論点1第239条民法
ゴルフ場内のいわゆるロストボールが窃盗罪の客体になるとされた事例
裁判要旨ゴルフアーが誤つてゴルフ場内の人工池に打ち込み放置したいわゆるロストボールも、ゴルフ場側が早晩その回収、再利用を予定しているときは、ゴルフ場側の所有及び占有に係るものとして窃盗罪の客体になる。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和62年4月10日 昭和61(あ)1514
- 登載
- 刑集 第41巻3号221頁
- 参照法条
- 刑法235条,民法239条
論点2第239条民法
土地を時効取得したと主張する者が,当該土地は所有者が不明であるから国庫に帰属していたとして,国に対し当該土地の所有権を有することの確認を求める訴えにつき,確認の利益を欠くとされた事例
裁判要旨表題部所有者の登記も所有権の登記もない土地を時効取得したと主張する者が,当該土地は所有者が不明であるから国庫に帰属していたとして,国に対し当該土地の所有権を有することの確認を求める訴えは,次の(1)〜(3)の事情の下では,確認の利益を欠く。
(1) 国は,当該土地が国の所有に属していないことを自認している。
(2) 国は,上記の者が主張する取得時効の起算点よりも前に当該土地の所有権を失った。
(3) 上記の者において,当該土地につき自己を表題部所有者とする登記の申請をした上で保存登記の申請をする手続を尽くしたにもかかわらず所有名義を取得することができなかったなどの事情もうかがわれない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成23年6月3日 平成22(受)285
- 登載
- 集民 第237号9頁
- 参照法条
- 民訴法134条,民法239条2項
論点3第241条民法
民法第二四一条〈埋蔵物の発見〉にいう埋蔵物の意義
裁判要旨民法
第二四一条〈埋蔵物の発見〉の埋蔵物とは、土地その他の中に外部からは容易に目撃できないような状態に置かれ、しかも現在何人の所有であるか判りにくい物をいう。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和37年6月1日 昭和36(オ)1281
- 登載
- 集民 第61号21頁
- 参照法条
- 民法241条
論点4第242条民法
共有の性質を有しない入会地上の天然の樹木の所有権が土地の所有者に属するとされた事例
裁判要旨付近住民の採草放牧や薪炭材採取等に利用されていた入会地が、入会住民全員の同意のもとに、入会権を存続させ入会住民の保育した天然の樹木を売却する際にはその保育に対する報償として売却代金の一部を入会住民に交付することを条件として村に贈与され、右条件の趣旨に沿つて村が制定した条例に従つて、入会住民が造林組合を結成して組合名義で村に対し入会地の天然の樹木の伐採申請をし、これを受けた村が右樹木を売却してその代金の一部を組合に交付してきたなど判示の事実関係のもとにおいては、右入会地上に生育する天然の樹木は、共有の性質を有しない右入会地の所有者である村の所有に属する。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和63年1月18日 昭和59(オ)1447
- 登載
- 集民 第153号1頁
- 参照法条
- 民法86条,民法242条,民法294条
論点5第242条民法
一 公有水面を埋め立てるため投入された土砂と公有水面の地盤から独立した動産としての存在
二 公有水面を埋め立てるため投入された土砂を埋立権とは別個に譲渡することの可否
裁判要旨一 公有水面を埋め立てるため投入された土砂は、その投入によつて直ちに公有水面の地盤に附合して国の所有となることはなく、原則として、埋立工事の竣功認可の時に埋立権者の取得する埋立地に附合するものであつて、その時までは、独立した動産としての存在を失わない。
二 公有水面を埋め立てるため投入された土砂は、動産としての独立性を失わない限り、埋立権とは別個にこれを譲渡することができる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和57年6月17日 昭和54(オ)736
- 登載
- 民集 第36巻5号824頁
- 参照法条
- 民法86条2項,民法206条,民法242条,民法247条1項,公有水面埋立法(昭和48年法律第84号による改正前のもの)16条,公有水面埋立法(昭和48年法律第84号による改正前のもの)24条,公有水面埋立法(昭和48年法律第84号による改正前のもの)35条,公有水面埋立法(昭和48年法律第84号による改正前のもの)36条
論点6第242条民法
権原のない者が他人の土地に植栽した樹木またはその苗木の所有権の帰属および植栽者の収去義務
