論点1第373条民法
競売法による不動産競売手続における仮登記のある抵当権者に対する競売代金の配当方法
裁判要旨競売法による不動産競売手続において、競売裁判所は、仮登記のある抵当権者に対してはその仮登記の本登記をすれば第三者に対抗することができる抵当権の順位および内容にしたがつて競売代金を配当すべく、その配当額についてはこれを供託し、後日その仮登記の本登記をするに必要な条件を具備するに至つたとき、これを右仮登記権利者に交付すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和50年4月25日 昭和49(オ)1131
- 登載
- 集民 第114号661頁
- 参照法条
- 民訴法630条3項,民法373条,不動産登記法2条
論点2第373条民法
後順位抵当権者と先順位抵当権の被担保債権の消滅時効の援用
裁判要旨後順位抵当権者は、先順位抵当権の被担保債権の消滅時効を援用することができない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成11年10月21日 平成9(オ)1771
- 登載
- 民集 第53巻7号1190頁
- 参照法条
- 民法145条,民法369条,民法373条1項
論点3第374条民法
不動産の譲渡担保権者が先順位の抵当権又は根抵当権の被担保債権を代位弁済したことによつて取得する求償債権と譲渡担保権の被担保債権の範囲
裁判要旨不動産の譲渡担保権者がその不動産に設定された先順位の抵当権又は根抵当権の被担保債権を代位弁済したことによつて取得する求償債権は、譲渡担保設定契約に特段の定めのない限り、譲渡担保権によつて担保されるべき債権の範囲に含まれないものと解するのが相当である。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和61年7月15日 昭和58(オ)1110
- 登載
- 集民 第148号307頁
- 参照法条
- 民法346条,民法369条(譲渡担保),民法374条,民法398条ノ3
論点4第374条民法
代物弁済予約形式の債権担保契約と民法三七四条の準用の有無
裁判要旨代物弁済予約形式の債権担保契約を締結した債権者が、その担保目的を実現するにあたって、後順位債権者に優先して弁済を受けうる利息・損害金については、民法
三七四条〈抵当権の順位の変更〉の規定は準用されないと解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和47年10月26日 昭和46(オ)467
- 登載
- 民集 第26巻8号1465頁
- 参照法条
- 民法482条,民法374条
論点5第374条民法
元本極度額の登記がある根抵当権と民法第三七四条
裁判要旨根抵当権については、一般に民法第三七四条の適用はないが、元本極度額としての登記がある場合には同条の適用があり、最後の二年分の利息・損害金については、元本との合計額が極度額をこえる場合においても、抵当債権者は優先弁済を受け得るものと解すべきである(大審院昭和一三年(オ)第一二八六号同年二月一日判決、民集一七巻二一六五頁参照)。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和43年11月15日 昭和42(オ)662
- 登載
- 集民 第93号255頁
- 参照法条
- 民法374条
論点6第374条民法
債権者が根抵当権の極度額をこえる債権を有する場合において抵当物件の第三取得者が右極度額を弁済したときと根抵当権設定登記の抹消登記請求権の有無
裁判要旨債権者が根抵当権の極度額をこえる債権を有する場合において、抵当物件の第三取得者は、右極度額の限度で弁済したにすぎないときは、その根抵当権設定登記の抹消登記請求権を有しない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和42年12月8日 昭和42(オ)80
- 登載
- 民集 第21巻10号2561頁
- 参照法条
- 民法177条,民法374条,民法378条
論点7第375条民法
昭和四六年法律第九九号による改正前の民法のもとにおいてされた根抵当権の順位譲渡において譲渡人と譲受人の中間に担保権者が存する場合の譲渡の効力
裁判要旨昭和四六年法律第九九号による改正前の民法のもとにおいて根抵当権の順位が譲渡された場合において、順位譲渡人と順位譲受人との中間に担保権者が存在するときは、順位譲受人は、右譲渡人に対する優先配当額を限度とする配当を受けることができるにすぎない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和57年6月8日 昭和54(オ)863
- 登載
- 集民 第136号47頁
- 参照法条
- 民法375条
論点8第375条民法
一、代物弁済の予約につき請求権保全の仮登記が経由されている不動産の所有権が第三者に移転したときと予約完結権行使の相手方
二、債権担保のため同一不動産に代物弁済の予約とともに設定された抵当権が転抵当に供されている場合と予約完結権行使の許否
裁判要旨一、不動産に関する代物弁済の予約につき請求権保全の仮登記が経由されている場合においては、該不動産の所有権が第三者に移転したときであつても、代物弁済予約権者は、予約の相手方に対して予約完結の意思表示をすべきである。
