効期間の初日を算入すべきではない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和57年10月19日 昭和56(オ)767
登載
民集 第36巻10号2163頁
参照法条
民法138条,民法140条,民法724条
論点3第724条民法

商法二六六条の三第一項前段所定の第三者の取締役に対する損害賠償請求権の消滅時効期間

裁判要旨商法二六六条の三第一項前段所定の第三者の取締役に対する損害賠償請求権の消滅時効期間は一〇年と解すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和49年12月17日 昭和49(オ)768
登載
民集 第28巻10号2059頁
参照法条
民法167条1項,民法724条,商法266条の3第1項
論点4第724条民法

事務管理により他人の不法行為上の損害賠償義務を免れさせるに足りる費用を支出した場合における右費用償還請求権の消滅時効の起算点

裁判要旨第三者が事務管理により他人の不法行為上の損害賠償義務を免れさせるに足りる費用を支出した場合における右第三者の右他人に対する右費用償還請求権の消滅時効は、右不法行為上の損害賠償請求権とは別個に、右費用償還請求権を行使することのできる時、すなわち、その権利の発生した時から、進行を開始する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和43年7月9日 昭和43(オ)157
登載
集民 第91号683頁
参照法条
民法166条,民法702条,民法724条
論点5第724条民法

一、民法第七二四条〈不法行為による損害賠償請求権の消滅時効〉の「損害及ヒ加害者ヲ知リタル時」にあたるとされた事例
二、一個の債権の数量的な一部についてのみ判決を求める旨を明示して訴を提起した場合と右残部についての消滅時効中断の効力

裁判要旨一、登記官吏の過失により虚偽の所有権移転登記がされ、これを信頼して土地を買い受け、その地上に建物を建築したものが、右事実関係を知り自己が右土地の所有権を取得しえないことを知つたときは、その時に、右建物を収去することによつて生ずる損害についてもその損害および加害者を知つたものと解するのが相当である。
二、不法行為に基づく損害賠償債権の一部についてのみ判決を求める旨を明示して訴を提起した場合、訴提起による消滅時効中断の効力はその一部の範囲においてのみ生じ、残部には及ばないと解するのが相当である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和43年6月27日 昭和38(オ)842
登載
集民 第91号461頁
参照法条
民法724条,民法147条1号,国家賠償法1条,国家賠償法4条
論点6第724条民法

信用協同組合が自らの経営破綻の危険を説明すべき義務に違反して出資の勧誘をしたことを理由とする出資者の信用協同組合に対する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効が,遅くとも同種の集団訴訟が提起された時点から進行するとされた事例

裁判要旨信用協同組合が自らの経営破綻の危険を説明すべき義務に違反して出資の勧誘をしたことを理由とする出資者の信用協同組合に対する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効は,経営破綻の直後に,上記出資者が上記勧誘に応じて出資をした結果損害を被った事実を認識していたことに加え,次の(1)〜(3)など判示の事実関係の下においては,上記出資者が上記勧誘当時の信用協同組合の代表者の経営破綻の危険性についての具体的認識に関する証拠となる資料を得ていなかったとしても,遅くとも上記出資者と同様の立場にある者らにより信用協同組合に対する集団訴訟が提起された時点から進行する。
(1) 上記出資者が出資をしてから信用協同組合が経営破綻に至るまでの期間は9か月に満たなかった。
(2) 経営破綻の3か月後までには,信用協同組合が経営破綻の前年に実施された監督官庁の検査で既に債務超過と見込まれていたなどの事情が明らかにされた。
(3) 上記出資者と同様の立場にある者らにより,経営破綻の約半年後から信用協同組合に対する損害賠償請求訴訟が逐次提起され,経営破綻の約1年後までには集団訴訟も提起された。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成23年4月22日 平成21(受)131
登載
集民 第236号443頁
参照法条
民法724条
論点7第724条民法

被害者を殺害した加害者が被害者の相続人において被害者の死亡の事実を知り得ない状況を殊更に作出したため相続人がその事実を知ることができなかった場合における上記殺害に係る不法行為に基づく損害賠償請求権と民法724条〈不法行為による損害賠償請求権の消滅時効〉後段の除斥期間

