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求償権

公的資料に現れる論点です。条文と判例から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

求償権とは、他人の債務のために自己の財産を用いて弁済等をした者が、その分を債務者や他の債務者に対して請求できる権利です。民法は、物上保証人・連帯債務者・保証人(委託の有無や意思に反するかどうかを含む)・共同保証人など場面ごとに、求償できる相手と範囲を定めています。免責的債務引受の引受人には求償権は認められません。

求償権
場面根拠条文求償の相手求償できる範囲・条件
物上保証人が弁済等をした場合351条債務者弁済額または質物の価額
連帯債務者の一人が弁済した場合442条他の連帯債務者負担部分に応じた額
委託を受けた保証人459条主たる債務者消滅させた債務の額
委託なし・意思に反しない保証人462条1項主たる債務者459条の2第1項を準用
委託なし・意思に反する保証人462条2項主たる債務者現に利益を受けている限度
委託を受けた保証人の事前求償460条主たる債務者弁済期前でも一定の場合可
共同保証人間の求償465条他の保証人442~444条・462条を準用
免責的債務引受の引受人472条の3―求償権を取得しない
  • 462条3項は、事前の求償権の行使について459条の2第3項を準用する
  • 445条は、連帯債務者の一人への免除・時効完成後も他の連帯債務者に442条1項の求償権を行使できるとする
  • 465条1項は不可分債務・全額弁済特約の場合、442~444条を準用し、465条2項はそれ以外の場合に462条を準用する
  • 465条の5は、根保証契約の保証人が法人である場合の求償権に係る保証契約等について定める
  • 459条2項・442条2項により、求償には法定利息や避けられなかった費用等の損害も含まれる
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求償権

求償権について、条文は何を定めているか。

第351条物上保証人の求償権物上保証人にも求償権を認める1項判例 6件
  • 弁済または質物の所有権を失ったときに求償できる
  • 求償の範囲は保証債務に関する規定に従う
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第442条連帯債務者間の求償権連帯債務者は他の債務者に求償できる2項判例 13件
  • 負担部分を超えるかどうかに関わらず求償できる
  • 求償額は負担部分に応じた額に限る
  • 法定利息や避けられなかった費用等も求償に含む
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第465条共同保証人間の求償権複数の保証人の間の求償権2項判例 6件
  • 不可分債務や全額弁済特約がある場合は442~444条〈償還をする資力のない者の負担部分の分担〉を準用
  • それ以外で連帯しない保証人が全額等を弁済したら462条〈委託を受けない保証人の求償権〉を準用
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第459条委託を受けた保証人の求償権委託を受けた保証人の求償権2項判例 7件
  • 主債務者の委託を受けて弁済等をしたら求償できる
  • 求償額は消滅させた主債務の額が上限
  • 法定利息や避けられなかった費用等も求償に含む
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第462条委託を受けない保証人の求償権委託を受けない保証人の求償権3項判例 2件
  • 意思に反しない場合は459条の2第1項〈委託を受けた保証人が弁済期前に弁済等をした場合の求償権〉を準用
  • 意思に反する場合は現に利益を受けている限度でのみ求償できる
  • 主債務者に相殺の原因があれば保証人はその履行を請求できる
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第460条委託を受けた保証人の事前の求償権一定の場合は弁済前でも求償できる1項・3号判例 6件
  • 主債務者が破産手続開始決定を受け、債権者が配当に加入しないとき
  • 債務が弁済期にあるとき(保証後に許与された期限は対抗不可)
  • 過失なく債権者への弁済を命じる裁判を受けたとき
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第465_5条保証人が法人である根保証契約の求償権法人の根保証は求償権にも極度額が必要3項判例なし
  • 極度額の定めがない根保証は求償権の保証契約も無効
  • 元本確定期日の定めがない等の場合も求償権の保証契約は無効
  • 求償権の保証人自身が法人なら上記の規定は適用されない
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第472_3条免責的債務引受における引受人の求償権引受人は債務者に求償できない1項判例なし
  • 免責的債務引受の引受人は求償権を取得しない
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第445条連帯債務者の一人との間の免除等と求償権一人への免除・時効完成後も求償できる1項判例なし
  • 連帯債務者の一人が免除を受けても他の債務者に求償できる
  • 一人のために時効が完成しても求償できる
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第351条民法

