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所有権/所有権の取得

所有権の取得の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

民法239条から248条は、誰の物でもない物を取得する場合(無主物先占・遺失物拾得・埋蔵物発見)と、複数の物や他人の材料が結びついて一つの物になった場合(付合・混和・加工)の所有権の帰属を定めています。実務担当者向けに、それぞれの取得原因ごとの要件と、誰が所有権を取得するか、消滅した権利や償金請求の扱いを整理しています。

所有権の取得
取得原因対象主な要件取得者・帰属先
無主物先占(動産)所有者のない動産所有の意思で占有占有者
無主物(不動産)所有者のない不動産なし国庫
遺失物の拾得遺失物公告後3か月内に所有者不明拾得者
埋蔵物の発見埋蔵物公告後6か月内に所有者不明発見者(他人の物なら折半)
不動産の付合従として付合した物なし不動産の所有者
動産の付合(主従あり)分離不能の合成物損傷なしに分離不可主たる動産の所有者
動産の付合(主従なし)主従不明の合成物なし価格割合で共有
混和識別不能の混和物付合の規定を準用付合と同じ扱い
加工加工物工作の価格が著しく増加材料所有者(例外:加工者)
  • 埋蔵物が他人の所有物の中から発見された場合は、発見者と他人が等しい割合で所有権を取得する(241条ただし書)
  • 不動産の付合は、権原によってその物を附属させた他人の権利を妨げない(242条ただし書)
  • 加工者が材料の一部を供したときは、その価格を加えた額が他人の材料の価格を超える場合に限り加工者が取得する(246条2項)
  • 付合・混和・加工により物の所有権が消滅したときは、その物にあった他の権利も消滅する(247条1項)
  • 所有者が単独所有者になったときは他の権利は合成物等に、共有者になったときは持分に存続する(247条2項)
  • 付合・混和・加工の規定の適用で損失を受けた者は、703条・704条により償金を請求できる(248条)
1

所有権の取得

所有権の取得について、条文は何を定めているか。

第239条無主物の帰属所有者のない物は先に占有した人のもの2項判例 2件
  • 動産は所有の意思で占有すれば所有権を取得する
  • 不動産は所有者がいなければ国庫に帰属する
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第240条遺失物の拾得拾った物は公告後3か月で拾得者のものに1項判例なし
  • 遺失物法の定めに従い公告する
  • 公告後3か月以内に所有者が分からなければ拾得者が取得する
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第241条埋蔵物の発見埋蔵物は公告後6か月で発見者のものに1項判例 1件
  • 公告後6か月以内に所有者が分からなければ発見者が取得する
  • 他人の物の中から見つけた埋蔵物は発見者と他人が折半
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第242条不動産の付合不動産にくっついた物は不動産所有者のもの1項判例 18件
  • 従として付合した物の所有権は不動産の所有者が取得する
  • 権原で附属させた他人の権利は妨げられない
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第243条動産の付合分離できない動産の付合は主たる動産の持ち主に1項判例 2件
  • 損傷しないと分離できない合成物は主たる動産の所有者が取得
  • 分離に過分の費用がかかる場合も同様
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第244条主従の区別ができないときは価格割合で共有1項判例 2件
  • 各所有者が付合時の価格の割合で合成物を共有する
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第245条混和混和にも付合と同じ規定を準用1項判例 1件
  • 識別できなくなった混和物は243条〈動産の付合〉・244条〈付合した動産について主従の区別をすることができないときは、各動産の所有者は、その付合の時における価格の割合に応じてその合…〉と同様に扱う
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第246条加工他人の材料に手を加えた加工物は材料の持ち主に2項判例 2件
  • 加工物の所有権は原則として材料の所有者が取得する
  • 工作による価格が材料の価格を著しく超えるときは加工者が取得
  • 加工者が材料の一部を供した場合は価格合計が他人の材料を超えるときのみ加工者が取得
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第247条付合、混和又は加工の効果所有権が消滅すると他の権利も一緒に消滅2項判例 2件
  • 付合・混和・加工で物の所有権が消滅すればその物の他の権利も消滅する
  • 単独所有になれば他の権利は合成物等に、共有になれば持分に存続する
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第248条付合、混和又は加工に伴う償金の請求損をした人は償金を請求できる1項判例なし
  • 付合・混和・加工の適用で損失を受けた人は703条〈不当利得の返還義務〉・704条〈悪意の受益者の返還義務等〉により償金を請求できる
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第239条民法

