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詐害行為取消権/詐害行為取消権の要件

詐害行為取消権の要件の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

詐害行為取消権は、債務者が債権者を害すると知って行った行為を、債権者が裁判所に請求して取り消してもらう制度です。原則(民法424条)のほか、相当な対価を得た処分行為、既存債務についての担保供与等、過大な代物弁済等については、それぞれ追加の要件を満たす場合に限り取消しが認められる特則が置かれています。受益者からさらに財産を得た転得者に対しても、一定の要件のもとで取消しを請求できます。

詐害行為取消権の要件
場面客観要件主観要件範囲・限定
原則財産権を目的とする行為債務者・受益者ともに悪意行為全部を取消し
相当対価を得た処分隠匿等のおそれを生じさせる債務者に隠匿意思、受益者悪意行為全部を取消し
担保提供・債務消滅の原則型支払不能時に行った行為債務者・受益者が通謀し害意行為全部を取消し
担保提供・債務消滅の例外型支払不能前30日以内で義務外債務者・受益者が通謀し害意行為全部を取消し
過大な代物弁済等424条の要件に該当債務者・受益者ともに悪意過大部分のみ取消し
転得者への請求受益者への取消請求が可能転得者が転得時に悪意転得者にも取消請求可
  • 受益者が行為時に債権者を害することを知らなかったときは、原則の取消しはできない(424条1項ただし書)
  • 財産権を目的としない行為には取消権は及ばない(424条2項)
  • 取消しできる債権は、詐害行為より前の原因に基づくものに限られる(424条3項)
  • 強制執行により実現することのできない債権では詐害行為取消請求ができない(424条4項)
  • 過大な代物弁済等は、消滅した債務額に相当する部分を除いた部分のみ取り消せる(424条の4)
  • 転得者が複数連鎖している場合、その転得者及びそれより前の全ての転得者が、それぞれの転得時に悪意であることが必要(424条の5第2号)
1

詐害行為取消権の要件

詐害行為取消権の要件について、条文は何を定めているか。

第424条詐害行為取消請求原則として詐害行為を取り消せる4項判例 27件
  • 債務者が債権者を害すると知って行った行為を取り消せる
  • 受益者が行為時に害意を知らなければ取り消せない
  • 財産権に関係ない行為(身分行為など)は対象外
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第424_2条相当の対価を得てした財産の処分行為の特則対価を得た処分でも要件次第で取消せる1項・3号判例なし
  • 隠匿等のおそれを現に生じさせる処分であること
  • 債務者が対価について隠匿等の意思を持っていたこと
  • 受益者がその意思を知っていたこと
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第424_3条特定の債権者に対する担保の供与等の特則既存債務の担保提供等の特則2項・4号判例なし
  • 支払不能時の担保提供・債務消滅が対象
  • 債務者と受益者が通謀して他の債権者を害する意図が必要
  • 義務外や時期前倒しの場合は支払不能前30日以内も対象
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第424_4条過大な代物弁済等の特則代物弁済等が過大な場合の特則1項判例なし
  • 受益者が受けた給付が消滅した債務額より過大な場合が対象
  • 424条〈詐害行為取消請求〉の要件を満たせば取消請求ができる
  • 消滅した債務額に相当する部分を除いた部分のみ取消し
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第424_5条転得者に対する詐害行為取消請求転得者にも取消請求できる場合1項・2号判例なし
  • 受益者に対して取消請求できることが前提
  • 転得者はその転得の当時悪意であれば対象
  • 転得者が複数連鎖する場合は全員がそれぞれ悪意であること必要
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第424条民法