二、貸金債権担保のため同一不動産につき代物弁済の予約とともに抵当権の設定があり、その抵当権が転抵当に供されている場合において、転抵当権の被担保債権額が原抵当権の被担保債権額以上であるときは、右代物弁済の予約が清算を要しないものでないかぎり、代物弁済予約権者は、予約完結権を行使することができない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和44年10月16日 昭和43(オ)489
- 登載
- 民集 第23巻10号1759頁
- 参照法条
- 民法482条,民法556条1項,民法369条,民法375条1項,不動産登記法2条2号,不動産登記法7条2項,不動産登記法105条1項
論点9第375条民法
免責的債務引受により当然従前の根抵当権は消滅するか。
裁判要旨免責的債務引受がなされたからといつて、当然に従前の根抵当権の消滅をきたすものではない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和39年3月19日 昭和37(オ)523
- 登載
- 集民 第72号551頁
- 参照法条
- 民法第3編第1章総則(債務引受),民法375条
論点10第375条民法
抵当権の順位の譲渡の効力。
裁判要旨甲が、乙に対する債権確保のため、乙所有の不動産につき順位一番の抵当権設定登記をうけ、その後停止条件付代物弁済契約による所有権移転請求権保全の仮登記をうけ、さらにその後丙が乙に対する債権担保のため右不動産につき順位二番の抵当権設定登記をうけた場合に、甲が丙に対し順位一番の抵当権の順位を譲渡してその旨の附記登記を経由したときは、その後条件の成就により甲が乙から右代物弁済をうけても、丙は、甲および乙に対し順位一番の抵当権をもつて対抗することができる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和38年3月1日 昭和35(オ)82
- 登載
- 民集 第17巻2号269頁
- 参照法条
- 民法375条,民法376条
論点11第376条民法
一 原抵当権が虚偽仮装であることにつき善意で転抵当権の設定を受けその旨の登記を経由した者が民法三七六条所定の対抗要件を具備しない場合と同人の原抵当権設定者に対する原抵当権設定登記の抹消の承諾義務
二 民法九四条二項〈虚偽表示〉所定の第三者の善意の判定時期
裁判要旨一 甲と乙との通謀により甲から乙に対し抵当権を設定したものと仮装した抵当権設定登記が経由されたのち、乙が善意の丙に対し転抵当権を設定し、丙を権利者とする転抵当権設定登記が経由された場合において、丙は、いまだ民法三七六条所定の対抗要件を具備しないときであつても、原抵当権の設定の無効を理由とする原抵当権設定登記の抹消について、甲に対し承諾の義務を負うものではない。
二 民法
九四条二項〈虚偽表示〉所定の第三者の善意の存否は、同条項の適用の対象となるべき法律関係ごとに当該法律関係につき第三者が利害関係を有するに至つた時期を基準として決すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和55年9月11日 昭和53(オ)1213
- 登載
- 民集 第34巻5号683頁
- 参照法条
- 民法94条,民法376条1項,不動産登記法146条1項
論点12第378条民法
一 借地法第一〇条に基づく建物買取請求権行使によつて成立する売買と民法第五七七条適用の有無
二 買取請求権行使の対象たる建物に抵当権が設定されている場合と当該建物の時価
三 滌除権の取得と所有権所得登記の要否
裁判要旨一 借地法第一〇条に基づく建物買取請求権行使によつて成立する売買についても民法第五七七条の適用がある。
二 借地法第一〇条に基づく買取請求の対象たる建物の時価は、建物に抵当権の設定があつても減額されるべきではない。
三 抵当不動産の買主が売主に対する関係で滌除権の取得を主張するためには、右不動産の所有権取得登記を経ることを要しない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和39年2月4日 昭和36(オ)1299
- 登載
- 民集 第18巻2号233頁
- 参照法条
- 民法378条,民法577条,民法177条,借地法10条
論点13第378条民法
一個の不動産の全体を目的とする抵当権が設定されている場合における抵当不動産の共有持分の第三取得者による滌除の可否
裁判要旨一個の不動産の全体を目的とする抵当権が設定されている場合には、右抵当不動産の共有持分を取得した第三者が抵当権の滌除をすることはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成9年6月5日 平成5(オ)1713
- 登載
- 民集 第51巻5号2096頁
- 参照法条
- 民法249条,民法378条
論点14第378条民法
譲渡担保権者と滌除権
裁判要旨譲渡担保権者は、担保権を実行して確定的に抵当不動産の所有権を取得しない限り、民法
三七八条〈代価弁済〉所定の滌除権者たる第三取得者に当たらない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成7年11月10日 平成4(オ)1128
- 登載
- 民集 第49巻9号2953頁
