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人/不在者の財産の管理及び失踪の宣告

不在者の財産の管理及び失踪の宣告の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

不在者が財産管理人を置かないまま従来の住所や居所を離れた場合、家庭裁判所が利害関係人や検察官の請求により財産管理の処分を命じる制度を整理しています。あわせて、管理人の改任・職務・権限・担保や報酬の定め、生死不明が続いた場合の失踪の宣告とその効力・取消しについても扱います。

不在者の財産の管理及び失踪の宣告
項目不在者の財産管理失踪の宣告
開始要件管理人不在・権限消滅生死不明7年/危難後1年
請求権者利害関係人・検察官利害関係人
決定機関家庭裁判所家庭裁判所
効果財産管理の処分を命令死亡したものとみなす
取消し管理人設置で取消し生存等の証明で取消し
  • 検察官は失踪の宣告の請求権者ではない(30条は利害関係人のみ)
  • 目録作成の費用は不在者の財産から支弁する(27条)
  • 財産管理の担保・報酬は家庭裁判所の裁量による(29条)
  • 失踪宣告の取消しは、取消し前に善意でした行為の効力に影響しない(32条)
  • 宣告により得た財産の返還義務は現に利益を受けている限度にとどまる(32条)
  • 管理人が権限を超える行為をするには家庭裁判所の許可が必要(28条)
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不在者の財産の管理及び失踪の宣告

不在者の財産の管理及び失踪の宣告について、条文は何を定めているか。

第25条不在者の財産の管理管理人不在時に家裁が財産管理を命じる2項判例なし
  • 管理人がいない不在者は、利害関係人か検察官の請求で家裁が財産管理の処分を命じられる
  • 本人不在中に管理人の権限が消滅した場合も同様に家裁が処分を命じられる
  • 本人が管理人を置いたときは、家裁はその命令を取り消さなければならない
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第26条管理人の改任生死不明なら家裁が管理人を改任できる1項判例なし
  • 不在者が管理人を置いていても、生死が明らかでないときは家裁が管理人を改任できる
  • 請求できるのは利害関係人または検察官
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第27条管理人の職務選任された管理人は財産目録を作成する3項判例 1件
  • 家裁が選任した管理人は管理財産の目録を作成し、費用は不在者の財産から支払う
  • 生死不明の場合、本人が置いた管理人にも家裁は目録作成を命じられる
  • 家裁は管理人に財産保存に必要な処分も命じられる
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第28条管理人の権限権限を超える行為は家裁の許可が必要1項判例 2件
  • 管理人が民法103条の権限を超える行為をするには家裁の許可がいる
  • 生死不明で本人が定めた権限を超える行為をする場合も同様に許可がいる
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第29条管理人の担保提供及び報酬家裁は管理人に担保や報酬を定められる2項判例なし
  • 家裁は管理人に財産の管理・返還について相当の担保を立てさせられる
  • 家裁は事情に応じ、不在者の財産から管理人に相当な報酬を与えられる
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第30条失踪の宣告生死不明が一定期間続くと失踪宣告できる2項判例なし
  • 生死が7年間明らかでないときは、利害関係人の請求で家裁が失踪宣告できる
  • 戦地・沈没船等の危難に遭った者は、危難去った後1年間不明なら同様
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第31条失踪の宣告の効力宣告により死亡したものとみなされる1項判例なし
  • 7年間不明での宣告は、その7年間の期間満了時に死亡したとみなす
  • 危難による宣告は、危難が去った時に死亡したとみなす
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第32条失踪の宣告の取消し生存等の証明があれば宣告を取り消す2項判例 1件
  • 生存や異なる死亡時期の証明で、本人か利害関係人の請求により家裁は宣告を取り消す
  • 取消し前に善意でした行為の効力には影響しない
  • 宣告で財産を得た者は取消しで権利を失うが、返す義務は現に受けている利益の限度
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第27条民法

保佐開始の審判事件を本案とする保全処分の事件において選任された財産の管理者が家庭裁判所に提出したその管理すべき財産の目録及び財産の状況についての報告書は、上記保全処分の事件の記録に当たるか

裁判要旨保佐開始の審判事件を本案とする保全処分の事件において選任された財産の管理者が家庭裁判所に提出したその管理すべき財産の目録及び財産の状況についての報告書は、上記保全処分の事件の記録には当たらない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 令和4年6月20日 令和3(許)13
登載
民集 第76巻5号1146頁
参照法条
家事事件手続法47条3項、家事事件手続法47条8項、家事事件手続法125条2項、家事事件手続法126条1項、家事事件手続法134条1項、家事事件手続法134条2項、家事事件手続法134条6項、民法27条1項
論点2第28条民法