一 共同抵当の目的である債務者所有の甲不動産及び物上保証人所有の乙不動産に債権者を異にする後順位抵当権が設定され乙不動産が先に競売された場合に甲不動産から弁済を受けるときにおける甲不動産の後順位抵当権者と乙不動産の後順位抵当権者の優劣
二 物上保証人がその所有の不動産及び債務者所有の不動産につき共同抵当権を有する債権者との間で代位権不行使の特約をした場合と物上保証人所有の不動産の後順位抵当権者の優先弁済を受ける権利
三 債権の一部につき代位弁済がされた場合の競落代金の配当についての債権者と代位弁済者との優劣

裁判要旨一 共同抵当の目的である債務者所有の甲不動産及び物上保証人所有の乙不動産にそれぞれ債権者を異にする後順位抵当権が設定されている場合において、乙不動産が先に競売されて一番抵当権者が弁済を受けたときは、乙不動産の後順位抵当権者は、物上保証人に移転した甲不動産に対する一番抵当権から甲不動産の後順位抵当権者に優先して弁済を受けることができる。
二 物上保証人が、その所有の不動産及び債務者所有の不動産につき共同抵当権を有する債権者との間で、債権者の同意がない限り弁済等により取得する権利を行使しない旨の特約をしても、物上保証人所有の不動産の後順位抵当権者は、物上保証人が弁済等により代位取得する抵当権から優先弁済を受ける権利を失わない。
三 債権の一部につき代位弁済がされた場合、右債権を被担保債権とする抵当権の実行による競落代金の配当については、代位弁済者は債権者に劣後する。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和60年5月23日 昭和56(オ)1175
登載
民集 第39巻4号940頁
参照法条
民法304条,民法351条,民法372条,民法392条2項,民法500条,民法501条,民法502条1項
論点2第351条民法

一 債務者所有の不動産と物上保証人所有の不動産とを共同抵当の目的として数個の抵当権が設定され物上保証人所有の不動産について先に競売がされた場合における物上保証人と後順位低当権者との優劣
二 債務者所有の不動産と物上保証人所有の不動産とを共同抵当の目的として数個の抵当権が設定され物上保証人所有の不動産について先に競売がされた場合における後順位抵当権者の優先弁済権と登記又は差押の要否

裁判要旨一 債務者所有の不動産と物上保証人所有の不動産とを共同抵当の目的として順位を異にする数個の抵当権が設定されている場合において、物上保証人所有の不動産について先に競売がされ、その競落代金の交付により一番抵当権者が弁済を受けたときは、後順位抵当権者は、物上保証人に移転した債務者所有の不動産に対する一番抵当権から優先して弁済を受けることができる。
二 債務者所有の不動産と物上保証人所有の不動産とを共同抵当の目的として順位を異にする数個の抵当権が設定されている場合において、物上保証人所有の不動産について先に競売がされ、その競落代金の交付により一番抵当権者が弁済を受けたときは、後順位抵当権者は、物上保証人に移転した債務者所有の不動産に対する一番抵当権からの優先弁済権を主張するについて登記又は差押を必要としない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和53年7月4日 昭和50(オ)196
登載
民集 第32巻5号785頁
参照法条
民法177条,民法304条1項,民法351条,民法372条,民法392条2項
論点3第351条民法

一、物上保証人は被担保債権の消滅時効を援用することができるか
二、債権者はその債務者に代位して他の債権者に対する債務の消滅時効を援用することができるか

裁判要旨一、他人の債務のために自己の所有物件に抵当権を設定した者は、右債務の消滅時効を援用することができる。
二、債権者は、自己の債権を保全するに必要な限度で、債務者に代位して、他の債権者に対する債務の消滅時効を援用することができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和43年9月26日 昭和41(オ)77
登載
民集 第22巻9号2002頁
参照法条
民法145条,民法372条,民法351条,民法423条
論点4第351条民法

物上保証の目的物件の第三取得者が弁済によつて取得する求償権の範囲

裁判要旨物上保証の目的物件の第三取得者が自己の出捐をもつて債権者に対し弁済した場合において、右第三取得者が有する求償権の範囲については、物上保証人に対する債務者の委任の有無によつて、民法第四五九条〈委託を受けた保証人の求償権〉ないし第四六二条〈委託を受けない保証人の求償権〉の規定が準用される。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和42年9月29日 昭和41(オ)1088
登載
民集 第21巻7号2034頁
参照法条
民法372条,民法351条,民法459条,民法462条
論点5第351条民法