- 参照法条
- 民法369条(譲渡担保),民法378条
論点15第387条民法
一、労働金庫の会員外の者に対する貸付の効力
二、員外貸付が無効とされる場合に債務者において右債務を担保するために設定された抵当権の実行による所有権の取得を否定することが許されないとされた事例
裁判要旨一、労働金庫の会員外の者に対する貸付は無効である。
二、労働金庫の員外貸付が無効とされる場合においても、右貸付が判示のような事情のもとにされたものであつて、右債務を担保するために設定された抵当権が実行され、第三者がその抵当物件を競落したときは、債務者は、信義則上、右競落人に対し、競落による所有権の取得を否定することは許されない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和44年7月4日 昭和43(オ)916
- 登載
- 民集 第23巻8号1347頁
- 参照法条
- 民法1条,民法43条,民法387条,労働金庫法58条
論点16第388条民法
一 隣接する二筆の土地上にまたがつて存在し登記上の所在地番及び構造が実際と相違する建物の敷地のうち一筆の土地について法定地上権が成立した場合と建物保護に関する法律一条〈基本原則〉による対抗力
二 建物の競売により法定地上権を取得した者が敷地譲受人による所有権移転登記の経由後に建物の所有権保存登記を経由した場合と敷地転得者に対する地上権の対抗
裁判要旨一 隣接する甲乙両土地上にまたがつて存在する建物の敷地のうち甲土地について法定地上権が成立し、建物の登記上、所在地番として一筆の土地の地番が表示され、その所在地番及び構造が実際と相違していても、右地番が大部分の敷地である乙土地の地番と多少相違するにとどまり、登記の表示全体において右建物の同一性を認識できる程度の軽微な相違でたやすく更正登記が可能である場合には、右地上権は、建物保護に関する法律
一条〈基本原則〉による対抗力を有する。
二 建物の競売により法定地上権を取得した者は、その対抗要件を具備しない間に敷地の譲受人が所有権移転登記を経由しても、その後更に敷地の所有権を取得した者が所有権移転登記を経由するまでの間に建物につき所有権保存登記を経由した場合には、右敷地転得者に対して地上権の取得を対抗することができる。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和63年1月26日 昭和61(オ)956
- 登載
- 集民 第153号323頁
- 参照法条
- 建物保護に関する法律1条,民法177条,民法388条
論点17第388条民法
土地及びその地上建物の所有者が土地につき所有権移転登記を経由しないまま建物に抵当権を設定した場合と法定地上権の成否
裁判要旨土地及びその地上建物の所有者が建物につき抵当権を設定したときは、土地の所有権移転登記を経由していなくても、法定地上権の成立を妨げない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和53年9月29日 昭和53(オ)533
- 登載
- 民集 第32巻6号1210頁
- 参照法条
- 民法177条,民法388条
論点18第388条民法
土地及びその地上の非堅固建物の所有者が土地につき抵当権を設定したのち地上建物を取り壊して堅固建物を建築した場合に堅固建物の所有を目的とする法定地上権が成立するとされた事例
裁判要旨土地及びその地上の非堅固建物の所有者が土地につき抵当権を設定したのち地上建物を取り壊して堅固建物を建築した場合において、抵当権者が、抵当権設定当時、近い将来地上建物が取り壊され堅固建物が建築されることを予定して右土地の担保価値を算定したものであるときは、堅固建物の所有を目的とする法定地上権の成立を妨げない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和52年10月11日 昭和52(オ)287
- 登載
- 民集 第31巻6号785頁
- 参照法条
- 民法388条
論点19第388条民法
土地の抵当権者が抵当権設定後に建物が築造されることをあらかじめ承認した場合と法定地上権の成否
裁判要旨土地に対する抵当権設定当時、その地上に建物が存在しなかつたときは、たとえ抵当権者において右建物の築造をあらかじめ承認した事実があつても、民法
三八八条〈法定地上権〉の適用がない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和51年2月27日 昭和50(オ)1039
- 登載
- 集民 第117号103頁
- 参照法条
- 民法388条
論点20第388条民法
土地とその地上建物の各所有者の間に親子・夫婦の関係があるときと法定地上権の成否
裁判要旨抵当権設定当時に土地とその地上建物が別個の所有者に属するときには法定地上権を設定したものとみなすことはできず、この理は両所有者の間に親子・夫婦の関係があるときでも同様である。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和51年10月8日 昭和51(オ)576
- 登載
- 集民 第119号35頁
- 参照法条
- 民法388条
論点21第388条民法
土地及びその地上の未登記建物の所有者が建物の所有権移転登記を経由しないまま土地につき抵当権を設定した場合と法定地上権の成否