一、上告審と無権代理人の訴訟行為の追認
二、家庭裁判所が選任した不在者財産管理人の上訴権限

裁判要旨一、権限のある代理人は、上告審において、上告審および控訴審における無権代理人の訴訟行為を追認することができる。
二、家庭裁判所が選任した不在者財産管理人は、民法二八条〈管理人の権限〉所定の家庭裁判所の許可を得ることなしに、不在者を被告とする建物収去土地明渡請求を認容した第一審判決に対し控訴を提起し、その控訴を不適法として却下した第二審判決に対し上告を提起する権限を有する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和47年9月1日 昭和46(オ)474
登載
民集 第26巻7号1289頁
参照法条
民訴法50条,民訴法54条,民訴法87条,民訴法395条2項,民法28条,民法103条
論点3第28条民法

家事審判規則一〇六条一項の相続財産管理人の応訴権限

裁判要旨家庭裁判所が家事審判規則一〇六条一項により選任する相続財産管理人は、相続財産に関して提起された訴につき、相続人の法定代理人として、家庭裁判所の許可なくして応訴することができるものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和47年7月6日 昭和46(オ)773
登載
民集 第26巻6号1133頁
参照法条
民法28条,民法103条,民法907条2項,家事審判規則106条1項
論点4第32条民法

生命保険の指定受取人と当該指定受取人が先に死亡したとすればその相続人となるべき者とが同時に死亡した場合において,その者又はその相続人は,商法676条2項にいう「保険金額ヲ受取ルヘキ者ノ相続人」に当たるか

裁判要旨生命保険の指定受取人と当該指定受取人が先に死亡したとすればその相続人となるべき者とが同時に死亡した場合において,その者又はその相続人は,商法676条2項にいう「保険金額ヲ受取ルヘキ者ノ相続人」には当たらない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成21年6月2日 平成21(受)226
登載
民集 第63巻5号953頁
参照法条
商法676条2項,民法32条の2
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

民法 第25条(不在者の財産の管理) 詳細ページ
(不在者の財産の管理)
第二十五条従来の住所又は居所を去った者(以下「不在者」という。)がその財産の管理人(以下この節において単に「管理人」という。)を置かなかったときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、その財産の管理について必要な処分を命ずることができる。本人の不在中に管理人の権限が消滅したときも、同様とする。
2前項の規定による命令後、本人が管理人を置いたときは、家庭裁判所は、その管理人、利害関係人又は検察官の請求により、その命令を取り消さなければならない。
民法 第26条(管理人の改任) 詳細ページ
(管理人の改任)
第二十六条不在者が管理人を置いた場合において、その不在者の生死が明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、管理人を改任することができる。
民法 第27条(管理人の職務) 詳細ページ
(管理人の職務)
第二十七条前二条の規定により家庭裁判所が選任した管理人は、その管理すべき財産の目録を作成しなければならない。この場合において、その費用は、不在者の財産の中から支弁する。
2不在者の生死が明らかでない場合において、利害関係人又は検察官の請求があるときは、家庭裁判所は、不在者が置いた管理人にも、前項の目録の作成を命ずることができる。
3前二項に定めるもののほか、家庭裁判所は、管理人に対し、不在者の財産の保存に必要と認める処分を命ずることができる。
民法 第28条(管理人の権限) 詳細ページ
(管理人の権限)
第二十八条管理人は、第百三条に規定する権限を超える行為を必要とするときは、家庭裁判所の許可を得て、その行為をすることができる。不在者の生死が明らかでない場合において、その管理人が不在者が定めた権限を超える行為を必要とするときも、同様とする。
民法 第29条(管理人の担保提供及び報酬) 詳細ページ
(管理人の担保提供及び報酬)
第二十九条家庭裁判所は、管理人に財産の管理及び返還について相当の担保を立てさせることができる。
2家庭裁判所は、管理人と不在者との関係その他の事情により、不在者の財産の中から、相当な報酬を管理人に与えることができる。
民法 第30条(失踪の宣告) 詳細ページ
(失踪の宣告)
第三十条不在者の生死が七年間明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪の宣告をすることができる。
2戦地に臨んだ者、沈没した船舶の中に在った者その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が、それぞれ、戦争が止んだ後、船舶が沈没した後又はその他の危難が去った後一年間明らかでないときも、前項と同様とする。
民法 第31条(失踪の宣告の効力) 詳細ページ
(失踪の宣告の効力)
第三十一条前条第一項の規定により失踪の宣告を受けた者は同項の期間が満了した時に、同条第二項の規定により失踪の宣告を受けた者はその危難が去った時に、死亡したものとみなす。
民法 第32条(失踪の宣告の取消し) 詳細ページ
(失踪の宣告の取消し)
第三十二条失踪者が生存すること又は前条に規定する時と異なる時に死亡したことの証明があったときは、家庭裁判所は、本人又は利害関係人の請求により、失踪の宣告を取り消さなければならない。この場合において、その取消しは、失踪の宣告後その取消し前に善意でした行為の効力に影響を及ぼさない。
2失踪の宣告によって財産を得た者は、その取消しによって権利を失う。ただし、現に利益を受けている限度においてのみ、その財産を返還する義務を負う。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。