裁判要旨被害者を殺害した加害者が被害者の相続人において被害者の死亡の事実を知り得ない状況を殊更に作出し,そのために相続人はその事実を知ることができず,相続人が確定しないまま上記殺害の時から20年が経過した場合において,その後相続人が確定した時から6か月内に相続人が上記殺害に係る不法行為に基づく損害賠償請求権を行使したなど特段の事情があるときは,民法160条〈相続財産に関する時効の完成猶予〉の法意に照らし,同法724条後段の効果は生じない。
(意見がある。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成21年4月28日 平成20(受)804
登載
民集 第63巻4号853頁
参照法条
民法160条,民法724条
論点8第724条民法

1 B型肝炎ウイルスに感染した患者が乳幼児期に受けた集団予防接種等とウイルス感染との間の因果関係を肯定するのが相当とされた事例
2 乳幼児期に受けた集団予防接種等によってB型肝炎ウイルスに感染しB型肝炎を発症したことによる損害につきB型肝炎を発症した時が民法724条〈不法行為による損害賠償請求権の消滅時効〉後段所定の除斥期間の起算点となるとされた事例

裁判要旨1 乳幼児期に集団予防接種等を受けたX1〜X3がB型肝炎ウイルスに感染した場合において,(1)B型肝炎ウイルスは,血液を介して人から人に感染するものであり,その感染力の強さに照らし,集団予防接種等の被接種者の中に感染者が存在した場合,注射器の連続使用によって感染する危険性があること,(2)X1〜X3は,最も持続感染者になりやすいとされる0〜3歳時を含む6歳までの幼少期に集団予防接種等を受け,それらの集団予防接種等において注射器の連続使用がされたこと,(3)X1〜X3は,その幼少期にB型肝炎ウイルスに感染して持続感染者となり,うちX1及びX2は,成人期に入ってB型肝炎を発症したこと,(4)X1〜X3は,出産時にB型肝炎ウイルスの持続感染者である母親の血液が子の体内に入ることによる感染(垂直感染)により感染したものではなく,それ以外の感染(水平感染)により感染したものであること,(5)昭和61年から母子間感染阻止事業が開始された結果,同年生まれ以降の世代における新たな持続感染者の発生がほとんどみられなくなったということは,少なくとも,幼少児については,垂直感染を阻止することにより同世代の幼少児の水平感染も防ぐことができたことを意味し,一般に,幼少児については,集団予防接種 等における注射器の連続使用によるもの以外は,家庭内感染を含む水平感染の可能性が極めて低かったことを示すものであること,(6)X1〜X3について,上記集団予防接種等のほかには感染の原因となる可能性の高い具体的な事実の存在はうかがわれず,他の原因による感染の可能性は,一般的,抽象的なものにすぎないことなど判示の事情の下においては,上記集団予防接種等とX1〜X3のB型肝炎ウイルス感染との間の因果関係を肯定するのが相当である。
2 乳幼児期に受けた集団予防接種等によってB型肝炎ウイルスに感染したX4及びX5がB型肝炎を発症したことによる損害については,(1)乳幼児期にB型肝炎ウイルスに感染し,持続感染者となった場合,HBe抗原陽性からHBe抗体陽性への変換(セロコンバージョン)が起きることなく成人期に入ると,肝炎を発症することがあること,(2)X4は,昭和26年5月生まれで,同年9月〜昭和33年3月に受けた集団予防接種等によってB型肝炎ウイルスに感染し,昭和59年8月ころ,B型肝炎と診断されたこと,(3)X5は,昭和36年7月生まれで,昭和37年1月〜昭和42年10月に受けた集団予防接種等によってB型肝炎ウイルスに感染し,昭和61年10月,B型肝炎と診断されたことなど判示の事情の下においては,上記集団予防接種等(加害行為)の時ではなく,B型肝炎の発症(損害の発生)の時が民法724条〈不法行為による損害賠償請求権の消滅時効〉後段所定の除斥期間の起算点となる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成18年6月16日 平成16(受)672
登載
民集 第60巻5号1997頁
参照法条
国家賠償法1条1項,予防接種法2条,結核予防法4条,結核予防法13条,民法724条
論点9第724条民法

船舶の衝突によって生じた損害賠償請求権の消滅時効の起算点

裁判要旨船舶の衝突によって生じた損害賠償請求権の消滅時効は,民法724条〈不法行為による損害賠償請求権の消滅時効〉により,被害者が損害及び加害者を知った時から進行する
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成17年11月21日 平成16(受)1434
登載
民集 第59巻9号2558頁
参照法条
民法166条1項,民法724条,商法798条1項
論点10第724条民法