物上保証人と求償権の事前行使の可否

裁判要旨物上保証人は、被担保債権の弁済期が到来しても、あらかじめ求償権を行使することはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成2年12月18日 平成2(オ)801
登載
民集 第44巻9号1686頁
参照法条
民法351条,民法372条,民法460条
論点6第351条民法

債務者に対する破産宣告後に物上保証人から届出債権の一部の弁済を受けた破産債権者が権利を行使し得る範囲

裁判要旨債権の全額を破産債権として届け出た債権者は,債務者に対する破産宣告後に物上保証人から届出債権の弁済を受けても,その全部の満足を得ない限り,届出債権の全額について破産債権者としての権利を行使することができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成14年9月24日 平成12(受)1584
登載
民集 第56巻7号1524頁
参照法条
破産法24条,破産法26条,民法351条,民法372条,民法502条1項
論点7第442条民法

被用者と第三者との共同不法行為による損害を賠償した第三者からの使用者に対する求償権の成否

裁判要旨被用者と第三者との共同不法行為により他人に損害を加えた場合において、第三者が自己と被用者との過失割合に従つて定められるべき自己の負担部分を超えて被害者に損害を賠償したときは、第三者は、被用者の負担部分について使用者に対し求償することができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和63年7月1日 昭和60(オ)1145
登載
民集 第42巻6号451頁
参照法条
民法442条,民法715条,民法719条
論点8第442条民法

一 保証人と債務者との間に成立した求償権につき約定利率による遅延損害金を支払う旨の特約と民法五〇一条〈弁済による代位の効果〉所定の代位の範囲
二 保証人と物上保証人との間に成立した民法五〇一条但書五号所定の代位の割合と異なる特約の第三者に対する効力

裁判要旨一 保証人と債務者との間に求償権について法定利息と異なる約定利率による遅延損害金を支払う旨の特約がある場合には、代位弁済をした右保証人は、物上保証人及び当該物件の後順位担保権者等の利害関係人に対する関係において、債権者の有していた債権及び担保権につき、右特約に基づく遅延損害金を含む求償権の総額を上限として、これを行使することができる。
二 保証人と物上保証人との間に民法五〇一条〈弁済による代位の効果〉但書五号所定の代位の割合と異なる特約がある場合には、代位弁済をした右保証人は、物上保証人の後順位担保権者等の利害関係人に対する関係において、右特約の割合に応じて債権者が物上保証人に対して有していた抵当権等の担保権を代位行使することができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和59年5月29日 昭和55(オ)351
登載
民集 第38巻7号885頁
参照法条
民法442条2項,民法459条,民法501条
論点9第442条民法

一 保証人と債務者との間に成立した求償権につき約定利率による遅延損害金を支払う旨の特約と民法五〇一条〈弁済による代位の効果〉所定の代位の範囲
二 保証人と物上保証人との間に成立した民法五〇一条但書五号所定の代位の割合と異なる特約の第三者に対する効力

裁判要旨一 保証人と債務者との間に求償権について法定利息と異なる約定利率による遅延損害金を支払う旨の特約がある場合には、代位弁済をした右保証人は、物上保証人及び当該物件の後順位担保権者等の利害関係人に対する関係において、債権者の有していた債権及び担保権につき、右特約に基づく遅延損害金を含む求償権の総額を上限として、これを行使することができる。
二 保証人と物上保証人との間に民法五〇一条〈弁済による代位の効果〉但書五号所定の代位の割合と異なる特約がある場合には、代位弁済をした右保証人は、物上保証人の後順位担保権者等の利害関係人に対する関係において、右特約の割合に応じて債権者が物上保証人に対して有していた抵当権等の担保権を代位行使することができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和59年11月16日 昭和54(オ)448
登載
集民 第143号165頁
参照法条
民法442条2項,民法459条,民法501条
論点10第442条民法

一 保証人と債務者との間に成立した求償権につき約定利率による遅延損害金を支払う旨の特約と民法五〇一条〈弁済による代位の効果〉所定の代位の範囲
二 保証人と物上保証人との間に成立した民法五〇一条但書五号所定の代位の割合と異なる特約の第三者に対する効力