ゴルフ場内のいわゆるロストボールが窃盗罪の客体になるとされた事例

裁判要旨ゴルフアーが誤つてゴルフ場内の人工池に打ち込み放置したいわゆるロストボールも、ゴルフ場側が早晩その回収、再利用を予定しているときは、ゴルフ場側の所有及び占有に係るものとして窃盗罪の客体になる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和62年4月10日 昭和61(あ)1514
登載
刑集 第41巻3号221頁
参照法条
刑法235条,民法239条
論点2第239条民法

土地を時効取得したと主張する者が,当該土地は所有者が不明であるから国庫に帰属していたとして,国に対し当該土地の所有権を有することの確認を求める訴えにつき,確認の利益を欠くとされた事例

裁判要旨表題部所有者の登記も所有権の登記もない土地を時効取得したと主張する者が,当該土地は所有者が不明であるから国庫に帰属していたとして,国に対し当該土地の所有権を有することの確認を求める訴えは,次の(1)〜(3)の事情の下では,確認の利益を欠く。
(1) 国は,当該土地が国の所有に属していないことを自認している。
(2) 国は,上記の者が主張する取得時効の起算点よりも前に当該土地の所有権を失った。
(3) 上記の者において,当該土地につき自己を表題部所有者とする登記の申請をした上で保存登記の申請をする手続を尽くしたにもかかわらず所有名義を取得することができなかったなどの事情もうかがわれない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成23年6月3日 平成22(受)285
登載
集民 第237号9頁
参照法条
民訴法134条,民法239条2項
論点3第241条民法

民法第二四一条〈埋蔵物の発見〉にいう埋蔵物の意義

裁判要旨民法第二四一条〈埋蔵物の発見〉の埋蔵物とは、土地その他の中に外部からは容易に目撃できないような状態に置かれ、しかも現在何人の所有であるか判りにくい物をいう。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和37年6月1日 昭和36(オ)1281
登載
集民 第61号21頁
参照法条
民法241条
論点4第242条民法

共有の性質を有しない入会地上の天然の樹木の所有権が土地の所有者に属するとされた事例

裁判要旨付近住民の採草放牧や薪炭材採取等に利用されていた入会地が、入会住民全員の同意のもとに、入会権を存続させ入会住民の保育した天然の樹木を売却する際にはその保育に対する報償として売却代金の一部を入会住民に交付することを条件として村に贈与され、右条件の趣旨に沿つて村が制定した条例に従つて、入会住民が造林組合を結成して組合名義で村に対し入会地の天然の樹木の伐採申請をし、これを受けた村が右樹木を売却してその代金の一部を組合に交付してきたなど判示の事実関係のもとにおいては、右入会地上に生育する天然の樹木は、共有の性質を有しない右入会地の所有者である村の所有に属する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和63年1月18日 昭和59(オ)1447
登載
集民 第153号1頁
参照法条
民法86条,民法242条,民法294条
論点5第242条民法

一 公有水面を埋め立てるため投入された土砂と公有水面の地盤から独立した動産としての存在
二 公有水面を埋め立てるため投入された土砂を埋立権とは別個に譲渡することの可否