抵当権の設定された不動産についてされた譲渡担保契約等の詐害行為に該当する場合に抵当権設定登記が抹消されたときの原状回復の方法

裁判要旨抵当権の設定されている不動産について当該抵当権者以外の者との間にされた代物弁済予約及び譲渡担保契約が詐害行為に該当する場合において、右不動産が不可分のものであり、詐害行為の後に弁済等によつて右抵当権設定登記が抹消されたときは、その取消による原状回復は、右不動産の価額から右抵当権の被担保債権額を控除した残額の限度で価格賠償の方法による。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和63年7月19日 昭和61(オ)495
登載
集民 第154号363頁
参照法条
民法424条
論点2第424条民法

立証についての釈明権の不行使が違法とされた事例

裁判要旨乙に対して損害賠償債権を有する甲が乙丙間の売買を詐害行為であるとして丙に対しその取消を求めて提起した訴訟の控訴審において、併合提起されていた甲の乙に対する損害賠償請求につき第一審の勝訴判決が確定しているため、立証の対象が専ら右売買の詐害行為性の有無に限られ、甲が損害賠償債権の存在については事実上立証の必要がないものと誤解してその立証をしなかつたなど判示のような事情があるときには、裁判所が右損害賠償債権の立証がないとして甲敗訴の判決をすることは、その立証を促すべき釈明権の行使を怠つた違法があるものというべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和58年6月7日 昭和57(オ)619
登載
集民 第139号89頁
参照法条
民法424条,民訴法127条
論点3第424条民法

離婚に伴う財産分与と詐害行為の成否

裁判要旨離婚に伴う財産分与は、民法七六八条三項〈財産分与〉の規定の趣旨に反して不相当に過大であり、財産分与に仮託してされた財産処分であると認めるに足りるような特段の事情のない限り、詐害行為とはならない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和58年12月19日 昭和57(オ)798
登載
民集 第37巻10号1532頁
参照法条
民法424条,民法768条
論点4第424条民法

債権者の債権成立前にされた不動産物権の譲渡行為につき債権成立後に登記が経由された場合と詐害行為取消権の成否

裁判要旨不動産物権の譲渡行為が債権者の債権成立前にされた場合には、その登記が右債権成立後に経由されたときであつても、詐害行為取消権は成立しない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和55年1月24日 昭和54(オ)730
登載
民集 第34巻1号110頁
参照法条
民法424条
論点5第424条民法

一 手形の裏書が裏書人を告とする詐害行為取消一一訟において取り消された場合と右被裏書人から隠れた取立委任裏書を受けていた者の地位

二 約束手形の振出人を原告としその受取人による裏書の被裏書人を被告とする右裏書に対する詐害行為取消の訴と右被裏書人から更に取立委任裏書を受けた者の振出人に対する手形金請求の訴とが併合審理された場合に詐害行為の成立が認められるときは手形金請求を棄却すべきものとされた事例

裁判要旨一 約束手形の振出人甲が原告となりその受取人乙から裏書を受けた丙を被告として提起した右裏書についての詐害行為取消の訴において、甲の請求が認容された場合には、甲は、丙から隠れた取立委任裏書を受けていた丁に対し、丁の善意・悪意を問わず、乙丙間の裏書が詐害行為として取り消された事実を援用して、丁の手形金請求を拒むことができる。

二 約束手形の振出人甲を原告としその受取人乙から裏書を受けた丙を被告とする右裏書に対する詐害行為取消の訴と、丙から更に裏書を受けた丁を原告とし甲を被告とする右手形金請求の訴とが同一裁判所に係属し、後者の訴訟において、甲が、抗弁として、右詐害行為の事実及び丙丁間の裏書が隠れた取立委任裏書であり詐害行為としての取消をもつて丁に対抗しうる旨を主張し、両訴訟が併合審理された結果、甲の主張事実が認められたときは、裁判所は、甲の丙に対する詐害行為取消請求を認容するとともに、丁の甲に対する手形金請求を棄却する裁判をすべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和54年4月6日 昭和50(オ)999
登載
民集 第33巻3号329頁
参照法条
民法424条,手形法17条,手形法18条,民訴法227条
論点6第424条民法

