この条文が出てくる場面
原文整理テーマ別まとめ概要
原文解釈- 債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした行為の取消しを裁判所に請求することができる。
- ただし、その行為によって利益を受けた受益者が、行為の時において債権者を害することを知らなかったときは、取消しを請求することができない。
- 財産権を目的としない行為については、この規定は適用されない。
- 債権者は、その債権が取消しの対象となる行為より前の原因に基づいて生じたものである場合に限り、詐害行為取消請求をすることができる。
- 債権者は、その債権が強制執行により実現することのできないものであるときは、詐害行為取消請求をすることができない。
詐害行為取消請求の要件
原文解釈横スクロールできます| 区分 | 内容 | 根拠項 |
|---|---|---|
| 主観的要件(債務者) | 債務者が債権者を害することを知ってした行為であること | 第1項本文 |
| 主観的要件(受益者) | 受益者が行為の時において債権者を害することを知らなかったときは、取消しを請求することができない | 第1項ただし書 |
| 適用対象の除外 | 財産権を目的としない行為については、前項の規定は適用しない | 第2項 |
| 被保全債権の発生時期 | 債権が第1項に規定する行為の前の原因に基づいて生じたものである場合に限り請求することができる | 第3項 |
| 被保全債権の執行可能性 | 債権が強制執行により実現することのできないものであるときは、詐害行為取消請求をすることができない | 第4項 |
主要な判例
原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定民法詐害行為取消
- 位置づけ
- 最高裁 / 民集登載
- 事件番号
- 昭和57(オ)798
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和58年12月19日 棄却
- 登載
- 民集 第37巻10号1532頁
- 参照法条
- 民法424条,民法768条
- 判示事項
- 離婚に伴う財産分与と詐害行為の成否
裁判要旨離婚に伴う財産分与は、民法七六八条三項の規定の趣旨に反して不相当に過大であり、財産分与に仮託してされた財産処分であると認めるに足りるような特段の事情のない限り、詐害行為とはならない。
民法詐害行為取消等
- 位置づけ
- 最高裁 / 民集登載
- 事件番号
- 昭和54(オ)730
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和55年1月24日 棄却
- 登載
- 民集 第34巻1号110頁
- 参照法条
- 民法424条
- 判示事項
- 債権者の債権成立前にされた不動産物権の譲渡行為につき債権成立後に登記が経由された場合と詐害行為取消権の成否
裁判要旨不動産物権の譲渡行為が債権者の債権成立前にされた場合には、その登記が右債権成立後に経由されたときであつても、詐害行為取消権は成立しない。
民法手形判決異議、手形裏書の詐害行為取消併合
- 位置づけ
- 最高裁 / 民集登載
- 事件番号
- 昭和50(オ)999
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和54年4月6日 破棄自判
- 登載
- 民集 第33巻3号329頁
- 参照法条
- 民法424条,手形法17条,手形法18条,民訴法227条
- 判示事項
- 一 手形の裏書が裏書人を告とする詐害行為取消一一訟において取り消された場合と右被裏書人から隠れた取立委任裏書を受けていた者の地位 二 約束手形の振出人を原告としその受取人による裏書の被裏書人を被告とする右裏書に対する詐害行為取消の訴と右被裏書人から更に取立委任裏書を受けた者の振出人に対する手形金請求の訴とが併合審理された場合に詐害行為の成立が認められるときは手形金請求を棄却すべきものとされた事例
裁判要旨一 約束手形の振出人甲が原告となりその受取人乙から裏書を受けた丙を被告として提起した右裏書についての詐害行為取消の訴において、甲の請求が認容された場合には、甲は、丙から隠れた取立委任裏書を受けていた丁に対し、丁の善意・悪意を問わず、乙丙間の裏書が詐害行為として取り消された事実を援用して、丁の手形金請求を拒むことができる。
二 約束手形の振出人甲を原告としその受取人乙から裏書を受けた丙を被告とする右裏書に対する詐害行為取消の訴と、丙から更に裏書を受けた丁を原告とし甲を被告とする右手形金請求の訴とが同一裁判所に係属し、後者の訴訟において、甲が、抗弁として、右詐害行為の事実及び丙丁間の裏書が隠れた取立委任裏書であり詐害行為としての取消をもつて丁に対抗しうる旨を主張し、両訴訟が併合審理された結果、甲の主張事実が認められたときは、裁判所は、甲の丙に対する詐害行為取消請求を認容するとともに、丁の甲に対する手形金請求を棄却する裁判をすべきである。
二 約束手形の振出人甲を原告としその受取人乙から裏書を受けた丙を被告とする右裏書に対する詐害行為取消の訴と、丙から更に裏書を受けた丁を原告とし甲を被告とする右手形金請求の訴とが同一裁判所に係属し、後者の訴訟において、甲が、抗弁として、右詐害行為の事実及び丙丁間の裏書が隠れた取立委任裏書であり詐害行為としての取消をもつて丁に対抗しうる旨を主張し、両訴訟が併合審理された結果、甲の主張事実が認められたときは、裁判所は、甲の丙に対する詐害行為取消請求を認容するとともに、丁の甲に対する手形金請求を棄却する裁判をすべきである。
実務注記
原文解釈- 受益者の善意の抗弁を確認する受益者がその行為の時において債権者を害することを知らなかったときは、取消しを請求することができない(第1項ただし書)。
- 財産権を目的としない行為は対象外財産権を目的としない行為については、第1項の規定は適用されない(第2項)。
- 被保全債権の発生時期を確認する詐害行為取消請求は、債権者の債権が取消しの対象となる行為の前の原因に基づいて生じたものである場合に限りすることができる(第3項)。
- 強制執行により実現できない債権は対象外債権者の債権が強制執行により実現することのできないものであるときは、詐害行為取消請求をすることができない(第4項)。
- 「詐害行為取消請求」の語の範囲を確認する「詐害行為取消請求」とは、第1項の規定による請求を指す条文上の呼称である(第3項)。
条文原文
原文ママ民法 第424条(詐害行為取消請求)
(詐害行為取消請求)
第四百二十四条債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした行為の取消しを裁判所に請求することができる。ただし、その行為によって利益を受けた者(以下この款において「受益者」という。)がその行為の時において債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。
2前項の規定は、財産権を目的としない行為については、適用しない。
3債権者は、その債権が第一項に規定する行為の前の原因に基づいて生じたものである場合に限り、同項の規定による請求(以下「詐害行為取消請求」という。)をすることができる。
4債権者は、その債権が強制執行により実現することのできないものであるときは、詐害行為取消請求をすることができない。
一次情報
- 条文e-Gov法令検索 民法 第424条
- 判例裁判所ウェブサイト 裁判例検索
- 注記法令は改正されます。実務判断の際は上記リンクで最新の条文を再確認してください。