裁判要旨一 公有水面を埋め立てるため投入された土砂は、その投入によつて直ちに公有水面の地盤に附合して国の所有となることはなく、原則として、埋立工事の竣功認可の時に埋立権者の取得する埋立地に附合するものであつて、その時までは、独立した動産としての存在を失わない。
二 公有水面を埋め立てるため投入された土砂は、動産としての独立性を失わない限り、埋立権とは別個にこれを譲渡することができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和57年6月17日 昭和54(オ)736
登載
民集 第36巻5号824頁
参照法条
民法86条2項,民法206条,民法242条,民法247条1項,公有水面埋立法(昭和48年法律第84号による改正前のもの)16条,公有水面埋立法(昭和48年法律第84号による改正前のもの)24条,公有水面埋立法(昭和48年法律第84号による改正前のもの)35条,公有水面埋立法(昭和48年法律第84号による改正前のもの)36条
論点6第242条民法

権原のない者が他人の土地に植栽した樹木またはその苗木の所有権の帰属および植栽者の収去義務

裁判要旨権原のない者が他人の土地に植栽した樹木またはその苗木は、土地所有者がその所有権を取得し、植栽者においてこれを収去する義務を負わないものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和46年11月16日 昭和46(オ)151
登載
集民 第104号295頁
参照法条
民法242条,民法206条
論点7第242条民法

建物の賃借人が承諾を得て二階部分を増築した場合に区分所有権が成立しないとされた事例

裁判要旨建物の賃借人が建物の賃貸人兼所有者の承諾を得て賃借建物である平家の上に二階部分を増築した場合において、右二階部分から外部への出入りが賃借建物内の部屋の中にある梯子段を使用するよりほかないときは、右二階部分につき独立の登記がされていても、右二階部分は、区分所有権の対象たる部分にはあたらない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和44年7月25日 昭和44(オ)120
登載
民集 第23巻8号1627頁
参照法条
民法242条,建物の区分所有等に関する法律1条
論点8第242条民法

建物の附合を否定した判断に違法があるとされた事例

裁判要旨建物新築部分の従前の建物への附合の成否については、当該新築部分の構造、利用方法を考察し、右部分が従前の建物に接して築造され、構造上建物としての独立性を欠き、従前の建物と一体となつて利用され取引されるべき状態にあるときは、右部分は従前の建物に附合したものと解すべきであつて、新築部分が従前の建物とその基礎、柱、屋根などの部分において構造的に接合していないことから、ただちに附合の成立を否定することは許されない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和43年6月13日 昭和42(オ)585
登載
民集 第22巻6号1183頁
参照法条
民法242条
論点9第242条民法

地盤上に植栽された立木の所有権取得と対抗要件

裁判要旨地盤上に植栽された立木の所有権を取得した者は、明認方法等の対抗要件を備えないかぎり、右地盤(土地)を地上の右立木とともに買いうけ右土地についてその所有権移転登記を経由した第三者に対し、前記立木所有権取得を対抗することができない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和41年10月21日 昭和40(オ)654
登載
集民 第84号661頁
参照法条
民法177条,民法242条
論点10第242条民法

民法第二四二条〈不動産の付合〉但書の適用がないとされた事例

裁判要旨建物所有者の承諾を得て建物に増築した場合でも、増築部分が、構造、用法及び取引の観点から社会的経済的に考察して、独立の建物と同一視できない場合は、民法第二四二条〈不動産の付合〉但書の適用はなく増築部分の所有権は附合により建物所有者に帰属する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和40年9月21日 昭和38(オ)861
登載
集民 第80号415頁
参照法条
民法242条
論点11第242条民法

民法第二四二条〈不動産の付合〉但書の法意。

裁判要旨民法第二四二条〈不動産の付合〉但書は、附合した物が不動産の一部と認められて全然独立の存在を失う場合には、適用の余地がないものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和39年9月8日 昭和38(オ)489
登載
集民 第75号181頁
参照法条
民法242条
論点12第242条民法

不動産の附合の成立を肯定した判断が違法であるとされた事例。

裁判要旨不動産の附合の成否に触れる証拠としては、従前建物所有者の「その後増改築した費用は私が出したものです」「増築部分は約一〇坪ぐらいです」という供述しかない証拠関係のもとで、増築部分が従前建物の従として附合したと判断することは、民法第二四二条〈不動産の付合〉の解釈適用を誤つたか、理由不備の違法がある。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和39年2月18日 昭和37(オ)879
登載
集民 第72号209頁
参照法条
民法242条,民訴法395条6号
論点13第242条民法