裁判要旨一 保証人と債務者との間に求償権について法定利息と異なる約定利率による遅延損害金を支払う旨の特約がある場合には、代位弁済をした右保証人は、物上保証人及び当該物件の後順位担保権者等の利害関係人に対する関係において、債権者の有していた債権及び担保権につき、右特約に基づく遅延損害金を含む求償権の総額を上限として、これを行使することができる。
二 保証人と物上保証人との間に民法五〇一条〈弁済による代位の効果〉但書五号所定の代位の割合と異なる特約がある場合には、代位弁済をした右保証人は、物上保証人の後順位担保権者等の利害関係人に対する関係において、右特約の割合に応じて債権者が物上保証人に対して有していた抵当権等の担保権を代位行使することができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和59年10月4日 昭和55(オ)252
登載
集民 第143号1頁
参照法条
民法442条2項,民法459条,民法501条
論点11第442条民法

約束手形の第一裏書人及び第二裏書人がいずれも保証の趣旨で裏書したものである場合に手形を受戻した第二裏書人に対し第一裏書人が負うべき遡求義務の範囲

裁判要旨約束手形の第一裏書人及び第二裏書人がいずれも振出人の手形債務を保証する趣旨で裏書したものである場合において、第二裏書人が所持人から手形を受戻したうえ第一裏書人に対し遡求したときは、第一裏書人は民法四六五条一項の規定の限度においてのみ遡求に応じれば足り、右の遡求義務の範囲の基準となる裏書人間の負担部分につき特約がないときは、負担部分は平等である。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和57年9月7日 昭和56(オ)851
登載
民集 第36巻8号1607頁
参照法条
民法427条,民法442条,民法465条1項,手形法17条,手形法30条1項,手形法47条1項,手形法47条3項,手形法49条,手形法77条1項1号,手形法77条1項4号,手形法77条3項
論点12第442条民法

一、信用保証委託約定書六条〈未成年者の営業の許可〉一、二項の解釈
二、代位弁済による求償債権の損害金に関する特約と第三者

裁判要旨一、信用保証委託約定書六条〈未成年者の営業の許可〉一、二項の約定は、信用保証協会が債務を弁済した場合において、求償権及び代位の範囲を第三者との関係についても定めたものではなく、単に保証人との間において右協会に負担部分がないことを定めたものと解すべきである。
二、信用保証協会が債務者及び保証人と、右協会の代位弁済による求償債権の損害金につき法定利息と異なる約定をしても、右協会は右約定を第三者に対抗することはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和49年11月5日 昭和47(オ)897
登載
集民 第113号89頁
参照法条
民法442条,民法465条,民法501条
論点13第442条民法

債権者に対する関係では主債務者であるが内部関係においては実質上の連帯保証人にすぎない者に対する他の連帯保証人の求償権

裁判要旨甲が債権者に対する関係では主債務者であるが、内部関係においては実質上の主債務者乙の連帯保証人にすぎない場合において、連帯保証人丙が債権者に対し自己の負担部分をこえる額を弁済したときは、丙は、甲に対し丙の負担部分をこえる部分についてのみ甲の負担部分の範囲内で求償権を行使することができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和46年3月16日 昭和45(オ)617
登載
民集 第25巻2号173頁
参照法条
民法465条1項,民法442条
論点14第442条民法

一、任意に支払われた法定の制限をこえる利息・損害金と弁済充当の順位に関する特約がある場合の充当関係
二、法定の制限をこえて支払われた利息・損害金を残存元本等に充当するには債務者からその旨の抗弁が提出されることを要するか
三、法定の制限をこえる利息を支払つた連帯債務者は他の連帯債務者に対して制限超過の利息相当金を求償することができるか
四、利息について法定の制限をこえる約定があるが遅延損害金については約定のない貸金債権と民法第四一九条第一項〈金銭債務の特則〉但書および利息制限法第四条第一項の適用の有無