1 通商産業大臣が石炭鉱山におけるじん肺発生防止のための鉱山保安法上の保安規制の権限を行使しなかったことが国家賠償法1条1項〈基本原則〉の適用上違法となるとされた事例
2 加害行為が終了してから相当の期間が経過した後に損害が発生する場合における民法724条〈不法行為による損害賠償請求権の消滅時効〉後段所定の除斥期間の起算点

裁判要旨1 炭鉱で粉じん作業に従事した労働者が粉じんの吸入によりじん肺にり患した場合において,炭鉱労働者のじん肺り患の深刻な実情及びじん肺に関する医学的知見の変遷を踏まえて,じん肺を炭じん等の鉱物性粉じんの吸入によって生じたものを広く含むものとして定義し,これを施策の対象とするじん肺法が成立したこと,そのころまでには,さく岩機の湿式型化によりじん肺の発生の原因となる粉じんの発生を著しく抑制することができるとの工学的知見が明らかとなっており,金属鉱山と同様に,すべての石炭鉱山におけるさく岩機の湿式型化を図ることに特段の障害はなかったのに,同法成立の時までに,鉱山保安法に基づく省令の改正を行わず,さく岩機の湿式型化等を一般的な保安規制とはしなかったことなど判示の事実関係の下では,じん肺法が成立した後,通商産業大臣が鉱山保安法に基づく省令改正権限等の保安規制の権限を直ちに行使しなかったことは,国家賠償法1条1項の適用上違法となる。
2 民法724条〈不法行為による損害賠償請求権の消滅時効〉後段所定の除斥期間は,不法行為により発生する損害の性質上,加害行為が終了してから相当の期間が経過した後に損害が発生する場合には,当該損害の全部又は一部が発生した時から進行する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成16年4月27日 平成13(受)1760
登載
民集 第58巻4号1032頁
参照法条
国家賠償法1条1項,鉱山保安法1条,鉱山保安法4条,鉱山保安法(昭和37年法律第105号による改正前のもの)30条,じん肺法(昭和52年法律第76号による改正前のもの)2条1項1号,石炭鉱山保安規則(昭和61年通商産業省令第74号による改正前のもの)284条の2,民法724条
論点11第724条民法

交通事故による後遺障害に基づく損害賠償請求権の消滅時効が遅くとも症状固定の診断を受けた時から進行するとされた事例

裁判要旨交通事故により負傷した者が,後遺障害について症状固定の診断を受け,これに基づき自動車保険料率算定会に対して自動車損害賠償責任保険の後遺障害等級の事前認定を申請したときは,その結果が非該当であり,その後の異議申立てによって等級認定がされたという事情があったとしても,上記後遺障害に基づく損害賠償請求権の消滅時効は,遅くとも上記症状固定の診断を受けた時から進行する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成16年12月24日 平成14(受)1355
登載
集民 第215号1109頁
参照法条
民法724条
論点12第724条民法

1 国が水俣病による健康被害の拡大防止のためにいわゆる水質二法に基づく規制権限を行使しなかったことが国家賠償法1条1項の適用上違法となるとされた事例
2 熊本県が水俣病による健康被害の拡大防止のために同県の漁業調整規則に基づく規制権限を行使しなかったことが国家賠償法1条1項〈基本原則〉の適用上違法となるとされた事例
3 水俣病による健康被害につき加害行為の終了から相当期間を経過した時が民法724条〈不法行為による損害賠償請求権の消滅時効〉後段所定の除斥期間の起算点となるとされた事例