一 改造後の建物が建物全体として比較して見て改善前と同一性を失わないとされた事例
二 建物賃借人が所有者の承諾を得て増改築工事をした場合における増改築部分の所有権の帰属

裁判要旨一 旧建物が本屋と物置の二棟であつたのを、物置を取り除き、その後を利用し旧本屋と合せて、店舗兼居宅一棟を増改築した場合、総坪数が増加し新材を用いるとしても、大部分において原形を残している等全体としての比較において新旧建物の同一性は失われていないと判断することができる。
二 建物賃借人が賃貸人(建物所有者)の承諾を得て建物の増改築をした場合でも、その増改築部分が既存建物の本屋と一体をなすものとして築造され独立の所有権の客体となり得ないときは、右増改築部分は賃貸人の所有に帰属する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和38年1月25日 昭和35(オ)1211
登載
集民 第64号201頁
参照法条
民法86条,民法242条
論点14第242条民法

建物の賃借部分の改築により借家人のため区分所有権が成立したとされた事例。

裁判要旨二階建木造建物の階下の一部を賃借した者が、判示事情のものに賃貸人の承諾をえて賃借部分をとりこわしその跡に自己の負担で店舗を作つた場合には、右店舗の一部に原家屋の二階が重なつており、既存の二本の通し柱および天井の梁を利用していても、他に特段の事情のないかぎり右店舗部分は従前の賃借人の区分所有権に帰すものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和38年10月29日 昭和35(オ)1419
登載
民集 第17巻9号1236頁
参照法条
民法242条但書,建物の区分所有権に関する法律1条
論点15第242条民法

一 民法第一六二条〈所有権の取得時効〉の取得時効完成の基礎となる占有と認められないとされた事例
二 地盤所有権の取得につき未登記のままその地盤上に植栽された立木の所有権の対抗要件の要否

裁判要旨山林を買受け、未登記のままこれに檜等を植栽した者が、その後特に地上立木を除外することなくいわゆる二重売買を受け、所有権移転登記を経た者に対し、その植栽した立木の所有権を主張するためにはこれを公示する対抗要件を必要とする。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和37年8月3日 昭和35(オ)900
登載
集民 第62号21頁
参照法条
民法162条,民法177条,民法242条
論点16第242条民法

賃借地盤上に権原に基いて植栽した立木の所有権と第三者に対する対抗

裁判要旨賃借地盤上に権原に基いて植栽した立木の所有権の留保を、地盤たる土地の二重賃借人に対抗するために、公示方法を要するかどうかは、二重賃借人の賃貸借契約上の使用収益権の態容に関する特段の事情に従つて決せられるべきものと解される。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和37年5月29日 昭和34(オ)221
登載
集民 第60号919頁
参照法条
民法242条,民法177条
論点17第242条民法

地盤所有権の取得につき未登記のままその地盤上に植栽された立木の所有権と対抗要件。

裁判要旨地盤所有権の取得につき未登記のままその地盤上に植栽した立木の所有権を、第三者に対抗するには、公示方法を必要とする。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和35年3月1日 昭和32(オ)325
登載
民集 第14巻3号307頁
参照法条
民法177条,民法242条但書
論点18第242条民法

改造途中の工作物を賃借人が建物として完成させた場合の附合の成否

裁判要旨二階建アパートの階下の一画の区分所有権者が、これを賃貸の目的で改造するために取りこわし、柱および基礎工事等を残すだけの工作物とした上で、右工作物を、賃借人の負担で改造する約束で賃貸し、賃借人において約旨に従い建物として完成させた場合には、賃借人の工事により附加された物の附合により、右建物は工作物所有者の所有に帰したものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和34年2月5日 昭和31(オ)407
登載
民集 第13巻1号51頁
参照法条
民法242条,民法86条1項
論点19第242条民法