不動産の引渡請求権者が債務者による目的不動産の処分行為を詐害行為として取り消す場合と自己に対する所有権移転登記手続請求の可否

裁判要旨不動産の引渡請求権者は、目的不動産についてされた債務者の処分行為を詐害行為として取り消す場合に、直接自己に対する所有権移転登記手続を請求することはできない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和53年10月5日 昭和51(オ)1215
登載
民集 第32巻7号1332頁
参照法条
民法424条,民法425条
論点7第424条民法

旧債権発生後これを目的とする準消費貸借契約締結前にした債務者の詐害行為と債権者の取消権

裁判要旨債務者による詐害行為当時債権者であつた者は、その後その債権を目的とする準消費貸借契約を締結した場合においても、右詐害行為を取り消すことができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和50年7月17日 昭和49(オ)302
登載
民集 第29巻6号1119頁
参照法条
民法424条,民法588条
論点8第424条民法

相続の放棄と詐害行為取消権

裁判要旨相続の放棄は、民法四二四条〈詐害行為取消請求〉の詐害行為取消権行使の対象とならない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和49年9月20日 昭和47(オ)1194
登載
民集 第28巻6号1202頁
参照法条
民法424条,民法939条
論点9第424条民法

調停によつて将来にわたり支払うこととされた婚姻費用分担に関する債権を被保全債権とする詐害行為取消権の成否

裁判要旨調停によつて毎月一定額を支払うことと定められた将来の婚姻費用の分担に関する債権は、詐害行為当時いまだその支払期日が到来しない場合であつても、詐害行為取消権の成否を判断するにあたつては、これをもつてすでに発生した債権というを妨げず、詐害行為当時、当事者間の婚姻関係その他の事情から、右調停の前提たる事実関係の存続がかなりの蓋然性をもつて予測される限度において、これを被保全債権とする詐害行為取消権が成立するものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和46年9月21日 昭和43(オ)1215
登載
民集 第25巻6号823頁
参照法条
民法424条,民法760条
論点10第424条民法

金銭の支払を求める詐害行為取消訴訟手続において被告は自己の債権額に対応する按分額の支払を拒むことができるか

裁判要旨債権者が、受益者を被告として、債務者の受益者に対する弁済行為を取り消し、かつ、右取消にかかる弁済額の支払を求める詐害行為取消訴訟手続において、被告は、右弁済額を原告の債権額と自己の債権額とで按分し、後者に対応する按分額につき、支払を拒むことはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和46年11月19日 昭和45(オ)498
登載
民集 第25巻8号1321頁
参照法条
民法424条,民法425条
論点11第424条民法

約束手形所持人の振出人に対する手形債権に基づく詐害行為取消請求と手形裏書の原因関係の消滅時効

裁判要旨約束手形の所持人が、その振出人に対する手形債権に基づき、右振出人と第三者との間の行為を詐害行為としてその取消を求める訴訟において、右所持人への裏書の原因関係上の債務につき消滅時効が完成していても、その債務の債務者が時効を援用していないかぎり、被告たち受益者は、右債務の消滅を主張して、右所持人の権利の行使を拒むことができない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和45年1月23日 昭和42(オ)608
登載
集民 第98号33頁
参照法条
民法145条,民法424条,手形法77条,手形法17条
論点12第424条民法

詐害行為取消の反訴が認容されるべき場合には本訴である第三者異議訴訟は排斥を免れないとされた事例。

裁判要旨所有権を異議理由とする第三者異議訴訟の繋属中に、右所有権の取得原因たる契約が詐害行為に該当することを理由として右契約の取消を求める反訴が提起され、右本訴および反訴が同一の裁判所において審理された結果、詐害行為取消権が存すると判断され、前記の所有権取得が否定されるべきことが裁判所に明らかな場合においては、本訴である第三者異議訴訟は排斥を免れない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和40年3月26日 昭和34(オ)99
登載
民集 第19巻2号508頁
参照法条
民法424条,民訴法549条,民訴法239条,民訴法227条
論点13第424条民法