裁判要旨一、債権者と債務者間に数口の貸金債権が存在し、弁済充当の順序について特約が存在する場合において、債務者が利息制限法所定の制限をこえる利息を支払つたときは、右超過部分に対する弁済は、右特約の趣旨に従つて次順位に充当されるべき債務で有効に存在するものに充当されるものと解すべきである。
(反対意見がある)
二、裁判所は、利息制限法所定の制限をこえて任意に支払われた利息・損害金の存在することが弁論にあらわれ、これを確定した以上、当事者から右制限超過分を残存元本等に充当すべき旨の特別の申立ないし抗弁が提出されなくても、右弁済充当関係を判断することができる。
三、連帯債務者の一人が利息制限法所定の制限をこえる利息を支払つても、他の連帯債務者に対して右制限をこえる利息相当金を求償することはできない。
四、金銭を目的とする消費貸借上の利息について利息制限法第一条第一項の利率の制限をこえる約定があるが、遅延損害金の約定がない場合には、遅延損害金についても利息制限法第一条の制限額にまで減縮され、その限度で支払を求めうるにすぎない。
(反対意見がある)
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和43年10月29日 昭和42(オ)967
登載
民集 第22巻10号2257頁
参照法条
利息制限法1条,利息制限法2条,利息制限法4条,民法419条,民法442条,民法491条
論点15第442条民法

一 被用者と第三者との共同過失によつて惹起された交通事故による損害を賠償した使用者の第三者に対する求償権の成否
二 右の場合における第三者の負担部分

裁判要旨一 使用者は、被用者と第三者との共同過失によつて惹起された交通事故による損害を賠償したときは、右第三者に対し、求償権を行使することができる。
二 右の場合における第三者の負担部分は、共同不法行為者である被用者と第三者との過失の割合にしたがつて定められるべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和41年11月18日 昭和41(オ)58
登載
民集 第20巻9号1886頁
参照法条
民法719条,民法442条
論点16第442条民法

一 共同不法行為の加害者の各使用者間における求償権の成立する範囲
二 加害者の複数の使用者間における各使用者の負担部分
三 加害者の複数の使用者間における求償権の成立する範囲

裁判要旨一 共同不法行為の加害者の各使用者が使用者責任を負う場合において、一方の加害者の使用者は、当該加害者の過失割合に従って定められる自己の負担部分を超えて損害を賠償したときは、その超える部分につき、他方の加害者の使用者に対し、当該加害者の過失割合に従って定められる負担部分の限度で、求償することができる。
二 加害者の複数の使用者が使用者責任を負う場合において、各使用者の負担部分は、加害者の加害行為の態様及びこれと各使用者の事業の執行との関連性の程度各使用者の指揮監督の強弱などを考慮して定められる責任の割合に従って定めるべきである。
三 加害者の複数の使用者が使用者責任を負う場合において、使用者の一方は、自己の負担部分を超えて損害を賠償したときは、その超える部分につき、使用者の他方に対し、その負担部分の限度で、求償することができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成3年10月25日 昭和63(オ)1383
登載
民集 第45巻7号1173頁
参照法条
民法442条,民法715条,民法719条
論点17第442条民法

保証人が主たる債務者に対して取得した求償権の消滅時効の中断事由がある場合における共同保証人間の求償権の消滅時効中断の有無

裁判要旨保証人が主たる債務者に対して取得した求償権の消滅時効の中断事由がある場合であっても,共同保証人間の求償権について消滅時効の中断の効力は生じない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成27年11月19日 平成25(受)2001
登載
民集 第69巻7号1988頁
参照法条
民法147条,民法442条,民法465条
論点18第442条民法

一 共同不法行為者の一人と被害者との間で成立した訴訟上の和解における債務の免除の効力が他の共同不法行為者に対しても及ぶ場合
二 共同不法行為者の一人と被害者との間で成立した訴訟上の和解における債務の免除の効力が他の共同不法行為者に対しても及ぶ場合における求償金額の算定

裁判要旨一 甲と乙が共同の不法行為により丙に損害を加えたが、甲と丙との間で成立した訴訟上の和解により、甲が丙の請求額の一部につき和解金を支払うとともに、丙が甲に対し残債務を免除した場合において、丙が右訴訟上の和解に際し乙の残債務をも免除する意思を有していると認められるときは、乙に対しても残債務の免除の効力が及ぶ。
二 共同不法行為者の一人甲と被害者丙との間で成立した訴訟上の和解により、甲が丙の請求額の一部につき和解金を支払うとともに、丙が甲に対し残債務を免除した場合において、他の共同不法行為者乙に対しても残債務の免除の効力が及ぶときは、甲の乙に対する求償金額は、確定した損害額である右訴訟上の和解における甲の支払額を基準とし、双方の責任割合に従いその負担部分を定めて、これを算定すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成10年9月10日 平成9(オ)448
登載
民集 第52巻6号1494頁
参照法条
民法437条,民法442条,民法719条
論点19第442条民法