播かれた種から生育した苗の所有権の帰属

裁判要旨播かれた種から生育した苗の所有権は、播種が土地使用の権原のない者によつてなされた場合は、土地所有者に属する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和31年6月19日 昭和28(オ)1435
登載
民集 第10巻6号678頁
参照法条
民法242条
論点20第242条民法

民法第二四二条〈不動産の付合〉の趣旨

裁判要旨民法第二四二条〈不動産の付合〉は、不動産の附合物がたとえ取引上当該不動産と別個の所有権の対象となりうべきものであつても、該不動産の所有権が当然附合物の上におよぶことを規定するものであつて、附合物に対する所有権が該不動産の所有権の外に独立して存することまでを定めているものと解すべきではない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和28年1月23日 昭和25(オ)378
登載
民集 第7巻1号78頁
参照法条
民法242条
論点21第242条民法

液化石油ガス供給のために戸建て住宅に設置された消費設備に係る配管等につき当該住宅に付合しており民法242条ただし書の適用もないとされた事例

裁判要旨液化石油ガス供給のために戸建て住宅に設置された消費設備に係る配管等について、次の⑴~⑶など判示の事情の下では、当該住宅に付合したものと解され、民法242条〈不動産の付合〉ただし書の適用もない。
⑴ 上記配管等を撤去するためには上記住宅及びその住宅設備を相当程度毀損する必要があり、その撤去や上記住宅等の復旧には相応の手間や費用を要することが見込まれる。
⑵ 上記配管等は上記住宅の構造に合わせて設置されていて上記住宅と一体となって利用されることではじめてその経済的効用を発揮するものである上、撤去後の上記配管等の経済的価値は乏しいものであるとうかがわれる。
⑶ 戸建て住宅に設置されている状態の液化石油ガスの消費設備に係る配管が、当該住宅と別個独立に公の市場において取引されるものであるとはうかがわれない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 令和7年12月23日 令和6(受)1373
登載
民集 第79巻8号2903頁
参照法条
民法242条
論点22第243条民法

一 建築途中の未だ独立の不動産に至らない建前に第三者が材料を供して工事を施し独立の不動産である建物に仕上げた場合と建物所有権の帰属
二 民法二四六条二項〈加工〉の規定に基づいて加工物の所有権の帰属を決定する場合において他人の動産の価格と比較すべき対象の算定時期

裁判要旨一 建築途中の未だ独立の不動産に至らない建前に第三者が材料を供して工事を施し独立の不動産である建物に仕上げた場合における建物所有権の帰属は、民法二四六条二項〈加工〉の規定に基づいて決定すべきである。
二 建築途中の未だ独立の不動産に至らない建前に第三者が材料を供し工事を施して仕上げた建物の所有権の帰属を民法二四六条二項の規定に基づいて決定する場合において、建前が、屋根瓦が葺かれ、荒壁が塗られて法律上独立の不動産である建物としての要件を具備するに至つた時点における状態に基づいてではなく、加工者の工事が一応終了したと認められる時点までの間に加工者が加えた工事及び材料の価格と建前の価格とを比較して決定すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和54年1月25日 昭和53(オ)872
登載
民集 第33巻1号26頁
参照法条
民法243条,民法246条2項
論点23第243条民法

伐倒木の混合が生じたとするにつき審理不尽があるとされた事例。

裁判要旨山林の立木伐倒による損害賠償請求について、右伐倒木に混合が生じたとするには、如何なる割合で主従の区別があるのか、またはその区別をすることができない場合であるかを明らかにしなければ審理不尽となる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和39年4月17日 昭和36(オ)1216
登載
集民 第73号179頁
参照法条
民法243条,民法244条,民法245条,民訴法395条6号
論点24第244条民法