商法第一四一条と民法第四二四条〈詐害行為取消請求〉の関係。

裁判要旨商法第一四一条の適用または準用ある会社についての詐害設立取消には、民法第四二四条〈詐害行為取消請求〉を適用する余地はない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和39年1月23日 昭和36(オ)884
登載
民集 第18巻1号87頁
参照法条
商法141条,有限会社法75条1項,民法424条
論点14第424条民法

詐害行為取消債権者は受益者より引渡を受けた価格賠償金を他の債権者に分配する義務を負うか。

裁判要旨詐害行為取消の判決に基づき取消債権者が受益者より自己に価格賠償金の引渡を受けた場合、取消債権者は、右価格賠償金を他の債権者に分配する義務を負うものではない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和37年10月9日 昭和34(オ)1084
登載
民集 第16巻10号2070頁
参照法条
民法424条,民法425条
論点15第424条民法

免責の効力を受ける破産債権に基づく詐害行為取消権行使の許否

裁判要旨免責の効力を受ける破産債権の債権者が右債権に基づいて詐害行為取消権を行使することは許されない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成9年2月25日 平成8(オ)1430
登載
集民 第181号509頁
参照法条
民法424条,破産法366条ノ12
論点16第424条民法

詐害行為が成立した場合に詐害行為取消権によって保全される債権の額と詐害行為後に発生した遅延損害金

裁判要旨詐害行為が成立した場合に詐害行為取消権によって保全される債権の額には、詐害行為後に発生した遅延損害金も含まれる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成8年2月8日 平成4(オ)993
登載
集民 第178号215頁
参照法条
民法424条
論点17第424条民法

一 共同抵当の目的とされた不動産の売買契約が詐害行為に該当する場合に抵当権が消滅したときの取消しの範囲及び原状回復の方法
二 共同抵当の目的とされた不動産の売買契約が詐害行為に該当する場合に抵当権が消滅したときの価格賠償の額

裁判要旨一 共同抵当の目的とされた不動産の全部又は一部の売買契約が詐害行為に該当する場合において、詐害行為の後に弁済によって右抵当権が消滅したときは、詐害行為の目的不動産の価額から右不動産が負担すべき右抵当権の被担保債権の額を控除した残額の限度で右売買契約を取り消し、その価格による賠償を命ずるべきである。
二 共同抵当の目的とされた不動産の全部又は一部の売買契約が詐害行為に該当する場合に右抵当権が消滅したときにおける価格賠償の額は、詐害行為の目的不動産の価額から、共同抵当の目的とされた各不動産の価額に応じて抵当権の被担保債権額を案分して詐害行為の目的不動産について得られた額を控除した額である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成4年2月27日 平成1(オ)1668
登載
民集 第46巻2号112頁
参照法条
民法392条,民法424条
論点18第424条民法

詐害行為取消しによる受益者の取消債権者に対する受領済みの金員相当額の支払債務が履行遅滞となる時期

裁判要旨詐害行為取消しによる受益者の取消債権者に対する受領済みの金員相当額の支払債務は,履行の請求を受けた時に遅滞に陥る。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成30年12月14日 平成30(受)44
登載
民集 第72巻6号1101頁
参照法条
民法412条3項,民法424条1項
論点19第424条民法

株式会社を設立する新設分割と詐害行為取消権

裁判要旨株式会社を設立する新設分割がされた場合において,新たに設立する株式会社にその債権に係る債務が承継されず,新設分割について異議を述べることもできない新設分割をする株式会社の債権者は,詐害行為取消権を行使して新設分割を取り消すことができる。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成24年10月12日 平成22(受)622
登載
民集 第66巻10号3311頁
参照法条
民法424条,会社法第5編第3章第2節第2款 株式会社を設立する新設分割
論点20第424条民法