一 構成員に会社を含む共同企業体の債務と各構成員の連帯債務関係
二 和議開始の申立てをした連帯債務者の一人に対し他の連帯債務者が右申立てを知って和議開始決定前の弁済により取得した求償権をもって相殺することの可否
三 和議認可決定を受けた連帯債務者の一人に対し他の連帯債務者が和議開始決定後の弁済により取得した求償権をもってする相殺の要件及び限度

裁判要旨一 構成員に会社を含む共同企業体の各構成員は、共同企業体がその事業のために第三者に対して負担した債務につき連帯債務を負う。
二 連帯債務関係が発生した後に連帯債務者の一人が和議開始の申立てをした場合において、右申立てを知って和議開始決定前の弁済により求償権を取得した他の連帯債務者は、右求償権をもって和議債務者の債権と相殺することができる。
三 連帯債務者の一人について和議認可決定が確定した場合において、和議開始決定後の弁済により求償権を取得した他の連帯債務者は、債権者が全額の弁済を受けたときに限り、右弁済によって取得する債権者の和議債権(和議条件により変更されたもの)の限度で右求償権をもって和議債務者の債権と相殺することができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成10年4月14日 平成6(オ)2137
登載
民集 第52巻3号813頁
参照法条
民法442条,民法501条,民法675条,商法511条1項,和議法5条,和議法45条,和議法57条,破産法24条,破産法26条,破産法104条,破産法326条
論点20第465条民法

身元保証に関する法律五条〈未成年者の法律行為〉に基づいて定められた賠償額を弁済した身元保証人から他の身元保証人に対してする求償請求を認容すべき限度

裁判要旨連帯保証の性質を有する身元保証をした甲乙二名のうち甲のみにつき身元保証に関する法律五条〈未成年者の法律行為〉に基づいて賠償額が定められ、甲がこれを弁済したのち乙に求償請求をした場合には、裁判所は、同条により乙の賠償額を定め、これと甲の賠償額との合算額が主債務額を超えるときにおいてのみ、甲の弁済額のうち、主債務額をそれぞれの賠償額に応じて按分した甲の負担部分を超える金額について、甲の請求を認容すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和60年5月23日 昭和57(オ)1017
登載
民集 第39巻4号972頁
参照法条
身元保証に関する法律5条,民法465条1項
論点21第465条民法

根保証契約の主たる債務の範囲に含まれる債務に係る債権の譲渡が元本確定期日前にされた場合に譲受人が保証債務の履行を求めることの可否

裁判要旨根保証契約の主たる債務の範囲に含まれる債務に係る債権を譲り受けた者は,その譲渡が当該根保証契約に定める元本確定期日前にされた場合であっても,当該根保証契約の当事者間において上記債権の譲受人の請求を妨げるような別段の合意がない限り,保証人に対し,保証債務の履行を求めることができる。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成24年12月14日 平成23(受)1833
登載
民集 第66巻12号3559頁
参照法条
民法446条1項,民法465条の2第1項,民法466条1項
論点22第459条民法

主たる債務者に対しいわゆる事前求償権を取得した保証人が主たる債務の弁済等により取得する求償権の消滅時効の起算点

裁判要旨主たる債務者から委託を受けた保証人が、主たる債務者に対し、民法四五九条一項〈委託を受けた保証人の求償権〉前段若しくは同法四六〇条の規定又は主たる債務者との合意に基づき、いわゆる事前求償権を取得した場合であつても、右保証人が弁済その他自己の出捐をもつて主たる債務を消滅させるべき行為をしたことにより同法四五九条一項後段の規定に基づいて取得する求償権の消滅時効は、右行為をした時から進行するものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和60年2月12日 昭和59(オ)885
登載
民集 第39巻1号89頁
参照法条
民法166条1項,民法459条1項,民法460条
論点23第459条民法