裁判要旨土地及びその地上の未登記建物の所有者が建物の取得原因である譲受につき所有権移転登記を経由しないまま土地に対し抵当権を設定した場合においても、法定地上権の成立を妨げない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和50年7月11日 昭和49(オ)1052
- 登載
- 集民 第115号339頁
- 参照法条
- 民法177条,民法388条
論点22第388条民法
法定地上権の存続期間
裁判要旨民法
三八八条〈法定地上権〉所定の地上権には、借地法が適用され、当事者間で協議が調わない場合には、同法二条一項によつてその存続期間が定まる。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和49年2月26日 昭和48(オ)1018
- 登載
- 集民 第111号173頁
- 参照法条
- 民法388条,借地法2条1項
論点23第388条民法
土地およびその地上建物の所有者が建物の所有権移転登記を経由しないまま土地につき抵当権を設定した場合と法定地上権の成否
裁判要旨土地およびその地上建物の所有者が建物の取得原因である譲受につき所有権移転登記を経由しないまま土地に対し抵当権を設定した場合であつても、法定地上権の成立を妨げない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和48年9月18日 昭和45(オ)989
- 登載
- 民集 第27巻8号1066頁
- 参照法条
- 民法177条,民法388条
論点24第388条民法
抵当権の設定されていない同一所有者に属する土地およびその上の建物が強制競売の結果所有者を異にするに至つた場合における法定地上権の成否
裁判要旨消極(改正国税徴収法・昭和三四年法律第一四七号施行後の時期における事案)
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和47年7月20日 昭和47(オ)461
- 登載
- 集民 第106号497頁
- 参照法条
- 民法388条
論点25第388条民法
仮差押登記のなされた土地上に存する建物について抵当権が設定された場合と建物競落人の法定地上権
裁判要旨仮差押登記のなされた土地上に存する右土地所有者の所有にかかる建物について抵当権が設定された場合には、右抵当権の実行による建物の競落人は、法定地上権を取得するが、右仮差押が本執行に移行してなされた強制競売手続により右土地を競落取得した者に対しては、右法定地上権をもつて対抗することができない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和47年4月7日 昭和47(オ)35
- 登載
- 民集 第26巻3号471頁
- 参照法条
- 民法388条,民訴法737条,民訴法751条
論点26第388条民法
一、土地に対する第一順位抵当権の設定後第二順位抵当権の設定前に地上に建物が建築された場合における第二順位抵当権の実行と法定地上権の成否
二、更地に対する抵当権者が建物の建築を承認した場合と法定地上権の成告
裁判要旨一、土地に対する第一順位抵当権の設定当時その地上に建物がなく、第二順位抵当権の設定当時には建物が建築されていた場合に、第二順位抵当権者の申立により土地が競売されたときでも、右建物のため法定地上権が成立するものではない。
二、土地の抵当権設定当時その土地が更地であつた場合には、その後に地上に建物が建築されることを抵当権者が承認した事実があつても、土地の競売により、右建物のため法定地上権が成立するものではない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和47年11月2日 昭和47(オ)674
- 登載
- 集民 第107号107頁
- 参照法条
- 民法388条
論点27第388条民法
建物の共有者の一人がその敷地を所有する場合と法定地上権の成否
裁判要旨建物の共有者の一人がその敷地を所有する場合において、右土地に設定された抵当権が実行され、第三者がこれを競落したときは、右土地につき、建物共有者全員のために、法定地上権が成立するものと解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和46年12月21日 昭和46(オ)844
- 登載
- 民集 第25巻9号1610頁
- 参照法条
- 民法388条
論点28第388条民法
代物弁済形式の担保権の実行に伴う法律関係につき民法三八八条の類推適用による法定地上権の成立が認められなかつた事例
裁判要旨土地に対する抵当権の設定当時において地上に建物が存在しなかつた場合には、右抵当権と同一債権の担保を目的として重ねて右土地につき停止条件付代物弁済契約が結ばれた当時には地上に債務者所有の建物が存在したときでも、右代物弁済契約の条件成就後の法律関係につき、民法
三八八条〈法定地上権〉の類推適用による法定地上権の成立を認めることはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和45年7月16日 昭和41(オ)647
- 登載
- 民集 第24巻7号982頁
- 参照法条
- 民法388条,民法482条
論点29第388条民法
一、仮換地上の建物の競落と法定地上権