裁判要旨1 国が,昭和34年11月末の時点で,多数の水俣病患者が発生し,死亡者も相当数に上っていると認識していたこと,水俣病の原因物質がある種の有機水銀化合物であり,その排出源が特定の工場のアセトアルデヒド製造施設であることを高度のがい然性をもって認識し得る状況にあったこと,同工場の排水に含まれる微量の水銀の定量分析をすることが可能であったことなど判示の事情の下においては,同年12月末までに,水俣病による深刻な健康被害の拡大防止のために,公共用水域の水質の保全に関する法律及び工場排水等の規制に関する法律に基づいて,指定水域の指定,水質基準及び特定施設の定めをし,上記製造施設からの工場排水についての処理方法の改善,同施設の使用の一時停止その他必要な措置を執ることを命ずるなどの規制権限を行使しなかったことは,国家賠償法1条1項の適用上違法となる。
2 熊本県が,昭和34年11月末の時点で,多数の水俣病患者が発生し,死亡者も相当数に上っていると認識していたこと,水俣病の原因物質がある種の有機水銀化合物であり,その排出源が特定の工場のアセトアルデヒド製造施設であることを高度のがい然性をもって認識し得る状況にあったことなど判示の事情の下においては,同年12月末までに,水俣病による深刻な健康被害の拡大防止のために,旧熊本県漁業調整規則(昭和26年熊本県規則第31号。昭和40年熊本県規則第18号の2による廃止前のもの)に基づいて,上記製造施設からの工場排水につき除害に必要な設備の設置を命ずるなどの規制権限を行使しなかったことは,国家賠償法1条1項の適用上違法となる。
3 水俣病による健康被害につき,患者が水俣湾周辺地域から転居した時点が加害行為の終了時であること,水俣病患者の中には潜伏期間のあるいわゆる遅発性水俣病が存在すること,遅発性水俣病の患者においては水俣病の原因となる魚介類の摂取を中止してから4年以内にその症状が客観的に現れることなど判示の事情の下では,上記転居から4年を経過した時が民法724条後段所定の除斥期間の起算点となる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成16年10月15日 平成13(オ)1194
登載
民集 第58巻7号1802頁
参照法条
国家賠償法1条1項,公共用水域の水質の保全に関する法律(昭和45年法律第108号による改正前のもの)1条,公共用水域の水質の保全に関する法律5条,工場排水等の規制に関する法律1条,工場排水等の規制に関する法律2条2項,工場排水等の規制に関する法律7条,工場排水等の規制に関する法律12条,旧熊本県漁業調整規則(昭和26年熊本県規則第31号。昭和40年熊本県規則第18号の2による廃止前のもの)1条,旧熊本県漁業調整規則(昭和26年熊本県規則第31号。昭和40年熊本県規則第18号の2による廃止前のもの)32条,民法724条
論点13第724条民法

民法724条〈不法行為による損害賠償請求権の消滅時効〉にいう被害者が損害を知った時の意義

裁判要旨民法724条〈不法行為による損害賠償請求権の消滅時効〉にいう被害者が損害を知った時とは,被害者が損害の発生を現実に認識した時をいう。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成14年1月29日 平成8(オ)2607
登載
民集 第56巻1号218頁
参照法条
民法724条
論点14第724条民法

関連新聞社から記事の提供を受けてこれとほぼ同一内容の記事を掲載した新聞社に対する名誉毀損に基づく損害賠償請求訴訟において被害者が同記事の掲載を認識したとする認定に経験則違反の違法があるとされた事例

裁判要旨関連新聞社甲から記事の提供を受けてこれとほぼ同一内容の記事を掲載した新聞社乙に対する名誉毀損に基づく損害賠償請求訴訟において,甲と乙の各掲載記事の紙面構成や見出しが一見して明らかに異なっており,乙の掲載記事には甲の掲載記事にはない記述が書き加えられており,甲が発行する新聞に掲載された記事でも乙が発行する新聞に掲載されない場合があるという判示の事情の下においては,被害者Aが乙の掲載記事に接する機会があった,又はAが他者から甲の掲載記事と同じ記事が乙の発行する新聞にも掲載されたことを知らされた等の具体的事実の立証がないのに,Aが,甲が乙に提供した記事を東京で発行する新聞に掲載したこと及び乙が九州地方で甲と同一名称の新聞を発行していることを知った時に,乙の発行する新聞に上記記事が掲載されたことを認識したとする原審の認定には,経験則違反の違法がある。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成14年1月29日 平成10(オ)780
登載
集民 第205号309頁
参照法条
民法724条,民訴法247条
論点15第724条民法