裁判要旨権原のない者が他人の土地に植栽した樹木またはその苗木は、土地所有者がその所有権を取得し、植栽者においてこれを収去する義務を負わないものと解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和46年11月16日 昭和46(オ)151
- 登載
- 集民 第104号295頁
- 参照法条
- 民法242条,民法206条
論点7第242条民法
建物の賃借人が承諾を得て二階部分を増築した場合に区分所有権が成立しないとされた事例
裁判要旨建物の賃借人が建物の賃貸人兼所有者の承諾を得て賃借建物である平家の上に二階部分を増築した場合において、右二階部分から外部への出入りが賃借建物内の部屋の中にある梯子段を使用するよりほかないときは、右二階部分につき独立の登記がされていても、右二階部分は、区分所有権の対象たる部分にはあたらない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和44年7月25日 昭和44(オ)120
- 登載
- 民集 第23巻8号1627頁
- 参照法条
- 民法242条,建物の区分所有等に関する法律1条
論点8第242条民法
建物の附合を否定した判断に違法があるとされた事例
裁判要旨建物新築部分の従前の建物への附合の成否については、当該新築部分の構造、利用方法を考察し、右部分が従前の建物に接して築造され、構造上建物としての独立性を欠き、従前の建物と一体となつて利用され取引されるべき状態にあるときは、右部分は従前の建物に附合したものと解すべきであつて、新築部分が従前の建物とその基礎、柱、屋根などの部分において構造的に接合していないことから、ただちに附合の成立を否定することは許されない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和43年6月13日 昭和42(オ)585
- 登載
- 民集 第22巻6号1183頁
- 参照法条
- 民法242条
論点9第242条民法
地盤上に植栽された立木の所有権取得と対抗要件
裁判要旨地盤上に植栽された立木の所有権を取得した者は、明認方法等の対抗要件を備えないかぎり、右地盤(土地)を地上の右立木とともに買いうけ右土地についてその所有権移転登記を経由した第三者に対し、前記立木所有権取得を対抗することができない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和41年10月21日 昭和40(オ)654
- 登載
- 集民 第84号661頁
- 参照法条
- 民法177条,民法242条
論点10第242条民法
民法第二四二条〈不動産の付合〉但書の適用がないとされた事例
裁判要旨建物所有者の承諾を得て建物に増築した場合でも、増築部分が、構造、用法及び取引の観点から社会的経済的に考察して、独立の建物と同一視できない場合は、民法
第二四二条〈不動産の付合〉但書の適用はなく増築部分の所有権は附合により建物所有者に帰属する。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和40年9月21日 昭和38(オ)861
- 登載
- 集民 第80号415頁
- 参照法条
- 民法242条
論点11第242条民法
民法第二四二条〈不動産の付合〉但書の法意。
裁判要旨民法
第二四二条〈不動産の付合〉但書は、附合した物が不動産の一部と認められて全然独立の存在を失う場合には、適用の余地がないものと解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和39年9月8日 昭和38(オ)489
- 登載
- 集民 第75号181頁
- 参照法条
- 民法242条
論点12第242条民法
不動産の附合の成立を肯定した判断が違法であるとされた事例。
裁判要旨不動産の附合の成否に触れる証拠としては、従前建物所有者の「その後増改築した費用は私が出したものです」「増築部分は約一〇坪ぐらいです」という供述しかない証拠関係のもとで、増築部分が従前建物の従として附合したと判断することは、民法
第二四二条〈不動産の付合〉の解釈適用を誤つたか、理由不備の違法がある。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和39年2月18日 昭和37(オ)879
- 登載
- 集民 第72号209頁
- 参照法条
- 民法242条,民訴法395条6号
論点13第242条民法
一 改造後の建物が建物全体として比較して見て改善前と同一性を失わないとされた事例
二 建物賃借人が所有者の承諾を得て増改築工事をした場合における増改築部分の所有権の帰属
裁判要旨一 旧建物が本屋と物置の二棟であつたのを、物置を取り除き、その後を利用し旧本屋と合せて、店舗兼居宅一棟を増改築した場合、総坪数が増加し新材を用いるとしても、大部分において原形を残している等全体としての比較において新旧建物の同一性は失われていないと判断することができる。