二、仮換地の一部分につき売買契約を締結した場合と仮換地の使用収益権
三、従前の土地の共有者の一人の所有する仮換地上建物が競落された場合に法定地上権の成立が認められた事例
四、仮換地上の建物の競落により法定地上権が成立した場合において土地区画整理事業施行者から使用収益部分の指定を受けない間における競落人の建物所有による敷地の占有と不法占有の成否
裁判要旨一、従前の土地の所有者の所有する仮換地上の建物が抵当権の実行により競落されたときは、従前の土地について法定地上権が成立し、競落人は、右法定地上権に基づいて仮換地の使用収益が許されるものと解するのが相当である。
二、土地の売買契約が仮換地につきその一部分を特定して締結され従前の土地そのものにつき買受部分を特定してされたものでないときは、特段の事情のないかぎり、仮換地全体の地積に対する当該特定部分の地積の比率に応じた従前の土地の共有持分について売買契約が締結され、買主と売主とは従前の土地の共有者となるとともに、仮換地上に準共有関係として従前の土地の持分の割合に応じた使用収益権を取得するものと解するのが相当である。
三、前項の場合において、売主と買主との協議により、仮換地上の買受部分を買主の所有とする旨の合意が成立していたときは、買主が買受土地上に建築所有する建物につき設定された抵当権の実行により、右建物の競落人のため従前の土地について法定地上権が成立し、競落人は右法定地上権に基づいて仮換地上の建物敷地を占有しうべき権原を取得するものと解するのが相当である。
四、仮換地上の建物が競落されたことにより従前の土地に法定地上権が成立したときは、右法定地上権について土地区画整理事業施行者から仮換地上に使用収益すべき部分の指定を受けない間においても、競落人の建物所有による敷地の占有は、抵当権設定者たる仮換地使用収益権者との関係では不法占有とならない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和44年11月4日 昭和41(オ)529
- 登載
- 民集 第23巻11号1968頁
- 参照法条
- 民法388条,民法249条,民法555条,土地区画整理法99条,土地区画整理法85条,土地区画整理法98条
論点30第388条民法
法定地上権の地代確定訴訟の判決が確定した場合右訴訟の係属中に右法定地上権を譲り受けていた者の支払うべき地代額
裁判要旨法定地上権の地代確定訴訟の係属中、右法定地上権が譲渡され、その後右訴訟の判決が確定した場合においては、その譲受人は、右判決によつて譲渡人と地主との間で確定された右譲受当時の地代を、譲受の時に遡つて支払うべき義務を負うものと解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和43年2月23日 昭和42(オ)1075
- 登載
- 集民 第90号405頁
- 参照法条
- 民法388条,民訴法201条1項
論点31第388条民法
所有者が土地及び地上建物に共同抵当権を設定した後に建て替えた新建物に土地の抵当権と同順位の共同抵当権を設定した場合に右抵当権の被担保債権に優先する国税について執行裁判所に対し交付要求がされたときの法定地上権の成否
裁判要旨所有者が、土地及び地上建物に共同抵当権を設定した後、建物を取り壊し、土地上に新たに建物を建築し、新建物について土地の抵当権と同順位の共同抵当権を設定した場合であっても、新建物についての抵当権の被担保債権に優先する国税について執行裁判所に対し交付要求がされたときには、新建物のために法定地上権は成立しない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成9年6月5日 平成5(オ)2172
- 登載
- 民集 第51巻5号2116頁
- 参照法条
- 民法388条,国税徴収法8条,国税徴収法16条,国税徴収法82条
論点32第388条民法
所有者が土地及び地上建物に共同抵当権を設定した後に右建物が取り壊されて新建物が建築された場合の法定地上権の成否
裁判要旨所有者が土地及び地上建物に共同抵当権を設定した後右建物が取り壊され、右土地上に新たに建物が建築された場合には、新建物の所有者が土地の所有者と同一であり、かつ、新建物が建築された時点での土地の抵当権者が新建物について土地の抵当権と同順位の共同抵当権の設定を受けたなどの特段の事情のない限り、新建物のために法定地上権は成立しない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成9年2月14日 平成7(オ)261
- 登載
- 民集 第51巻2号375頁
- 参照法条
- 民法388条
論点33第388条民法
地上建物の共有者の一人にすぎない土地共有者の債務を担保するため土地共有者の全員が各持分に共同して抵当権を設定した場合に法定地上権が成立しないとされた事例
裁判要旨地上建物の共有者九人のうちの一人である土地共有者甲の債務を担保するため土地共有者の全員が共同して各持分に抵当権を設定し、かつ、甲以外の土地共有者らが甲の妻子である場合に、右抵当権の実行により甲だけについて民法三八八条本文の事由が生じたとしても、甲以外の土地共有者らが法定地上権の発生をあらかじめ容認していたとみることができる客観的、外形的事実があるとはいえず、共有土地について法定地上権は成立しない。