不法行為を原因として心神喪失の常況にある被害者の損害賠償請求権と民法七二四条後段の除斥期間

裁判要旨不法行為の被害者が不法行為の時から二〇年を経過する前六箇月内において右不法行為を原因として心神喪失の常況にあるのに法定代理人を有しなかった場合において、その後当該被害者が禁治産宣告を受け、後見人に就職した者がその時から六箇月内に右不法行為による損害賠償請求権を行使したなど特段の事情があるときは、民法一五八条〈未成年者又は成年被後見人と時効の完成猶予〉の法意に照らし、同法七二四条後段の効果は生じない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成10年6月12日 平成5(オ)708
登載
民集 第52巻4号1087頁
参照法条
民法158条,民法724条
論点16第724条民法

1 優生保護法3条1項1号〈私権の享有は、出生に始まる。〉から3号まで、10条〈後見開始の審判の取消し〉及び13条2項〈保佐人の同意を要する行為等〉(3条1項1号、2号及び10条については、昭和23年9月11日から平成8年9月25日までの間、3条1項3号については、昭和23年9月11日から平成8年3月31日までの間、13条2項については、昭和27年5月27日から平成8年9月25日までの間において施行されていたもの)と憲法13条及び14条1項〈保佐開始の審判等の取消し〉
2 優生保護法3条1項1号から3号まで、10条及び13条2項(3条1項1号、2号及び10条については、昭和23年9月11日から平成8年9月25日までの間、3条1項3号については、昭和23年9月11日から平成8年3月31日までの間、13条2項については、昭和27年5月27日から平成8年9月25日までの間において施行されていたもの)に係る国会議員の立法行為の国家賠償法1条1項〈基本原則〉所定の違法性の有無
3 裁判所が民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)724条〈不法行為による損害賠償請求権の消滅時効〉後段の除斥期間の主張が信義則に反し又は権利の濫用として許されないと判断することができる場合
4 民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)724条後段の除斥期間の主張をすることが信義則に反し権利の濫用として許されないとされた事例

裁判要旨1 優生保護法3条1項1号〈私権の享有は、出生に始まる。〉から3号まで、10条〈後見開始の審判の取消し〉及び13条2項〈保佐人の同意を要する行為等〉(3条1項1号、2号及び10条については、昭和23年9月11日から平成8年9月25日までの間、3条1項3号については、昭和23年9月11日から平成8年3月31日までの間、13条2項については、昭和27年5月27日から平成8年9月25日までの間において施行されていたもの)は、憲法13条及び14条1項に違反する。
2 優生保護法3条1項1号から3号まで、10条及び13条2項(3条1項1号、2号及び10条については、昭和23年9月11日から平成8年9月25日までの間、3条1項3号については、昭和23年9月11日から平成8年3月31日までの間、13条2項については、昭和27年5月27日から平成8年9月25日までの間において施行されていたもの)に係る国会議員の立法行為は、国家賠償法1条1項の適用上、違法の評価を受ける。
3 不法行為によって発生した損害賠償請求権が民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)724条〈不法行為による損害賠償請求権の消滅時効〉後段の除斥期間の経過により消滅したものとすることが著しく正義・公平の理念に反し、到底容認することができない場合には、裁判所は、除斥期間の主張が信義則に反し又は権利の濫用として許されないと判断することができる。
4 優生保護法(昭和27年法律第141号による改正後のもの)3条1項1号の規定に基づいて生殖を不能にする手術を受けた者及びその配偶者並びに同法13条2項の規定に基づいて生殖を不能にする手術を受けた者が、国に対し、上記各規定を含む優生保護法の関係規定に係る国会議員の立法行為は違法であると主張して、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求めた場合において、次の⑴~⑸など判示の事情の下では、上記の者らが上記損害賠償を求める訴えを提起した後に「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律」が成立し、施行されたことを考慮しても、上記の者らの上記の損害賠償請求権の行使に対して国が民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)724条後段の除斥期間の主張をすることは、信義則に反し、権利の濫用として許されない。
⑴ 国は、約48年間にわたり、国家の政策として、優生保護法3条1項1号から3号まで、10条及び13条2項の規定(3条1項1号、2号及び10条については、昭和23年9月11日から平成8年9月25日までの間、3条1項3号については、昭和23年9月11日から平成8年3月31日までの間、13条2項については、昭和27年5月27日から平成8年9月25日までの間において施行されていたもの)に基づく施策を実施してきた。
⑵ 国は、上記施策の実施に当たり、審査を要件とする優生手術を行う際に身体の拘束、麻酔薬施用又は欺罔等の手段を用いることも許される場合がある旨の厚生事務次官通知を各都道府県知事宛てに発出するなどして、優生手術を行うことを積極的に推進していた。
⑶ 上記施策が実施された結果として、少なくとも約2万5000人の者が上記規定に基づいて生殖を不能にする手術を受け、これにより生殖能力を喪失するという被害を受けた。
⑷ 上記訴えを提起した者らについて、上記損害賠償請求権の速やかな行使を期待することができたと解すべき事情があったことはうかがわれない。
⑸ 国は、平成8年に上記規定が削除された後、長期間にわたって、上記規定により行われた生殖を不能にする手術は適法であり、補償はしないという立場をとり続けてきた。
(3につき補足意見及び意見、4につき補足意見がある。)
裁判
最高裁判所大法廷 令和6年7月3日 令和5(受)1319
登載
民集 第78巻3号382頁
参照法条
(1、2、4につき)優生保護法(昭和27年法律第141号による改正後のもの)3条1項1号ないし3号、優生保護法(昭和27年法律第141号による改正後のもの)4条、優生保護法(昭和27年法律第141号による改正後のもの)10条、優生保護法(昭和27年法律第141号による改正後のもの)12条、優生保護法(昭和27年法律第141号による改正後のもの)13条 (1につき)憲法13条、憲法14条1項 (2、4につき)国家賠償法1条1項 (3、4につき)民法1条2項、民法3項、民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)724条
論点17第724条民法