詐害行為取消訴訟の訴訟物である詐害行為取消権は,取消債権者が有する個々の被保全債権に対応して複数発生するか

裁判要旨詐害行為取消訴訟の訴訟物である詐害行為取消権は,取消債権者が有する個々の被保全債権に対応して複数発生するものではない。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成22年10月19日 平成21(受)708
登載
集民 第235号93頁
参照法条
民法424条,民訴法246条
論点21第424条民法

1 遺産分割協議は国税徴収法39条にいう第三者に利益を与える処分に当たり得るか
2 滞納者に詐害の意思のあることは国税徴収法39条所定の第二次納税義務の成立要件か

裁判要旨1 国税の滞納者を含む共同相続人の間で成立した遺産分割協議は,滞納者である相続人にその相続分に満たない財産を取得させ,他の相続人にその相続分を超える財産を取得させるものであるときは,国税徴収法39条にいう第三者に利益を与える処分に当たり得る。
2 滞納者に詐害の意思のあることは,国税徴収法39条所定の第二次納税義務の成立要件ではない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成21年12月10日 平成20(行ヒ)177
登載
民集 第63巻10号2516頁
参照法条
(1,2につき)国税徴収法39条 (1につき)民法907条1項 (2につき)民法424条1項本文
論点22第424条民法

旧会社更生法(平成14年法律第154号による改正前のもの)78条1項1号に該当する行為についてした否認の効果が及ぶ目的物の範囲

裁判要旨更生会社の管財人が旧会社更生法(平成14年法律第154号による改正前のもの)78条1項1号に該当する行為についてした否認の効果は,当該行為の目的物が複数で可分であったとしても,目的物すべてに及ぶ。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成17年11月8日 平成17(オ)153
登載
民集 第59巻9号2333頁
参照法条
旧会社更生法(平成14年法律第154号による改正前のもの)78条1項1号,会社更生法86条1項1号,民法424条1項
論点23第424条民法

商標権の譲渡行為が詐害行為として取り消された場合に受益者が第三者から支払を受けた当該商標権の使用許諾料相当額を不当利得として債権者が債務者に代位して返還請求をすることの可否

裁判要旨商標権の譲渡行為が詐害行為として取り消された場合に,受益者が第三者から支払を受けた当該商標権の使用許諾料相当額を不当利得として債権者が債務者に代位して返還請求をすることはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成13年11月16日 平成12(受)1666
登載
集民 第203号459頁
参照法条
民法424条,民法425条
論点24第424条民法

一 離婚に伴う財産分与として金銭の給付をする旨の合意が詐害行為に該当する場合の取消しの範囲
二 離婚に伴う慰謝料を支払う旨の合意と詐害行為取消権

裁判要旨一 離婚に伴う財産分与として金銭の給付をする旨の合意は、民法七六八条三項〈財産分与〉の規定の趣旨に反してその額が不相当に過大であり、財産分与に仮託してされた財産処分であると認めるに足りるような特段の事情があるときは、不相当に過大な部分について、その限度において詐害行為として取り消されるべきである。
二 離婚に伴う慰謝料として配偶者の一方が負担すべき損害賠償債務の額を超えた金額を支払う旨の合意は、右損害賠償債務の額を超えた部分について、詐害行為取消権行使の対象となる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成12年3月9日 平成10(オ)560
登載
民集 第54巻3号1013頁
参照法条
民法424条,民法710条,民法763条,768条
論点25第424条民法

遺産分割協議と詐害行為取消権

裁判要旨共同相続人の間で成立した遺産分割協議は、詐害行為取消権行使の対象となる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成11年6月11日 平成10(オ)1077
登載
民集 第53巻5号898頁
参照法条
民法424条,民法907条1項
論点26第424条民法

詐害行為の受益者と取消債権者の債権の消滅時効の援用

裁判要旨詐害行為の受益者は、詐害行為取消権を行使する債権者の債権の消滅時効を援用することができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成10年6月22日 平成6(オ)586
登載
民集 第52巻4号1195頁
参照法条
民法145条,民法424条
論点27第424条民法