(補足意見がある。)
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成6年12月20日 平成2(オ)663
- 登載
- 民集 第48巻8号1470頁
- 参照法条
- 民法388条
論点34第388条民法
法定地上権の移転と未払地代支払債務の承継の有無
裁判要旨建物の所有を目的とする法定地上権と共にその建物の所有権を取得した者は、前主の未払地代の支払債務を当然には承継しない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成3年10月1日 平成3(オ)35
- 登載
- 集民 第163号327頁
- 参照法条
- 民法266条,民法388条
論点35第388条民法
土地を目的とする一番抵当権設定当時土地と地上建物の所有者が異なつていたが後順位抵当権設定当時同一人の所有に帰していた場合と法定地上権の成否
裁判要旨土地を目的とする一番抵当権設定当時土地と地上建物の所有者が異なり、法定地上権成立の要件が充足されていなかつた場合には、土地と建物が同一人の所有に帰した後に後順位抵当権が設定されたとしても、抵当権の実行により一番抵当権が消滅するときは、法定地上権は成立しない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成2年1月22日 昭和62(オ)452
- 登載
- 民集 第44巻1号314頁
- 参照法条
- 民法388条
論点36第388条民法
土地を目的とする先順位の甲抵当権が消滅した後に後順位の乙抵当権が実行された場合において,土地と地上建物が甲抵当権の設定時には同一の所有者に属していなかったが乙抵当権の設定時には同一の所有者に属していたときの法定地上権の成否
裁判要旨土地を目的とする先順位の甲抵当権と後順位の乙抵当権が設定された後,甲抵当権が設定契約の解除により消滅し,その後,乙抵当権の実行により土地と地上建物の所有者を異にするに至った場合において,当該土地と建物が,甲抵当権の設定時には同一の所有者に属していなかったとしても,乙抵当権の設定時に同一の所有者に属していたときは,法定地上権が成立する。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成19年7月6日 平成18(受)1398
- 登載
- 民集 第61巻5号1940頁
- 参照法条
- 民法388条
論点37第388条民法
所有者が土地及び地上建物に共同抵当権を設定した後に右建物が取り壊されて新建物が建築された場合の法定地上権の成否
裁判要旨所有者が土地及び地上建物に共同抵当権を設定した後、右建物が取り壊され、右土地上に新たに建物が建築された場合には、新建物の所有者が土地の所有者と同一であり、かつ、新建物が建築された時点での土地の抵当権者が新建物について土地の抵当権と同順位の共同抵当権の設定を受けたなどの特段の事情のない限り、新建物のために法定地上権は成立しない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成10年7月3日 平成9(オ)128
- 登載
- 集民 第189号95頁
- 参照法条
- 民法388条
論点38第391条民法
民法三九一条〈抵当不動産の第三取得者による費用の償還請求〉にもとづく優先償還をすることなく抵当権者に対してされた競売代金の交付と不当利得の成否
裁判要旨抵当不動産の第三取得者が、民法
三九一条〈抵当不動産の第三取得者による費用の償還請求〉にもとづく優先償還請求権を有しているにもかかわらず、抵当不動産の競売代金が抵当権者に交付されたため優先償還を受けられなかつたときは、右第三取得者は、抵当権者に対し不当利得返還請求権を有する。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和48年7月12日 昭和47(オ)807
- 登載
- 民集 第27巻7号763頁
- 参照法条
- 民法391条,民法703条,競売法33条2項
論点39第392条民法
共同抵当の目的である物上保証人所有不動産と債務者所有不動産が同時に競売された場合における物上保証人と後順位抵当権者との優劣
裁判要旨物上保証人所有の甲不動産と債務者所有の乙不動産とを共同抵当の目的とする順位一番の抵当権が設定されているとともに乙不動産に後順位の抵当権が設定されている場合において、甲乙不動産が同時に競売され、共同抵当権者が甲不動産の売却代金の交付による弁済を受けたときは、物上保証人は、乙不動産につき、後順位抵当権者に優先して、順位一番の抵当権を代位により取得する。
(反対意見がある。)
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和61年4月18日 昭和60(オ)1084
- 登載
- 集民 第147号575頁
- 参照法条
- 民法392条,民法500条,民法501条
論点40第392条民法
一 共同抵当の目的である債務者所有の甲不動産及び物上保証人所有の乙不動産に債権者を異にする後順位抵当権が設定され乙不動産が先に競売された場合に甲不動産から弁済を受けるときにおける甲不動産の後順位抵当権者と乙不動産の後順位抵当権者の優劣