家屋の評価の誤りに基づき固定資産税等の税額が過大に決定されたことによる損害賠償請求権に係る民法724条〈不法行為による損害賠償請求権の消滅時効〉後段所定の除斥期間の起算点

裁判要旨家屋の評価の誤りに基づきある年度の固定資産税及び都市計画税の税額が過大に決定されたことによる損害賠償請求権に係る民法724条〈不法行為による損害賠償請求権の消滅時効〉後段所定の除斥期間は,当該年度の固定資産税等に係る賦課決定がされ所有者に納税通知書が交付された時から進行する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 令和2年3月24日 平成30(受)388
登載
民集 第74巻3号292頁
参照法条
国家賠償法1条1項,民法724条
論点18第167条民法

農地の売買に基づく県知事に対する所有権移転許可申請協力請求権の消滅時効期間の経過後に右農地が非農地化した場合における所有権の移転及び非農地化後にされた時効援用の効力の有無

裁判要旨農地の売買に基づく県知事に対する所有権移転許可申請協力請求権の消滅時効期間が経過してもその後に右農地が非農地化した場合には、買主に所有権が移転し、非農地化後にされた時効の援用は効力を生じない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和61年3月17日 昭和59(オ)211
登載
民集 第40巻2号420頁
参照法条
民法145条,民法167条1項,農地法3条1項
論点19第167条民法

譲渡担保を設定した債務者の目的不動産に対するいわゆる受戻権と民法一六七条二項の規定の適用の可否

裁判要旨譲渡担保を設定した債務者による債務の弁済と右弁済に伴う目的不動産の返還請求権とを合体し、一個の形成権たる受戻権として、これに民法一六七条二項の規定を適用することはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和57年1月22日 昭和55(オ)153
登載
民集 第36巻1号92頁
参照法条
民法167条2項,民法369条(譲渡担保)
論点20第167条民法

農地の受贈者の贈与者に対して有する知事に対する所有権移転許可申請協力請求権と消滅時効

裁判要旨農地の受贈者の贈与者に対して有する知事に対する所有権移転許可申請協力請求権は、民法一六七条一項〈人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効〉所定の債権にあたる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和56年10月1日 昭和56(オ)575
登載
集民 第134号23頁
参照法条
民法167条1項,農地法3条
論点21第167条民法

商行為である金銭消費貸借に関し利息制限法所定の制限を超えて支払われた利息・損害金についての不当利得返還請求権の消滅時効期間

裁判要旨商行為である金銭消費貸借に関し利息制限法所定の制限を超えて支払われた利息・損害金についての不当利得返還請求権の消滅時効期間は、一〇年と解すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和55年1月24日 昭和53(オ)1129
登載
民集 第34巻1号61頁
参照法条
民法167条,民法703条,商法522条,利息制限法1条,利息制限法4条
論点22第167条民法