債権譲渡の通知に対する詐害行為取消権行使の可否

裁判要旨債権譲渡の通知は、詐害行為取消権行使の対象とすることができない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成10年6月12日 平成8(オ)1307
登載
民集 第52巻4号1121頁
参照法条
民法424条,民法467条
原

条文原文

原文ママ

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民法 第424条(詐害行為取消請求) 詳細ページ
(詐害行為取消請求)
第四百二十四条債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした行為の取消しを裁判所に請求することができる。ただし、その行為によって利益を受けた者(以下この款において「受益者」という。)がその行為の時において債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。
2前項の規定は、財産権を目的としない行為については、適用しない。
3債権者は、その債権が第一項に規定する行為の前の原因に基づいて生じたものである場合に限り、同項の規定による請求(以下「詐害行為取消請求」という。)をすることができる。
4債権者は、その債権が強制執行により実現することのできないものであるときは、詐害行為取消請求をすることができない。
民法 第424_2条(相当の対価を得てした財産の処分行為の特則) 詳細ページ
(相当の対価を得てした財産の処分行為の特則)
第四百二十四条の二債務者が、その有する財産を処分する行為をした場合において、受益者から相当の対価を取得しているときは、債権者は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り、その行為について、詐害行為取消請求をすることができる。
一その行為が、不動産の金銭への換価その他の当該処分による財産の種類の変更により、債務者において隠匿、無償の供与その他の債権者を害することとなる処分(以下この条において「隠匿等の処分」という。)をするおそれを現に生じさせるものであること。
二債務者が、その行為の当時、対価として取得した金銭その他の財産について、隠匿等の処分をする意思を有していたこと。
三受益者が、その行為の当時、債務者が隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたこと。
民法 第424_3条(特定の債権者に対する担保の供与等の特則) 詳細ページ
(特定の債権者に対する担保の供与等の特則)
第四百二十四条の三債務者がした既存の債務についての担保の供与又は債務の消滅に関する行為について、債権者は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り、詐害行為取消請求をすることができる。
一その行為が、債務者が支払不能(債務者が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態をいう。次項第一号において同じ。)の時に行われたものであること。
二その行為が、債務者と受益者とが通謀して他の債権者を害する意図をもって行われたものであること。
2前項に規定する行為が、債務者の義務に属せず、又はその時期が債務者の義務に属しないものである場合において、次に掲げる要件のいずれにも該当するときは、債権者は、同項の規定にかかわらず、その行為について、詐害行為取消請求をすることができる。
一その行為が、債務者が支払不能になる前三十日以内に行われたものであること。
二その行為が、債務者と受益者とが通謀して他の債権者を害する意図をもって行われたものであること。
民法 第424_4条(過大な代物弁済等の特則) 詳細ページ
(過大な代物弁済等の特則)
第四百二十四条の四債務者がした債務の消滅に関する行為であって、受益者の受けた給付の価額がその行為によって消滅した債務の額より過大であるものについて、第四百二十四条に規定する要件に該当するときは、債権者は、前条第一項の規定にかかわらず、その消滅した債務の額に相当する部分以外の部分については、詐害行為取消請求をすることができる。
民法 第424_5条(転得者に対する詐害行為取消請求) 詳細ページ
(転得者に対する詐害行為取消請求)
第四百二十四条の五債権者は、受益者に対して詐害行為取消請求をすることができる場合において、受益者に移転した財産を転得した者があるときは、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める場合に限り、その転得者に対しても、詐害行為取消請求をすることができる。
一その転得者が受益者から転得した者である場合その転得者が、転得の当時、債務者がした行為が債権者を害することを知っていたとき。
二その転得者が他の転得者から転得した者である場合その転得者及びその前に転得した全ての転得者が、それぞれの転得の当時、債務者がした行為が債権者を害することを知っていたとき。
出

一次情報

原文ママ

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