互いに主従の関係にない甲乙二棟の建物がその間の隔壁を除去する等の工事により一棟の丙建物となった場合と甲建物又は乙建物を目的として設定されていた抵当権の消長

裁判要旨互いに主従の関係にない甲乙二棟の建物がその間の隔壁を除去する等の工事により一棟の丙建物となった場合、甲建物又は乙建物を目的として設定されていた抵当権は、丙建物のうち甲建物又は乙建物の価格の割合に応じた持分を目的とするものとして存続する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成6年1月25日 平成3(オ)2024
登載
民集 第48巻1号18頁
参照法条
民法244条,民法247条2項,民法369条
論点25第246条民法

洋服の仕立業者が仕立のため預かつた洋服生地に加工を加えた場合の所有権の帰属

裁判要旨洋服の仕立業者が、他人の注文を受けて、仕立のためにその者から預かつた洋服生地に加工を加え洋服に仕立てた場合には、たとえその結果著しく価格が増加しても、その所有権は注文者に属する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和45年4月8日 昭和44(あ)2125
登載
集刑 第176号51頁
参照法条
民法246条,刑法253条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

民法 第239条(無主物の帰属) 詳細ページ
(無主物の帰属)
第二百三十九条所有者のない動産は、所有の意思をもって占有することによって、その所有権を取得する。
2所有者のない不動産は、国庫に帰属する。
民法 第240条(遺失物の拾得) 詳細ページ
(遺失物の拾得)
第二百四十条遺失物は、遺失物法(平成十八年法律第七十三号)の定めるところに従い公告をした後三箇月以内にその所有者が判明しないときは、これを拾得した者がその所有権を取得する。
民法 第241条(埋蔵物の発見) 詳細ページ
(埋蔵物の発見)
第二百四十一条埋蔵物は、遺失物法の定めるところに従い公告をした後六箇月以内にその所有者が判明しないときは、これを発見した者がその所有権を取得する。ただし、他人の所有する物の中から発見された埋蔵物については、これを発見した者及びその他人が等しい割合でその所有権を取得する。
民法 第242条(不動産の付合) 詳細ページ
(不動産の付合)
第二百四十二条不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得する。ただし、権原によってその物を附属させた他人の権利を妨げない。
民法 第243条(動産の付合) 詳細ページ
(動産の付合)
第二百四十三条所有者を異にする数個の動産が、付合により、損傷しなければ分離することができなくなったときは、その合成物の所有権は、主たる動産の所有者に帰属する。分離するのに過分の費用を要するときも、同様とする。
民法 第244条 詳細ページ
第二百四十四条付合した動産について主従の区別をすることができないときは、各動産の所有者は、その付合の時における価格の割合に応じてその合成物を共有する。
民法 第245条(混和) 詳細ページ
(混和)
第二百四十五条前二条の規定は、所有者を異にする物が混和して識別することができなくなった場合について準用する。
民法 第246条(加工) 詳細ページ
(加工)
第二百四十六条他人の動産に工作を加えた者(以下この条において「加工者」という。)があるときは、その加工物の所有権は、材料の所有者に帰属する。ただし、工作によって生じた価格が材料の価格を著しく超えるときは、加工者がその加工物の所有権を取得する。
2前項に規定する場合において、加工者が材料の一部を供したときは、その価格に工作によって生じた価格を加えたものが他人の材料の価格を超えるときに限り、加工者がその加工物の所有権を取得する。
民法 第247条(付合、混和又は加工の効果) 詳細ページ
(付合、混和又は加工の効果)
第二百四十七条第二百四十二条から前条までの規定により物の所有権が消滅したときは、その物について存する他の権利も、消滅する。
2前項に規定する場合において、物の所有者が、合成物、混和物又は加工物(以下この項において「合成物等」という。)の単独所有者となったときは、その物について存する他の権利は以後その合成物等について存し、物の所有者が合成物等の共有者となったときは、その物について存する他の権利は以後その持分について存する。
民法 第248条(付合、混和又は加工に伴う償金の請求) 詳細ページ
(付合、混和又は加工に伴う償金の請求)
第二百四十八条第二百四十二条から前条までの規定の適用によって損失を受けた者は、第七百三条及び第七百四条の規定に従い、その償金を請求することができる。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。