二 建物賃借人が賃貸人(建物所有者)の承諾を得て建物の増改築をした場合でも、その増改築部分が既存建物の本屋と一体をなすものとして築造され独立の所有権の客体となり得ないときは、右増改築部分は賃貸人の所有に帰属する。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和38年1月25日 昭和35(オ)1211
- 登載
- 集民 第64号201頁
- 参照法条
- 民法86条,民法242条
論点14第242条民法
建物の賃借部分の改築により借家人のため区分所有権が成立したとされた事例。
裁判要旨二階建木造建物の階下の一部を賃借した者が、判示事情のものに賃貸人の承諾をえて賃借部分をとりこわしその跡に自己の負担で店舗を作つた場合には、右店舗の一部に原家屋の二階が重なつており、既存の二本の通し柱および天井の梁を利用していても、他に特段の事情のないかぎり右店舗部分は従前の賃借人の区分所有権に帰すものと解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和38年10月29日 昭和35(オ)1419
- 登載
- 民集 第17巻9号1236頁
- 参照法条
- 民法242条但書,建物の区分所有権に関する法律1条
論点15第242条民法
一 民法第一六二条〈所有権の取得時効〉の取得時効完成の基礎となる占有と認められないとされた事例
二 地盤所有権の取得につき未登記のままその地盤上に植栽された立木の所有権の対抗要件の要否
裁判要旨山林を買受け、未登記のままこれに檜等を植栽した者が、その後特に地上立木を除外することなくいわゆる二重売買を受け、所有権移転登記を経た者に対し、その植栽した立木の所有権を主張するためにはこれを公示する対抗要件を必要とする。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和37年8月3日 昭和35(オ)900
- 登載
- 集民 第62号21頁
- 参照法条
- 民法162条,民法177条,民法242条
論点16第242条民法
賃借地盤上に権原に基いて植栽した立木の所有権と第三者に対する対抗
裁判要旨賃借地盤上に権原に基いて植栽した立木の所有権の留保を、地盤たる土地の二重賃借人に対抗するために、公示方法を要するかどうかは、二重賃借人の賃貸借契約上の使用収益権の態容に関する特段の事情に従つて決せられるべきものと解される。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和37年5月29日 昭和34(オ)221
- 登載
- 集民 第60号919頁
- 参照法条
- 民法242条,民法177条
論点17第242条民法
地盤所有権の取得につき未登記のままその地盤上に植栽された立木の所有権と対抗要件。
裁判要旨地盤所有権の取得につき未登記のままその地盤上に植栽した立木の所有権を、第三者に対抗するには、公示方法を必要とする。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和35年3月1日 昭和32(オ)325
- 登載
- 民集 第14巻3号307頁
- 参照法条
- 民法177条,民法242条但書
論点18第242条民法
改造途中の工作物を賃借人が建物として完成させた場合の附合の成否
裁判要旨二階建アパートの階下の一画の区分所有権者が、これを賃貸の目的で改造するために取りこわし、柱および基礎工事等を残すだけの工作物とした上で、右工作物を、賃借人の負担で改造する約束で賃貸し、賃借人において約旨に従い建物として完成させた場合には、賃借人の工事により附加された物の附合により、右建物は工作物所有者の所有に帰したものと解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和34年2月5日 昭和31(オ)407
- 登載
- 民集 第13巻1号51頁
- 参照法条
- 民法242条,民法86条1項
論点19第242条民法
播かれた種から生育した苗の所有権の帰属
裁判要旨播かれた種から生育した苗の所有権は、播種が土地使用の権原のない者によつてなされた場合は、土地所有者に属する。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和31年6月19日 昭和28(オ)1435
- 登載
- 民集 第10巻6号678頁
- 参照法条
- 民法242条
論点20第242条民法
民法第二四二条〈不動産の付合〉の趣旨
裁判要旨民法
第二四二条〈不動産の付合〉は、不動産の附合物がたとえ取引上当該不動産と別個の所有権の対象となりうべきものであつても、該不動産の所有権が当然附合物の上におよぶことを規定するものであつて、附合物に対する所有権が該不動産の所有権の外に独立して存することまでを定めているものと解すべきではない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和28年1月23日 昭和25(オ)378