金融機関が信用保証協会との間の信用保証取引に関する約定中のいわゆる旧債振替禁止条項に違反した場合における保証債務の消滅の範囲

裁判要旨金融機関が、信用保証協会の保証に係る中小企業者等に対する貸付金の一部について、信用保証協会との間の信用保証取引に関する約定中のいわゆる旧債振替禁止条項に違反してこれを既存の債権の回収に充てた場合には、残額部分の貸付金では中小企業者等が融資を受けた目的を達成することができないなど、信用保証制度の趣旨・目的に照らして保証債務の全部について免責を認めるのを相当とする特段の事情がある場合を除き、当該違反部分のみについて保証債務の消滅の効果が生ずる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成9年10月31日 平成8(オ)1939
登載
民集 第51巻9号4004頁
参照法条
民法91条,民法446条,民法459条,信用保証協会法1条,信用保証協会法20条
論点24第459条民法

事前求償権を被保全債権とする仮差押えと事後求償権の消滅時効の中断

裁判要旨事前求償権を被保全債権とする仮差押えは,事後求償権の消滅時効をも中断する効力を有する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成27年2月17日 平成24(受)1831
登載
民集 第69巻1号1頁
参照法条
民法147条2号,民法154条,民法459条1項,民法460条
論点25第462条民法

1 保証人が主たる債務者の破産手続開始前にその委託を受けないで締結した保証契約に基づき同手続開始後に弁済をした場合に保証人が取得する求償権の破産債権該当性
2 保証人が主たる債務者の破産手続開始前にその委託を受けないで締結した保証契約に基づき同手続開始後に弁済をした場合に保証人が取得する求償権を自働債権とする相殺の可否

裁判要旨1 保証人が主たる債務者の破産手続開始前にその委託を受けないで締結した保証契約に基づき同手続開始後に弁済をした場合において,保証人が主たる債務者である破産者に対して取得する求償権は,破産債権である。
2 保証人が主たる債務者の破産手続開始前にその委託を受けないで締結した保証契約に基づき同手続開始後に弁済をした場合において,保証人が取得する求償権を自働債権とし,主たる債務者である破産者が保証人に対して有する債権を受働債権とする相殺は,破産法72条1項1号の類推適用により許されない。
(1,2につき補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成24年5月28日 平成21(受)1567
登載
民集 第66巻7号3123頁
参照法条
(1,2につき)民法462条,破産法2条5項 (2につき)破産法67条1項,破産法72条1項1号
論点26第460条民法

保証人が民法四六〇条に基づいて主たる債務者に対して取得するいわゆる事前求償権を自働債権とする相殺の可否

裁判要旨保証人が民法四六〇条に基づいて主たる債務者に対して取得するいわゆる事前求償権は、これを自働債権として相殺の用に供しえない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和58年12月19日 昭和55(オ)909
登載
集民 第140号663頁
参照法条
民法460条,民法461条1項,民法505条1項
論点27第460条民法

形式上の主債務者に対する連帯保証人の求償権が否定された事例

裁判要旨甲が、実質上の借主乙、その連帯保証人丙のために名義を貸して形式上の借主となつた等判示の事情のもとにおいて、丙は、甲に対し、民法第四六〇条第二号〈委託を受けた保証人の事前の求償権 債務が弁済期にあるとき。ただし、保証契約の後に債権者が主たる債務者に許与した期限は、保証人に対抗することができない。〉所定の求償権を有しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和41年1月28日 昭和40(オ)986
登載
集民 第82号197頁
参照法条
民法460条2号
論点28第460条民法

保証人の求償権を担保する根抵当権の民法第四六〇条第二号の場合における効力。

裁判要旨主たる債務者の委託を受けた保証人が将来免責行為をしたときに取得すべき求償権を担保する為に、主債務の額を極度額とする根抵当権が設定されていた場合、その保証人は、主債務の弁済期の到来後は、まだ免責行為をしてなくても、先順位抵当権による競売手続において極度額まで配当要求をなし得る。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和34年6月25日 昭和32(オ)420
登載
民集 第13巻6号810頁
参照法条
民法369条1項,民法460条2号本文,民法461条2項
原