二 物上保証人がその所有の不動産及び債務者所有の不動産につき共同抵当権を有する債権者との間で代位権不行使の特約をした場合と物上保証人所有の不動産の後順位抵当権者の優先弁済を受ける権利
三 債権の一部につき代位弁済がされた場合の競落代金の配当についての債権者と代位弁済者との優劣
裁判要旨一 共同抵当の目的である債務者所有の甲不動産及び物上保証人所有の乙不動産にそれぞれ債権者を異にする後順位抵当権が設定されている場合において、乙不動産が先に競売されて一番抵当権者が弁済を受けたときは、乙不動産の後順位抵当権者は、物上保証人に移転した甲不動産に対する一番抵当権から甲不動産の後順位抵当権者に優先して弁済を受けることができる。
二 物上保証人が、その所有の不動産及び債務者所有の不動産につき共同抵当権を有する債権者との間で、債権者の同意がない限り弁済等により取得する権利を行使しない旨の特約をしても、物上保証人所有の不動産の後順位抵当権者は、物上保証人が弁済等により代位取得する抵当権から優先弁済を受ける権利を失わない。
三 債権の一部につき代位弁済がされた場合、右債権を被担保債権とする抵当権の実行による競落代金の配当については、代位弁済者は債権者に劣後する。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和60年5月23日 昭和56(オ)1175
- 登載
- 民集 第39巻4号940頁
- 参照法条
- 民法304条,民法351条,民法372条,民法392条2項,民法500条,民法501条,民法502条1項
論点41第392条民法
一 債務者所有の不動産と物上保証人所有の不動産とを共同抵当の目的として数個の抵当権が設定され物上保証人所有の不動産について先に競売がされた場合における物上保証人と後順位低当権者との優劣
二 債務者所有の不動産と物上保証人所有の不動産とを共同抵当の目的として数個の抵当権が設定され物上保証人所有の不動産について先に競売がされた場合における後順位抵当権者の優先弁済権と登記又は差押の要否
裁判要旨一 債務者所有の不動産と物上保証人所有の不動産とを共同抵当の目的として順位を異にする数個の抵当権が設定されている場合において、物上保証人所有の不動産について先に競売がされ、その競落代金の交付により一番抵当権者が弁済を受けたときは、後順位抵当権者は、物上保証人に移転した債務者所有の不動産に対する一番抵当権から優先して弁済を受けることができる。
二 債務者所有の不動産と物上保証人所有の不動産とを共同抵当の目的として順位を異にする数個の抵当権が設定されている場合において、物上保証人所有の不動産について先に競売がされ、その競落代金の交付により一番抵当権者が弁済を受けたときは、後順位抵当権者は、物上保証人に移転した債務者所有の不動産に対する一番抵当権からの優先弁済権を主張するについて登記又は差押を必要としない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和53年7月4日 昭和50(オ)196
- 登載
- 民集 第32巻5号785頁
- 参照法条
- 民法177条,民法304条1項,民法351条,民法372条,民法392条2項
論点42第392条民法
一、数個の不動産上に代物弁済予約形式の債権担保契約を締結した場合の債権者の清算義務
二、代物弁済予約形式の債権担保契約における債権者の清算義務と所有権移転請求権保全の仮登記、根抵当権設定登記、賃借権設定の仮登記を了している後順位債権者の地位
三、代物弁済予約形式の債権担保契約における債権者の清算義務と債務者の本登記手続義務ないし引渡義務との関係
裁判要旨一、数個の不動産上に代物弁済予約形式の債権担保契約を締結し、これを原因とする所有権移転請求権保全の仮登記を経由した債権者は、債務者が弁済期に債務の弁済をしないため予約完結権を行使して担保目的の実現をはかるため同一訴訟手続で本登記手続を求めた場合に、債務者が清算金の支払と引換えに履行する旨の主張をしたときは、特段の事情のないかぎり、各不動産の価額に準じて債権者の有する債権額を按分したうえで、債務者への清算金の額を算定して、その清算金の支払と引換えに右請求を認容すべきである。
二、代物弁済予約形式の債権担保契約を締結し、これを原因とする所有権移転請求権保全の仮登記を経由した債権者が、担保目的実現の手段として、後順位債権者に対し本登記手続承諾の請求をしたときは、後順位債権者は、清算金の支払と引換えにその履行をなすべき旨の主張をなしうるが、その場合、後順位債権者が、根抵当権設定登記とともに所有権移転請求権保全の仮登記および賃借権設定の仮登記をも有するとしても、その各仮登記が、根抵当権の設定と併用してなされた同一債権担保の目的を有する債権担保契約に基づく仮登記にすぎないときは、右各仮登記は、右引換履行の主張をするにあたつては、根抵当権設定登記と一体として取扱われるべきものである。