- 登載
- 民集 第7巻1号78頁
- 参照法条
- 民法242条
論点21第242条民法
液化石油ガス供給のために戸建て住宅に設置された消費設備に係る配管等につき当該住宅に付合しており民法242条ただし書の適用もないとされた事例
裁判要旨液化石油ガス供給のために戸建て住宅に設置された消費設備に係る配管等について、次の⑴~⑶など判示の事情の下では、当該住宅に付合したものと解され、民法
242条〈不動産の付合〉ただし書の適用もない。
⑴ 上記配管等を撤去するためには上記住宅及びその住宅設備を相当程度毀損する必要があり、その撤去や上記住宅等の復旧には相応の手間や費用を要することが見込まれる。
⑵ 上記配管等は上記住宅の構造に合わせて設置されていて上記住宅と一体となって利用されることではじめてその経済的効用を発揮するものである上、撤去後の上記配管等の経済的価値は乏しいものであるとうかがわれる。
⑶ 戸建て住宅に設置されている状態の液化石油ガスの消費設備に係る配管が、当該住宅と別個独立に公の市場において取引されるものであるとはうかがわれない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 令和7年12月23日 令和6(受)1373
- 登載
- 民集 第79巻8号2903頁
- 参照法条
- 民法242条
論点22第243条民法
一 建築途中の未だ独立の不動産に至らない建前に第三者が材料を供して工事を施し独立の不動産である建物に仕上げた場合と建物所有権の帰属
二 民法二四六条二項〈加工〉の規定に基づいて加工物の所有権の帰属を決定する場合において他人の動産の価格と比較すべき対象の算定時期
裁判要旨一 建築途中の未だ独立の不動産に至らない建前に第三者が材料を供して工事を施し独立の不動産である建物に仕上げた場合における建物所有権の帰属は、民法
二四六条二項〈加工〉の規定に基づいて決定すべきである。
二 建築途中の未だ独立の不動産に至らない建前に第三者が材料を供し工事を施して仕上げた建物の所有権の帰属を民法二四六条二項の規定に基づいて決定する場合において、建前が、屋根瓦が葺かれ、荒壁が塗られて法律上独立の不動産である建物としての要件を具備するに至つた時点における状態に基づいてではなく、加工者の工事が一応終了したと認められる時点までの間に加工者が加えた工事及び材料の価格と建前の価格とを比較して決定すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和54年1月25日 昭和53(オ)872
- 登載
- 民集 第33巻1号26頁
- 参照法条
- 民法243条,民法246条2項
論点23第243条民法
伐倒木の混合が生じたとするにつき審理不尽があるとされた事例。
裁判要旨山林の立木伐倒による損害賠償請求について、右伐倒木に混合が生じたとするには、如何なる割合で主従の区別があるのか、またはその区別をすることができない場合であるかを明らかにしなければ審理不尽となる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和39年4月17日 昭和36(オ)1216
- 登載
- 集民 第73号179頁
- 参照法条
- 民法243条,民法244条,民法245条,民訴法395条6号
論点24第244条民法
互いに主従の関係にない甲乙二棟の建物がその間の隔壁を除去する等の工事により一棟の丙建物となった場合と甲建物又は乙建物を目的として設定されていた抵当権の消長
裁判要旨互いに主従の関係にない甲乙二棟の建物がその間の隔壁を除去する等の工事により一棟の丙建物となった場合、甲建物又は乙建物を目的として設定されていた抵当権は、丙建物のうち甲建物又は乙建物の価格の割合に応じた持分を目的とするものとして存続する。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成6年1月25日 平成3(オ)2024
- 登載
- 民集 第48巻1号18頁
- 参照法条
- 民法244条,民法247条2項,民法369条
論点25第246条民法
洋服の仕立業者が仕立のため預かつた洋服生地に加工を加えた場合の所有権の帰属
裁判要旨洋服の仕立業者が、他人の注文を受けて、仕立のためにその者から預かつた洋服生地に加工を加え洋服に仕立てた場合には、たとえその結果著しく価格が増加しても、その所有権は注文者に属する。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和45年4月8日 昭和44(あ)2125
- 登載
- 集刑 第176号51頁
- 参照法条
- 民法246条,刑法253条