条文原文

原文ママ

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民法 第351条(物上保証人の求償権) 詳細ページ
(物上保証人の求償権)
第三百五十一条他人の債務を担保するため質権を設定した者は、その債務を弁済し、又は質権の実行によって質物の所有権を失ったときは、保証債務に関する規定に従い、債務者に対して求償権を有する。
民法 第442条(連帯債務者間の求償権) 詳細ページ
(連帯債務者間の求償権)
第四百四十二条連帯債務者の一人が弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得たときは、その連帯債務者は、その免責を得た額が自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらず、他の連帯債務者に対し、その免責を得るために支出した財産の額(その財産の額が共同の免責を得た額を超える場合にあっては、その免責を得た額)のうち各自の負担部分に応じた額の求償権を有する。
2前項の規定による求償は、弁済その他免責があった日以後の法定利息及び避けることができなかった費用その他の損害の賠償を包含する。
民法 第465条(共同保証人間の求償権) 詳細ページ
(共同保証人間の求償権)
第四百六十五条第四百四十二条から第四百四十四条までの規定は、数人の保証人がある場合において、そのうちの一人の保証人が、主たる債務が不可分であるため又は各保証人が全額を弁済すべき旨の特約があるため、その全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときについて準用する。
2第四百六十二条の規定は、前項に規定する場合を除き、互いに連帯しない保証人の一人が全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときについて準用する。
民法 第459条(委託を受けた保証人の求償権) 詳細ページ
(委託を受けた保証人の求償権)
第四百五十九条保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者に代わって弁済その他自己の財産をもって債務を消滅させる行為(以下「債務の消滅行為」という。)をしたときは、その保証人は、主たる債務者に対し、そのために支出した財産の額(その財産の額がその債務の消滅行為によって消滅した主たる債務の額を超える場合にあっては、その消滅した額)の求償権を有する。
2第四百四十二条第二項の規定は、前項の場合について準用する。
民法 第462条(委託を受けない保証人の求償権) 詳細ページ
(委託を受けない保証人の求償権)
第四百六十二条第四百五十九条の二第一項の規定は、主たる債務者の委託を受けないで保証をした者が債務の消滅行為をした場合について準用する。
2主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有する。この場合において、主たる債務者が求償の日以前に相殺の原因を有していたことを主張するときは、保証人は、債権者に対し、その相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。
3第四百五十九条の二第三項の規定は、前二項に規定する保証人が主たる債務の弁済期前に債務の消滅行為をした場合における求償権の行使について準用する。
民法 第460条(委託を受けた保証人の事前の求償権) 詳細ページ
(委託を受けた保証人の事前の求償権)
第四百六十条保証人は、主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、次に掲げるときは、主たる債務者に対して、あらかじめ、求償権を行使することができる。
一主たる債務者が破産手続開始の決定を受け、かつ、債権者がその破産財団の配当に加入しないとき。
二債務が弁済期にあるとき。ただし、保証契約の後に債権者が主たる債務者に許与した期限は、保証人に対抗することができない。
三保証人が過失なく債権者に弁済をすべき旨の裁判の言渡しを受けたとき。
民法 第465_5条(保証人が法人である根保証契約の求償権) 詳細ページ
(保証人が法人である根保証契約の求償権)
第四百六十五条の五保証人が法人である根保証契約において、第四百六十五条の二第一項に規定する極度額の定めがないときは、その根保証契約の保証人の主たる債務者に対する求償権に係る債務を主たる債務とする保証契約は、その効力を生じない。
2保証人が法人である根保証契約であってその主たる債務の範囲に貸金等債務が含まれるものにおいて、元本確定期日の定めがないとき、又は元本確定期日の定め若しくはその変更が第四百六十五条の三第一項若しくは第三項の規定を適用するとすればその効力を生じないものであるときは、その根保証契約の保証人の主たる債務者に対する求償権に係る債務を主たる債務とする保証契約は、その効力を生じない。主たる債務の範囲にその求償権に係る債務が含まれる根保証契約も、同様とする。
3前二項の規定は、求償権に係る債務を主たる債務とする保証契約又は主たる債務の範囲に求償権に係る債務が含まれる根保証契約の保証人が法人である場合には、適用しない。
民法 第472_3条(免責的債務引受における引受人の求償権) 詳細ページ
(免責的債務引受における引受人の求償権)
第四百七十二条の三免責的債務引受の引受人は、債務者に対して求償権を取得しない。
民法 第445条(連帯債務者の一人との間の免除等と求償権) 詳細ページ
(連帯債務者の一人との間の免除等と求償権)
第四百四十五条連帯債務者の一人に対して債務の免除がされ、又は連帯債務者の一人のために時効が完成した場合においても、他の連帯債務者は、その一人の連帯債務者に対し、第四百四十二条第一項の求償権を行使することができる。
出

一次情報

原文ママ

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