三、貸金債権担保のため債務者所有の不動産につき代物弁済予約形式の契約を締結し、これを原因とする所有権移転請求権保全の仮登記を経由した債権者は、債務者が弁済期に債務の弁済をしないため、予約完結権を行使した場合において、目的不動産を換価処分し、またはこれを適正に評価することによつて具体化する右物件の価額から、自己の債権額および優先弁済を受くべき後順位債権者の債権額を差し引き、なお残額があるときは、これに相当する金銭を清算金として債務者に支払うことを要するのであつて、この担保目的実現の手段として債務者に対し右物件につき本登記手続ないしその引渡を求める訴を提起した場合に、債務者が右清算金の支払と引換えにその履行をなすべき旨を主張したときは、債権者が第三者への換価処分による売却代金を取得したのちに清算金を支払えば足りると認められる客観的な合理的理由がある場合を除き、債権者の右請求は、債務者への清算金の支払と引換えにのみ認容されるべきものと解するのが相当である。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和45年9月24日 昭和43(オ)371
- 登載
- 民集 第24巻10号1450頁
- 参照法条
- 民法482条,民法392条1項,不動産登記法1条,不動産登記法7条,不動産登記法105条
論点43第392条民法
先順位共同抵当権者が抵当権の一部を放棄した場合における次順位抵当権者との優劣
裁判要旨甲乙不動産の先順位共同抵当権者が、甲不動産には次順位の抵当権が設定されているのに、乙不動産の抵当権を放棄し、甲不動産の抵当権を実行した場合であつても、乙不動産が物上保証人の所有であるときは、先順位抵当権者は、甲不動産の代価から自己の債権の全額について満足を受けることができる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和44年7月3日 昭和41(オ)1284
- 登載
- 民集 第23巻8号1297頁
- 参照法条
- 民法392条,民法504条
論点44第392条民法
物上保証人甲所有の不動産と物上保証人乙所有の不動産を共同抵当の目的として抵当権が設定され甲所有の不動産が先に競売された場合における甲所有不動産の後順位抵当権者の地位
裁判要旨物上保証人甲所有の不動産と物上保証人乙所有の不動産を共同抵当の目的として抵当権が設定された場合において、甲所有の不動産が先に競売されて先順位抵当権者が弁済を受けたときは、甲所有不動産の後順位抵当権者は、甲が乙に対する求償権の範囲内において代位取得する乙所有不動産の先順位抵当権から優先して弁済を受けることができ、右優先弁済権を主張するについては登記を要しない。
(反対意見がある。)
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成元年11月24日 昭和63(オ)1539
- 登載
- 集民 第158号225頁
- 参照法条
- 民法177条,民法304条1項,民法372条,民法392条2項,民法501条3号,民法501条4号
論点45第392条民法
一 共同抵当の目的とされた不動産の売買契約が詐害行為に該当する場合に抵当権が消滅したときの取消しの範囲及び原状回復の方法
二 共同抵当の目的とされた不動産の売買契約が詐害行為に該当する場合に抵当権が消滅したときの価格賠償の額
裁判要旨一 共同抵当の目的とされた不動産の全部又は一部の売買契約が詐害行為に該当する場合において、詐害行為の後に弁済によって右抵当権が消滅したときは、詐害行為の目的不動産の価額から右不動産が負担すべき右抵当権の被担保債権の額を控除した残額の限度で右売買契約を取り消し、その価格による賠償を命ずるべきである。
二 共同抵当の目的とされた不動産の全部又は一部の売買契約が詐害行為に該当する場合に右抵当権が消滅したときにおける価格賠償の額は、詐害行為の目的不動産の価額から、共同抵当の目的とされた各不動産の価額に応じて抵当権の被担保債権額を案分して詐害行為の目的不動産について得られた額を控除した額である。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成4年2月27日 平成1(オ)1668
- 登載
- 民集 第46巻2号112頁
- 参照法条
- 民法392条,民法424条
論点46第392条民法
共同抵当権の目的不動産が同一の物上保証人の所有に属する場合と後順位抵当権者の代位
裁判要旨共同抵当権の目的たる甲・乙不動産が同一の物上保証人の所有に属する場合において、甲不動産の代価のみを配当するときは、甲不動産の後順位抵当権者は、民法
三九二条二項〈共同抵当における代価の配当〉後段の規定に基づき、先順位の共同抵当権者に代位して乙不動産に対する抵当権を行使することができる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成4年11月6日 平成1(オ)1688
- 登載
- 民集 第46巻8号2625頁
- 参照法条
- 民法392条,民法500条,民法501条
論点47第392条民法
共同抵当の目的となった数個の不動産の代価の同時配当に当たり1個の不動産上にその共同抵当に係る抵当権と同順位の抵当権が存する場合の配当額の計算方法
裁判要旨共同抵当の目的となった数個の不動産の代価を同時に配当すべき場合に,1個の不動産上にその共同抵当に係る抵当権と同順位の抵当権が存するときは,まず,当該1個の不動産の価額を同順位の各抵当権の被担保債権額の割合に従って案分し,次に,共同抵当権者への案分額及びその余の不動産の価額に準じて共同抵当の被担保債権の負担を分けるべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成14年10月22日 平成13(受)1567
- 登載
- 集民 第208号291頁
- 参照法条
- 民法392条1項