借地法一〇条による建物買取請求権の消滅時効が認められた事例

裁判要旨借地法一〇条による建物買取請求権は、当該土地明渡請求訴訟における訴状送達の時から一〇年の経過によりすでに時効により消滅している。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和54年9月21日 昭和54(オ)462
登載
集民 第127号469頁
参照法条
借地法10条,民法167条
論点23第167条民法

所有権移転登記請求権と消滅時効

裁判要旨不動産の譲渡による所有権移転登記請求権は、右譲渡によつて生じた所有権移転の事実が存する限り独立して消滅時効にかからない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和51年11月5日 昭和51(オ)727
登載
集民 第119号181頁
参照法条
民法167条,民法177条
論点24第167条民法

商事普通消滅時効のみを援用する場合に民事普通時効につき判断することの要否

裁判要旨債務者が商法五二二条所定の消滅時効のみを援用することが明らかな場合には、たとえ債権が弁済期から一〇年を経過していても、民法一六七条〈人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効〉所定の時効につき判断することを要しない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和48年6月14日 昭和47(オ)1011
登載
集民 第109号349頁
参照法条
民法145条,民法167条,商法522条
論点25第167条民法

一、弁済供託における供託金取戻請求が供託官により却下された場合と訴訟の形式
二、弁済供託における供託金取戻請求権の消滅時効の起算点および期間

裁判要旨一、弁済供託における供託金取戻請求が供託官により却下された場合には、供託官を被告として却下処分の取消の訴を提起することができる。
二、弁済供託における供託金取戻請求権の消滅時効は、供託の基礎となつた債務について紛争の解決などによつてその不存在が確定するなど、供託者が免責の効果を受ける必要が消滅した時から進行し、一〇年をもつて完成する。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和45年7月15日 昭和40(行ツ)100
登載
民集 第24巻7号771頁
参照法条
供託法1条ノ3,供託法8条2項,供託規則38条,民法166条1項,民法167条1項,民法496条1項,行政事件訴訟法3条2項,会計法30条
論点26第167条民法

一、農地の受贈者に農地法第三条第二項の不許可事由のある場合と受贈者より贈与者に対して所有権移転登記手続等を求める訴えの利益の有無
二、時効期間内に農地所有権移転登記手続の請求が提訴され時効期間経過後に知事に対する許可申請手続の請求が追加されたときと許可申請請求権の消滅時効の中断の成否

裁判要旨一、農地の受贈者に農地所有権移転に必要な知事の許可を妨げる事由がある場合であつても、右受贈者から贈与者に対して、知事に対する許可申請手続および右許可を条件とする所有権移転登記手続を求める訴えの利益は失われない。
二、農地の受贈者から贈与者に対し、時効期間内に、農地所有権移転登記手続の請求が提訴された場合において、その後、時効期間経過後に知事に対する許可申請手続の請求が追加されたときは、これにより右許可申請の請求権の消滅時効は中断される。
(原審大阪高裁昭和四〇年(ネ)第八五〇号昭和四〇・一二・二一判決、下級民集一六巻一二号一七八七頁参照。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和43年12月24日 昭和41(オ)441
登載
集民 第93号907頁
参照法条
農地法3条,民法149条,民法153条,民法167条,民訴法225条,民訴法232条,民訴法235条
論点27第167条民法

預託金会員制ゴルフクラブの施設利用権の消滅時効と会員権の消長

裁判要旨預託金会員制ゴルフクラブの施設利用権の消滅時効は、会員が施設の利用をしない状態が継続したことのみによっては進行せず、ゴルフ場経営会社が、会員に対してその資格を否定して施設の利用を拒絶し、あるいは会員の利用を不可能な状態としたような時から進行し、右利用権が時効により消滅したときは、ゴルフ会員権は、包括的権利としては存続し得ない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成7年9月5日 平成3(オ)771
登載
民集 第49巻8号2733頁
参照法条
民法166条1項,民法167条1項,民法第3編第2章契約
論点28第167条民法

遺留分減殺請求により取得した不動産の所有権又は共有持分権に基づく登記請求権と消滅時効

裁判要旨遺留分権利者が減殺請求により取得した不動産の所有権又は共有持分権に基づく登記請求権は、時効によって消滅することはない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成7年6月9日 平成6(オ)2007
登載
集民 第175号549頁
参照法条
民法167条,民法884条,民法1042条
論点29第167条民法

商行為たる船体保険契約及び質権設定契約に基づき保険者から質権者に支払われた保険金に関する不当利得返還請求権の消滅時効期間

裁判要旨法定の免責事由があるにもかかわらず、商行為たる船体保険契約及び質権設定契約に基づき保険者から質権者に保険金が支払われた場合の不当利得返還請求権の消滅時効期間は、一〇年である。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成3年4月26日 平成1(オ)1232
登載
集民 第162号769頁
参照法条
民法167条1項,民法703条,商法522条,商法641条
論点30第167条民法

抵当権の被担保債権が免責許可の決定の効力を受ける場合における当該抵当権自体の消滅時効

裁判要旨抵当権の被担保債権が免責許可の決定の効力を受ける場合には,民法396条〈抵当権の消滅時効〉は適用されず,債務者及び抵当権設定者に対する関係においても,当該抵当権自体が,同法167条2項〈人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効〉所定の20年の消滅時効にかかる。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成30年2月23日 平成29(受)468
登載
民集 第72巻1号1頁
参照法条
民法167条2項,民法396条,破産法253条1項本文
論点31第167条民法

宅地建物取引業法30条1項前段所定の事由が発生した場合において,同条2項本文所定の公告がされなかったときにおける営業保証金の取戻請求権の消滅時効の起算点

裁判要旨宅地建物取引業法30条1項前段所定の事由が発生した場合において,同条2項本文所定の公告がされなかったときは,営業保証金の取戻請求権の消滅時効は,当該事由が発生した時から10年を経過した時から進行する。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成28年3月31日 平成27(行ヒ)374
登載
民集 第70巻3号969頁
参照法条
民法166条1項,民法167条1項,宅地建物取引業法27条,宅地建物取引業法30条
論点32第167条民法

商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づく会社の取締役に対する損害賠償請求権の消滅時効期間

裁判要旨商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づく会社の取締役に対する損害賠償請求権の消滅時効期間は,民法167条1項〈人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効〉により10年と解すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成20年1月28日 平成18(受)1074
登載
民集 第62巻1号128頁
参照法条
民法167条1項,商法522条,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)254条3項,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)254条ノ3,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号,会社法423条1項,会社法430条
論点33第167条民法

瑕疵担保による損害賠償請求権と消滅時効

裁判要旨瑕疵担保による損害賠償請求権には消滅時効の規定の適用がある
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成13年11月27日 平成10(オ)773
登載
民集 第55巻6号1311頁
参照法条
民法167条1項,民法566条3項,民法570条
論点34第167条民法

1 弁済供託における供託金取戻請求権の消滅時効の起算点
2 債権者不確知を原因とする弁済供託に係る供託金取戻請求の却下処分が違法とされた事例

裁判要旨1 弁済供託における供託金取戻請求権の消滅時効は,過失なくして債権者を確知することができないことを原因とする弁済供託の場合を含め,供託者が免責の効果を受ける必要が消滅した時から進行する。
2 過失なくして債権者を確知することができないことを原因として賃料債務についてされた弁済供託につき,同債務の各弁済期の翌日から民法169条所定の5年の時効期間が経過した時から更に10年が経過する前にされた供託金取戻請求に対し,同取戻請求権の消滅時効が完成したとしてこれを却下した処分は,違法である。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成13年11月27日 平成10(行ツ)22
登載
民集 第55巻6号1334頁
参照法条
供託法8条2項,民法166条1項,民法167条1項,民法169条,民法496条1項
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

民法 第721条(損害賠償請求権に関する胎児の権利能力) 詳細ページ
(損害賠償請求権に関する胎児の権利能力)
第七百二十一条胎児は、損害賠償の請求権については、既に生まれたものとみなす。
民法 第724条(不法行為による損害賠償請求権の消滅時効) 詳細ページ
(不法行為による損害賠償請求権の消滅時効)
第七百二十四条不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。
二不法行為の時から二十年間行使しないとき。
民法 第167条(人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効) 詳細ページ
(人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効)
第百六十七条人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効についての前条第一項第二号の規定の適用については、同号中「十年間」とあるのは、「二十年間」とする。
民法 第724_2条(人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効) 詳細ページ
(人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効)
第七百二十四条の二人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効についての前条第一号の規定の適用については、同号中「三年間」とあるのは、「五年間」とする。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。